資料第109C-6-4号

資料第 109C-6-4号
電源 開発株式会社
大間原子力発電所
⊂
.
原子炉建屋基礎地盤 の安定性検討
平成 1
8年 2月
原子力安全 ・保安院
[
補足検討]
目
次
1
.検討 日的‥‥‥‥日..‥‥..‥.
‥… ‥...‥‥‥‥.‥.
‥‥‥‥ 1
2
.動的 FEM解析 による断層 内物質及びシームの強度特性 を
低減 させた検討 .
‥‥ 2
2.1解析条件 ...‥‥‥‥..‥‥‥.日.‥‥.‥日.‥‥‥‥‥‥‥‥ 2
2.
2解析結果及びま とめ ‥日.‥‥‥‥‥‥‥‥‥.‥‥.‥‥‥.‥.
3
C
3
.動的 FEM解析 による燃料補助建屋 を付加 したモデル の検討 ‥… 8
3.1解析条件 ‥.‥.‥‥.日.‥‥‥‥‥‥..‥日‥.日.‥‥‥‥‥ .8
3
.
2解析結果及びま とめ ...‥‥日日.‥‥‥.‥‥‥..‥.‥HHH .
8
4.慣用法 による燃料補助建屋基礎地盤 の安定性検討 ‥‥‥… ‥". 1
4
4
4.1解析条件 ‥.‥‥‥.‥‥.‥日.… ‥‥日.‥‥‥‥.‥‥‥.‥ 1
4
4.
2解析 手法 .‥‥.‥‥‥‥.‥.‥‥‥.‥.‥‥‥‥‥‥‥..‥‥ 1
4.3解析結果及びま とめ ‥‥‥日.‥‥.‖‥‥..‥..‥日..‥‥‥ 16
し
5
・ま とめ--- -.・- -- ・- ・- ・---・
- ・・
・
-
-
-
・
-
-
2
0
1.検討 日的
「
資料第 109C-6-2号 電源 開発株 式会社 大間原子力発電所
以下 「
基本検討」とい う。)に加 え,
原子炉建屋基礎地盤 の安定性検討 」 (
安定解析 に影響 を及ぼす可能性のある場合の検討 として,申請者が実施
した以下の解析結果の妥当性 について検討を行 う。
① 動的 FEM解析 による断層 内物質及び シームの強度特性 を低減 さ
せた検討
② 動的 FEM解析 による燃料補助建屋 を付加 したモデルの検討
③ 慣用法による燃料補助建屋基礎地盤 の安定性検討
2.動的 FEM解析 による断層 内物質及びシームの強度特性 を低減 させた
検討
T:標準
申請者 は,断層内物質及びシームの強度を平均値か ら 10 (c
偏差)低減 させた場合について,以下の とお り検討 している。
2.
1 解析条件
基本検討 の動的 FEM解析 においてすべ り安全率が最 も小 さい ⅩⅩ'断面を対象 に,断層 内物質及びシームの強度特性 を低減 させた解析
を行 っている。
解析用物性値は,断層 内物質及びシームの強度 を基本検討で用いてい
る平均値か ら 1げ低減 させた値 に設定 している.
具体的な低減方法 としては,強度特性 を表わす回帰式 と個々の供試体
の破壊時のせん断応力 Tとの差か ら標準偏差を求め,内部摩擦角 ¢を固
定 した上で,せん断強度 で。(
粘着力 C) を lu低減 させている.
また,残留強度 も同様 に低減 させている。
・
低減 させた断層内物質及びシームの強度 を第 2-1表,
平均値か ら 10
/
第 2-1図及び第 2-2図に示す。
断層 内物質及びシームの強度特性以外の解析条件 については,基本検
討 と同 じである。
2.
2 解析結果及びま とめ
(
1
)すべ りに対す る解析結果
a.断層及びシームの要素ごとの安全率
断層及びシームの要素 ごとの安全率を参考図集の第 2
-1図に示
す。
基本検討の結果 と比較 して要素 ごとの安全率は低下するものの,
新たに引張応力が発生 した要素及びせ ん断強度に達 した要素はな
い。
b.すべ り安全率
基本検討において設定 した断層及び シームを通 る想定すべ り線
並びに応力状態 を考慮 した想定すべ り線 を対象 に,動的 FEM 解
-2
析 により求めたすべ り安全率を,基本検討の結果 と比較 して第 2
表 に示す。
断層内物質及びシームの強度特性 を低減 させた検討の最小すべ
り安全率は 3.1 であ り,すべ りに対 して十分な安全性 を有 してい
る。
なお,基本検討の最小すべ り安全率は 3.6である。
第2
-1表 断層内物質及びシームの強度特性
(
断層 内物質及びシームの強度特性 を低減 させた検討)
基本検討
せん断強度
N′mm2
断層内物質
T=0.
