平成19年度 事業報告 - 東京土地家屋調査士会

平 成 19年 度
事
業
報
告
【総務部分掌に係る事業】
1.会員の品位保持に関する指導及び連絡
(1) 新入会員の登録証交付式
土地家屋調査士の業務規則を主として,日本土地家屋調査士会連合会,本会,支部及び
ブロック協議会並びに東京土地家屋調査士政治連盟(以下「東京調政連」という。)
,社団法
人東京公共嘱託登記土地家屋調査士協会等のシステム,会員の心得及び土地家屋調査士倫理
綱領等の品位保持についての指導を行った。
近年,増加傾向にある「苦情案件」等について,業務遂行に際しての注意事項を伝え,ま
た,本会の事業への参加に限らず,支部・ブロックの事業に積極的に参加し,情報の共有に
心がけるよう指導した。
毎月1回行う予定にしているが,新入会員の人数等の関係から6回の開催となった。
(2) 東京法務局からの会員に関する調査付託等の件
該当会員の来会を求め,総務部において聴聞・調査等を行い,必要に応じた指導を行った。
本年度の綱紀委員会への調査付託は2件(外,調査付託決定案件3件)であったが,法務
局からの情報提供案件については,調査または対応結果等についてその都度,報告を行った。
なお,本年度,土地家屋調査士法第42条に基づき,東京法務局において実施された会員
に対する懲戒処分は,7件であった。
近年は,会員の業務取り扱いに対する苦情・懲戒申立案件が増加傾向にあり,会員個々の
自覚がより一層求められている。
(3) 会費未納者の件
該当会員に対して催告・聴聞を行った。一部の会員ではあるが,毎月恒常的に対応が必要
な状態にあり,多くの労力を要している。
昨今の調査士業務を取りまく社会情勢はかなり厳しいものがあるが,会費の納入は東京会
の基盤であり,会員の義務でもある。個々の会員の一層の努力が求められるところである。
会費納入は自動振替の手続き方法もあり,一層の周知を図っていきたい。
(4) 年計表報告の件
期限内(1月末)未提出会員に対し,督促を行った。
年計表の提出は会則第98条に定められた定期的な事柄であり,期限内の提出方につき,
各種の会合,連絡等を利用して,今後も認識を喚起したい。
(5) 「戸籍謄本・住民票の写し等職務上請求書」の管理・使用について
新入会員に対しては,登録証交付式等に本制度の趣旨等について十分に説明を行い,その
使用・管理体制等について指導・徹底を図った。
なお,本年度も本会会員による事件・事故は起こらなかったが,今後もその使用・管理等
について,より一層の注意を喚起していきたい。
また,戸籍法の一部を改正する法律(平成19年法律第35号)に基づく,改正戸籍法の
施行(平成20年5月1日)に伴う「戸籍謄本・住民票の写し等職務上請求書」様式の変更
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についても,周知徹底を図っていくこととしている。
2.会務運営・事務合理化の推進
(1) 例年どおり,会議時間の厳守,短縮に努めた。
なお,可能な限り,複数の会議等を同日に開催するよう配慮した。
また,各種委員会及び他団体との会議等への出席者についても,必要最小限にとどめるよ
う合理化を図った。
(2) 業務執行体制検討委員会からの建議書の件
標記委員会より,平成19年1月17日付けをもって提出を受けた建議書の趣旨に基づき,
ブロック協議会設置規則及び七島支部特例規程の一部変更案を第12回定例理事会(平成
20年2月8日開催)に上程し,平成20年4月1日から施行した。
3.会館建設の実行
(1) テナントの確定
4・5・6階:日本土地家屋調査士会連合会(以下「日調連」という。
)
7階:社団法人東京公共嘱託登記土地家屋調査士協会(以下「公嘱協会」という。
)
(2) 会館の維持・管理体制の構築
全館機械警備体制を基本としているが,夜間・週末の会館利用の要望もあり,セキュリテ
ィーに配慮しつつ,会員の利用しやすい会館となるよう管理体制を構築していきたい。
4.「境界紛争解決センター」の運営並びに関連法規への対応
境界紛争解決センターにおける平成19年度の事件数等は,別表(省略)記載のとおりで,
利用件数はあまり伸びていないが,全国的にも極めてまれな「仲裁事件」を取り扱い,平成
19年4月に仲裁判断を行っている。
なお,平成19年12月11日には,土地家屋調査士法第3条第1項第7号の団体として,
法務大臣の指定(法務省告示第582号)を受けている。
