051 - 芝不器男俳句新人賞

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春日差(はるひざし)品川駅を通過します
貰い物のハンカチばかり桜咲く
春霞(はるがすみ)こだまですらも飛ばす駅
春の暮ゆっくり話す人と海
春の雨光ってみえるあれはなに
このしっぽどなたのですかはるうらら
啓蟄の冠婚葬祭遊覧船
閏日(うるうび)に開け閉め繰り返すカーテン
春浅し角砂糖の角落とす
真っ白にアスパラガス型航空機
キリトリセンキリトリマセン夏木立
観覧車下降ラムネの泡上昇
純情科婚活系女子夏に入る
緑陰のバスタブに釣り糸を落とす
緑さす睫毛上昇作業中
初夏のトイレ直行便来る
まぶたには新緑証明写真撮る
好感度大中小の苺食う
あの人の影は青くて桜桃忌
晩春の代表取締役の猫
君たちの言うこと春蝉の言うこと
あぶくたったにえたった春のつきささった
今日中に並べよ春の背表紙を
花の雨受ける器の必要性
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風通る網戸を挟めば言えること
閉じたまま手のひらのなか金魚飼う
ナイターの行方晩ごはんの行方
サイダーがうたた寝している紙コップ
明朝のとめはねはらい垂れる夏
右足の親指夏至の色に塗る
覚悟して玉葱刻みます泣きます
白シャツと並んで干しておく体
西瓜的ホテルに泊まる理由がない
花火あがる夜空の端が伸びていく
ゴキブリを叩く高校球児打つ
残業代全部かき氷にします
脳内のビールの栓を全部抜く
サンダル買う今年なりたい足を買う
熱帯夜瓶瓶瓶缶缶缶瓶
殴りたくなってパイナップルを切る
砲丸飛ぶアイスはコーンに収まります
失恋す蚊に刺された跡だけ残る
今月の西瓜パート を
1 切る
入道雲私も一つ持つ獰猛
夏至直下(げしちょっか)分厚い水を飲み干して
キスしないことがトラブル 万、万緑
夕立のコード進行表を繰る
とりあえず生ですとりあえず好きです
嫌いな人と同じ蚊に吸われる
はも落としくらい白ければよかった
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一次選考通過
二木千里 (051)
第 4 回芝不器男俳句新人賞 応募作品
※無断での転載・二次配布を禁じます
芝不器男俳句新人賞実行委員会
50 49 48 47 46 45 44 43 42 41 40 39 38 37 36 35 34 33 32 31 30 29 28 27 26
第 4 回芝不器男俳句新人賞 応募作品
※無断での転載・二次配布を禁じます
芝不器男俳句新人賞実行委員会
一次選考通過
二木千里 (051)
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夏果ててスカートの中に戻る足
外灯はるるる晩夏光になる
ピーマンが歪(いびつ)で紙袋にいれる
酔芙蓉(すいふよう)約束の日は休診日
台風の目ロッキンホースバレリーナ
カーテンが膨らんで稲妻捕まえよ
秋桜アポロ整列させて食う
秋あかね所詮あなたはエコバッグ
午前から午後の紅茶になる新涼
スミノフの瓶の底にいた満月
梨を切るなくて七癖ナイフ置く
空っ風眼鏡で私に蓋をする
剥がされて絆創膏冬の蝶になる
寝正月アボガドの種のような人
月冴えて玉子焼きのかたちはいびつ
棒読みで言う「嫌いです」十二月
十二月嵐のかたちになるからだ
小春日の岩のようなワインの味
蜜柑剥くあなたの話す象の色
大根は鍋に恋人は右手に
冬のギター螺旋階段を昇る
湾曲系直情型君冬ざるる
凍てる月外したコンタクト光る
白魚になる君の声飲み込んで
大皿の上に大盛りな真冬
大根のかたちの島 海外へ行こう
「クリスマス行き」の看板に逆らう
大阪行き女性専用車両の鱈
睦月乗せ三百枚の皿運ぶ
信号は青です新年は右です
無人駅寒月光の満ちる音
如月のナイトフライトから帰還
結界の外へと出でいざバレンタイン
漢和辞典ぴりぴりめくっていって、雪
冬帝とシフォンケーキの穴を食う
二の腕の脂を育てている短日
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恒久的秋紀伊国屋一階で
掴もうとして秋の夜の東側
コスモスと御幸町(ごこうまち)通りを右に
柿かじる女王様の椅子座る
携帯の録音再生する無月
の層君の層秋の層
CD
木枯らしの 号
3 、という付箋張る
紅葉して赤鬼青鬼黄色鬼
肯定の双子座流星群二つ
北風は胸に秘めておけのルール
三回転半ひねり冬に入るかたち
携帯で水を飼っている師走
冬来る膝踵膝踵膝
イエスイエスイエスマンですセーター着る
100 99 98 97 96 95 94 93 92 91 90 89 88 87 86 85 84 83 82 81 80 79 78 77 76