薬事関係法規Ⅰ

薬事関係法規Ⅰ
[健康・漢方・医療]4 年次 (前期) 1 単位(必修) 講義
喜多代晋
〔授業概要および目標〕わが国は、世界に類のないほど急速な少子高齢化社会へと進んでいる。そのため、医療や福祉の面でも超高齢化社会
に対応が可能な社会保障制度の構築が求められている。厚生労働省は、安全で安心な質の高い医療提供体制の充実を図るため、医療法や健
康保険法などの関連法規を改正し、新たな社会保障制度の検討などを推し進めている。薬事関係法規Ⅰでは、わが国の医療制度の概要と法
体系を初め、医療の担い手の一員である薬剤師の身分法としての薬剤師法、学生の将来を見据えて、仕事の上で必要不可欠な薬事法等につ
いて、法律制定の背景から改正に至るまでを理解し、医療人としての自覚が持てる人間として成長をすることを目標としている。
〔授業計画〕前期
回
項目
到達目標(授業内容)
方略
コアカリ
SBO 番号
1
法・倫理・責任
薬剤師に関連する法令の構成を説明できる。薬剤師の医療の担い手としての
倫理的責任を自覚する。製造物責任法を概説できる。
2
医療制度
日本における社会保障制度のしくみを説明できる。社会保障制度の中での医
療保険制度の役割を概説できる。医療保険の種類を列挙できる。
3
医療分業
医薬分業のしくみと意義を説明できる。併せて、基準薬局制度及び薬局業務
運営ガイドラインについて理解する。
4
医療と経済
国民医療費の動向を概説できる。医療費の内訳を概説できる。
5
医薬品開発
医薬品の研究・開発の流れと国際協力、国の支援などを理解する。非臨床試
験の目的と実施概要を説明できる。臨床試験の目的と実施概要を説明できる。
6
薬剤師法
薬剤師法の重要な項目を列挙し、その内容を説明できる。
7
薬事法1
薬事法の重要な項目を列挙し、その内容を説明できる。薬事法の目的と言葉
の定義を理解する。また、薬局の許可基準、構造設備規則について理解する。
8
薬事法2
薬事法の重要な項目を列挙し、その内容を説明できる。医薬品等の販売制度
が大幅に改正されたが、その改正内容と改正に至る経緯を理解し、新制度に
順応していく。
9
薬事法3
薬事法の重要な項目を列挙し、その内容を説明できる。薬事関係の製造販売
業と製造業の役割と許可基準、総括製造販売責任者・製造管理者等の役割と
資格について理解する。
C18(1)2-2
C17(1)5-2
10
薬事法4
薬事法の重要な項目を列挙し、その内容を説明できる。医薬品等の承認審査
のしくみ、関連する GLP、GCP、GMP の基本要件、再評価、再審査の意義
と実施のあり方を理解する。
C18(1)2-2
C17(1)6-1
11
薬事法5
薬事法の重要な項目を列挙し、その内容を説明できる。流通の適正化を図る
ため、製造販売後の基準・広告・表示等について理解するとともに、毒薬・劇
薬の取扱いについて学ぶ。
C18(1)2-2
C18(3)3-3
12
薬事法6
薬事法の重要な項目を列挙し、その内容を説明できる。血液由来感染症から
規制され始めた生物由来製品の取扱い、違法ドラッグ対策のための指定薬物
の規制について理解する。
C18(1)2-2
C17(1)8-1
13
医薬品医療機器総合
機構法
医薬品による副作用が生じた場合の被害救済について、その制度と内容を概
説できる。
C18(1)2-6
C17(1)8-1
14
試験
C18(1)1-1
C18(1)2-1
C18(1)2-7
C18(2)1-1
C18(2)1-2
C18(2)2-3
C18(3)2-1
C18(3)2-2
C18(3)3-2
C18(2)3-1
C17(1)2-1
C18(2)3-4
C17(1)3-1
C17(1)4-1
C17(4)1-1
C17(4)1-6
C18(1)2-1
C18(1)2-3
C18(1)2-2
C17(1)2-4
C18(1)2-2
C18(3)3-3
〔評価方法と基準〕定期試験を中心に出席状況等から総合的に評価する。
〔学生の質問への対応〕オフィスアワー(月曜から金曜の午後 2 時∼午後 5 時、場所:本部棟 305)
E-mail:[email protected]
〔教科書〕薬事衛生研究会(2009-10 年版)
『薬事関係法規及び薬事関係制度解説』薬事日報社、日本公定書協会(2009 年)
『薬事衛生六法 学生
版』薬事日報社 薬事衛生六法は、すでに所有している者もいますが、最近頻繁に改正が行われているので、できるだけ最新版が望ましい。
〔参考書〕厚生労働省(平成 20 年版)
『厚生労働白書』ぎょうせい、厚生統計協会(2008 年版)
『国民衛生の動向』廣済堂、武田正一郎(2009
年)
『薬事ハンドブック』じほう、日本薬剤師会(2008 年)
『保険薬局業務指針』薬事日報社、日本公定書協会(平成 19 年)
『麻薬・向精神
薬・覚せい剤管理ハンドブック』じほう 月刊薬事、日本薬剤師会雑誌、病院薬剤師会雑誌、薬事日報などに参考になるものが多数掲載され
ています。
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〔担当教員からのコメント〕薬事関連法規は、将来、薬局薬剤師、病院薬剤師を目指す者だけでなく、薬事関連の企業等で勤務する者にとっ
ても大切な事項が数多く含まれています。これらの法律や制度を理解しておく事が、社会において良識のある医療人として信頼を得られる
ことにつながると考えております。法律は、覚えるのが難しいという者がおりますが、法律を学ぶということは、単に法律の条文を丸暗記
することでなく、そこに書かれている内容を自分に受入れ理解することが重要だと考えています。法律には常にその制定や改正の背景があ
るからです。
─2─