5.証紙制度の運営及び周知徹底
会館建設資金を目的とした制度であるが,借入金の返済完了まで制度の更なる理解と協力方
につき会員に周知徹底を図った。
新入会員に対しては,登録証交付式の機会をとらえ,本制度の経緯を説明し,理解と協力を
求めた。
6.国民年金基金の加入促進
年金基金が行う加入促進活動には,その都度,必要な協力を行った。
7.事務局体制の検討
事務局体制の強化を図るため,職員増員を行った。新聞・インターネットで職員募集を行い,
2名の女性職員を採用した。
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8.そ の 他
(1) 健康診断委託契約について
中野総合病院及び立川中央病院と委託契約を結んでいるが,利用者は共に皆無の状況であ
る。家族・補助者を含めて,ご活用願いたい。
(2) 平成20年1月21日,公嘱協会及び東京調政連との共催により開催した「新春交礼会」
は,209名(うち来賓57名,会員参加者121名,関係役員等31名)の出席を得て,
盛会裡に無事終了した。
【財務部分掌に係る事業】
1.会費の徴収
平成19年度における会費の徴収状況については,概ね順調であった。また,会費未納によ
るみなし退会を防止するため,該当者に対し,積極的なアプローチを行った。会費納入方法に
ついては,会員の利便を第一とした決済方法を検討した。
2.資産管理及び運用
3.会館建設資金の実行管理
新橋事務所の売却についてはホームページ上で購入希望者を募集した結果,2社からの応札
があり,高値を提示した法人と平成20年2月29日付けで売買契約を締結した。
また,建設資金の借入先については,低金利の北陸銀行を選定し,借入利率1.51%,元金
均等返済方法,返済期間5か年を条件に,融資を受けることとした。
3.土地家屋調査士業務に関する統計処理
平成19年分取扱事件の年計報告の提出依頼,集計及び点検を行い,統計処理を行った。
4.諸用紙・図書・器材・器具のあっせん,頒布
業務に関係する書類・図書の斡旋頒布を行った。
5.新会計基準の適用について
公益法人会計基準の改正に基づき,新公益会計基準を平成19年度から適用した。このこと
に伴い以下の点が変更となった。
正味財産増減計算書については,ストック式からフロー式に様式を変更した。フロー式では
実質的な正味財産の増減原因となる収支項目を記載している。
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【研修部分掌に係る事業】
1.研修体制の充実
(1) 法令・法令実務研修
・開催日時
平成20年2月20日(水)午前10時00分~4時30分
・開催場所
日本教育会館
・出席会員
757名(47%)
・テ ー マ
① 調査・測量実施要領(東京会編))について
及
び
講
師
小野
一ツ橋ホール
均 氏,丸山晴広 氏,田中
登 氏
② 土地建物調査要領(東京法務局編)について
渡辺首席登記官 氏,幕内総括登記官 氏,川合表示登記専門官 氏
(2) 測量実務研修
本年度は「新入会員等実務研修会(測量)」と「基準点測量研修会」を実施した。
〔新入会員等実務研修会(測量)〕
・開催日時
平成19年7月29日(土)…〔事前講習〕東京会会議室(半日)
平成19年8月2日(木)・3日(金)
・4日(土)
・5日(日)の三泊四日
・開催場所
リコー東松山研修センター
・研修内容
「新入会員,測量未経験者・未習熟者,補助者を対象として,トータル
ステーションにより観測機器の取り扱いから,トラバース測量・一筆地測量・
分筆点の測設,成果品の作成」
・講
師
八本康伸 氏,宮嶋信一 氏
支部推薦による助教(8名)
(株式会社トプコン・株式会社トプコン販売及び福井コンピュータ株式
会社の社員の協力)
・受 講 料
43,000円
・募集人員
50名
・受講申込者
51名(会員24名,補助者22名,他会5名)
・修了証授与者
50名(会員24名,補助者22名,他会4名)
〔基準点測量研修会〕
・開催日時
平成19年9月29日(土)…〔事前講習〕東京会
会議室〔一日)
平成19年10月5日(金)・6日(土)・7日(日)・8日(祝)
…ソキア研修所(三泊四日)
・開催場所
東京土地家屋調査士会
会議室
ソキア松田研修所(株式会社ソキア)
・研修内容
「平成19年度研修事業計画に基づく研修」
「法第14条地図作成作業及び地籍調査事業への対応を考え,基準点測量
