NPO法人 鶴見川流域ネットワーキング

様式-13
助成番号
23-11
助成事業名
鶴見川流域環境学習
所属・助成事業者名
NPO 法人 鶴見川流域
ネットワーキング
助 成 事
〔目 的〕
人口の大半が都市に暮らす現代において、地球環境危機に対応していくためには、暮ら
しの足元である都市の自然を見直し、大地に根ざした新しい都市の暮らしを作りだす必要
があります。足元の川から「きれいな川づくり」を進めることは、自然と都市生活の関係
を環境回復の視点から自覚する有意義な実践となるはずです。そのために、次世代を担う
こどもたちに、足元の川への愛着を持ってもらうこと、さらに都市の快適な暮らしを支え、
「きれいな川」を維持している下水道の学習を通じて、
「きれいな川と暮らしていく」ため
に必要なことを広く理解していただく必要があります。その手法として私たちは、水辺で
安全に楽しく学ぶ「鶴見川流域環境学習」を推進しました。
業 の
要 旨
〔内 容〕
従来小学校等で行われてきた学習では、下水処理場の見学などが行われても、その先の
川とのつながりについてはあまり触れられてきませんでした。また、川の自然体験学習に
おいては、生きものの暮らしを支える下水道の役割についての認識が希薄でした。
今回の事業では、川と下水道を相互にリンクさせて学習を展開することで、私たちの暮
らしと川と下水道の密接な関係について理解を深めることを目指しました。
水辺体験学習の実施においては、当 NPO が、流域地域に持ち場をもって環境保全等の
活動を実施している市民団体との連携により、安全・安心・魅力ある学習を実施しました。
特に暮らしの足もとを流れる都市河川にも沢山の生きものがすんでいることを体感し、
そこから川の水質にも興味を向け、流域市民 188 万人の生活廃水を下水処理施設によって
きれいにしている成果を実感できるよう、体系づけて学習を進めた。
〔結 果〕
本事業では、横浜市・川崎市の小中学校・11 校に対して、15 回の学習支援を行い、延
べ 986 名の児童・生徒が、足元の川への理解を深め、「きれいな川と暮らす」ための礎を
築くことができた。
また、事業の中で、水質についてのテキストも作成し、活用を行なうことができた。テ
キストは、今後さらに学習を展開するための貴重な財産となった。
さらに、学習支援アルバイトとして、流域を中心とした環境問題に関心のある学生等を
述べ 33 名起用することで、若い世代にも子ども達の環境学習支援を通じて、自らの経験を
積む場を提供することができた。
尚、本助成事業の対象期間終了後ではあるが、当 NPO が毎年主催する鶴見川流域の環
境・防災学習発表会である「夢交流会 2012」を 2012 年 2 月 11 日に、慶応大学日吉キャ
ンパス・藤原洋記念ホールで開催。発表に参加した、6 校の内、川崎市立東柿生小学校、
横浜市立高田東小学校、川崎市立西御幸小学校の 3 校は、本事業による学習支援について
も発表の中に盛り込み、より充実した発表となった。これにより、発表会に参加した児童・
教員・保護者・行政・市民団体に対して、暮らしの足元である都市の自然を見直し、大地
に根ざした新しい都市の暮らしを作りだすための後押しをすることができたと実感してい
る。
「きれいな川と暮らそう」基金助成事業 「鶴見川流域環境学習」実績一覧
実施日
学習支援実施者
職員
アルバイト
学年
参加
児童数
鶴見川上流・恩廻公園親水広場
6
29
1
2
鶴見川上流・麻生川合流点親水広場
4
92
2
3
鶴見川中下流・綱島バリケン島
3
129
3
3
支援対象校
実施場所
1
5月25日 川崎市立虹ヶ丘小学校
2
6月7日 川崎市立東柿生小学校
3
6月10日 横浜市立日吉南小学校
4
7月4日 横浜市立高田東小学校
早渕川・稲坂橋
5
51
1
2
5
7月7日 川崎市立東柿生小学校
鶴見川源流・杉谷戸調整池
4
92
2
2
6
7月13日 横浜市立中川小学校
早渕川親水広場
3
148
3
4
7
7月14日 横浜市立鶴見小学校
鶴見川河口干潟
4
30
2
1
8
8月26日 川崎市立西御幸小学校
鶴見川・矢上川合流点
5
58
3
3
9
9月25日 横浜市立新羽中学校
鶴見川中下流・亀の甲橋
1~3
23
2
2
10月3日 川崎市立東柿生小学校
鶴見川上流・麻生川合流点親水広場
4
42
2
3
11 11月22日 横浜市立茅ヶ崎台小学校
早渕川親水広場
5
97
3
3
12
小学校教室
5
58
1
0
13 12月13日 横浜市立つづきの丘小学校
