4.新潟港の強み・弱み - 新潟県

4.新潟港の強み・弱み
これからの新潟港の目指すべき方向性や、果たすべき役割は何か・・・・
4章では、それを考えるために、新潟港の強み・弱みを分析する。
(1)物流の視点からの強み・弱み
・・・・・・・・・・・56
(2)交流の視点からの強み・弱み
・・・・・・・・・・・57
55
4.新潟港の強み・弱み
(1)物流の視点からの強み・弱み
内
部
環
境
外
部
環
境
好 影 響
悪 影 響
強み Strengths
弱み Weaknesses
○輸入に有利な航路が多い
○地理的に北東アジアに近い
○日本海側唯一の中国、韓国、ロシア総領事館
○国内有数のLNG基地が立地
○日本海横断航路が就航
○交通網の優位性
機会 Opportunities
○日本海側拠点港に選定
○中国・対岸諸国の経済発展
○港湾機能民営化への流れ
(国際競争力強化とサービス向上)
航路例(釜山⇒新潟)
○輸出に不利な航路が多い
○北米・欧州向けの荷物が少ない
脅威 Threats
○国内港湾間の競争激化
航路例(新潟⇒釜山)
<新潟県の交通機能の優位性>
・高速道路の結節点
・幹線国道等の結節点
・羽越本線や信越・北陸本線等
在来鉄道線の結節点
・空港、新幹線の存在
2014年度北陸新幹線開業予定
輸入に有利
輸出に不利
56
4.新潟港の強み・弱み
(2)交流の視点からの強み・弱み
好 影 響
悪 影 響
強み Strengths
弱み Weaknesses
内
部
環
境
○市街地に近接している
○交流拠点施設、集客施設が整備済み
○日本海側唯一の中国、韓国、ロシア総領事館
○歴史的な景観を多く有している
○佐渡航路が就航
外
部
環
境
機会 Opportunities
○開港150周年への期待
○クルーズ人口の増加
○交通拠点施設間の連携が不十分
○大型クルーズ船が着岸できる係留施設がない
脅威 Threats
○近接港におけるクルーズ振興
○北陸新幹線開業
【朱鷺メッセ】
・H24コンベンションセンター来場者数68万人
・H24展示ホール稼働率 60.7%(過去最高)
・稼働率を類似施設と比較しても 全国トップレベル
【ピアBandai】
・H24入場者数79万人
・観光バスの45%が関東方面
【みなとタワー】
【新潟歴史博物館(みなとびあ)】
【信濃川左岸緑地】
【山の下みなとランド】
【聖籠町マリンフェスタ】
場所:聖籠町海のにぎわい館
・H24入場者3000人
・ウォーターシャトルクルージング
・セーリング体験
・地曳網体験 他
57
5.新潟港に対する要請
これからの新潟港の目指すべき方向性や、果たすべき役割は何か・・・・
5章では、それを考えるために、上位計画・関連計画はじめ新潟港に対する要請
事項について整理する。
(1)上位計画・関連計画等 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・59
(2)新潟港及び新潟県に対する
各経済界等からの要請 ・・・・・・・・・・・・・62
(3)まちづくりの視点からの要請 ・・・・・・・・・・・・・・・63
(4)環境面からの要請 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・65
(5)地域からの要請 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・69
(6)総合交通的視点からの要請 ・・・・・・・・・・・・・・・・・70
58
5.新潟港に対する要請(1)上位計画・関連計画等
(1)上位計画・関連計画等
国土形成計画〔平成20年7月策定〕
○量的拡大「開発」から「成熟社会型の計画へ」
○国主導から二層の計画体系(分権型の計画づくり)へ
多様な広域ブロックが自立的に発展する国土を構築するとともに、美しく、
暮らしやすい国土の形成を図る
【新しい国土実現のための戦略的目標】
○東アジアとの円滑な交流・連携
○持続可能な地域の形成
○災害に強いしなやかな国土の形成
○美しい国土の管理と継承
○「新たな公」を基軸とする地域づくり
59
5.新潟港に対する要請(1)上位計画・関連計画等
東北圏広域地方計画〔平成21年8月策定〕
◆東北圏内の効率的な国際物流体系の構築
○豊かな自然の中で交流・産業拠点として発展するふるさと 「東北にっぽん」
【3つの基本方針】
【新潟港に係わるプロジェクト抜粋】
