大田区文化祭《管弦楽の調べ》 大田区ハイドン室内管弦楽団 2005年 11 月23日(水) 勤労感謝の日 開 場 19:00 開 演 19:30 大田区民ホール 「アプリコ」大ホール ヨルゲン・ダヴィッド・フォゥグ 主 後 ペーター・ヴェヒター 浦田 陽子 催 : 大田区教育委員会、大田区ハイドン室内管弦楽団 援 : NPO 法人大田まちづくり芸術支援協会(ASCA) / 大田区ハイドン室内管弦楽団後援会 ご あ い さ つ 今年も文化祭に参加の機会を与えていただき、団員一同心から光栄に存じております。今回は、ウィーン・フ ィルのメンバーを含む3名の方々と、ベートーヴェンの三重協奏曲を共演させていただきます。当団の主旨にご 賛同をいただき、ほとんど手弁当の形でのご出演です。この曲は、名手が3人揃わなければ実現できない難曲で す。また、交響曲「運命」にもご参加いただけるのです。団員にとって最高に幸せな勉強の機会です。 幸せなエピソードをもう一つ。7月の練習の日に、当団顧問の頴川氏のご紹介で、ライプツィヒ・ゲヴァント ハウス管弦楽団の3名の方々が参加されました。ちなみに、この三重協奏曲は、このオーケストラが初演(18 08年)の縁(えにし)があります。練習の音は、その瞬間からまったく変わりました。後の交流会にもご出席 いただき、団員たちの質問攻めに遭いました。 その上、9月には、コントラバス奏者の E.シュプレー氏から友好の印として、本日ロビーに展示してある J.S. バッハが活動の場とした聖トーマス教会の証明書付きの壁石と楽団使用の楽譜まで送っていただきました。音楽 に国境がないように、音楽を愛する人の想いは一つであることを学びました。 アプリコホールの職員の皆様を始め、今回の演奏会も皆様のご理解とご支援で、今日という日を迎えることが できました。いつもながら音楽会作りを支えていただいている地域の方々、後援会やスタッフの方々に、心から 御礼を申し上げます。 代表 中山 美房 後援会長 吉川 武夫 指揮者・独奏者 プロフィール 前澤 均(まえざわ ひとし; 指揮、大田区ハイドン室内管弦楽団顧問) 1963年、東京芸大を卒業と同時にNHK交響楽団に入団、アルス弦楽四重奏団、N響室内 合奏団でも活動。72年、N響派遣留学生としてウィーン留学、W.バリリに師事。74年、N 響メンバーでシュトス弦楽四重奏団を主宰、鎌倉で定期演奏会を開始し、25年間で50回の定 期演奏会を継続。81年、湘南アルス室内合奏団を地域の仲間と結成。2001年、N響を定年 退職。現在、北鎌倉女子学園非常勤講師。岩船雅一、兎束龍夫、H.ホルスト、W.バリリの各氏 に師事。 指揮活動:65年、鎌倉高校合唱部OBで「コール・キャリオン」結成、5年間活動。77年、 横須賀交響楽団第40回定期演奏会。89年、湘南ユース・オーケストラを創設し、毎回の定期 演奏会と「第九」を指揮。96年、音大生、アマチュア等によるサファリ・オーケストラを設立し、これまでに 10回の定期演奏会を指揮。大田区ハイドン室内管弦楽団とは第21回定期演奏会からのトレーナーを経て、第 27回定期演奏会でブラームス第4交響曲他を指揮、懇親演奏会の指揮及びヴァイオリン演奏で共演、第29回 定期演奏会でドヴォルザーク第8交響曲他、第31回定期演奏会でブラームス第2交響曲他を指揮、今日に至る。 ぺーター・ヴェヒター (Peter Wächter; ヴァイオリン独奏) ウィーン生まれ。ウィーン音楽大学でフランツ・サモイル氏、ヴォルフガング・ベトヒャー氏(室内楽)について学 ぶ。元キュッヒル弦楽四重奏団のメンバーで、ウィーン・フィルハーモニー・アンサンブルの創立者・リーダーである。 1964年以来、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の第 2 ヴァイオリン首席奏者を務める。 ヨルゲン・ダヴィッド・フォゥグ (Jörgen David Fog; チェロ独奏) コペンハーゲン生まれ。