インベスターズガイド 2008 - フジ住宅

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株主・投資家の皆様へ
Quality & Reliable
インベスターズガイド 2008
東証・大証一部 コード番号:8860
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Fuji Corporation Limited Investors Guide 2008
IR活動の方針
・一部昇格後は機関投資家向けの活動も積極的に実施していますが、従来の
個人投資家重視の方針に変更はありません。
・当社の経営方針・方向性を明確にするよう努力しております。
・情報の開示に際し、絶対に嘘をつかない、隠さないことを
代表取締役社長
今井 光郎
モットーとしております。
・客観的なデータを開示することとしております。
・何ごとも明確にわかりやすく表現するよう努めております。
・業績の良し悪しにかかわらず、継続して実施することを心がけております。
Contents
目
次
住まいのトータルクリエイターとして . . . . 2
トピックス . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 3∼4
前年度策定の中期経営計画の進捗状況 . . 5∼6
連結・中期経営計画 . . . . . . . . . . . . . . . 7∼13
会社の概況 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 14
1
Investors Guide
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Total Creator
住まいのトータルクリエイターとして
会社設立時点
販売代理
定期借地権
付分譲住宅
戸建住宅
土地有効活用
(アパート・マンション)
分 譲
マンション
賃貸・管理
中古住宅の
仲 介
快造くん
リフォーム
JJ-Reit等の
REIT等の
不動産ファンド向け
賃貸マンション
フジ住宅はあらゆるニーズに対応できる機能を備えております。
会社の設立後間もなく、土地の仕入れ・許認可の取得・設計・建築・販売の一貫体制を備えた戸建住宅事業が確立され、次
に分譲マンションの設計・建築のノウハウが加わり、これらがアパート・マンション等の建築を請負う土地有効活用事業へと
発展し、安定収入の確保を目的に進出した賃貸マンション事業が不動産管理事業を生み、これらの総合的なノウハウが不動産
投資ファンド向け賃貸マンションの販売事業の立上げに発展しました。また、一方で設立当初の住宅の代理販売事業とリフォ
ーム事業のノウハウが合体して中古住宅の再生事業『快造くん』が生まれています。
戸建住宅から派生した各事業が独自のノウハウを持ち、他の事業部門を相互に補完する(相乗効果)、単なる住宅の分譲会
社ではなく地域や時代に合った住宅に関するあらゆるニーズに対応できる機能を備えていることが「住まいのトータルクリエ
イター」であり、当社の特徴です。
地域密着型経営の特徴を活かし、顧客に顔を向けた“売りっ放し”、“建てっ放し”のない顧客満足度の高い住宅づくりを継
続すると同時に、より高い水準を目指します。
Fuji Corporation Limited
2
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トピックス
東京証券取引所上場会社表彰
「個人株主拡大表彰」を受賞しました。
これからもご信頼にお応えする活動をいっそう推進いたします。
個人投資家の皆様へのIR活動の取組姿勢と実績についてご評価いただき、平成19年2月に東証・上場会社表彰を受賞しました。
弊社は、平成8年1月から他社に先駆けて個人投資家向けの会社説明会をスタートさせ、将来個人株主様から過半数の議決権行
使を頂戴したいとの夢に向かって、IR活動に全力を挙げてまいりました。
生の企業情報に触れる機会の少ない個人投資家の皆様を対象に、会社説明会を中心に継続的にIR活動を展開してきたこと、説
明会や株主アンケートで頂戴したご意見、ご質問を次のIR活動に活かすなど、個人株主様とのコミュニケーションを何よりも大切に
してまいりました。
おかげさまで個人株主数は平成20年3月期末時点で17期連続して増加しています。
今後とも業績の向上を図りIR活動を一層推進することで、長期的な株主・個人投資家の皆様のご信頼を頂戴すべく邁進してまい
ります。
また、配当金につきましては、業績には多少の変動はあるものの、将来への自信の表明もあって配当性向よりは配当金額を重視
して株主の皆様のご期待にお応えしてまいりました。今後ともこの方針を継続いたしたいと存じます。
