Social & Environmental Report 2009 YKKグル ープ社会・環境報告書 2009 人 類 の 豊かで 健 康 な 生 活と環 境との 調 和を目指して Social & Environmental Report 2009 YKKグループの概要 【YKK株式会社】 ■創 業 1934(昭和9)年1月1日 ■資 本 金 119億9,240万500円 ■ファスニング事業グル ープ ■従 業 員 3,400名 ※2008年12月末日現在 ファスニング事業グループは、世界市場でトッ ■製造品目 ファスニング製品、精密機械・装置・金型 ■本 社 〒101-8642 東京都千代田区神田和泉町1 TEL 03-3864-2000 ■工 場 黒部工場、黒部牧野工場 プシェアを誇るファスナーをはじめ、スナップ・ ボタンや繊維・樹脂製品などさまざまなファス ニング(とめる・つなぐ)商品を提供しています。 その用途は、衣料品だけでなく、靴や寝具、さら には医療分野や産業資材といった新分野まで 多岐にわたっています。 ■工機事業グル ープ 工機事業グループは、 YKKグループの生産技 術や研究開発の要として、グループが長年つ ちかった技術とノウハウを結集し、独自の生産 機械、システム、金型などを世界各地のグルー プ工場へ提供しています。お客様に最高の品 質をお届けし、それを保証するための「一貫生 産体制」を「新たな価値を創造する技術集団」 として支えています。 【YKK AP株式会社】 ■創 業 1957(昭和32)年7月22日 ■資 本 金 100億円 ■従 業 員 13,100名 ※2008年12月末日現在 ■製造品目 建材製品 ■本 社 〒101-8642 東京都千代田区神田和泉町1 TEL 03-3864-2200 ■工 場 東北事業所、黒部事業所、滑川事業所、 ポーネントを通じて、建物の価値を高めていく 四国事業所、九州事業所 ことを事業活動の目的と捉えています。より ■建材事業グル ープ YKKグループの建材事業を担うYKK APは、 多様化・個性化する建築物のさまざまなコン 快適な住まいや街づくりに貢献するために、窓 とドアができることをつねに考え、さまざまな 取り組みを進めています。環境配慮と快適性 の両立を目指した的確な商品開発力と、独自 のシステムによる一貫生産体制が、業界トップ クラスの品質を支えています。 【YKKグル ープ】 YKKグループ YKK(株) ■グループ会社 YKKグループ本社 世界70カ国・地域 117社 国内 23社 YKK AP(株) 海外 94社(海外拠点数 265拠点) ■従 業 員 40,000名 (国内19,000名 海外21,000名) ※2008年12月末日現在 ファスニング事業 Fastening Products 工機 事業 Machinery & Engineering 建材事業 Architectural Products 研究開発 Research & Development 海外事業会社 〈 世界6極地域体制 〉 1 CONTENTS 01 YKKグル ープの概要 03 YKK精神 04 トップメッセージ 05 環境トップメッセージ 編集方針 07 特集:温暖化防止対策 幅広くたくさんの方々にこの報告書を通じてYKKグルー 13 地域社会とともに 15 お客様とともに 17 従業員とともに 21 地球環境とともに 26 第三者意見 プを知っていただきたいという思いから、基本的な考え 方を記載した冊子版(本誌)と、数値情報などを開示する Web版に分離し発行しています。 Web版もご覧下さい 。 http://www.ykk.co.jp/japanese/corporate/ eco/report/2009/index.html 多 様 な 色 覚を 持 つさまざまな 人に配 慮して 、なるべく すべての人に情報がきちんと伝わるように利用者側の 視点に立ってつくられたカラー ユニ バ ーサ ルデザイン を採用しました。 また 、この 冊 子は紙 のリサイクルに適した 材 料 の み 用 い て 作 製して います 。不 要となった 際 は、製 紙 原 料に なりますので、古紙回収・リサイクルにお出しください。 対象範囲 YKKグループ (YKK株式会社、 YKK AP株式会社、海外主要生産拠点など) 対象期間 2008年度(2008年4月1日から2009年3月31日) 次回発行は2010年7月を予定しています。 2 Social & Environmental Report 2009 YKK精神 YKKグループの事業活動の 根底にあるもの YKK精神 「善の巡環」 他人の利益を図らずして 自らの繁栄はない 企業は社会の重要な構成員であり、共存して こそ存続でき、そ の利点を分かち合うことに より社会からその存在価値が認められるもの です。