佐伯港 女島地区 佐伯港 女島地区 国際物流ターミナル整備事業 国際

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平成23年度
成 年度 第5回
第
九州地方整備局 事業評価監視委員会
さ いき こう
め じま ち く
佐伯港 女島地区
国際物流タ ミナル整備事業
国際物流ターミナル整備事業
① 事業採択後3年経過して未着工の事業
② 事業採択後5年経過して継続中の事業
③ 再評価実施後3年経過した事業 (経過措置)
④ 社会経済情勢の急激な変化、技術革新等により再評価の実
施 必要が生じた事業
施の必要が生じた事業
1.事業概要・目的
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本事業は、船舶の大型化による輸送効率化に対応するため、国際物流ターミナ
ルの整備を行うものである。同時に、当該プロジェクトにより整備される防波堤に
より、港内静穏度が向上、旅客船の欠航等回避が可能となる。
平成5年に事業着手し、現在、岸壁(-14m)、航路(-14m)、泊地(-14m)、防波堤等
の施工を行っている。
凡 例
(陸上)
(海上) 整備中箇所
(陸上)
(海上) 整備済箇所
今回対象外区域
平成25年に岸壁の供用開始を予定している。
造船所
◆航路(-14m)
現在、整備中
造船所
◆泊地(-14m)
現在、整備中
全体事業費
(億円)
既投資額
(億円)
残事業費
(億円)
区分
施設名
規模
直轄
岸壁(-14m)
280m
84
80
4造船所 95%
直轄
泊地(-14m)
10.3ha
25
22
2
90%
直轄
航路(-14m)
4.7ha
6
3
3
42%
直轄
防波堤
220m
16
4
11
26%
3.6ha
15
8
7
56%
145
117
28
81%
起債等 ふ頭用地等
合
計
◆防波堤
現在、整備中
進捗率
◆埠頭用地3.6ha)
現在、整備中。
◆岸壁(-14m)
現在、整備中。
女島地区
木材団地
※ 端数処理のため、必ずしも合計は一致しない。
本資料 港湾-2-4 参照
◆事業の効果・必要性(国内産業活性化の支援・経済損失の回避)
佐伯港の位置付け
主要産業の動向
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佐伯港は、戦後、臨海部にパルプ、造船、セメント、合板等の企業が立地
し、大分県南部の流通拠点として発展してきた。岸壁(-14m)が完成すれば
九州東岸ではバルク貨物を取り扱うことが出来る最大水深の公共バース
となる。
・ 佐伯市近隣に立地しているセメント製造会社のグループ国内シェアは約36%を占めている。
・ 同セメント製造会社のグループ国内生産工場の一つである津久見工場は国内拠点工場に位置
づけられており、製品出荷量は約400万トンである。
事業の目的
広域なバルク貨物の輸入基地として期待
されているが、船舶の大型化に対応した
係留施設が無い。
海崎地区
大入島
岸壁(-14m)
坂ノ浦地区
葛地区
鶴谷地区
女島地区
佐伯駅
効果①②
防波堤
大型係留施設の整備により、原料の
大型係留施設の整備により
原料の
一括輸入等が可能となる。荷主は、物
流機能の効率化によるコスト削減を図
ることができる。
荒天時におけ
る静穏度が十
る静穏度
十
分でないため
小型船舶の避
難や旅客船の
欠航が生じて
いる。
効果③
防波堤を整
備することに
より、静穏度
が向上し欠
航が回避で
きる。
本資料 港湾-2-5 参照
2.社会情勢の変化
PAGE.4
● 世界のバルク船は、今後、益々大型化の傾向。
世界のバルク船は 今後 益々大型化の傾向
● 海外炭の輸入先の内、中国からの輸入割合は減少し、オーストラリアの割合は増加。
(海上輸送距離が延びることにより、船舶大型化による輸送費用削減効果は大きくなる。)
● 平成21年3月 大分県知事が大入島に埋め立てる予定であった航路・泊地の浚渫土砂を
岸壁背後のふ頭用地に活用する方針を明らかにしたため、土砂処分場を変更し事業費が増
加した。
● 平成22年2月 佐伯市近隣に立地しているセメント製造会社のうち、一部が平成22年度
上期中にセメント生産中止を発表。
(百万トン)
200
190
180
170
160
150
140
130
120
110
19
100
90
16
80
5
70
5
6
60
60
50
H4
世界のバルク船の船型動向
我が国の石炭輸入量の推移