1968年にコペンハーゲン王立音楽院を卒業後、ウィーン音楽大学でウラディミール・オ ルロフ氏のもとで学ぶ。シエナではアンドレ・ナヴァラ氏のマスター・クラスを受講。フランスのコルマールでの国際 室内楽コンクールで浦田陽子と共に優勝。1972年以来、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のチェロ奏者を務め る。 浦田陽子(うらた ようこ; ピアノ独奏) 東京に生まれ、洗足学園音楽大学卒業後、ウィーン音楽大学で J.ディヒラー氏に学ぶ。1963年の日本国際音楽コ ンクール、1970年のエレナ・ロンブロ・ステパノフ・コンクール(ウィーン) 、1974年のフランス国際室内楽コ ンクールを始めとして、数々のコンクールで優勝。ヨーロッパや日本で活発にコンサート活動を行い、スイスのシオン で開かれた国際サマー・フェスティヴァルで、ティボール・ヴァルガ指揮の下で、W.フォン・ジーベンタール作曲のピ アノ協奏曲の初演を行う。 ♪♪♪ 演 奏 曲 目 解 説 ♪♪♪ グルック(Christoph Willibald Gluck 1714~1787) 歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」序曲 (演奏時間約3分) グルックはオペラの改革者で、オペラに平明かつ崇高な歌、雄弁な管弦楽伴奏、劇的な緊張感を持つ音楽を用い、劇 の進行をスムーズにした。その様式は後世の作曲家に高く評価された。 歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」の話の筋はギリシア神話「オルフェウス(オルフェオ)の物語」 (死んだ妻エ ウリディーチェを生き返らせようとオルフェオは冥界におもむくという話)に基づく。ただしギリシア神話では妻エウ リディーチェは生き返らず悲劇で終わるが、グルックの歌劇ではエウリディーチェは愛の神の力により生き返り、愛の 讃歌と華やかなバレエが繰り広げられたのちハッピーエンドで終わる。 この序曲は管弦楽の総奏で始まり、すぐにハ長調からト長調へと移り、またハ長調に戻る。ヴァイオリンによる優雅 な旋律と信号のような金管楽器の響きが印象的である。 ベートーヴェン(Ludwig van Beethoven 1770~1827) ピアノとヴァイオリンとチェロのための三重協奏曲 ハ長調 作品56 (演奏時間約35分) この協奏曲は交響曲第3番「英雄」と同時期に作曲され、1804年の夏に完成した。この珍しい形態の協奏曲は協 奏曲の独奏部をピアノ、ヴァイオリン、チェロの三種の楽器に分担させるという意欲的な発想に立ち、楽器の取り扱い に非常な苦心が見られ、美しい旋律も多い。しかし三つの独奏楽器と充実した色彩豊かな管弦楽という豊富な素材をか かえて、その処理が極めて難しく、腕の良い名手を3人揃える必要があるため、現在では演奏される機会は貴重である。 第1楽章 アレグロ ハ長調 4分の4拍子。 協奏風ソナタ形式。独奏楽器群の華々しい技巧が繰り広げられ、管弦 楽も力強く主題を演奏してそれに応える。 第2楽章 ラルゴ 変イ長調 8分の3拍子。53小節の短い間奏曲風 の楽章。ピアノのアルペジオの上に乗る独奏ヴァイオリンと独奏チェロが印象的である。カデンツァ風な部分が続いた のち、曲はそのまま次の楽章へ流れ込む。 第3楽章 ロンド・アラ・ポラッカ ハ長調 4分の3拍子。ロンド形 式。ポロネーズ風の軽快な楽想。独奏楽器群と管楽器の華々しい応対が繰り広げられて全曲が終わる。 休 憩(20分間) ベートーヴェン(Ludwig van Beethoven 1770~1827) 交響曲第5番 ハ短調 「運命」 作品67 (演奏時間約35分) この曲は1807年末か翌1808年初めに完成した。