23
+c
r
t
a
n21
0
強度特性を低減さ
断層 内物質及びシームの
せた検討
残 留強度
N′mm2
で=0,
1
9
+Jt
a
n
21
0
せん断強度
N′m叩 2
T=0.
1
8+ut
a
n21
0
残留強度
N′
mm2
T=0.
1
3+0
t
n21
a
0
1
l
o 断層 内物 質
- 平均値
---平均値 -lo
せん断応力 で
せん断応力 →
-o
--平均値
平均値
断層 内物質
-1ロ
.
垂直応力 げ
′
′
ノ
-
′
′
1
.5
2.
0
0.
0
0.
5
(
N/
m
mZ
)
静的単純せん断試験結果 (
強度)
平均値
平均値 -1O
○
5
0.
1
.
0
勺
ヽ
.ノ
0
.
5
一
一
一
′ノ
-- - -
〟
′
/
N
′
_
ヽ
5
0
I1
h
u
〟
′
/
N
′
\
0,
0
e
で-0.
23+ut
an21
0 (
N/
m
l
n2)
T-0.1
8+ ota
n21
0 (
N/
mm2)
■
′
メ
′
′
′′
1
,
0
垂 直応力 o
′′′ノ
′
一
一
1
.5
2.
0
(
N/
… 2
)
静的単純せ ん断試験結果 (
残留強度)
平均値
平均値 -1G
第2
-1
図
T-!
0.1
9+ ut
n21
a
0 (
N/n
m 2)
T-:
0.13+ uta
(
N/
mm2)
n
2
1
0
断層 内物質 の強度特性
(
断層 内物質及びシーム の強度特性 を低減 させた検討)
5
l
垂直応力
q
1
.
5
2.
0
0.
0
(
N/
mm2
)
1
.
0
0.
5
垂 直応力 q
静的単純せん断試験結果 (
強度)
で-0.
24+ ot
an1
9
0 (
N/
m
m2)
で-0.1
8+ qt
an1
9
0 (
N/
J
T
m2
)
0
平均値
平均値 110
5
1
.
0
0.5
ヽ
ノ
′
′一
一
一
ノ
一 冒
ロ 一′
一一′
ノ一
一
8
〟
′
/
N
lHH
■
■川
■
5
0
ヽ
ノ
〟
′
/
N
(
0.
0
′
ヽ
1
-O
ロ
「- 平均値
S
S-8
-1
0-lu
せん断応力 →
せん断応力 L
・
一□
O
一一平均値
平均値
S-1
S- 8
0-1q
1
.5
2.
0
(
N/
m
m2
)
静的単純せん断試験結果 (
残留強度)
平均値
で-.
0.1
9十 占t
an1
8
0
平均値 -1c
r で-I
l
o.1
3+ ot
an1
80
第2
-2図
(
N/
m
m2)
(
N/
m
m2)
シームの強度特性
(
断層 内物質及びシームの強度特性 を低減 させた検討)
■
6
第2
2表
すべ
番号
り線
4
すべ り安全率 (
断層内物質及びシームの強度特性 を低減 させた検討, Ⅹ-X'断面)
すべ り線形状
8
4
o
R
ノ
B
T
/
B
弛震
方向
力
5
4
0
_
_
I
r
◆
■
-■一r-/
3
0
○
すべ り安全率
基本検討
断層内物質及
度特性
びシームの強
させ た検討
を低減
I
4.
4
4.1
l
4.
5
4.
2
I
4,
6
4,3
l
4.
8
4.
5
すべ
番号
り線
7
0
O
7
●
■
■
I
-
〟.
.
.
J
.
.
.
.
.
#
5
7
0
o
S
1
0
R
佃
T
""
_
_
"
L
.
L
L
-
8
4
o
3
0
0
S
-10
R′
B
T
′B
5
4
0
I
4.
5
4.2
4.
6
凡例
すべ り線
一
一
一
一
一
一
一
一断層 .シーム
地層境 界
4,3
T
/B
S
1
0
.
一
一
一
一
.
.
.
.
