1 国民生活審議会 総合企画部会 第13回NPO法人制度検討 - 消費者庁

国民生活審議会
総合企画部会
第13回NPO法人制度検討委員会
1.日時
平 成 19 年 2 月 15 日 ( 木 )
2.場所
内閣府本府庁舎
議事録
10 : 0 0 ∼ 1 2 : 0 0
5階特別会議室
3.出席者
(委員会委員)
雨宮委員長、会田委員、石川委員、影山委員、川崎委員、早瀬委員、山岡委員、
山野目委員
(事務局)
西 国 民 生 活 局 長 、堀 田 官 房 審 議 官( 国 民 生 活 局 担 当 )、川 口 国 民 生 活 局 総 務 課 長 、
廣川市民活動促進課長
他
4.議事
最終報告に向けた具体的検討について
(1)法人の業務運営のあり方
(2)法人の認証・監督のあり方
(3)制度発展のための環境整備
(
配
布
資
料
)
資料1
今後の検討課題について(案)
資料2
中間報告の更なる検討点(2)
1
○雨宮委員長
時間少し前ですけれども、委員の皆様おそろいでございますので、ただい
ま か ら「 国 民 生 活 審 議 会 総 合 企 画 部 会 第 13 回 N P O 法 人 制 度 検 討 委 員 会 」を 開 催 い た し ま
す。本日はお忙しい中、お集まりいただきまして本当にありがとうございます。
本日は、最終報告に向けた具体的検討についてということで、その前が去年だったもの
で す か ら 、1 年 経 つ と 忘 れ て し ま っ て い る の で は な い か と 、私 も 実 は そ う だ っ た ん で す が 、
ちょっと時間があったような気がしますけれども、中間報告の項目の見直しをしていて、
その途中ということであります。
本日は、法人の業務運営の在り方の会計基準の部分と、法人の認証・監督の在り方の全
体と、それから、制度発展のための環境整備の、特に寄附文化の醸成の部分を御議論して
いただく予定となっております。
まず、準備されています資料1と資料2の「F)NPO法人の会計基準及び計算書類の
あり方」と、少し飛びまして「J)寄附文化の醸成について」を先にやりまして、事務局
より、その点について御説明をいただきたいと思います。その後に、それを踏まえて御議
論をいただきたいと思います。
それでは、事務局よろしくお願いいたします。
○廣川市民活動促進課長
委員長のお話にあったとおりに、まず資料1が前回もお出しし
ましたもので、中間報告を見ながら、どの辺を更に議論しましょうかということで、この
辺をもう一度議論しましょうというのがアルファベットが付いている部分です。今日は、
このうちのFから議論をしましょうということで始めたいと思います。
ただし、Fの次は、先ほども委員長からありましたけれども、Gにはならず、会計基準
及び計算書類の在り方という、会計をはっきりさせていくということは、もう一つ、みん
なにいろんな説明をしていくということは寄附にもつながることだろうという議論もあり
まして、飛ぶんですけれども、Jの寄附文化の醸成についてというものも併せて整理をし
てみました。そういうことで、資料2のFとJについて説明をしたいと思います。
資料2の頭には、目次が書いてあります。したがって、Fの次がJになっているという
ことです。
2ページから説明に入ります。ここは2つの課題が書いてございます。したがって、中
間報告も分かれて書いてあります。
1つ目の「2.法人の業務運営のあり方」のうちの「(5)会計基準及び計算書類のあ
り方」のところでは、中間報告のまとめ方としては「各法人の会計処理の目安となる会計
基準が策定されることが適当」。ただ、それを考えるときにということなんですけれども
「 幅 広 い 関 係 者 の 意 見 を 反 映 し た 公 正 性 の 担 保 さ れ た も の と な る よ う 十 分 に 配 慮 す べ き 」。
あ と 、い ろ ん な 書 類 が あ る ん で す け れ ど も「 現 行 の 計 算 書 類 体 系 の 見 直 し も 考 え ら れ る 」
という整理でした。
次は「4.制度発展のための環境整備」のところで、寄附というふうにストレートには
なっていなかったんですけれども「③助成財団や市民ファンド等による資金循環の促進」
2
ということで、現状についてここには書いてございました。
「(2)寄せられた意見」ですけれども、ざっと言うと、会計基準は必要なのではない
かということでいろいろ意見があったということですけれども、それについてはいろんな
提案がここにありますけれども「なるべく早く整備されることが望ましいが、民間の自主
的な検討に委ねるべき」。つくり方についてはいろいろ議論があるというところです。
次の「計算書類体系」が3ページの上の方にありますけれども、ここもいろいろ意見が
あって、規模に応じた計算書類の体系とか、現金主義なのか、発生主義なのかとか、ある
いは今までやってきていることの中で整理の必要がある部分、要は税務署には損益計算書
で、所轄庁には収支計算書。こういうのはどうするんだとか、こんな問題が出てきており
ます。
それから「会計情報と寄附との関係」ということで「寄附や会費等の支援内容の公表は
重要」。こういうことがあって、寄附を動かしていくためには会計基準を明確化し資金の
流れをはっきりさせていくことが必要なのではないかというのが、この辺りは総合企画部
会の中からはっきりとした意見が出てきておりました。
あと「寄附文化の醸成」ということでは、NPO法人の自立のためには、ここでは「市
場」と書いていますけれども、寄附というものの醸成が重要なんだろうというふうな意見
が来ております。
とりあえず、こういう意見があって、今、いろんな法人制度の中で会計というのはどう
いう取扱いになっているんだろうというのを4ページのところで表にしてみました。
ここには、今の公益法人、それから、提案としてもあった社会福祉法人はどうなってい
るんだろうか。株式会社はどうなっているんだろうか。今度できる一般社団と新たな公益
法人という中ではどういう取扱いになっているんだろうか。それと並べて、特定非営利活
動法人はどうなっているんだろうか、こういうふうに見ています。
これを見てしまえばわかるとおりに、特定非営利活動法人はほかと比べるといろいろと
シンプルになっているということです。言わばこういう実態です。
その次に「(4)NPO法人の会計を巡る現状」ということで、これは所轄庁として言
える部分もあって少し書いているんですけれども、要はばらばらになっているし、結構記
入の間違いもある。このままでは、勿論、情報開示しているんですけれども、意味が必ず
しもはっきりとあるのかと言いにくいという状況にある。
あと、NPO法人の意見からもガイドラインは要るのではないかということも出てきた
りしていますし、それから、書類体系についても先ほど意見もありましたけれども、幾つ
かのこうしたらいいのではないかという意見が出てきているということです。
ここで、この委員会としては、そろそろ「(5)会計基準の策定」ということで、論点
として「NPO法人がより多くの社会的信頼を得て、潜在的寄附者による資源提供を促す
には、法人間の会計を比較しやすくするため、各法人の目安となる基準やガイドラインが
必要ではないか。
3
ただし、法人の組織規模や事業規模に応じた対応も必要ではないか」。こんなことを少
しまとめてみました。
それから「(6)寄附文化の醸成」という視点もあるということで「今後寄附したい」
と い う 意 識 の 市 民 は 多 い も の の 、現 状 で は 、市 民 か ら の 寄 附 は 限 定 的 だ 。 世 論 調 査 で も「 個
々 の N P O 法 人 の 情 報 が 不 十 分 で あ る 」と い う 意 識 が あ る 。寄 附 文 化 を 醸 成 す る た め に は 、
いろんな計算書類の公開を促していってはどうか。その有効な手段は何か。また、寄附金
税制等の環境整備の方策は何か。少し提案をしております。
6ページの上なんですけれども、こちらは世論調査で、寄附するNPOを選ぶ際に重視
する点。これを見ていると、やはり「寄附金の使いみちが明らかであること」というのが
大きく出てきているということです。
それから、認定NPO法人制度。これは寄附金優遇税制なんですけれども、これについ
ては、ここで少し紹介をしています。
8ページのところでは、ほかの寄附金の税制について整理しているので、この中で少し
簡単に説明をしたいと思います。
図表5のうち「寄附金の区分」のところに5つの区分があって、上4つが優遇されてい
るものです。下が、一般にはこんなことだと。
一般を先に説明しますと、相手は一般なのでだれでもいいんですけれども、所得税につ
いては寄附金控除の対象にはならない。それから、法人税については限度額があって、そ
こまでは損金算入は可能です。相続税は寄附財産課税。上に書いてありますけれども、寄
附をした相続財産は、相続税の課税対象にはならないんですけれども、こちらの方ではな
る。普通はこういう寄附金の扱いを受けているんですけれども、3つのカテゴリーについ
ては優遇の仕組みがある。
1つは、国とか地方公共団体。具体的には公立高校とか、公立の図書館といったところ
に対する寄附。
次が、特定公益増進法人という、特定されることが必要なんですけれども、各所管官庁
が認定した場合には、公益法人の場合の中では研究開発の支援に対して特例があったり、
学校法人とか社会福祉法人とかは受けられる。
最後に、認定NPO法人制度というのがあって、これについては、中身は同じような優
遇制度があるんですけれども、7ページに戻りますと、認定の要件を満たさないといけな
い。これは国税庁長官に認定を受けるんですけれども、こういう仕組みがある。この中で
特徴的なのはパブリックサポートテストということで、寄附金が相当程度あるかどうかと
いうのが大きな基準になっているということです。
これが現状であります。
課題にありましたFとJについての説明は以上です。
○雨宮委員長
ありがとうございました。
資料1に関して、今、言ったFとJで、1つは会計基準と計算書類についてです。この
4
中間報告から更に深めていかなければならない点です。あとは寄附文化の醸成について、
どういう制度にしたらいいのか。または寄附文化を醸成するためにはどのようにしたらい
いかというところを御説明いただきました。
随分幅広いところですが、どれについてでも結構ですが、御質問・御意見ございますで
しょうか。
一応、確認なんですけれども、資料2の6ページ目の下の方の図で寄附金の額のところ
は 、4 月 か ら 所 得 金 額 の 40 % に 変 わ り ま す ね 。こ れ は 8 ペ ー ジ の 表 の 中 の 30 % も 同 じ で す 。
いかがでしょうか。
会田委員、どうぞ。
○会田委員
FとJということで、まずFの方の会計基準及び計算書類の在り方で、まず
会計基準をどうするかという点なんです。
これは、パブリック・コメントを求めて寄せられた意見の中で、ある程度、法人の方に
任せていいのではないかという意見もあるんですが、これは法を施行してから8年経過し
ているわけです。それで、実は法を施行した当時だったと思うんですけれども、会計基準
をつくるかどうかという議論があって、そのときに、まだどんな法人ができるかわからな
