麦の生育状況に応じたきめ細かな対応を! - JA全農さいたま

表面
発行:JA全農さいたま営農支援部営農支援課 〒346-0025 埼玉県久喜市樋ノ口15-1(ライスランド21内)TEL.0480-26-3181
と確実に連結して、排水機能を維持させま
5∼10m間隔に排水溝を設置してください。
しょう。
弾丸暗渠を施工していないほ場も、この時
未施工ほ場では、圃場の周囲と圃場内に
期に設置しましょう。
表1 マルチの種類と機能について(全農推奨品)
銘 柄
商品名
MKVドリーム
(長さ:すべて200m)
種 類
孔
厚み(mm)
幅(cm)
機 能
クミアイマルチ
透明
有孔、無孔
0.02、0.03
75、95、120、135他
保温
クミアイマルチ
銀ネズ
有孔
0.018
95、135
保温、虫害防止
クミアイマルチ
黒
有孔、無孔
0.02、0.03
95、120、135他
雑草防止
クミアイマルチ
グリーン
有孔
0.02、0.03
95、120、135他
雑草防止、保温
※保温効果:透明>グリーン>黒 雑草防止効果:黒>グリーン>透明
春野菜の栽培ポイント
表2 トンネル用被覆資材について(全農推奨品)
銘 柄
春野菜は意外と気象変動による気象災害
軽減、畑の有効利用、初期生育の均一化、
を受けやすい。低温・短日下で播種され、
早出しによる有利販売と安定生産、農薬使
高温・長日になって収穫されるものが多く、
用量の節減やコスト低減などにつながります。
この時期は凍霜害や春の突風等の気象災害
を受けやすい。また、最近の社会情勢のな
2. 土壌管理
商品名
(長さ:すべて100m)
種 類
厚み(mm)
幅(cm)
機 能
MKVドリーム
スズシビ有孔換気
2号(2穴)、4号(4穴)
0.05、0.075
185、210
開閉作業の省力化
サンテーラ
クリーンテート有孔換気
2号(2穴)、4号(4穴)
0.05
185、210
高温多湿障害の防止
※材質:PO
表3 べたがけ用資材について(全農推奨品)
銘 柄
商品名
種 類
MKVドリーム
パオパオ90
RとTの2種類(不織布)
ダイオ化成
ベタロン
岩谷マテリアル
アイホッカ
長さ(m)
200
幅(cm)
備 考
120、150、180、210他
保温、防霜、防虫他
開口率45%、35%の2種類(割布) 100
100、150、200、210、230
保温、防霜、防虫他
♯18(不織布)
120、135、150、180、210他
保温、防霜、防虫他
50、200
かでは暖房用エネルギーの高騰や消費者の
近年の傾向として、養分過多による土壌
多様化なニーズ、そして、最近では国内外
のメタボ現象が見受けられます。施肥効率
から食の安全・安心が強く求められている。
と肥料代節減のため、作付けに当たっては
そのため、栽培にあたっては基本技術を遵
必ず土壌診断を励行し、適正な施肥を行い
銘 柄
守して、需要動向を見極め、それに適した
ましょう。また、良質な堆厩肥の有効活用
日本ワイドクロス
アグリシート
ブラック・シルバーグレイ
100
75、100、150、200、300他
雑草防止
生産が望まれます。
を図ると同時に、環境保全に心がけること
ダイオ化成
グランドシート
黒・シルバー
100
75、100、150、200、300他
通路のぬかるみ防止
気象庁発表の関東甲信越地方における3ヶ
も大切です。
月予報(平成21年11月25日発表)によれば、
気温は「平年より高い」、降水量は「平年
※光線透過率はパオパオ90:90%、ベタロン:91%、アイホッカ:90%
表4 防草用シートについて(全農推奨品)
商品名
(長さ:すべて100m)
種 類
長さ(m)
幅(cm)
機 能
※それぞれ抗菌剤入り、抗菌剤なしがある。
3. 病害虫
4. 災害対策
講じて溶けた雪による湿害を防止しましょう。
並またはやや多い」と、やや暖冬の予報が
病害虫については、低温・高湿度環境で
出ているので、作付け時の参考にしてくだ
は灰色かび病や各種細菌病、高温・低湿度
春は突然の降雪、降雹、寒波、霜及び突風な
を活用して保温対策を講じましょう。突風によ
さい。
環境ではアブラムシ、ハダニ、ウイルス病
どの気象災害が多発する時期です。降雪対策と
る被害は、特にトンネル栽培で被害が多いので
を伝搬するコナジラミやスリップス類等の
して気象予報に注意し、降雪が予想される場合
注意しましょう。対策としては、換気後のトン
害虫の発生が多くなります。
はハウスの補修や補強を行い、降雪時には雪下
ネル管理は気象条件に合わせて、こまめに行う
春野菜は果菜類を中心として育苗期間が
防除の基本を遵守することは、農薬の使
ろしと同時にハウス内温度を高め、屋根の融雪
ことが大切です。
長いものが多く、気象変動の激しい寒期に
用量の軽減にもつながります。病害では定
を促進してハウスの損壊を防ぎます。
あたります。畑に直播きする場合は、適期・
期的な予防散布、害虫では早期発見・早期
トンネル栽培ではトンネルの弓を補強し、降
適作に徹し、より安全な苗作りを望む場合
防除を心がけましょう。そして、寒冷紗や
雪後は早めに除雪を行うと同時に、排水対策を
は苗床で育苗するとよいでしょう。
防虫ネット、べたがけ資材の使用と、ミヤ
ます。対策としてはハウスビニールの損傷箇所
この方法により気象災害や病害虫の被害
コカブリダニなどのイチゴに発生するハダ
の補修はもちろんのこと、カーテンは二重以上
ニ類の天敵利用等は、安全・安心な農作物
にして、無駄な燃料消費を減らします。また、
の提供に一層つながります。
暖房機の清掃・点検やノズルなどの定期的な交換、
なお、数年前に、ポジティブリスト制度
そして送風量のチェックを励行し、暖房費の節
により農薬の残留基準が変わり、残留基準
減を図りましょう。
が決められていない食品についても、一律
JAでは、各種保温・防虫対策資材(表1・2・
の基準(0.01ppm)が設定されたので、く
3)、防草用シート(表4)等を取り揃えてお
1. 育苗管理