(人)
8,000
株主数の推移
7,196
※スタートは417人…いま株主様は7,196人になりました。
7,000
6,000
平成18年7月
3,300千株の
公募増資を実施
5,000
平成3年5月
1:1.3の株式分割を
実施
3,000
2,000
1,000
4,483
東証1部・大証1部昇格
平成17年3月1日
4,000
大証2部上場
平成2年12月
52
417
平成2年3月 平成3年3月
457
593
平成4年3月 平成5年3月
647
736
846
平成6年3月
平成7年3月
平成8年3月
3,467
東証2部上場
平成15年12月12日
平成8年5月
1:1.15の株式分割を
実施
1,123
1,493 1,656
1,954
2,205 2,215 2,362
5,488
2,502
平成17年5月
1 : 2の株式分割を
実施
平成9年3月 平成10年3月 平成11年3月 平成12年3月 平成13年3月 平成14年3月 平成15年3月 平成16年3月 平成17年3月 平成18年3月 平成19年3月 平成20年3月
配当金の推移
20円
18円 18円
18円
17円 17円 17円 17円
15円 15円 15円
16円
分割前換算
14円
34円
12円
10円 10円
10円
8円
6円
4円
2円
︵
未
上
場
︶
平成2年3月 平成3年3月
5円
5円
5円
平成7年3月
平成8年3月
5円
5円
5円
5円
0円
平成4年3月 平成5年3月
平成6年3月
平成9年3月 平成10年3月 平成11年3月 平成12年3月 平成13年3月 平成14年3月 平成15年3月 平成16年3月 平成17年3月 平成18年3月 平成19年3月 平成20年3月 平成21年3月
(予想)
3
Investors Guide
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To
opics
Topics
【平成21年3月期】
◆ 前期に引続き徹底した守りの姿勢による中期経営計画を策定(毎年更新)
◆ 役職員にストックオプション(新株予約権950千株)を付与
◆ 経営の効率化を目的として、平成20年10月1日期日で100%子会社・フジ工務店株式会社を吸収合併
◆ 人財投資進む。69名の新卒者が入社(能力×熱意×考え方の優れた人財の育成)
◆ 分譲住宅部門での「顧客満足日本一」と土地有効活用部門での「日本一愛される土地有効活用事業部」の達成を目指す
◆ 個人投資家及び機関投資家に向けてのIR活動の積極方針を継続
◆ 株主通信による株主アンケートのご回答者全員に「すだち」1kgプレゼント継続
◆ 配当17円(中間8円、期末9円)を継続(予想)
【平成20年3月期】
◆ 売上高、営業利益、経常利益、当期純利益の全項目で期初目標を上回る業績を計上
◆ 財務諸表の健全性・信頼性のさらなる向上
・時価評価済みの土地を売却し、税務上の実現損を計上。税効果でキャッシュ増加し配当原資確保。この売却で土地の含
み損0。最古の棚卸土地で平成17年3月取得
・総合型の年金基金から脱退。年金基金の運用状況の悪化時の年金掛金の追加負担による業績への悪影響を断ち切る
◆ 分譲住宅部門での「顧客満足日本一」と土地有効活用部門での「日本一愛される土地有効活用事業部」の達成を目指し、
会社一丸となって努力
◆ 個人を中心とする株主数が、大証二部上場の平成3年3月期以降17期連続で増加
◆ 個人投資家及び機関投資家向けのIR活動を積極的に推進
・札幌、東京、名古屋、大阪、博多で計13回4,211名の個人投資家対象に会社説明会を開催した他、東京、大阪での機関
投資家向け決算説明会の開催や訪問IRを実施
・3月期末の株主を対象とする「株主通信」での株主アンケートのご回答者全員に「すだち」1kgプレゼント実施
◆ 機動的な資本政策と株主還元を目的として自己株式1,714,300株を取得
◆ 配当17円(中間8円、期末9円)を継続実施
株価
低PER
平成21年3月期予想EPS 37.03 円
高配当
平成20年 月 日 終値 円(PER
東証一部平均PER
倍)
倍
当社のPERを東証一部平均に置き換えると当社の株価は
円× 倍 = 円
配当
平成21年3月期の予定配当は17円、
配当利回り
月
日の終値での
%
※1株当りの各数値については、平成20年3月31日現在の自己株式を除く発行済株式数34,919千株に増減がないものとして算出し
ています。
Fuji Corporation Limited
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前年度策定の中期経営計画の進捗状況
(平成19年4月14日策定の中期経営計画に対する実績と現状見通しとの比較)