い。そうはいっても、ガイドラインが何もないのでは法人も困るだろうということで、た
しか、今、会計の手引という形でまとめられたものがあると思うんですけれども、もう8
年経過したんですから、法人サイドはまだできたばかりの法人もあって、なかなか対応が
難しいということなのかもしれませんが、やはり利用者のことを考えると、会計基準をち
ゃんとまとめるべきではないかと思います。
問題は、それではだれがそれをつくるのかということで、パブリック・コメントの中に
は民間に任せるべきだというような意見もあったかと思いますけれども、やはり将来はそ
ういう方向に進むべきだと思います。企業会計についても、従来は審議会方式でやってい
た も の を 20 00 年 以 降 、徐 々 に 民 間 に 移 行 し て 、今 は 会 計 基 準 の 設 定 は 民 間 の 財 団 法 人 が 完
全に責任を担っている。
ただ、非営利組織の場合、今度の一般社団・財団、あるいは新公益法人も、それから社
会福祉法人もそうですけれども、なかなか民間で引き受けてくれるところがないというこ
ともあって、更に民間に任せた場合、どうやって公正性を担保するんだというようなこと
があると思います。そういったことを考えると、やはり、これはどこがやるか。内閣府以
外に引き受けてくれるところがあるかどうかはわかりませんけれども、ある程度、行政が
サポート、あるいは責任を持つという言葉は使いたくないんですけれども、中心になって
やっていく以外にないのではないかと思います。
ただ、ほかの法人と違う点は、ほかの法人はある程度規模が大きくて、しかも活動内容
は限定的だと、これに対して、NPO法人は規模も違えば業務内容も違う。更に支援者が
社員になっているところもあれば、そうでないところもあるということで、この辺りが非
常に難しいところだと思います。
5
それでは、どうやって幅広い法人に対して統一的な基準ができるんだ。これについて、
私 も 今 、い い ア イ デ ア が な い ん で す け れ ど も 、一 応 、基 本 と な る 計 算 構 造 を 示 す と と も に 、
規模が小さいところについては少し負担が軽くなるような形での基準になるのかなと、そ
んなイメージを抱いています。
あと一つ、これもコメントの中で、税務が要請する損益計算書と、今、所轄庁に提出す
る収支計算書が二重で手間取っているということなんですけれども、税務署が要求する財
務書類というのは、別途、課税事業を行っているために必要になるということで、その辺
りはなかなか難しい側面があるのかな。税務に合わせて、こちらの方も損益計算書でいい
ということにはならないかなという感じを抱いています。そうはいっても、できるだけ1
つにできればそれに越したことはないと思っています。
あと、寄附文化との関係で言うと、やはり財務内容の透明性を確保するとか、あるいは
信 頼 性 を 維 持 す る と い う 点 が や は り リ ソ ー ス を 確 保 し て い く 上 で 不 可 欠 で は な い か 。実 は 、
その観点から行くと、もう一つ、情報のアクセサビリティーといいますか、だれもがその
法人の情報をできるだけ入手できるような仕組みをだれが用意するのか。今、結構インタ
ーミディアリーが頑張ってやっていますけれども、それでもなかなか、その法人の方から
すべての情報が上がってきているわけではないので、その辺を何かいい仕組みを記述でき
ればと思います。
個人的には、寄附文化の醸成については、余り政令的なところに、特にこれは税調の領
域になるのかもしれませんけれども、余り踏み込んだ形では記載できないかなということ
を感じています。
以上です。
○雨宮委員長
ありがとうございました。最後の点は、総合企画部会のところでもそうい
う話をすると、ちゃんと言うべきだという委員も多くいらっしゃいました。
会計のところ、それから、税務の寄附のところでもっともな御意見をありがとうござい
ました。
ほかにいかがでしょうか。
早瀬委員、どうぞ。
○早瀬委員
これは質問なんですけれども、資料2の3ページの「計算書類体系」の2つ
目に「現金主義(財産目録と収支計算書)、発生主義(貸借対照表と損益計算書)」とあ
るんですけれども、そうなんですか。発生主義でも収支計算書をつくれますね。違いまし
たか。
これは、方法論のそもそもの違いであって、社会福祉法人は3つつくるんです。収支計
算書と、損益計算書と、財産目録や何かをみんなつくるんです。それを片方で、違う原則
としていなかったように思ったので、これはどういう意味だったのかと思ったんです。
かなり比喩的な話ですから、これはいいんですが、会計基準に関しては多分、一定規模
の 団 体 、要 は ア メ リ カ で 言 え ば 2 万 5, 00 0 ド ル 以 上 か 以 下 か で 扱 い が 全 然 違 う ん で す け れ
6
ど も 、だ か ら 、日 本 で 言 う と 予 算 規 模 が 30 0 万 円 以 上 か 以 下 か で 実 際 上 の 基 準 を 変 え る よ
うなことを考えないと、社会福祉法人の場合はやはり大きなものばかりですから1つの基
準 で い け る け れ ど も 、そ の 議 論 が 、つ ま り 、は っ き り 言 っ て 30 0 万 円 以 下 の も の は 基 準 な
し に な る の で は な い で す か 。 3 00 万 円 以 下 の 団 体 の 基 準 は つ く り 得 る の か と 思 う ん で す け
れ ど も 、 300 万 円 以 上 の 団 体 に つ い て は 基 準 を つ く る み た い な こ と を し な い と 、 こ れ は 例
え ば で す 。 300 万 円 よ り 500 万 円 の 方 が い い の か ど う か は わ か り ま せ ん け れ ど も 、 多 分 、
実効性がないのではないかということが1つ。
もう一つは、税法上の収益事業をしている団体については税務申告をしていますから、
その申告時の形式があるわけです。その意味においては、一つの基準が全くないと本当に
言えるのかどうか。税務申告上は、うちはこんなふうにやっています、こうしています。
そうはいかないわけですから、よく会計基準がないということで大きな問題になっている
んですけれども、私の感じとしては、かなり細かい部分で、例えば在庫評価の仕方をどう
するかということなどは明らかに基準の議論であって、在庫などを持っている団体は関係
あるんですけれども、持っていない団体にとってはほとんど、基準は一体どこまで詰める
のかというのは、企業会計の基準というのは仮勘定の扱いをどうするかとかそういうこと
に関することが非常に多いではないですか。それだけの基準で詰めるべきことは、ある法
人が実際上は少ないのではないかということも含めて実態的な研究をしなければいけない
んだろうと思います。
この辺りについては、専門家の方々に議論してもらった方がいいと思いますが、会計基
準が全くないというメッセージは、確かに法律上もそうなんですが、実態上、みんな会計
報告をしているわけで、その実情がどうなっているかということの実証分析をした上で議
論しないといけないかなという気もしています。
○雨宮委員長
ありがとうございました。
今の点は、会田委員が御専門なのですのでね。
○早瀬委員
これは私の勘違いかもしれません。
○会田委員
早瀬委員の御指摘のとおりです。「計算書類体系」の2番目の現金主義、発
生主義というのは、本来は損益計算を行う上で現金の流れに着目するのか、それとも、価
値の流れに着目するのかということで現金主義、発生主義。ただ、従来、我が国では企業
会計においてもお金の流れを示すキャッシュフロー計算書というのをつくっていませんで
した。
これに対して、パブリックセクターもそうですし、非営利組織ではお金の流れに着目し
たフローの情報しかつくっていなかったということで、損益計算か、収支計算か。フロー
の情報として、物の流れ、価値の流れに着目するのか、あるいはお金の流れに着目するの
かということで、2つの計算書類の体系を対立させて検討してきたということもあって、
多分そういうことで現金主義対発生主義というふうな見方をされているんですけれども、
本来はおっしゃるとおり、損益計算をする上で現金主義か発生主義かということで、今は
7
企業会計でも、フローの情報として発生主義に基づく損益計算書と、現金主義といってい
いかどうか、お金の流れそのものを示すキャッシュフロー計算書で、ただ、これは非営利
組織においても徐々に採用されてきているというのが実態でございます。
1点目だけ、続いて補足させていただきました。
○雨宮委員長
ありがとうございました。
ですから、この表現の仕方はおかしいので直します。
○廣川市民活動促進課長
ごめんなさい、実はここは寄せられた意見なので、ほかにも読
んでいて、かぶっていた、同じことを繰り返している、3つ並べているんだけれども中身
は2つかしらというのもあったりするというところなので、済みませんが、訂正できませ
ん。
○早瀬委員
○雨宮委員長
わかりました。
ほかにいかがでしょうか。
川崎委員、どうぞ。
○川崎委員
今、早瀬委員の御発言の中にもあったかと思うんですけれども、会計基準を
明 ら か に す る と い っ た と き に 、皆 さ ん が イ メ ー ジ し て い る 会 計 の 基 準 と か ガ イ ド ラ イ ン は 、
どういうものなのか、何をどう定めていくのかというイメージが一致しているのかどうか
というところが少しわかりにくいと思うんです。
私自身も、具体的に会計基準というのは、どういうことを示しているんですかと言われ
たら、ちょっと説明に困るんですけれども、例えば、それは損益計算でいくのか、収支計
算でいくのかなどといったことかなと思うんです。
もう少し細かいところに行くと、今、早瀬委員おっしゃった在庫の評価の仕方などとい
うのもあると思うんですけれども、一般の人が見たときにお金の流れがわからないという
のは、例えばある団体は、全体を管理費と事業費に分けている。ある団体は事業費ごとに
管 理 費 、管 理 部 門 、つ ま り 人 件 費 な ど の も の も 全 部 分 け て や っ て 入 れ て し ま っ て い る と か 、
そういった、それぞれ違う見せ方をしているということもあるのかなと思うんです。
会計基準を定めましょうというと、かなり細かい、重箱の隅をつっつくような議論から
入っていってしまう危険性があるので、むしろ市民や支援者という一般の人が会計書類を
見たときにわかりにくいと思うのはどこなのかという点から見て、それでは、最もわかり
に く い と 思 う 点 を 、例 え ば こ う す れ ば わ か り や す く な り ま す と い う よ う な ガ イ ド ラ イ ン で 、
余り専門的に細かいところというものまで定める必要はないのではないかと思うんです。
ガイドラインを定める趣旨が、一般の寄附をする人などが、わかりやすいということに重
きを置くとしたらということです。
あくまでも、これはガイドラインで、こういうふうにしなければいけませんという法的
強制力はないにしても、かなり強制的な雰囲気を持ったものになってしまうと、またどう
