第4章 具体的な施策の方向性 - 野田市

第4章
1
具体的な施策の方向性
啓発・広報
ノーマライゼーションの理念を実現するためには、障がい者に対する市民一人一人
の理解と認識を深めていくことが極めて重要となっています。野田市では、これまで
「福祉のまちづくり運動」の一環として毎年「福祉のまちづくりフェスティバル」を
開催するとともに障がい者と健常者が共に参加する行事の支援を通じ、福祉意識の高
揚を図ってきたところですが、アンケート調査結果では、依然、障がい者に対する理
解の深まりを感じていない方も多数おり、
「更なる心のバリアフリー化に向けた取組の
強化」が求められています。
このため、障がいの有無にかかわらず、偏見や差別なく相互に人格と個性を尊重し
支え合う共生社会の理念の普及を図るとともに、障がい及び障がい者に関する理解を
促進するため、幅広い市民参加による啓発活動を強力に推進します。
また、学校における福祉教育を積極的に推進するとともに、公共サービス従事者に
対しても障がい者理解の促進を図り、公平なサービス提供体制の確保を図ります。
(1)啓発・広報活動の推進
【事業、施策等の現状】
・
福祉に対する理解を深めるため、「福祉のまちづくりフェスティバル」を開催
するとともに、障がい者と健常者が共に参加する「おひさまといっしょに」や「障
がい者釣大会(子ども釣大会と同時開催)」、「サンスマイル」等の行事を支援す
るなど、障がい者との交流機会の創出に努めています。
<行事等の状況>(平成 22 年度)
内
容
参加者数
福祉のまちづくりフェスティバル
約 1,500 人
おひさまといっしょに
約 1,450 人
障がい者釣大会(子ども釣大会と同時開催)
サンスマイル
・
約 380 人
約 1,000 人
施設や障がい者団体が実施する障がい者に対する理解を深めるための講演会
等の行事について後援し支援しています。
- 29 -
・
障がい者・高齢者等を取り巻く環境や課題などを踏まえ、講演会を開催して
います。
<福祉のまちづくり講演会の実績>(平成 22 年度)
「目からうろこのバリアフリー
内
容
出来ること」
講師:NHK手話ニュースキャスター
中野
佐世子氏
日
時
平成 22 年9月 25 日
会
場
野田市役所
参加人数
私たちが今すぐに
8階大会議室
122 人
・ 市庁舎では、毎年 12 月3日から9日までの障害者週間の間、啓発のため懸垂
幕を掲げています。
【事業、施策等の課題】
・
アンケート調査結果では、障がい者に対する理解の深まり関して、「かなり」
または「少しは」深まったと思う方は全体で 43.1%と前回5年前の調査と比べ
やや増加しているものの、
「あまり」または「まったく」深まっていないと思う
方が依然として全体の約4分の1にあたる 23.0%に上ることから、市民の障が
い者への理解を促進するための施策が必要です。
・
団体ヒアリングにおいては、地域での自立、共生に向け、地域社会、地域住
民へのより一層の啓発が求められています。
【施策の方針】
・
共生社会の理念を普及するとともに、障がい者に関する正しい理解を促して
心のバリアフリー化を進めるため、福祉のまちづくりフェスティバルやふれあ
いハ−トまつりを始めとする各種行事や講演会を中心に、一般市民、ボランテ
ィア団体、障がい者団体、企業、NPOなど幅広い層の参加による啓発活動等
を推進します。
・
野田市子ども人権作品展に向けて、市内各学校で作文やポスター、標語等を
募集し障がい者に対する理解を促進します。
・
講演会を引き続き実施していくとともに、各種障がい者のためのマークにつ
いて市報等の手段を通じ周知するなど、市民全体の障がい者に対する理解を深
めるとともに、関係機関等との連携を図り、地域住民への啓発・広報を展開し
ます。
・
障がい者団体や施設等が行う、障がい者に対する理解促進のための啓発、広
報活動を積極的に支援するとともに、広く情報提供に努めます。
- 30 -
(2)福祉教育等の推進
【事業、施策等の現状】
・
小中学校の「総合的な学習の時間」の取り組みとして社会福祉施設、老人ホ
−ム、特別支援学校、病院等との交流を行っています。
・
障がい者に対する市民の理解を深めるため自治会、企業、各種団体等へフィ
ルムライブラリー教材の貸出しを行っています。
<人権関係教材の貸出件数>(平成 22 年度)
延貸出本数
延利用者数
34 本
2,175 人
・ 社会福祉協議会では、
「車いす・目隠し歩行体験講座」を総合学習ボランティ
アサークルほのぼの会との共催で実施し、小学校の福祉教育、総合学習などへ
出張指導を行いました。また、障がい当事者や手話サークル等を講師として紹
介するなど、福祉教育におけるパイプ役として活動を行っています。
・
市では小中学校での体験学習にあたり、車いすや白杖の貸出しを行っていま
す。
<体験学習の例>(平成 22 年度)
学
校
内容
中
央
小
車いす体験
山
崎
小
車いす体験
ブラインドウォーク
岩
木
小
車いす体験
ブラインドウォーク
木間ヶ瀬小
車いす体験
ブラインドウォーク
高齢者擬似体験
川
間
小
車いす体験
ブラインドウォーク
高齢者擬似体験
宮
崎
小
点字学習・手話
ブラインドウォーク他
関
宿
小
車いす体験、障がい者の講話
ブラインドウォーク
福田第二小
車いす体験
高齢者擬似体験
- 31 -
・ 障がい者施設及び特別支援学校の運動会や交流会に市内の小中学生が参加した
り、特別支援学級と普通学級との交流を行っています。
・ 障がい者と健常者がいっしょに参加できる「福祉のまちづくりフェスティバル」
「おひさまといっしょに」、「障がい者釣大会」、「サンスマイル」等の行事を通し
て、障がい者についての正しい理解と認識を持つことができるよう、積極的に交
流を続けています。(再掲)
・ 人権意識の高揚と偏見、差別の解消を目的として、人権に関る講演会の実施や
様々な場、あらゆる機会を人権啓発の場と捉え、パンフレット等を配布し啓発に
努めています。
【事業、施策等の課題】
・ 障がい者に対する理解を深めるには、できるだけ早い時期から障がい者と健常
者が学校や地域等のさまざまな場において交流する機会を設けるなど、福祉教育
の充実が必要です。
・ 市民全体の理解をより効果的に深めるため、フィルムライブラリーの利用促進
を図るほか講演会を継続的に実施していく必要があります。
・ 各学校の地域性、特色に応じて福祉教育を継続して理解を深めていく必要があ
ります。
・ 人権教育・啓発を推進するため、庁内関係部局とどのような協力・連携ができ
るのか検討が必要です。
【施策の方針】
・ 体験学習や交流教育などの小・中学校等における学校教育活動を通じ、障がい
者に対する理解を深める福祉教育を社会福祉協議会とも連携し積極的に推進しま
す。
・
関宿小学校・関宿中学校が平成 23 年度より3年間千葉県より福祉教育推進校
として指定され、福祉教育を推進します。
・ フィルムライブラリーの更なる利用促進を図るとともに、講演会を引き続き継
続していく中で、市民全体の理解を深めるとともに、関係機関等との連携を図り、
地域住民への啓発・広報を展開します。
・ 人権教育・啓発に関する野田市行動計画(改訂版)では、
「障がい者の人権」を
重要課題の一つに位置付けており、野田市人権に関する市民意識調査の課題も踏
まえ、様々な場や各種機会を通して施策を推進していきます。
(3)公共サービス従事者に対する障がい者理解の促進
【事業、施策等の現状】
・
市職員については、全庁的に窓口対応や接遇についての研修や人権問題研修
- 32 -
会を実施しています。
<市職員に対する研修>
(平成 22 年度)
研修名
受講人数
新規採用職員研修(ファースト)
25 人
新規採用職員研修(フォローアップ)
27 人
主任主事級職員研修(ファースト)
・
30 人(2回)
好感度みるみる向上講座
12 人
人権問題職場リーダー研修
37 人
教職員については、野田市教育委員会や野田市教育研究会で実施する障がい
児教育に関する研修会や各種公開研究会へ参加しています。
<教職員に対する研修>(平成 22 年度)
研修・研究会
参加者数
特別支援学級部会
31 人
特別支援コーディネーター部会
31 人
特別支援教育総合推進事業研修会
141 人
特別支援教育・教育相談研修会
280 人
・ 人権意識の高揚と偏見、差別の解消を目的として、また正しく理解するために
人権に係る研修会等でパンフレット等を配布、活用し理解の促進に努めています。
【事業、施策等の課題】
・
各学校において、校内体制づくりを推進するとともに、関係諸機関と連携し
た支援体制で、特別支援教育に関する研修会や公開研究会等への参加を継続し
ていく必要があります。
・
障がい者が地域において、安全に安心して暮らすことができるよう、公務員
を始めとする各種公共サービス従事者への障がい者に関する理解の促進とその
徹底が必要です。
【施策の方針】
・
市職員については、障がい者に対する理解が深まり適切なサービスが行える
よう今後も窓口対応や接遇等の研修を実施します。
・
教職員については、正しい理解と支援の充実のため、特別支援教育に関する
研修会や公開研究会等への参加を引き続き推進していくとともに、研修・研究
の機会の拡充に努めます。
・
人権教育・啓発に関する野田市行動計画(改訂版)では、「障がい者の人権」
を重要課題の一つに位置付けており、野田市人権に関する市民意識調査の課題
- 33 -
も踏まえ、様々な場や各種機会を通して障がい者理解の促進に努めます。
(再掲)
(4)ボランティア活動に対する理解の促進と支援
【事業、施策等の現状】
・ 社会福祉協議会・ボランティアセンターでは、掲示板、ホームページ、
「社福
のだ」
「ボランティア通信=隔月1回(2,000 部)発行」に加え、最新の「ボラ
ンティア募集」を公共施設や市内スーパーに掲示し、広く市民にボランティア
活動の啓発を行っています。
・
中学生徒向けに「ボランティア活動しおり」を作成するとともに、ボランテ
ィア連絡協議会との共催で、登録ボランティア団体紹介冊子『共に生きる』
(掲
載:74 団体)を作成し、普及・啓発に努めています。
・
市民のボランティア活動への関心を高め、活動参加へのきっかけづくりを推
進するため、活動の相談に応じると共に登録ならびに福祉団体、社会福祉施設、
要援護者等からの要請に応じボランティアの派遣を行っています。
・
奇数月最終土曜日をボランティア休日相談日として休日相談を実施していま
す。
<平成 22 年度実績>
ボランティア休日相談者数
・
4人
夏休み期間中にボランティア活動の実際を体験できる「ボランティアまるか
じり体験講座」を開催するとともに、福祉教育の一環として教育委員会主催の
「学校人権教育指導者養成講座」の1コマを「教職員ボランティア体験教室」
として、小中学校教職員がボランティア活動を体験する機会を設けています。
<平成 22 年度実績>
ボランティアまるかじり体験参加者数
教職員ボランティア体験教室参加者数
・
前期 32 人
後期 27 人
31 人
社会福祉協議会が核となり、市民誰もがボランティア活動に参加できる環境
づくりを目的として、「市民ふれあいハートまつり」を開催しています。
【事業、施策の課題】
・
「市民ふれあいハートまつり」等のイベントやボランティア休日相談につい
ては、市民の方々の認知度が低い状況があることから、内容の充実やさらなる
広報が必要です。
・
ボランティア情報については、豊富な情報を収集するとともに、情報の提供
に当たっては、情報の取捨選択についても適切に行っていく必要があります。
・
ボランティアセンターの機能強化のため、ボランティア連絡協議会や地区社
- 34 -
会福祉協議会などの関係団体との連携強化や、ボランティア活動の場の拡大に
取り組む必要があります。
【施策の方針】
・
ボランティアを始める方々の一助となるよう、ニーズの高いボランティア関
係の講座を開催、実施していきます。
・
ホームページ、ボランティア通信にボランティア情報、研修や活動助成金等
の情報についても掲載し、集約した情報を市民に発信するための体制の整備に
努めます。
・
ボランティア活動希望者への情報提供として、ボランティア受入施設一覧を
簡易な冊子として作成していくとともに、地域でのスムーズなボランティアの
受入れのため地区社会福祉協議会において研修会を開催します。
・
「市民ふれあいハートまつり」などのイベントを通じ、地区社会福祉協議会
活動への参画の呼びかけを行い、地域福祉、ボランティアの活性化に尽力して
いただける人材発掘に努めていきます。
- 35 -
2
生活支援
障がい者の自立した生活支援には、利用者本位の考え方を基本とした身近な相談支
援体制の構築やサービス提供基盤の充実強化等が重要となっており、障がい者が主体
的にサービス等の選択を行えるよう各種の福祉サービス等の情報提供を充実するとと
もに、障がい者のニーズに沿った福祉サービスを総合的に提供できるよう、
「障がい者
総合相談・就労支援センター」事業について、機能の再構築・強化を図り、様々な障
がい種別に対応した相談及び支援体制の充実に努めます。
また、障がい者の地域移行を促進するため、グループホーム、ケアホームの支援を
継続するとともに、サービス提供基盤の充実強化を図るため、社会福祉法人、NPO
法人や障がい者団体による設置・運営を基本的枠組みとしつつ、真に必要な施設につ
いては公設による整備を図り、在宅福祉サービスの質的・量的拡充に努め、障がい者
が安心して豊かな地域生活ができる体制を構築していきます。
(1)利用者本位の生活支援体制の整備
【事業、施策等の現状】
・
障がい種別等を越えた総合相談をワンストップサービスとして提供する「障