<平成20年3月期の対比>
平成20年3月期
(単位:百万円)
達成率
計 画
実 績
差 異
売上高
46,840
48,793
+ 1,952
売上原価
38,535
40,277
+ 1,741
売上総利益
8,304
8,516
+
211
販管費
6,199
5,793
▲
406
営業利益
2,104
2,723
+
618
129.4%
営業外収益
343
335
▲
7
97.7%
営業外費用
548
645
+
97
経常利益
1,900
2,413
+
513
127.0%
特別利益
0
11
+
11
−
特別損失
0
359
+
359
−
1,121
2,097
+
976
187.1%
当期純利益
(増減率)
104.2%
※(+4.5%)
102.6%
※(▲6.5%)
※(+17.7%)
※売上原価、販管費、営業外費用は計画に対する増減率を表しています。
<前年度策定の中期計画> 平成20年3月期と平成21年3月期の2期間合計での対比
2期間合計
20/3月期と21/3月期
20/3月期実績と
計画の合計
21/3月期計画の合計
差 異
(単位:百万円)
達成見込率
(増減見込率)
(H19.4.13策定) (H20.5.7策定)
売上高
96,490
93,393
▲ 3,096
売上原価
79,136
76,569
▲ 2,567
売上総利益
17,353
16,824
▲
529
販管費
12,588
11,639
▲
949
4,764
5,184
+
420
108.8%
営業外収益
719
626
▲
92
87.1%
営業外費用
1,083
1,168
+
84
経常利益
4,400
4,643
+
243
105.5%
特別利益
0
11
+
11
−
特別損失
0
359
+
359
−
2,596
3,391
+
795
130.6%
営業利益
当期純利益
※売上原価、販管費、営業外費用は計画に対する増減見込率を表しています。
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Investors Guide
96.8%
※(▲3.2%)
97.0%
※(▲7.5%)
※(+7.8%)
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Degree of Progress of
Medium-term Plan
主要な差異原因
<平成20年3月期>
−売上高−
計画に対して1,952百万円の増加
・新築戸建は、計画より粗利益を高く設定したため引渡しが27戸少なくなり968百万円の減少
・中古住宅は、営業地域拡大の効果により契約数量が増加したことで引渡しが68戸多くなり1,976百万円の増加
・不動産ファンド等向け賃貸マンションの販売の前倒しにより955百万円の増加
(本来、平成21年3月期売上予定の不動産投資ファンド向けの1棟1,220百万円を、市場価格の下落が起きる直前に前倒しで販売)
・土地有効活用事業は、翌年度へ引渡しが4棟延期、また2棟が翌年度引渡予定物件と入れ替わったことにより117百万円の減少
−売上総利益−
計画に対して211百万円の増加
・新築戸建は、売上高が減少するも粗利益率が向上し、ほぼ計画に近い粗利益を確保
・中古住宅は、売上高の増加に伴い298百万円の増加
・不動産ファンド等向け賃貸マンションは、翌年度販売予定物件の前倒しにより307百万円の増加
・土地有効活用事業は、引渡しの延期と翌年度引渡予定物件との入れ替わりにより129百万円の減少
−販管費−
人件費と広告宣伝費を削減したことにより、計画に対して406百万円の減少
−営業外費用−
補修工事費用の引当金計上により、計画に対して97百万円の増加
−特別損失−
計画に対して359百万円の増加
・総合設立型の年金基金からの脱退により、特別掛金の支払い等260百万円が発生
・固定資産の土地の売却により減損損失94百万円が発生
<平成21年3月期と平成22年3月期の2期間合計>
−売上高−
計画に対して3,096百万円の減少
・新築戸建は、粗利益率重視の施策の継続と景況感の悪化により契約数量が減少し5,698百万円の減少
・中古住宅は、営業地域拡大の効果で3,030百万円の増加
−売上総利益−
計画に対して529百万円の減少
・新築戸建は粗利益率が向上するものの、売上高の減少に伴い粗利益は計画から807百万円減少
・中古住宅は、売上高の増加に伴い465百万円の増加
・土地有効活用事業は、受注物件の粗利益率が計画を下回ったことにより117百万円の減少
−販管費−
人件費と広告宣伝費を削減したことにより、計画に対して949百万円の減少
−営業利益−
販管費の削減効果により、計画に対して420百万円の増加
−経常利益−