YKKの創業者吉田忠雄は、事業をすす めるにあたり、その点について最大の関心を 払い 、お互いに繁栄する道を考えました 。そ れは事業活動の中で発明や創意工夫をこらし、 常に新しい 価値を創造することによって、事 業 の 発展を図り、それがお得意様、お取引先 の繁栄につながり社会貢献できるという考え 方です。このような考え方を吉田忠雄は『善 の 巡環』と称し、常に事業活動 の 基本として まいりました。私達はこの考え方を受け継ぎ、 YKK精神としています。 YKKグル ープ経営理念 更なるCORPORATE VALUEを求めて 顧客 社会 公正 社員 3 商品 技術 経営 トップメッセージ YKKグループは、ファスニング事業と建材事業を2つの中核事業として、日本を含む世 界約70カ国/地域で事業活動を行っております。 YKKグループは、あらゆる経営活動において「公正」を価値基準として、お客様に喜ばれ、 社会に評価され、社員が誇りと喜びを持って働ける会社でありたいと考えています。 その実現に向けてYKKグループでは、創業100年に向けてYKKグループの更なる成長 と発展を図るため、 「事業価値の確立」と「ブランド価値の確立」に取り組んでいます。 YKKグループは「公正で安心してお付き合い頂ける会社」 「真に国際的な会社」 「新た な価値を創造する技術の会社」として認知して頂ける企業を目指し、 これからも事業活 動を推進してまいります。そのためにも、 コーポレートガバナンス体制の強化を図ると同 時に、 コンプライアンスに対する取り組みを強化し、良き企業市民として求められる責任 を果たしてまいる所存です。皆様の忌憚のないご意見・ご指摘をいただければ幸いです。 2009年 7月 YKK株式会社 代表取締役社長 4 Social & Environmental Report 2009 環境トップメッセージ 人・地域そして社会に親しまれる企業 モノづくりの会社として 近年の環境問題は、地球温暖化、有害化学物質、生物多様性の崩壊など地球規模での影響が 問題となっています。 YKKグループは、事業活動を展開しているすべての国・地域への環境に与える影響が決して 少なくないことを認識し、環境問題を経営の最重要課題の一つととらえ、1994年に「YKK グループ環境憲章」を制定し、 グループ全社を挙げて環境対策に取り組んでまいりました。 順法性や体制づくりにはじまり、省エネ・資源循環の施策を毎年地道に実施することでステッ プアップを図ってまいりました。今後は、さらに技術力を活かし、エコプロダクツの開発、 CO2 排出量削減対策、資源の有効利用など事業活動のすべての分野において環境政策を継続的 に推進し、低炭素・循環型社会の実現に寄与し、持続可能な社会の構築を目指してまいります。 創業75年の節目をむかえて また、グローバル化の進展・拡大は、人々に大きな経済的恩恵をもたらした反面、地球規模 では激しい競争原理による格差社会を生み、同時に厳しい環境破壊を生んできました。 そうした中、YKKグループは創業75年の節目をむかえ、日本のみならず海外事業展開して いるすべての国・地域においてYKK精神「善の巡環」のもと、これまで同様顧客のため、地 域のため、そして共に働く社員のためを考え、環境との調和を基本に透明性の高い事業経営 を継続してまいります。 そのことより過去から現在、そして未来へと「YKKらしさ」を継承してまいります。 YKKグループ環境政策推進委員会委員長 YKK株式会社 代表取締役副会長 竹島 清 5 YKKグループ環境経営の変遷と方向性 持続可能 低炭素+循環型 第3ステップ 循環型 コンプライアンス 第2ステップ <方針> 持続可能な社会の構築を目指して ●商品開発(エコプロダクツ) <方針> 循環型社会構築への寄与 第1ステップ <方針> ISO14001認証取得と活用 ●CO2の排出を抑える ・燃料転換、自然エネルギー ●エネルギーの削減 ●資源の有効利用 ・省エネ(高効率機器の導入) ・水使用量削減、 リサイクル材の活用 ●ゼロ・エミッションの達成 ●法令順守 ・廃棄物の再資源化 ●環境への取り組み体制の整備 ●環境データの開示(環境報告書の発行) 1994 2000 2008 グループ環境宣言の年 YKKグループのコアバリュー YKKグループは、 YKKグループが大切にする社員・顧客・社会に価値をもたらすものとして、 3つの「コアバリュー」を定めています。これはステークホルダーの皆様に対して、社員一人 ひとりが大切にし、実践する価値観であり、日々の行動となるものです。 