がい者総合相談・就労支援センター」を社会福祉課内に設置し、日常生活上の
相談から就労支援まで利用者本位の相談が受けられるよう対応しています。ま
た、専門相談についても日時を決めた上で県の機関等から専門相談員を市役所
に派遣いただき、市役所の枠を越えたワンストップサービスの提供に努めてい
ます。
ピアカウンセリングについては、障がい者団体連絡会の協力により、当事者・
関係者相談として視覚・聴覚・ろうあ・知的・身体・精神障がい者(精神保健
福祉士も参画)の6つの当事者並びに家族等関係者による相談支援を開始し、
相談窓口の機能強化を図っています。
<障がい者総合相談・就労支援センター事業の利用実績>(平成22年度)
身
体
324 件
知
的
439 件
精
神
666 件
発
達
145 件
※年間相談件数は、3,037 件(1 日平均 13 件)
- 36 -
合
計
1,574 件
<専門相談の協力機関>
協
・
力
機
関
等
相
談
内
容
千葉県立野田特別支援学校
発達教育相談
障害者支援施設くすのき苑(のだネット)
生活療育相談
障害者支援施設沼南育成園サポートセンター
就労者生活相談
西深井地域生活支援センターすみれ
こころの生活相談
障がい者相談員
生活支援相談
県が主催する相談支援従事者研修を受講したケースワーカーが、ケアマネジ
メントの手法を生かし、福祉制度利用の調整やあっせん等を必要に応じて行っ
ています。
<相談支援従事者研修への参加>
平成 22 年度
・
1人
市では、市報、ホームページ等を活用し障がい者福祉施策や情報提供につい
ての広報活動を行うとともに、障がい者の利用できるサービスや相談場所につ
いてまとめた「障がい者福祉ガイドブック」を作成し、障がい者の方等に、社
会福祉課のほか、関宿支所や各出張所の窓口で配布しています。
<平成 22 年度実績>
障がい者福祉ガイドブック
1,200 部作成
・ 障がい者及びその家族のさまざまな相談に身近なところで応じることができ
るよう、身体障害者相談員と知的障害者相談員に対し、委嘱時に野田市で実施し
ている制度の紹介等を行っています。
また、県の主催する研修会に平成 22 年度は身体障害者相談員5名、知的障害
者相談員4名が参加しています。
<障がい者相談員数>(平成 23 年3月 31 日現在)
・
身体障害者相談員
7人
知的障害者相談員
4人
地域自立支援協議会の機能強化を図るため、22 年 12 月から身体、知的、精
神の3つの部会を設置しました。
・
判断能力が十分でない方の権利を保護する法定後見制度の利用に対する支援
を行うため、平成 15 年度から「成年後見制度利用支援事業」を導入しています。
・
在宅で日常生活を送るうえで、十分な判断ができない方等を対象にした日常
生活自立支援事業(地域福祉権利擁護事業)の初期相談窓口として取り組み、
生活を支援しています。
- 37 -
平成 22 年度
日常生活自立支援事業相談件数
12 件
・
「障がい者総合相談・就労支援センター」及び社会福祉課の相談業務の中で、地
域福祉権利擁護事業の周知を図りました。
平成 22 年度
地域福祉権利擁護事業の相談件数
・
19 件
手話講習会、要約筆記講座等によりボランティアの育成を図り、障がい者へ
の派遣者育成に努めています。
・
精神障がい者に対する引きこもり解消のため、施設ボランティアに参画する
機会をつくるなど、
「障がい者総合相談・就労支援センター」と連携を図り、社
会福祉協議会の活動支援に努めています。
・ 障がい者団体の活動拠点として、総合福祉会館の利用促進に努めています。
<障がい者団体の会館利用状況>平成 22 年度
登録団体総数:95 団体うち障がい当事者団体:12 団体
障がい関係ボランティア団体:11 団体
その他の障がい関係:4 団体
利用総件数:1,783 件うち障がい者関係団体利用件数:252 件
・
障がい者福祉団体等に補助金を交付し、活動を支援しています。
手話サークルけやきの会、身体障がい者福祉会、野田点訳奉仕会、朗読グルー
プあいの会、野田市肢体不自由児者父母の会、聴覚障害者協会、手をつなぐ親
の会、視覚障がい者協会
【事業、施策の課題】
・
アンケート調査結果では、今後利用したい障害福祉サービスとして相談支援
事業が、知的、精神障がい者で1位となっており、身体障がい者においても上
位を占めていることから、相談支援体制の強化が求められています。
・
団体ヒアリングにおいても、障がい発生時から継続してトータルに支援を行
う相談支援体制を求める要望があり、その対応が課題となっています。
・
平成 23 年 10 月から市役所に、国、県から委託を受けた「障害者就業・生活
支援センターはーとふる」が開設されたことにより、市役所内に「障がい者総
合相談・就労支援センター」と合わせ二つの就労支援機関が存在することにな
ったことから、それぞれの機能の再構築や強化が必要です。
・
「障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律」が平成
24 年 10 月1日から施行されることとなり、市町村は障がい者虐待の通報窓口
や相談等を行う障害者虐待防止センターの機能を果たすこととされたことから、
体制の整備が必要です。
- 38 -
・ 障害者自立支援法の一部改正等に伴う制度改正や、平成 25 年8月に予定され
ている(仮称)障害者総合福祉法の方向性について、最新の情報収集及び提供
に努め、理解の促進を図る必要があります。
【施策の方針】
・
障害者自立支援法を始めとする各種福祉サービスの周知徹底を図るため、障
がい者福祉ガイドブックや広報紙、ホームページ等による広報活動の充実に努
めます。
・ 障がい者の地域生活において、就労は非常に重要であり、
「障がい者総合相談・
就労支援センター」と「障害者就業・生活支援センターはーとふる」は平成 24
年9月までは引継ぎ期間として連携して就労支援にあたることとし、平成 24
年 10 月からは就労に関する相談や支援については、専門機関である「障害者就
業・生活支援センターはーとふる」にその機能を集約し支援の充実に努めます。
・ 「障がい者総合相談・就労支援センター」については、
「障がい者総合相談セ
ンター」に改組し、相談支援機能の充実と専門化を進め、生活支援体制の強化
を図ります。
・ 障がい者の虐待防止・対応についても県等が主催する研修会に参加し、
「障が
い者総合相談センター」がその機能を担います。
・
家族と暮らす障がい者の支援策として、家族教室の開催について検討します。
・
地域福祉権利擁護事業については、介護支援専門員等の専門職から支援につ
ながるケースが多いため、福祉サービス事業所を中心に普及活動に努めます。
・
障害年金など個人の財産について適切な管理ができるよう「成年後見制度利
用支援事業」など障がい者の財産管理及び身上監護を支援するシステムについ
て、利用の促進を図ります。
・
障がい者団体の活動拠点として、総合福祉会館の利用促進を図ります。
・
障がい者団体への補助については、厳しい財政状況を踏まえ、予算制約の範
囲内において可能な限り対応を検討します。
- 39 -
(2)在宅サービス等の充実
ア
在宅サービスの充実
【事業、施策等の現状】
・
障害福祉サービスは、利用者が個々の状況に合わせて事業者を選択し利用す
ることが可能となっています。このため、市では事業者の情報について市内事
業者一覧表を提供することなどにより、利用者の選択を支援しています。
<平成 22 年度障害福祉サービス利用実績>
サービスの種類
区分
居宅介護
延べ利用人数
利用時間
身体介護
442 人
8,449 時間
家事援助
634 人
8,989 時間
通院介助
47 人
291 時間
サービスの種類
延べ利用人数
重度訪問介護
34 人
サービスの種類
延べ利用人数
児童デイサービス
56 人
サービスの種類
延べ利用人数
短期入所
293 人
利用時間
8,449 時間
利用回数
151 回
利用日数
3,219 日
<平成 22 年度地域生活支援事業利用実績>
サービスの種類
区分
延べ利用人数
利用回数
17 人
45 回
知的障がい者
630 人
4,611 回
精神障がい者
0人
0回
531 人
4,426 回
1,178 人
9,082 回
一時支援
身体障がい者
障がい児
合計
- 40 -
・ 福祉タクシーについては、利用者の要望に合わせ平成 19 年4月から助成券の
サイズを縮小しました。また、登録事業所は、市内 12、市外 30(流山市6、柏
市 19、その他5)の計 42 事業所で、利用形態は、一般 20 事業所、リフト付・
ストレッチャー用 14 事業所、リフト付 8 事業所となっており、利用対象者(身
体障害者手帳1級∼3級の所持者、療育手帳所持者、精神障害者保健福祉手帳
1級所持者)の利用を促進しています。
<福祉タクシー利用実績>(平成 22 年度)
利用者数
483 人
利用件数
9,351 件
・
自動車を運転する障がい者に対しては、運転免許取得費用や自動車改造費用
の一部を補助しています。
<自動車運転免許取得費等助成の状況>(平成 22 年度)
区
分
助成件数
助成額
自動車運転免許取得費の助成
0件
0円
自動車改造費の助成
1件
50,000 円
【事業、施策等の課題】
・
障がいのある人が社会の構成員として地域の中で共に生活を送れるようにす
るためには、障がい者それぞれのニーズに応じた在宅サービスの量的、質的な
充実が必要となっています。
・
重度障がい者のための短期入所及び日中一時支援サービスを提供する事業所
が市内に極めて少ないことから、サービス提供基盤の整備が課題になっていま
す。
・
団体ヒアリングにおいては、福祉タクシーの利用方法等についての改善要望
があり、これらへの対応が課題となっています。
・
アンケート調査結果では、通園、通学で困ることとして放課後の時間を過ご
す場所がないとの意見が、今後利用したい福祉サービスとして短期入所、日中
一時支援事業が、特に知的障がい者から多数寄せられており、放課後や夜間、
通所施設終了後の支援の充実が求められています。
・
介護者の高齢化の進展により、居宅介護サービスの充実が課題となっていま
す。
【施策の方針】
・
居宅介護サービスについては、障がい特性を理解したホームヘルパーの養成
及びこれに向けた研修を行うとともに、居宅介護事業者の拡充を働きかけてい
- 41 -
きます。
・
あおい空を活用し、公設民営による重度障がい者に対する短期入所及び日中
一時支援サービス事業を実施し、サービス提供基盤の整備を図ります。
・
民設民営の枠組みの中で、既存施設の有効活用も含め、放課後等デイサービ
スや、サービス需要が大きい短期入所、日中一時支援事業への対応を支援して
いきます。
・
福祉タクシー制度については、利用方法等の改善について、可能な限り利用
者の立場に立って検討していきます。
また、市内事業者に対し、車いすやストレッチャー対応の福祉タクシーを導
入することについて、積極的に働きかけていきます。
・
このほか野田市が独自に実施する各種サービスについては、各障がい者団体
のニーズを踏まえた上で予算制約の範囲内で検討・見直しをしていくこととし
ます。
《障がい福祉計画におけるサービスの必要な量の見込み》
事業名
イ
(単位:実人/月)
24 年度
25 年度
26 年度
居宅介護等
104
112
120
短期入所
25
28
31
日中一時支援
182
189
197
住居の確保
【事業、施策等の現状】
・
障がい者の地域での居住の場を提供するグループホーム等については、野田
市からの入居者のいる施設に補助しています。
<ケアホーム利用実績>
事業所名
(平成 23 年3月 31 日現在)
所在地
対象者
利用人数
定員
ケアホームほっと
野田市
知的
5人
5人
ケアホーム希の芽
野田市
知的
3人
4人
さかいだハウス
市外
知的・精神
1人
4人
なか街
市外
知的
1人
4人
- 42 -
<グループホーム・ケアホーム利用実績>
事業所名
所在地
対象者
利用人数
定員
かりんず
野田市
知的・精神
6人
8人
グループホームかえで
野田市
知的
2人
4人
ケアホームけやき
野田市
知的
3人
4人
ケアホームしいのき
野田市
知的
1人
4人
ケアホーム柿の木
野田市
知的
3人
3人
啓心荘なでしこ
野田市
精神
3人
5人
啓心荘ひまわり
野田市
精神
4人
5人
TAMAホーム
市外
知的・精神
1人
4人
グループホーム大津ケ丘
市外
知的
1人
4人
市外
知的
1人
7人
ふるさとホーム那須
市外
精神
2人
18 人
リーブグリーンハイツ
市外
知的・精神
1人
4人
リーブのぞみ野ハイツ
市外
知的・精神
1人
4人
リーブハーモニーハイツ
市外
知的・精神
1人
5人
リーブリッキーハイツ
市外
知的・精神
1人
2人
リーブリフレハイツ
市外
知的・精神
1人
5人
市外
知的
1人
10 人
市外
知的
1人
6人
市外
身体・知的
1人
6人
グループホーム大津ヶ丘一
丁目
わたかけ社会センターグル
ープホーム
青空ハウス 1 号
第3ケアホームグッドラッ
ク
<生活ホーム利用実績>
事業所名
・
(平成 23 年3月 31 日現在)
(平成 23 年3月 31 日現在)
所在地
対象者
利用人数
定員
生活ホーム北斗
市外
知的
1人
4人
あしたばホーム
市外
知的
1人
4人
「野田市住宅困窮者民間賃貸住宅居住支援事業」を平成17年8月1日から
実施し、心身障がい者世帯を対象に、家賃等の支払ができるにもかかわらず、
「条件の合う住宅を探すのが困難」などの理由で市内の民間賃貸住宅への入居
が困難な世帯に対し、民間賃貸住宅情報の提供、保証会社や既存福祉サービス