【国際交流・物流体系の構築】
○物流拠点の機能強化に向けた国際海上コンテナターミナルや多目的国際
ターミナル等の整備
○主要な都市や生産拠点と港湾を体系的に結ぶ道路の整備
【東アジアとの連携強化に向けた環日本海地域の広域交流の推進】
○中国・韓国・ロシア等、環日本海地域の大学と新潟大学等との連携による、
学生の交換、教員の研究交流等知的ネットワークの構築
◆環日本海地域の広域連携による
東アジアとの互恵関係の構築
【広域的な連携による震災対策の推進】
○大規模地震の発生時においての代替性(リダンダンシー)や緊急輸送の信
頼性を確保するための道路の整備
60
5.新潟港に対する要請(1)上位計画・関連計画等
新潟県「夢おこし」政策プラン〔平成25年6月〕
○本プランは、経済社会構造が大きく変化を続ける中で、将来に希望の持てる魅力ある新潟県を実現することを基本理念と
して、「住んでみたい新潟、行ってみたい新潟」を目指すための政策の方向を示したものである。
【港湾関連事項】
◇北東アジア交流圏の表玄関化 ⇒ 港湾空港を活用した国際物流拠点の形成
・定期航路・航空路の充実や機能強化により、新潟港、直江津港、新潟空港の競争力を高め、東北・信越・北関東を
含めた背後利用圏と北東アジアを結ぶ国際物流拠点の形成を図る。
○日本海側拠点港(総合的拠点港・国際海上コンテナ・LNG)である新潟港、直江津港(LNG)の更なる機能強化
を図る。
《指標》 新潟・直江津港におけるコンテナ取扱量(総数)
目標:毎年、前年比増を目指す 〔現状(H23):224,532TEU〕
《指標》 県内輸出貨物の県内港湾利用率(コンテナ貨物)
目標:60%(H28) 〔現状(H23):59.4%〕
◇交通インフラの整備
・高速交通網の拠点施設である新潟空港、新潟港、直江津港など交通結節点と関連背後地の機能強化と拠点性の
向上を図る。
《指標》 交通インフラに関する県内事業所の満足度
目標:増加させる 〔現状(H24):45%〕
《指標》 上記の地域別、施策別の満足度
目標:増加させる 〔現状(H24):施策別 国際海上輸送 13%〕
61
5.新潟港に対する要請(2)新潟港及び新潟県に対する各経済界等からの要請
(2)新潟港及び新潟県に対する各経済界等からの要請
提言内容
新潟港の拠点性向上に向けて
(平成23年1月 新潟商工会議所)
浚渫土砂処分の今後のあり方につ
いての提言
(平成21年3月
新潟西港の埋没を考える委員会)
日本海横断航路開設に対して
(平成19年2月 新潟経済同友会)
日本海側への機能分散と拠点の創
設を
(平成25年8月 新潟経済同友会)
【今後の新潟港のあるべき姿、ならびにとるべき方向性について】
○新潟港を起点とした物流体制の再構築
○潜在的な輸出貨物の掘り起こしの強化
○港湾機能の整備促進
【浚渫土砂処分の今後のあり方について】
○新潟西港の港湾機能は将来に継承する必要がある。
○新潟西港の機能維持のためには浚渫は今後とも必要である。
・ 当面は,処分地点が同じ場所に,長期間集中しないように配慮することが必要
・ 将来的には「海洋投入の段階的削減」に向けた検討が必要
・ 「海底環境の継続的モニタリング」が必要
○浚渫土砂の処分にあたっては,環境への影響を軽減する努力が求められる。
○浚渫・海洋投入の情報を定期的に公開し,関係者に周知を図ること。
【新潟が対岸諸国との経済交流をベースに未来に夢の持てる地域を目指して】
○必要な港湾整備や港湾使用上の支援策検討
○新航路のスムーズな船出
【「国家戦略特区」を見据えて日本海側から我が国を活性化】
○集積・結節する主要交通インフラの高度化
・新潟駅を中心とした鉄道・空港・港湾機能の連携強化
○新潟東港区における物流・輸出入機能の強化
・コンテナターミナルの早期整備、貨物鉄道の延伸・乗入れ整備
62
5.新潟港に対する要請(3)まちづくりの視点からの要請
(3)まちづくりの視点からの要請
○万代島地区の港湾空間利用に関する提言書
(新潟港万代島地区の港湾空間利用検討委員会)
(平成21年11月)
新潟魚市場の郊外移転に
伴う跡地利用
(第1期事業)
【コンセプト】
○街づくり全体の中で、調和した万代島地区の計画とすること
○地区内の既存の施設の有効利用が図れる計画とすること
○学びの要素を新しい空間利用に導入すること
○美しさ、おしゃれといった感覚を大事にすること
○市民に開かれた利用、民間の協力が得やすい利用に心がけること