寒波や降霜に対しては、被覆やべたがけ資材
5. その他
最近はハウス暖房用の原油価格が高騰してい
りますので、ご活用ください。
れぐれも農薬散布時には近隣農作物への飛
散防止に注意してください。
営農・技術情報特集
トンネル栽培では突風による被害が多いので注意する
春野菜は気象変動の影響を受けやすい
●表紙の写真=学校給食向けのほうれんそう(富士見市)
JA 全農さいたま
http://www.st.zennoh.or.jp/
中面
託や遊休農地
んは語るが、設立以来、会社は黒字経営を続けて
の利用でしょ
いる。「 J A ができないことを引き受け、農業が持
う。その受け
続できる地域社会を作るのが当社の使命。利益よ
皿として、い
りも組合員に農業を続けてもらうことが大切なの
るま野アグリ
です」と、桑原さんは企業との違いを強調する。
を機能させた
今後は育苗施設を拡充し、苗の生産能力を現在の
い。水稲で大
倍以上にすることを計画中だ。
今年の麦は定期的な降雨のため、播種時期
はやめましょう。未出芽のほ場では、湿害の
型機械を使っ
管内の農業生産を持続させるには、機械化農業
に大きな差があります。加えて、ほ場は湿潤
ため今後も出芽は見込めません。
た大規模ほ場
は必要。そのためには、水田だけでなく、畑作・
で気温が高かったため、ほ場間で麦の生育や
の運営ノウハ
中山間地帯にも機械化農業を拡大しなければなら
雑草の発生が大きく異なります。
年内に出芽・苗立ちが得られたほ場では、
産農畜産物の一大産地として活躍している、JAいるま野。管内は多彩な都市近郊型農業を展
ウを応用して、
ない。水田地帯への見通しがついた現在は、畑作
収量と品質を確保するため、今の時期にほ
麦が2葉になるのを確認して、麦踏を実施し
開しているものの、都市化が進み、農業をいかに持続させるかが課題となっている。こうした
不耕作地を集
地帯に導入する段階に入った。
場条件に応じた対応を徹底しましょう。
ましょう。除草剤を撒けなかったほ場や撒い
持続的な農業のために
農家の手足となって働く
株式会社いるま野アグリのみなさん。
前列中央が代表取締役社長の桑原福治さん、
前列左がJAいるま野常務理事の水村芳夫さん
県
株式会社いるま野アグリ(川越市)
同社は各種大型機械を揃えているが、シーズンオ
フのため水稲関連農機は倉庫に格納されていた
麦の生育状況に応じたきめ細かな対応を!
詰めの適正管理と
−今年の麦は播種時期によって大きな差があります−
作業でおいしい米づくり
(2)11月下旬∼12月上旬に播種したもの
悩みを解決するため、平成18年に設立されたのが、株式会社いるま野アグリ。個人の麦作農家を集
積して作業受
団化して認定農業者となり、約26haの作付けでスタートしたが、現在は水稲・野菜・花き苗の生産
託できる仕組
ました。今後5年くらいで水田地帯での確立と、
や農作業受託、野菜生産を展開するなど、当初とは大きく姿を変えた。組合員が農業を継続するため
みを作りたい」と水村さん。今回のにんじんも可
畑作用に改良した仕組みを提案できるようにしたい。
に変化し続ける同社を訪問した。
能な限り機械化した。「新しい農業の形です。機械
組合員からの悩みはほかにもあります。これからも、
①きちんと出芽・苗立ちが得られたほ場
集約化した農業を多くの人に示すことで、担い手
地域の農業者が一番求めることにチャレンジします」
高温と多雨の影響で生育が早く、草丈や生
12月1日現在の県調査では、小麦の播種が
が生まれてほしい」と嶋野さんも期待している。
と桑原さんが力強く語った。
育量も大きく軟弱です。また、11月11日の多
前年比58%と大幅に遅れ、12月中旬以後の播
雨によって除草剤の効きが悪く、雑草の発生
種が多くなっています。現在、出芽していな
が多く、大きくなっています。
いほ場では、寒さと乾燥のため1月中の出芽
「機械化農業については、3年かけてここまで来
1. 播種時期別の麦の特徴と対応
(1)11月10日以前に播種したもの
ても効かなかったほ場では、雑草の種類と葉
令、麦の葉令をよく見て、除草剤ごとの使用
回数制限を守って、適正に散布しましょう。
(3)12月下旬以後に播種したもの
への要望も多いのでしょう」と補足してくれたのは、
桑原さんが販売面から補足する。「企業が参入す
同JA常務の水村芳夫さん。
る野菜類は小松菜などの葉物で、回転率が高いも
「一言で言えば、農業を持続するために組合員の
水稲苗は2万枚(約100ha分)。品種は「コシヒ
のが多い。私たちは土もので大規模ほ場を作り、
最後に、あくまでも個人的な意見ということで、
これらのほ場では、ほ場が乾いていること
は困難となります。未出芽でも土中で発芽・
手足となって働く会社です」と、業務内容を紹介
カリ」と「キヌヒカリ」で、すべて温湯消毒。最
ある一定期間の産地化を考えています。今は産地
桑原さんに新政権への要望を伺った。
を確認して、10日間隔で麦踏みを徹底しまし
発根が進みます。ほ場の乾燥が強い場合は、
してくれたのは、いるま野アグリ株式会社代表取
近は中苗だけでなく、発芽苗で農家に渡すことも
間リレーの時代ですから、たとえば、6∼7月の
「ドイツのマイスター制度を日本にぜひ導入して
ょう。また、発生している雑草の種類をよく
ローラーで軽めに鎮圧して、出芽を促進させ
締役社長の桑原福治さん。今年度は農作業受託組
始めた。「注文が多いので、供給量アップにはハウ
約1カ月はJAいるま野のじゃがいもとか、リレー
ほしい。農業は国民を守るために重要だという意
見極めて除草剤を選択し、直ちに防除を実施
ましょう。除草剤が撒けなかったほ場では、
織連絡協議会を作り、J Aいるま野管内で農作業受
ス内の育苗を短期間にしたり、品種を増やして回
の一部を担える仕組み。市場流通の隙間を見つけて、
識が日本には足りないと感じています。ドイツで
します。スズメノテッポウが多発して、前年
除草剤散布を徹底しましょう。鎮圧後に水量
託事業が本格スタート。同社出張所のある富士見