を活用した入居保証及び居住継続支援を行うとともに、家賃等保証委託契約時
に要する費用の一部を助成することにより、入居の機会の確保及び入居後の安
定した居住の継続を支援しています。
- 43 -
<平成 22 年度利用状況>
居住支援相談の全件数:21 件(うち心身障がい者の相談件数:2件)
相談内容
件数
「住宅情報の提供」に関する相談
1
「連帯保証人」に関する相談
1
【事業、施策等の課題】
・
障がい者が地域で独立した生活を営むためには、拠点となるグループホーム
等の量的・質的充実が必要となります。
・
グループホーム等の積極的な参入が得られるような方策を検討する必要があ
ります。
・
「野田市住宅困窮者民間賃貸住宅居住支援事業」の協力不動産店の登録件数
が増えるよう事業の周知に努める必要があります。
【施策の方針】
・
グループホーム等については、民設民営を基本とした整備を推進し、運営を
支援し入居者の家賃についても支援していきます。
・
民間賃貸住宅の入居に関する様々な相談に対応し、事業の円滑な推進を図る
ため、多くの不動産店の協力が得られるよう、宅建協会等に働きかけを行うと
共に、様々な機会を通して事業の広報、周知に努めます。
《障害福祉計画におけるサービスの必要な量の見込み》
ウ
(単位:実人/月)
事業名
24 年度
25 年度
26 年度
グループホーム等
61
69
77
自立及び社会参加の促進
【事業、施策等の現状】
・
コミュニケーション手段の確保のため、手話通訳者派遣事業を実施するとと
もに外出のための移動支援として盲人ガイドヘルパー事業を実施しています。
・
社会福祉課窓口及びいちいのホール窓口に手話通訳者を設置しコミュニケー
ション支援を行っています。
・
福祉タクシーの登録事業所は、市内 12、市外 30(流山市6、柏市 19、その
他5)の計 42 事業所です。また、利用対象者は、身体障害者手帳1∼3級の所
持者、療育手帳所持者、精神障害者保健福祉手帳1級所持者とし利用を促進し
ています。(再掲)
・
聴覚障がい者及び視覚障がい者が市役所、病院、金融機関、会議等で、社会
生活上支障がある場合に手話通訳者、要約筆記者や盲人ガイドヘルパーを派遣
しています。
- 44 -
<平成 22 年度派遣実績>
手話通訳者派遣
366 件
要約筆記者派遣
154 件
盲人ガイドヘルパー
・
19 件
屋外での移動が困難な障がい者に対し、自立及び社会参加の促進のため移動
支援事業を実施しています。
<平成 22 年度移動支援事業利用実績>
区分
延べ利用人数
利用時間
身体障がい者
186 人
2,839 時間
知的障がい者
421 人
6,310 時間
精神障がい者
12 人
555 時間
358 人
6,179 時間
977 人
15,883 時間
障がい児
合計
・ 社会福祉協議会では、
「ふれあいいきいきサロン事業」の活用や、車いす及び
車いす対応軽自動車の貸出しを行い、障がい者の社会参加の促進を図っていま
す。
【事業、施策等の課題】
・
外出のための移動支援など社会参加促進のためのサービスの充実が求められ
ています。
【施策の方針】
・
障がい者が社会の構成員として地域で共に生活することができるようにする
とともに、生活の質的向上が図られるよう、手話通訳者や要約筆記者等による
コミュニケーション手段の確保及び盲人ガイドヘルパーや移動支援事業、福祉
タクシー等による外出のための移動支援など社会参加促進のためのサービスを
充実強化します。
・
地区社協が地域ぐるみ福祉ネットワーク事業として行っている「ふれあいい
きいきサロン事業」などを活用し、引き続き障がい者の社会参加の促進を図り
ます。
《障害福祉計画におけるサービスの必要な量の見込み》(単位:件、実人/月)
事業名
24 年度
25 年度
26 年度
筆記者派遣事業
600
600
600
移動支援事業
142
149
156
手話通訳者・要約
- 45 -
エ
精神障がい者施策等の充実
【事業、施策等の現状】
・
障がい者団体連絡会の協力により、平成 17 年 10 月から、当事者のほかに家
族等関係者も含めた精神障がい者の「当事者・関係者相談」
(精神保健福祉士も
参画)を実施しています。
・
市内3か所にある地域活動支援センターが実施する、創作活動や生産機会の
提供、社会との交流の促進等を図るなどの事業に対し支援しています。
・
中核地域生活支援センター「のだネット」が、平成 23 年 10 月、県から「千
葉県精神障害者地域移行支援事業」を受託し、地域移行支援協議会の運営や地
域体制コーディネーターの配置等を行い、精神疾患による入院患者の減少及び
精神障がい者の地域移行に取り組んでいます。
【事業、施策等の課題】
・
アンケート調査では、今後利用したい障害福祉サービスとして、相談支援が
最も多くなっており、精神障がい者についての専門的な相談体制の整備やケア
マネジメント体制の充実が課題となっています。
・
精神障がい者が自立した地域生活を営むための体制の整備が求められていま
す。
・
団体ヒアリングにおいて、精神疾患のある方で、相談支援、施設、医療へと
つながっていない方に対する引きこもり等への支援の要望があり、その対応が
課題となっています。
・
精神障がい者が地域で生活できるように民間の事業者が参入し、地域生活の
促進を図る必要があります。
【施策の方針】
・ 精神障がい者及び家族の多様なニーズに対応できるよう、
「障がい者総合相談
センター」による相談支援事業の機能強化を図ります。
・
精神障がい者の社会復帰を促し、将来的には自活して普通に社会参加ができ
るようにしていくため、地域活動支援センターをはじめとする必要なサービス
の提供について、民設民営という基本的な枠組みの中で事業者を支援すること
によって対応します。
・
精神疾患による入院患者の減少及び精神障がい者の地域移行への取組につい
て、中核地域生活支援センター「のだネット」と連携し推進します。
- 46 -
《地域生活支援事業における必要な量の見込み》
事業名
オ
(単位:箇所)
24 年度
25 年度
26 年度
障害者相談支援事業
2
2
2
地域自立支援協議会
実施
実施
実施
相談支援機能強化事業
実施
実施
実施
成年後見制度利用支援事業
実施
実施
実施
各種障がいへの対応
【事業、施策等の現状】
・
市で認定した難病疾患のため治療を受けている方に対し難病見舞金を支給し
ています。
<難病見舞金の支給状況>(平成 22 年度)
支給額
・
通院
月額
5,000 円
入院
月額
8,000 円
備考
市単独
障がい者手帳の有無にかかわらず、障がい者が社会復帰のための生活支援相
談、就労相談、施設利用等の相談に「障がい者総合相談・就労支援センター」
がワンストップで対応しています。
【事業、施策等の課題】
・ 重度重複化した障がいや今までの障がいの範囲とはならないものについては、
福祉サービスを受けにくいことから、その対応が必要となっています。
【施策の方針】
・
盲ろう等の重度・重複障がい者、高次脳機能障がい者、強度行動障がい者等
への対応の在り方や自閉症の特性を踏まえた支援の在り方について、国の動向
を踏まえ検討します。
・ 自閉症などの発達障がいの早期発見、支援について定める「発達障害者支援法」
が成立したことから、引き続き国の動向を注視しつつ、情報収集を図りながら、
身近なところに専門的な医療機関がない中で発達段階に応じた適切な支援の在
り方について検討していきます。
(3)経済的自立の支援
【事業、施策等の現状】
・ 新規に障がい者手帳を交付申請する際に要した診断書に係る費用については、
- 47 -
7,000 円を限度として助成しています。
<診断料助成実績>(平成 22 年度)
区
分
件
数
・
身体障がい者
378 件
精神障がい者
85 件
障がい者の経済的な負担を軽減するため、心身障がい者福祉手当を支給して
います。
<支給額>
対象者
月額
備考
身障1、2級及び知的Bの1まで
5,800円
市単独
身障3級
4,000円
市単独
身障4級
3,100円
市単独
重度知的障がい者福祉手当
8,650円
県補助対象
ねたきり身体障がい者
8,650円
県補助対象
※ ねたきり身体障がい者でおむつ使用者には、おむつ手当として3,000
円支給(市単独)
・ 重度心身障がい者医療費助成について、平成 19 年8月から精神障害者保健福
祉手帳 1 級所持者を新たに助成対象として拡大しました。
・
「障がい者総合相談・就労支援センター」事業の中で、市独自に設置した無
料職業紹介所と連携し、就労支援に努める中で、22 年度では 16 名の方が就労
に結びついています。
【事業、施策等の課題】
・
アンケート調査結果では、自立した生活に必要な条件として前回調査に引き
続き、各障がいとも「生活費の保障」や「働く場」を求める意見が多い結果と
なっていることから、障がい者本人及び家族への経済的支援の充実と関係行政
機関と連携した就労支援に取り組むことが課題となっています。
【施策の方針】
・
重度心身障がい者医療費助成については、所得の少ない障がい者世帯にとっ
ては所得補償としての性格を持っていることを考慮し、3障がいの公平感に配
慮しつつ、現下の厳しい財政状況を踏まえたなかで、利便性の向上に向け、対
応を検討します。
・
雇用、就業の促進に関する施策を体系的に進め、地域での自立した生活を総
合的に支援していきます。
- 48 -
・
障がい年金など個人の財産については、障がい者が「成年後見制度利用支援
事業」を利用して適切に管理できるよう支援します。(再掲)
・
民間施設(入所、通所)の傷害保険料の掛金について支援していきます。
(4)施設サービスの再構築
【事業、施策等の現状】
・
野田市の障がい者施設は、次のとおりです。
<市営施設の状況>(平成 23 年3月 31 日現在)
施設種別
就労継続支援B型
就労継続支援B型
生活介護
生活介護
施設名
あすなろ職業指導所
野田市心身障がい者
福祉作業所
あすなろ職業指導所
野田市心身障がい者
福祉作業所
施設定員
入所者数
20 人
17 人
15 人
15 人
20 人
24 人
23 人
18 人
生活介護
あおい空
20 人
13 人
知的障害者通所更生施設
こぶし園
40 人
35 人
17 人
6人
福祉作業所(法外施設)
野田市関宿心身障が
い者福祉作業所
知的障害児通園施設
こだま学園
30 人
24 人
肢体不自由児通園施設
あさひ育成園
40 人
13 人
施設定員
入所者数
<民営施設の状況>(平成 23 年3月 31 日現在)
施設種別
施設名
施設入所支援・生活介護
芽吹学園
50 人
22 人
自立訓練(生活訓練)
つばさ
6人
5人
就労移行支援
就労サポート・のだ
20 人
21 人
就労継続支援B型
つばさ
14 人
24 人
生活介護
ひばり
30 人
34 人
20 人
14 人
50 人
18 人
生活介護
知的入所更正施設(※)
ワークショップくす
のき
くすのき苑
(※)くすのき苑は、平成 23 年4月1日より新体系(施設入所支援・生活介
護)に移行
- 49 -
・ 施設サービスを受けている者は、平成 23 年3月 31 日現在で 354 人です。
<施設サービスの利用状況>
1.新体系に基づく施設サービス
サービスの種類
施設入所支援・生活介
護
施設入所支援・生活介
護
施設入所支援・生活介
護
施設入所支援・生活介
護
施設入所支援・生活介
護
施設入所支援・自立訓
練(機能訓練)
施設入所支援・生活介
護
施設名
施設入所支援・生活介
護
施設入所支援・生活介
護
施設入所支援・生活介
護
施設入所支援・生活介
護
施設入所支援・生活介
護
施設入所支援・生活介
護
施設入所支援・生活介
護
施設入所支援・生活介
護
人数
めふきの苑
坂東市
2人
あさひの家
鉾田市
1人
のぞみの園
高崎市
1人
グレイスホーム
渋川市
1人
グリーンヒル美里
児玉郡美里町
1人
更生園
千葉市緑区
1人
こころの風元気村
千葉市緑区
1人
袖ケ浦市
2人
上総あいらいの郷
木更津市
1人
どんぐりの郷
富津市
1人
芽吹学園
野田市
22 人
沼南育成園
柏市
8人
いぶきの広場
松戸市
1人
ローゼンヴィラ
船橋市
5人
誠光園
船橋市
5人
モア・しょうえい
長生郡長生村
1人
施設入所支援・生活介 袖ヶ浦福祉センター更生
護
所在地
園
- 50 -
施設入所支援・生活介
護
施設入所支援・生活介
護
施設入所支援・生活介
護
施設入所支援・就労継
続B・就労移行支援
施設入所支援・生活介
護
施設入所支援・生活介
護
施設入所支援・生活介
護
施設入所支援・生活介
護
リホープ
佐倉市
2人
ルミエール
佐倉市
1人
永幸苑
四街道市
1人
就職するなら明朗塾
八街市
3人
聖マーガレット
匝瑳市
1人
八王子福祉園
八王子市
1人
七生福祉園
日野市
1人
滝乃川学園成人部
国立市
1人
伊東市
1人
施設入所支援・自立訓 国立伊東重度障害者セン
練(機能訓練)
ター
計
サービスの種類
66 人
施設名
所在地
人数
自立訓練(生活訓練)
つばさ
野田市
5人
自立訓練(生活訓練)
皆来
柏市
1人
自立訓練(生活訓練)
TUBU
市川市
1人
PLAN
計
サービスの種類
就労移行支援
就労移行支援
就労移行支援
7人
施設名
自立支援センター
所在地
希望
の峰
ふるさとセンター那須
自立支援センター
人数
牛久市
1人
大田原市
2人
マリ 山武郡大網白
1人
ン・ハウス
里町
就労移行支援
就労サポート・のだ
野田市
21 人
就労移行支援
はるか
我孫子市
1人
計
- 51 -
26 人
サービスの種類
施設名
就労継続支援A型
ハマウラ福祉工場
就労継続支援A型
ハッピーウェーイ
所在地
さいたま市南
区
柏市
計
サービスの種類