○過度にクルマに依存しない交通環境づくりに留意すること
【利用状況】
○平成22年10月に市民市場「ピアBandai」開設
○平成24年入場者数:約80万人
○観光バスの台数は関東方面が多い(関東45%、東北34%)
ピアBandai
第1期:ピアBandai
63
5.新潟港に対する要請(3)まちづくりの視点からの要請
○万代島地区の旧水揚場跡地の利用に関する提言書
(万代島跡地利用検討ワーキング)
(平成25年2月)
新潟漁業協同組
合の対岸への移転
に伴う跡地利用
(第2期事業)
○新潟州構想検討推進会議
○第3回新潟州構想検討推進会
議(H25.7.31)
○平成24年3月に「万代島土地利用検討ワーキング」を
設置
○平成25年2月に提言書を新潟市長に提出
○跡地利用方針
【コンセプト】
目指す姿 : 人・街とみなとをつなぐにぎわい空間の
形成
構成要件 : (1) すべての人に開かれた、みなとの景
観と歴史に触れる場
(2)誰もが自由に使える・アイディアを
実現できる場
⇓
みなと自由空間(多目的広場)
水産物
荷捌上屋(小)
【小かまぼこ】
万代島水
産会館
市街地に隣接している万代島地区は、
にぎわい創出など市街地との一体性
も必要
○万代島地区の利活用については、
まちづくりの主体である新潟市において
主体的に検討していく方向性が知事
と新潟市長の間で確認されている。
水産物荷捌上屋(大)
【大かまぼこ】
第2期:旧水揚場
64
5.新潟港に対する要請(4)環境面からの要請
(4)環境面からの要請
【現状・背景】
○浚渫土砂の量は年間で約85万m3(全国の海洋投入処分量の約7割を占める)
○現在は環境大臣の許可を受けた年間約65万m3の土砂を海洋投入、その他約20万m3を入舟処分
場へ搬入
○入舟処分場は、あと数年後には受入量が限度に達し満杯になる見込み
全国(地区別)海洋投入処分割合
(H20実績)
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5.新潟港に対する要請(4)環境面からの要請
【海洋環境保全に向けた情勢変化】
○国際ルールとして海洋汚染防止のため、廃棄物の投棄などを制限
(ロンドン条約)
・H8:規制強化に関する協定書が採択
・H18:浚渫土砂を含む廃棄物の海洋投入処分は原則禁止
海洋汚染防止法の経緯
・H16:日本国内の取り扱いを定めた海洋汚染防止法の一部改正
・H19.4以降、環境大臣許可を受けたもの以外禁止
○新潟港(西港区)は、港の機能を維持していくための例外的
な措置として環境大臣の許可を受け継続
66
5.新潟港に対する要請(4)環境面からの要請
【海洋投入処分抑制に向けての取り組み】
○港湾機能維持のために行う信濃川河口部の浚渫土砂等を用いて約54ヘクタールの海面を埋め立てるもので、国際的に
海洋投入処分が原則禁止になったことによる海洋投入処分抑制の必要性等の背景から計画されたもの。
土砂処分場
埋立面積 :
護岸延長 :
護岸構造 :
埋立容量 :
埋立方法 :
事業期間 :
約54ha
2137m
鉄筋コンクリート(ケーソン)
616万m3
排砂管によるポンプ排送
着手から13年程度で埋立完了見込み
67
5.新潟港に対する要請(4)環境面からの要請
○土砂処分場計画については、環境アセスメントを実施中
【新潟港(西港区)公有水面埋立事業における環境影
響評価に係る環境大臣の助言】
○浚渫土砂の処分方法検討における沿岸自然環境への
配慮について
・浚渫土砂の削減や海面埋立以外の有効活用方策の
検討を進め、できる限り早期に具体的措置を講じること
・追加的な海面埋立てが必要となった場合において、今
後の埋立処分用地の配置等の検討に当たっては、沿岸
の自然環境の保全に留意すること
68
5.新潟港に対する要請(5)地域からの要請
(5)地域からの要請
○水際線(海水浴場)の確保
港湾計画上の位置づけ:H12港湾計画において新潟空港沖合の水域を土砂処分場として計画
地域からの要請:多くの市民が海水浴場として利用している
⇒水際線を残してほしいとの要望が多い
多くの市民で賑わう海水浴場
新潟空港
新潟空港
69
5.新潟港に対する要請(6)総合交通的視点からの要請
(6)総合交通的視点からの要請
○総合交通問題懇談会
◇新潟県内の総合交通について議論することを目的として設置している国と県の懇談会
