ナゼスタイル第18号 - NPO法人 長岡産業活性化協会NAZE

「ナゼ スタイル」は長岡で頑張る企業・起業家を応援するフリーペーパーです。
2010.3.11.(vol.18)
特集
■クローズアップNA-ZEパワー/㈱佐藤板金・㈱三好
■モノづくり企業訪問記/㈱アドテックエンジニアリング・㈱品川鋳造
■平成20年度チャレンジ事業④/㈱三好
■ザ・挑戦者/㈱メティエ
■NA-ZE NEWS/京セラ㈱鹿児島県内工場視察
■デザインコラム
株式会社 佐藤板金 の「ここが我が社の強み!」
“製缶加工から機械加工、塗装まで一貫加工”
上/マシニングセンター 下/ NC ボーリング
㈱佐藤板金は、高見工業団地の北側に位
と設備されている。
置し、同社の周辺にはモノづくりの工場が
特殊な加工については、その都度友好企
沢山存在している。
業との連携を行い対応をしている。
昭和38年に創業し、以来47年という月
自社のオリジナルの製品が少ないため多
日が経過した。
品種、少量の生産の形態をとっているが、
同社は、大手工作機械メーカーの大型カ
それが同社にとっての弱みでもあり、強み
バー類を主体として、製缶、板金加工、溶
でもある。
接加工、機械加工を行っている。
今後も多品種、少量の生産を進めて行き
同社が「機械加工ができる工場」である
たいと会長は言う。
ということは、世間的にまだ知られていな
受注量の低下が、同社にとって大きな影
い状況にあることに反し、これまで地味に
響をもたらし、非常に厳しい状況下に置
業務を続けることができたのは、受注企業
かれているものの、将来に向けてのビジョ
との高い信頼性と加工面に於ける幅の広さ、 ン・方策を打ち出すことにより、企業の体
他企業との連携にあったと同社佐藤会長は
質アップを行って、会社の存続、社員の生
振り返る。
活を守って進みたいとの意気込みを感じた。
工場には、製缶板金用としてレーザー加
若い世代への移り変わりと、営業を含め
工機、シャーリング、コーナーシャーリン
社内技術のアップを行うために、若い知恵
グ、アイアンワーカー、セットプレス、各
と、厳しい感覚で変革を進めたいという意
種溶接機を設置、機械加工用としてはマシ
欲を受け止め今後の期待を感じた。
長岡市高見町3064
TEL0258 -24-6575
FAX0258 -24-6576
ニングセンター、NCフライス旋盤、汎用
E-mail [email protected]
フライス盤、汎用旋盤、NCボーリング盤、
HP http://www.naze.biz/database/117/
汎用ボーリング盤、平面研削盤等が所狭し
は現在 72会員 !
株式会社 佐藤板金
〒940 - 0004
㈱浅田精機
㈱今井鉄工
㈱オオイ
クリーン・テクノロジー㈱
㈱品川鋳造
旭精機㈱
㈱Syse
㈱大善
クリエイトエンジニアリング㈱
㈱シナダ
飛鳥運輸㈱
越後工業㈱
㈱大原鉄工所
㈱小西鍍金
上越工業㈱
㈱アドテックエンジニアリング
エヌ・エス・エス㈱
㈱大菱計器製作所
㈲小林超硬研磨
㈱鈴民精密工業所
㈱アルモ
㈱NS・コンピュータサービス
小川コンベヤ㈱
㈱佐藤板金
㈲セレクション越後屋
㈱アンドウ
㈱NDC
㈱片山抜型製作所
㈱システムスクエア
㈱ソリマチ技研
㈱池田機工
㈲エムケイ技研
久保誠電気興業㈱
㈱七里商店
㈱大光銀行
「クローズアップ NA-ZE パワー」では、顧客ニーズ対応力、価格競争力、
サービス、得意技術などについて「ここが我が社の強み!」としてご紹介します。
第
10
回
株式会社 三好 の「ここが我が社の強み!」
ニーズに合わせた独自装置の設計・開発メーカー
↑焼結加工
↑ SL 工場内
↑乾燥仕上装置内部
県道/長岡和島線は、長岡市大島を起点
↑衣類乾燥仕上装置
装置」を開発・製造・販売している。国内
用い、φ350×t2㎜非磁性体の超精密加
に古正寺を通って国道8号線へと交差する。 では最大手、輸出は20%。競合には海外
工に挑戦していた。社長の熱意が伝わる場
ここまでが新市街地、ここを越えると水田