就労継続支援B型
就労継続支援B型
就労継続支援B型
人数
1人
3人
4人
施設名
就労サポートリーブ
野田市立あすなろ職業指
導所
野田市心身障がい者福祉
作業所
所在地
人数
袖ケ浦市
2人
野田市
17 人
野田市
15 人
就労継続支援B型
つばさ
野田市
24 人
就労継続支援B型
青い鳥
柏市
1人
就労継続支援B型
ラポール
柏市
1人
就労継続支援B型
おおばん
我孫子市
1人
就労継続支援B型
ワークアイ・船橋
船橋市
1人
計
サービスの種類
生活介護
62 人
施設名
若葉泉の里生活介護事業
所
所在地
人数
千葉市若葉区
1人
生活介護
ひばり
野田市
34 人
生活介護
ワークショップくすのき
野田市
14 人
野田市
24 人
野田市
18 人
生活介護
生活介護
野田市立あすなろ職業指
導所
野田市心身障がい者福祉
作業所
生活介護
野田市立あおい空
野田市
13 人
生活介護
つつじ園
流山市
1人
計
- 52 -
105
人
2.旧法障害者支援施設
サービスの種類
身体障害者療護施設
施設名
晴山苑
所在地
人数
千葉市緑区
2人
計
サービスの種類
身体障害者入所授産施設
2人
施設名
セルプ・ガーデンハウ
ス
所在地
人数
千葉市緑区
1人
計
サービスの種類
1人
施設名
所在地
人数
知的障害者入所更生施設
希望の家さつき寮
鹿沼市
1人
知的障害者入所更生施設
神明苑
越谷市
1人
知的障害者入所更生施設
小池更生園
八千代市
4人
知的障害者入所更生施設
くすのき苑
野田市
18 人
知的障害者入所更生施設
豊四季光風園
柏市
5人
知的障害者入所更生施設
やまぶき園
市川市
1人
知的障害者入所更生施設
大久保学園
船橋市
3人
知的障害者入所更生施設
第 2 ひかり学園
香取郡多古町
1人
知的障害者入所更生施設
北総育成園
香取郡東庄町
1人
知的障害者入所更生施設
長生更生園
茂原市
1人
知的障害者入所更生施設
協和更生園
富里市
1人
知的障害者入所更生施設
のさか学園
匝瑳市
1人
計
サービスの種類
知的障害者通所更生施設
38 人
施設名
こぶし園
所在地
野田市
計
サービスの種類
人数
35 人
35 人
施設名
所在地
人数
知的障害者入所授産施設
千葉光の村授産園
千葉市若葉区
1人
知的障害者入所授産施設
ながうらワークホーム
袖ケ浦市
4人
君津市
1人
神戸市北区
1人
知的障害者入所授産施設
知的障害者入所授産施設
たびだちの村・BIS
HA
神戸光の村授産学園
計
- 53 -
7人
サービスの種類
知的障害者通所授産施設
施設名
千樹の里
所在地
比企郡ときが
わ町
計
人数
1人
1人
【事業、施策等の課題】
・
入所施設から地域生活への移行を推進するためには、居宅生活を支援するサ
ービス提供基盤の充実等が求められます。
・
団体ヒアリングにおいて、施設整備について、保護者の高齢化が進むなか、
障がい者が身近なところで施設を利用できるよう既存施設の有効活用等を含め
て要望があり、野田市の現状に合わせた対応が課題となっています。
【施策の方針】
・
「障がい者は施設」という認識を改めるため、保護者、関係者のみならず市
民全体の地域福祉への理解を促進します。
・
障がい者本人の意向を尊重し、入所(院)者の地域生活への移行の推進を促
進するため、地域生活の拠点となるグループホーム、ケアホームの円滑な施設
運営のため支援するとともに、入居者の家賃助成を実施し利用者の負担軽減を
図ります。
・
障がい者の様々な要望に対応できるよう、船形地区に約1万坪の土地を確保
し、鶴奉に次ぐ第二の福祉ゾーンとして、現在、障害福祉サービス事業所ひば
り、ケアホームほっとが整備されています。今後も、建設や運営能力が確実な
法人等に土地を貸与し、民設民営による施設整備を図ります。
・
重症心身障害児施設については、県及び東葛6市が協調して取り組むなか、
柏市の病院の新病院建設に伴い、現病院施設を重症心身障害児施設に改修する
計画で決定されたことから、連携して施設整備を進めます。
・
障害者支援施設(旧法における身体障害者療護施設)については、国、県に
おいては地域移行の考えから新規に入所施設を建設する方針はありませんが、
必要性を踏まえ第二の福祉ゾーンの重症心身障害児施設用地としていた土地に
おいて整備を検討します。
・
高齢化の進展に対応するため、第二の福祉ゾーンにおいて、障がい者の利用
にも対応する特別養護老人ホームの整備を検討します。
・
既存の福祉施設については、資源のバランスを図りつつ、利用者の利便を高
めるよう、その施設が有すべきサービス機能の強化を図ります。
・
施設整備については、障がい者が身近なところで施設を利用できるよう既存
施設の有効活用等も含めて、野田市の現状と利用者の要望を踏まえ真に必要な
ものを見極め検討します。
- 54 -
・ 「障害者自立支援法」により障がい者種別を越えた施設サ−ビスの利用が可能
となっていることから、既存の障がい者施設の利用について検討していきます。
・
施設利用者の送迎のためのバスの運行費、通所者の支援施策を引き続き進めま
す。
(5)スポーツ、文化芸術活動の振興
【事業、施策等の現状】
・
千葉県スポーツ大会への障がい者の参加を支援しています。
<スポーツ大会等の参加状況>(平成 22 年度実績)
内容
参加者数
千葉県障害者スポーツ大会
・
19 人
利用料が軽減されている市内の公共施設は、市民会館、コミュニティ会館、
公民館、総合公園、関宿総合公園、福田運動場、福田体育館、川間体育館、生
涯スポーツ北広場、岩名調整池庭球場、野田市関宿少年野球場、文化会館、欅
のホール小ホールなどとなっています。
【事業、施策等の課題】
・
障がいのある人の健康の増進や生活の質の向上を図り、自立と社会参加を促
すとともに、障がいのある人に対する市民の理解を深めるためには、スポーツ
や文化芸術活動が重要な役割を果たすことから、障がいの種別に応じたスポー
ツやレクリエーション活動への支援、文化活動への参加を積極的に支援してい
くことが必要となっています。
【施策の方針】
・
障がい者が様々なスポーツや文化活動に参加できるよう活動機会の拡大を図
ります。
・
レクリエーションやスポーツの指導員を確保するとともに、障がい者自らが
指導員として参画できるよう支援します。
・
市報掲載等、広報・啓発に努め、障がいのある人も、ない人も、障がい者の
スポーツや文化芸術活動に対する関心を深め、障がい者の健康増進や生活の質
の向上を図ります。
(6)福祉用具の利用支援
【事業、施策等の現状】
・
障がい者福祉ガイドブックを作成し、福祉用具(日常生活用具及び補装具)
- 55 -
に関する情報提供と利用支援を行っています。また、福祉用具に関する相談は、
「障がい者総合相談・就労支援センター」でも対応しています。
・
身体障がい者に対し、必要に応じて日常生活用具及び補装具を交付していま
す。
<日常生活用具等の交付状況>(平成 22 年度)
重度障がい者等日常生活用具
給付
2,407 件
難病患者等日常生活用具
給付
補装具
給付
0件
123 件
修理 82 件
【事業、施策等の課題】
・
アンケート調査結果では、身体障がい者において補装具及び日常生活用具の
利用希望が高くなっていますが、福祉用具については様々なものがあるため、
障がい者のニーズにきめ細かに応じた適切な情報提供を行うとともに利用者の
立場に立った相談を行うことが求められています。
【施策の方針】
・
窓口における説明やパンレット配布等により適切な情報提供に努めていきま
す。
・
障がい者相談支援事業の中で障がいの程度等に応じた福祉用具の利用につい
て支援していきます。
《地域生活支援事業における必要な量の見込み》
(単位:箇所)
事業名
24 年度
25 年度
26 年度
日常生活用具給付等事業
2,601
2,701
2,805
(7)サービスの質の向上
【事業、施策等の現状】
・
事業者は、福祉サービスに対する苦情に対応するため「苦情解決システム」
を導入しています。市で「野田市福祉施設苦情解決システム運営要綱」を施行
し、広報や各福祉施設の見やすいところに掲示するなどサービスの質の向上に
努めています。なお、具体的に申出がなされた場合は、市報で公表することと
しております。
【事業、施策等の課題】
・
利用者本位のサービス利用を進めるため、第三者評価などを利用し、サービ
ス提供事業者が自己の提供するサービスについて客観的な評価を知るとともに、
その評価を踏まえて、積極的にサービスの質の向上を図ることが求められてい
ます。
- 56 -
・
事業者におけるサービス利用者に対する「苦情解決システム」の周知徹底が
課題となっています。
【施策の方針】
・ 質の高いサービスを確保する観点から、
「障害者・児施設のサービス共通評価
基準」等を活用し、自己評価を更に進めるとともに、第三者評価機関等による
客観的なサービス評価の実施も検討します。
・
サービス利用者に対し、千葉県社会福祉協議会や事業者が設置している「苦
情解決システム」の積極的な周知を図り、円滑な利用を支援します。
(8)専門職種の養成・確保
【事業、施策等の現状】
・ 精神障がい者相談業務等に対応できるよう、
「障がい者総合相談・就労支援セ
ンター」に保健センターの保健師を兼務させて対応しています。
【事業、施策等の課題】
・
障がい者の地域生活を支援するためには、専門職種の確保が必要となってい
ます。
【施策の方針】
・
相談支援事業の機能強化を図るため、社会福祉士、精神保健福祉士等をはじ
めとした社会福祉の専門的相談・支援等に従事する者の確保に努めます。
- 57 -
3
生活環境
障がい者が自立した生活を送るためには、自らの意思で自由に移動し、安全・安心
な暮らしが生き生きとできる生活環境が求められています。このような中、アンケー
ト調査結果をみると、3障がいとも「外出する上で困ること」については、「道路な
どに段差がある」、
「階段の上り下りがむずかしい」の割合が高く住宅、公共交通機関、
歩行空間等でのバリアフリー化が求められています。
このため、誰もが快適で生活しやすいユニバーサルデザインに配慮した生活環境の
整備を推進することで、障がい者等全ての人が安全に安心して生活し、普通に社会参
加できるよう、バリアフリー化を推進します。
また、東日本大震災の発生を受け、自立避難の困難な障がい者への対応として災害
時要援護者台帳の整備を推進するとともに、福祉避難所の指定等、防災対策の拡充を
図ります。
(1)
住宅、建造物のバリアフリー化の推進
【事業、施策等の現状】
・
住宅の段差解消等を図るため、重度身体障がい者等に日常生活用具を給付し、
住宅のバリアフリー化を図っています。
<日常生活用具給付実績>(平成 22 年度)
・
移動又は移乗支援用具
給付
6件
居宅生活動作補助用具
給付
4件
平成 22 年度においては、障がい者に配慮し共用階段へ手すりの取り付けを行
いました(西大和田団地2、3号棟)。
【事業、施策の課題】
・
障がい者等をはじめ誰もが安全に安心して生活できる住宅や建物の整備によ
り、自らの意思で自由に移動し、普通に社会参加することのできる環境の構築
が求められています。
・
障がい者のための住宅は、障がいの程度に応じた設備とともに、バリアフリ
ー化が求められています。
【施策の方針】
・
障がい者に配慮した公営住宅の整備を今後とも推進していきます。
・
平成 23 年度以降については、西大和田団地1号棟、上花輪団地、七光台中央
団地の順に共用階段へ手すりの取り付けを行う予定です。
- 58 -
・ 窓口業務を行う行政施設等について、
「新バリアフリー法」及び「千葉県福祉
のまちづくり条例」に基づき、障がい者等全ての人の利用に配慮したバリアフ
リー化を推進します。
(2)公共交通機関、歩行空間等のバリアフリー化等の推進
【事業、施策等の現状】
・ 野田市の「福祉のまちづくり運動」では、視覚障がい者、車いす利用者、高
齢者、警察、事業者、市職員などでチームを編成し、障がい者や高齢者の利用
度の高い公共施設周辺を「福祉のまちづくり運動」のモデル地域と定め、順次、
パトロールを実施しています。
<平成 22 年度パトロ−ル実施状況>
・
16 路線のパトロールを行い、段差の解消、標識・看板などの据えつけ状況
の点検などを行い、補修・改修に努めました。
欅のホール(2)、野田市役所、北コミュニティセンター、南コミュニティセ
ンター、南部梅郷公民館、東部公民館、福田公民館、岩木小(2)、尾崎小、
川間小、二川小(2)、二川中(2)
<市の整備実績>(平成22 年度末までの42 回のパトロールによる整備箇所等)
全体の指摘箇所
2,546 箇所
市が対応すべき箇所数
改修済み箇所数
県、警察、事業者、所有者等が対応すべき箇所数
・
1,787 箇所
1,711 箇所
759 箇所
平成18年度末に、愛宕駅周辺を重点整備地区とする「野田市移動円滑化
基本構想」を策定し、一体的な移動の円滑化を推進しています。
・
現在、鉄道会社等(施設管理者)に対し、バリアフリー化の推進を働きか
けています。
・
都市計画道路愛宕西駅前線の整備に先立ち、平成22年7月15日に開催
された交通バリアフリー法専門部会において、愛宕駅周辺地区におけるバリ
アフリー化について説明がなされ、その際、委員からバリアフリー化への意
見・要望を伺いました。
・
国の方針では、一定の基準以上の施設は平成22年までにバリアフリー化
することとされていましたが、全自治体のバリアフリー化の進捗状況に鑑み、
バリアフリー基準を見直しつつ、目標年次を平成32年度末に改正されまし
た。
・ 新設の公園については、
「千葉県福祉のまちづくり条例」に準じた整備を行
うとともに、また、既存の公園については、施設の修繕、改築時に必要性や