転率を上げることが必要です」と嶋野さん。現在、
リレーの輪に入りたい」。
農業がしっかり根付いているのは、制度上の身分
までにハーモニー剤が効かなかったほ場では、
を増やして散布するのが効果的です。
市内は直接運営し、延べ面積で293ha、約130戸の
育苗ハウスは
保障があるためでしょう」と話してくれた。
中耕を行うしかありません。カラスノエンド
利用があった。「現在、管内に受託組合は8つ。水
1棟(約20
稲地帯をカバーするようしていますが、将来は J A
a)。「花き苗
の各支店に最低1つは設置したい」と語る。
は空きを見つ
農業生産を支援するための会社
育苗ハウスは年間フル稼働中
* * *
農業が持続できる
地域社会づくりに貢献する
「 J A 出資法人という特別な環境なので、会社経
営の視点で見れば甘いかもしれません」と桑原さ
(4)これから播種する場合
ウやヤエムグラは見た目以上に生育が進んで
春先、短期間で急速に生育するため、葉数
●株式会社いるま野アグリ
います。よく確認して、3節期までに所定の
が減って軟弱な生育となります。収量は減っ
埼玉県川越市下赤坂1805-126
薬剤を散布しましょう。
て不安定となり、品質の低下が懸念されます。
電話 049-238-1177
生育量の大きいほ場では、2月以後の肥切
播種量を基準より2割程度増やして、1日も
野菜苗は128穴トレーで年間5500枚生産する。「播
けて育苗して
種は年2回、春夏・秋冬野菜用です。ブロッコリー、
いる状態(嶋
れが心配です。早めの追肥を考慮しましょう。
早く播き終えましょう。基肥量は増やさない
キャベツ、レタス、はくさい、カリフラワー、スイ
野さん)」と、
②湿害を受けて生育が不均一なほ場
でください。
ートコーン、枝豆は直売所の生産者向け、水菜は共
常にフル稼働
販農家用です」と話すのは、同社取締役の嶋野順
している。
花き苗も周年供給が要望されている
一さん。共販農家からは早期出荷できる枝豆の苗
を要望されているが、技術的な課題解決に向けて
育苗方法
を研究し
ている。
今年度導入した野菜・花き用の播種機
自ら農業生産に取り組み、
大規模機械化農業のモデルを示す
今年から、ほうれんそう(学校給食向け)とに
んじん(加工向け)の生産に取り組んでいる。「ほ
「管内
うれんそうは35a、にんじんは50a。組合員と競
は枝豆の
合しない販路を開拓してから始めました」と桑原
出荷が伸
さんは語るが、この取り組みには別の意味がある。
びている
「遊休農地や休耕地などの解消策の一つにしたい
ので、苗
のです。組合員から一番要望が多いのは、作業委
JAいるま野 代表理事組合長 小澤稔夫
生育の
株式会社いるま野アグリは、
農地法の改正など農業政策が大きく転換されると
良い部分
J Aいるま野管内の農業の維
ともに、遊休農地の拡大をはじめ農家の高齢化・後
は①の対
ほ場が乾いて、作業が容易なこの時期に排
持と持続的な発展を目的に、
継者不足等、都市近郊農業としての維持・継続が難
応をしま
水対策を徹底しましょう。播種後に設けた排
平成18年11月、J Aいるま
しくなる中、農作業受託事業の拡充や担い手育成の
す。全体
水溝も再点
野の過半出資による子会社と
充実等、管内農業の持続的な発展を目指す(株)いる
に苗立ち
検を行い、
して設立されました。
ま野アグリの存在意義は高いものと思われます。
の薄いほ
外の排水路
当初は、管内の麦・大豆の
JAといたしましても、多様な担い手の育成支援や
生産維持と、JAからの苗の生産事業の作業受託を中
直売所を中心とした「新鮮で安心・安全な農産物」
心に事業を行っていましたが、平成20年度からは、
の地産地消に積極的に取り組み、
(株)
(株
株)いるま野アグリ
農作業受託体制の整備を進め、その面積は着実に拡
との連携を一層強化して、地域農業の振興に努めて
大しております。
まいります。
2. 排水対策の徹底
場では、
明渠の掘
湿害を受けた小麦ほ場
削や中耕
で耕土を膨軟にして根を活性化しましょう。
生育が少ないからといって、追肥すること
ほ場内明渠の設置
中面
託や遊休農地
んは語るが、設立以来、会社は黒字経営を続けて
の利用でしょ
いる。「 J A ができないことを引き受け、農業が持
う。その受け
続できる地域社会を作るのが当社の使命。利益よ
皿として、い
りも組合員に農業を続けてもらうことが大切なの
るま野アグリ
です」と、桑原さんは企業との違いを強調する。
を機能させた
今後は育苗施設を拡充し、苗の生産能力を現在の
い。水稲で大
倍以上にすることを計画中だ。
今年の麦は定期的な降雨のため、播種時期
はやめましょう。未出芽のほ場では、湿害の
型機械を使っ
管内の農業生産を持続させるには、機械化農業
に大きな差があります。加えて、ほ場は湿潤
ため今後も出芽は見込めません。
た大規模ほ場
は必要。そのためには、水田だけでなく、畑作・
で気温が高かったため、ほ場間で麦の生育や
の運営ノウハ
中山間地帯にも機械化農業を拡大しなければなら
雑草の発生が大きく異なります。
年内に出芽・苗立ちが得られたほ場では、
産農畜産物の一大産地として活躍している、JAいるま野。管内は多彩な都市近郊型農業を展
ウを応用して、
ない。水田地帯への見通しがついた現在は、畑作
収量と品質を確保するため、今の時期にほ
麦が2葉になるのを確認して、麦踏を実施し
開しているものの、都市化が進み、農業をいかに持続させるかが課題となっている。こうした
不耕作地を集
地帯に導入する段階に入った。
場条件に応じた対応を徹底しましょう。
ましょう。除草剤を撒けなかったほ場や撒い
持続的な農業のために
農家の手足となって働く
株式会社いるま野アグリのみなさん。
前列中央が代表取締役社長の桑原福治さん、
前列左がJAいるま野常務理事の水村芳夫さん
県
株式会社いるま野アグリ(川越市)
同社は各種大型機械を揃えているが、シーズンオ
フのため水稲関連農機は倉庫に格納されていた
麦の生育状況に応じたきめ細かな対応を!
