「失敗事例に学ぶ基礎技術講座」の概要 1.対象者 2.募集人員 3.講座概要 № 1 開発設計部門並びに製造部門の若手技術者 20名 科 目 機械運動学 概 要 DCモータ駆動の多段歯車機構の機械要素に関わる失敗事例から、電 磁力、歯車理論、トルク、曲げモーメント応力などの多様な工学現象 の関わり合いについて学習する。 2 モータと制御 ACモータ、ステッピングモータ等の各種モータは、電気機械器具に おいて核となるアクチェータである。各モータ固有の原理・特徴と使 用時の留意点を失敗事例から学ぶ。 3 機械加工(接合) 失敗事例、講義、実験を織り交ぜて接合技術(ろう接、溶接)の基礎 を学ぶ。特にろう付けを体験しながら、接合技術の勘所を学ぶ。 4‐1 品質マネージメ マーケットの品質に対する要求が強くなってきている経営環境のな ント か、技術者に望まれる「取組みの考え方」や備えて欲しいスキルを、 事例・ケーススタディ及び講義を交えて実践的に学ぶ。 4‐2 市場品質 自動車産業におけるPL訴訟の実態とその予防、リコールの実態と 歯止め方法について、事例、講義、ケーススタディを交えながら 厳しい市場品質を学ぶ。 5 トライポロジー 失敗事例から摩擦・摩耗・潤滑に関する学問であるトライポロジー (摩擦) の基礎を学ぶ。主に金属の摩擦発生のメカニズム、摩擦の基礎デー タ及びそれに必要な機械材料の力学物性について学ぶ。 6 信号品質(シグ 各種システムの要として必要不可欠になってきている マイコン ナルインティグ 搭載基盤の回路設計、レイアウト構成に関わる電源系障害、更にマ リティ) イコン周辺のASIC、FPGA内のレーシング障害などの解消方 法について失敗事例を通じて学ぶ。 7 プレゼン 技術者として欠かせないプレゼンテーション技術を身に付ける。 テーション技術 特にプレゼンテーションの資料の作り方と話し方のノウハウにつ いて学び、自信を持って提案・説明できる能力を養う。 8 材料力学(破壊) 失敗事例から荷重と応力の基本及び衝撃荷重による破壊、座屈荷重 による崩壊の基礎理論を知って、機械・構造物の強度設計・安全設 計について勘所を実験を交えて学ぶ。 9 QFD 顧客の声を製品やサービスにつなげる手法のQFDと信頼性の高 FMEA い製品開発のためのFMEAの概要を理解し、教材を使った「FM EA」の実習を行い、考え方から手法までを習得する。 10 品質工学 開発設計段階で求められる開発期間の短縮、品質の向上に有効な手 段である品質工学(タグチメソッド)の概要とその活用方法を学ぶ。 難解と言われる手法を実習・実験・グループ討議を行って習得する。 9頁 「失敗事例に学ぶ基礎技術講座」の概要 № 11 12 科 目 概 要 熱流体力学(熱 加熱・冷却装置の製品設計をするうえで十分な理解が必要となる伝 伝達) 熱及び断熱について失敗事例からその原理・原則を学ぶ。 技術講演会 先輩技術者及び最先端技術開発を担当している技術者の講演によ り、技術者の果たすべき役割とプライドについて学ぶ。 13 ソフトウェア開 プログラミング経験がなくても理解し易いカリキュラムとし、専用 発 装置にマイコンを使用する利点、ソフトウェアをモジュール化する 利点、ソフトウェアの要求仕様が理解できる等の基礎を学ぶ。 14 熱流体力学 熱交換器は多くの産業分野だけでなく、自動車、空調機、冷蔵庫、 (熱交換) パソコンなど身近でも数多く見ることが出来、その高効率化は省エ ネの観点から重要である。各熱交換器の特性を知り、その基礎とな る熱流体輸送現象について事例を交えて学ぶ。 15 機械加工(研削) 研削加工の基礎講義を受けて、研削サンプル品(良品・不良品)か らその不具合・その原因の追及・対策案を考える。その結果を学術 面から再度学び加工面品質の重要性を理解する。 16-1 生産管理 生産管理の概要(目的・仕組みなど)について理解し、重要な 「リードタイム短縮」の方法をグループ討議を通して習得する。 16-2 マーケティング 自動車産業における「新車開発の基本コンセプト」をあるマーケッ トの状況を想定して、実践的に体験しマーケティングの取り組み姿 勢・重要性を学ぶ。 17 メカスイッチ 機械式のスイッチの多くにチャタリングという現象が発生する。 チャタリングの問題点とその対策について失敗事例及び各種機器 の実験から制御系の設計の考え方等の基礎を学ぶ。 18 材料物性 最近の工学では機械、電気・電子、化学といった従来の分野の垣根 を越えた総合工学的な知識が要求される。