の基礎・選点・観測・網平均計算の実習」
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・講
師
八本
康伸 氏,宮嶋信一 氏
ブロック推薦による助教(5名)
(株式会社ソキア ソキア研修所及び福井コンピュータ株式会社の社員の
協力)
・受 講 料
65,000円
・募集人員
30名
・受講申込者
30名(会員10名・補助者16名,他会4名)
・修了証授与者
26名(会員9名・補助者14名,他会3名)
(3) 新入会員研修
〔登録時研修〕
新入会員の登録証交付時に4時間程度の時間を設け,総務部担当役員による会員の品位
保持並びに担当役員による調査・調査測量実施要領等の実務研修を実施した。
(新入会員等登録証交付式及び研修6回・61人出席)
〔関東ブロック協議会会員研修会〕
本研修会は関東ブロック協議会が主催する研修会であるが,当会では本研修会を新入会
員が入会後一定期間内に受講すべき必須研修として位置づけ受講要請している。(本年度
も,前年・前々年度における本研修会を欠席した会員に再度受講要請を行った。
)
・開催日時
平成19年9月15日(土)午前10時10分~午後5時30分
16日(日)午前 8 時30分~午後4時50分
・開催場所
ホテルラングウッド
・研修内容
会員心得
調査・測量実施要領
不動産登記法(関連法令を含む)
筆界確認の実務
土地・建物の所有及び利用上の規制関連法
土地家屋調査士業務における法的責任と賠償について
・講
師
日調連副会長
横山一夫 氏
栃木会研修部
部長
橋本伸治 氏
群馬会事業部
部長
堀越義幸 氏
千葉会企画部
部長
鈴木恭介 氏
東京会事業部
部長
原田克明 氏
東京会顧問弁護士
・受 講 料
山﨑司平 氏
20,000円(宿泊費等含む)
(会負担金
50,000円, 8,000円×受講会員数)
・受講申込者
東京会38名(受講対象会員89名)
,(関ブロ計163名)
・修了証授与者
東京会36名(関ブロ計158名)
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(4) ブロック研修
各ブロック協議会及び七島支部(七島支部特例規程)が主催する研修会については,会員
研修要綱第10条の規定により,その内容を審査すると共に助成金を支給した。
また,ブロック協議会及び支部より要請のあった講師派遣については,計画されている研
修テーマ沿った講師の推薦を行った。
<ブロック>
① 中央ブロック
・日
時
平成19年11月22日(木)午後1時~4時
・開催場所
磯川公園
・テ ー マ
基準点使用の測量
・日
平成19年11月30日(金)午後6時30分~8時30分
時
・開催場所
文京区シビックセンター
・テ ー マ
観測データによる計算・作図
・講
内野
師
篤 会員,曽根芳文 会員,石井健太 会員,松原浩子 会員
・受講者数
会員82名,補助者19名
・助 成 金
198,020円
② 城東ブロック
・日
時
平成19年10月10日(土)午後1時~5時
・開催場所
足立区子供家庭支援センター
・テ ー マ
基準点測量及び街区基準点について
・講
沖縄会
師
3階ホール
松本武寿 氏
・受講者数
会員112名,補助者33名
・助 成 金
247,320円
③ 城西ブロック
・日
時
平成19年11月24日(土)午後2時~4時30分
・開催場所
日本電子専門学校
・テ ー マ
対話の達人,話し上手・聞き上手の秘訣
・講
志方隆行 氏
師
・受講者数
会員55名
・助 成 金
135,000円
④ 城南ブロック
・日
時
平成19年7月23日(月)午後6時~9時
・開催場所
大田区産業プラザ
・テ ー マ
不動産登記規則第93条不動産調査報告書記載要領について
・講
東京会研修部担当理事
瀧下俊明 氏
東京会研修部担当理事
佐々木義徳 氏
東京会事業部長
原田克明 氏
師
Pioコンベンションホール
・受講者数
会員191名,補助者109名
・助 成 金
248,600円
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⑤ 城北ブロック
・日
時
平成19年7月18日(水)午後6時~8時
・開催場所
豊島区区民センター 6階
・テ ー マ
不動産登記規則第93条不動産調査報告書記載要領について
・講
東京会研修部長
師
文化ホール
國吉正和 氏
・受講者数
会107名,補助者38名