詰めの適正管理と
−今年の麦は播種時期によって大きな差があります−
作業でおいしい米づくり
(2)11月下旬∼12月上旬に播種したもの
悩みを解決するため、平成18年に設立されたのが、株式会社いるま野アグリ。個人の麦作農家を集
積して作業受
団化して認定農業者となり、約26haの作付けでスタートしたが、現在は水稲・野菜・花き苗の生産
託できる仕組
ました。今後5年くらいで水田地帯での確立と、
や農作業受託、野菜生産を展開するなど、当初とは大きく姿を変えた。組合員が農業を継続するため
みを作りたい」と水村さん。今回のにんじんも可
畑作用に改良した仕組みを提案できるようにしたい。
に変化し続ける同社を訪問した。
能な限り機械化した。「新しい農業の形です。機械
組合員からの悩みはほかにもあります。これからも、
①きちんと出芽・苗立ちが得られたほ場
集約化した農業を多くの人に示すことで、担い手
地域の農業者が一番求めることにチャレンジします」
高温と多雨の影響で生育が早く、草丈や生
12月1日現在の県調査では、小麦の播種が
が生まれてほしい」と嶋野さんも期待している。
と桑原さんが力強く語った。
育量も大きく軟弱です。また、11月11日の多
前年比58%と大幅に遅れ、12月中旬以後の播
雨によって除草剤の効きが悪く、雑草の発生
種が多くなっています。現在、出芽していな
が多く、大きくなっています。
いほ場では、寒さと乾燥のため1月中の出芽
「機械化農業については、3年かけてここまで来
1. 播種時期別の麦の特徴と対応
(1)11月10日以前に播種したもの
ても効かなかったほ場では、雑草の種類と葉
令、麦の葉令をよく見て、除草剤ごとの使用
回数制限を守って、適正に散布しましょう。
(3)12月下旬以後に播種したもの
への要望も多いのでしょう」と補足してくれたのは、
桑原さんが販売面から補足する。「企業が参入す
同JA常務の水村芳夫さん。
る野菜類は小松菜などの葉物で、回転率が高いも
「一言で言えば、農業を持続するために組合員の
水稲苗は2万枚(約100ha分)。品種は「コシヒ
のが多い。私たちは土もので大規模ほ場を作り、
最後に、あくまでも個人的な意見ということで、
これらのほ場では、ほ場が乾いていること
は困難となります。未出芽でも土中で発芽・
手足となって働く会社です」と、業務内容を紹介
カリ」と「キヌヒカリ」で、すべて温湯消毒。最
ある一定期間の産地化を考えています。今は産地
桑原さんに新政権への要望を伺った。
を確認して、10日間隔で麦踏みを徹底しまし
発根が進みます。ほ場の乾燥が強い場合は、
してくれたのは、いるま野アグリ株式会社代表取
近は中苗だけでなく、発芽苗で農家に渡すことも
間リレーの時代ですから、たとえば、6∼7月の
「ドイツのマイスター制度を日本にぜひ導入して
ょう。また、発生している雑草の種類をよく
ローラーで軽めに鎮圧して、出芽を促進させ
締役社長の桑原福治さん。今年度は農作業受託組
始めた。「注文が多いので、供給量アップにはハウ
約1カ月はJAいるま野のじゃがいもとか、リレー
ほしい。農業は国民を守るために重要だという意
見極めて除草剤を選択し、直ちに防除を実施
ましょう。除草剤が撒けなかったほ場では、
織連絡協議会を作り、J Aいるま野管内で農作業受
ス内の育苗を短期間にしたり、品種を増やして回
の一部を担える仕組み。市場流通の隙間を見つけて、
識が日本には足りないと感じています。ドイツで
します。スズメノテッポウが多発して、前年
除草剤散布を徹底しましょう。鎮圧後に水量
託事業が本格スタート。同社出張所のある富士見
転率を上げることが必要です」と嶋野さん。現在、
リレーの輪に入りたい」。
農業がしっかり根付いているのは、制度上の身分
までにハーモニー剤が効かなかったほ場では、
を増やして散布するのが効果的です。
市内は直接運営し、延べ面積で293ha、約130戸の
育苗ハウスは
保障があるためでしょう」と話してくれた。
中耕を行うしかありません。カラスノエンド
利用があった。「現在、管内に受託組合は8つ。水
1棟(約20
稲地帯をカバーするようしていますが、将来は J A
a)。「花き苗
の各支店に最低1つは設置したい」と語る。
は空きを見つ
農業生産を支援するための会社
育苗ハウスは年間フル稼働中
* * *
農業が持続できる
地域社会づくりに貢献する
「 J A 出資法人という特別な環境なので、会社経
営の視点で見れば甘いかもしれません」と桑原さ
(4)これから播種する場合
ウやヤエムグラは見た目以上に生育が進んで
春先、短期間で急速に生育するため、葉数
●株式会社いるま野アグリ
います。よく確認して、3節期までに所定の
が減って軟弱な生育となります。収量は減っ
埼玉県川越市下赤坂1805-126
薬剤を散布しましょう。
て不安定となり、品質の低下が懸念されます。
電話 049-238-1177
生育量の大きいほ場では、2月以後の肥切
播種量を基準より2割程度増やして、1日も
野菜苗は128穴トレーで年間5500枚生産する。「播
けて育苗して
種は年2回、春夏・秋冬野菜用です。ブロッコリー、
いる状態(嶋
れが心配です。早めの追肥を考慮しましょう。
早く播き終えましょう。基肥量は増やさない
キャベツ、レタス、はくさい、カリフラワー、スイ
野さん)」と、
②湿害を受けて生育が不均一なほ場
でください。
ートコーン、枝豆は直売所の生産者向け、水菜は共
常にフル稼働
販農家用です」と話すのは、同社取締役の嶋野順
している。
花き苗も周年供給が要望されている
一さん。共販農家からは早期出荷できる枝豆の苗
を要望されているが、技術的な課題解決に向けて
育苗方法
を研究し
ている。
今年度導入した野菜・花き用の播種機
自ら農業生産に取り組み、
大規模機械化農業のモデルを示す
今年から、ほうれんそう(学校給食向け)とに
んじん(加工向け)の生産に取り組んでいる。「ほ
「管内
うれんそうは35a、にんじんは50a。組合員と競
は枝豆の
合しない販路を開拓してから始めました」と桑原
出荷が伸