失敗事例から材料、電気 伝導、熱の流れ、固体拡散等総合的な技術を学ぶ。 19 機械加工(塑性) ネジ転造等の冷間圧造加工で発生した失敗事例からグループ討議・ 講義を通じて塑性加工の概要を学び、実験により塑性加工の仕組みな どを体験する。 4.研修の様子 品質工学発表 メカスイッチ 10頁 「失敗事例に学ぶ基礎技術講座」カリキュラム <開講式> 7月7日(水)9:00~10:00 場 所 三重県産業支援センター 北勢支所「AMIC」 式次第 1) 主催者挨拶 2)オリエンテーション 3)受講生グループ(班)別自己紹介 2~3分/人 1.機械運動学 7月7日(水)10:00~17:00 講 師 野村 由司彦(三重大学大学院工学研究科教授) 川上 浩二(富士電機リテイルシステムズ㈱) 場 所 三重県産業支援センター 北勢支所「AMIC」 講義内容 失敗事例・実験・実習 ・歯車について ・ギヤードモータ樹脂製歯車の破損 ・インボリュート歯車の仕組み ・梁の強度、DCモータ ・歯に発生する応力 ・歯車列の伝動特性 2.モータと制御 講 師 石田 福井 7月21日(水)9:00~17:00 宗秋(三重大学大学院工学研究科教授) 一夫(三重大学非常勤講師)、山本 隆則(富士電機リテイルシステムズ㈱) 場 所 三重県産業支援センター 講義内容 北勢支所「AMIC」 ・用途に応じたモータの選択 ・制御のあり方 3.機械加工(接合) 失敗事例・実験・実習 ・ステッピングモータ ・DC モータの起動不良 7月29日(木)9:00~17:00 講 師 鈴木 実平(三重大学大学院工 学研究科教授) 牧 修、駒田 利秋(富士電機能力開発センター) 場 所 富士電機商品技術研究所、富士電機技能研修センター 講義内容 失敗事例・実験・実習 ・冷却ユニットの冷媒漏れ ・ろう接合の基本 ・SUS の温水タンク割れ ・ろう接合方法 ・ろう接作業 ・鉄鋼材料 ・ステンレス鋼概観 ・溶接技術 4.品質マネージメント・市場品質 8月4日(水)9:00~17:00 講 師 平井 憲章(三重大学大学院工学研究科非常勤講師) 吉田 弘之(元本田技研工業㈱) 場 所 三重県産業支援センター 北勢支所「AMIC」 講義内容 実習・グループ討議・事例紹介 <品質マネージメント(TQM・QC)> <市場品質> ・PL 訴訟の実態と予防 ・リコールの現状と歯止め ケーススタディ(アメリカの PL 訴訟) リコール事例とグループ討議 11 頁 「失敗事例に学ぶ基礎技術講座」カリキュラム 5.トライポロジ-(摩擦) 8月11日(水)9:00~17:00 講 師 中村 裕一(三重大学大学院工学研究科准教授) 福田 勝彦(富士電機リテイルシステムズ㈱) 場 所 三重県産業支援センター 北勢支所「AMIC」 講義内容 失敗事例・実験・実習 ・摩擦に関係する機械材料の力学物性 ・摺動部品の材料選定と評価 ・摩擦のメカニズム ・摩擦係数の実際 6.信号品質(シグナルインティグリティ)8月24 日(火)9:00~17:00 講 師 近藤 利夫(三重大学大学院工学研究科教授) 福井 一夫(三重大学非常勤講師)、山本 隆則(富士電機リテイルシステムズ㈱) 場 所 三重県産業支援センター 北勢支所「AMIC」 講義内容 失敗事例・実験・実習 ・トラブル時に観測される現象 ・誤動作要因理解のための基本事項 ・トラブル事前回避の方法 ・信号波形不良による電子部品の破壊 ・クロック・スキューによる誤動作 ・Pspice によるシミュレーション 7.プレゼンテーション技術 9月4日(土)9:00~17:00 講 師 郡浜 英一(富士電機ホールディングス(株)) 場 所 三重県産業支援センター 北勢支所「AMIC」 講義内容 実習 実習:プレゼン ・今なぜプレゼンテーションか ・技術者におけるプレゼンテーション ・プレゼンテーションの基本原則 ・コミュニケーションの原理とプレゼンテーション 8.