な の か な と い う ふ う に 思 い ま す 。所 轄 庁 が 、こ う い う ふ う な 会 計 基 準 に 沿 っ て い な い か ら 、
あなたの団体は認証できませんみたいなことを言い出してしまうと、よくないのかなと思
8
います。あくまでもガイドラインはガイドラインであって、こういうガイドラインには沿
わないけれども、自分たちなりにこういうわかりやすいものをつくれるんですという団体
はそれはそれでいい。それでは、会計をどうしていいかわからない団体のよりどころとし
てのガイドラインというような位置づけにしていくということが必要なのではないかと思
います。
もう一つは、先ほどの収支計算書、損益計算書に関してですが、これは是非とも選択で
きるという形にしておく必要があると思います。規模の大小にもよりますけれども、損益
計算書でやってこられたところを収支計算書に変える、収支計算書でやってこられたとこ
ろを損益計算書に変えるというのは組織としての大変な負担にもなると思うので、是非、
選択制という形で考えていかれたらいいかなと思います。
○雨宮委員長
こ の N P O 法 が で き た と き 、こ の 会 計 の 原 則 の 27 条 と い う の は 大 分 議 論 さ
れ た と こ ろ で し て 、た だ 、正 規 の 簿 記 の 原 則 に 従 っ て 正 し く 行 う 。こ こ が 重 要 な と こ ろ で 、
各NPO法人ごとに自主的にやるという、その自主性を重んじるためにどういう、いろい
ろな基準をつくるとかそういうことではなかったので、これを市民団体側の方が随分主張
したというのを私も記憶しています。
結局、会計基準というのはだれのための会計基準なのかということです。所轄庁側に、
やはりそういう会計基準に沿っていなければ、ここは問題があるとするか、あるいは新し
い 公 益 法 人 の よ う に 、公 益 目 的 事 業 が 必 ず 50 % 以 上 な け れ ば い け な い と か と い う 話 に な り
ま す と 、今 、政 省 令 を つ く る と こ ろ ら し い で す が 、そ の 50 % は ど こ を 見 て そ の 50 % に な る
かどうかというのは、やはり基準がないとできないという話になりますけれども、ただ、
N P O 法 に 関 し て 言 え ば そ う い う の は あ り ま せ ん か ら 、 50 % と い え ば 積 極 的 に 公 益 目 的 事
業 を 行 う 。確 か に 、17 分 野 の と こ ろ が 半 数 以 上 な け れ ば い け な い と い う の は あ り ま す け れ
ども、それが事業費で分類できるのかという話です。
私ばかり話すといけませんので、御意見をお願いいたします。
どうぞ、会田委員。
○会田委員
まず、会計基準の適用に当たって、誤解があるといけないので、会計基準と
いうのは本来はそんなに強制力は強くない。スタンダードであって、それを適用していれ
ば、どういう情報かある程度、信頼性が持てる。そうでないものであっても、だからとい
って、すぐに何かペナルティーが科せられるという性質のものではない。
ただ、日本の場合には一部、それがそのまま通達になっているという例もあるので、そ
れがまたややこしいんですけれども、それで、今、委員長がおっしゃったように、科目が
実は非常に重要で、今は非営利組織全体に対して、いわゆる企業会計的な流れが浸透しつ
つあるなどという表現があるんですけれども、それでは企業会計と非営利会計は全く同じ
かというと、実は企業会計の場合には要はもうけが幾らなのかということで、個々の科目
というのは余り問題にされない。これに対して、非営利組織の場合にはやはり透明性を確
保するとか、実態を把握するということなので、実はこれは会計の言語性に着目すれば、
9
いわゆる語尾が非常に重要になってくるわけです。どういう科目を使って、それでどうい
ったことを明らかにしたいのか。これについては、今、ここで議論する性質のものではな
いと思いますので、その辺も含めて、どこがやるかわかりませんけれども、議論すべきで
はないかと思っています。
そういうことで、会計基準について言えば、規模が小さいところは会計基準を適用しな
いというか、適用してはいけないというわけではなくて、会計基準があって、その適用を
規模の小さなところには別に強制させる必要はないというふうに考えた方がいいのかなと
思っています。
○雨宮委員長
そのとおりだと思います。
山岡委員、どうぞ。
○山岡委員
本当に、私どももいろんなところの書類を見ても、比較できない。我がNP
O 法 人 の 方 も よ く わ か ら な い と い う か 、複 雑 だ と 毎 回 思 う ん だ け れ ど も 、そ う い う 意 味 で 、
基準はあくまで基準なんだけれども、ある程度の規模を想定した基準を幾つかパターンご
とにつくるとかやっておいた方が、用語の統一と、それから、先ほど川崎さんがおっしゃ
った、一番わからないのは、やはり事業型の場合、事業ごとの按分なんです。
人 件 費 も 、こ の 人 が 0.5 人 分 、こ の 人 が 0. 3 人 分 と か 、事 務 所 の 部 屋 も 、こ の 事 業 の た
めに何ぼ、その按分をどう動かすかというのが本当にこれでいいのかと思ったり、最後は
適当にバランスよくやってしまうわけだけれども、その辺の原理・原則をどうするかとい
うことと、やはり幾つかのパターンがあるのと、パブリックサポートテストにどこまで自
分たちが近づいているのかといったこともわかるようなものがあると、かなり遠いとか、
今年は少し近づいたとか、ここをもうちょっと頑張るといけるとか、そういうパブリック
サポートテストにどこまで近づいたかがわかるような基準があると自分たちが目標を立て
られる。
だから、非常に寄附を中心にしている、支援型の財源を中心にしている法人と、やはり
事業型で、ほとんど寄附は要らないけれども収支がどうなっているかが一番関心が強いん
だ と い う の で は 違 う と 思 う の で 、幾 つ か の 基 準 を 、お お む ね 1, 00 0 万 円 以 上 ぐ ら い の も の
を想定した基準をつくって適用するのは御自由ですというので、小さいところは基本的に
は適用しないという前提で、勿論してもいいし、しなくてもいいんだけれども、おおむね
1,0 00 万 円 以 上 の と こ ろ に つ い て は 比 較 で き る 何 か が あ っ て 、 自 分 た ち の 戦 略 が 練 り や す
い会計になっていることが私は重要だと思うんです。
それと、外から見たときに比較できるという、だから、そういうものについての幾つか
のパターンをつくってみる、あるいは用語について統一的な概念を定めてみる。強制する
わけではないけれども、それぐらいの作業は私は少し行政の方でかかわりながらやっても
らったらいいのではないかと思います。
○雨宮委員長
○影山委員
影山委員、どうぞ。
今までのお話にも出てきたように、やはり実態を見ていますと、収益事業を
10
しないという団体もあるわけで、本当にさまざまな状況の中ですので、収支計算書と損益
計算書のどちらを選ぶかとか、それは団体が自由にできるようにした方がいいと思います
し、また、やはりガイドラインをつくるに当たっても、どうしても行政がやると、きっち
りチェックができるような形になりやすいことがありますので、民主導でつくるというこ
とは残して、是非、記載していただいた方がいいと思っています。
それから、川崎委員からも出ていましたけれども、これはあくまでもガイドラインは使
えるものだ、一つの道具だということであって、やらなければいけないということになる
と、所轄庁としても全部それをチェックすることになりますし、それは法律の中でそこま
で書き込むのはいかがなものかと考えます。
○雨宮委員長
ありがとうございます。
大体まとまったようで、要するに、基準は全くつくらないというわけではない。何のた
めにつくるかというと、それは自分たちの事業の透明性、あるいはほかとの比較とかとい
うようなことが一般の人たちからもわかりやすい内容にするとか、ですから、全くみんな
ば ら ば ら に や っ て い て は 、事 業 内 容 に つ い て も ば ら ば ら と み な さ れ て し ま う こ と も あ る 。
そ う い う 意 味 で は 、や は り つ く っ た 方 が い い け れ ど も 、規 模 、そ れ か ら 、事 業 内 容 に よ っ
て は 異 な る も の が 出 る 可 能 性 も あ る 。そ の た め に は 用 語 を あ る 程 度 統 一 す る と い う こ と で 、
しかも、それは行政が最初につくるのではなくて、民間がつくる。これでまとめていいで
しょうか。
どうぞ。
○会田委員
1点だけ、さっき現金主義か発生主義かということで、これは損益計算か、
収支計算か、いずれかというわけではなくて、規模が大きいところはやはり物の流れ、あ
るいは価値の流れに着目した損益計算という言葉を使っていいかどうか、正味財産増減計
算と言った方がいいのかもしれません。
それと、お金の流れ、収支計算書とかキャッシュフロー計算書と呼ばれていますけれど
も、両方必要だと思います。ただ、規模の小さいところは実質同じだから、どちらかとい
うことはあるとは思います。
そういうことで、付け加えさせていただきました。
○雨宮委員長
小さなところは、幾ら入って幾ら出ていったかというのがわかればいいと
いうことですね。確かにそうだと思います。
寄附のところは、これも大きな問題なんですけれども、いかがでしょうか。
早瀬委員、どうぞ。
○早瀬委員
一緒に議論する形にはなっていますが、元来、会計も重要なことではありま
すけれども、今日の出ている5ページで、NPOの情報に関する、個々のNPO法人の情
報が不十分であるということが、すなわち会計の透明性が不十分だというわけでもないん
です。事業の報告のことも含めて、何をしているかがよくわからないというのがあるんだ
ろうと思いますので、その点で、半分は一緒に議論してもいいんですけれども、半分はそ
11
ういうような動きもあるのではないか。
元来は、例えば市民として活動に参加していると寄附したくなるとかいろんな要素があ
るので、会計基準をつくるために、この議論も一緒にセットでやるなどということで、ミ
スリードされてはいけないので、そこのところは気をつけないといけないかなということ
を思いました。
だから、こういうところで議論するときというのは、税制の問題以外に何をどう議論す
るかというか、私、個人的には税制がどれほどきくものなのかとは思っているんです。ど
うせ所得控除であって、税額控除ではないので、大して税金が減額されるわけではないで
すから、もっとほかのいろんなことを、前、私はそのことでお話しさせていただきました
けれども、ああいったことをどれぐらい書き込むか。あれもどちらかといったら、民衆と
の話なんです。いろんな仕組みをつくろうという話なので、今回の報告書にどこまで盛り
込むか、ちょっと難しいところがあるかなと思っておりました。
○雨宮委員長
○早瀬委員
○雨宮委員長
○会田委員
税 の 制 度 を 変 え れ ば 、寄 附 が 集 ま る と い う 話 で は な い の は 確 か で あ り ま す 。