さんは語るが、この取り組みには別の意味がある。
びている
「遊休農地や休耕地などの解消策の一つにしたい
ので、苗
のです。組合員から一番要望が多いのは、作業委
JAいるま野 代表理事組合長 小澤稔夫
生育の
株式会社いるま野アグリは、
農地法の改正など農業政策が大きく転換されると
良い部分
J Aいるま野管内の農業の維
ともに、遊休農地の拡大をはじめ農家の高齢化・後
は①の対
ほ場が乾いて、作業が容易なこの時期に排
持と持続的な発展を目的に、
継者不足等、都市近郊農業としての維持・継続が難
応をしま
水対策を徹底しましょう。播種後に設けた排
平成18年11月、J Aいるま
しくなる中、農作業受託事業の拡充や担い手育成の
す。全体
水溝も再点
野の過半出資による子会社と
充実等、管内農業の持続的な発展を目指す(株)いる
に苗立ち
検を行い、
して設立されました。
ま野アグリの存在意義は高いものと思われます。
の薄いほ
外の排水路
当初は、管内の麦・大豆の
JAといたしましても、多様な担い手の育成支援や
生産維持と、JAからの苗の生産事業の作業受託を中
直売所を中心とした「新鮮で安心・安全な農産物」
心に事業を行っていましたが、平成20年度からは、
の地産地消に積極的に取り組み、
(株)
(株
株)いるま野アグリ
農作業受託体制の整備を進め、その面積は着実に拡
との連携を一層強化して、地域農業の振興に努めて
大しております。
まいります。
2. 排水対策の徹底
場では、
明渠の掘
湿害を受けた小麦ほ場
削や中耕
で耕土を膨軟にして根を活性化しましょう。
生育が少ないからといって、追肥すること
ほ場内明渠の設置
中面
託や遊休農地
んは語るが、設立以来、会社は黒字経営を続けて
の利用でしょ
いる。「 J A ができないことを引き受け、農業が持
う。その受け
続できる地域社会を作るのが当社の使命。利益よ
皿として、い
りも組合員に農業を続けてもらうことが大切なの
るま野アグリ
です」と、桑原さんは企業との違いを強調する。
を機能させた
今後は育苗施設を拡充し、苗の生産能力を現在の
い。水稲で大
倍以上にすることを計画中だ。
今年の麦は定期的な降雨のため、播種時期
はやめましょう。未出芽のほ場では、湿害の
型機械を使っ
管内の農業生産を持続させるには、機械化農業
に大きな差があります。加えて、ほ場は湿潤
ため今後も出芽は見込めません。
た大規模ほ場
は必要。そのためには、水田だけでなく、畑作・
で気温が高かったため、ほ場間で麦の生育や
の運営ノウハ
中山間地帯にも機械化農業を拡大しなければなら
雑草の発生が大きく異なります。
年内に出芽・苗立ちが得られたほ場では、
産農畜産物の一大産地として活躍している、JAいるま野。管内は多彩な都市近郊型農業を展
ウを応用して、
ない。水田地帯への見通しがついた現在は、畑作
収量と品質を確保するため、今の時期にほ
麦が2葉になるのを確認して、麦踏を実施し
開しているものの、都市化が進み、農業をいかに持続させるかが課題となっている。こうした
不耕作地を集
地帯に導入する段階に入った。
場条件に応じた対応を徹底しましょう。
ましょう。除草剤を撒けなかったほ場や撒い
持続的な農業のために
農家の手足となって働く
株式会社いるま野アグリのみなさん。
前列中央が代表取締役社長の桑原福治さん、
前列左がJAいるま野常務理事の水村芳夫さん
県
株式会社いるま野アグリ(川越市)
同社は各種大型機械を揃えているが、シーズンオ
フのため水稲関連農機は倉庫に格納されていた
麦の生育状況に応じたきめ細かな対応を!
詰めの適正管理と
−今年の麦は播種時期によって大きな差があります−
作業でおいしい米づくり
(2)11月下旬∼12月上旬に播種したもの
悩みを解決するため、平成18年に設立されたのが、株式会社いるま野アグリ。個人の麦作農家を集
積して作業受
団化して認定農業者となり、約26haの作付けでスタートしたが、現在は水稲・野菜・花き苗の生産
託できる仕組
ました。今後5年くらいで水田地帯での確立と、
や農作業受託、野菜生産を展開するなど、当初とは大きく姿を変えた。組合員が農業を継続するため
みを作りたい」と水村さん。今回のにんじんも可
畑作用に改良した仕組みを提案できるようにしたい。
に変化し続ける同社を訪問した。
能な限り機械化した。「新しい農業の形です。機械
組合員からの悩みはほかにもあります。これからも、
①きちんと出芽・苗立ちが得られたほ場
集約化した農業を多くの人に示すことで、担い手
地域の農業者が一番求めることにチャレンジします」
高温と多雨の影響で生育が早く、草丈や生
12月1日現在の県調査では、小麦の播種が
が生まれてほしい」と嶋野さんも期待している。
と桑原さんが力強く語った。
育量も大きく軟弱です。また、11月11日の多
前年比58%と大幅に遅れ、12月中旬以後の播
雨によって除草剤の効きが悪く、雑草の発生
種が多くなっています。現在、出芽していな
が多く、大きくなっています。
いほ場では、寒さと乾燥のため1月中の出芽
「機械化農業については、3年かけてここまで来
1. 播種時期別の麦の特徴と対応
(1)11月10日以前に播種したもの
ても効かなかったほ場では、雑草の種類と葉
令、麦の葉令をよく見て、除草剤ごとの使用
回数制限を守って、適正に散布しましょう。
(3)12月下旬以後に播種したもの
への要望も多いのでしょう」と補足してくれたのは、
桑原さんが販売面から補足する。「企業が参入す
同JA常務の水村芳夫さん。
る野菜類は小松菜などの葉物で、回転率が高いも
「一言で言えば、農業を持続するために組合員の
水稲苗は2万枚(約100ha分)。品種は「コシヒ
のが多い。私たちは土もので大規模ほ場を作り、
最後に、あくまでも個人的な意見ということで、
これらのほ場では、ほ場が乾いていること
は困難となります。未出芽でも土中で発芽・
手足となって働く会社です」と、業務内容を紹介
カリ」と「キヌヒカリ」で、すべて温湯消毒。最
ある一定期間の産地化を考えています。今は産地