早渕川親水広場
5
97
3
3
14
1月17日 川崎市立宮崎小学校
矢上川源流・宮前美しの森公園
5
20
1
1
15
1月19日 川崎市立宮崎小学校
矢上川・上野川橋
5
20
1
1
986
30
33
10
12月8日 川崎市立西御幸小学校
「きれいな川と暮らそう」基金助成事業 「鶴見川流域環境学習」実績概要
実施校:
対象:
実施日:
実施場所:
実施内容:
川崎市立虹ヶ丘小学校
6年生・29名
5月25日
鶴見川上流・恩廻公園親水広場
鶴見川の洪水を防ぐ施設である「恩廻
公園調節池」前の親水広場で、鶴見川
の生きもの採取と観察を行なった。
実施校:
対象:
実施日:
実施場所:
実施内容:
川崎市立東柿生小学校
4年生・92名
6月7日
鶴見川上流・麻生川合流点親水広場
鶴見川の生きもの採取と観察を行なっ
た。
対象:
実施日:
実施場所:
実施内容:
4年生・92名
7月7日
鶴見川源流・杉谷戸調整池
鶴見川の源流域の緑、流れを観察す
るとともに、宅地造成に伴う水害防止の
ために作られた防災調整池のビオトープ
で、源流域の生きもの観察を行なった。
対象:
実施日:
実施場所:
実施内容:
4年生・42名
10月3日
鶴見川上流・麻生川合流点親水広場
6/7、7/7の学習を踏まえて、さらに詳し
い学習を行なうために、鶴見川の生物、
水質、石等のテーマ別にグループ学習
を行なった。
実施校:
対象:
実施日:
実施場所:
実施内容:
横浜市立日吉南小学校
3年生・129名
6月10日
鶴見川中下流・綱島バリケン島
鶴見川の魚、エビ・カニ、植物、鳥など
の生きもの観察を、クラス別にローテー
ションを組んで実施した。
実施校:
対象:
実施日:
実施場所:
実施内容:
横浜市立高田東小学校
5年生・51名
7月4日
早渕川・稲坂橋
早渕川の生きもの採取と観察を行なっ
た。採取は、タモ網の他に児童自作の仕
掛けも試した。
実施校:
対象:
実施日:
実施場所:
実施内容:
横浜市立中川小学校
3年生・148名
7月13日
早渕川親水広場
早渕川の生きもの採取と観察を行なっ
た。親水広場内のわんどでの魚とりのほ
かに、高水敷の草地でのバッタ・チョウと
りも行なった。
実施校:
対象:
実施日:
実施場所:
実施内容:
横浜市立鶴見小学校
4年生・30名
7月14日
鶴見川河口干潟
鶴見川河口の生きもの観察を行なっ
た。児童は川に入らず、スタッフが投網・
タモ網による生物採取の実演を行なった
後に、事前に採取しておいた生物を観察
した。
川崎市立西御幸小学校
5年生・58名
8月26日
鶴見川・矢上川合流点
通称「ミクリわんど」周辺で、岸辺のク
リーンアップ、川に入っての生きもの採
取と観察を行なった。
実施校:
対象:
実施日:
実施場所:
実施内容:
対象:
実施日:
実施場所:
実施内容:
5年生・58名
12月8日
小学校教室
夏の野外学習も踏まえて、室内で鶴見
川・矢上川水系の環境についての授業
を行なった。
ミクリわんどの上手に位置する南加瀬
水処理センターにも言及し、下水道学習
も行なった。
実施校:
対象:
実施日:
実施場所:
実施内容:
横浜市立新羽中学校
1~3年生・23名
9月25日
鶴見川中下流・亀の甲橋
学年横断の地域学習の一環で、鶴見
川の生きもの採取と観察を行なった。
実施校:
対象:
実施日:
実施場所:
実施内容:
横浜市立茅ヶ崎台小学校
5年生・97名
11月22日
早渕川親水広場
理科「流れる水のはたらき」の実験・実
習に加えて、鶴見川の生きもの観察を行
なった。
川の流れの持つ力と作用について学
び、治水への理解を深めた。
横浜市立つづきの丘小学校
5年生・97名
12月13日
早渕川親水広場
理科「流れる水のはたらき」の実験・実
習に加えて、鶴見川の生きもの観察を行
なった。
川の流れの持つ力と作用について学
び、治水への理解を深めた。
川崎市立宮崎小学校
5年生・20名
1月17日
矢上川源流・宮前美しの森公園
矢上川の源流域の緑、流れを観察す
るとともに、ビオトープ整備された公園
で、源流域の生きもの観察を行なった。
また、源流の水質調べも行なった。
実施校:
対象:
実施日:
実施場所:
実施内容:
実施校:
対象:
実施日:
実施場所:
実施内容:
対象:
実施日:
実施場所:
実施内容:
5年生・20名
1月17日
矢上川・上野川橋
矢上川の中流の流れを観察するととも
に、生きもの観察・水質調べも行なった。
さらに前回観察した源流との比較も行
なった。