II
一
■
ー
J
_
,
_
.
…
.
一
.
■
r
…
'
r"
4
5
○ .
Lr
;
l
度特性
断層内物質及
びシームの強
させ た検
を低減
討
I
4.
6
4.
3
1
49
0
9
ー
J
ーT
S
8
/.
山
,
州
.
.
一
I
.
A
_
"
=
望
R
′
B
一
.
「
L
⊥
.
.
,
.
_
.
_
.
.
L
壁
L-" L■
,
-一一一
B
..
i..
…
_
"
I
.
T
■
ド
.
.
▼
.
一
一
J
`
■
1
■
=
1
.
.
.
I
.
.
〟
,
岬
J
t
.
.
'
1
岬■ .
:
.
,
.
.
,
:
=
=
f
:
:
]
:
二 J
.
J
1
"
i
l
二,
二
:
二
.
_.
I- ..
- - ..
すべ り安全率
基 本検討
.
_
一
.
_
,
_
_
S
T
1
0
.
_
ー
I
_
.
_
.
〟
,
二
二
=
;
:
.
=
こ
;
:
=
T
:
i
t
i
=
≡
薄
ま
,
=
_
.I
"
.
_
⊥
.
.
J
r
"
,
i
Z
l
=
舟
山
什
■
'
P
L
ー
_
T
,
山
一
.
一
.
=
J
.
モ
ご
=
r
J
L
4
5
88
4
O
R
′
BT
′
B
l
一..
∫
R/
B
地震力
方向
.
㊨
.
45
く
さ
⊃
7
6
5
4
○
T
ノ8
l
き
すべ り線形状
+
;
}
)
'
J
=
=
,
I
"
I
.
L
7
0
0
≡
二
'
.
:I
`
I
i
4.1
3.
8
4.
0
3.
6
3.動的 FEM解析による燃料補助建屋 を付加 したモデルの検討
申請者 は,東西断面
(
Y-Y'
断面)において燃料補助建屋 をモデル
化 し,動的 FEM解析 による安定性 について検討 している。
3.
1 解析条件
7 -Y'断面を対象 に燃料補助建屋 をモデル化 した動的 FEM解析 を
行 っている。
燃料補助建屋のモデルは 多質点系モデルか ら有限要素モデルに変換
,
す ることによ り作成 している。燃料補助建屋 を付加 した Y-Y'
断面の
FEM解析用要素分割図を第 3
-1図 に示す。
その他の解析条件は,基本検討 と同 じである。
3.
2 解析結果及びま とめ
(
1
)すべ りに対す る解析結果
a.主応力分布及び要素 ごとの安全率
地震時の主応力図を参考図集の第 3
-1図に,
要素 ごとの安全率を
参考図集の第 3
-2図に示す。
原子炉建屋基礎岩盤 については,基本検討の結果 と比較 して,新
たに引張応力の発生 した要素及びせん断強度 に達 した要素はない。
また,シームについて も,新たに引張応力の発生 した要素及びせ
ん断強度 に達 した要素はない。
8
b
.すべ り安全率
基本検討 において設定 した原子炉建屋基礎底面沿いの想定すべ
り線 ,断層及びシームを通 る想定すべ り線並びに応力状態 を考慮
した想定すべ り線 を対象 に,動的 FEM 解析 によ り求めたすべ り
安全率を,基本検討の結果 と比較 して第 3
-1表 に示す。
燃料補助建屋 を付加 したモデル による検討 の最小すべ り安全率
は 4.1であ り,すべ りに対 して十分な安全性 を有 している。
なお,基本検討の最小すべ り安全率は 3.9である。
(
2)沈下に対す る解析結果
2表に示
原子炉建屋基礎の傾斜 を基本検討の結果 と比較 して第 3
す。
地震時の原子炉建屋基礎 両端における鉛直方 向の最大相対変位量
.
3
2cmで,その時の原子炉建屋基礎の傾斜 は約 1
/1
8
,
0
0
0であ り,
は0
問題 となる不同沈下が生 じることはない。
.
3
6c m,傾斜は約 1
/1
6
,
0
0
0
なお,基本検討の最大相対変位量は 0
であるO
-3表 に示す。
また,燃料補助建屋基礎の傾斜 を第 3
地震時の燃料補助建屋基礎 両端 における鉛直方 向の最大相対変位
.
