かたくり 2010 年 11 月 25 日 福島大学 行政政策学類 塩谷教養演習 編集・発行 遊休農地再生事業(通称「Uプロ ジェクト」 )次のステップへ! ○第九回作業(九月十八日) ○第十回作業(十月二日) ○稲刈り作業(十月七日) 種を播いて か ら約二か月が経ち 、い よい よ今日はソバ の収穫作 業で す。バインダーで刈ったほうがよいという地元の皆さんの有り難い忠 告にもかかわらず、手刈りにこだわり、二十名近い学生が一斉に鎌を 持って作業に取り掛かりました。ところが、ソバの茎は柔らかく、お まけに均等に生えていないので、刈り取りまとめるのに一苦労です。 途中からは 、草刈 り機 も動員して ソ バを刈 り 取り、稲ワラで 縛 って 、 竹で組んだ「はせ」に掛けていきました。一週間ほど干してから、ソ バの実を落として脱穀する予定です。 二 時間 ほ ど かけ て よ う や くソ バ の 収穫 が 終 わ り ま し た が 、 今 度 は 、 同 じ 場 所 に 、 小 麦 と 菜 の 花 を 播 く こ と にな り ま し た 。 い つ も の よ う に 住民の方にトラクターで耕運していただき、すっかりきれいになった 農地に、一列になって、種を播いていきました。 天気にも恵まれ、今回は野外での昼食です。西崎先生や、くっ倶楽 部の学生が中心になって、今朝絞めたばかりの「烏骨鶏(うこっけい)」 、 さまざまな野菜、すぐ近くでとってきたキノコが入った特製鍋を食べ ました。烏骨鶏は肉や骨まで黒くて少しグロテスクでしたが、中国で は 「 不 老 不 死 」 の 食 材 だ と か 。 と て も 美 味 し く い た だ く こ と がで き ま した。 ○水田造成 十月二十三、二十四日 ) 芋をみんなで食べました。とても甘く おいしくいただきました。 二日目には、水田をつくるところの そばに芝をしき座って休憩できる場所 の作成を行いました。早く芝が育って 十月二十三、二十四日の二日間をか けて、遊休農地のほぼ中心の場所に水 田の造成が行われました。水田造成と いっても、私たちの手にはおえる作業 ではないため、重機を導入しての作業 となりました。その間に私たちは、こ の前の作業で刈り終え干しておいたソ バの実を棒を使って落とす作業を行い ました。意外に数が多くなかなか全部 落とすのに苦労しましたが、農家の方 にアドバイスをいただきなんとか作業 を終えることが出来ました。さらに、 そのあと同時進行で焼いておいた焼き ( 夏休 み も 終 わ っ た ば か り の 十 月 二 日 に 第 十 回 作 業 が 行 わ れ ま し た 。 十月に入り、あんなに暑かったのが嘘のように涼しくなり作業のしや すい一日でした。 作業内容としては、まずは共同農地では大根と白菜の作付を行い、 そしてゼミ農地の方で芽キャベツ、ニンジン、ネギ等を中心とする秋 野菜の作付を行いました。 まずは共 同農地の作 業のほうで すが、農家 の方のサポートや 、 他 の ゼ ミの人たち の協力も あり、あっという間に作業が終わ ったよう に 感 じました。みんな農作業に慣れてきたからかも知れません。 次に、ゼミ農地野作業ですが、塩谷ゼミでは秋野菜の種や苗を植え ま し た 。 想 像 以 上 に 芽 キ ャ ベ ツ を 植え る の に 苦 労 し ま し た が 、 ゼ ミ の みんなでどこに何を植えるのか楽しく決めながら作業を行いました。 秋野菜の収穫が楽しみです。 今回の作業の合間に地元の方からは、りんごとなし、ぶどうの差し 入れがありみんな大喜びで食べていました。ありがとうございました。 今回の作業で気づいたのですが、みんなすっかり農作業をする姿が様 になってきたということです。うれしい限りですね。 ○第十一回作業(十月十六日) 秋野菜の作付も終わったばかりの十月七日に、塩谷ゼミでは尾形敬 光さんのお宅で稲刈り実習が行われました。ゼミの時間を使っての作 業でしたので参加人数も多く、みんなで尾形さんのお宅にお邪魔しま した。 実際に作業を行ってみると、前日の雨のせいもあり地面がぬかるん でいて思った以上に大変な作業になりました。 作業は二つの班に分かれて行い、長靴を持ってきた人は実際に田ん ぼに入って鎌を使っての稲刈りの実習、長靴を持ってきていなかった 大 変 冷 え 込 ん だ 日 が 続 い て い ま す 。 そ ん な 寒さ に も 負 け ず に U プ ロ 人 は 尾 形 さ ん が あ ら か じ め刈 っ て お い た 稲 を 干 す 作 業 を 行 い ま し た 。 