特定公益増進法人は、全然寄附が集まっていません。
会田委員、どうぞ。
先ほど、早瀬委員がおっしゃったように、順番を変えていくと会計の方が先
で 、し か も ボ リ ュ ー ム も 結 構 あ る ん で す け れ ど も 、や は り 寄 附 文 化 を 醸 成 す る に 当 た っ て 、
情 報 が 広 く 行 き 渡 っ て い な く て は い け な い と い う こ と で 、そ こ か ら 会 計 だ と 思 う ん で す 。
そ う は 言 う も の の 、寄 附 に つ い て は す ぐ 税 制 の 問 題 が 出 て き て し ま う の で 、む し ろ 税 制 よ
りも情報公開といいますか、いかにして実態を明らかにしていくのか。会計情報もそうで
すけれども、それ以外の事業報告をやはり本当は充実させていかなくてはいけないのかな
と思っています。それで、その有効な手段となると、やはりインターネットなどを使った
情報交換しかないのではないかということで、それに向けて何かインセンティブが与えら
れればというふうに考えています。
あと、もう一つ、税制について余り踏み込みたくないんですけれども、1つ、所得税と
か法人税については、確かに余り効果がないわけではないんですけれども、そんなに大き
な効果はないかなと思います。それに比べて、相続税の効果はこれから先を考えると結構
あるんです。今は同じような形で非課税か課税かを分けているわけですけれども、その辺
から少し踏み込んでいった方が、踏み込まない方がいいと言っておきながらそんな発言を
してはいけないんですけれども、もし触れるとしたらその辺りかなというふうに思ってい
ます。
以上です。
○雨宮委員長
ありがとうございました。
あと、特に個人に対する税の優遇というのは、日本はやはり少ないですね。この先は、
個 人 に 対 す る 寄 附 税 制 と い う の を も う 少 し 考 え て い か な け れ ば い け な い の か 。所 得 の 30%
が 40 % に 変 わ り ま す け れ ど も 、 そ れ を 受 け る 相 手 先 の 幅 が 狭 い 、 少 な い で す 。
12
それと、私、かつて大阪ボランティア協会に寄附をさせていただいたんですが、所得控
除はあったんですが、住民税の控除がないんです。そこのところはどこも手を付けていな
いので、本当に今度、地方の時代だとかという話になれば、そういう意味から言えば、住
民 税 の 控 除 の と こ ろ は 余 り 行 っ て い な い の で 、せ っ か く 、こ こ が 所 得 の 40 % ま で の 控 除 が
上 が っ て き て い る の で 、そ の 点 は も っ と 議 論 が あ ち こ ち か ら 出 て き た 方 が よ い と 思 い ま す 。
○早瀬委員
○雨宮委員長
足 切 り も 10 万 円 で す か ら ね 。
そ う で す 。足 切 り 10 万 円 の 上 に 、共 同 募 金 会 と 赤 十 字 と 都 道 府 県 、地 方 自
治体しかないというのは非常におかしい。だから、そこまで税金の優遇の話を細かい点と
いうよりは大きな点で書くべきではないかと思います。
どうぞ、影山委員。
○影山委員
す べ て で は な い と 思 う ん で す け れ ど も 、認 定 N P O 法 人 に な る こ と に つ い て 、
今、千葉県では1法人しかないんですけれども、先日、国税庁の方がいらして説明会をし
たんです。思ったよりも多くの法人の方が参加されまして、熱心に聞かれていたんです。
今、既になっている1法人の方のお話の中でも、認定を受けたことで寄附金が増えたとい
うところまでは行かないけれども、やはり信用が高まった。それで、活動に対する協力は
確実に増えている。そういうお話もあったんです。
なので、認定NPO法人になるための今の基準というのはかなりハードルが高くて、な
かなか難しい。これについては、やはりなりやすい、ハードルを下げるようなことは希望
していきたいということはできれば記載していただきたいと思います。
○雨宮委員長
所轄庁の方からの意見ということで、もし、ほかになければ、後からでも
結構ですので、次の点の方に移りたいと思います。
今度は、資料2の「G)認証の基準や手続きの見直し」と「H)休眠法人等の個別ケー
スへの対応」について事務局より説明をお願いいたします。
○廣川市民活動促進課長
それでは、資料2の9ページからです。まずは「①認証基準の
見直し」。この中で「社員数要件」という議論がありました。中間報告の記述では、読み
上 げ る と 大 変 な ん で す け れ ど も 、1 0 人 以 上 の 社 員 を 有 す る と い う 要 件 が あ っ て 、こ れ に つ
いて、まとめとしてはどうするということは書いていなくて、いろんな意見があるという
形になっています。
「(2)寄せられた主な意見」も、何度も紹介してきたとおりに、そもそも論があった
りするんですけれども「強化してもよい」から「引き下げるべき」まで、幅広い意見が来
ていました。
ここは少し、今回、新たな情報として入れさせてもらったんですけれども、海外はどう
なっているかということで、ただ、特定非営利活動法人の仕組みがよその国にあるかとい
うと、そういうわけではないので比較そのものは難しいんですが、それを含む非営利法人
格を持っているところとの比較をすると、米国には要件はない。ただ、連邦法にないだけ
で、州法ではいろいろあるでしょう。イギリスは要件はない。ただ、通常、別の仕組みで
13
なっている。ドイツは7名以上、フランスは2名以上ということで、どこの国にも確たる
ものは私たちから見たときにはないということです。
「(4)社員数要件の緩和」ということについて、さて、いろいろ書いてきたし、これ
以上、更に何かあるかというト書きになっています。
これから先は割と細かい話なので、できるだけ手短に説明したいと思います。
「残余財産の帰属先」というのは、広げられた方がいいという大きな流れがあるんです
けれども、当面は、この法律ができたときには国とか地方とかという形で書いてあったも
の が 別 の 法 人 格 を 持 つ よ う に な っ て い て 、そ の 部 分 が 結 果 と し て 抜 け て し ま っ て い る の で 、
そこまでは最低戻してもいいだろうということを論点に書いています。
次は「役員報酬に係る制限」で、今のは3分の1以下という、一応、人数で書いてある
んですけれども、これをどうするかという議論がいろいろあったんですけれども、これも
どうするという方向が結局、もともとの中間報告でも慎重に検討すべきだという言い方に
もなっていますし、ここでは、現状のままでよいかということではないかというふうに整
理しています。
1 2 ペ ー ジ は 申 請 の 手 続 で 、定 款 変 更 事 項 と い う の が あ る ん で す け れ ど も 、要 は 相 当 部 分 、
定款変更という形で最初から審査をしないといけないという部分があるんですけれども、
こ れ を 届 け 出 に 持 ち 込 む も の を 増 や し て は ど う か と い う こ と で 、具 体 に は 13 ペ ー ジ の 右 下
なんです。
今まで、定款変更として申請を必要としていた部分のうち「会計に関する事項」「解散
に関する事項」、それから「役員の定数」、あと、その他というのが、決めていないので
当たり前なんですけれども、認証を必要とする変更事項になってしまうんですけれども、
こ れ を 少 し 、1 3 ペ ー ジ の 真 ん 中 辺 り に 、具 体 的 に は こ ん な も の が 変 更 す る と き に 認 証 が 必
要となっています。略称、通称、英語表記とか、顧問とか、名誉会長とか、法人が自由に
やられたらよいというようなもの。それから、誤字・脱字は勿論あるんですけれども、こ
ういうものも最初からの話になってしまうというのは、どうも違うのではないかというこ
と で 、こ の 辺 り は 届 け 出 に で き る よ う な こ と に し て は ど う か と い う 提 案 を し て ご ざ い ま す 。
1 4 ペ ー ジ が 、補 正 と い う も の で す 。こ れ は 申 請 書 類 が 直 ち に 縦 覧 に 供 さ れ る と い う こ と
になっているので、途中でいじると縦覧の意味がなくなってしまうという大原則はそうな
ん で す け れ ど も 、実 際 に は 縦 覧 に 供 し て か ら 、ど う も 違 う と い う 小 さ な 間 違 い が あ り ま す 。
これをどうするのかということで、行政手続法7条と特定非営利活動促進法との関係が
あって、行政手続法7条では「外形上明確に判断し得るものであり、申請の内容審査を経
ないと判断できない問題は当たらない」ということで、外形的にわかるような、形式上の
話は補正をしてもいい。
こういうふうに考えられるんですけれども、実際にはそれに加えて更に細かなミスもあ
っ て 、 こ こ は 例 と し て 、 15 ペ ー ジ に 「 ○ 必 要 書 類 の 部 数 が 不 足 し て い る 」 と い う の は 行 政
手続法7条かなと思うんですけれども、それ以外は実は、複数の書類の間の違いというこ
14
とで、事業計画書とほかのものが少しずつ違う。書類間で法人名が違うとか、事務所所在
地がどちらかが違う。こういうものがちょろちょろとある。こういうものも直してもいい
かなとは思うんですけれども、今だとなかなか難しいということがあって、これも軽微な
ものであれば少し救済するようなことを考えたらどうか。
あと、縦覧期間の話もどうしても出てくるので、早い時期に誤記のようなものを修正し
てしまって、その後、2か月間というようなことにしてはどうかという提案にしてござい
ます。
16 ペ ー ジ が「 解 散 時 の 清 算 に 係 る 公 告 」。今 、法 上 は 公 告 を 官 報 で 3 回 以 上 と な っ て い
る ん で す け れ ど も 、16 ペ ー ジ の 半 ば ぐ ら い に あ り ま し て 、ほ か の 法 人 制 度 の 中 で は こ う い
う形を取っているところはないので、1回。
それから、電子公告というのもできるようにしていってはどうかという提案です。
17 ペ ー ジ が 「 代 表 理 事 及 び 監 事 の 登 記 」 と い う こ と で 、 今 、 法 上 は 理 事 ・ 監 事 と い う も
のについて、当然、NPO法の中では代表権を制限できるということになっていて、定款
上はそうしているんですけれども、登記をすることにはなっていないので、登記のところ
でも代表理事・監事というのができるようにして、外から見てもはっきりさせるようにし
てはどうかという提案にしてあります。
1 9 ペ ー ジ が 、い わ ゆ る 休 眠 法 人 。休 眠 法 人 の 定 義 が な い ま ま 使 わ れ て い る ん で す け れ ど
も 、要 は 実 質 的 に 事 業 を し て い な い と こ ろ を 早 く 退 場 さ せ る 仕 組 み は な い か と い う こ と で 、