【懇談会において将来的な課題とされた事項】
新潟空港における陸海空の総合ターミナル
【将来の課題】
新潟空港の陸海空の総合ターミナル
新潟空港
新潟港
70
6.新潟港の目指すべき方向性(案)
2章 国際・国内情勢
3章 新潟港を取り巻く状況
新潟港の目指すべき方向性
5章 新潟港に対する要請
・東アジアの急成長
・ASEANとの貿易額の増加
・シベリア・ランド・ブリッジへの期待
・地理的に北東アジアに近い
・北東アジアとの歴史的・政治的な結
びつき
・日本海横断航路が就航
・アジア・太平洋地区のクルーズ人口
の増加
・観光立国の推進
・市街地に近接
・交流拠点・集客施設が整備済み
・重要性を増す「日本海国土軸」
4章 新潟港の強み・弱み
北東アジアゲートウェイ機
能の進化 (物流)
・「日本海側拠点港」に選定
・コンテナターミナル民営化の推進
・日本海沿岸東北自動車道整備
・「夢おこし」政策プラン
北東アジア交流圏の表玄関化
地域経済の発展への貢献
(産業・交流)
・経済界等からの地域経済発展
の牽引役としての期待
・まちづくりの視点からの要請
太平洋側港湾のバックアッ
プ機能の強化(防災)
・極東ロシアのエネルギー開発
・国内有数のLNG基地が立地
71
6.新潟港の目指すべき方向性(案)
(1)北東アジアゲートウェイ機能の進化(物流)
○北東アジア、東アジア、東南アジアの玄関口にふさわしい日本海側拠点港の形成
日本海側における総合的拠点港として新潟港の港湾機能や国際競争力の強化を図り、対岸諸国(中
国、ロシア、韓国など)や今後、世界経済の牽引役として期待されている東南アジアの経済発展を我が国の
成長に取り込むための中心的役割を担う。
(2)地域経済の発展への貢献(産業・交流)
○地域経済の活力を増進する港づくり
地域経済を支える拠点港湾として物流・交流機能の強化を図り、新潟における地域経済の一層の発展に
貢献する。
○交流拠点機能のさらなる強化
ウォーターフロントの特性を活かして、地域の人々の賑わい・憩の空間を提供するとともに、2019年に開港
150周年を迎える歴史ある湊町の風情を活かしつつ国際的な文化・交流拠点としての機能向上を図る。
(3)太平洋側港湾のバックアップ機能の強化(防災)
○防災拠点機能の強化
東日本大震災の教訓を踏まえ、首都直下型地震等の太平洋側の大規模災害時におけるリダンダンシー確
保のために、新潟港の防災拠点としての機能強化を促進する。
○エネルギー供給基地としてのさらなる拠点化
国内有数のLNG基地、パイプランなどのインフラを活かし、我が国のエネルギー基地としての役割を果たす
とともに、極東ロシア等の対岸諸国からのエネルギー受け入れ基地としての役割を担う。
72
7.目指すべき姿を実現するうえでの課題
7章では、新潟港の目指すべき姿を実現するうえでの、主な課題について整理する。
1.課題の抽出
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・74
2.西港区について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・75
(1)万代島地区を中心とした賑わい空間のあり方 ・・・・・・・・・・75
(2)港湾施設の老朽化への対応 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・75
(3)入舟地区の港湾機能、土地利用計画の見直し ・・・・・・・・・76
(4)将来的な維持浚渫への対応 ・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・76
3.東港区について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・77
(1)国際海上コンテナターミナルの展開 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・77
(2)エネルギー拠点基地としての展開・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・78
(3)その他貨物需要への対応 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・78
4.新潟港全体について
