『ERP導入事例セミナー'97.4.24』 1 岡谷電機産業(株)における ERP導入事例 《パッケージ:Baan社 TRIMCS》 1997. 1997.4.24 岡谷電機産業株式会社 電算室 室長 宮下 俊成 岡谷電機産業株式会社 2 AGENDA • • • • • • • • • • • • • 1.会社概要 2.製品紹介 3.システム化の狙い 4.統合パッケージ選定理由 5.システム構成 6.プロジェクト体制 7.開発スケジュール 8.システム化の範囲 9.システムの特長 10.主なカスタマイズ 11.導入効果 12.導入に当たって苦労した点 13.今後の課題 岡谷電機産業株式会社 ERP研究推進フォーラム -1- 『ERP導入事例セミナー'97.4.24』 3 岡谷電機産業株式会社の概要 • • • • • • • 設立 本社所在地 工場 資本金 従業員数 売上高 事業内容 : : : : : : : 昭和14年4月 東京都渋谷区渋谷1−8−3 埼玉、長野、東京(関連工場9 埼玉、長野、東京(関連工場9社) 24億円 387名(96年9月) 100億円(97年3月予想) 回路部品(54%) 表示部品(27%) 電子機器(19%) 岡谷電機産業株式会社 4 システム化の狙い 従 来 ◎パソコンによる部分的なシステム化【工場部門】 ・業務全体を一元的にサポートできていない。 ・各工場での作業手順や方法が標準化されていない。 ◎現行システムの老朽化、行き詰まり【営業/財務部門】 ・10年以上前に各々単独に開発してきたホストコンピュータ処理 ・情報のやりとりがスムーズにできないなど、小手先での改善では解決できない。 ◎業務全体のプロセスの見直し、間接業務の省力化とスピードの向上、 狙 い 在庫管理の強化を図る。 ・3工場及び関連分工場をも含め、基本的に仕組みが同じ生産管理システムを構築 ・伝票/帳票類の全面的な見直しとペーパレス化を指向 ◎全体の生産・販売・財務システムを統合し、全社データの一元化と顧客 サービスの向上を図る。 ・情報インフラの整備 ・生販連携による製品在庫の削減、業務活動のスピードアップ 岡谷電機産業株式会社 ERP研究推進フォーラム -2- 『ERP導入事例セミナー'97.4.24』 5 統合パッケージ選定理由 □ 基幹業務の見直し/改善そのものを、統合パッケージをテンプレートとして利用 ・製造業における各種ノウハウが利用できる ・標準ビジネスプロセスとの相違が分かる ・生産/販売/財務が統合化されている ■ 全体最適の視点で、段階的導入を図る ・対象システムは、生産管理(3工場)/販売管理/財務管理 ・全システム完了後に、はじめてアウトプットが出るのでは困る ■ 各工場共に多様な生産形態ではあるが、生産管理システムは一体化を図る ・本体3工場の他、将来的には関連会社にも適用を考慮 □ エンドユーザコンピューティング(EUC)の推進 ・オープンかつ最新のアーキテクチャを利用したい ・基幹業務データベースを活用し、Excel上で自由に加工・レポート作成したい ●画面や帳票などの変更は専門知識がなくても、ユーザ側で対応したい ●画面や帳票などの変更は専門知識がなくても、ユーザ側で対応したい (■,●:TRIMCSの特長) ■,●:TRIMCSの特長) 岡谷電機産業株式会社 6 システム構成(全体) 三軒茶屋本部 O-9000/800 TRIMCS 本社 販売管理 O-9000/800 調布物流センタ TRIMCS 財務管理 ・・・ ・・・ 営業所 ISDN OKI 工場 O-9000/800 TRIMCS 生産管理 海外 リモートメンテナンス 東京情報システムセンタ ・・・ 埼玉製作所 長野製作所 岡谷電機産業株式会社 ERP研究推進フォーラム -3- 『ERP導入事例セミナー'97.4.24』 7 プロジェクト体制 【岡谷電機産業株式会社】 【沖電気工業株式会社】 TRIMCS推進プロジェクト 電算化委員会常任委員 営業 役割:電算化構築内容及び業務改革事項の コンサル(業務・TRIMCS) 