第1楽章の冒頭の「タタタターン」という動機を「このよう に運命が扉をたたく」とベートーヴェン自身が説明したと、その弟子のシンドラーによって伝えられて以来、この交響 曲は「運命」という劇的な題で呼ばれるようになった。例の「タタタターン」という四つの音からなる運命の動機は何 の変哲もないものだが、それが実に見事な計算によって全曲を通しての中心となり完璧に構成されている。それが壮大 な音の広がりとなって聴衆を感動させる。 第1楽章 アレグロ・コン・ブリオ ハ短調 4分の2拍子 ソナタ形式。有名な「タタタターン」という運命の動機 がフォルテシモで激しく奏される。極めて男性的なものであり、このリズム形は無限に続いて全曲を貫く。 第2楽章 アンダンテ・コン・モート 変イ長調 8分の3拍子 自由な変奏曲形式。その主題は前の楽章の劇的な緊 張に対し、美しく幻想的である。 第3楽章 アレグロ ハ短調 4分の3拍子 スケルツォの楽章。トリオが終わる とスケルツォの部分に帰り、次の楽章に切れ目なしに入ってゆく。 第4楽章 アレグロ ハ長調 4分の4拍子 ソ ナタ形式。第3楽章の最後でピアニシモになって期待を高め緊張させ、それがクレシェンドで盛り上がってこの楽章に 突入し、管弦楽がフォルテシモ総奏で凱歌を奏し始める。展開部はクライマックスに達した所で突然拍子が4分の3拍 子に変わり、あの全曲を貫く運命の動機が入って来てスケルツォの回想が行われる。再現部ののち新しい主題が呈示さ れてコーダに入り、プレストとなり終止の和音を繰り返し強奏し、強烈な印象を残してこの曲を終わる。 大田区ハイドン室内管弦楽団 名誉顧問 ウィーン・フィル ソロ・クラリネット奏者 ペーター・シュミードル 指揮者 前澤 均 コンサート・ミストレス 吉原 葉子 第1ヴァイオリン ヴィオラ 池田 力哉 甘田 忠明 石川 明男 伊藤 弘之 * 大房 憲子 上赤 尚生 佐藤 巧 早野 拓朗 * 城 麻衣子 平井 祐二 水納 隆司 堀越 葉子 * 鈴木 政彦 三谷 啓子 清野 桂 宮崎 豊 福島 智子 安田 裕子 松田 恵美子 矢嶋 亨 * 吉原 葉子 「運命」特別出演 ウィーン・フィル * ペーター・ヴェヒター 第2ヴァイオリン 葵 佐代子 岩野 恒明 * 鬼頭 文子 清川 園子 窪田 チカ 河毛 俊彦 佐治 道子 嶋崎 えりか 野川 八千代 藤田 道也 古井 亜友美 星野 秀隆 コントラバス 小糸 武巳 * 島田 荘平 * 多田 育代 中村 正道 * 松岡 和男 ホルン 佐藤 克洋 清水 直樹 山内 和彦 トランペット 尾形 一成 中野 宏詩 フルート 島村 麻里 * 橋本 光規 堀越 亮一 トロンボーン * 落合 宏 * 早川 茂樹 * 吉川 久 オーボエ 海野 元伸 友成 祐二 ティンパニ 稲葉 陽一 チェロ 内海 洋子 クラリネット 中山 美房 斉藤 禄美 則満 洋祐 古田 公司 長谷川承子 長谷川 恵 ファゴット 伴 和佳 荒井 正明 平林 延昭 高橋 宗夫 水谷 奈ほの 横山 宗夫 コントラファゴット 「運命」特別出演 * 松木 葉子 ウィーン・フィル * ヨルゲン・ダヴィッド・フォゥグ *:賛助出演 次回演奏会のお知らせ ウィーン-おおた・音楽の定期便2006 「タマシュ・ヴァルガの世界 with 大田区ハイドン室内管弦楽団」 日時:2006年 4月16日(日)午後2時開演 場所:大田区民ホール「アプリコ」大ホール 入場無料 演奏曲目:ドヴォルザーク/チェロ協奏曲、ハイドン/交響曲第 94 番「驚愕」 ベートーヴェン/「レオノーレ」序曲第 3 番 団員募集中 練習日:毎週土曜日 18時から21時 練習場:相生小学校(蒲田駅徒歩5分) 連絡先:03-3785-5770(中山) 募集パート等は当団のホームページをご覧下さい。 当団のホームページ http://www2u.biglobe.ne.jp/^hayano/haydn.htm
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