・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・79
(1)陸・海・空の交通ネットワーク強化による拠点性向上・・・・79
(2)大規模災害時における防災機能強化・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・79
73
7.目指すべき姿を実現するうえでの課題
1.課題の抽出
(1)万代島地区を中心とした賑わい空
間のあり方(西港区)
(1)北東アジアゲートウェイ機能の進化
(物流)
(2)港湾施設の老朽化への対応
(西港区)
(3)入舟地区の港湾機能、土地利用
計画の見直し(西港区)
(2)地域経済の発展への貢献
(産業・交流)
(4)将来的な維持浚渫への対応
(西港区)
(1)国際海上コンテナターミナルの展開
(東港区)
(2)エネルギー拠点基地としての展開
(東港区)
(3)太平洋側港湾のバックアップ機能
の強化(防災)
(3)その他貨物需要への対応
(東港区)
(1)陸・海・空の交通ネットワーク強化
による拠点性向上(全体)
(2)大規模災害時における防災機能
強化(全体)
74
7.目指すべき姿を実現するうえでの課題 2.西港区について
2.西港区について
(1)万代島地区を中心とした賑わい空間のあり方
背景 【まちづくりからの視点と要請】
○万代島地区は、「朱鷺メッセ」や「ピアBandai」など集客・交
流施設等が立地しており、賑わいの場を創出している。
○一方で、市街地からの人流の動線やまちづくりの視点からみた
場合には、十分なポテンシャルを発揮しているとは言えない。
万代島地区
【検討の方向性(案)】
○まちづくりの主体である新潟市の意見・要請も十分踏まえ、さ
らなる賑わいのある港空間の創出に向けた検討を進めていく。
(2)港湾施設の老朽化への対応
昭和39年新潟地震による新潟港の被害状況
背景 【ストックマネジメントへの対応】
○西港区の港湾施設の多くは、昭和39年の新潟地震
の復旧工事として建設されている。
○近年、老朽化による施設の損傷事例が顕在化してお
り、今後は施設の大規模補修が大幅に増加していく見
通し。
【検討の方向性(案)】
○今後、増加することが見込まれる大規模補修等におい
ては、施設配置・規模を踏まえ、計画的に維持・更新を
検討していく。
新潟港(西港区)
75
7.目指すべき姿を実現するうえでの課題 2.西港区について
(3)入舟地区の港湾機能、土地利用計画の見直し
背景 【社会情勢の変化】
○「入舟地区」にはマリーナ、フェリーふ頭、内貿ユニットロー
ドふ頭、旅客船ふ頭を位置付けているが、現時点において
実現の目処が立っていない。
入舟地区
【検討の方向性(案)】
○新潟港の目指すべき姿や、将来の社会経済動向、クルー
ズ需要予測等を踏まえたうえで、必要な見直しを行っていく。
(4)将来的な維持浚渫への対応
背景 【社会情勢の変化】
○埋没浚渫土砂の海洋投入は、海洋環境保全に向けた情勢
変化により原則禁止となっている。
【検討の方向性(案)】
○信濃川からの流下土砂により港内が埋没する宿命である西港
区においては、海洋環境等との調和を図り、将来的に浚渫量
の縮減が可能となるような方策について港湾機能の再編も視
野に入れて検討を進めていく。
76
7.目指すべき姿を実現するうえでの課題 3.東港区について
3.東港区について
(1)国際海上コンテナターミナルの展開
背景 【空間的な制約】【地元企業の海外展開への支援】
○コンテナ取扱貨物の伸びに対応できるヤードが不足しており、コンテナヤードに置ききれないコンテナは、木材
ふ頭の一部を置き場として利用している。→ 横持ち費用アップ、効率性ダウン
○新潟県では「産業夢おこしプラン」において、輸出拡大に向けた取り組みを推進
【検討の方向性(案)】
○将来的な貨物需要の伸びや、コンテナ船の大型化の動向、求
められる太平洋側のバッアップ機能等を踏まえ、空間的な将来
拡張性や、施設配置・規模について検討を進めていく。
木材ふ頭
西ふ頭
西ふ頭のコンテナヤードが不
足しているため木材埠頭
の一部を空コンテナ置場と
して暫定利用
【ターミナル沿革】
・平成4年 西ふ頭1号岸壁(-7.5m)【耐震】供用
〃 2号岸壁(-10m)供用
・平成7年 ガントリークレーン2号機完成
・平成8年 西ふ頭3号岸壁(暫定-12m)供用
(計画-14m)
ガントリークレーン3号機完成
・平成16年 ガントリークレーン4号機完成