経済性を考慮し、改修可能なものについて、順次、バリアフリー対応型水飲
- 59 -
器及び公園灯の設置改修など施設のバリアフリー化を実施しています。
【事業、施策の課題】
・ アンケート調査結果では、
「外出する時に困ることはありますか」との問い
に対し、
「階段の上り下りがむずかしい」
(身体障がい者 27.8%、知的障がい
者 14.7%、精神障がい者 13.7%)、「道路などに段差がある」(身体障がい者
26.6%、知的障がい者 15.0%、精神障がい者 14.2%)、「歩道が狭い」(身体
障がい者 16.5%、知的障がい者 17.7%、精神障がい者 12.4%)などの回答
の割合が高く、多くの障がい者が外出する上で不満を持っています。障がい
者の社会参加の促進に伴う多様な希望に対応するためには、ユニバーサルデ
ザインの理念に基づき、今後もより一層の公共交通機関、歩行空間等のバリ
アフリー化に取り組んでいく必要があります。
・
平成 16 年度に見直した路線の福祉のまちづくりパトロールが、24 年度で
終了することから、それ以降のパトロールの方針を決定する必要があります。
・
公園等については、障がい者等全ての人が快適に利用でき、親しめる環境
を整備するため、今後とも継続して取り組んでいく必要があります。
【施策の方針】
・
「福祉のまちづくりパトロール」により、引き続き、市内拠点地域の歩道
や交差点などの段差解消等に努めていきます。改修が済んでいない箇所につ
いては、用地の取得や他の事業とあわせて計画的に取り組み、また、関係機
関については、早期整備を要望していきます。
・ 「新バリアフリー法」及び「移動等円滑化の促進に関する基本方針(改正)
」
を踏まえつつ、駅、駅前広場、道路、信号機等重点整備地区における移動等
の円滑化が重点的かつ一体的に進められるよう、事業者に働きかけを行いま
す。
・
野田市駅、愛宕駅については、現在、千葉県において進められている連続
立体交差事業の実施に併せてバリアフリー化が図られるよう進めます。
・
障がい者等全ての人が快適に利用でき、親しめる環境を整備するため、公
園等におけるバリアフリー化を推進します。また、新設公園については、
「千
葉県福祉のまちづくり条例」に準じた整備を行います。
(3)安全な交通の確保
【事業、施策等の現状】
・
障がい者の通行の安全を図るため、視覚障がい者用信号の設置等について
「福祉のまちづくり運動」の推進を図る中で近隣地域と連携を図り、警察署
- 60 -
へ設置について要望しています。(継続要望2件)
・
平成 22 年度は、16 路線のパトロールを行い、段差の解消、標識・看板な
どの据えつけ状況の点検などを行い、補修・改修に努めました。(再掲)
【事業、施策などの課題】
・ アンケート調査結果では、外出する上で、
「道路などに段差がある」、
「歩道
が狭い」という回答が多く、引き続き安全な移動の確保に務めていく必要が
あります。
・
平成 16 年度に見直した路線の福祉のまちづくりパトロールが、24 年度で
終了することから、それ以降のパトロールの方針を決定する必要があります。
(再掲)
・
視覚障がい者用信号の設置等について要望が直ちに反映されるわけではな
いため、継続して要望していく必要があります。
【施策の方針】
・
「福祉のまちづくり運動」を引き続き推進し、関係機関と連携を図りなが
ら安全な歩行空間の整備を推進します。
・
「福祉のまちづくり運動」のパトロールにより指摘があり改修が済んでい
ない個所については、用地の取得や他の事業とあわせて計画的に取り組んで
いく必要があります。(再掲)
・
障がい者の通行の安全を図るため、視覚障がい者用信号の設置等について、
引き続き近隣地域と連携を図り警察署に要望していきます。
(4)防災、防犯対策の推進
【事業、施策の現状】
・ 市報を通じて防災等の広報の充実を図るとともに、「野田市の防災ハンドブ
ック」を全戸配布し、障がい者等を含めた市民全体に対して災害に対する基
礎知識等の普及・啓発を行っています。
・
各自治会ごとに組織する自主防災組織を新たに立ち上げる時に「自主防災
組織の手引き」を配布し、地域ぐるみの防災体制づくりの啓発を行い、地域
で実施する自主防災組織の防災訓練において、災害時要援護者に配慮した地
域ぐるみの防災体制づくりを確立するよう呼び掛けています。
・
社会福祉課において、聴覚障がい者に対し、火災や事故等の緊急時におけ
る消防署・警察署への連絡方法として、
「緊急時FAX連絡用紙(ファックス
通報用紙、ファックス110番・緊急通報用紙)」を配布しているほか、緊急
時等に周りの方にお願い事を意思表示するための「電話お願い手帳」を配布
しています。
- 61 -
・ 障がい者を含む「災害時要援護者」の安全確保について、平成 19 年7月に
策定された「野田市災害時要援護者支援計画」に沿って、自治会及び自主防
災組織等により地域住民の合意が形成された地区から、障がい者等の所在の
把握を行い要援護者台帳の整備を進めています。
・
災害時要援護者支援計画の概要や地震、火災などが起きた時の対処法を記
載した「障がい者のための防災ハンドブック」を作成し、社会福祉課のほか
関宿支所や各出張所で配布しています。
【事業、施策の課題】
・
障がい者への情報伝達やその安全確保、災害時を想定した支援策や協力関
係の整備・確立等が課題となっています。
・
アンケート調査では、災害時においてひとりで避難できない方の割合が高
くなっており、「野田市災害時要援護者支援計画」の要援護者台帳について、
自治会や自主防災組織への働きかけを行い、台帳整備を進める必要がありま
す。
・
個人情報保護の観点を含めて、地域に最も密着した自主防災組織の取組に
ついて、災害時要援護者に配慮した体制作りが必要です。
・
団体ヒアリングにおいては、東日本大震災の発生を受け、福祉避難所やこ
れに準ずる施設の設置が求められています。
【施策の方針】
・
現在「野田市地域防災計画」の見直しを図っており、この中で障がい者へ
の防災マニュアルや防災知識の普及、災害時の適切な情報提供、避難誘導等の
支援について検討していきます。
・
災害時における福祉避難所の設置について、協定の締結、指定に向け検討
し進めます。また、既存の障がい者施設等と協議を行い、福祉避難所に準じ
る避難の拠点としての指定について検討します。
・
引き続き、障がい者関係団体の参加による防災訓練を実施します。
・
防犯については、警察と連携・協力して障がい者の事情に配慮した対策を
検討します。
・
災害時要援護者支援計画については、プライバシーの保護に留意しつつ、
自治会や自主防災組織への働きかけを行い台帳整備を進め、安全な避難体制
を確立するとともに、防災訓練等でシュミレーションを行い計画の実効性を
高めます。
・
防犯組合支部、警察及び市が連携をもった防犯活動を展開するなかで、障
がい者の防犯対策についても検討を行います。
- 62 -
4
教育・育成
障がいのある子どもたちがその持てる力を最大限発揮できるような教育のあり方
が求められており、乳幼児期から卒業後まで教育・療育の面から一貫して支援する
ことが必要です。
特に一人一人の個性に応じた生活の実現のためには、きめ細かな支援が必要とさ
れています。
このため、障がいのある個々の子どもに最も適切な教育の場を確保するために、
乳幼児期から就学までの相談体制の整備、そして卒業後に至るまでの教育や療育を
計画的に進めるとともに、一人一人の教員及び療育にかかわる専門職員の教育・療
育、相談等に対する専門性や指導力の向上を図り、様々な障がいに対する適切な対
応を進めていきます。
また、障がいのある子どもの社会的・職業的自立に向けた取組や学校施設のバリ
アフリー化を継続して推進します。
(1)一貫した相談支援体制の整備
【事業、施策等の現状】
・
児童相談所では、家庭、地域に対する援助として障がい相談や育成相談な
どを実施しています。
・
障がいがある児童生徒の就学について、一人一人の発達や障がいの状況に
応じて、あるいは、持っている力を十分に伸ばしていくためにはどのような
教育が必要か、保護者と就学相談を行い、保護者の就学に対する不安を解消
するとともに、適切な就学について指導・助言を行っています。
障がいのある児童生徒一人一人の教育的ニーズに応じた適切な教育が行わ
れるよう、面接や行動観察等を実施し、一人一人の的確な状況把握をしてい
ます。また、保護者の心情を理解し、子どもにどのような教育的配慮を必要
としているのかを判断し支援するため、障がいについて専門的知識を持つ就
学相談員を配置しています。
①
第1期
平成 22 年5月∼10 月
対象:福祉施設等に通所している園児、特別支援学級に在籍している
6年児童
②
第2期
平成 22 年 10 月∼12 月
対象:就学時健康診断を通して該当する就学児。
③
・
その他、保護者の要望等により、随時受け付ける。
ことば相談室やこだま学園、あさひ育成園に通うお子さんの保護者を対象
に「就学相談説明会」を開催し、就学相談の案内を行っています。さらに新
入学生の保護者全員に対し、就学時健康診断時に就学相談のパンフレットを
- 63 -
配布し、必要に応じて相談員による就学相談を進めています。
①「ことば相談室」親の会での就学説明会(平成 22 年6月 29 日)
②「こだま学園・あさひ育成園」での説明会(平成 22 年7月6日)
③「就学時健康診断」における案内文配布(10 月∼11 月)
相談の中で保護者の考えや意見を十分に聞き、子どもの実態を把握するこ
とにより、学校見学や体験入学を進め、場合によっては、家庭訪問を行った
り保育所、幼稚園等に出向いたりし、保護者との共通理解を図り、適切な就
学ができるよう努めています。
<平成 22 年度の就学相談実績>
人
数
141 名
市役所会議室、東葛飾研修所相談室、青少年センタ
会
場
ー、就学相談員のいる学校、幼稚園、保育所、施設
等を活用
特別支援学校教諭、ひまわり相談員、小中学校特別
相談員
支援学級担任、小学校通級指導教室担任
計 16 名
・ 児童一人一人の適正就学の実施については、市の就学指導委員会の答申に
基づき、個々の発達段階や障がいの特性に応じ、保護者との話し合いを適宜、
実施しながら柔軟に進めています。
・
言語の障がい等においても、検査や相談を進め、障がいの特性に応じた指
導の充実を図っています。
<通級指導教室の状況>(平成 22 年5月1日現在)
教室名
対象とする障がい特性
児童数
担任数
52
2
南部小学校
言語障がい
言語障がい
32
1
岩木小学校
言語障がい
54
七光台小学校(巡回指導)
言語障がい
11
4
1
LD、ADHD
26
1
言語障がい
23
1
中央小学校
二ッ塚小学校
二川小学校
- 64 -
<小学校
特別支援学級の状況>(平成 22 年5月1日現在)
学校名
支援員
学級数
児童数
担任数
知的障がい
1
7
1
数
2
中央小学校
情緒障がい
1
8
1
2
1
1
1
0
宮崎小学校
難聴
知的障がい
2
12
2
3
東部小学校
知的障がい
2
15
2
3
南部小学校
知的障がい
2
10
2
2
川間小学校
知的障がい
1
7
1
2
山崎小学校
情緒障がい
1
3
1
1
岩木小学校
情緒障がい
2
9
2
2
木間ケ瀬小学校
情緒障がい
1
5
1
1
二川小学校
知的障がい
2
13
2
2
関宿中央小学校
情緒障がい
1
7
1
2
<中学校
障がい特性
特別支援学級の状況>(平成 22 年5月1日現在)
学校名
対象とする
支援員
学級数
生徒数
担任数
知的障がい
2
11
2
数
2
情緒障がい
1
3
1
1
第二中学校
知的障がい
1
2
1
0
東部中学校
知的障がい
1
4
1
1
南部中学校
知的障がい
1
7
1
2
川間中学校
情緒障がい
1
4
1
1
二川中学校
知的障がい
1
5
1
1
第一中学校
・
対象とする
障がい特性
ひばり教育相談による電話、面接、訪問相談を通しての援助を行っていま
す。
・
野田特別支援学校の支援を得た「ひまわり相談」(就学前の子どもの相談)
を実施しています。
【事業、施策等の課題】
・
地域社会の中で、障がいのある子どもたちを乳幼児期から学校卒業後まで
教育・療育の面から一貫して相談支援体制を整備することが早急の課題とな
- 65 -
っています。
・
軽度発達障がいによる適切な対応不適応の軽減を図るため、相談員の質・
量の向上を図ることが求められています。
・
就学後の継続的な相談、医療機関等の紹介、助言を計画的に行うことが必
要です。
・
外来療育相談の継続と充実に努める必要がさらにあります。
【施策の方針】
・
教育の形態に応じて、教育内容や方法の充実を図るとともに、一人一人の
障がいの特性等に応じた教育が行われるよう対応を図っていきます。
・
児童相談所や野田特別支援学校の教育相談等を活用し、引き続き早期から
適切な教育相談が行える体制を整備していきます。
(2)専門機関の機能の充実と多様化
【事業、施策の現状】
・
専門的指導を必要とする障がい児については、こだま学園やあさひ育成園の外
来相談や野田特別支援学校の発達教育相談につないで支援しています。視覚障
がい、聴覚障がい等のため、より専門的な指導を必要とする障がい児については、
盲学校及び聾学校において、本人の状況に応じた指導を受けています。
<状況>(平成 23 年3月 31 日現在)
種別
学校・施設名
入所者数
知的障害児通園施設
こだま学園
13 名
肢体不自由児通園施設
あさひ育成園
13 名
千葉県立野田特別支援学校
特別支援学校
合
計
小学部
52 名
中学部
38 名
高等部
52 名
計
142 名
168 名
・ 中核地域生活支援センター「のだネット」は 24 時間 365 日体制であること
