第2次 西宮市産業振興計画 ∼ 暮らしと調 和した「 にぎ わ い・活 力 」の 創 出 ∼ 平成24年3月 概要版 西 宮 市 第2次西宮市産業振興計画 1. はじめに 1. 計画策定の趣旨 新興国の経済発展や産業・経済のグローバル化等がますます進展するなか、本市に おいても製造業の拠点流出の動きをはじめ、大規模商業店舗の開業など、地域におけ る経済環境は大きく変化しつつあります。平成23年3月の東日本大震災の影響もあっ て、製造業においては、今後より一層、国外流出等が加速することが懸念される一方 で、本市では人口が増加傾向にあり、また観光客数も増加するなど、地域の活性化に 向けて、明るい材料も見受けられます。 経済・産業を取り巻くこのような環境の変化に的確に対応しながら、産業界と行政 の連携により、産業活性化への取り組みを推進していく必要があります。本計画は、西 宮市産業振興計画(平成18(2 0 0 6)年7月策定)を受け継ぎ、第4次西宮市総合計画 (計画期間:平成21(20 09)年度から平成30 ( 2018 )年度)のもと、本市が今後5年間 に取り組む産業振興の基本的な方向性と具体的な施策・事業を示すものです。 2. 計画期間 本計画の期間は、平成24年度から平成28年度までの5年間とします。 第4次西宮市総合計画 計画期間:平成21年度から10年間(中間年度に見直し) 西宮市産業振興計画 (平成18年7月策定) 第2次西宮市産業振興計画 計画期間:平成24年度から5年間 西宮市都市型観光推進計画 計画期間:平成23年度から5年間 企業立地促進法に基づく基本計画(策定予定) 計画期間:平成24年度から5年間 1 改定 改定 改定 ∼暮らしと調和した「にぎわい・活力」の創出に向けて∼ 2. 本市の産業動向と今後の課題 本市の産業動向 ○産業構造 ●第3次産業が拡大傾向 ●中小企業が大部分を占める ○商業・サービス業 ●商業・サービス業は拡大傾向、大規模店舗開業による市内購入率の向上 ●商店街に立地する個店の厳しい経営状況 ○製造業・物流業 ●食料品や飲料製造業の高いシェア 本市の優位性 外部環境変化 【機 会】 ●文教住宅都市としてのブランド力 ●広域的な交通利便性の向上 ●大学や企業OB、専門的人材などの知 ●観光客数の増加傾向 的資源の集積 【脅 威】 ●商業やスポーツ、文化など集客・交流 ●国内製造業の競争力低下、国外移転 資源の立地 加速の恐れ ● 食 品・飲 料 を中 心とした サプライ ●大阪等での大規模商業の相次ぐ開業 チェーンの存在 による影響 課 題 ○「本市の優位性」を活かすための課題 購買吸引力を高めるための魅力向上と情報発信力の強化 市内産品・サービスの市内消費の促進 ○「本市が直面する脅威」に対する課題 競争優位性の高い分野を中心とした操業環境の維持と投資環境づくり 技術力のある中小、ベンチャー企業等への経営サポート 大学、企業OBなどの知的資源の活用 需要拡大し、付加価値の高い分野(環境・エネルギー、医療、リフォーム等)の産業育成 ○企業の経営実態や地域の動向からみた今後の課題 地域が連携して活性化に取り組むための地域力の強化 消費者・生活者起点での地域の商業集積のあり方の検討 中小企業の安定的な経営のための支援 2 第2次西宮市産業振興計画 3. 本市の産業振興の基本的な方向性 1. 基本理念 暮らしと調和した「にぎわい・活力」の創出 ●良好な住宅都市としての高いブランド力を誇る本市においては、消費意識や購買 力の高い市民が多く居住し、大学や学生、専門人材や企業のOBをはじめとした 知的資源も豊富です。市内の産品やサービスが、こうした市民により一層、購買・ 消費されることにより、市内の経済循環を高めるとともに大学や専門的人材等の サポートを得ながら、市民のライフスタイルに対応した産品・サービスの開発・生 産等を通じて、付加価値の高い産品・サービスを創出するなど、市民の暮らしと 産業が結びつくことによるにぎわい・活力の創造を目指します。 ●市民の暮らしと産業が連携しながら生み出された産品・サービスやビジネスモデ ル等が広く情報発信されることによって、 「事業活動がしやすいまち」 「新しいチャレンジがしやすいまち」 などの評判が高まり、企業・事業所や店舗等の立地や新規事業の開発、人材の 集積等を引き起こし、さらに新たな産品・サービス、ビジネスモデルを創出する機 会が増える、という「にぎわい・活力創出の正の循環・サイクル」が形成されるこ とを目指します。 「事業活動がやりやすいまち」、 「新しいチャレンジがしやすいまち」としての 評判が高まる 市民(意識・購買力が高い) 知的資源を活かし、市 民ニーズやライフスタ イルに対応した産品・ サービスの開発・生 産 ⇒ 付 加 価 値の高い産 品・サービスを創出 市民による市内産 品・サービスの 購 買・消費の拡大 ⇒ 市内の経済循環 の向上 にぎわい・ 活力創出の 正の循環 企業の立地や 新しい事業の展開、 高感度人材の集積 西宮市の産品・サービス ⇒市民の暮らしと市内産業が連携することによる にぎわい・活力の創出 3 新たな産品・サービスや ビジネスモデル創出の機会が広がる ∼暮らしと調和した「にぎわい・活力」の創出に向けて∼ 2. 