資料番号:95-38 ティーの高さの検討 ティーアップの図 右上方から 舟橋 宗夫 前方から -1- 平成 20 年 11 月 3 日 資料番号:95-38 ティーの高さで、最も重要なことはボールがスイートスポットの中心に当たる たかさにすることである。 多 少 ヘ ッ ド ス ピ ー ドが 遅 く て も ス イ ー ト ス ポ ッ ト の 中 心 に 当 た る と 、 良 い 打 音 を発して的確な飛距離が得られる。 逆に、スイートスポットを外すと方向も飛距離も予想外な結果に陥る。 今回はスイートスポットに当てるためにティーの高さについて考えて見ます。 1. テ ィ ー の 高 さ 近年クラブヘッドの大型化に伴いティーの高さも次第に高くなってきました。 一般的に言われているティーの高さはクラブヘッドの高さよりもボールが半分 出る高さにするのが良いとされています。 仮にこの説でティーの高さを求めると 次のようになります。 H =F− d = 56.7 − 42.67 / 2 = 35.4 -----1 2 こ こ に d=ボ ー ル の 直 径 F=ク ラ ブ ヘ ッ ド の 高 さ 私 の ク ラ ブ の 例 で は F=56.7 mm で す し ボ ー ル の 直 径 は d=42.67 mm で す 。 しかし、よく調べて見ますと色々な意見があるようです。 2. テ ィ ー の 高 さ の 理 論 値 右の図において、ティーの高さを H とすると 幾何学的にとらえたティーの高さ H は次のようになります。 H =C+S− d ---------------2 2 こ こ に d=ボ ー ル の 直 径 S=ス イ ー ト ス ポ ッ ト の 高 さ C=ク リ ア ラ ン ス d=ボ ー ル の 直 径 さ て 、 ボ ー ル の 直 径 は 一 定 で d=42.67mm で す スイートスポットの高さ S はクラブの銘柄によって決まっています。 舟橋 宗夫 -2- 平成 20 年 11 月 3 日 資料番号:95-38 3. 計 算 例 例 え ば 私 の ク ラ ブ (1 W)は S=37.7mm が メ ー カ の 公 表 値 で す 。 通 常 使 用 し て い る テ ィ ー の 高 さ は 1 W の 場 合 H=55 mm で す 。 し た が っ て ヘ ッ ド の 底 面 が 抜 け る ク リ ア ラ ン ス C は 次 式 か ら C=38.7 mm と な り ま す 。 C=H+ d − S -----------------------3 2 ティーの高さとクリアランスの関係をグラフにすると、次のようになります。 読者の皆さんも自分のティーの高さをチェックして見られてはどうでしょうか ティーの高さ 75 ィー テ 65 55 の 高 45 さ 35 m 25 m 15 0 10 20 30 クリアランス mm 40 50 この図から単純計算すると、 ① テ ィ ー の 高 さ 16mm で は ク リ ア ラ ン ス は 0 と な り テ ィ ー グ ラ ン ド を こするか、スイートスポットよりも下にあたることになります。 ② テ ィ ー の 高 さ 26mm で は 理 論 上 ク リ ア ラ ン ス が 10 mm あ り ま す か ら 、 スイングの軌道が安定したプレイヤーならばショットは十分可能と思われ ます。 実際にプロゴルファーにはフェアウエイでドライバーショットをする方も居り ます。 ③ テ ィ ー の 高 さ 36mm で は ク リ ア ラ ン ス が 20 mm あ り ま す か ら 、 ス イ ングの軌道が安定したプレイヤーならばスイートスポットに当てることが 可能です。また、この値はクラブヘッドの高さよりもボールが半分出る高 さに一致します。 舟橋 宗夫 -3- 平成 20 年 11 月 3 日 資料番号:95-38 しかし、ティーの高さはもっと他の要因も絡むと思われます。 次にこの点について考察を進めます。 4. テ ィ ー の 高 さ と ス イ ン グ の 関 係 ① 図 A は正常なアドレスとスイングの場合である。 ボールはクラブの設計弾道の通り飛翔する。 ティーは前述の理論値どおりの高さとなります。 しかし、重要な点は正常なアドレスとスイングの定義です。 ボールが左足かがとの線上にあること、スイングは回転の軸が ぶれない、回転半径が左腕で描かれるものであることなど いくつもの条件がありそうです。 ② 図 B,C は 図 A の 場 合 に 比 べ て 、 ボ ー ル が や や 左 に テ ィ ー ア ッ プ さ れ た 場合です ⇒ 図 B はヘッドが最下点を過ぎて からヒットする。 当然のことながらティーは高めに セットする必要があります。 ⇒ 図 C は身体の回転軸が左に流れる場合 であです。 このケースでは大抵左肩が引けている ことが多く、ヘッドが浮いてくる。 このためにティーは高めにセットする ことになります。 これらのケースではボールにサイドスピンがかかりやすく、ドローやスライス の弾道になりやすいはずです。 舟橋 宗夫 -4- 平成 20 年 11 月 3 日 資料番号:95-38 ③ 図 D は 図 B,C と は 逆 に ボ ー ル が や や 右 に テ ィ ー ア ッ プ さ れ た 場合です。ボールは低く打ち出されます。 ショートアイアンに似たショットになりますから これをドライバーでこなすにはとても窮屈でボールは 多分ミスショットになる気がします。 ミスショットの多くはボールの上面を叩くか、 スイートスポットの下に当たる場合です。 舟橋 宗夫 -5- 平成 20 年 11 月 3 日
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