100%
8
6
9
14
20
18
5
9
10
65
17
4
12
13
6
12
6
16
25
29
3
11
11
33
15
6
11
11
34
6
91
9
その他
80%
カナダ
70%
ロシア
60%
インドネシア
中国
103
113
117
7.5
9.8
11 5
11.5
オーストラリア
14 2
14.2
22.8
28.4
33.9
41.3
72.3
30%
64.1
46.1
56.9
49
42.5
20%
10%
71
9.2
48.7
50%
40%
25
5
90%
1万重量㌧以上
4万重量㌧以上
37.1
10万重量㌧以上
0%
H7
H10
H13
H16
H19
H22
S59
H4
H10
H15
H20
H23
本資料 港湾-2-9 参照
3.前回評価時からの変化
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項 目
前回評価時
(H19)
今回評価時
(H23)
事業費
約122億円
約145億円
供
供用目標
標
平成25年
成 年
平成25年
成 年
全体事業
B/C
1 5
1.5
1 1
1.1
総便益B【割引後】212億円
総費用C【割引後】142億円
総便益B【割引後】221億円
総費用C【割引後】196億円
6.6
7.5
総便益B【割引後】212億円
総費用C【割引後】 32億円
総便益B【割引後】221億円
総費用C【割引後】 30億円
残事業
B/C
変更理由
土砂処分場の変更等
-
-
-
本資料 港湾-2-6 参照
【前回評価時からの変化の詳細】
変 更 理 由 ・ 内 訳
項 目
事業費
PAGE.6
・土捨場の変更に伴い、約7億円のコスト増。
・岸壁の供用に最低限必要な回頭円の範囲として航路・泊地を縮小したことにより約2億円のコスト減。
岸壁の供用に最低限必要な回頭円の範囲として航路 泊地を縮小したことにより約2億円のコスト減。
・今後の計画の見直しを加味し防波堤整備費用の負担分として約12億円のコスト増。
・荷役形態の変更により石炭取扱いのための荷役機械の整備費用として約5億円のコスト増。
供用目標 変更無し
前回(H19)
今回(H23)
備 考
石炭(478千㌧/年)
石炭(863千㌧/年)
物流効率化の拡大による需要量の変更
石こう(240千㌧/年)
石こう(126千㌧/年)
直近の情勢変化による需要量の変更
漁船202隻
作業船・旅客船35隻
旅客船1,246人/年
利用者ヒアリングによる追加
〔便益〕
全体事業 海上輸送コスト削減
B/C
静穏度向上による
欠航等回避
-
前回(H19)
今回(H23)
備 考
石炭(478千㌧/年)
石炭(863千㌧/年)
物流効率化の拡大による需要量の変更
石こう(240千㌧/年)
石こう(126千㌧/年)
直近の情勢変化による需要量の変更
漁船202隻
作業船・旅客船35隻
旅客船1,246人/年
利用者ヒアリングによる追加
〔便益〕
残事業
B/C
海上輸送コスト削減
静穏度向上による
欠航等回避
-
本資料 港湾-2-6 参照
【事業費の主な変更点】
◆浚渫土砂の土砂処分場の変更
【当初】 大入島にて埋立
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【変更】 浚渫土砂を岸壁背後に活用
大入島
大入島
浚渫船
浚渫船
浚渫土砂は、埋立材として使用可能
岸壁背後に活用することから、浚渫土砂は
いったん陸上にて改良が必要
◆浚渫整備エリアの縮小
【当初】 航路・泊地を
まで整備
隣接する岸壁に必要な回頭円を整備範囲として設定
【変更】
分の範囲を縮小
岸壁の供用に最低限必要な回頭円の範囲とし
て航路・泊地を縮小
4.事業の投資効果
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国際物流ターミナル整備事業の効果
分
類
輸送・移動
安心 安全の確保
安心・安全の確保
広域的な経済活性化
内
容
定
量
・海上輸送コスト削減(石炭、石こう)
海上輸送
ト削減( 炭
う)
大水深岸壁の整備により大型船の利用が可能となり ・9.7億円/年(平成25年)
大量一括輸送を実現
・静穏度向上による欠航等回避
避難・欠航による経済損失の回避(防波堤の整備により、
避難
欠航による経済損失の回避(防波堤の整備により、
1 0 億円/年(平成25年)
・1.0
荒天時の小型船の避難作業や港内旅客船の欠航を
削減)
・大分県南部地域及び関東、東北、北海道の経済活力