など、
「障がい総合相談・就労支援センター」とは異なるサービスの特徴を生
かし、特に、夜間における精神障がい者からの相談・支援に応じています。
【事業、施策等の課題】
・
障がいの重度・重複化や多様化の状況を踏まえ、様々な教育・療育ニーズ
- 66 -
に対応できる体制の整備が求められています。
・
地域の教育・療育のセンターとしての役割を担う機関と、関係機関とのネ
ットワーク化を図る必要があります。
・
団体ヒアリングにおいて、学齢前の相談機能の強化、療育施設の充実が求
められており、発達センター的機能の設置が要望されています。
【施策の方針】
・
高齢化した障がい者及び保護者の育成支援のため、中核地域生活支援セン
ターの利用を促進し、施設が有する人材、設備などの機能を活用することに
より、在宅療育等に関する相談・指導体制の充実を図ります。
・
特別支援学校で行う保護者への教育支援や小・中学校における障がいのあ
る児童生徒への教育支援等の地域の中核となる教育センター的取組を支援し
ます。
・ こだま学園及びあさひ育成園は、児童福祉法の改正により、平成 24 年4月
から児童発達支援センターに移行し、これまでの通所利用の障がい児やその
家族に対する支援に加え、地域の障がい児やその家族への相談、障がい児を
預かる施設への援助・助言を行う機能を付加するとされたことから、地域の
中核的な療育支援施設としてその機能の強化を図ります。
(3)指導力の向上と研究の促進
【事業、施策の現状】
・
教職員については、野田市教育委員会や野田市教育研究会で実施する障が
い児教育に関する研修会や各種公開研究会へ参加しています。(再掲)
<教職員に対する研修>(平成 22 年度)
研修・研究会
参加者数
特別支援学級部会
31 人
特別支援コーディネーター部会
31 人
特別支援教育総合推進事業研修会
141 人
特別支援教育・教育相談研修会
280 人
【事業、施策等の課題】
・ 指導力向上のために教員は専門家として、より一層の資質向上が必要です。
また野田特別支援学校と今後も引き続き連携していくことが必要です。
・
特別支援教育を推進するため、学校関係者のみならず、保護者をはじめ多
くの方への理解と協力を得るための努力が今後も求められています。
- 67 -
【施策の方針】
・
専門家チームの設置と教育相談の拡充により、学校外の専門家等の人材活
用や、組織として一体的な取組を可能とする支援体制の構築、さらには特別
支援教育連携協議会を設置し、関係機関との有機的な連携協力体制の構築等
により、一人一人の教員及び療育にかかわる専門職員の教育・療育、相談等
に対する専門性や指導力の向上を図ります。
・
特別な支援を必要とする児童・生徒への支援の充実を図るため、教職員等
を対象に研修会や講習会を実施し、複数の障がいを持つ児童・生徒に対応し
ていきます。
・
実践的な研修により児童生徒の個々の状況に応じた指導や教育の一層の充
実を図ります。
(4)社会的及び職業的自立の促進
【事業、施策の現状】
・
特別支援学校生徒のニーズに応じた進路指導体制の充実のため、進路指導
担当教諭と「障がい者総合相談・就労支援センター」が連携を図っています。
・
特別支援学校等卒業後の進路確保のため、市ではあすなろ職業指導所、こ
ぶし園、あおい空、野田市心身障がい者福祉作業所及び野田市関宿心身障が
い者福祉作業所を整備しています。
・
中央公民館において障がい者青年学級「わたぼうし」を開設し、毎月 2 回、
日曜日に社会的自立を目指し、調理実習やスポーツなど全体活動とクラブ活
動を行っています。
【事業、施策等の課題】
・
障がいの特性や個性に応じた指導の充実とサポート体制を図ることが必要
となっています。
【施策の方針】
・
障がいのある子ども一人一人の個性に応じた支援体制の充実を図り、障が
いのある子どもの社会的、職業的自立を促進するため、教育、福祉、医療、
労働等の幅広い視点から適切な支援を行えるよう関係機関と連携し、包括的
なサポート体制の構築に努めます。
・
地域における学校卒業後の学習機会の充実のため、教育、療育機関と連携
を図り、生涯学習を支援することで、社会的自立を促進します。
・
障がい者青年学級終了後、自主的なサークルへの移行を視野に入れ、代表
者の育成を図ります。
- 68 -
(5)施設のバリアフリー化の促進
【事業、施策の現状】
・
学校の施設・設備の整備として、計画的にトイレ改修整備、スロープの設
置や階段の手すり等の設置を行い、バリアフリー化を図っています。
<市内小中学校改修状況>
(平成 22 年度実績)
学校名
福田第一小学校
岩木小学校
二川小学校
関宿中央小学校
北部中学校
改修内容
校舎東側1∼3階トイレに洋式便器設置及び手
すり取付け
普通教室棟西階段手すり取付け
管理棟2階女子トイレに洋式便器設置及び手す
り取付け
校舎2∼3階段手すり取付け
北棟西2階男子トイレに洋式便器設置及び手す
り取付け
福田中学校
車椅子用階段昇降機設置
岩名中学校
車椅子用階段昇降機設置
【事業、施策等の課題】
・
障がいのある子ども一人一人に応じたきめ細かい支援ができる学校施設に
するため、トイレ改修、手すりの取付けやスロープ等の整備が必要です。
【施策の方針】
・
学校施設については、障がいの有無に関わらず様々な人々が利用する公共
的施設であるという観点から、施設のバリアフリー化を推進し、障がいのあ
る子どもにとっても利用しやすい教育施設の場を確保できるよう推進してい
きます。
- 69 -
5
雇用・就業
障がい者が自立し、社会参加を果たすためには、障がい者が持てる能力を最大限
発揮し、働くことによって社会貢献を行うことが重要です。このような中、団体ヒ
アリングやアンケート調査結果において、
「雇用の場の拡大」や「雇用主の障がいに
ついての理解促進」が大きく求められています。
こうしたことから、障がい者の雇用の促進と社会参加の推進を図るためには、事
業主を始めとする市民一人一人の障がい者雇用への理解を促進することが重要であ
り、雇用の場の開拓につながる啓発活動を行ってまいります。
また、障がい者自らが、障がいの特性に応じ、訓練施設や就労の場を確保できる
よう関係機関と連携して、相談体制を整備するとともに、情報の提供に努めます。
さらに、雇用の場の拡大を図るため、
「障害者雇用率制度」の普及促進及び事業主
等に対し雇用促進に係る制度の周知とその利用促進を図るとともに、障がい者が働
きやすい環境づくりを支援していきます。
(1)障がい者の雇用の場の拡大
【事業・施策等の現状】
・ 平成 19 年度から無料職業紹介所に障がい者の求人開拓を専門に行う相談員
を配置するとともに、市独自に「障がい者総合相談・就労支援センター」を
設置し、雇用の場の確保とあわせて障がい者の就労支援に取り組んでいます。
・
雇用の場の一つとして、市役所及び欅のホール、いちいのホールに障がい
者自身が従事する喫茶室が設けられています。喫茶室にて就労経験を積むこ
とにより、企業への就職につなげやすくなるとともに、企業を解雇された者
が次の一般就労までのつなぎの場として利用することで無為な在宅を過ごさ
ずに済むようになる等の効果が上がっています。
・
社会福祉協議会が野田市斎場内に設置している「セレショップやすらぎ」
の売店運営について、精神障がい者の雇用促進を図っています。また、友引
の日の売店運営を実施するとともに、従事者拡大に努めています。
・
ハローワーク松戸管内の関係機関で組織する「障害者雇用連絡会議」に参
加し、障がい者の就職促進のための現況把握や「障害者雇用促進合同面接会」
等の具体的な実施方針の検討及び意見・情報交換に努めています。
- 70 -
「障害者雇用促進合同面接会」の状況
平成 22 年 10 月 28 日に三井ガーデンホテルで開催されました。
参加事業所
求人数
23 社
139 人
うち市内事業所
2社
求人数
5件(人)
総数(男・女) 知的(男・女) 精神(男・女) 身体(男・女)
参加障がい者
うち市内障がい者
面接延人数
うち市内障がい者
採用結果
うち市内障がい者
・
220 人(158・62)
80 人(64・16)
61 人(41・20)
79 人( 53・26)
17 人(16・ 1)
13 人( 8・ 5)
16 人(10・ 6)
159 人(131・28)
127 人(84・43)
166 人(114・52)
62・17)
21 人(21・ 0)
23 人(15・ 8)
35 人( 26・ 9)
11 人( 3・8)
2 人( 2・ 0)
3 人( 0・ 3)
6 人(
1・ 5)
4 人 ( 2・2)
1 人( 1・ 0)
1 人( 0・ 1)
2 人(
1・ 1)
46 人(
34・12)
452 人(329・123)
79 人(
障がい者の法定雇用率達成指導や市内障がい者の雇用状況並びに各種支援
制度を紹介した「各種支援等措置のご案内」を配布し、事業者に対して、
「雇用
促進奨励金支給事業」「障がい者職場実習奨励金支給事業」「若年者等トライ
アル雇用奨励金支給事業」の周知に努めています。
・
無料職業紹介所相談員の事業所訪問
・
「障がい者総合相談・就労支援センター」と連携したワンストップサービ
スの実施
・
園芸福祉の取組の中で、収穫から、販売までを行い、社会参加や自立・自
活に向けた試行的な取組を行いました。
【事業、施策等の課題】
・
障がい者の雇用の促進及び職業の安定を図るためには、事業主を始めとす
る市民一人一人の障がい者雇用への理解が不可欠であることから、一層の啓
発広報を推進していく必要があります。
・
一般企業において雇用されることの困難な精神障がい者に対する就労支援
が望まれます。
・ 障がい者法定雇用率 1.80%に対して、県内及び市管内の雇用率がそれぞれ
1.60%、1.41%と依然として十分でなく、就業機会の拡大に向けた対策が課
題となっており、無料職業紹介所相談員の事業所訪問をはじめとして、様々
な機会を通じて、「障がい者職場実習奨励金支給事業」「若年者等トライアル
雇用奨励金支給事業」の更なる周知と利用促進、
「障がい者総合相談・就労支
- 71 -
援センター」との連携による雇用促進につながる情報提供などが必要です。
・ アンケート調査結果では、学校等の卒業後の進路や今後の働き方として「会
社などで働きたい」とする方の割合が高くなっており、雇用の場の拡大が課
題となっています。
【施策の方針】
・
障がい者の雇用促進を図るため、事業者と障がい者による「障害者雇用促進
合同面接会」に積極的な参加を促します。
・
「障害者雇用率制度」の普及促進と障がい者雇用についての啓発広報に努
めます。
・
宅地開発事業や大規模小売店舗等出店の事前協議の機会を捉え障がい者の
雇用について配慮していただくよう要請します。
また、市の事業取組に当たって、障がい者の雇用の場が創出できるよう検
討段階から関わり協議していきます。
・
障がい者の特性や適性に応じた訓練施設や就労の場を確保するため、この
ような施設や場を整備・提供していただける法人等に対する支援を検討する
ほか、障がい者相談支援事業の中で、生活支援ワーカーと連携して、就労相
談や情報提供の要請に応じてまいります。
・
社会福祉協議会が野田市斎場内に設置している「セレショップやすらぎ」
の売店運営について、精神障がい者の雇用促進を図るため引き続き支援して
いきます。
・ 無料職業紹介所相談員の事業所訪問などにより、平成 18 年度より開始した
「障がい者職場実習奨励金支給事業」と、平成 20 年度から障がい者も対象と
した「若年者等トライアル雇用奨励金支給事業」の周知、利用促進を関係機
関と連携して進めていきます。
・
就労に関する相談や支援については、専門機関である「障害者就業・生活
支援センターはーとふる」にその機能を集約し支援の充実に努めます。
(再掲)
・
「障害者就業・生活支援センターはーとふる」と連携し、障がい者に係る
求人情報を提供するなどにより、障がい者の雇用促進につながるワンストッ
プサービスを実施していきます。
(2)総合的な支援施策の推進
【事業、施策等の現状】
・ 就労対策の推進として、障がい者、高年齢者等を雇用した事業主に対し「野
田市雇用促進奨励金」を交付することで、障がい者等の雇用の拡大を容易に
し、福祉の増進に努めています。
- 72 -
※野田市雇用促進奨励金
奨励金・・・各月の賃金の 10/100 に相当する額
期
間・・・雇用の翌月から 12 カ月以内
(限度額 15,000 円)
(最高限度額 180,000 円)
<野田市雇用促進奨励金交付状況>(平成 22 年度)
交付人数
交付金額
・
113 人(うち障がい者 8人)
4,936,296 円(うち障がい者
427,449 円)
障がい者を対象に職場実習を行った事業主に対し、「野田市障がい者職場
実習奨励金」を支給することで、働く意欲と能力を有する障がい者の職場を
確保し、雇用を促進することに努めています。
・ トライアル雇用を実施する事業主に対し、
「野田市若年者等トライアル雇用
奨励金」を支給することで、トライアル雇用を通じた若年者又は障がい者に
よるその適正、能力等にふさわしい職業選択及び事業主と若年者等との相互
理解の促進を図り、常用雇用を推進することに努めています。
・
就業機会の拡大を図るため「野田市起業家支援事業補助金等交付規則」を
整備し、障がい者等の雇用の拡大と地域経済の活性化の同時達成を目指して
います。
・
障がい者を含めた就労希望者に対して、IT機器操作習熟のための場とし
て、職業訓練センターにおいて各種セミナーを開催しています。
・
障がい者の法定雇用率達成指導や市内障がい者の雇用状況並びに雇用促進
奨励金制度等、各種支援制度を紹介し、啓発促進に努めています。