目指すまちの姿 市民・来訪者にとって消費活動のしやすいにぎわいのあるまち・西宮 消費者に支持される店舗づくりや商品 の取り揃え、エリア内での回遊性の向上な ど、集客力・情報発信力あるまちづくりが 市内の各地で広まり、市内居住者にとって は日常的な消費活動がしやすく、市外から の往訪者にとっても買物等を楽しむことの できる、にぎわいのある空間の形成を目指 します。 企業・事業所が活発に事業展開できる活力あるまち・西宮 周辺環境と調和しながら、ものづくりや 商業、サービス業、物流業などの多様な企 業・事業所が立地・集積し、活発に事業活 多様な企業・事務所の 立地・集積 動を展開することによって、西宮発の高品 質な産品・サービスを開発、市内外に提供 し続けるとともに、市内の雇用を支えるな ど、活気あるまちの形成を目指します。 西宮発の高品質な産品・サービスを創出 新たな挑戦を地域で支えるまち・西宮 新製品や サービスの開発 企業や市民、大学、行政等が連携しなが ら、元気で発想力・技術力ある中小企業や 環境経営の推進 新規の店舗出店 ベンチャー企業による新たなビジネス・事 業化を支援したり、環境問題に対応する企 新たな ビジネス展開 業・事 業 所の活動を支 援することを通じ て、内外に「新たな挑戦を地域で支えるま 地域の多様な人材資源・ネットワーク ち」としての評判が 高まることを目指しま す。 4 第2次西宮市産業振興計画 4. 産業振興の施策 ①まちのにぎわいづくり 1‒1 にぎわいづくりに向けた地域力の向上 購買力の高い市民が多く、また観光客数が増加しているなかで、地域 の商業団体の組織力、基盤の強化を通じて、消費者にとっての魅力ある 商業空間の形成を図り、まちのにぎわいを創出します。 【主な取り組み内容】 ・個店に対する差別化や競争力強化の支援 ・商業団体の活性化を通じたにぎわいづくりの支援 ・市民が買い物しやすい環境づくり ・卸売市場の整備検討 1‒2 情報発信力の強化による市内産品・サービスの需要拡大 本市の消費力・集客力の高さを産業振興に結びつけるため、市内外の 消費者・来訪者に対する本市の産品・サービス等の情報発信・アピール を強化し、地域内の経済循環を高めます。 【主な取り組み内容】 ・市内産品・サービスの情報発信力及び販売力の強化 ②企業・事業所の元気づくり 2‒1 地域を支える中小企業・事業所の経営支援 消費者やユーザーに受け入れられる商品・サービスを生み出すことの できる力強い中小企業・事業所を増やし、足腰の強い市内経済・産業を 形成します。 【主な取り組み内容】 ・中小企業の経営基盤強化の支援 ・中小企業の新製品開発や販路開拓等の支援 ・表彰・顕彰等を通じた企業活動の活性化の支援 5 ∼暮らしと調和した「にぎわい・活力」の創出に向けて∼ 2‒2 ものづくり産業の競争力強化 市内に立地する特色あるものづくり企業の競争力の強化を通じて、も のづくり産業の活性化を図ります。 【主な取り組み内容】 ・中小ものづくり企業の競争力強化の支援 2‒3 企業立地・定着の推進 製造業の海外移転等、企業立地をめぐる環境が厳しさを増すなか、 地域経済の活性化や雇用確保の観点から、市内の企業・事業所集積を 維持・充実します。 【主な取り組み内容】 ・企業立地・定着の促進 ③活力を生む新たな産業づくり 3‒1 新たなビジネスへの挑戦支援 市内の知的資源を活用しながら新たなビジネスの創出を支援すること により、本市で起業・開業する人が増え、さらに挑戦したい人が集まるま ちづくりを進めます。 【主な取り組み内容】 ・起業・開業のための資金調達やノウハウ取得・ネットワークづ くりの支援 3‒2 環境関連等の成長分野の振興 環境関連分野をはじめ、成長分野における新たなビジネスの創出を支 援するとともに、環境配慮型の企業経営を支援するなど、環境問題の多 様化に対する企業・事業所の対応力の強化を図ります。 【主な取り組み内容】 ・企業・事業所の環境経営の支援 ・環境関連等の成長分野のビジネス創出の推進 6 5. 計画の推進について ●本計画の施策・事業を、着実かつ、効 PLAN 率 的・効 果 的に 推 進して いくため 、 (計画策定) P L A N(計 画立案)→D O(執行)→ C H E C K( 進 捗 評 価・成 果 検 証 )→ ACTION(改善・見直し)のPDCAマ ネジメントサイクルを実践します。 ACTION マネジメント (改善・見直し) サイクル DO (執行) CHECK (評価・検証) 企業・ 事業所 各種 団体 大学・ 研究機関 市や商工会議所、関係団体等による協 業振興の理念や基 本方針等を明示し 県・ 周辺市 市 事業の検討・実現化を推進するため、 議の場を設置するとともに、本市の産 計画の推進 商工 会議所 ●計画の進捗管理や成果の検証、施策・ た産業振興条例の制定について検討し ます。 ●市内の資源だけでは解決が難しく、市 外を含めた広域的な取り組みが効果的 である課題については、必要に応じて 県や周辺市、あるいは市外の企業や大 学・研究機関とも連携しながら、施策・ 事業の立案や実施を推進します。 第2次西宮市産業振興計画(概要版) 平成24年(2012年)3月 西宮市市民局 経済部 産業振興グループ 〒662-8567 西宮市六湛寺町 10 番 3 号 電話:0798-35-3169 E-mail:[email protected]
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