人づくり[社員] モノづくり[お客様] 関係づくり[社会] 失敗しても成功せよ/ 信じて任せる 品質にこだわり続ける 一点の曇りなき信用 コアバリュー 環境側面 環境を意識した事業活動の実践 エコ商品開発と生産活動における 透明性の高い 環境負荷低減への挑戦 環境マネジメントの徹底 6 Social & Environmental Report 2009 特 集 YKKグループは、さまざまアプローチで地球温暖化防止に貢献します。 商品を通じて、温暖化防止に貢献 自然の恵みを活かした、快適で健康的な暮らしと住まいを提案します 風や光を取り入れる工夫は、 日本の暮らしに息づいています。 夏は涼しく、冬は暖かく。 高温多湿の日本では、自然の恵みを上手に取り入れる住 まいづくりが伝統的に行われてきました。 さわやかな風、明るい光、みずみずしい緑など・・・。 自然を取り入れる工夫は現代の住空間にも受け継がれ、 日本特有の繊細な美意識として暮らしのなかに息づいて います。 風を取り入れる工夫 京町家は、自然を取り入れる知恵に富んでいます。細長 い通り庭は、風の通り道としての役割を。火袋の天窓は煙 を出し、やさしい光を部屋の奥まで導く役割を担ってい ます。坪庭にも採光と通風を良くする工夫がされています。 光の取り入れ方 簾(すだれ)や簾戸は、日光を避けながら風を通す工夫で す。夏の直射日光や外部の目線を遮るとともに、竹の隙 間からやさしい光と涼しげな風を部屋に取り入れます。 7 蒸し暑い夏は、家じゅうにさわやかな風がめぐり、緑で日 差しも遮られる。 冬は家の奥まで光が差し込み、温もりに包まれる。 「グリーンブリーズ」は、住まいに自然エネルギーを取り 入れることにより、健康で心地よい暮らしを実現し、環境 負荷も少なく抑えるという考え方です。 自然の風を利用した省エネ効果 自然通風を積極的に取り入れた住まいは、エアコンなど の消費エネルギーを抑えることができ、家計にも環境に もやさしい暮らしを実現します。 年間1世帯当たり、冷房エネルギーは約38%、 CO2 排出 量は約421kg削減できます。 ・立地設定:東京 ・住宅概要:木造2階建て床面積182.8m 2 ・冷房使用期間:4/25∼10/24 ・窓の開閉条件:夜間(21時∼6時)において 1階の引違い窓を閉める 8 Social & Environmental Report 2009 特 集 積極的な省エネ対応で、温暖化防止に貢献 事業活動の中で、3つのポイントで省エネ活動を推進しています ①エネルギー消費のムダを省き、 ②エネルギー管理の徹底を図ると共に、 ③改善設備投資を企画・立案・推進する 9 一人ひとりの意識向上で、温暖化防止に貢献 従業員の意識向上につながる啓蒙活動を実施しています ■環境ポスターの募集 ■エコドライブ体験の実施 ■クールビズ啓発POP、 バッジの作成・配布 6月の環境月間に向けて、従業員とそ 「スタート時」 「走行中」 「停車時」の クールビズに取り組んでいることをご の家族に、毎年ポスター・スローガン エコドライブの指導を受け、通常運転 理解いただくために、POPやバッジを の募集を行っています。2008年度は、 時とエコドライブ運転時での燃費を比 海外へも呼びかけました。 作成し配布しました。 較することで、エコドライブの燃費向 上を実感しました。 ■ライトダウン キャンペ ーンへの参加 ■地産地消・旬のメニュー ■環境テーマの上映会 期間中、家庭の電気を消して過ごすこ 社内食堂において、その日使っている 環境をテーマとした映画の社内上映 とで温暖化防止に対する意識の高揚 食材の産地をPOP掲示しました。 会を行っています。 を図ることを目的に参加を呼びかけま また、 「地産地消・旬メニューの日」を 2008年度は、少年の純粋な思いが、 した。ろうそくの灯りの下で、家族との 企画し、地元産の食材を中心とした献 大 人 た ちに勇 気と気 づ きを 与 える 会話を楽しんだり、ヨガのレッスンを 立を作り、地元や旬の食材の良さを再 するなどさまざまな参加がありました。 認識してもらいました。 「KIZUKI」を上映しました。 10 Social & Environmental Report 2009 特 集 緑を大切にして、温暖化防止に貢献 YKK Group Tree Planting Day YKKグループでは、グローバルな視点で環境保全活動を推 進し、国内外で植樹活動を積極的に行っています。 植樹は各国ベースでばらばらに進めていましたが、2008年 度は、6月5日の世界環境デーを中心に、 YKKグループの海 外会社・工場にて一斉に植樹を実施することを目的とした「YKK Group Tree Planting Day」を開始しました。 