メーカーがあるが、部品供給、メンテ対応
面だった。
が広がり、古くからの集落が散在、趣が一
などのサービス面で優位に立っている。他
変する。
にも、各種の専用産業装置を設計・製造
そこから1キロほど進むと、大きな建物
しており、開発力は正に「豪技」だ。また、
の壁面に深紅の文字で SCM SYSTEMS
平物、丸物の大物切削加工を得意とし、対
の看板が目に入ってくる。ここが㈱佐藤三
応 で き る 設 備( 門 型 M/C長4000 × 幅
好鉄工所を母体とする三好グループの工場
2 0 0 0×高180 0 、 立旋盤φ20 0 0×高
である。
1450、 円 筒 研 削盤φ450×2500… な
同社は、大正9年、佐藤鉄工所として長
ど)を有し、蓄積された技術がある。
岡市中島にて創業。機械加工を主に、射出
SCM は、「放電プラズマ焼結機」の受
成型機を下請製造。その歴史は深く、圧縮
託製造(実績300台)据付・メンテナン
技術などは今の技術につながっている。
スを、SL は、「焼結材料」の研究開発及
昭和44年、工場を福道に移転、同時に
び受託製造を行っている。
㈱佐藤三好鉄工所を設立。46年に、クリー
佐 藤 智 宏社長(44)は、 平成7年社長 就
ニング関連装置へ進出。51年、現在地(雨
任以来、特に研究開発に力を入れ、現在、
池 町 ) へ 再 移 転、 平成9年 ㈱ エス・シイ・
高専・大学と共同研究3件、経済産業省の
エムシステムズ(SCM)、平成11年 ㈱三
補助金事業2件、長岡市フロンティアチャ
好及び㈱シンターランド(SL)を分社化・
レンジ補助事業1件(過去2件)の研究開
設立した。
発を進めている。取材時も、㈱ナノテム製
㈱三好は、業務用大型「衣類乾燥仕上げ
のポーラスセラミックス・真空チャックを
㈱第四銀行
株式会社 三好
〒940 -2055
長岡市雨池町123番地
TEL0258 -27-1118
FAX0258 -27-1945
E-mail [email protected]
HP http://www.miyoshi-group.jp
長岡技術科学大学
テクノインキュベーションセンター
長岡電子㈱
㈱長谷川工機
古川機工㈱
㈱たかの
㈱永島工機
㈱林メッキ工業所
㈱北越銀行
㈲毛利製作所
㈱タカハシ
長岡工業高等専門学校
㈱中津山熱処理
㈱BSNアイネット長岡支社
㈱ホクギン経済研究所
ユニオンツール㈱長岡工場
中越鋳物工業協同組合
長岡造形大学
デザイン研究開発センター
㈱ナノテム
㈱広井工機
北陽精工㈱
吉井国際特許事務所
㈱難波製作所
㈱FUCO マコ-㈱
村山 健一(長岡工業高校校長)
長岡大学
地域研究センター
㈱ネオス
㈱富士通新潟システムズ
㈱丸栄機械製作所
㈱パートナーズプロジェクト
㈱プラカード・ジャパン
㈱三好
テラノ精工㈱
㈱トーエイ
ナウエス精工㈱
㈱メティエ
vol.18
株式会社 アドテックエンジニアリング 長岡工場
株式会社アドテックエンジニアリング
〒940-2311 長岡市三島新保397
TEL 0258-42-3111 FAX 0258-42-3114
URL : http://www.adtec.com
問合せ先 : https://www.adtec.com/inquiry/form.php
のこと考えて、また取引先との信頼関係を
るとき、塵や埃の浸入は品質に大きな影響
(以下、当社)は、1983年(昭和58年) 築くには相手のことを考えて行動すること
を与えてしまいます。そのため、組立や検
10月に半導体製造関連装置製造を主な業
等が、会社の発展に繋がっていくと思うの
査、評価、出荷梱包までもがクリーンルー
務として設立されました。近年は、プリン
で「心をもって」ということは非常に大事
ムで行われていました。ここまで、こだわ
ト基板用露光装置や生産用 FA 自動化装置
なことなのだと思いました。
りを持って製品作製に力を入れているため、
等の設計・開発・製造からアフターサービ
当社では、売上の約70% が露光装置と