・助 成 金
177,010円
⑥ 多摩ブロック
・日
時
平成19年8月1日(水)午後6時30分~8時30分
・開催場所
アミュー立川
・テ ー マ
不動産登記規則第93条不動産調査報告書について
・講
東京会研修部長
國吉正和 氏
東京会事業部長
原田克明 氏
師
・受講者数
会員214名,補助者83名
・助 成 金
172,510円
<支部>
※講師派遣
① 渋谷支部
・日
時
平成20年3月5日(水)午後6時から
・開催場所
渋谷区立商工会館
・テ ー マ
オンライン申請の実務
・講
東京会事業部長
原田克明 氏
THP委員会委員長
山本憲一 氏
師
第一会議室
② 府中支部
・日
時
平成20年2月6日(水)午後3時から
・開催場所
国分寺Lホール
・テ ー マ
「成年後見制度」の成り立ちと土地家屋調査士の関わり
・講
弁護士
師
高村定憲 氏
2.関係法規等の改正に伴う調査・研究
(1) 土地建物調査要領(東京法務局編)について
平成19年8月1日から施行された本要領を会員に送付した。
更に,平成20年2月20日に日本教育会館一ツ橋ホールにおいて,研修会を実施して周
知を図った。
(2) 調査・測量実施要領(東京会編)の改訂版の発行について
平成17・18年度の研修委員会で見直し・検討がなされた「調査・測量実施要領(東京
会編)」改訂案について,東京法務局と協議を重ね,第8回定例理事会で会則第92条第1
項に規定される要領として決議し,会員に送付した。
更に,平成20年2月20日に日本教育会館一ツ橋ホールにおいて,研修会を実施して周
知を図った。
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(3) 不動産登記規則第93条不動産調査報告書事例集の発行について
標記事例集の作成を行い,会員に送付し周知を図った。
(4) 都市再生街区基本調査による街区基準点について
各支部長に依頼して,市区町における取り扱い等の情報収集の協力を得るとともに,包括
承認申請書を提出し,各市区町から包括使用承認の手続きを進めた。
また,日調連からの情報収集や東京法務局と街区基準点等の取り扱い及び記載事例につい
て打ち合わせを行った。
更に,法令・法令実務研修会を開催し,街区基準点等の取り扱い及び記載事例について説
明を行い,周知を図った。
(5) 研修委員会
本委員会では,付託事項②と③について,各種研修会等の年間スケジュール及び実施計画
の検討を行い,その結果を取りまとめて中間報告書を提出した。
更に,企画研修のうち,
「登記基準点研修」の実施計画を立案して,研修部に報告した。
〔付託事項〕
① 登記基準点・街区基準点の研修会の実施計画と実施
② 土地家屋調査士特別研修のカリキュラムに則した研修の実施計画と実施
③ 新会館を利用した定期的な研修(各種研修会・研究発表会等)の策定(しくみ・計画立
案等)
(6) 法令研究委員会
本年度は,付託事項②「補助者の位置づけ」の検討を行うにあたり,補助者の位置づけ・
補助者の業務を明確にするために,①補助者の雇用
②土地家屋調査士の監督責任
③補助
者が「単独」でなしえない業務及び補助者認定資格制度(案)について検討を行い,その結
果を取りまとめて中間報告書を提出した。
〔付託事項〕
① 次回予定される不動産登記法改正の研究
② 補助者の位置づけについて
③ 登記基準点・街区基準点の作業規程等の運用の研究
3.業務に関する相談体制の充実
毎週木曜日に実施している相談業務について,本年度は各ブロック協議会から推薦された
12名の表示登記相談担当者により対応している。(担当者1名の交替あり)
なお,本年度における相談案件のうち未完了(6件)となった案件及び東京法務局より情報
提供のあった案件と文書及びメールにより申立てのあった苦情案件(計3件)について,苦情
案件担当理事が申立人及び当該会員に対して事実確認等を行い対応した。
平成19年度における相談業務については,次のとおりである。
区
分
本
イ.表示登記に関する件
ロ.調査・測量に関する件
ハ.報酬に関する件
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部
支
部
合
計
29
111
140
180
361
541
4
21
25
ニ.業務取扱いに関する件(会員からの問い合わせ)
3
1
4
ホ.調査士業務に対する異議に関する件
9
0
9
ヘ.区分建物に関する件