今後も各国の植樹への参加を増やし、 CO2吸収に貢献します。 2008年度:31ヵ国、32ヵ所で実施 日本 U.S.A アルゼンチン 11 中国 フランス バングラディシュ ブラジル 台湾 スリランカ ギリシャ スペイン オーストリア パキスタン トルコ カナダ フィリピン 12 Social & Environmental Report 2009 地域社会とともに 地域社会への貢献に対する YKKグル ープの考え方 YKKグル ープの企業活動の根底には、 “他人の利益を図らずして自らの繁栄はない ”という『善の巡環』 の精神が貫かれています。この精神のもと、本業を活かした社会貢献から、本来の事業活動から離れた教 育や地域の活性化、そして国際交流のバックアップなど、さまざまな活動にも積極的に取り組んでいます。 YKKグル ープがいつの時代も地域に愛され、社会に愛される企業でありつづけるために、これからも新し い文化の創造に貢献できるような活動を、地道に行っていきたいと考えています。 ■地域貢献活動 地域に根ざした、社会貢献活動を行っています 13 富山県 黒部市 15年以上続く従業員4,500名による清掃活動は、 共感を呼び、地域の方々も同時に参加する定例行 事となっています。 U.S.A メーコン市を流れるオクムルギー川のクリーンアッ プ活動のスポンサーを務めると共に、従業員と家族 60名が参加しました。 エルサルバドル 地域の住民の要望に答え、雨季に蚊を媒体として 感染するデング熱病対策が不十分な地域に対して、 消毒散布を行いました。 フィリピン 毎年、産業医による地域の住民へ の無料健康診断 サービスを行っています。2008年は1,149名に 実施しました。 インドネシア 中国 8月の建国記念日に、地域の住民の高齢者に対して、 四川大地震の被害者救済のために、従業員が中心と 長生きを願って服を寄贈しました。 なって義捐金活動を行いました。 ■教育支援 YKKグル ープは未来を担う若い世代を応援しています 富山県 黒部市 小さいときからの環境へ の意識付けを目的に、保 育 所 で 環 境 絵 本 の 読 み 聞か せ や 環 境カ ルタ作り を行いました。 熊本県 八代市 ブラジル 市内11の保育園児(227名)に、社有地で育てた 「紙の節約と森林保護の大切さ」をテーマに、小学 芋掘り体験を行いました。 校で環境出前授業を行いました。 スリランカ 近 隣 の 技術トレー ニングセンター では、空 力 部 品 が不足して研究が十分にできないことから、部品 を寄贈し、技術者の支援を行いました。 インド 女性の社会進出を応援するために、社会訓練・職業 訓練センターを設立し、縫製技術やコンピューター 技能の習得支援を行っています。 インドネシア 貧困を理由にドロップアウトした子どもが学ぶ服飾 の職業養成学校(IGTC)に寄付を行うと共に、ファ スナーの縫製技術などのセミナーを行いました。 タイ トルコ 貧困地域 の 小学校 へTシャツとパソコンを寄贈し 近 隣 の 5 つ の 学 校 へ パソコンとホワイトボードを ました 。子ども た ちとのレクレ ーションも 行 い 交 寄贈しました。 流を深めています。 インドネシア 近 隣 地 域 の 孤 児 へ 奨 学 金による援 助を 行って い ます。 IGTC : International Garment Training Center 14 Social & Environmental Report 2009 お客様とともに お客様とのコミュニケーション・品質に対する YKKグル ープの考え方 YKKグル ープは、商品をご使用いただくお客様の立場にたって、品質へ のこだわりをもった商品づくり を創業以来行っています。 世界の全拠点で、商品、販売、アフターサービスなどすべての面において「お客様との信頼」を大切にし、 お客様の立場での「品質へのこだわり」をもって、お客様と社会に心から満足していただける商品・サー ビスをお届けします。 ■YKK APショール ーム品川 木造住宅向け商品を中心に 窓、 ドア、インテリア建材、 エクステリア建材など約700点を準備しています。 http://www.ykkap.co.jp/sr/shinagawa/index.asp ■住宅を検討されているお客様の 商品選びのお手伝いとアドバイス 窓は一般のお客様にはなじみの少ない商品です。少しでも、 身近に感じてもらうため、窓選びゾーンという、展示ルート どおりに歩くと、 どのように窓を選んだら良いかわかるよう 工夫をしてあります。 そして、図面を持ってこられたお客様にご要望をヒアリン グしながら、窓の種類や使用を一緒に決めていきます。 