2
2cm で,その時の燃料補助建屋基礎の傾斜は約 1
/1
6
,
0
0
0で
量は 0
あ り,問題 となる不同沈下が生 じることはない。
[= ] ctf
粗粒凝灰岩
に
st
st(
H) シルト岩(
硬質都)
コ
Ⅲ
Ⅲ
Ⅲ
シルト岩
m
舶tf 淡灰色火山脱 灰岩
□
圏
d且tf 暗灰色火山棟凝灰岩
[
= ] sd(
W) 堆積岩 (
風化部)
膿
t
b
□b
A
v
安山岩溶岩 (
角襟状)
匡 ヨ da
デイサイト
≡ :
] atf
酸性凝灰岩
国
玄武岩 (
角蝶状)
⊂ コ
軽石凝灰岩
ba
断層
シーム
py(
W)火山砕屑岩(
風化部)
原子炉建屋
Y
I
r
∼
燃建
料塵
補助
」
」
A
l
Hll
l
l
l
■
I
1
.
.
-・
:
ヾ
-
\ /
L
TL・
Ir.
l
;
l
一
▼
\ I
」
Fr
'
l
ll
t
f
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l
l
l
l
I
I
E
i
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l
l
l
l
l
-
】
】
I
r
∫
r
ド
F
巨
ト
J
r
F
≡
≡
≡
.
f
i
r
≡≡
I
E
Y
I
/
】
r
I
≡ ≡≡
▼
■
/
=
=
:
.
L
l
I
.
1
-I
」
r
L
.
J
一
、
一
,
ヨ
:
=
l
=
J
I
-
=
-
暗灰色火山横凝灰岩及びシルト岩
[
=]表
土
・
盛土材
[
=]埋
戻
匠≡
∃ py(
C) 火山砕屑岩 (
クリ
ンカー賢部)
⊂コ
a
且
t細粒汲灰f・粗粒凝灰岩
[
= ] m且V(
I
)安山岩溶岩 (
塊掛 相 則性節理部)
凝灰角硬岩
ptf
⊂コ
may(
R) 安山岩溶岩 (
塊状 ・
規則性節理部)
I
二
一
1
}
-
-3
0
0
-2
5
0
-2
0
0
-1
5
0
-1
0
0
-5
0
0
5
0
1
0
0
1
5
0
2
0
0
第3
-1
図
2
5
0
3
0
0
解析用要素分割 図 (
Y-Y'
断面)
(
燃料補助建屋 を付加 したモデル による検討)
1
0
第3
1表
す 番号
べ り線
すべ り安全率 (
燃料補助建屋 を付加 したモデルによる検討,Y-Y'
断面)
地意
方向
力
す べ り線 形 状
す べ り安 全 率
基本 検討
R
/
B
1
F
A
/
B
I
_
T
I
-+
I
I
L
I
L
L
I
I
--J
I
T
--J
"r
T
T
3
0○
2
R
′
B
84
o F
A/
B
ー
I
■
_
-L
⊥
l
J
■
■
■
-.一一- ■←■r
←
-■
I
■
■J
H"
4
20
o
R
′
B
o F
A
/a
84
70
0
燃
討
デル
を付加
料補助建屋
に よる検
したモ
I
7
.
3
7
.
6
1
7
.
4
7
.
8
I
ll
.
7
1
0
.
8
1
l
l
.
7
1
0
.
5
I
1
5
.1
1
4
.
4
I
1
4.
4
1
4
,
9
凡例
す べ り線
一
一
一断層 .シーム
一
山一
一
地層境 界
討
基本検討
ト
.
.
.
=
T
u
-:
.
=
≡
:
=
U
,
=
=
;
=
`
;
:
;
=
=
=
;
I
"
=
:
L
e
咄-i
mT
t
i
詰
こ
こ
;
{
r
"
R
1
■
=
J
.
T
十
一.
J
I
.
.
■
.
I
I
J
▼
」
;
;
;
;
:
i
i
G
;
;
;
;
;
;
;
:
i
;
;
:
;
i
i
:
P
L
E
I
≡
=
:
=
=
:
=
」
.
.
- {-I
.
-L
-.
.
.
'
=
■
`
R
`
…■
"T
}
=
-J
=
u
書
目
I
l
I
T
.
=
r
}
.
.
.
_
.
一
.
.
L
-J
.
.
.
.
;
;
;
;
;
i
a
l
l
I
6
.
6
デル
を付加
に よる検
したモ
燃
料補助建屋
7
.