いろいろ検討をしております。
要は、寄せられた意見としても、長々と置いておいてもという感じの意見になっており
ま し て 、 そ う い っ た 法 人 20 ペ ー ジ の と こ ろ で 例 示 を し て い ま す 。
今 度 で き る 一 般 社 団・財 団 法 人 で は 、正 当 な 理 由 が な く 1 年 間 事 業 を 開 始 し な い 法 人 は 、
裁判所による解散命令という制度が盛り込まれています。
そ れ か ら 、株 式 会 社 だ と 、登 記 が 12 年 間 な い と 、解 散 し た も の と み な す 。こ ん な 規 定 も
あるようです。
それで、私たちのこの仕組みはどうするかということで「(4)休眠法人への対応策」
で 、要 は 解 散 と い う の も で き る だ け 簡 単 な 仕 組 み 、手 続 に し て は ど う か と い う こ と で す 。
「 ① 書 類 の 未 提 出 法 人 」。未 提 出 期 間 は 今 は 3 年 で す け れ ど も 、2 年 に し て は ど う か 。あ
と、改善命令をしてもなかなか動かないというときには、改善命令の手続満了時に解散し
たものとみなすとしてはどうか。
それから、事業報告書は出ているんですけれども事業実績なしという、とりあえず出し
ておこうというのもあるんですけれども、この辺りも未提出と同じではないかという考え
方を入れてはどうかということを書いています。
最後が、これは多分、これをつくったときには想定されていないと思われるんですが、
認証をもらっているんだけれども登記しないので法人にならないというのがあって、これ
については認証後、一定の期間を過ぎたらば、認証の効力を失われるという仕組みを入れ
15
ていってはどうかという提案にしてございます。
以上です。
○雨宮委員長
かなりたくさんの問題点を掲げていきましたので、少しずつ分けて御質問
をお受けしたいと思います。
最 初 に「 ① 認 証 基 準 の 見 直 し 」に 関 し て は 、10 人 の 社 員 が 必 要 と い う よ う な こ と も 議 論
になりましたけれども、いかがでしょうか。
どうぞ、早瀬委員。
○早瀬委員
よくわかっておられることだと思いますけれども、アメリカなどで要件がな
いのは、逆に言うと社団形式ではないので、そもそもの議論が違います。財団系で来てい
るものもありますから、ここの部分はかなり議論をしていますので、これまで議論したこ
との表現をどう足すかぐらいですね。
○雨宮委員長
○山岡委員
山岡委員、どうぞ。
後ろの3つについては、特に問題ないかなと思うんです。私も認証後に登記
しない団体への対応は、やはり半年でもいいと思います。字句をどうするかというのは議
論がありますけれども、これはやはり明確に法に書くべきだと思います。
休眠法人への対応で、事業報告で事業なしでゼロ円というのが報告も出ているわけです
ね。それは想定していなかったんですけれども、未提出は、私は3年を2年にすることは
それでもいいと思います。2年以上出さない場合は取消しはいいと思います。もし、事業
報 告 を 実 施 せ ず で ゼ ロ 円 と い う の が 2 年 続 い た 場 合 は 、そ れ に 準 じ る か ど う か と い う の は 、
100 円 で も 事 業 を や っ て い れ ば い い わ け で す ね 。 だ か ら 、 そ の 辺 は ち ょ っ と 難 し い か な と
いう感じがありますけれども、少なくとも提出がなかったのは私は2年にしてもいいと思
います。
この代表理事制は、是非実現していただく方がいいので、代表理事で登記できるように
してほしいと思います。ほとんど問題ないと思います。
そして、やはり問題は、今の要件については議論があると思うけれども、一般法人とい
う 制 度 も で き た 前 提 で 考 え る と 、N P O 法 人 10 人 と い う の を 、逆 に 言 う と 、や は り N P O
法人は別にアイデンティティーを高めるという必要はないかもしれないけれども、今まで
あ っ た 、当 初 に 定 め た 目 標 な の で 、こ れ は 維 持 し て い く 方 が 私 は い い と 思 っ て お り ま す 。
残 余 財 産 に つ い て は 、当 然 、国 や 自 治 体 の も の が こ う な っ た わ け で す か ら 、そ の 範 囲 ま で
広げた方がいい。これもそんなに問題ないのではないかと思います。
役員報酬も、私は人数割りでやる方が明確でわかりやすくて、金額にすると非常にわか
りにくいと思いますし、金額そのものはそれぞれ個別の常識的判断でやればいいので、わ
かりやすい方がいいという意味で、私は3分の1規定でいいと思っております。
届出可能な範囲というのは、確かに今までは全部認証事項にして、幾つかのことだけは
届け出ていいという話になっているんですけれども、逆に言うと、その他を入れれば、届
け出のみでいいんだけれども、これだけは認証が必要だという形になりますね。この方が
16
いいかなという感じはしますし、項目として、解散に関する事項はどこまでどうかなとい
うのはありますけれども、ちょっとその辺がわからない。どういう書き方にするかによる
かと思いますけれども、基本的には私はこの方向でいいと思っております。
補 正 手 続 が 、ど の 程 度 、ど う す る か が 議 論 が あ っ て 、私 は 今 、こ こ で 明 確 に は 言 え な い 。
かなりどこまでを補正として、どこまでを修正とするかという、ちょっと議論があるとこ
ろだと思います。
一応、全体としてはそういう意見であります。
○雨宮委員長
範 囲 を 決 め ま せ ん の で 、ど こ か ら で も 、御 質 問 で も 、御 意 見 で も 結 構 で す 。
会田委員、どうぞ。
○会田委員
どこからでもということなので、まず役員報酬についてです。これは前にも
お話ししたかもしれませんが、役員報酬だけの問題ではなくて、やはりいろいろな形で役
員に経済的な便益が流れる可能性があって、これは個人的には人数か金額か、どちらもど
ちらかなという感じがするんですけれども、やはり役員との取引を何とか開示させたい。
やはり、その辺で、開示によってある程度、規制をかけていくという方向が必要ではない
かと思っています。
これは、役員報酬だけだと、また会計の問題になってしまうのかなという感じがして、
それを何とか開示する。それでも会計の問題だと言われればそれまでかもしれませんけれ
ども、そんなことを感じています。
あと、後ろの方の休眠法人に対する対応で、これは3年を2年以上に短縮する。もっと
短くてもいいのではないかと思っていますけれども、余り過激な発言は受け入れられない
でしょうから、2年でいいと思います。
ただ、事業報告書を提出しているけれども、事業実施のない法人。この事業実施のない
というのをどうやって判断するのか。たとえお金が流れていなくても、活動している法人
もあるわけです。あと、緊急時に何か対応する。それが主目的の法人もあって、事業を実
施していないからといって、すぐに抹消するのは実態にそぐわないというか、さっきの書
類未提出法人とは違うのではないかと思っています。
あと、細かい点ですけれども、できるだけ手続を簡素化するという意味で解散時の清算
に関する公告を1回にする、あるいは補正の範囲を広げるというのも賛成なんですが、た
だ 、 15 ペ ー ジ の 「 ① 補 正 を 認 め る 範 囲 」 で 、 各 書 類 間 で 法 人 名 が 違 う と か 、 書 類 間 で 役 員
の氏名や住所が違う。これは、例えば閲覧に供して、たまたま見たところがそうでないと
いうこともあると思うので、この辺はほかの、部数が不足している、あるいは事業実施日
が設立申請より古い日付とはちょっと違うのではないか。やはり活動主体について誤解を
与えるような内容は、補正を認める範囲からは外すべきではないかということを個人的に
感じています。
以上です。
○雨宮委員長
ありがとうございました。
17
今、会田委員がおっしゃった役員に対して、何か利益を与えるというのを開示してもら
えればいいとおっしゃいましたけれども、役員に利益を与えるような行為はそもそもだめ
なんですが、山野目委員そうですね。
○山野目委員
お尋ねに対してはそのとおりなんですが、多分、会田委員がおっしゃった
問 題 提 起 に 含 ま れ て い る 問 題 と し て 、委 員 長 御 指 摘 の と お り 、現 行 法 の 17 条 の よ う な 利 益
相反行為を禁止しているという、非常に簡明なんですが、単純な規律になっているのに対
して、御承知のとおり、一般社団法人の方は、たった1行の規定ではなくて原則としてで
きないんだけれども、個別に、その法人の機関の承認を得て行うことができることもある
という、かなり分厚い規律になっていて、ああいうものを入れていくと、理事が単に報酬
を受け取る受け取らないの話ではなくて、具体的に何をやっているのかが見えてくるとい
うふうになって、一つ有益なんだと思います。
ただ、一般社団法人のあの規律が、規定が読みにくいという悪口をよく言われるんです
が、規律としてちょっと重いものなので、ああいうものがすべてのNPOにかぶってきた
ときに少しうざったいという印象があるかもしれませんし、そこの兼ね合いではないかと
思います。
○雨宮委員長
ありがとうございます。
あ と 、報 酬 に 関 し て も 公 益 法 人 の 方 は か な り 細 か い 規 定 が 入 っ て い ま す け れ ど も 、た だ 、
実際にそれが妥当な報酬かどうかというのをどうやって判断するかというのは勿論ありま
すし、予算の規模によって全部違ってきますし、3分の1までは報酬をあげてもいいけれ
どもというのは、特定非営利活動法人の特徴でもあるんです。
いいか悪いかは別として、どうやって決めるか。3分の1の人数にあげたいのなら全体
を増やしていけばいいわけですから、そういうことも含めれば、ただ、そういう一種、ボ
ランティア要件とかといいますけれども、本当にボランティアが無報酬だというのもまた
おかしい意見ですけれども、それが一つの特徴になっているので、これを変えるというの
は余り意味がない。ただ、どうやって報酬額を全体の額で決めるのか、人数の割合で決め
るのかというのは議論があるかとは思います。
どうぞ。
○川崎委員
今の役員報酬のところで、全体の御意見を見ると、やはり3分の1というの
はそのまま維持していくという形になるんだろうと思って伺っておりました。
私、3分の1という規定は外した方がいいのではないかとかつて考えた理由は、役員報
酬そのものは確かにみんながみんなもらうという形でない方がいいとは思うんですけれど
も、実際には、労働している役員が 3 分の 1 以上いる団体は少なくありません。例えば役
員 さ ん が 1 0 人 い て 、1 0 人 全 員 が 労 働 者 で も あ る 。そ の と き は 、こ の 10 人 に 対 し て 役 員 報
酬 は 払 い ま せ ん 、あ る い は 3 分 の 1 以 下 に し か 払 い ま せ ん が 、10 人 皆 さ ん が 働 い て い ま す