販管費の削減効果と土地取得を抑制したことで借入金の減少による金利負担の減少により、計画に対して243百万円の増加
−当期純利益−
平成20年3月期の固定資産の土地売却に伴う税効果925百万円等により、当期純利益は計画より795百万円増加
Fuji Corporation Limited
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連結・中期経営計画“顧客満足日本一を目指して”
(平成21年3月期∼平成23年3月期)
不動産市場の新たな潮流として台頭してきた不動産ファンドが、平成19年8月の米国のサブプライムローン問題等の影響を
受けて勢いを弱め、これに伴って大都市圏の商業地を中心に数年間続いた地価の著しい上昇は止まり、一部の人気立地を除き
下落傾向を見せ始めています。
また、前述のサブプライムローン問題に端を発した景況感の悪化の影響で、消費者の住宅購入意欲が減退し、住宅はマンシ
ョンを中心に売れ行きが悪化して、市場では完成在庫が急増しています。
昨年春に策定した中期経営計画においては、同業他社が強気の見通しを相次いで発表する中で、当社は、個人所得が伸びて
いない状況下では、地価および建築コストの上昇分を住宅の販売価格に転嫁しても消費者の支持は得られないとの判断から、
従来の方針通り供給過剰のマンション分譲には取り組まず、地価上昇の影響がほとんどない郊外の大規模プロジェクトでの街
づくりと自由設計を中心とする戸建住宅の供給を継続しました。分譲マンションの供給停止は結果として、同業他社が大きな
影響を受けた改正建築基準法による建築確認取得の大幅な遅延の影響を免れました。
また、都市部における地価の急上昇は経済合理性を超えた水準にまで達したと見て、不動産ファンド向け賃貸マンション販
売事業を、地価急上昇前に取得した採算の合う物件の商品化を最後に、不採算の土地は絶対に取得しない方針で臨んだことで、
結果として新たな事業用地は取得せず、目下、地価が収益還元法で評価・調整されるのを待っている状況です。
このような混乱期においては、90年バブル崩壊を勝ち組として生き残った経験から、事業の拡大に焦点を当てた攻めの経営
を推進するよりも、守りに徹すべき時期であり、一時的に業績を低下させても将来のさらなる業績の伸長に向けての優秀な人
財の採用と育成等の準備を整える時期と考えて中期経営計画を策定し、この計画に基づいて適正な価格での土地の取得を徹底
してまいりました。
当社の商圏では、分譲マンションデベロッパーが高値で購入したマンション用地の事業化を断念し、土地のまま損切り処分
する動きも見られます。また、サブプライムローン問題を契機に、それまで続いた「実感のない好景気」から「実感を伴う不
景気」へと変わり、原材料価格の上昇によるガソリンや食料品の値上げ等もあいまって、消費マインドは減退しています。
このような状況下で本中期経営計画は、昨年策定の中期経営計画の方針を継続し、施策は変更せずに数値目標のみを時点修
正し見直したものとしました。また、昨年春の中期経営計画策定後に追加施策として打ち出した方針「平成22年3月期までに
年間ベースで売上原価及び販管費を中心に10億円の削減」の施策を実施していますが、順調に推移しており、これが収益性確
保の大きな要素となっています。
上記を踏まえ、地価、金利、景気の動向と不透明な要素は多いものの、これらの要素が現在の状況から大きな変化がないこ
とを前提にし、本計画期間では、平成21年3月期 売上高446億円 経常利益22億3千万円、平成22年3月期 売上高453億円
経常利益26億円、平成23年3月期 売上高502億円 経常利益33億円の数値目標を設定しました。
なお、中期経営計画は3ヵ年計画としていますが、初年度は前期末の受注契約残高等により業績見通しは立てやすいものの、
次年度以降は経済情勢の変化により大きく変貌する可能性がありますので、数値目標よりも経営の方向性を示すものとして、
ご理解いただければありがたく存じます。
平成20年5月7日
7
Investors Guide
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Medium-term Plan
【経営基盤の強化】
Ⅰ.財務諸表の健全性・信頼性の向上
平成20年4月から開始される棚卸資産(土地)の低価法の適用に伴い、それまで時価評価はしていたものの、近隣住民の開
発同意待ち等の理由により保留していた長期滞留の土地を、平成20年3月期に全て売却しました。これにより売却損は発生し
ましたが、これら土地の過年度時価評価に係る繰延税金資産も解消できました。平成20年3月31日現在保有する最も古い分譲
用地は、平成17年3月取得のものであり、全プロジェクトに含み損がなく戸建住宅用地として商品化すれば収益が確保できる