3
第3
2表 原子炉建屋基礎 の傾斜
(
燃料補助建屋 を付加 したモデル による検討 , 7-Y'
断面)
発生時刻
(
秤)
最大相
(
鉛直方
対変位量
向) 「
βAY - ∂BV
(
c
m)
最大傾斜
虹
二
し起
基本検討
1
4.
8
9
0.
36
1
/1
6,0
00
燃料補助建屋
ル による検討 を付加 したモデ
29.
5
2
0.
3
2
1
/1
8,
00
0
千
f f
I
.
f
∠
地
吾、
震
時_
二
∫
l
千
A
B
R
/
B
A
B
基本検討
βA
Y
, 6B
Yは上向きを正 とする。
鉛直方向相対変位は左上 りを正 とする。
燃料補助建屋 を付加 したモデル による検討
1
2
第3
-3表 燃料補助建屋基礎の傾斜
断面)
(
燃料補助建屋 を付加 したモデルによる検討,Y-Y'
発生時刻
(
秒)
最大相対変位
(
鉛直方 向)量
∂A
y- ∂B
Y
燃料補助建屋
ルによる検討 を付加 したモデ
f
f
1
.
,
'
∠
T
A
1
4.
8
5
地震時
え
ー_ 山∫
I
B
T
BA
Y, SB
Yは上向きを正 とす る。
鉛直方向相対変位 は左上 りを正 とす る。
1
3
(
c
m)
0
.
2
2
最大傾斜
坦旦
適し
1
/1
6
,
00
0
4.慣用法による燃料補助建屋基礎地盤の安定性検討
申請者 は,燃料補助建屋基礎地盤の安定性 を検討するに当たって,燃
料補助建屋基礎底面の支持力,平面すべ り及び建屋築造による沈下に対
す る安全性 については慣用法 により検討 している。
4.
1 解析条件
解析で対象 とす る断面は,燃料補助建屋 中心を通 る南北方向断面であ
るⅩ-Ⅹ'断面 と, これ に直交 し中心 を通 る東西方 向断面であるY-
Y'断面 としている。
燃料補助建屋の水平方向の地震力については,原子炉建屋 と同様に層
せん断力係数 3.
OCIに基づ く地震力を,鉛直方向の地震力については,
燃料補助建屋に 0.24G を作用 させている。作用方 向は解析断面の水平
方向及び鉛直 2方向としている。
地下水位 は,基礎スラブ上面に設定 している。
4.
2 解析手法
(
1
)支持力 に対す る検討
燃料補助建屋 の支持力 に対す る検討では,燃料補助建屋基礎底面
に分布す る凝灰角磯岩 と原子炉建屋基礎底面に分布す る淡灰色火 山
磯凝灰岩 の岩石試験結果がほぼ同程度 と考 えられ ることか ら,
淡灰色
火 山磯凝灰岩 の支持力試験結果 と燃料補助建屋基礎底面における接
地圧分布 とを比較 して,
基礎底面地盤 の常時及び地震時の支持力に対
す る安全性を検討 している。
1
4
(
2)平面すべ りに対す る検討
燃料補助建屋基礎底面の平面すべ りの検討では,燃料補助建屋の
基礎底面の岩盤 区分である凝灰角磯岩のせん断強度 として淡灰色火
山磯凝灰岩 のブ ロックせん断試験結果か ら推定 した値 を用いて,原
子炉建屋基礎底面の平面すべ りに対す る検討 と同様な手法によ り検
討 している
。
具体的には,凝灰角硬岩 のせん断強度 は建屋 の地震時の平均接地
圧 0.
33N/
m
2 にお ける凝灰角硬岩
と淡灰色火 山磯凝灰岩 との三軸圧
.
91か ら,淡灰色火 山磯凝灰岩のブロックせん断試験のせ
縮強度比 0
ん断強度 を低減 させ て求めている。 このよ うに推定 した凝灰角磯岩
rとの関係 は,以下の とお りで
の破壊時のせ ん断応力 Tと垂直応力 c
ある。
mm2
)
で-0.
47十 gt
a
n35
0 (
N/
平面すべ りの検討ケースを第 4
-1表に示す。
(
3)沈下に対す る検討
燃料補助建屋 の沈下に対す る検討では,燃料補助建屋基礎底面に
分布す る凝灰角硬岩 の割線弾性係数 として淡灰色火 山磯凝灰岩の岩
盤変形試験結果か ら推定 した値 を用いて検討 している。
.