から、労働の対価は受け取っています。このように労働対価を支払うのは問題ないはずな
んだけれども、全員が全員、労働対価を受け取るということに関して、この3分の1規定
18
に反しているのではないかと受け取られてしまうこともあります。あるいは特に理事長さ
んが実際に働いていて、労働対価を受け取ることに対しても、かなり抵抗があるような雰
囲気もあったんです。
小規模NPOは、役員自ら額に汗して働いていて、少し収入が安定してきたら、まず自
分たちの最低賃金ぐらいは払っていこうというようなこともあると思いますので、そうい
った労働の対価は、役員報酬とは区別されているんだということを周知していく必要があ
ると思います。
ついでに何点か申します。
社 員 数 に 関 し て は 、寄 せ ら れ た 意 見 を 見 ま す と 、こ の ま ま 10 名 で い い の で は な い か と い
う意見の方は、その理由として、ガバナンスの面とか、公益性の面がかなり述べられてい
ますが、社員数の要件を引き下げるべきだという御意見には、理由が述べられていないの
ではないかと思ったんです。何で社員数要件を引き下げるべきなのか。一般社団がそうな
ったからというのはあるのでしょうけれども、NPO法人としてこういう理由があるから
引き下げるべきという理由が明確にされていなかったのではないかという気がいたします。
そ う い っ た 点 か ら も 、先 ほ ど 山 岡 委 員 が お っ し ゃ っ た よ う に 、こ こ は 、や は り 10 名 を 維
持するというところに重きを置くような書きぶりになってもいいのかなというふうに私は
思います。
1 5 ペ ー ジ で 気 に な っ た 点 が ご ざ い ま す 。補 正 を 認 め る と い う こ と 自 体 は 今 ま で の 御 意 見
で 理 解 で き た ん で す け れ ど も 、こ こ の 15 ペ ー ジ の「 論 点 」と い う と こ ろ で 、事 務 局 か ら の
御提案として書かれているのは「例えば、必要書類の部数不足や内容についての軽微な不
備であれば、早期に所轄庁が確認し、申請者に指摘が可能であることから、例えば、申請
受 理 前 に 補 正 を 求 め 、補 正 後 受 理 し 」は 、す で に 現 在 所 轄 庁 で や ら れ て い る こ と で す よ ね 。
○雨宮委員長
○川崎委員
前もって相談に来ているからです。
そうです。強制ではないけれども、基本的には、どこの都道府県でも事前相
談というものがあります。実態に即して、そういうことも是非、どうぞやってくださいと
いうことだったら、それはいいと思うんですけれども、実態は既にやられているというこ
とを申し上げたいと思います。
そ れ か ら 、 19 ペ ー ジ の 「 ( 2 ) 寄 せ ら れ た 主 な 意 見 」 の
中 で 、 下 か ら 1 つ 目 の 「 ・ 認 証 取 消 し 事 由 ( 法 43 条 ) に 、 『 事 務 所 の 実 体 が な い 場 合 』 を
追加すべき。」という御意見が書かれています。これについては検討策としては取り上げ
られていないように思うんですけれども、実は、この事務所の実体がない法人は、確かに
言われてみると、かなり被害があちこちで出ています。例えば、何団体かが共有事務所を
持っていたり、幾つかのスペースを分けて使うようなことが、今、増えてきています。行
政が設置しているものもあれば、自分たちでそういうふうにしているものもある。
そこを一旦出ていった団体とか入ってもいない団体が登記をそこでしてしまうというこ
とがあるんです。これがまれにではなくて、結構聞くようになってきている。そこに事務
所があるということで信用を得ようとしているようだ。そちらの事務所に入っているとい
19
う団体さんからこんなことを言われた、いや、ここにはそんな団体さんは居ません。とい
うようなことが結構、実際出てきているということで、ここは確かに検討に値するのかな
というふうに思っております。
最 後 に 、 21 ペ ー ジ の 事 業 報 告 書 の 「 事 業 を 実 施 せ ず 」 と 記 載 し て い る 法 人 は 適 用 外 、 未
提出法人とは別の扱いというのがいいと思います。なぜならば「事業を実施せず」と記載
している団体を、未提出とみなすと、一行でも何か実施したということを書いて出してく
るであろうことは容易に想定されて、余り意味がないかなと思うからです。
以上です。
○雨宮委員長
○影山委員
影山委員、どうぞ。
幾 つ か あ る ん で す け れ ど も 、最 初 の 10 人 の 要 件 に つ い て は 、千 葉 県 の 中 の N
POの人たちの意見を聞いても、やはりあった方がいいということがありました。ですか
ら、ここの部分については両論併記という形であれば構わないと思っています。
次の役員の関係なんですけれども、先ほど委員長からお話があったように、NPO法人
の特性として、役員のボランティア性ということを考えますと、この3分の1というのは
ある方がよいと考えています。
次の役員報酬にかかる制限の部分について、責任を重くするということではなくて明確
化した方がいいんではないかということを内部でも話をしました。これは余談なんですけ
れども、役員承諾書の中にそういう文言を入れて、こういう責任があるということを知ら
し め て み た ら ど う か と い う こ と を 中 で 話 し ま し た 。ま だ や っ て い る わ け で は あ り ま せ ん 。
届 出 の 関 係 な ん で す け れ ど も 、認 証 か ら 届 出 事 項 へ の 移 行 に つ い て は 、所 轄 庁 と し て 考 え
た と き に も 、で き る だ け し て い っ た 方 が い い と 思 っ て お り ま し て 、1 3 ペ ー ジ の 表 の 中 に 届
出のみで対応可能な変更事項が2つ挙げられているんですけれども、このほかにも、私た
ちは名称、事務所の所在地(所轄庁の変更を伴うもの)、資産に関する事項、定数以外の
もの、会議に関する事項、事業年度について、この5つについても届出でいいというふう
に考えています。もっと認証の部分というのは少なくて構わないと思います。
NPO法人の数が大変増えている中で、所轄庁としても具体的に見ていく部分というの
は、そんなに多い必要はないように考えています。
次の補正手続の関係なんですけれども、補正できる範囲ですとか期間については、行政
手続法とNPO法との関係は明確にしていくことはやっておかなければいけないと考えて
います。
先ほど川崎委員がおっしゃったように、実際に相談の中で軽微な補正については、話し
をしながら直して出してくるというのはありますけれども、ただ郵送で来たような場合、
やはりそこの段階でもう受理ということになると思いますので、これはちょっと微妙な気
はしています。
次の解散時の関係なんですけれども、広告の回数を1回にということもありますし、電
子広告制度の導入ということもあるんですけれども、ここには書かれていないんですけれ
20
ど も 、所 轄 庁 の ホ ー ム ペ ー ジ で や る と い う 方 法 に つ い て も ど う か と 思 っ て い ま す 。そ れ は 、
全部のケースがそれでやれということではなくて、そういう方法も取れるというような形
にしていただけると、例えばどこの所轄庁もそういうやり方をするとは限りませんので、
千葉県でしたらそれでもいいかなというふうに考えています。
「代表理事及び監事の登記」については、是非登記すべきだと思っています。
休眠法人の関係なんですけれども、3年間から2年間にということがあるんですけれど
も、これは2年にしたからといって余り実害がないような感じがしているので、このまま
でもいいと考えています。
それから、事業報告書の提出があった場合、事業はしていませんという広告であったと
しても、少なくとも総会を開いているということがあれば、それでいいと考えています。
実際、いろいろなメンバーの状況によって、今年度は事業はできないけれども、私たちの
事業はまたやっていくものだという意思を持っていると考えれば、出てきたもの、事業が
ないという状況がたとえ2年続いたとしても、提出がされているものと未提出のものは違
うと考えます。
また、実際にやっていなくてやっていませんという報告が来るとすれば来ないと思いま
す。報告を出さないと思います。ですから、当然それは3年間で整理される部分に入って
いくと考えます。
もう一つ、今回事務局の方でつくっていただいた資料の中に入っていない論点について
は、ここで言ってもよろしいでしょうか。
○雨宮委員長
○影山委員
これに関連するところであれば、どうぞ。
ここの中間報告の中に記載されている部分なんですけれども、1つは、中間
報 告 の 17 ペ ー ジ に あ る そ の 他 事 業 の 収 益 の 会 計 処 理 の 部 分 な ん で す け れ ど も 、ち ょ う ど そ
の真ん中になるんですが、更にというところから、その他事業の収益を一定の範囲でとい
うところがあるんですけれども、その他事業の収益を必ず特定非営利活動に充てなくては
いけないという考え方ではないと解釈していまして、実際にその他事業を1年間やって、
その他事業を更に拡大して、最終的には特定非営利活動の方に充当していくということで
あれば、必ずしも毎年度入れていくということではなくても構わないと思っています。今
の法解釈の中でも、十分できるだろうと考えていますので、ここの書き方についてはちょ
っと疑問を持っています。
1 8 ペ ー ジ 、市 民 の 監 視 機 能 の 強 化 と 監 督 の 在 り 方 の と こ ろ な ん で す け れ ど も 、市 民 か ら
所轄庁に懸念情報が提供された場合などというのがあるんですけれども、そこについて懸
念情報についての取扱いはどうなのかということで、それを所轄庁が公表していくことに
ついては疑義があると思っております。実際に所轄庁としての監督権限がありますので、
必要なものについては報告聴取をしたり、立入検査をしたりということがありますので、
それをすることによって改善命令という手段が取れますので、それをするべきであって、
懸念情報が来たものを公開というのは、ちょっと違うのではないかと考えています。
21
そのほかにも幾つかあるんですけれども、また次の機会があれば申し上げます。
○雨宮委員長
どうぞ。
○山野目委員
影 山 委 員 に 質 問 な ん で す け れ ど も 、今 日 の 資 料 の 1 9 ペ ー ジ の と こ ろ に 、休
眠法人への監督の問題提起がなされていて、所轄庁が報告検査を聴取するのに当たって相
当な理由が求められているのが障害になっているというのが資料の指摘なんですが、これ
は実際にそういう障害をお感じになるものなんでしょうか。
○影山委員
実際に、まだそこまでいっているケースがないんです。社会福祉事業をして
いる団体の関係で、1つ届出についてあったケースがあるんですけれども、それについて
はこちらの方と連携を取りながら、その団体と話をした結果、たまたまそこは申請をした