世界に通用する製品ができるのだと思いま
スまで幅広く展開しています。そして、現
なっていて、全自動露光装置シェアの約
した。
在は韓国、台湾、中国等を中心に世界的に
30% を当社の製品が占めており世界一で
今回、当社の工場見学により、長岡の企
活躍するグローバル企業に発展しました。
あります。露光装置は私たちの身近に感じ
業の技術力の高さ、世界を相手に活躍して
会社を見るのに大事になってくるのは、 ることができる、パソコンや携帯電話等の
いることを知り、製品へのこだわりや心を
経営理念だと思っています。その中で当社
プリント基板を製造するのにも使われてい
もって仕事をすることが大事なのだと感じ
の経営理念の根本は、人材育成・商品開発・
ます。プリント基板に、配線の回路図を焼
ました。
社会貢献の3つのコンセプトがあり、すべ
き付ける過程で使われるのが、露光装置と
てのフレーズの前に「心をもって」という
なっています。このように、露光装置は私
言葉がありました。これは、すべての行動
たちの生活に切っても切り離せない関係だ
長岡工業高等専門学校 における心の大切さを訴えるものだと思い
と思いました。
電子機械システム工学専攻
ます。いい製品を作るのには使用するとき
製品の高性能化、高精細化を図ろうとす
1 年 中村 竜太
取材
長岡工業高等専門学校
電子機械システム工学専攻 1年 中村 竜太
物質工学専攻 1年 佐藤 達也
株式会社 品川鋳造
〒940-0882 長岡市宮下町420-6
TEL 0258-24-7750 FAX 0258-24-7760
URL : http://www.tech-nagaoka.jp/
company/sa/shinagawachuzo.html
E-mail : [email protected]
株式会社 品川鋳造(以下品川鋳造)は、 企業十数社とグループを組んでいるところ
なかでも、間近で見る高周波誘導炉はやは
昭和7年に創業された鋳造メーカーで、現
です。品川鋳造では比較的大型の鋳造品を
り迫力がありました。金属が真っ赤になっ
在では主に FC・FCD をベースにした合
扱っており、それよりも小さい鋳造品につ
て溶けていくのは圧巻でした。工場内では
金鋳鉄を用いて、工作機械・産業機械用構
いてはグループの別の企業が担当されてい
巨大な機械も動いていましたが、技術者の
造部品の鋳造をされています。それ以外で
ます。そして、鋳造品の仕上げの作業も別
手作業の工程がかなり多いように感じまし
は、アルミや銅、またそれらをベースとし
の企業の担当になっています。そうするこ
た。鋳造品自体は最先端の機械の部品など
た合金の鋳造も行っており、鋳造の模型は
とで、自社で全ての設備をそろえなくて済
に使われますが、それを支えている技術は
木型、発砲型、樹脂型、金型を場合によっ
み、さらに福利厚生棟を共有にすることで
職人の技なのだと改めて思いました。
て使い分けられています。鋳造の長所は、 無駄な設備を省いています。このようにグ
鋳造は人類の歴史の中でかなり古くから
複雑な形状であっても、型に金属を流し込
ループを組むことにより、自社の設備を絞
ある技術だそうです。その技術が今も基本
んで作るために、工作機械で作るよりもか
りながら客先の多様なニーズに対応できる
は変わらず使われているということにロマ
なり早く作ることが出来るということです。 というところが品川鋳造の強みになってい
ンを感じました。
また、型の種類を使い分ける事によって、 ます。
さらに早く製造することが可能になってい
工場ではそれぞれの設備を間近に見させ
ます。
ていただきました。私の学校での専攻は全
長岡工業高等専門学校 また、品川鋳造の経営で特徴的なところ
く異なる分野ですので、鋳造には全くなじ
物質工学専攻
は、自社の不得意な部分を補ってくれる
みが無く見るもの全てが興味深かったです。 1 年 佐藤 達也
平成20年度 チャレンジ事業「素形材グループ」
活動成果の紹介 その4
平成20年度のチャレンジ事業は素形材技術に挑戦した。