桑原さんに新政権への要望を伺った。
を確認して、10日間隔で麦踏みを徹底しまし
発根が進みます。ほ場の乾燥が強い場合は、
してくれたのは、いるま野アグリ株式会社代表取
近は中苗だけでなく、発芽苗で農家に渡すことも
間リレーの時代ですから、たとえば、6∼7月の
「ドイツのマイスター制度を日本にぜひ導入して
ょう。また、発生している雑草の種類をよく
ローラーで軽めに鎮圧して、出芽を促進させ
締役社長の桑原福治さん。今年度は農作業受託組
始めた。「注文が多いので、供給量アップにはハウ
約1カ月はJAいるま野のじゃがいもとか、リレー
ほしい。農業は国民を守るために重要だという意
見極めて除草剤を選択し、直ちに防除を実施
ましょう。除草剤が撒けなかったほ場では、
織連絡協議会を作り、J Aいるま野管内で農作業受
ス内の育苗を短期間にしたり、品種を増やして回
の一部を担える仕組み。市場流通の隙間を見つけて、
識が日本には足りないと感じています。ドイツで
します。スズメノテッポウが多発して、前年
除草剤散布を徹底しましょう。鎮圧後に水量
託事業が本格スタート。同社出張所のある富士見
転率を上げることが必要です」と嶋野さん。現在、
リレーの輪に入りたい」。
農業がしっかり根付いているのは、制度上の身分
までにハーモニー剤が効かなかったほ場では、
を増やして散布するのが効果的です。
市内は直接運営し、延べ面積で293ha、約130戸の
育苗ハウスは
保障があるためでしょう」と話してくれた。
中耕を行うしかありません。カラスノエンド
利用があった。「現在、管内に受託組合は8つ。水
1棟(約20
稲地帯をカバーするようしていますが、将来は J A
a)。「花き苗
の各支店に最低1つは設置したい」と語る。
は空きを見つ
農業生産を支援するための会社
育苗ハウスは年間フル稼働中
* * *
農業が持続できる
地域社会づくりに貢献する
「 J A 出資法人という特別な環境なので、会社経
営の視点で見れば甘いかもしれません」と桑原さ
(4)これから播種する場合
ウやヤエムグラは見た目以上に生育が進んで
春先、短期間で急速に生育するため、葉数
●株式会社いるま野アグリ
います。よく確認して、3節期までに所定の
が減って軟弱な生育となります。収量は減っ
埼玉県川越市下赤坂1805-126
薬剤を散布しましょう。
て不安定となり、品質の低下が懸念されます。
電話 049-238-1177
生育量の大きいほ場では、2月以後の肥切
播種量を基準より2割程度増やして、1日も
野菜苗は128穴トレーで年間5500枚生産する。「播
けて育苗して
種は年2回、春夏・秋冬野菜用です。ブロッコリー、
いる状態(嶋
れが心配です。早めの追肥を考慮しましょう。
早く播き終えましょう。基肥量は増やさない
キャベツ、レタス、はくさい、カリフラワー、スイ
野さん)」と、
②湿害を受けて生育が不均一なほ場
でください。
ートコーン、枝豆は直売所の生産者向け、水菜は共
常にフル稼働
販農家用です」と話すのは、同社取締役の嶋野順
している。
花き苗も周年供給が要望されている
一さん。共販農家からは早期出荷できる枝豆の苗
を要望されているが、技術的な課題解決に向けて
育苗方法
を研究し
ている。
今年度導入した野菜・花き用の播種機
自ら農業生産に取り組み、
大規模機械化農業のモデルを示す
今年から、ほうれんそう(学校給食向け)とに
んじん(加工向け)の生産に取り組んでいる。「ほ
「管内
うれんそうは35a、にんじんは50a。組合員と競
は枝豆の
合しない販路を開拓してから始めました」と桑原
出荷が伸
さんは語るが、この取り組みには別の意味がある。
びている
「遊休農地や休耕地などの解消策の一つにしたい
ので、苗
のです。組合員から一番要望が多いのは、作業委
JAいるま野 代表理事組合長 小澤稔夫
生育の
株式会社いるま野アグリは、
農地法の改正など農業政策が大きく転換されると
良い部分
J Aいるま野管内の農業の維
ともに、遊休農地の拡大をはじめ農家の高齢化・後
は①の対
ほ場が乾いて、作業が容易なこの時期に排
持と持続的な発展を目的に、
継者不足等、都市近郊農業としての維持・継続が難
応をしま
水対策を徹底しましょう。播種後に設けた排
平成18年11月、J Aいるま
しくなる中、農作業受託事業の拡充や担い手育成の
す。全体
水溝も再点
野の過半出資による子会社と
充実等、管内農業の持続的な発展を目指す(株)いる
に苗立ち
検を行い、
して設立されました。
ま野アグリの存在意義は高いものと思われます。
の薄いほ
外の排水路
当初は、管内の麦・大豆の
JAといたしましても、多様な担い手の育成支援や
生産維持と、JAからの苗の生産事業の作業受託を中
直売所を中心とした「新鮮で安心・安全な農産物」
心に事業を行っていましたが、平成20年度からは、
の地産地消に積極的に取り組み、
(株)
(株
株)いるま野アグリ
農作業受託体制の整備を進め、その面積は着実に拡
との連携を一層強化して、地域農業の振興に努めて
大しております。
まいります。
2. 排水対策の徹底
場では、
明渠の掘
湿害を受けた小麦ほ場
削や中耕
で耕土を膨軟にして根を活性化しましょう。
生育が少ないからといって、追肥すること
ほ場内明渠の設置
表面
発行:JA全農さいたま営農支援部営農支援課 〒346-0025 埼玉県久喜市樋ノ口15-1(ライスランド21内)TEL.0480-26-3181
と確実に連結して、排水機能を維持させま
5∼10m間隔に排水溝を設置してください。
しょう。
弾丸暗渠を施工していないほ場も、この時
未施工ほ場では、圃場の周囲と圃場内に
期に設置しましょう。
表1 マルチの種類と機能について(全農推奨品)
銘 柄
商品名
MKVドリーム
(長さ:すべて200m)
種 類
孔
厚み(mm)
幅(cm)
機 能
クミアイマルチ
透明
有孔、無孔
0.02、0.03
75、95、120、135他
保温
クミアイマルチ
銀ネズ
有孔
0.018
95、135
保温、虫害防止
クミアイマルチ
黒
有孔、無孔