状況です。また、直近の地価急上昇時においても、90年バブルの教訓を活かして適正価格での土地取得を徹底し、取得・商品
化・売上のサイクルを確立し、順調に推移していることで、棚卸資産(土地)の低価法の適用による業績への影響は受けませ
んし、今後地価の急激な下落がなければ、保有する不動産で含み損が発生する可能性は極めて低いと考えています。
また、当社は、総合型設立の「大阪府建築厚生年金基金」に加入していましたが、平成20年3月期に同基金から脱退し、脱
退に係る特別掛金の支払い等、脱退損失として260百万円を特別損失に計上しました。これにより、年金資産の運用状況の悪
化時の年金掛金の追加負担による業績への悪影響を将来にわたり断ち切ることができました。なお、当社は平成18年5月に適
格退職年金制度を廃止し、過去勤務債務の精算を実施し退職金の前払い制度を導入しましたので、既に退職給付引当金の処理
も不要となっています。
今後は、リース会計基準の改正等、会計制度の変更によって一時的に決算数字が変動する可能性はありますが、以上の措置
により、当社の財務諸表の健全性と信頼性はより向上しており、当社の歴史の中で最高の財務体質となっています。
Ⅱ.事業戦略
CS活動
顧客満足日本一を目指したサービス体制の充実
○当社は将来に向けて顧客第一主義と競争力の強化を目的として、分譲住宅事業で『顧客満足日本一』を、また、土地有効
活用事業では既契約者からの二次受注や紹介率が極めて高い水準となったことから、次の目標として『日本一愛される土
地有効活用事業部』を目指し、営業部門のみならず、設計・建築及び引渡後のアフターサービス体制の強化等を図ってい
ます。これらのことが、将来的に顧客からの信頼に基づく新たな顧客の紹介による成約の増加と、地域内のマーケットシ
ェアの拡大につながることに期待しています。
地域戦略
営業地域拡大
○中古住宅再生事業は、堺・泉北地域へ進出し、仕入・販売の拠点として平成18年12月に堺店、平成19年5月に泉北店と新
規事業所を開設しましたが、事業が軌道に乗り、今後はこの地域での事業の拡大を図っていきます。
また、平成21年3月期に大阪店を開設して大阪市への進出を図り、大阪北部地域進出への足掛りとする予定であり、今後
は新たな営業地域へ、順次、事業所を開設し、営業地域の拡大を進めていきます。
○その他の事業は、従来どおり大阪府全域と兵庫県、和歌山県の一部地域を深耕していきます。
設備投資
○平成21年3月期に、中古住宅再生事業の大阪市内の仕入・販売拠点となる新規事業所の開設を計画していますが、これは
賃借であり大きな設備投資計画はありません。
Fuji Corporation Limited
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連結・中期経営計画
人事政策
新卒採用の継続と人財の育成
○平成18年4月1日採用より開始した資質の高い新卒者の定期採用を継続していきます。
○当社の経営理念・方針の理解・実践者(能力×熱意×考え方の高い人財)をより多く育成することで、長期的な業績の向
上を目指します。
Ⅲ.内部統制の充実
コンプライアンス重視の経営体制と財務報告の適正性確保の体制を構築・徹底することで、企業体質のより一層の強化を図
ります。
○リスク管理体制の構築と強化を目的として、平成18年11月に設置した「リスクコンプライアンス推進委員会」により、
コンプライアンス体制の一層の強化・徹底を図ります。
○平成21年3月期から適用される「金融商品取引法(日本版SOX法)」に対応する内部統制の整備・促進を目的として、平成
19年2月に設置した「内部統制推進委員会」により、財務報告の適正性を確保するための社内体制の一層の強化を図りま
す。
Ⅳ.配当政策
平成21年3月期は、平成19年3月期に時価評価済の固定資産の土地、および時価評価していたものの開発許可待ち等で長期
滞留していた棚卸土地を平成20年3月期に全て売却し、税務上の実現損を計上したことによる税効果でキャッシュが増加して
いること、そして株主各位の信頼に応えるために、年17円配当の継続を予定しています。(中間配当8円 期末配当9円)
次年度以降も業績に見合った配当で株主還元を実施します。
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Investors Guide
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Medium-term Plan
【事業別の重点施策】
【分譲住宅事業】
本事業部門の構成を戸建住宅のみとし、分譲マンションの供給はないものとして計画しています。分譲マンションは、都市