ジェクトは日々、活動を重ねています。遊休農地には新たな作物が植 どちらの作業もとても大変で、これをすべて自分たちで行っている農 え ら れ 、 ま た 、 遊休 農 地 の 中 心 に は 水 田 が 造 成 さ れ ま し た 。 更 に 近 隣 家の方の偉大さを身をもって知ることが出来ました。 住民の方々と の共同作 業や 福島大学祭など 、 今 回は内容を 盛 りだ く さ 慣 れ な い 作 業 の せ い も あ り 、 鎌 で の 稲刈 り 作 業 に 思 っ た 以 上 の 時 間 んに、皆さんへお伝えしていきたいと思います。 がかかりました。後半は機械を導入しての作業になり、あっという間 に稲が刈り取られ、機械のすごさを全員が感じました。また、稲を束 ねる作業が意外に難しく、すぐに束がほどけたりして大変でした。 作業を終えると、尾形さんの方からお茶やお菓子、なしや柿をいた だきみんな喜んで食べていました。ありがとうございました。今回の 夏休みに入り遊休農地で作業する学生もまばらになっていましたが、 稲刈り作業はとても貴重な経験になったと思います。今回の経験をこ 九月になるとようやく学生の姿も見られるようになってきました。ち れからのゼミ農地で活かすことが出来たらと思います。 ょうど、前回の共同作業で播いたソバの花が見ごろを迎えています。 久しぶりに行った農作業では、共同農地とゼミごとの農地での収穫 作業と冬野菜を植え付けるための耕運を行いました。今年は例年にな い 猛 暑 が 続 き 、 そ の 影 響 は 農 作 物 に も あ ら わ れて し ま い ま し た 。 共 同 農地に植えた大豆は、一メートルほど成長して青々とした葉を茂らせ ているものの、全く実が入りませんでした。 「ビールで枝豆」の夢はは かなく消えて、泣く泣くすべて引っこ抜くはめになりました。このほ か 、 カ ボ チ ャ は 十 個 ほ ど 収 穫 で き た も の の 、 サ ト イ モ は 植え た 時 よ り も小さなイモにしかならず、農業の難しさを改めて知る結果になりま した。 第六号 みんなで、座って何かを食べたりで きたらと思います。 さらに今回遊休農地には新しく 「物置」も作られることになり、よ り一層農作業をしやすい環境になる のではないかと思います。 ○大学祭(十月三十、三十一日) 金谷川活性化委員会二一とアップルファイブの皆様と共同で第六十 回福大祭で牛串とお餅を販売しました。当初、抽選から漏れて出店は 不可能かと思われましたが、 「大黒ゼミ」と「くっ倶楽部」の模擬店の 一角をお借りし、出店することができました。 三十日の午前中には、学生がもち米のうるかし方を間違えるなどの ハ プ ニ ン グ 発 生 し 、 か な りド タ バ タ し ま し た 。 し か し な が ら 、 ア ッ プ ル フ ァ イ ブ の皆 様 の 見 事 な 手 腕 の お か げ で 無 事 、 お 餅 を つ く こ と が で きました。 お餅の味付けは、あんこ、きなこ、納豆、鶏汁の四種類を用意しま し た 。 学 祭 期 間 中 は 雨 が 降 っ て い たこ と も あ り 、 鶏 汁 が 一 番 人 気 で し た 。 お 餅 は 非 常 に好 評 で 、 幼 稚 園 児 か ら か ら お 年 寄 り ま で 幅 広 い 世 代 の方にお買い求めいただきました。 一方の牛串もチラシで宣伝したことが功を奏し、多くの方にご来店 いただきました。お昼の時間帯には、行列ができることもありました。 普段なかなか食べることのできない福島和牛ということで、学生には 非常に好評でした。 両日ともに天候には恵まれませんでしたが、牛串・お餅ともに完売 することができました。今回は初めての出店ということで、多くの反 省 点が 見 受 け ら れ ま し た 。 来 年 は そ の 反 省 を 糧 に 、 よ り 楽 し い 模 擬 店 を運営したいと思います。 ○ラブ!金谷川(第三回) 今回は、金谷川地区の農家に嫁いだ女性によって結成されたアップ ル フ ァ イ ブ の 尾 形 和 子 さ ん 、 加 藤 せ つ 子 さ ん 、 加 藤 ミツ 子 さ ん 、 斎 藤 優子さん、渡辺美紀子さんの5人にお話を伺いました。アップルファ イブの活動は、JAの「わかづま会」での出会いを機に、生活改善グ ループとしてスタートしたそうです。最近は福島大学の学生たちと活 動することが多く、学生たちにレシピを教えながら一緒に料理をした り、農作業をしたりすることが多くなっているそうです。