8
7
15
ト.登記一般(相続・贈与を含む)
5
234
239
チ.その他
8
111
119
246
846
1,092
合
計
【事業部分掌に係る事業】
1.土地家屋調査士制度広報活動の推進
(1) 昨年までと同様,地域住民に密着したPRは,広報活動の基礎となる重要な活動と捉え,
各支部における制度広報活動に対し助成を行った。今年度,この制度を利用して広報活動を
展開した支部は全体の約6割にあたる18支部で,実施支部の多くは恒例行事として定着し
ている。
事業部としては,地元地域に密着した地道な活動が,土地家屋調査士の知名度を上げ,信
頼性の向上にもつながるものと考え,後述する「まちづくり支援機構」を通じ協力を行った
「まちづくり復興訓練」等と併せ,次年度以降も,注力していきたい活動のひとつと見なし
ている。
(2) 本年度も,都内の10士業「土地家屋調査士・弁護士・司法書士・税理士・行政書士・社
会保険労務士・弁理士・公認会計士・不動産鑑定士・中小企業診断士」が合同で主催する「暮
らしと事業のよろず相談会」に参加した。
13回目を迎えた本相談会での当会への相談は16件と,近ごろの相談件数の増加を反映
し前回相談会から倍増となった。他士業の資格者にも境界問題といえば「土地家屋調査士」
というように,だいぶ定着してきた感があるが,さらに存在意義を高めるべく,引き続き活
動を行っていきたい。
名
称:「暮らしと事業のよろず相談会」
開催日:平成19年9月29日(土)
場
所:霞ヶ関・弁護士会館
(3) 4月1日の「表示登記の日」
,10月1日の「法の日」における無料相談会並びに常設「支
部無料相談会」は,全支部また全会員の協力により,例年どおり都内各所で実施した。相談
会の総相談件数は,846件と前年度から100件の増加であった。
(4) 平成13年より参加している,国土地理院と東京都の共催による「測量の日」イベント「く
らしと測量・地図」展が今年度も新宿駅西口広場イベントコーナーで開催された。
ひと際人目に着く場所に開設していることから,本会が実施した無料相談会へも3日間で
93件の相談があった。改まった場所で行う相談と違い,気軽に相談できる雰囲気のせいか,
登記や境界線に関するちょっとした疑問などを質問される方も多く,普段はあまり接点のな
い方へ,土地家屋調査士業務をPRする良い機会になったと考えている。
名
称:平成19年度「測量の日」記念「くらしと測量・地図」展
開催日:平成19年6月5日(火)~7日(木)
場
所:新宿駅西口広場イベントコーナー
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(5) 平成16年に設立され,正会員として参画している「災害復興まちづくり支援機構」の一
員として活動に取り組んだ。中でも同機構の活動の中核である「災害復興まちづくり訓練」
に参加し,区役所職員,地域住民とともに専門職として災害に備え,想定される問題の解決
に導けるよう努めた。
こうした訓練に参加することによって「安全で安心して住めるまちづくり」への関心を深
めるとともに,支部制度広報活動同様,平時から地域と関わり,土地家屋調査士として市民
から信頼を得られるよう今後も努力をしたいと考えており,各支部へも協力を求めていくこ
ととしたい。
なお,今年度は,足立区における活動において足立支部の協力をいただいた。
また,同支援機構と協定を結んだ東京都と共催で「第1回専門家と共に考える『災害への
備えマンション編』講演会&相談会あなたのマンションは大丈夫ですか?」を開催し,有事
の際のマンション問題に関心を寄せる方々と共に,避けることのできない災害における問題
点を探った。
(6) 今年度も本会キャラクターの「エコゾウ」と「トッチ」を活用して,更なるPRを行うべ
く,「ポスター」と「付箋つきメモ帳」を作成した。各支部において,無料相談会の会場や
制度広報活動などで配布いただくことで,本会のキャラクターとしてだいぶ定着してきたも
のと考えている。
次年度以降も両キャラクターに活躍してもらい,普段土地家屋調査士に接点のない方々へ
のPRに努めていきたい。
2.会報の編集・発行及びホームページの充実
一昨年から年4回の発行となった会報については,早期の伝達が求められる情報はホームペ
ージに移行し,特集記事を中心とした編集を行った。今後は活字の良さを活かし,じっくり読
める記事を掲載できるよう検討を進めていきたいと考えている。