いま住んでいらっしゃる住まいの悩みは何か、こだわりは お客様の窓選びのアドバイス 何か注意しながら、断熱、遮熱、結露、防犯、日照確保、通風 換気、清掃性、視線、外観デザインなどそれぞれの思いを 引き出すことが最も大切と考えています。 また、すべてのアドバイザーが、住宅関係の資格を取得し、 建築知識はもちろん、 AP商品に関して定期的な研修を積 み重ね、かつ現物を操作することができる強みから、設計 会社や工務店からの商品問い合わせにもお答えしています。 展示場内 15 ■生活者接点を通して得られる 情報を収集し活用 ショールームは土日も営業しています。時間は午前10時 多くのお客様は、窓がこんなに進化していると思わなか から午後6時までです。(定休日 水曜日) ったという感想を漏らされます。 1組のお客様と図面をもとに窓選びをじっくりすると2∼ 日常生活の中で不便に感じていたことが、どんどん改良 3時間かかります。また、土日は来場が多くて昼食もとれ されていることを改めて実感されているようです。毎年 ない場合もあります。でも、 お客様から、 「すっきりしました」 3月には新商品に展示を変えており、改装を待って期待し 「助かりました」 「ありがとう。家ができたら写真送ります」 てこられる方もいらっしゃいます。そうした方々のご意見、 といわれるとそれまでの疲れが吹っ飛びます。アドバイ 新商品評価を集めて、関係部署に情報伝達しています。 ザーにとって、この仕事をやってつくづくよかったと思う それらは、改良・改善、新たな商品開発に活かされています。 瞬間です。 定期的に各種セミナーも行っています (写真は温暖化セミナー) アドバイザー ■YKKバングラデシュ社 第4回グローバルマーケティングセミナー開催 7月29日より31日までの3日間3夜連続にて、バングラ デシュ社主催によるグローバルマーケティングセミナーを 開催しました。今年はダッカで2回、チッタゴンで1回の開 催でしたが、各セミナーとも参加者は予想以上で、合計 620名となり盛況のうちに終了しました。 このセミナーはYKKの顧客であるベンダーに対し、 YKK への理解を深めてもらうと共に、顧客とYKKの信頼関係 をより深めるということを目的としています。 今回は、欧米の バイヤーと直に接しているグロー バルマ グローバルマーケティングセミナー会場風景 ーケティングチームより、欧米の市場動向とバイヤー情報 を発信するという企画でした。 16 Social & Environmental Report 2009 従業員とともに 雇用に対する YKKグル ープの考え方 YKKグループでは、 「自律と共生」という人事理念のもと、社員一人ひとりがそれぞれの役割の中で自ら目 標を設定し責任ある行動をする、そして会社と社員が一体となって企業価値を高めることを目指しています。 また、各種支援制度を取り入れ、働きやすい職場づくりを目指しています。 ■「公正」 「納得性」のある人事制度の運用 YKKグループは、 会社には多種・多様な役割があり、 社員一人ひとりがそれぞれの役割で「プロ」になることが 会社の企業価値を高めると考えます。 人事制度は、 この多種・多様な役割を「公正」に評価・処遇するために、 社員の担っている役割を「職群」という 4つに分けてそれぞれの特性に応じた運用をしています。 モノづくりの会社として、 技術者・技能者の専門分野での専門性や、 製造現場・営業現場における業務の熟練度・ 習熟度も適正に評価することで、 「公正感」、 「納得性」を高め、 社員のモチベーションアップを図っています。 【職群】 マネジメント職群 組織のマネジメントを通じて成果を創出する 専門専任職群 専門的な知識やスキル、高い業務能力を発揮することにより、 成果を創出する 業務職群 より正確・迅速・効果的に業務を実行して、 組織目標の達成に貢献する 担当職群 より高い付加価値を生み出して、組織目標の達成に貢献する ■社員の力を引き出す人材育成 YKKグループは、若いうちから積極的に責任ある仕事を任 せ、目標を高く持って挑戦する人材の育成を行っています。 社員の力を引き出すために、 OFF−JTにも力を入れてい ます。将来の事業を担うビジネスリーダーを育成する『価 値創造塾』では、1年間のプログラムでYKKの経営の考え 方や経営に必要な知識・マインドを学び、最後には役員への 経営提言を行います。 女性リーダーを育成する『リーダーシップ研修』では、女性 社員の管理職への登用を目的とし、 ビジネス知識を修得後、 役員へ企画書の発表を行います。これまでに48名の女性 17 が参加し、 うち12名が管理職に登用されています。 