部を中心とするマンション立地の地価の高騰と建築コストの上昇、建築基準法の改正による建築確認申請受理の遅延に加え、
明白な供給過剰状況となっています。戸建住宅においても、コストの上昇分をそのまま販売価格に転嫁できず一般的には適正
利益の確保は難しい状況ですが、従来どおり地価の高騰がほとんどなく安定している大阪府、兵庫県の郊外での大規模戸建住
宅を中心に、街づくりと自由設計で供給することで安定収益の確保を図ります。
団塊世代ジュニアの30歳前後の層を中心に住宅需要は衰えていませんが、これらの層には現状の都市部のマンションを含め
た高価格帯の住宅は購入が難しい状況です。当社は、郊外において、これら若年の一次取得者層を主なターゲットに、都市部
と比較して低価格帯の戸建住宅の分譲に注力します。
当社の戸建住宅の特長は低廉良質な自由設計の住宅ですが、特に100戸を超える大規模プロジェクトについては、価格対比
での建物の強度及び品質の良さに加えて、特長ある魅力的な街づくりを行うことで新たな付加価値を創造し顧客の支持を高め
ていきます。更に、これら大規模プロジェクトと同地域で複数の中小規模のプロジェクトを同時進行で供給することで、顧客
は当社のプロジェクトの範囲内で立地を基にした住宅の選択が可能となり、当社はより顧客ニーズに合った住宅を提供できる
ようになります。
本計画期間においては、米国のサブプライムローン問題に端を発した景況感の悪化の影響で、消費者の住宅購入意欲が減退
している状況を踏まえ、現在の状況から大きな変化のないことを前提に販売契約戸数を設定しており、その中で拡大した営業
地域の深耕と大規模プロジェクトの推進により、業績の伸長を図ります。
−具体策として−
<用地仕入>
・地価動向を注視し、販売可能価格から建築コストと適正利益を控除した金額の範囲内でのみ、土地を選別取得する方針を貫
きます。
<地域戦略(新たに進出した地域の強化)>
・大阪府北部、兵庫県南部地域および南大阪東部(近鉄南大阪線の沿線地域)を深耕します。
<大・中規模プロジェクト>
・現在進行中の大・中規模10プロジェクト 計1,230戸の開発と販売を推進します。
<「さらなる顧客満足度向上」をテーマにした住宅づくり>
・建売住宅ではかなわない、お客様の夢の実現を可能にする自由設計方式を継続します。
・設備・仕様の各品目について、約3,000アイテムから成るオプション制度を充実します。
・建築工事の一定期間集中を避け、工事量の平準化を図ることでの施工精度を向上します。
・現場キレイ活動を継続・推進します。
(建築現場の1日5回の清掃)
・2種類の地盤調査の実施、建物基礎の水平精度・柱垂直精度の誤差+−ゼロの取組み、および性能評価を全戸で取得するこ
とで、お客様にとってより安全・安心な住宅を建築します。
・建て放なし、売り放なしではない、引渡してからが本当のお付き合いであることを意識した、アフターサービス体制を充実
します。
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連結・中期経営計画
【中古住宅販売事業(中古住宅再生事業『快造くん』
)
】
中古住宅再生事業は、従来、本社が所在する大阪府南西部の泉州地域限定の事業展開をしていましたが、この事業を成長性
のある重要事業と位置付け、既に確立している『快造くん』の仕入・改装・販売のノウハウをもって、今後は新たな営業地域
へ順次、事業所を開設し、営業地域の拡大を進めます。
仕入・販売の拠点として一昨年開設した堺店、同じく昨年開設の泉北店が軌道に乗ったことにより、同地域での事業の拡大
を図るとともに、平成21年3月期には大阪店を開設する予定であり、大阪市への進出と大阪北部地域進出への足掛りとします。
又、当事業は当社住宅流通部門が進めていますが、この部門では中古住宅のほかに小規模の新築建売住宅を販売しており、
これら建売住宅は分譲住宅のセグメントに含まれていますが、住宅流通事業の一環として、自由設計や大規模プロジェクトだ
けではカバーできない顧客ニーズに対応しています。
−具体策として−
・1戸当たりの利益額重視の仕入と販売
中古住宅を改装することで付加価値を創造し、『快造くん』ブランドで未改装の中古住宅との差別化を図り1戸当たり利益
の増加を図ります。
・段階的な営業地域の拡大
平成18年12月堺店、平成19年5月泉北店を開設、この地域で事業規模の拡大を目指します。
平成21年3月期には、大阪市内に大阪店の開設を予定しています。
・営業手法
交差点単位での地域情報とその分析による物件の鑑定力、及び仕入れ・販売価格の査定の速度と正確性、及びリフォーム
のマニュアル化により、他社との差別化を図ります。
【土地有効活用事業】
平成19年3月期の上半期は金利の上昇懸念の影響により一時的に受注が低迷しましたが、平成20年3月期は大きな金利上昇