ところなんですけれども、申請の取り下げという形で処理しておりまして、具体的なケー
スは今のところありません。
○山野目委員
意見なんですけれども、休眠法人の監督のところについて、今、問題提起
をいただいているところの発想が、今までの御議論とも重なるところがあると思うんです
が、いささか焦りぎみといいますか、事務所の実態がないと認証を取り消しにするとか、
事業報告書に事業をしてないと書くと解散が擬制されるというのは、制度的な手法として
やや乱暴な感があると思います。
本来、現行法が予定しているのは、御承知のとおり四十一条で検査をして、四十二条で
改善命令を出して、四十三条で認証を取り消す、このルートをもっときちっと使ってみて
うまくいかないところは、また別途考えるべきなのではないかと考えます。
先ほどから、事業を実施せずと書いてあると解散が擬制されるというのは困るという御
意見が出ているのも、そのことに関係すると思います。
ただいまの影山委員のお話で、相当な理由というのが直ちには深刻な障害にはなってい
ないと思いますので、所轄庁の皆様には御苦労様なことなんですが、この入口からきちっ
としばらく使ってみていただくという制度運用ではないかと感じます。
以上です。
○雨宮委員長
○石川委員
石川委員、どうぞ。
今 、山 野 目 委 員 が お っ し ゃ っ た 点 は 私 も 同 感 な ん で す が 、1 2 ペ ー ジ の 届 出 の
ところです。これは事務局に質問なんですけれども、届出というのも事前届出と事後届出
と 両 方 あ り ま す ね 。い わ ゆ る 届 出 制 と い う の は 、事 前 届 出 の こ と だ と 思 う ん で す け れ ど も 、
事前届出は運用いかんによっては許可制によく似てくるという議論があるわけです。事後
届出であれば、その懸念はなくなる。ただ、届出は届出である以上は、確かに認証から届
出に移せば規制は緩和されますけれども、ただ、届出は義務を負わせるわけですから、そ
うすると義務を果たさない場合については、過ち料で対処するのかなと。
これは書かないとしり抜けになってしまいますね。だから、それなりの届出と書く以上
は、制裁もどこかに合わせて書かないといけないから、届出の数が増えてくると、結局ト
ータルとして見ると規制の緩和にはならないという要素もあって、ですから、そこは整理
22
していただいた方がいいと思います。
ですから、届出のところを事前届出なのか事後届出なのか。法律に書く必要はないと思
うんですけれども、ただ、イメージとして報告書のところに事後届出とするというのは、
ここで議論した方がいいと思うんですけれども、だから盲点というんですか、届出のとこ
ろも事前と事後だと重さが、規制が違ってくるという指摘が1つです。
1 4 ペ ー ジ 、1 5 ペ ー ジ の 辺 り の 、い わ ゆ る 行 政 手 続 法 の 関 係 は 前 に も 申 し 上 げ ま し た け れ
ど も 、 2 つ あ り ま し て 、 1 つ 目 は 、 15 ペ ー ジ の 真 ん 中 辺 の 論 点 の 2 行 目 の 「 内 容 に つ い て
の軽微な不備」というのは、表現としてはわかるんですけれども、これはむしろ形式上の
要件とほとんどかぶさってくるとすれば、別に改めて書かなくてもいいのかなという感じ
がします。これが1点です。
論点の2パラのところに「また、申請受理後に」で受理という言葉が使われていて、下
の方にも受理という言葉が使われているんですが、行政手続法の7条ができたのは、いわ
ゆる受理を否定する意味で7条ができているので、ここの関係で受理というのを使うと誤
解が生じる。
ですから、受理に固有の法的な効果が伴う場合は、行政手続法にかかわらず受理という
言葉を使っても構わないんですが、もしそうでない場合は、言葉を形式上変えるというこ
とかもしれないけれども、申請を受け付けると、置き換えのような感じはしますが、受理
ではないわけです。ずっと行政手続法ができるまでに行われていたのは、受理しないとい
う形で不透明な行政が行われていた。だから、それはやめましょうと。形式要件を満たし
ていたら、もうそれは審査へ入ると。入りたくないから受理しないという扱いが不透明だ
ったので、それはやめましょうということで受理というのを消したわけですから、置き換
えの言葉として、実務で受理と使われているのは構わないと思いますけれども、ただ公文
書に受理と書くと誤解を生じるので、受け付けと書いた方がいいかなという感じがいたし
ました。
最 後 の 点 は 、22 ペ ー ジ の「 ② 認 証 後 に 登 記 し な い 団 体 へ の 対 応 」の 消 費 生 活 協 同 組 合 法
のような書き方で、失効という形ならいいのかもしれませんけれども、要は認証が消えて
しまうと法人格を付与した、その効力も消えてしまうわけでしょう。だから、そうすると
それ自体が行手法との関係でいうと不利益処分に当たってしまうような感じがあって、も
し不利益処分に当たるんだとすると、やはりそれに対しては何らかの手続が必要になって
くるのかどうか。つまり聴聞、弁明、あるいはそこまでいかなくても特別の手続で、要は
6か月の期限が到来する直前の段階で、一遍どうなっているのか通知すればいいのかなと
いう感じはあるんですけれども、ただそれにしてもいきなりそれで消してしまっていいの
か。あるいは一遍とにかく相手に連絡を取って、相手の言い分を聞くという手続をどこか
に書くかですね。
大体以上です。
○雨宮委員長
どうぞ。
23
○山野目委員
今の石川委員の御指摘に関連するんですが、現行法の文言が、幾つかのと
こ ろ で 申 請 書 の 受 理 と い う 言 葉 を 使 っ て い る ん で す 。こ れ は 恐 ら く 現 行 法 を 見 直 す と き に 、
この辺の用語を全部一回総ざらいしていただく必要があって、行政手続法の使っているよ
うなものにならえば、所轄庁の事務所に書類が到達するという表現をすることになるんだ
と思います。
あるいは石川委員御提言の受付でもいいかもしれないし、不動産の登記は届いたのは受
付で、いいよというOKの判断が受理なんです。だから、現行のNPO法が使っている受
理が異様に浮いているので、ここらあたり全般を見直していただくということがよろしい
ように思います。
石川委員に、今の後段のところについてお尋ねなんですが、消費生活協同組合法の現行
の規定では、特にヒアリングをしないで失効するようになっているんですが、これは言わ
ば6か月以内に設立登記をすることを法定の解除条件とした認証だと理解されると思うん
ですが、こういうのは一般的にだめなんですか。その辺、行政法的にはどういうふうに考
えられているんですか。
○石川委員
○山野目委員
一般的にだめでは全然なくて、それで別に構わないと思います。
意見なんですが、この入口のところは、設立登記をするのは当然なので、
この段階は余りうるさく聴く機会を設けなくても、君はもうだめだということでいいよう
な気がするんですが、一旦始まったものについて、余り意見交換の機会を設けないで解散
を擬制とするのは乱暴であろうと感じます。入りと出では、その辺のバルブの締め方がや
や違うかなと、印象論ですけれども感じております。
○石川委員
山野目委員のおっしゃるとおりで、ですから、入口の部分についてはこうい
うやり方で、要するに、自分で登記しないんだからしようがないですね。だけれども、一
定の資格、あるいは地位が設立された以降、その現状が変わるときは慎重な手続を取った
方がいいという考え方で、全く問題ないと思います。
○雨宮委員長
法律論が飛び交いましたけれども、ですから、この消費生活協同組合法の
ような条文にすれば、登記をしなければ認証しないというのは構わないと思います。
○石川委員
それともう一点、山野目委員の御指摘で、NPO法の文言は、もし行手法に
合わせるなら到達に統一しておかないと、ちょっと矛盾が生じます。
N P O 法 が で き た の は 行 手 法 の 後 で す ね 。行 手 法 が 平 成 6 年 10 月 1 日 で す か ら 、議 員 立
法だったので法制局審査が、もし閣法だと内閣法制局で厳しく、おかしいと言われたんだ
と思います。
だから、この際もし直すのであれば到達に統一することがお薦めかなという感じはして
おります。
○雨宮委員長
ただ、あれを読んで理解できる。それが受理ではなくて到達だというよう
な、一般の人たちはそういうふうには理解していませんので、受け付けたかなと、受理さ
れたなというだけで、行政手続法で変わってくるということは、後でちゃんとコンメンタ
24
ールをつくっていただいて、そう解釈をすると。
○石川委員
で す か ら 、今 、言 っ た よ う に 、非 常 に 難 し い の は プ ロ 向 け の 議 論 で い い の か 、
それともこれは一般市民の方が使うんだから、そちらに顔を向けてということになると、
余り難しい言葉は使わない方がいいような感じもあって、ですから、私個人的には内閣法
制局的な発想は余り好きではない。だけれども、やはりセットとして解説がきちんと整っ
ていて、それとセットかなという感じはします。
○雨宮委員長
そんなこと言ったら、全部の言葉をもう一回さらわなければいけない可能
性も出てきますので、そのように解釈するということを、もしあれでしたら所轄庁もそう
いうふうに理解すると。法律で変えるとすれば、またこれを全部見直さなければいけない
ということになります。
その辺は、もし最終報告のところでも記載しておけば、このような議論がされて、そう
いうふうに理解する方がいいというふうに研究者がちゃんと読んでおいて、それを論文に
書いてもらうということになると思います。
どうぞ。
○廣川市民活動促進課長
事務局というわけではなくて、所轄庁として少しお話ししたい
と思います。
1つは、書類未提出3年、2年の話がありますけれども、内閣府ほどの案件を抱えてい
るところになると、3年、2年は事務量として大きな差になります。督促は勿論します。
3年間し続けます。その上で、聴聞会もしています。ほとんど来られません。今、こうい
う状況なので、3年、2年が先ほどもう片方の所轄庁からございましたけれども、大した
問題ではないとは思っていません。
もう一つ、懸念情報ですけれども、これは中身によるところがあるんですが、今のまま
だ と 相 当 あ や し い と 思 わ れ て い る 懸 念 情 報 が 、所 轄 庁 に し か 届 い て い な い こ と が あ り ま す 。
これはもう話題になっている、最終的には不認証にしたところも、私たちの感じだと、内
閣 府 は 市 民 の 説 明 を 聞 く と い う 仕 組 み を 持 っ て い ま す け れ ど も 、こ れ を し た こ と に よ っ て 、
やっとさらなる情報が得られて、不認証に至ったという経験があるので、ものによる、レ
ベルによる、情報の質による、量によるとかいろいろあるんですけれども、所轄庁として
は何か1つ道を開いておきたいと思います。
○雨宮委員長
○影山委員
どうぞ。
先ほどの懸念情報の関係なんですが、監督権限が全くなければ、それは1つ
の方策かもしれませんけれども、やはり監督権限はあるわけなので、前にパブコメとして
出させていただいたときも、監督権限を行使したときの情報公開をするべきだという意見