価値創造塾の風景 ■仕事と家庭の両立支援 子どもを持つ従業員が子育てをしながら仕事においても 能力を発揮し、長期的なキャリア形成ができるよう支援し ています。 「 パパママ教室 」の実施や「 育児休業奨励金制度 」の導 入を通じ、女性だけでなく男性の育児休業取得を促進し ています。その結果、2008年度は男性15名、女性259 名が育児休業を取得しました。 また、次世代育成支援の取組みが認められ、厚生労働省 の次世代認定マーク「くるみん」を取得しています。 「 仕事と育児の両立に関する掲示板 」を立ち上げました 男性の育児休業取得 <ある男性取得者の声> 「 寝不足にもなったし、体力的にしんどいこともあ りましたが、妻一人に任せるのと、協力しながら育 児をするのでは大きな違いがあり、育児を通して自 分も成長できたと思います。」 ■再雇用制度 ■裁判員制度への対応 定年退職者の知識や経験を活用するため、 『定年退職者 「司法に対する国民の理解の増進とその信頼の向上に資 再雇用制度』を導入しています。2008年度は再雇用期 する」という裁判員制度の目的を尊重し、社員が裁判員 間を65歳まで延長しました。現在、536名が制度を利用 制度に参加しやすい社内制度を整えています。 して働いています。 裁判員に選任された場合は、スケジュールを調整し、公務 休暇を取得して裁判員として活動することとしています。 18 従業員とともに Social & Environmental Report 2009 安全・健康に対する YKKグル ープの考え方 YKKグループでは、すべての職場の危険有害要因の排除と働く人の心と身体の健康を保持増進し、時代に ふさわしい働きやすい職場環境の形成を目指し、全員参加でその具現化に向けて活動を進めています。 ■安全衛生 YKKグループでは、労働安全衛生マネジメントシステムの導入を図り、『危険ゼロ』を目標に、危 険性・有害性の調査とその排除を進めています。作業環境の改善や安全衛生活動の充実に伴って、 職場の危険性・有害性が少なくなる一方、危険に対する感受性の希薄化が危惧されてきています。 これに対応するため、体感教育の実施と充実を図っていますが、今後はVベルトへの巻き込まれや 有機溶剤の爆発体験装置など、より身近な機械・装置で実施できるように準備を進めています。 日々の健康確認による体調管理や個々の危険感受性の向上は、安全衛生活動の重要実施事項と 考えています。 「有機溶剤の爆発体験」装置 YKK深 社 硫酸の漏洩事故を想定した模擬訓練 19 割り箸を使った「Vベルトへの巻き込まれ体験」装置 YKKコロンビア社 「 毎日快適で幸せを感じる職場 」をモットーに、始業時前の 笑顔体操や、 リフレッシュタイムを利用した健康確認(お互い の身体状況チェック)を行っています。 ■健康の保持・増進 新型インフルエンザの発生や生活習慣に起因する疾病の増加など、健康管理として対応すべき 課題も多岐にわたってきています。また就業形態が多様化しライフスタイルも変容してきており、 それらに起因する生活習慣病対策、ストレス性疾患や慢性疲労対策、海外赴任者のケアなどに努 めています。 今こそ、一人ひとりが自らの健康に関する認識を深め、健康確認とその維持・改善のための習慣 を実践することが大切です。さまざまな機会を通して、その啓蒙と実践指導を行っています。 ■測る・知る・行動する(2008年健康フェスタ:黒部) 健康相談 『血圧測定』 自分の身体を知ろう 『健康・体力測定』 健康教室 職場で簡単実践 『イスを使ったエクササイズ』 運動体験 『簡単エアロ、ボールエクササイズ』 インドネシアグループ 新型インフルエンザの予防と対処について、 従業員全員に対し説明会を行いました。 YKKバングラデシュ社 全員参加のカンパニーピクニックを行い、 従業員の親睦 を深めると共に、 日頃の仕事のリフレッシュを図りました。 20 Social & Environmental Report 2009 地球環境とともに 環境への取り組みに対する YKKグル ープの考え方 YKKグループは、1994年9月に『YKKグループ環境憲章』を制定し、グループ全社を挙げて環境対策に取 り組んでいます。この環境憲章は、人類の豊かで健康な生活と環境との調和を目指し、企業活動のすべてに わたって環境の保全・改善に向けて行動することを基本理念に掲げています。 深刻化する地球環境問題に対し、全地球規模での取り組みによる持続可能な低炭素・循環型社会システムの 実現が必須の課題となっています。 YKKグループは、 YKK精神のもとに技術力を活かし、事業活動のすべての分野において環境政策を継続的 に推進し、低炭素・循環型社会の実現に寄与し、持続可能な社会の構築を目指します。 