一方,ホームページにおいては,引き続き情報を迅速に伝達できるよう努め,また,重要な
更新がされた際にその情報を提供する「更新情報」のサービスも引き続き実施して,情報が確
実に届くよう取り組んだ。
なお,ホームページについては,THP委員会委員と共に長い時間をかけて内容を精査し,
一般の方に対し,土地家屋調査士を少しでも身近に感じてもらえるよう,大幅なリニューアル
を行った。
3.法第14条地図作成・地籍調査作業等地図整備事業への対応
(1) 法第14条地図作成作業を中野支所で実施された。
(2) 地籍調査については墨田区・青ヶ島村で実施された。
4.境界鑑定業務体制の充実及び筆界特定制度への対応
境界鑑定業務取扱会員のPR活動として,例年同様,東京地方裁判所及び同八王子支部を訪
問し,本委員会の活用を要望した。ここ数年の活動の成果か,今年度は合計4件の鑑定依頼が
あり,当該地区の会員に鑑定を依頼した。
また,ここ数年行っていなかった各区域代表者の推薦依頼と共に,取扱会員としての登録継
- 10 -
続の意思確認を行って,体制の充実を図るべく努めた。
平成18年1月20日に施行された筆界特定制度については,今年度も東京法務局に年間
200件近くの申請がされ,筆界調査委員の負担が増したため増員を行って,現在,合計96
名の調査委員で,その申請事件に対応している。また,東京法務局における窓口相談の相談員
も担当した。
今年度は,東京法務局筆界特定室との密接な協力体制の下,調査委員を対象とした研修会を
開催し,早期に筆界特定がなされるよう,その達成に向け尽力した。
なお,筆界特定制度における申請代理人を努める土地家屋調査士向けのガイドラインを作成
中である。本ガイドラインが,専門家として適切な業務を行うための手引となることを期待し
て,鋭意検討中である。
「筆界調査委員研修会」
開催日:平成19年12月8日(土)
場
所:TKH御茶ノ水センター
講
師:東京法務局首席登記官
渡辺
秀喜
氏他
5.非土地家屋調査士排除対策及び活動
15年度まで実施していた標記実態調査が行えなくなったことから,法務局の申請窓口に非
調査士排除対策のポスターを掲示してもらって抑止に努めるべく,本会キャラクターの「エコ
ゾウ」と「トッチ」をデザインに採り入れたポスターの作成を行った。
今後は,法務局の各支局・出張所や希望する会員の事務所に配布するなどして,大いにアピ
ールしていきたいと考えている。
6.公共嘱託登記土地家屋調査士協会への対応
公嘱協会より活動状況及び財政状況の報告を受け,理事会に報告すると共に,公嘱協会の支
所長会議に出席し,その運営状況等の把握に努めた。
また,公益法人改革に基づく,公嘱協会の新法人への移行に関する各種問題を検討する担当
役員会同へ役員を派遣して,今後の方向性について検討する際のオブザーバー的役割を果たし
た。
「第1回本会事業部協会総務部打合せ会」
平成19年7月24日(火)
「第1回調査士会と公嘱協会との打合せ
平成19年8月29日(木)
7.その他
(1) 全法務省労働組合東京地方本部東京支部より,毎年開催している「暮らしの登記・供託・
人権無料相談」の相談員の派遣要請を受け,練馬支部会員のご協力により相談員を派遣し,
相談会を開催した。
「暮らしの登記・供託・人権無料相談」の開催
開催日
平成19年11月24日(土)午前11時~午後3時
場
「練馬区光が丘区民ホール」
所
- 11 -
(2) 民間紛争解決手続機関における代理権が土地家屋調査士に付与され,『代理人として活動
するに必要な能力担保』するための特別研修が過去2回に引き続き実施され,その運営に協
力した。
なお,過去2回の特別研修を経て,175名の会員が法務大臣から認定証書を交付された。
また,この代理権が付与された土地家屋調査士向けの,民事調停委員の役割に関する説明
会を開催し,新たな活躍の場を探った。
「第2回土地家屋調査士特別研修」
【考査】
開催日:平成19年4月7日(土)
場
所:幕張セミナーハウス
「第3回土地家屋調査士特別研修」
【基礎研修】
開催日:平成20年2月1日(金)~2月3日(日)
場
所:オフィス東京
【集合研修・総合講義】
開催日:平成20年3月14日(金)~3月16日(日)
場
所:オフィス東京
【考査】
開催日:平成20年3月29日(土)
場
所:幕張メッセ
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