も合わせて出しております。
それは、先ほどの話の中にもありましたけれども、今ある制度を使ってみること、使っ
ていることで、更に不具合があればやむを得ないのかもしれませんけれども、今の状況で
ほとんどの所轄庁が、使えるべき監督権限を余り行使していないと思われますので、まさ
25
しく本当に怪しいということがあれば、報告聴取をするなり、立入検査をするなり、その
状況についての情報公開をしていけば、市民からの情報は得られると考えています。
○廣川市民活動促進課長
所轄庁間で見解の相違をやっていても余り意味がないと思いま
すけれども、多分ある一定の数を超える、あるいは大都市圏を抱えるようになると、牧歌
的な話はしていられないのではないかということだけ言いたいと思います。
○石川委員
所轄庁間の対立があるように見えますけれども、私が聞いている限り真っ向
から対立してないような感じがあるので、ですから、要は法に書かれているにもかかわら
ず、無知なのか使いたくないのかは別として使用してない。
ですから、それを使用した上で懸念情報に関わる問題が発生すれば、それはまた別の話
だと思います。懸念情報といっても、研究するとか、あるいは公益を害するということに
つ い て は 、 む し ろ そ れ は 出 さ な い と 問 題 が あ る わ け で 、 例 の O 1 57 の と き の よ う に 、 で す
から、風評被害で相手を傷つけることはいけませんけれども、ただ第三者に対して警告を
発するという意味での情報提供、だから、制裁目的での情報提供は慎重でなければいけま
せんが、両方提供するというか、被害を防ぐ意味での情報の提供としての懸念情報を開示
するというのは、必ずしも先ほど言ったNPO法が定めている監督手続のところと矛盾す
るわけではないと聞いていて思いました。
以上です。
○雨宮委員長
先 ほ ど 影 山 委 員 の 方 か ら 、中 間 報 告 の 1 7 ペ ー ジ の そ の 他 事 業 の 収 入 を 、そ
の年度内で公益事業、本来事業の方に払い込まなくてもいいんではないかと。ただ、内容
によって異なりますけれども、いいと思います。そこが、その他事業の収益が上がったと
きに、それは何に使うのかという話で、その年度内でそれを入れなければいけないか、次
年度も繰り返していいのかという話ですね。それは皆さんいかがですか。そういうことを
やっているところもあるんではないですか。
○山岡委員
例 え ば 1 0 周 年 記 念 を や る の で 、 毎 年 収 益 か ら 10 0 万 円 ず つ 積 み 立 て て い こ
うというのが、ちゃんとあればいいんではないですか。年度内に使わないといけないとい
うふうには読めない。読めますか。
○雨宮委員長
やはりその他事業が多くて、そのばかりやっているように見えるところも
あるんですね。
○早瀬委員
この場合によって収益が生じたときは、これが当該特定非営利事業に関わる
事業のため使用しなければいけない。この使用しなければいけないというのが。
○雨宮委員長
年度内ということは書いてないわけですからね。
○早瀬委員
書いてないけれども、解釈の仕方ですね。
○山岡委員
実質は、別に繰り越したり、引当金にしたり、基金に積み立てたりやってい
ますね。
○雨宮委員長
○影山委員
どうぞ。
まさしく内部留保していくということについて、それが主たる目的と混同し
26
てはいけないということがあって、この書き方についてはどうかということがございまし
た。
○雨宮委員長
○川崎委員
どうぞ。
今お話を聞いていて思い出したんですけれども、内部留保ということだった
ら問題ないんだろうと思うんですけれども、こういうケースがあるんです。その他事業を
行って、収益が幾分上がったと、それを内部留保ではなくて、その他事業の方にどんどん
使っていくんだと。なぜそういうことをするかというと、その他事業がある程度軌道に乗
って、その他事業からの収益を本来事業の方に入れられるようになるまでには、3年とか
4年とかかかるということで、それまではその他事業で上がった収益はその他事業でどん
どん使っていて大きくさせていきたいけれども、それはだめなんだろうかという相談を受
けたことがあって、そのときにはちょっと答えられなかったんですけれども、そういうケ
ースもあるんだろうと思います。
○影山委員
今お話のあったようなケースについても、団体の考えだと思うんです。です
から、そういうことについても大丈夫だというふうに理解していますので、そういう読み
方ができるようなことにしてほしいと思います。
○雨宮委員長
そ れ は 難 し い で す ね 。 そ れ が 10 年 か か る か 、 2 0 年 か か る か 、 そ れ ば か り
やっていると。基本的には本来事業の方に使うためなんですから、そこの目的がずれてな
いかというところがチェックポイントなんでしょうね。
かなり細かい議論まで出ましたけれども、何かございますか。内部留保といっても、目
的のある内部留保でいいですし、それから、これは非営利法人が一般的に内部留保を多く
してはいけないという、積極的に非営利事業、公益事業に使うべきだという考え方は確か
にあるので、それがたまっていけば、当然分配の可能性もあるので、要するに役員報酬と
かそういうものに分配の可能性があるので、そういうことのないようにということだと思
うんですが、どうぞ。
○影山委員
まさしくおっしゃるとおりなんですけれども、ここに書かれてある文言だけ
を読むと、その他事業に係る資産等として蓄積され、法人の非営利性や特定非営利活動の
主たる目的を損なうおそれもあるので慎重にという言い方になっているので、必ずしも蓄
積されたことが、イコール損なうんだということではないということを確認したいと思い
ました。
○雨宮委員長
そうすると記載の仕方ですね。
会田委員、どうぞ。
○会田委員
ここの部分の論点は、はっきり記憶がないんですけれども、認証基準の見直
しのところで出てきているわけですね。用語、その他事業の収益という言葉でいいのかど
うかという問題があるんですけれども、もしこの法人の非営利性や特定非営利活動の主た
る目的性を損なうということを問題にするのであれば、むしろその他事業がうまくいかな
くて、本来事業から資金がこちらに流れている。その点はどうなっていたかなと、そもそ
27
もこれがなぜここに取り上げられているのかという記憶が今、出てこないので、現行の認
証基準でこれが問題になっているんですが、済みません、その確認です。
○雨宮委員長
要するに、その他事業ばかりをやっていて、実際の本来事業の方にそれを
出していないところもあるということで、それはまずいだろうということで出てきたんで
すね。
○廣川市民活動促進課長
○雨宮委員長
はい。
それが慎重に検討というのが何かぼんやりしているので、実際に目的を損
なうことのないようにですね。
余りここに細かく書くと、どこまでやってよくてという話になりますね。ですから、基
本的には何のためにその他事業をやり、そしてその他事業の収入については、基本的には
本来事業の方に充当させることが目的だということだけを書けばいいんですね。
どうぞ。
○早瀬委員
ですから、NPO法人の場合には、特定非営利活動の範囲が広いので、うち
は社会福祉法人なので、うちは社会福祉事業がメインでないといけないので、公益事業が
赤字になってはいけないんです。大阪ボランティア協会では出版事業という公益事業をし
て い ま す け れ ど も 、こ れ が 赤 字 に な る と 社 会 福 祉 事 業 の 遂 行 を 損 な う と 取 ら れ る わ け で す 。
それがどんなに大変か。
も と も と 私 ど も が 認 可 を 受 け た と き は 、出 版 事 業 も 社 会 福 祉 事 業 だ っ た ん で す け れ ど も 、
後から解釈が変わって非常に困っているんですけれども、そういう事業の限定がすごく狭
い法人の場合には、このことはすごく大変なことになるんです。だけれども、特定非営利
活動法人の場合は広いので、この場合のその他事業というのは、例えば駐車場を経営する
とか、そういう話ですね。それが余りに過大であってはというのは、確かにそうかなとは
思いますが、確かに投資してということもあるでしょうからバランスですね。
○雨宮委員長
運用指針だって、3年以上赤字ではだめだということがありますね。です
から、逆に3年間は赤字でいいのかと。それが目的ではなくて本来事業に出すためにやっ
ているのですから、そこが中心を間違えない方がいいと思います。
ほかに、前の寄附の話もそうですし、会計基準もまだまだ議論があった方がいいように
は思うのですが、3時間でも4時間でもかかりそうですね。
どうぞ。
○川崎委員
先ほど私が、事務所の所在がはっきりしない団体、事務所の実態がない場合
については、寄せられた御意見としては、認証取消事由に追加すべきだという御意見で、
確かに事務所の実態がない場合は問題だと申し上げたんですけれども、山野目委員のおっ
しゃるように、問題は問題なんですけれども、イコールすぐ認証取消事由になるかという
と、そういうことではないと私も認識していますので、事務所の実態がない場合というの
は監督ぐらいか、課題認識を持つ必要があるということに訂正させていただきたいと思い
ます。
28
○雨宮委員長
都道府県によっては、事務所の実態がないけれども郵便だけはそこに行く
ように、私書箱をつくらせてあげているところもありますね。
ほかに、御質問はございますか。今までたくさん出ました御意見を、最終報告のとりま
とめに向けまして、どうやって反映させていくか、今、悩んでおりますが、反映させてい
ただきたいと思います。
どうぞ。
○影山委員
今日、議論した点のほかにも、実は中間報告に入っていない部分の論点を幾
つか千葉県から提起させていただいた部分があるんです。そこについての議論の時間を、
実は設けてほしいと思っておりますが、いかがでしょうか。
○雨宮委員長
わかりました。まだ今後の予定の中で、最終報告はこの項目だけというこ
とではないので、時間を取らせていただけると思います。
あと今後の予定について、お願いします。
○廣川市民活動促進課長
今後の予定ですけれども、今日の資料1でいいますと、2ペー
ジ目の3まで終わって、4のJ)も少しは議論があるのかもしれませんが、制度発展のた
めの環境整備ということで議論をするのと、今、影山委員の方から提案があったものも含
めた議論をするということになろうかと思います。
スケジュールについてはまだ決まっておりませんので、委員長と話をして、大きな話は
NPO法人と行政とのパートナーシップという話があって、今、調査の報告が上がりつつ
あるところなんですけれども、それをどういうふうに分析するかということについても、
あらかじめ委員の方に御相談しながら、次の会議の前にそういう視点を入れて分析をした
上で、議論ができたらいいと思っておりますので、御協力よろしくお願いします。
○雨宮委員長
最後に、何か一言ございますか。ないですね。それでは、長時間お忙しい
と こ ろ を お 集 ま り い た だ き ま し て 、御 議 論 あ り が と う ご ざ い ま し た 。こ れ で 、第 13 回 の 会
合を終了いたします。
ありがとうございました。
29