材料力学(破壊) 9月15日(水)9:00~17:00 講 師 稲葉 忠司(三重大学大学院工学研究科教授) 山田 英司(富士電機システムズ㈱) 、横田 義剛(富士電機リテイルシステムズ㈱) 場 所 三重県産業支援センター 北勢支所「AMIC」 講義内容 失敗事例・実験・実習 ・カシメ構造における強度の考え方 ・横断面の荷重バランス ・薄板板金可動調整板の変形 ・曲げ応力 ・偏心荷重の危険性実感 ・偏心した軸圧縮力 ・衝撃実験 ・衝撃荷重と機械、構造物の強度 ・座屈荷重と機械、構造物の強度 9.QFD・FMEA (半日) 9月29日(水)9:00~14:00 講 師 鶴羽 健(富士電機リテイルシステムズ㈱) 場 所 三重県産業支援センター 北勢支所「AMIC」 講義内容 実習・グループ討議・事例紹介 ・QFD 概要 実習:FMEA の実際 ・FMEA 概要と実際 12 頁 「失敗事例に学ぶ基礎技術講座」カリキュラム 10.品質工学 (1.5日) 講師 中条 孝則、鶴羽 場所 三重県産業支援センター 9月29日(水)14:00~17:00 10月2日(土)9:00~17:00 健(富士電機リテイルシステムズ㈱) 北勢支所「AMIC」 講義内容 実習・グループ討議・事例紹介 ・タグチメソッド概要 ・タグチメソッド実験 実習:タグチメソッド 11.熱流体力学(熱伝達) 講師 西村 石野 場所 富士電機商品技術研修所 10月13日(水)9:00~17:00 顕 (三重大学大学院工学研究科助教) 祐二(富士電機リテイルシステムズ㈱) 講義内容 失敗事例・実験・実習 ・熱伝達 ・熱対流伝達 ・断熱 ・温度分布のばらつき 12.技術講演 10月20日(水)10:00~17:00 講師 (未定)企業経営者並びに製品開発技術者 場所 三重県産業支援センター 内 北勢支所「AMIC」 容 演 ・先輩技術者の講演 ・先端技術の講演 13.ソフトウエア開発 講師 鶴岡 福井 場所 富士電機商品技術研修所 題 (未定) (未定) 10月27日(水)9:00~17:00 信治(三重大学大学院工学研究科教授) 一夫(三重大学非常勤講師)、笠井 幹雄(富士電機リテイルシステムズ㈱) 講義内容 失敗事例・実験・実習 ・組み込みシステムのソフトウエア開発とは ・組み込みシステムを利用した専用機器 ・組み込みシステムの概要 14.熱流体力学(熱交換) 講師 廣田 滝口 場所 三重県産業支援センター ・商品が出ない ・電子機器組立2時間 11月11日(木)9:00~17:00 真史(三重大学大学院工学研究科教授) 浩司(富士電機リテイルシステムズ㈱) 北勢支所「AMIC」 講義内容 失敗事例・実験・実習 ・熱伝達と熱通過 ・対流熱伝達 ・高効率コンパクト熱交換器 ・温度分布のバラツキ ・高効率熱交換器の開発 13 頁 「失敗事例に学ぶ基礎技術講座」カリキュラム 15.機械加工(研削) 講師 場所 11月17 日(水)9:00~17:00 高橋 裕 (三重大学大学院工学研究科教授) 黒田 泰弘(㈱小林機械製作所) 三重県産業支援センター 北勢支所「AMIC」 講義内容 ・研削加工技術の基礎と実践 ・加工損傷の評価 失敗事例・実験・実習 ・平面研削盤の作業の事例 16.生産管理・マーケティング 11月27日(土)9:00~17:00 講師 山本 直樹(富士電機リテイルシステムズ㈱) 鈴木 久雄(元本田技研工業㈱) 場所 三重県産業支援センター 北勢支所「AMIC」 講義内容 実習・グループ討議・事例紹介 <生産管理> 演習 ・生産管理工学の狙い、概要 ・リードタイム短縮 <マーケティング> 実習:自動車産業の新商品提案 1.自動車産業の新車開発 17.メカスイッチ 12月9日(木)9:00~17:00 講師 加藤 典彦(三重大学大学院工学研究科准教授) 神崎 克也(富士電機システムズ㈱) 場所 富士電機商品技術研修所 講義内容 失敗事例・実験・実習 ・チャタリング ・センサのチャタリングの実験 18.材料物性 12月15日(水)9:00~17:00 講師 鈴木 泰之(三重大学大学院工学研究科教授) 中野 弘久(富士電機リテイルシステムズ㈱) 場所 三重県産業支援センター 北勢支所「AMIC」 講義内容 失敗事例・実験・実習 ・材料、状態図 ・金属の電気抵抗の温度特性 ・熱の流れ ・固体の拡散 ・端子カシメ不良による配線焼損 ・端子のカシメ作業 ・抵抗の焼損 ・電解コンデンサー 19.機械加工(塑性)・修了式 1月19日(水)9:00~17:00 講師 牧 清二郎(三重大学大学院工学研究科教授) 田中 健二(森岡産業㈱) 場所 三重県産業支援センター 北勢支所「AMIC」 講義内容 失敗事例・実験・実習 ・塑性加工の役割と関連する材料科学 ※16 時より修了式を行います。 ・金属のファイバーフローの事例 14頁
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