懸念は払拭され、同時に営業体制の強化を図ったことから、受注は回復しました。当計画は、今後も大きな金利の変動がない
ことを前提とした3ヵ年の計画としています。
当計画では、従来通り既契約者と銀行ルートでの提案営業を活動の中心とします。各銀行の取引先をお客様として、地域密
着ならではの、ご所有地に関する迅速かつ適切な市場性の調査・診断の提供、あるいは賃貸マンションやアパートの経営に関
する多角度からの助言サービスの提供を通じた提案型の営業活動を展開します。
−具体策として−
・商品の充実
美観性が高く、居住性に優れた木造アパート『フジパレス』シリーズは、RC造マンションと比較して、改正建築基準法
の影響がほとんどなく、また建築コストも安定しており、土地所有者に高利回りの賃貸住宅経営を提案できる当社の主力
商品であり、この『フジパレス』シリーズの受注を推進します。
その他、分譲住宅事業のノウハウが活きる一戸建て賃貸住宅『フジパレス戸建』の充実を図ります。
・分譲住宅部門と並行して営業地域を拡げ、より需要の多い地域へ進出します。
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Medium-term Plan
【不動産投資ファンド等向け賃貸マンション販売事業】
<不動産投資ファンド向け賃貸マンション>
都市部における地価は経済合理性を超えた水準に達しており、この事業は、地価の急上昇前に取得した物件の販売(平成20
年3月期に3棟3,196百万円を引渡し済み)を最後に、地価が収益還元法で評価され、採算が合うまで土地の取得を休止します。
平成20年3月期の引渡しの内、1棟1,220百万円は、本来、平成21年3月期に売上予定であったものを、不動産ファンドが勢い
を弱めて市場価格の下落が起きる直前に、当初予定価格で前倒しで販売したものです。
今後地価が調整され、本来の収益還元法で取引される状況に戻れば、即時にこの事業を積極的に進める方針で、体制も整え
ています。
<個人投資家向け一棟売賃貸マンション>
土地有効活用事業部が推進中の個人投資家向け一棟売賃貸マンションについては、小規模の賃貸マンション・アパートを個
人富裕層へ販売する事業です。
賃貸マンション・アパートは、資金運用の手段として多少の金利上昇傾向下でも需要が強いこと、1棟当たりの投資額が小
額で事業リスクが低いこと、物件の立地を都市部に限定しないことから、今後も継続して進める方針です。
−具体策として−
・木造アパート『フジパレス』一棟売りの推進
土地有効活用事業の建築受注と同様に、RC造マンションと比較して投資額が少なく、高利回りの賃貸住宅経営を実現す
る商品として、木造アパート『フジパレス』シリーズの一棟売りを推進します。
【賃貸及び管理事業】
平成17年6月に賃貸管理事業を専業とする100%出資子会社を新設し、同年9月に子会社に賃貸管理事業及び賃貸物件を譲渡
しました。これにより専門性に特化し、経営の合理化と原価低減を含む収益性の向上を図ります。
−具体策として−
・経営の合理化と賃貸管理原価の低減
・土地有効活用事業の請負工事受注物件及び個人投資家向け一棟売賃貸マンション販売後の管理受注の推進
【事業等のリスク】
当社は事業判断による選択の結果その影響を免れましたが、不動産業界は平成19年6月の建築基準法改正による建築確認審
査期間の長期化等、法規・法令による制限やリスクを抱えているほか、業績に大きく影響を受ける以下のリスクが発生する可
能性があります。
・地 価 動 向…地価の急激な上昇または下落
・金 利 動 向…金利の上昇
・景 気 動 向…景況感の更なる悪化
・材 料 価 格…原材料価格の高騰による建築原価の上昇
・法令・税制…法令や税制改正による事業の制限および影響
・災 害…地震災害や台風による風水害等、天変地異によって被る事業への影響
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連結・中期経営計画
【数値目標】
(単位:百万円)
平成21年3月期
平成22年3月期
平成23年3月期
上期
売上高
営業利益
経常利益
当期純利益
株主持分利益率(ROE)
予想1株当たり利益
1株当たり年間配当金
18,400
307
200
116
0.82%
3円32銭
中間配当8円
44,600
2,461
2,230
1,293
8.58%
37円03銭
期末配当9円
年間合計17円
45,300
2,789
2,600
1,508
9.43%
43円19銭
未定
50,200
3,451
3,300
1,914
11.06%
54円81銭
未定
※1株当たりの各数値については、平成20年3月31日現在の自己株式を除く発行済株式数34,919千株に増減がないものとして算出しています。