2
6N/
mm2における凝灰角磯岩
具体的には,建屋 の常時の接地圧 0
と淡灰色火 山磯凝灰岩 との三軸圧縮試験に基づ く静弾性係数比 0
.
9
6
か ら,淡灰色火 山磯凝灰岩の岩盤変形試験の割線弾性係数 を低減 さ
.
5
6×103
N/
m
m2,凝灰角藤岩の-軸及び
せて算出 した割線弾性係数 1
1
5
三軸圧縮試験か ら求めたポア ソン比 0.
47,並びに三軸クリープ試験
23を用いて沈下量を求め,安全性 を検討
か ら求めたク リープ係数 0.
している。
4.
3 解析結果及びまとめ
(
1
)支持力に対す る安全性
-2表に示す。
燃料補助建屋基礎底面における接地圧分布 を第 4
燃料補助建屋の常時の接地圧 は約 0.3N/
m 2,地廉時の最大接地圧
.
7N/
r
n
m2であ り,
燃料補助建屋の接地圧 は原子炉建屋に比べて
は約 0
小 さいことか ら支持力が問題 とな らない。
(
2)平面すべ りに対す る安全性
平面すべ りの検討結果 を第 4-3表に示す。
最小すべ り安全率は 3.3 であ り,すべ りに対 して十分な安全性 を
有 している。
(
3)沈下に対す る安全性
燃料補助建屋築造による沈下量は,燃料補助建屋 中心で約 0.
8cm
であ り,燃料補助建屋の沈下は,そのほ とん どが短期間で収束する
ことか ら,建屋及び機器 に与える影響はない。
1
6
第4
-1表
慣用法検討ケース (
燃料補助建屋)
解析 手法
解析断面
地震力方向
慣用法
Ⅹ-Ⅹ'断面
ー」
1
7
/
.
′
ヽ
第4
2表
水 平地震力方 向
l
日
l
燃料補助建屋基礎底 面にお ける接地圧分布
Ⅹ-Ⅹ'
常時
鉛 直地震力方 向
荷
屋
塞
逮
転倒モーメン
(
N.
m)直力
ト2)1
鉛直力
.
有効鉛
(
N)
)
鉛 直力
浮力
しない場合
を考慮
- 有効鉛直力
鉛直力
1
30.090×1
07
55,
485X1
07
325.6×1
07直力
有効鉛直力
鉛
T
51
.569×1
07
34.007×107
有効鉛直力
鉛 直力
1
30.090×107
55.
485×1
07
332.3×1
07直力
有効鉛直力
鉛
18.75×107
51
.569×1
07
有効鉛 直力
18.75×107
lF
l
4
5
l
,
0
l
mh
L
⊥
」E I
4
5
.
0
O
n
l≡ 妄
l㊨
l l
J
」4
5
.
0
〔
l
m
l
l
0.
26N′mm2
浮した場合
力 を考慮
34.007×1
07
-
水平力
(
N)2)
痩
空
症
析
解
分
果
也
紘3
)
40.829×1
07
Y-Y'
地震 時
T
44.746×107
ー
了 \.
l l
l
L 0
4
.
4
5
9
.
日
0′
0
′
M
mm2ー
(
q
,
n
0
T
n
.
=
6
0
2
N
.
0
/
8
m
N
′
r
n
m
2m2
)
0.
63
N/mm2
3
5
4
5
.
C
I
n
l
l l」
4
5
.
0
n醍
0.
48
N/mm2
0.
6
6N/mm2
(
U
,
n
0
;
n
.
=
59
0日
.
0
/
5
m
N/
mm
2m2)
35.
50
m
≡
0.
6
8日/mm2
第4
3表
水平地震力方向
Ⅹ-Ⅹ'
Y-Y'
すべ り安全率 燃料補助建屋基礎底面の平面すべ り
鉛直地震力方 向
抵抗力 (
N)
せん断力 (
N)
すべ り安全率
T
8.
OX108
1
.9X108
4,
2
1
ll.1×1
08
1
.9×108
5.8
T
6.
4Xl
O8
l
.
9×108
3
.
3
r/
1
9
.
5
.ま とめ
申請者が実施 した,動的 FEM解析による断層内物質及びシームの強
度特性を低減 させた検討,動的 FEM解析による燃料補助建屋を付加 し
たモデルの検討並びに慣用法 による燃料補助建屋基礎地盤 の安定性検
討について,これ らの解析結果は妥当であると判断 した。
20