0.02、0.03
95、120、135他
雑草防止
クミアイマルチ
グリーン
有孔
0.02、0.03
95、120、135他
雑草防止、保温
※保温効果:透明>グリーン>黒 雑草防止効果:黒>グリーン>透明
春野菜の栽培ポイント
表2 トンネル用被覆資材について(全農推奨品)
銘 柄
春野菜は意外と気象変動による気象災害
軽減、畑の有効利用、初期生育の均一化、
を受けやすい。低温・短日下で播種され、
早出しによる有利販売と安定生産、農薬使
高温・長日になって収穫されるものが多く、
用量の節減やコスト低減などにつながります。
この時期は凍霜害や春の突風等の気象災害
を受けやすい。また、最近の社会情勢のな
2. 土壌管理
商品名
(長さ:すべて100m)
種 類
厚み(mm)
幅(cm)
機 能
MKVドリーム
スズシビ有孔換気
2号(2穴)、4号(4穴)
0.05、0.075
185、210
開閉作業の省力化
サンテーラ
クリーンテート有孔換気
2号(2穴)、4号(4穴)
0.05
185、210
高温多湿障害の防止
※材質:PO
表3 べたがけ用資材について(全農推奨品)
銘 柄
商品名
種 類
MKVドリーム
パオパオ90
RとTの2種類(不織布)
ダイオ化成
ベタロン
岩谷マテリアル
アイホッカ
長さ(m)
200
幅(cm)
備 考
120、150、180、210他
保温、防霜、防虫他
開口率45%、35%の2種類(割布) 100
100、150、200、210、230
保温、防霜、防虫他
♯18(不織布)
120、135、150、180、210他
保温、防霜、防虫他
50、200
かでは暖房用エネルギーの高騰や消費者の
近年の傾向として、養分過多による土壌
多様化なニーズ、そして、最近では国内外
のメタボ現象が見受けられます。施肥効率
から食の安全・安心が強く求められている。
と肥料代節減のため、作付けに当たっては
そのため、栽培にあたっては基本技術を遵
必ず土壌診断を励行し、適正な施肥を行い
銘 柄
守して、需要動向を見極め、それに適した
ましょう。また、良質な堆厩肥の有効活用
日本ワイドクロス
アグリシート
ブラック・シルバーグレイ
100
75、100、150、200、300他
雑草防止
生産が望まれます。
を図ると同時に、環境保全に心がけること
ダイオ化成
グランドシート
黒・シルバー
100
75、100、150、200、300他
通路のぬかるみ防止
気象庁発表の関東甲信越地方における3ヶ
も大切です。
月予報(平成21年11月25日発表)によれば、
気温は「平年より高い」、降水量は「平年
※光線透過率はパオパオ90:90%、ベタロン:91%、アイホッカ:90%
表4 防草用シートについて(全農推奨品)
商品名
(長さ:すべて100m)
種 類
長さ(m)
幅(cm)
機 能
※それぞれ抗菌剤入り、抗菌剤なしがある。
3. 病害虫
4. 災害対策
講じて溶けた雪による湿害を防止しましょう。
並またはやや多い」と、やや暖冬の予報が
病害虫については、低温・高湿度環境で
出ているので、作付け時の参考にしてくだ
は灰色かび病や各種細菌病、高温・低湿度
春は突然の降雪、降雹、寒波、霜及び突風な
を活用して保温対策を講じましょう。突風によ
さい。
環境ではアブラムシ、ハダニ、ウイルス病
どの気象災害が多発する時期です。降雪対策と
る被害は、特にトンネル栽培で被害が多いので
を伝搬するコナジラミやスリップス類等の
して気象予報に注意し、降雪が予想される場合
注意しましょう。対策としては、換気後のトン
害虫の発生が多くなります。
はハウスの補修や補強を行い、降雪時には雪下
ネル管理は気象条件に合わせて、こまめに行う
春野菜は果菜類を中心として育苗期間が
防除の基本を遵守することは、農薬の使
ろしと同時にハウス内温度を高め、屋根の融雪
ことが大切です。
長いものが多く、気象変動の激しい寒期に
用量の軽減にもつながります。病害では定
を促進してハウスの損壊を防ぎます。
あたります。畑に直播きする場合は、適期・
期的な予防散布、害虫では早期発見・早期
トンネル栽培ではトンネルの弓を補強し、降
適作に徹し、より安全な苗作りを望む場合
防除を心がけましょう。そして、寒冷紗や
雪後は早めに除雪を行うと同時に、排水対策を
は苗床で育苗するとよいでしょう。
防虫ネット、べたがけ資材の使用と、ミヤ
ます。対策としてはハウスビニールの損傷箇所
この方法により気象災害や病害虫の被害
コカブリダニなどのイチゴに発生するハダ
の補修はもちろんのこと、カーテンは二重以上
ニ類の天敵利用等は、安全・安心な農作物
にして、無駄な燃料消費を減らします。また、
の提供に一層つながります。
暖房機の清掃・点検やノズルなどの定期的な交換、
なお、数年前に、ポジティブリスト制度
そして送風量のチェックを励行し、暖房費の節
により農薬の残留基準が変わり、残留基準
減を図りましょう。
が決められていない食品についても、一律
JAでは、各種保温・防虫対策資材(表1・2・
の基準(0.01ppm)が設定されたので、く
3)、防草用シート(表4)等を取り揃えてお
1. 育苗管理
寒波や降霜に対しては、被覆やべたがけ資材
5. その他
最近はハウス暖房用の原油価格が高騰してい
りますので、ご活用ください。
れぐれも農薬散布時には近隣農作物への飛
散防止に注意してください。
営農・技術情報特集
トンネル栽培では突風による被害が多いので注意する
春野菜は気象変動の影響を受けやすい
●表紙の写真=学校給食向けのほうれんそう(富士見市)
JA 全農さいたま
http://www.st.zennoh.or.jp/
表面
発行:JA全農さいたま営農支援部営農支援課 〒346-0025 埼玉県久喜市樋ノ口15-1(ライスランド21内)TEL.0480-26-3181
と確実に連結して、排水機能を維持させま
5∼10m間隔に排水溝を設置してください。
しょう。
弾丸暗渠を施工していないほ場も、この時
未施工ほ場では、圃場の周囲と圃場内に
期に設置しましょう。