長岡技術科学大学、長岡工業高等専門学校の協力を得て
NAZE会員企業4社が持つ「豪技」な素形材技術を科学する
視点で活動し、その成果はポスターや解説書、見本品として
酸化物ガラスからの圧電材料、誘電材料製造
背景
・近年の環境問題への意識の高まりから、
鉛および鉛化合物を有害物質とみなし、そ
の使用規制が行われている。
まとめられ、展示会や顧客へのプレゼン用、社員教育などに
活用されている。
最終回である第4回目は、㈱三好と長岡工業高等専門学
校が下記のテーマで活動した成果を紹介する。
株式会社 三好 http://www.miyoshi-group.jp
長岡工業高等専門学校 小出 学 准教授 http://www.nagaoka-ct.ac.jp/
結果・考察
・ガラス化範囲
AO-BaO-TiO2-B 2O3(mol%)
X=50mol%
・現在誘電体として使用されているPZT
(チタン酸ジルコン酸鉛)の代替材料の開
発が急務である。
X=35mol%
X=30mol%
X=25mol%
2θ
・熱処理による結晶析出
X=45mol%
・低融点ガラスとして代表的なホウ酸塩ガ
ラスを用いて、強誘電体であるチタン酸
バリウムの析出を試みた。
・また、低融点化のため、低融点酸化物を
添加して作製し、その際の機能性の変化
を考察した。
・BaOとTiO2の割合
の変化によりガラス
化の範囲がきまる。
X=40mol%
X=40mol%
X -ray Intensity
・また、ガラスからの誘電体析出により作製
することにより、低コスト化、サイズ制御
および機能制御の可能性を探ることが重要
と考えている。
X- ray Intensity
X=45mol%
・BaOとTiO2の割合
が等しい場合を境に
析出結晶が異なる。
X=35mol%
X=30mol%
5
15
25
35
45
2θ
55
Ba2Ti2B2O9のピーク
BaTi(BO3) 2のピーク
BaB2O4のピーク
BaTiO3のピーク
65
75
・熱処理温度および時間による析出相
融 点 付 近 (950℃ ) 10時 間 熱 処 理
実験方法
X-ray Intensity
融 点 付 近 (950℃ ) 1時 間 熱 処 理
第 二 発 熱 ピーク後 (850℃ ) 1時 間 熱 処 理
第 一 発 熱 ピーク後 (750℃ ) 1時 間 熱 処 理
5
・作製したガラス組成
AO-BaO-TiO2-B 2O3(mol%)
・ホウ酸塩系ガラスをホストとして、
チタン酸バリウムの原料として、酸化バリ
ウムおよび酸化チタンを用いた。さらに、
様々な酸化物AOを加えて、その際の析
出結晶相の変化を解析した。
・評価項目
ガラス化範囲 (X線回折測定)
ガラスの熱物性 (示差熱分析測定)
熱処理と析出結晶相の同定
析出結晶相の状態 (電子顕微鏡)
15
25
35
45
55
65
・BaOを多く含む組
成の第 2 結晶化温度
で保持することでチ
タン酸バリウム単相
が得られた。
75
2θ
BaTiO 3のピーク
BaB 2O 4のピーク
・結晶相の状態
750℃1時間
950℃10時間
・高温での熱
処理ではガラ
ス相を含んで
いることがわ
かる。
・ガラスからのチタン酸バリウムの析出する過程
を考察した。化学組成変化により、析出相や温
度を制御できることが判明した。
・さらに、機能の制御を目的、元素の添加を考える
必要があることが判明した。
長岡起業家奮闘記
ザ・挑戦者
第16回
「やっぱり回路設計の仕事がしたくて
自分で会社をやることに」
株式会社メティエ
代表取締役
4年前の創業時の私 インキュベーションオフィス崇徳館にて
石川 照久
〒940-0064
新潟県長岡市殿町2-3-9 崇徳館301
T EL:0258-36-5596
FAX:0258-32-2647
http://www.metier-dc.co.jp
私、石川照久は「㈱メティエ」の代
います。
4年前の創業当時には長岡市役所の
表をやっております。私も6年前まで