売上高と経常利益の推移
(平成15年3月期∼平成20年3月期実績、及び平成21年3月期∼平成23年3月期計画)
経常利益
(百万円)
売上高
(百万円)
4,090
売上高
4,000
3,300
3,196
経常利益
3,000
2,413
2,799
2,000
2,230
40,000
2,600
1,891
1,028
20,000
1,000
0
60,000
平成15年
3月期
平成16年
3月期
平成17年
3月期
平成18年
3月期
平成19年
3月期
平成20年
3月期
平成21年
3月期
(計画)
平成22年
3月期
(計画)
平成23年
3月期
(計画)
36期計画(平成20年4月∼平成21年3月)
(単位:百万円)
分譲住宅
中古住宅
(戸建・マンション) (快造くん)
売上高
営業利益
利益構成比
25,230
1,634
66%
0
土地有効活用事業
7,910
185
8%
3,280
303
12%
分譲住宅
中古住宅
(戸建・マンション) (快造くん)
土地有効活用事業
不動産投資ファンド等向け賃貸マンション
賃貸及び管理事業
不動産投資ファンド向け 個人投資家向け
−
−
−
1,600
98
4%
6,400
239
10%
その他事業
180
2
0%
合計
44,600
2,461
100%
※中古住宅等は、土地(売上高16百万円)を含んでいます。
37期計画(平成21年4月∼平成22年3月)
売上高
営業利益
利益構成比
25,200
1,627
59%
(単位:百万円)
8,880
240
9%
3,370
561
20%
分譲住宅
中古住宅
(戸建・マンション) (快造くん)
土地有効活用事業
不動産投資ファンド等向け賃貸マンション
賃貸及び管理事業
不動産投資ファンド向け 個人投資家向け
−
−
−
960
67
2%
6,700
283
10%
その他事業
190
11
0%
38期計画(平成22年4月∼平成23年3月)
売上高
営業利益
利益構成比
27,600
2,038
59%
45,300
2,789
100%
(単位:百万円)
10,600
313
9%
※管理部門に係る費用は売上高比率により各事業に按分しています。
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合計
3,820
672
19%
不動産投資ファンド等向け賃貸マンション
賃貸及び管理事業
不動産投資ファンド向け 個人投資家向け
−
−
−
960
73
2%
7,000
327
10%
その他事業
220
28
1%
合計
50,200
3,451
100%
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Corporate Data
会社の概況
(平成20年3月31日現在)
◇事 業 所
本社:大阪府岸和田市土生町1丁目4番23号
大阪支社:大阪市浪速区幸町2丁目2番20号
◇従
業
員
数
◇株 式 の 状 況
上
場
市
場
323名(単体229名)
東証・大証一部 コード番号:8860
平成2年12月19日大阪証券取引所市場第二部上場
平成15年12月12日東京証券取引所市場第二部上場
平成17年3月1日東京証券取引所及び大阪証券取引所市場第一部昇格
資 本 金
4,865,201千円
発行済株式総数
36,769,912株(内、自己株式数1,850,632株)
1 単元の株式数
100株(平成16年3月1日に500株から100株に変更)
株 主 数
7,196名(内、単元株主数6,902名)
地域別株主分布状況
北海道
95名
1.32%
中国
285名
3.97%
125名
1.74%
四国
146名
2.02%
関東
1,933名 26.86%
九州
282名
3.93%
中部
1,091名 15.15%
外国
46名
0.64%
近畿
3,193名 44.37%
合計
東北
7,196名 100.00%
チャート(大証)
株価(円)
1,000
▲ 株式分割
800
600
▲
400
出来高
(千株)
5,000
200
0
2003.1
2004.1
2005.1
2006.1
2007.1
2008.1
0
この株価チャートは、
当社の平成15年
(2003年)
以来の株価について株式分割を調整したものです。
(1991年)
3月を基準日に1:1.3、平成9年(1997年)3月を基準日に1:1.15、平成17年(2005年)3月を基準日に1:2を実施いたしました。
株式分割は、
大証二部上場以降平成3年
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Q
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