決定・承認 プロジェクト統括 メンバ:常務及び各部門長クラス カスタマイズ 事務局・電算室 社内支援部門 TRIMCの対象領域外 電算化プロジェクト常任委員 技術サポート (ハード・OS・D/B・NW) 役割:業務仕様の検討&具体化提案 アドオンソフト開発 自部門への教育展開、課題の吸上げ 保守、工事 メンバ:各部門から選出された中間管理職 外部支援部門 システム運用推進グループ 業務コンサルタント TRIMCS技術支援 役割:システムを円滑運用するための推進役 (BAAN Japan) メンバ:各職場から選出された業務担当者 岡谷電機産業株式会社 8 開発スケジュール《実績》 期間(月) 生産管理 94年 | ・・・ 95年 ・・・ 開発 試行 併行 11 8 ◆キックオフ 3 − (1次) 3 6 9 ▽ | 12 ・・・ 96年 ・・・ 3 6 9 | 12 ▽・・ ▼埼玉:96 ▼埼玉:96/4∼ ・・ ▼長野:96/6 ▼長野:96/6∼ 生産管理 6 3 ・・ ▼南多摩:96/7 ▼南多摩:96/7∼ − ▽ (2次) ▽・・ ▼埼玉:96/6 ▼埼玉:96/6∼ ▼長野:96/8 ▼長野:96/8∼ 販売管理 14 2 3 財務管理 14 2 4 ▽ ▽ ▽・・・・▼営業:96/9 ▽・・・・▼営業:96/9∼ ▽・・ ▼経理:96/10∼ 現行販売/財務システムの運用停止:96/12∼▲ 岡谷電機産業株式会社 ERP研究推進フォーラム -4- 『ERP導入事例セミナー'97.4.24』 9 システム化の範囲《生産管理システム》 1次システム 能力経計画 CRP 2次システム 購買管理 PUR 販売見込情報 手配受付処理 SLS 資材所要量計算 MRP 製番計画 PCS 製番所要量計算 PRP 基本情報 原価計画 在庫管理 INV 出荷管理 SLS 工程管理 SFC 岡谷電機産業株式会社 10 システム化の範囲《販売管理システム》 顧客 受注管理(SLS) 在庫管理(INV) 出荷管理(SLS) オーダ登録/修正 手配振分け 受注/出荷残 計画在庫補充 在庫問合わせ 棚卸処理 出庫・出荷指示 納品メンテナンス 売上実績管理 原価管理 購買管理(PUR) 生産依頼 入庫処理 手配残 基本情報 品目管理 顧客/取引先 取引先 顧客 自工場/関連会社 岡谷電機産業株式会社 ERP研究推進フォーラム -5- 『ERP導入事例セミナー'97.4.24』 11 システム化の範囲《財務管理システム》 各事業所 生産管理システム 生産管理システム 買掛金・売掛金・未収入金 買掛金管理 ACP 販売管理システム 販売管理システム 現行オフコンシステム 一般会計 経費買掛 手形発行 本社経理 一般会計 GLD 経費買掛・仕訳情報・手形情報 売掛金管理 ACR 現預金管理 CMG 支払手形 費用配賦 CAL 岡谷電機産業株式会社 12 システムの特長《生産管理システム》 □ 製番・MRPの混合方式 ・製品及び半製品レベルは、営業からの生産依頼に基づく製番管理 (販売見込情報から、在庫計画に基づく先行手配品も一部あり) ・部材レベルは、標準品ならばMRP(SIC)、特注品ならば製番 □ 計画主導型のオーダ指示と、変更の自動吸い上げ ・リードタイム・ベースの納期/着手日設定 ・予定日前のオーダ発行を押さえることにより、変更はシステムが自動吸収 □ データ・エントリ-の効率化と精度向上 ・バーコード付きの納品書、作業伝票 ・大量なデータ・エントリーは、バーコードリーダによるリアルタイム処理 端末直結型/無線ハンディ-ターミナル型 岡谷電機産業株式会社 ERP研究推進フォーラム -6- 『ERP導入事例セミナー'97.4.24』 13 システムの特長《販売管理システム》 □ 製品在庫圧縮に向け、受注生産体制への段階的展開をサポート ・標準品/準標準品/受注品の切り分け ・準標準品に注力し、工場への情報提供を強化 (標準品(=流れ品)の在庫計画はシステム依存を原則) □ 業務活動のスピードアップに向け、基本はすべてリアル処理 ・タイムリーなメンテナンス&フォローによる情報の鮮度維持 ・実績情報(受注高/売上高等)の当日(当時点)把握 ・情報検索の共有化 □ 管理情報の充実化 ・受注/売上げ等の実績データを「日」「月」「年」別に情報管理 ・EUC(エンド・ユーザ・コンピューティング)により、多面的な切り口からの情報入手が パソコン上で可能 営業所(担当)別/顧客別/製品群別・・・・ 岡谷電機産業株式会社 14 システムの特長《財務管理システム》 □ 現行オフコン(ICS)システムとの連携システム ・データエントリーとして 一般出納、振替伝票等はICSへ直接入力した後、TRIMCSへ連動 各拠点現場からのキーボード入力による不慣れ・混乱を回避 摘要欄等のイメージ情報をOCRで読みとり ・発行機として 手形発行機能を踏襲 □ 買掛金の自動計上 ・日本の商習慣対応として 購買管理システムからの検収情報と、請求書の照合手続きをはずす 岡谷電機産業株式会社 ERP研究推進フォーラム -7- 『ERP導入事例セミナー'97.4.24』 15 主なカスタマイズ □ インプット:入力処理の効率化 ・無線ハンディーターミナルによるデータエントリーシステム ・一連手続きの連続化、バッチ処理化 ・複数画面の単一画面化 □ アウトプット:対外的帳票類の新規作成 ・注文書、納品書等のデザイン帳票 ・決算(監査)関連報告書 □ 機能の追加/変更 ・日本の商習慣への対応 ex)有償支給、締め、手形関連 ・従来のノウハウ/方式の継承 ex)出庫・出荷指示、統計資料 □ 現行システムとのインターフェース ・段階的導入及び試行/併行運用への対応 岡谷電機産業株式会社 16 導入効果 □ 間接部門業務の省力化 ・注文書の自動発行と検収の自動化 ・在庫精度向上に伴う月次実地棚卸の廃止 ・ファイル共有による問合せ業務の低減 □ 管理/分析資料の充実 リアルタイムなデータ更新とEUC活用をベースに。 ・情報の早期入手/鮮度向上 ・多面的分析/ペーパーレス化 □ 統合化 生販財連携により、 ・受発注業務、売掛/買掛業務の効率化 ・各部門の詳細情報がオープン 【今後の評価課題】 運用の定着化を見極めてから、別途評価を予定。 ・トータル在庫の削減 ・生産リードタイムの短縮 ERP研究推進フォーラム 岡谷電機産業株式会社 -8- 『ERP導入事例セミナー'97.4.24』 17 導入に当たって苦労した点 1 (1)基本情報の整備 ・品目マスタ コード化設定よりスタート ・BOM(部品表) 階層化の見直し(従来は資材調達用に、製品−資材の親/子関係中心) ・工順マスタ 新規設定 (2)プロジェクト体制 ・業務検討 ラインの多忙な次長・課長クラスが検討メンバの中心で、兼務がやっと 詳細フェーズ後半から実務キーマンの投入 岡谷電機産業株式会社 18 導入に当たって苦労した点 2 ・電算室 開発期間中は5拠点3システムを専任1名で対応 データ整備、移行、立上げ、試行/併行運用時の混乱 対策:運用フェーズに入ってから2名増強。 画面/帳票変更、EUCによるレポート作成等を自立化 (3)パッケージ教育/プロトタイプ評価 ・新業務の全体フローと個々の業務プロセスの位置づけ・機能詳細を 完全に理解せずして、プロトタイプ検証に難 ・この段階でのカスタマイズ要件の洗出しが不十分 結果として、後半フェーズにずれ込み (4)その他 ・現行システムの機能/運用への愛着と現場説得の限界 ・日本の商習慣へのパッケージの対応遅れ(特に財務管理) 岡谷電機産業株式会社 ERP研究推進フォーラム -9- 『ERP導入事例セミナー'97.4.24』 19 今後の課題 マネジメントシステムの強化 ・情報の有効活用 ・EUCの促進 ・そのためのシステム改善 《 今後 》 システムによる情報管理 オペレーショナルシステム ・情報の共有化 ・スピーディな情報入手 〔推進課題〕 ・データ精度の向上 ・運用の早期定着 《 現状 》 岡谷電機産業株式会社 ERP研究推進フォーラム -10-
© Copyright 2024 ExpyDoc