環境経営4つの約束 YKKグループは、世界各国での事業活動がおよぼす環境負荷低減のために、 4つの項目を中期環境経営基本政策と定め、それに沿った環境行動目標に取り 組んでいます。 エコプロダクツ・サービスの開発と提供 環境負荷低減経営の更なる徹底 YKKグループは、商品を通して持続可能な社会づくりに YKKグループは、事業活動における環境負荷の 貢献します 低減を徹底して進めます 光の入口 風の通り道 風の出口 風の入口 光の通り道 自然の風や光を利用したCO2 低減提案 21 工場排水のリサイクル グローバル環境経営システムの運用と活用 環境コミュニケーションの推進 YKKグループは、世界のあらゆる地域で『環境との調 YKKグループは、環境政策を進める上でお客様 和』を最優先とした環境マネジメント活動を続けます との『対話』が最も重要であると考え行動します グループ環境経営監査風景 エコプロダクツ2008 展示ブース風景 ■環境負荷低減経営 地球温暖化防止 資源循環 早くから省エネ投資に積極的に取り組み、 CO2 削減に貢 廃棄物を資源と考え再資源化し、世界の全拠点でゼロ・ 献しています。更なる削減に向けて、国内外の工場の新 エミッション達成に取り組んでいます。2005年度には 設や設備更新時の高効率設備の導入、工程改善、自然エ 国内の生産拠点でゼロ・エミッションを達成しました。今 ネルギーの利用促進を推進するとともに、環境マネジメ 後も廃棄物総排出量の削減や再資源化方法の質の向上 ントシステムを軸とした省エネルギー活動を積極的に推 を目指すとともに、工業用水の循環利用、雨水の有効利 進しています。 用などを促進し、更なる環境負荷の最小化に努めます。 また、 「チーム・マイナス6% 」に参加し、一人ひとりが身 近にできる活動を考え実践しています。 廃棄物排出量、再資源化率の推移 (YKKグループ国内) CO 2 排出量の推移 (YKKグループ国内主要生産拠点) (千t-CO2) 400 処分量 再資源化量 売却量 再資源化率 (千t) 394 −6%ライン(1990年度比) 348 325 336 323 324 303 120 97.0 97.6 97.6 90.1 92.0 66.1 72.7 97.9 (%) 87.9 90 100 97.8 100 300 97.6 87.6 80 200 80 60 76.5 69.7 68.5 40 70 100 20 0 0 1990 2000 2005 2006 2007 2008 2012(年度) 16.5 21.8 17.1 18.9 2.6 2.2 2.2 2.4 2004 2005 2006 2007 YKKポルトガル社 太陽光利用による温水供 給システムに切り替え、温 水 器 の 電 力 量を 7 5 % 削 減しました。 太陽熱パネル 1.9 60 2008 (年度) YKKインド社 2008年9月に染色排水 を 再 生 するプラントが 稼 動しました。将来は、排水 リサイクル100%を計画 しています。 逆浸透膜(NF)モジュール YKK APインドネシア社 高効率バーナーへの変換、 排 熱 利 用 、燃 焼 パターン 制御により、ガスの使用量 を20%削減、電気の使用 量を12%削減しました。 排熱回収 16.3 YKK AP大連社 廃棄樹脂バー材を分解し、 再利用しました。 樹脂バー分解 22 Social & Environmental Report 2009 地球環境とともに ■環境債務 廃棄物最終処分場の解体・更地化 YKK(株)黒部事業所では、富山県黒部市に自社発生建設廃材(土砂含む)限定の安定型最終処 分場を所有しています。しかし、十数年前から建設廃材についてはリサイクルをしており、現在は 埋め立て処分を行っておらず、休止施設となっていました。 最終処分場は、管理次第で将来その周辺地域のリスクの基になる可能性もあります。 そこで、既に埋め立てた建設廃材を掘り起こし、再資源化することによりこの廃棄物の処分場を 普通の土地として再生しようと考えました。 安定型最終処分場を中途で解体し更地化するという事例はほとんどないということで、この事業 の可能性について関係行政機関と交渉し、指導を得ながら2008年4月に解体・更地化の許可を 得ました。地元への説明会では好意的に同意をいただき、同年7月に着工しました。 本事業は2010年度完了予定です。 