会社を辞めて、農業以外にこれといっ
皆様に大変なご助力を受けました。今
は普通(よりちょっと下)のサラリー
た産業の無い新潟県に U ターンしてき
でも地域の方々から色々な起業支援を
マンでした。県外の大手メーカーで、
て、はたして回路設計の仕事なんてあ
受けており、おかげさまにて、ちらほ
主にプリンターや携帯電話に使われる
るのか ? いや、あるわけがない ! も
らと各社からの受注も受けられるよう
IC の回路設計を担当していて、それは
う設計の仕事に一生就くことも無いだ
になりました。
それは忙しい毎日を送っておりました。
ろう(泣)と、それまで買いためた本棚
リーマンショック後の不況で、さす
10年ほど前から実家の母親が原因
いっぱいの専門書(パターソン&ヘネ
がに今年度は設計受注がガタ落ちだっ
不明の病気(後に神経難病の一種と判
シー コンピューター工学)や雑誌(CQ
たのですが、おかげで大手企業の受注
明 ) に な り、 し ば ら く は 週 末 だ け 高
出版デザインウェーブ創刊号〜全巻な
に頼る危うさを骨身にしみて自社製品
速道を飛ばして小千谷に戻るという生
ど)を「あとはまかせたぞ」と職場の
開発の必要性を感じ、最近、「IP コア」
活を送ってましたが、病状の進行とと
後輩に寄付して、失意の中で故郷の小
という製品を世に出すことができまし
もに、平日の仕事中に病院から何度も
千谷に戻ってきました。
た。IP コアとは、電子回路そのものを
呼び出しを受けるようになり、さらに
当時、私はまだ30代。しばらくは茫
データとして直接販売するという形の
入院中の病室での付添いが必要になり、
然として気が抜けた状態で、糊口をし
ビジネスです。
ついに会社規定の介護休暇を使い果た
のぐ仕事を続けてましたが、しばらく
今後、多くの会社の製品に当社の IP
し、とうとう退社することになってし
すると、やっぱり回路設計の仕事がし
コアを使用していただき、地域と世界
まいました。今でこそ「シングル介護」
たくなってきて、働く会社が新潟に無
のビジネス創生のお役に立てればと考
とか「介護失業」などが深刻な社会問
いなら自分で会社をやればいいと考え
えております。
題になってますが、そんな用語もなかっ
るようになり、今の「株式会社メティエ」
た当時、私はその走りだったのかと思
があります。
→
長岡技大と開発中
の「目マウス」 病
気で動けない人も
目の動きでパソコ
ンが操作できます
←
FPGA 開発基板
「PenguinOne」
動画や音楽、カ
メラ撮影が可能
な FPGA 開 発
基板
京セラ㈱鹿児島県内工場を視察!
2月25日㈭∼27日㈯、京セラ株式会社を視察してきました。
今回視察したのは、鹿児島県にある2工場で、半導体関連部品を生産
している「国分工場」とファインセラミック部品や産業機械用超硬工具な
どを生産している「川内工場」です。
今回の視察は、森長岡市長が全国市長会長として「中華人民共和国成
立60周年パレード」に出席した際に、同社の稲盛和夫名誉会長と意気投
合したことが契機となり実現しました。
当日は、森市長も過密スケジュールの中参加され、NAZE会員と一緒
に工場を視察。
川内工場では、稲盛名誉会長の「全従業員の物心両面の幸福を追求す
ると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること」の経営理念をひたむ
きに実践されており、リーマンショックで昨年の業績が急激に落ちた時
でも、社員やパートの方を解雇することなく社員一丸となって事業展開さ
れ、現在は90%まで業績が回復しているそうです。
両工場での質疑応答では、実際に現場で使っている「時間当たり採算
表」まで公開いただきました。特に同社のアメーバー経営については、質
問が集中し、市長をはじめ多くの会員が興味深く説明を伺いました。
製造現場において、全社員が経営感覚を持って仕事に取り組まれてい
ることや、徹底した社員教育に参加者一同感動しました。
デザインコラム
2
Vol.