-
の維持に寄与
化
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環境負荷の軽減
・船舶の大型化による一括輸送が可能となりCO2排出量 ・CO2 約29%削減 23,501→ 16,749㌧-c/年
を削減
交流機会の増加
・旅客船入港による交流機会の増加が期待される
地元の大型旅客船誘致要請への対応が可能となる
-
その他
・大水深岸壁の確保及び大型岸壁の拡充による企業誘
致の促進や港湾関係企業の活性化
・港口部防波堤の整備による津波被害の軽減
-
: 貨幣換算し便益を計測する項目
本資料 港湾-2-10 参照
事業の投資効果①〔海上輸送コスト削減<石炭>〕
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水深14m岸壁を整備することにより、船舶の大型化が可能となり大量一括輸送が実現、海上輸
送コストが削減できる。
石炭(輸入)
Without時
津久見港
関 東
北海道
瀬戸内等の
臨海部工場
With時
関 東
津久見港
海上輸送
瀬戸内等の
臨海部工場
北海道
海上輸送
新居浜港
専用桟橋
佐伯港女島地区 水深14m岸壁
12 000DWT
12,000DWT
30 000DWT
30,000DWT
18 000DWT
18,000DWT
海上輸送
44 000DWT
44,000DWT
55,000DWT
相手港
輸
輸入:豪州(ニューキャッスル)
豪州(
キ
) 863千トン/年
年
輸送費用【石炭】
平均輸送費用@約4,050円/トン
輸送コスト
■海上輸送コスト削減便益
平成25年 7.6億円/年
石炭 1トン当たりの
平均輸送費用の差分
約 880円/トン
× 年間取扱貨物量 =
×
約 863千トン =
年間便益
相手港
輸入:豪州(ニューキャッスル) 863千トン/年
輸送コスト
輸送費用【石炭】
平均輸送費用@約3,170円/トン
約 7.6億円
約 7.6億円
本資料 港湾-2-11 参照
事業の投資効果②〔海上輸送コスト削減<石こう>〕
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水深14m岸壁を整備することにより、船舶の大型化が可能となり大量一括輸送が実現、海上輸
送コストが削減できる。
石こう(輸入)
Without時
With時
佐伯港
水深14m岸壁
佐伯港
水深10m岸壁
海上輸送
海上輸送
12,000DWT
55,000DWT
相手港
輸
輸入:タイ(レムチャバン)
タ (
バ ) 126千トン/年
年
輸送費用【石こう】
輸送費用@約3,250円/トン
輸送コスト
■海上輸送コスト削減便益
平成25年 2.0億円/年
石こう 1トン当たりの
輸送費用の差分
約1,620円/トン
× 年間取扱貨物量 =
×
約 126千トン =
年間便益
相手港
輸入:タイ(レムチャバン) 126千トン/年
輸送コスト
輸送費用【石こう】
輸送費用@約1,630円/トン
約 2.0億円
約 2.0億円
本資料 港湾-2-12 参照
事業の投資効果③〔静穏度向上による欠航等回避〕
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国際物流ターミナルの整備に合わせ、防波堤を整備することにより、荒天時における小型船舶の
避難や旅客船の欠航による経済損失を回避できる。
With時
Without時
大入島
旅客船
港奥部へ避難
台船の設置
欠航
港内へ避難
女島
台船裏に避難
漁船・遊漁船 葛
鶴谷
小型内航船
作業船
中川上流へ避難
■欠航等回避便益
平成25年 1.0億円/年
1 0億円/年
本資料 港湾-2-13 参照
5.対応方針(原案)
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○ 本プロジェクトは、海上輸送コスト削減、安心・安全の確保、環境負荷
の軽減等に寄与する事業である。
○ 事業進捗率は約81%(117億円:平成23年度末) 。残事業は約19%(約
28億円)で、投資効果を発現するための岸壁整備、航路増深等であり、
平成25年度末までに整備完了予定である。
○ 大分県、佐伯市、佐伯商工会議所や港湾ユーザー等から早期の供用
大分県、佐伯市、佐伯商工会議所や港湾ユ ザ 等から早期の供用
開始を強く要望されている。
引き続き事業を継続することとしたい。
本資料 港湾-2-17 参照