表1 マルチの種類と機能について(全農推奨品)
銘 柄
商品名
MKVドリーム
(長さ:すべて200m)
種 類
孔
厚み(mm)
幅(cm)
機 能
クミアイマルチ
透明
有孔、無孔
0.02、0.03
75、95、120、135他
保温
クミアイマルチ
銀ネズ
有孔
0.018
95、135
保温、虫害防止
クミアイマルチ
黒
有孔、無孔
0.02、0.03
95、120、135他
雑草防止
クミアイマルチ
グリーン
有孔
0.02、0.03
95、120、135他
雑草防止、保温
※保温効果:透明>グリーン>黒 雑草防止効果:黒>グリーン>透明
春野菜の栽培ポイント
表2 トンネル用被覆資材について(全農推奨品)
銘 柄
春野菜は意外と気象変動による気象災害
軽減、畑の有効利用、初期生育の均一化、
を受けやすい。低温・短日下で播種され、
早出しによる有利販売と安定生産、農薬使
高温・長日になって収穫されるものが多く、
用量の節減やコスト低減などにつながります。
この時期は凍霜害や春の突風等の気象災害
を受けやすい。また、最近の社会情勢のな
2. 土壌管理
商品名
(長さ:すべて100m)
種 類
厚み(mm)
幅(cm)
機 能
MKVドリーム
スズシビ有孔換気
2号(2穴)、4号(4穴)
0.05、0.075
185、210
開閉作業の省力化
サンテーラ
クリーンテート有孔換気
2号(2穴)、4号(4穴)
0.05
185、210
高温多湿障害の防止
※材質:PO
表3 べたがけ用資材について(全農推奨品)
銘 柄
商品名
種 類
MKVドリーム
パオパオ90
RとTの2種類(不織布)
ダイオ化成
ベタロン
岩谷マテリアル
アイホッカ
長さ(m)
200
幅(cm)
備 考
120、150、180、210他
保温、防霜、防虫他
開口率45%、35%の2種類(割布) 100
100、150、200、210、230
保温、防霜、防虫他
♯18(不織布)
120、135、150、180、210他
保温、防霜、防虫他
50、200
かでは暖房用エネルギーの高騰や消費者の
近年の傾向として、養分過多による土壌
多様化なニーズ、そして、最近では国内外
のメタボ現象が見受けられます。施肥効率
から食の安全・安心が強く求められている。
と肥料代節減のため、作付けに当たっては
そのため、栽培にあたっては基本技術を遵
必ず土壌診断を励行し、適正な施肥を行い
銘 柄
守して、需要動向を見極め、それに適した
ましょう。また、良質な堆厩肥の有効活用
日本ワイドクロス
アグリシート
ブラック・シルバーグレイ
100
75、100、150、200、300他
雑草防止
生産が望まれます。
を図ると同時に、環境保全に心がけること
ダイオ化成
グランドシート
黒・シルバー
100
75、100、150、200、300他
通路のぬかるみ防止
気象庁発表の関東甲信越地方における3ヶ
も大切です。
月予報(平成21年11月25日発表)によれば、
気温は「平年より高い」、降水量は「平年
※光線透過率はパオパオ90:90%、ベタロン:91%、アイホッカ:90%
表4 防草用シートについて(全農推奨品)
商品名
(長さ:すべて100m)
種 類
長さ(m)
幅(cm)
機 能
※それぞれ抗菌剤入り、抗菌剤なしがある。
3. 病害虫
4. 災害対策
講じて溶けた雪による湿害を防止しましょう。
並またはやや多い」と、やや暖冬の予報が
病害虫については、低温・高湿度環境で
出ているので、作付け時の参考にしてくだ
は灰色かび病や各種細菌病、高温・低湿度
春は突然の降雪、降雹、寒波、霜及び突風な
を活用して保温対策を講じましょう。突風によ
さい。
環境ではアブラムシ、ハダニ、ウイルス病
どの気象災害が多発する時期です。降雪対策と
る被害は、特にトンネル栽培で被害が多いので
を伝搬するコナジラミやスリップス類等の
して気象予報に注意し、降雪が予想される場合
注意しましょう。対策としては、換気後のトン
害虫の発生が多くなります。
はハウスの補修や補強を行い、降雪時には雪下
ネル管理は気象条件に合わせて、こまめに行う
春野菜は果菜類を中心として育苗期間が
防除の基本を遵守することは、農薬の使
ろしと同時にハウス内温度を高め、屋根の融雪
ことが大切です。
長いものが多く、気象変動の激しい寒期に
用量の軽減にもつながります。病害では定
を促進してハウスの損壊を防ぎます。
あたります。畑に直播きする場合は、適期・
期的な予防散布、害虫では早期発見・早期
トンネル栽培ではトンネルの弓を補強し、降
適作に徹し、より安全な苗作りを望む場合
防除を心がけましょう。そして、寒冷紗や
雪後は早めに除雪を行うと同時に、排水対策を
は苗床で育苗するとよいでしょう。
防虫ネット、べたがけ資材の使用と、ミヤ
ます。対策としてはハウスビニールの損傷箇所
この方法により気象災害や病害虫の被害
コカブリダニなどのイチゴに発生するハダ
の補修はもちろんのこと、カーテンは二重以上
ニ類の天敵利用等は、安全・安心な農作物
にして、無駄な燃料消費を減らします。また、
の提供に一層つながります。
暖房機の清掃・点検やノズルなどの定期的な交換、
なお、数年前に、ポジティブリスト制度
そして送風量のチェックを励行し、暖房費の節
により農薬の残留基準が変わり、残留基準
減を図りましょう。
が決められていない食品についても、一律
JAでは、各種保温・防虫対策資材(表1・2・
の基準(0.01ppm)が設定されたので、く
3)、防草用シート(表4)等を取り揃えてお
1. 育苗管理
寒波や降霜に対しては、被覆やべたがけ資材
5. その他
最近はハウス暖房用の原油価格が高騰してい
りますので、ご活用ください。
れぐれも農薬散布時には近隣農作物への飛
散防止に注意してください。
営農・技術情報特集
トンネル栽培では突風による被害が多いので注意する
春野菜は気象変動の影響を受けやすい
●表紙の写真=学校給食向けのほうれんそう(富士見市)
JA 全農さいたま
http://www.st.zennoh.or.jp/