見えない所にも
デザインがある
デザインは人工物のすべてに関わっています。デザインはよく、「見て
くれの良さを創るため」にあると言われますが、それは一面の理解に過
ぎません。デザインの現状に目をやり、品質を高める大きな価値資源と
してもっと活用したいものです。以下はデザインがこのような所にもあ
るという具体例です。
写真左は、2009年度「グッドデザイン(Gマーク)金賞」を受賞した、
三菱電機株式会社の「主軸モータ[SJ-D シリーズ]」の一つ(写真:
MITSUBISHI MELFANS WEB より)です。この賞に対しての[デザ
イナーのコメント]では、「三菱電機では、15年先を見据えた産業機器
デザインの標準化活動を推進しており、造形(本質を表す一貫性)、色彩
(FA 機器標準色の適用)、インタフェース(操作性の統一)、ブランドロ
長岡で頑張る企業、起業家を応援します!
くわしくは →
国分工場内「鹿児島ファインセラミック館」を見学中
国分工場をバックに、全員で撮影
京セラ㈱関係者、森市長を囲んでの昼食懇談会
川内工場を視察
NAZE ID コーディネーター
松 丸 武
ゴの4つの項目でデザインガイドラインを作成し、製品適用を進めてい
る。本製品はその先駆けとなる製品の一つであり、一過性のデザインで
はなく、今後の三菱らしさを受け継ぐべき製品として周到に計画し、信
念を持って送り出す。」と、また、[審査委員のコメント]では、「民生品
と異なり、産業分野の機器は流行に左右されてはならない。主役は働く
人であり、使い易さの提供と安全の確保が最優先となる。産業の下支え
の象徴でもあるこの主軸モータは、アルミボディによって放熱性を高め、
大幅な軽量化とコンパクト化が実現した。大胆な面取りと黒のつや消し
塗装が頼もしさを表現している。気を衒わず華飾を排し、凛とした揺る
ぎなさを感じさせる外観は産業機器デザインの手本と言える。」と、記さ
れています。 右の写真は、株式会社山崎機械製作所の「ハンガーソケット」(写真:
経済産業省「ものづくり技術探訪」より)です。経済産業省が2007年
に発表した「感性価値創造イニシアティブ」では、ここにもデザイナー
が関わるとして、「鍛造へのこだわりが、未来への架け橋となる。100
年を超えて、20万トンの荷重を支える明石海峡大橋の『ハンガーソケッ
ト』。鍛造技術へのこだわりが、創造と革新を生む。1本266〜600㎏
の各種サイズが全長 4 ㎞にわたり、1680 本使われているハンガーソケッ
ト」と記されています。
このように、今やデザインは人工物(製品・商品)に欠かせない要素
となっています。
長岡地域、NAZE では、デザインという感性価値資源の発掘作業がい
まだ手つかずといえます。信頼を一層高め、強いブランドを築くに欠か
せない資源です。早急にその発掘に取り掛かりましょう !
http://www.naze.biz/
●記事内容についての感想をお待ちしています!
NPO
法人
長岡産業活性化協会 NAZE
〒940−2127 新潟県長岡市新産4丁目1番地9NICO テクノプラザ内 NAZE 事務局
TEL:0258−42−8700 FAX:0258−42−8701 E-mail:[email protected]
編集スタッフ:福島忠男、岸本洋子、鈴木二四雄、杉浦 聡、佐々木智久、松丸武、長谷川和明、金子元昭、石橋多恵子、深尾美子
印刷:㈲めぐみ工房