ここ数年で は、一緒にイチゴジャムを作ったり、焼き肉のタレを手作りして焼き 肉をしたりと、大変お世話になっています。 こうした学生達との交流を通しての感想を聞いてみると、人と人と の触れ合いで得られるものは多く、学生達の考えに触れることで自分 達も成長できている、とおっしゃっていました。しかし、私達の知識 や経験の少なさに驚くことも多いようで、もっと親の手伝いをしたり して、生活していくための力を身につけてほしいということでした。 最後に、私達に伝えたいこととして、 「衣食住のなかで最も大切なのは食。農 家での生活は大変だけれども、お金で買 えない楽しみや喜びがある。若い人達に も、もっと興味を持ってほしい。」とお話 ししてくださいました。アップルファイブ のみなさんのような存在がすぐ近くにあ ○ 金谷川地区をもっと知ろう! (第三回) 今月号では第三回目として、 「金谷川珍百景」をテーマとした塩谷ゼ ミ第二班の成果をお知らせします。 私たち二班は金谷川地区にある珍百景について調べました。きっか けとしては、福島大学に入学したときに、この大学のある金谷川とい う 地 区 に は な にか 興 味 深 い も の が な い か 、 ま た 金 谷 川 地 区 が 誇 っ て い るものがな いかを調べて みたくな っ たからで す。これ まで に、大学 内 に あ る お 地 蔵 さ ん の 歴 史 や 、 他 の 場所 に は あ ま り 見 ら れ な い 白 ポ ス ト な ど 調 べ ま し た 。 他 に も 調 べ まし たが 、 こ こ で す べ て を お伝 え す る こ とはできないので今回は「重石」について近くにお住まいの尾形さん に伺った話をもとにお伝えしていきたいと思います。 まず、 「重石」は、松川町関谷にあり、古くから「嫁いだ女性が、働 き が 足 りな い と い う 理 由か ら 不 縁 と な り 、 里 に 帰 る 途 中 悔 し さ の あ ま り大きな石を重ねたと いう伝説が あり、嫁入りの際にはここを通 ら な い風習が残っている」と言い伝えられています。説は他にもあり、家 を出た嫁が夫のことを恋しく思い、石を重ねその上に乗り家の様子を 見たというものもあります。実際に言ってみると、高さ二メートルを はるかに超え、人一人の力では積み重ねることが不可能なくらいの大 きさです。尾形さんによると、その石は並木から持ってきたようで距 離にも石の大きさにもとても驚かされました。 尾 形 さ ん は 他 に も 、 山 神 に つ い て 教え て く だ さ い ま し た 。 山 神 は 、 様々な部落にもありその地区の神として昔から祀られているものです。 尾形さんの地区には、足尾神があり、お祝い事や不幸があった時など 参拝し、部落の支えとなっています。昔は石を持ってきては、それを 神と見なし、大事にすることで心の支えとなっていたそうです。今で もそのことを軽視することなく、粗末にせずだいじにしているようで す。 今 回調 べ た こ と で 、 金 谷 川 地 区 の 歴 史 の 一 部 分 を 少 し 学 べ た 気 が し ます。これをきっかけに、いろんなこと調べて深く追究していき金谷 川 に つ い て も っと 知 り た い と 思 い ま し た 。 今 回 話 を し て く だ さ っ た 尾 形さんはとても親切で本当に助かりました。ありがとうございました。 お知らせ ( TEL&FAX:548-8328 MAIL:[email protected] ) です。よろしくお願いいたします。なお、本号の編集は、塩谷教養演 習一年生の日下香・安達拓哉・加藤麻衣・川村浩平・横沢謙太が担当 しました。 十二月十二日 日 十五時から、行政政策学類棟二階大会議室で「そ ば収穫祭」を開催します。今年のプロジェクトUのメンバー以外でも かまいませんので、こちらもぜひご参加ください。 瓦版『かたくり』では、金谷川地区と大学との交流を進めるために、 互いの行事やイベントを掲載していきたいと思います。お祭り、運動 会、コンサート、講演会、サークルの活動などなんでも結構ですので、 情報をお知らせいただければ幸いです。また、『かたくり』に対する ご意見・ご要望もぜひお寄せください。連絡先は福島大学塩谷研究室 ) ( る福島大学の恵まれた環境を無駄にせず、 私達ももっと積極的に農業に関わってい くべきだと思いました。アップルファイ ブのみなさん、今回はお忙しいなかあり がとうございました。
© Copyright 2025 ExpyDoc