佐賀大学TLO 佐賀大学研究室訪問!! 医学部 看護学科 看護基礎科学講座 看護機能形態学分野 河野史 教授 人体の謎を暴く!?脳内視床下部を中心とした神経回路の解明!! 【研究テーマ】 「自律機能調節に関わる中枢神経内回路の解明」 「看護学における、基礎的機能形態の研究」 【研究概要】 人間の体内の中においても特に謎多き存在であ る「脳」。まだまだ未解明な点も多く、神秘的な ベールに包まれている「脳」ですが、河野先生は そんな脳内における神経の繋がりと神経伝達物質 との関係について研究を進めています。 人間の脳の中には、自分の意思とは無関係に働 く自律神経を調節する視床下部が存在します。視 床下部は、体温調節、満腹・空腹感、体液・水分 調節、血圧調節など人間の自律神経を調節してい る非常に重要な箇所です。河野先生はそんな視床 下部の働きの中でも、特に体液や血圧のバランス を調節する視床下部における、神経回路のつなが りや神経伝達物質の関わりについて研究を行って います。 体内に網目のように張り巡らされている神経系 は、情報伝達の経路や仕組みなど未解明の部分が 多く、脳における神経回路についてもまだまだわ からない点が多く存在します。 河野先生は、生後6~7週目のラットを用いて、 神経ルートとそれに関わる神経伝達物質の解明に 取り組まれています。具体的には、視床下部に存 在する神経細胞の一部にトレーサーを注入し、ト レーサーの動きを解析することによりその神経の ルートを探るとともに、神経伝達物質を証明する ことにより神経ルートの調節様式を調べていま す。このように、生命活動維持のための身体機能 調節の主役とも言える自律神経による調節システ ムについて、機能・形態学的な視点から広く研究 河野 史 教授 を行われ、この自律神経の基幹である視床下部を中心 とした脳内自律神経回路における神経のつながりと神 経伝達物質の解析・解明に先生は力を注いでいます。 先生が行っている研究は、現在においては基礎段階 的な研究であり、また使われている手法についても非 常に地道な作業を用いている為、少しづつ少しづつ成 果を積み重ねていった上で解析を進めている状況で す。しかし同じような研究を行っている研究者が少な く、また未解明な点も多々ある事から、脳や神経回路 の謎を解明する第一人者としての期待が膨らみます。 また、教育面では看護機能形態学分野において、医 学科の協力を得て、解剖学・生理学・生化学・病理学 の教育を担当されています。研究面では看護学と連携 する形態や機能における基礎的研究を目指し、現代の 看護学に対応できる研究の展開を支援されています。 未知なる人体の解明を目指し、また医学と看護学の より有益且つ相関的な融合を目指して、先生の奮闘は 続いています。 実験事例の写真(神経回路の解析) ミヤコグサの根粒 神経終末(足先に相当)にトレーサを注入し、そのトレーサが神 経細胞体(頭に相当)において同定される事を確認する実験。 神経細胞体にトレーサを注入し、そのトレーサが神経終末へ投射 されることを確認する実験。 (トレーサとは、神経細胞の長い突起内を輸送される色素や蛋白)
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