・平成20年 ガントリークレーン5号機完成
・平成24年 西埠頭4号岸壁(-12m)【耐震】岸壁供用
※5号岸壁については未整備
西ふ頭4号岸壁 全面供用
西ふ頭地区
木材ふ頭地区
77
7.目指すべき姿を実現するうえでの課題 3.東港区について
(2)エネルギー拠点基地としての展開
背景 【エネルギー資源開発の動向、太平洋側のバックアップ機能】
○東港は、日本海側拠点港(LNG)として選定されており、エネルギー基地としてのポテンシャルが高い。
○さらに、極東ロシアにおけるサハリンプロジェクトの進展や太平洋パイプランが全線開通するなど、新
潟に地理的に優位性のある地域での資源開発の動きが活発化
○東日本大震災の教訓を踏まえ、太平洋側のバックアップ機能としてのエネルギー基地形成の要請
【検討の方向性(案)】
○極東ロシアにおける資源開発の動向を把握するとともに、新潟市の防災首都構想等との連携を図り
つつ、現行の企業立地や土地利用の状況を勘案し、求められる港湾機能や土地利用計画等について
検討を進める。
(3)その他貨物需要への対応
背景 【バルク貨物需要への対応】
○東港では、木材チップをはじめ飼料用トウモロコシなどバルク貨物も多く取り扱っている。。
○米粉プラント集積に向けた動きや、農産品の輸出拡大といった港湾機能に関連した社会経済動向
【検討の方向性(案)】
○エネルギー関連、その他貨物の将来動向を踏まえ、将来的な拡張性や港湾機能配置について検討を
進める。
78
7.目指すべき姿を実現するうえでの課題 4.新潟港全体について
4.新潟港全体について
(1)陸・海・空の交通ネットワーク強化による拠点性向上
背景 【新潟県の総合交通的視点からの要請】
○新潟県内の総合交通について議論することを目的として設置
している「総合交通問題懇談会」において、将来の課題として
「陸海空の総合ターミナル」の可能性ついて議論されたが、詳
細については今後、別途検討を重ねる必要があるとされた。
東港区
新潟港(東港区)
西港区
113
新潟空港
7
IC
新潟港(西港区)
【検討の方向性(案)】
○新潟港の拠点機能の向上を図るためには、新潟空港、鉄道、
道路網も含めた総合的な交通ネットワークの強化の視点も
重要であることから、それらの交通モードの関係者との連携を
十分図りつつ、新潟港の将来像について検討を進めていく。
聖籠新発田IC
113
新潟空港
113
豊栄新潟東港IC
IC
信
濃
川
116
7
IC
7
8
新潟駅
新潟中央IC
IC
新潟西IC
IC
JCT
北陸自動車道
新潟空港IC
IC
新潟亀田IC
新潟中央JCT
8
磐越自動車道
(2)大規模災害時における防災機能強化
背景 【東日本大震災の教訓】
○東日本大震災では、想定を超える津波により港湾機能の被害はもとより、多くの市民にもその被害が
及んだ。
○新潟港背後においては、海抜ゼロメートル地帯を抱えており津波発生時に対する備えが求められている。
【検討の方向性(案)】
○新潟県や関係自治体の「地域防災計画」や「津波浸水想定」と整合を図りつつ、港湾における防災機
能の向上に向けた検討を行う。
79
8.第2回 委員会に向けての検討方針
(1)将来貨物量の推計手法について
貨物量推計のフロー
取扱貨物量
の推移
取扱貨物の
物流動向の
把握
企業調査
取扱貨物量
の推計
企業調査の実施
• ①アンケート調査企業の抽出(500社程度を予定)
• ②アンケート用紙の作成
• ③アンケートの発送及び収集整理
• ④ヒアリング調査企業の抽出
• ⑤ヒアリングの実施(3日程度を予定)
• ⑥ヒアリング結果の整理
取扱貨物量の推計
• 次期港湾計画改訂の目標年次(平成40年頃)における新潟港の取扱貨物量を推計
• 将来(概ね30年先)における新潟港の取扱貨物量をマクロ的に推計
80
8.第2回委員会に向けての検討方針 (2)新潟港に対するニーズの把握
(2)新潟港に対するニーズの把握(アンケート)
意見募集の内容 【新潟港の目指すべき姿】
• 将来の新潟港に期待する役割
• 新潟港で必要な取り組み < 観点:物流・産業、まちづくり、防災 >
• その他、自由意見・要望
意見募集の方法等
•
•
•
•
募集期間:平成25年9月24日(火)から平成25年10月15日(火)まで(予定)
募集方法:ホームページ等
提出方法:郵便、ファクシミリ、電子メール
記載事項:居住地、男女の別、年齢
81