・
身体障がい者と視覚障がい者のパソコン講習会をそれぞれ1回実施し、技
能講習の場を設けています。
(平成 22 年度実績)
参加者
場
所
身体
12 名(8回受講)
視覚
2名(6回受講)
野田公民館
【事業、施策等の課題】
・
障がい者の高齢化や障がいの重度・重複化の進展を踏まえ、関係機関が密
接な連携を図るとともに、多様な雇用・就労形態も視野に入れた雇用施策の
充実を図っていく必要があります。
・
厳しい雇用環境のなか、離職者を含めた就職前から就職後定着までの一貫
した支援が必要です。
・
平成22年度の雇用促進奨励金の実績は障がい者雇用が8人と少ないこと
から、働く意欲と能力を有する障がい者が継続して就労できるよう「障がい
- 73 -
者職場実習奨励金支給事業」
「若年者等トライアル雇用奨励金支給事業」とと
もに、障がい者に対する各種奨励金制度の更なる周知と利用促進に努める必
要があります。
・
障がい者を雇用することによる各種制度の優遇策の利用促進を図り雇用に
つなげることが必要です。
・
IT機器操作習熟のための場は提供していますが、障がいのある方のなお
一層の参加促進に努める必要があります。
【施策の方針】
・
事業者に対し働きやすい環境づくりを要請する等の対応とともに、講演会
開催情報を提供することで理解の促進を図ります。
・
障がい者の雇用拡大のため、「障がい者職場実習奨励金支給事業」「若年者
等トライアル雇用奨励金支給事業」とともに、
「野田市雇用促進奨励金支給事
業」及び「野田市起業家支援事業」の周知並びに利用促進を図ります。
・
障がいの部位・特性等に配慮し、障がい者がITを活用し職域の拡大や障
がいの特性に応じた雇用・就労形態の選択が可能となるよう、IT機器等の
操作に習熟するための職業訓練を推進します。
・
就労の円滑な支援を図るため、関係機関、団体等から成る仮称「就労支援
連絡会議」を設け、連携を強化します。
- 74 -
6
保健・医療
障がい者に対する適切な保健サービス、医療、リハビリテーションの提供は、
障がいのある者が安心して生活を送る上で欠かすことのできないものです。
また、障がいの原因となる疾病等の予防や治療について、適切な保健・医療サ
ービスを提供していく必要があります。団体ヒアリングにおいては、
「障がい児に
対する専門医等によるケアや早期発見、早期療育の充実」が要望されています。
このため、妊娠、出産、発達期から高齢期に至る各段階に応じ障がいの原因と
なる疾病等の予防と早期発見、早期治療の推進を図るとともに、関係機関、専門
機関と連携を図り、障がいに対する必要な保健・医療サービスの適切な提供に努
めます。
また、これらの保健・医療サービスを提供する上で基礎となる専門職種の養成・
確保に努めてまいります。
(1)障がいの原因となる疾病等の予防と早期発見の推進
【事業、施策等の現状】
・
妊娠中及び出産前後における障がいの発生予防対策として、妊婦一般健康
診査、乳児一般健康診査、母子等医療費助成金支給制度で妊婦や乳児に対す
る健康診査等への助成を行っています。また妊娠中の異常を発見し、流・早
産や未熟児出生などを防止するため、母子健康手帳交付時は保健師による面
接指導を行い妊産婦、新生児、乳幼児まで継続した保健指導をしています。
また地域で生活する身近な相談者として保健推進員が家庭訪問することによ
って対象者の不安の軽減、解消につながっています。
・ 乳幼児健診を通して心身の発育・発達状態、疾病の有無等の医学的診査及び
精神発達等の相談、指導等の多角的な健康診査により心身障がいを早期に発
見し適切な保健指導に努めるとともに、育児知識の普及を図っています。
<各健康診査の実績>(平成 22 年度)
対象者
受診者
受診率
3か月児健康診査
1,245 人
1,229 人
98.7%
1歳6か月児健康診査
1,281 人
1,232 人
96.2%
三歳児健康診査
1,354 人
1,202 人
88.8%
5歳児健康診査
14 人
13 人
92.9%
- 75 -
<妊婦一般健康診査、訪問指導等の実績>(平成 22 年度)
事業名称
受診件数、開催回数、人数等
妊婦一般健康診査
12,980 件
母子等医療費助成金
妊婦健康診査
90 件
妊婦の疾病
84 件
未熟児
12 件
両親学級
42 回
妊産婦への訪問指導
346 件
乳児一般健康診査
1,768 件
新生児への訪問指導
・
1,237 人
262 件
保健師による個別相談
1,692 件
保健推進員による個別相談
3,424 件
40 歳以上の野田市国民健康保険の加入者を対象として、内臓脂肪症候群
(メタボリックシンドローム)に着目した特定健康診査を実施。運動、栄養、
喫煙面での健全な生活習慣の形成と生活習慣病の早期発見、早期治療に努め
ています。
・
後期高齢者医療制度に加入している方(一定の障がいがあり認定を受けた
65 歳以上の方を含む)の健康の保持増進のため後期高齢者健康診査を実施、
生活習慣病の早期発見、早期治療に努めています。
・
内臓脂肪症候群予備群と判定された方に対して、脳血管疾患や糖尿病等の
生活習慣病の予防策として特定保健指導を実施し動機づけ支援及び積極的支
援を行うことにより、健康管理意識の向上に努めています。
<特定健康診査の実績>(平成 22 年度)
特定健康診査
対象者
受診者
受診率
32,249 人
11,455 人
35.5%
特定保健指
導対象者
1,551 人
<後期高齢者健康診査の実績>(平成 22 年度)
後期高齢者健康診査
対象者
受診者
受診率
13,543 人
3,489 人
25.8%
- 76 -
<健康づくり推進プロジェクト事業実績>(平成 22 年度)
対象者等
実施回数
人数
健康づくり教室
65 歳以上
24 回
33 人
スマートダイエット
40 歳から 64 歳
26 回
24 人
教室
BMI25 以上
介護予防サポーター
介護予防ボラ
12 回
19 人
研修
ンティア
【事業、施策等の課題】
・ アンケート調査結果では、障がい発生時の年齢は、身体障がい者は 40 歳以
降、精神障がい者は 20 歳以降が多く、知的障がい者は生後から 10 代が最も
多いという傾向がみられます。こうした障がいによる特徴の違いを踏まえた
予防対策の充実に努めるとともに、早期発見、早期治療等をより一層推進し
ていくことが求められています。
・
若年妊婦や望まない妊娠等ハイリスクが増加傾向にあり、妊婦健康診査時
における疾病等を早期に発見するとともに年齢、家族状況にあわせた適切な
相談や支援に取り組むことが必要です。妊娠中の相談等では、インターネッ
トの普及に伴い、妊娠・出産・育児に関する情報が氾濫し、混乱している妊
婦が多く見られます。
・
乳幼児の死亡原因は事故によるものが最も多く、窒息、転倒、転落、溺死
はそれぞれ増減を繰り返しながら増加傾向にあり、事故防止のための具体的
な方策等の情報提供が必要になっています。
・
高齢社会が進む中で、生活習慣病を起因とする障がいが増加する傾向にあ
ることから、各種健康診査の受診率を高めて早期発見に努めるとともに、健
康診査後の特定保健指導、健康教育や健康相談等を充実することにより、普
段の生活において予防ができるようにしていくことが必要となっています。
・
高齢期に入る前からの積極的な介護予防と生活習慣病予防の取り組みが必
要になっています。
【施策の方針】
・
妊産婦の健康管理の充実及び経済的負担の軽減を図り安心して妊娠・出産
ができる体制を確保するため妊婦一般健康診査、乳児一般健康診査の助成・
妊婦歯科健康診査の実施・母子等医療費助成金の支給を行うとともに受診勧
奨し、両親学級、妊産婦・新生児訪問から継続した保健指導に努め、必要に
応じ関係機関と連携をして支援していきます。
・
保健推進員や訪問指導員により全ての乳児の家庭を訪問し、子育ての孤立
化を防ぐため居宅において不安や悩みを聴き、安心して子育てができるよう
に子育て関する必要な情報提供を行います。
- 77 -
・ 乳幼児のいる家庭には、
「子どもの病気・けが ∼気がかりな病状と手当て、
病院のかかり方∼」と題したパンフレット等を配布すると共に訪問指導や乳
幼児健康診査等あらゆる機会を通して事故防止の情報提供に努めます。
・ 障がいの原因となる疾病等の適切な予防と早期発見を一層進めるとともに、
出生から高齢期に至る健康保持・増進のため、各種健診や健康相談等の施策
を推進します。
・
中高年には「健康づくり推進プロジェクト事業」の実施を通じ、障がいの
原因となる傷病予防に努めます。
(2)
障がいに対する適切な保健・医療サービス等の充実
【事業、施策等の現状】
・
乳幼児の心身の発達状況については、各種健康診査、相談を通じて把握し
ており、状況を判断しながら医療機関や関連施設への紹介を行うとともに、
対応策として育児相談、親子教室、ことばの相談事業等を行っています。
<相談実績 >(平成 22 年度)
育児学級(えだまめクラブ)
24 回
155 人
育児相談
48 回
184 人
親子教室
24 回
657 人
心理相談・ことばの相談
143 回
730 人
訪問指導
193 件
電話相談
1,003 件
※3か月児・1歳6か月児・三歳児・5歳児の健康診査及び妊婦・乳児一般健
康診査については、前項(1)の中で記載
・
言語障がい児童に対する個別指導や、ことばに関する心配をお持ちの保護
者の方の相談をことば相談室において行いました。
<相談実績 >(平成 22 年度)
ことば相談
相談件数
1,832 件
・ 子育て支援センター、子育てサロン、つどいの広場等において育児相談や子
育て講習会等を実施しました。また、子育て支援センターを中心に育児支援に
関わる事業者・団体等の交流会を開催し連携を図りました。
- 78 -
<子育て講習会参加実績 >(平成 22 年度)
子育てサロン
NPO法人
ゆう&みい
854 人
NPO法人
子育てネットワークゆっくっく
424 人
NPO法人
野田市どろんこの会
533 人
つどいの広場
・
14 人
生活習慣病による疾病については、各種健診による早期発見を進めるとと
もに発見者に対する医療機関への受診勧奨や紹介等により対応しています。
・
在宅の療養者については、保健師が自宅を訪問し、本人やその家族に対し
て、心身機能の低下の防止と健康の保持増進に必要な保健指導を行っていま
す。
<健康指導>(平成 22 年度)
指導を行った在宅療養者
実数
延べ人数
生活習慣病
7人
9人
精神保健福祉
38 人
83 人
難病
0人
0人
結核
1人
4人
その他
19 人
41 人
また、在宅リハビリテーションとして、理学療法士が動作訓練や介護方法
等について保健指導や相談を行う訪問リハビリを実施しています。
<訪問リハビリの状況>(平成 22 年度)
開催回数
年3回
利用実人員
13人
延べ人員
29人
・ 疾病や外傷、老化等により心身の機能が低下している者に対し、健康増進
法に基づく機能訓練事業を実施し、心身機能の維持・回復と社会参加の促進
を図り、日常生活における自立度を高めるリハビリ教室を実施しています。
(毎週金曜日開催)
<リハビリ教室の状況>(平成 22 年度)
実施場所
野田市保健センター
野田市関宿保健センター
開催回数
45回
利用実人員
54人
延べ人員
301人
- 79 -
・
障がい者施設において、医療機関からの派遣による理学療法士や作業療法
士が機能訓練等の指導を行うとともに、リハビリテーション医療を実施して
います。
・ 庁内における各種審議会や野田保健所を中心とする各種連絡協議会を通じ
て、保健・医療・福祉の連携を図り、行政・医療機関・保健所等が一体とな
って保健医療サービスの提供に取り組んでいます。
・ 障がい者にとって、医療とのかかわりは密接な関係にあり、診療回数も多
いため、自己負担分の医療費が生計に支障をきたすことから、医療費負担の
軽減のため、医療の給付及び医療費の助成を行っています。
<医療、その他の内容>
(平成 22 年度)
自立支援医療(更生医療)
○申請状況
(障がい改善、機能回復に対す
腎臓 13 人、肝臓1人、
肢体2人、免疫 21 人
る医療給付)
聴覚 1 人、人工透析 21 人
○助成額
重度心身障がい者医療費助成
64,326,059 円
○身体障害者手帳1級∼3級
(身体1級∼3級、知能指数5
助成件数
52,134 件
0まで、精神1級の障がい者
助成金額
251,647,160 円
が病院等に受診した場合に医
○知的知能指数50まで
療費の保険適用自己負担分を
助成件数
6,798 件
助成)
助成金額
21,447,900 円
○精神障害者保健福祉手帳1級
助成件数
1,268 件
助成金額
13,591,330 円
精神障がい者入院医療費一部
○申請状況
助成
○助成額
921 件
16,502,080 円
(精神障がい者が1か月以上
入院した場合、医療費自己負
担分の2分の1を助成(所得
制限有)
【事業、施策等の課題】
・ 少子化や核家族化を背景として、気軽に相談できる相手がなく、育児不安
を抱える保護者が増加していることなどから、疾病の早期発見とともに、育
児相談、育児学級(えだまめクラブ)、親子教室、子育て支援センター等の相
談体制の充実や障がいの程度に合わせた専門のリハビリテーション提供体制
の確保、専門医によるケア体制の充実など早期療育に向けた取組が求められ
- 80 -
ています。
・
団体ヒアリングにおいては、発育、発達が気がかりな子どもに対し、専門
医の受診が継続的に受けられるシステムが要望されており、その対応が課題
となっています。
・
育児不安や産後うつ病、児童虐待など年々増加傾向にあり、親と子の心の
問題への対応が緊急の課題となっています。
・
子育てサロン等は、地域バランスを考慮しながら実施していく必要があり
ます。
・
慢性疾患、精神疾患、難治性疾患など障がいに対する継続的な医療が必要
な障がい者に対しては、身近な医療機関における医療の提供、医学的相談体
制の整備が求められます。
・
医学的リハビリテーションによる機能の維持回復が期待されるものについ
ては、適切な評価が行われるようにするとともに、病院から地域に至るまで
の一貫した医学的リハビリテーション体制の整備を図る必要があります。
・ アンケート調査結果では、健康管理や医療で困っていることとして、
「専門
的な治療を行っている医療機関が近くにない」、「医療機関が遠い」、「医療費
の負担が大きい」の回答が多くなっており、その対応が課題となっています。
【施策の方針】
・
小児に対しては、障がいの早期発見と早期療育が、その後の障がいの軽減
や発達に及ぼす影響が大きいことから、療育に知見と経験を有する医療・福
祉の専門職と療育の場の確保に努めるとともに、関係者間の共通理解のもと、
発達段階に応じ障がいの特性に対応した支援をします。
・
千葉県、野田健康福祉センター(野田保健所)と連携を図り、誰もが利用
しやすい医療提供体制の確立や、精神医療、精神保健対策、母子保健医療対
策、障がい者保健医療対策の推進に努めます。
・ 両親学級、育児学級(えだまめクラブ)や親子教室、育児相談等において、
気軽に相談できる場をつくり、親の育児不安の解消やストレスの緩和、育児
能力の向上を図り児童虐待の未然防止などサービスの向上に努めます。
・
専門職以外に、地域の身近な育児の相談相手となる保健推進員の更なる市
民への周知に努め、幅広くサービスが利用でき不安の軽減・早期支援につな
がるように体制を整えていきます。
・
発育・発達や親子関係が気がかりな乳幼児に対しては、臨床心理士による
心理相談、保健師等による保健指導をきめ細かく行い、障がいが疑われる場
合には専門医療機関等の紹介や就学等の段階においては教育委員会等関係機
関や各専門職と連携を図ります。
・
育児不安の解消や発達面からの支援を行うため、子育て支援センターにお
いて親子教室・出前保育・育児相談等の充実を図り、また、ことば相談室に
- 81 -
おいては合同講演会・親の会わいわいティータイム・育児相談等を充実させ、
子育てサロン等との連携を図ってまいります。
・
障がいの早期発見及び障がいに対する適切な医療・医学的リハビリテーシ
ョンの提供により、障がいの軽減、重度化や二次障がい及び合併症等の防止
に努めます。
・ 医療費の負担を軽減するための各種助成制度を継続し、平成 25 年4月から
は新たに自立支援医療(育成医療)に取り組むとともに、引き続き各種制度
の改善を検討します。
(3)精神保健・医療施策の推進
【事業、施策等の現状】
・ 心の悩みや 精神障がい等を持ちながら子育てをしている親子を支援するた
め、平成17年5月から育児学級(えだまめクラブ)を開設。また、保健所
の精神保健福祉相談員や、関係課とカンファレンスを行いながら支援してい
ます。
・
精神保健・医療施策の推進のため、個別相談、心の健康に関する講演会等
を通して、ストレスに起因するうつ病等様々な精神症状についての知識の普
及啓発に努めています。また、保健所・医療機関・関係機関との連絡会等を
通じて情報交換を行うなど協力、連絡体制の充実を図っております。
・
保健所との連携により保健指導等を行い対応しています。
<相談、支援等の内容>
(平成 22 年度)
健康相談
開催回数
(精神に関する相談)
相談延べ件数
障がい者総合相談
(健康・医療に関する支援)
「こころの健康」に関する講演会
年
相談延べ件数
参加者数
11 回
18 件
385 件
95 人
【事業、施策等の課題】
・
多くの人が不満や悩み、ストレスを持ちながら生活している中で、学校、
職場、地域など身近なところにいて心の健康に関して気軽に相談できる窓口
の整備や情報提供体制の充実が求められています。
【施策の方針】
・
地域精神保健福祉連絡協議会の活用など、保健所や医療機関等の協力、連
携を図りつつ、引き続き心の健康、老人精神保健相談の充実を図るとともに、
障がい者相談における専門相談の充実、強化等を進めることで心の健康づく
- 82 -
りをより一層進めていきます。
・ 広報・啓発の推進により、精神障がいに関する正しい知識の普及を図ること
で、精神疾患の早期発見等に資するよう努めていきます。
・ 育児学級(えだまめクラブ)、訪問指導、健康相談等を通して、正しい知識
の普及に努め、精神保健事業を進めます。
(4)専門職種の養成・確保
【事業、施策等の現状】
・
理学療法士の採用や、精神障がい者相談業務に対応できるよう、保健師が
精神保健福祉士の現任者講習会を受講するなど、精神保健福祉士の養成に努
めています。
・
理学療法士、精神保健福祉相談員等、ソーシャルワーカーと連携を図りな
がら、保健師の資質の向上を図っています。
【事業、施策等の課題】
・
障がい者相談支援事業では、精神保健福祉士による相談対応が求められて
います。
・
地域生活を支援するため、障がい者の機能動作能力の回復に資するリハビ
リテーション等を指導できる理学療法士など、質の高い人材確保が重要です。
・ 関係職種間の連携強化と専門職種の資質向上を図っていく必要があります。
【施策の方針】
・
理学療法士、精神保健福祉士等の適切な配置については、民間の人材の活
用等も視野に入れて検討します。
・
地域の保健・医療・福祉事業従事者との連携強化を図り、障がいの原因と
なる疾病等の予防から福祉施策まで適切に提供できる体制を整備するため、
基礎となる専門職員の資質の向上を図ります。
- 83 -
7
情報・コミュニケーション
視覚障がい者や聴覚障がい者などには、感覚機能の障がいによって情報の収集やコ
ミュニケーションの確保に大きな情報格差が生じています。こうした障がい者の日常
生活の利便の向上を図り、自立と社会参加を促進するためには、障がい者の特性に応
じたコミュニケーション手段の確保を支援し、迅速かつ的確に情報収集ができる環境
づくりが重要な課題となっています。こうした事情から、団体ヒアリングでも、
「コミ
ュニケーション手段の充実」や「情報のバリアフリー」などが要望されています。
このため、IT(情報通信技術)等の活用により、障がい者の個々の能力を引き出
し、自立・社会参加を支援するとともに、障がいにより情報格差が生じないようにす
るための施策を積極的に推進します。
また、障がい特性に対応した情報提供の充実を図ります。
(1)
情報バリアフリー化の推進
【事業、施策等の現状】
・
IT利用を総合的に支援するため、障がい者パソコン講習会を開催してい
ます。
<パソコン講習会の実績>(平成 22 年度)
○視覚障がい者パソコン講習会
対
象
市内在住の視覚障がい者
期
間
平成 22 年 10 月 16 日から平成 22 年 11 月 27 日
場
所
野田公民館
内
容
パソコン基本操作、インターネット閲覧、電子メールの
全6回
利用
参加人数 2人(延べ12人)
○身体障がい者パソコン講習会
対
象
市内在住の身体障がい者
期
間
前期
平成 22 年6月 30 日から平成 22 年7月 28 日
全4回
後期
平成 23 年1月 19 日から平成 23 年2月9日
全4回
場
所
野田公民館
内
容
パソコン基本操作、インターネット閲覧、電子メールの
利用
参加人数
12 人(延べ 48 人)
- 84 -
・
多くの行政情報を発信する野田市ホームページについては、できるだけ全
ての方が利用できるように、ユニバーサルデザインに配慮して作成していま
す。
【事業、施策等の課題】
・
視覚障がい者パソコン講習会の認知度を高め、受講希望者の増進を図ると
ともに、障がい者グループによる学習会の受け入れをPRするためボランテ
ィアセンターとの一層の交流を図る必要があります。
【施策の方針】
・
障がい者の情報活用能力の向上のため、パソコン教室等の研修・講習会の
充実を図るほか、障がい者のITの利用を支援する支援技術者の養成・育成
を推進するための施策を促進するなど障がい者のIT利用を総合的に支援し
ます。
・
野田公民館情報活用コーナーでは、社会福祉協議会及びボランティアセン
ターと講座情報の共有化を図り、障がい者及びその家族、支援グループへの
情報提供体制を強化します。同時に支援技術者養成講座を積極的に受け入れ
ます。
(2)
社会参加を支援する情報通信システムの普及
【事業、施策等の現状】
・
日常生活用具の給付の中で、情報通信機器の取得について支援を行ってい
ます。
・
IT利用を総合的に支援するため、障がい者パソコン講習会を開催してい
ます。(再掲)
【事業、施策等の課題】
・
情報通信を利用した在宅勤務などで、より一層の社会参加が可能となるよ
う情報通信機器の取得やその活用を積極的に進めていく必要があります。
・
障がい者が情報通信システムを利用して社会参加ができるよう、情報機器
の取得や活用方法、情報の質、量、伝達スピードの各面において十分な対応
を図る必要があります。
・
障がい者パソコン講習会の認知度を高め、受講希望者の増進を図るととも
に、情報活用コーナーで、常に最新のITによる障がい者支援情報を提供す
るため、関係機関と連携を進め、機器の活用を積極的にPRする必要があり
ます。
- 85 -
【施策の方針】
・
障がい者のIT活用による就労や社会参加を促進するため、ITの利用に
ついて様々な角度から推進するとともに、その基盤となる情報通信機器の取
得について引き続き支援していくほか、機器に関する情報提供や活用方法の
検討についても進めてまいります。
・
野田公民館情報活用コーナーで、常に最新のITによる障がい者支援情報
を提供するため、関係機関と連携を進め、機器の活用を積極的にPRします。
(3)
情報提供の充実
【事業、施策等の現状】
・
視聴覚障がい者への情報提供を充実するため、図書館において点字図書、
録音図書、大型活字本の取次ぎ、提供、作成を行うほか、対面朗読サービスを
実施しています。
また、障がい等の理由で図書館への来館が困難な方に対し、宅送サービス
を実施しています。
・ 点字、録音物による広報を促進するため、朗読グループや点訳奉仕団体に依
頼して対応しています。
・
障がい者が出席する会議等に必要な盲人ガイドヘルパーや手話通訳者等
を派遣するとともに、必要に応じて欅のホールや総合福祉会館において磁気
ループの貸し出しを行っています。また、視覚障がい者が会議に出席する場
合、資料をEメールで送付することや、音声読み上げソフトを活用し、事前
に内容確認をしていただくなど、障がい特性に応じた情報を提供しています。
【事業、施策等の課題】
・
障がい者に対する情報提供の充実を図るため、特に公共サービスの分野に
おいては、障がい者一人一人にあった方法で情報を提供し、障がいがあるが
ゆえに発生する情報格差を解消することが求められています。
【施策の方針】
・
公共サービスにおいては、点字、録音物等による広報を促進するほか、手
話通訳者、要約筆記者、点訳奉仕者、朗読者等の協力を求めるなど、それぞ
れの障がい特性に的確に対応した情報提供に努めてまいります。
・
障がい者が出席する会議については、会議資料の提供方法や会議の進め方
等について、できるだけ障がい特性に応じた形となるよう努めてまいります。
- 86 -
(4)
コミュニケーション支援体制の充実
【事業、施策等の現状】
・
視覚障がい者の移動支援のため、盲人ガイドヘルパーの派遣を行っています。
<盲人ガイドヘルパー利用実績>(平成 22 年度)
派遣件数
19 件
派遣登録者
25 人
盲人ガイドヘルパー
16 人
・ 聴覚障がい者、中途失聴者・難聴者の社会参加のため、市から社会福祉協議
会に委託して、手話通訳者派遣事業及び要約筆記者派遣事業を行っています。
<手話通訳者利用実績>
派遣件数
(平成 22 年度)
366 件
派遣登録者
53 人
手話通訳者
8人
<要約筆記者利用実績>
派遣件数
(平成 22 年度)
154 件
派遣登録者
53 人
要約筆記者
5人
・ 社会福祉協議会に委託して、手話通訳者及び要約筆記者について研修を行
い、障がい者への理解の促進や技術の向上を図っています。
・ 社会福祉課窓口及びいちいのホール窓口に手話通訳者を設置しコミュニケ
ーション支援を行っています。(再掲)
・ 欅のホールにおいては、講演会や会議等での聴覚障がい者のコミュニケー
ションを支援するため磁気ループを設置しています。
また、総合福祉会館では、磁気ループの貸し出しを行っています。
【事業、施策等の課題】
・
団体ヒアリングにおいて、「情報のバリアフリー」、「情報伝達方法、手段
の配慮」、「盲人ガイドヘルパーや手話通訳者、要約筆記者及び点訳奉仕者の
養成講座の充実」などの要望がありました。これらの要望を踏まえ、障がい
種別に応じた利用者本位のサービスを推進し、コミュニケーション支援を図
っていくことが必要となっています。
- 87 -
・
盲人ガイドヘルパーや手話通訳者、要約筆記者等の派遣登録者の高齢化が
進んでいることから、増員や質の向上のための施策を講じる必要があります。
【施策の方針】
・
コミュニケーション支援を必要とする視覚障がい者や聴覚障がい者のニー
ズに対応するため、盲人ガイドヘルパーや手話通訳者、要約筆記者及び点訳
奉仕者の養成研修を推進、強化するとともに、これらの派遣体制の充実強化
を図ります。
・
各種サービス窓口における手話のできる職員の育成、配置や点字の案内板
等の設置を行うことにより、視聴覚障がい者の利便性の向上を図ってまいり
ます。
・
コミュニケーションボード等の活用により、知的障がい者や自閉症者が円
滑なコミュニケーションを行いやすくなるような環境づくりを推進します。
- 88 -