1988年 9月 地区の同意を得て安定型処分場の設置許可取得 1989年 4月 処分場の使用開始 1992年度 第1期の埋め立て完了(11,000m 3 ) 1993年 4月∼ 第2期、第3期の埋立を中止 2008年 4月 解体・更地化許可取得 2008年 7月 着工 ①位置 富山県黒部市荒俣1925-1 ②規模 面積: 8,000m 2 容量: 30,000m 3 既埋立容量:11,000m 3 残余容量:19,000m 3 ③事業費 約6億円 廃棄物最終処分場の解体・更地化 23 PCB対策 土壌調査 PCB(ポリ塩化ビフェニル)含有機器は2001年にPCB YKKグループでは、土壌保全は地域環境保全および土地 特別措置法が施行され、2016年度までの適正な処理が 資産価値の観点から、経営リスクマネジメントにおいて重 義務付けられています。YKKグループ国内に保管されて 要なものと位置づけています。 いる高濃度PCB含有機器は、法に則り管理・保管を行っ 2002年度から自主的な土壌調査を開始し、2009年2月 ています。また、富山県黒部地区に保管中の高濃度PCB に国内所有地(全272拠点)の調査を完了しました。これ 含有機器は、2008年より稼動した北海道の処理施設に により、国内YKKグループの全サイトで土壌汚染リスクが て処理が始まりました。 把握された状態となりました。 一方、 YKKグル ープではより安全な保管を行うために、 調査は、所有地における過去の利用状況調査のほか、 YKK 2003年に「YKKグループPCB取扱指針」を策定し、微 グループの事業活動における有害物質の履歴調査、また 量PCBの含有状況の確認作業を進めています。微量PCB 必要に応じて土壌の分析調査を行い、汚染リスクの判定を の含有が確認された機器については、グループ国内10ヵ 行いました。 所の保管庫に集中させることで、 ブロック保管体制を構築し、 そ の結果、環境汚染を引き起こすなど、ただちに問題と 適正な保管・管理を実施しています。 なる所有地はないことを確認しました。 ただ、 このうち37拠点は、 YKKグループの製造工程で有 高濃度PCB処理費 : 約5億円 害物質を使用した履歴があることや、土地の取得前に汚 染リスクの可能性があることから、土地の利用変更の機 会を捉え、土壌汚染対策法に基づく法定調査を実施して 再確認することとしています。また、浄化や原状回復など の環境対策費用(=環境債務)が将来発生する可能性の ある所有地として認識し、今後のモニタリング対象として 監視を続けていきます。 海外拠点における土壌調査については、国内でのリスク 管理手法を活用し、継続して取り組んでいきます。 現時点での調査、対策費 : 2億6千万円 高濃度PCB含有機器の処理施設へ の輸送 アスベスト対策 YKKグループでは国内全拠点において、アスベストの含 有調査を実施しました。アスベストの含有が確認された すべての地点で、除去・封じ込み・囲い込みのいずれかの 飛散防止処置を完了しました。 一方、昨年新たに3種類のアスベストの国内仕様が判明 したことを受け、 これまでの分析結果において「含有なし」 と判断された全国163ヵ所の地点を順次再調査してい ます。なお、この再調査において、新たな含有は確認され 土壌汚染分析調査 ていません。 処理費 : 試算中 24 Social & Environmental Report 2009 地球環境とともに ■化学物質対応 深 EMEA スペイン 大連 イタリー グローバル顧客 アパレルバイヤ ー 上海 EA 含有物質証明依頼 YKKグループ …… … … …… …… ①服飾品発注 … … ②部品発注 ③部品納品 YKKファスニング事業本部 … 台湾 ・集中購買 ・グローバル ソーシング … YFGP (YKK Fastening Green Procurement) … …………………… …………………… … 顧客ネットワーク グリーン調達管理システム USA 日本 インドネシア NCA 縫製ベンダー 縫製工場 ④服飾納品 ASAO バングラデシュ 世界各国の化学物質規制に対応する「 YFGP(グリーン調達管理システム)」を構築しました。 このシステムは、製品 の 構成情報から展開される材料・副資材などの 購入品に、購買先 へ のグ リーン調達調査によって入手した 化学物質情報を結びつけ、環境BOM( 製品に含まれる含有 物質情報を展開できる部品表)を作ることで、製品安全の保証を支援するシステムです。 ■化学物質の社内検査体制 研究開発センターでは、材料や製品中の微量元素を精密 に分析することができる、WDS型蛍光X線装置やICP発 光分光分析装置を使って、事業部が実施する化学物質の 検査を支援しています。 分析結果の信頼性を確保するために、 (財)日本分析化学 会が開催する分析技能講習に定期的に参加して、分析ス タッフの技能を維持すると共に、ISO/IECガイド25に基 づく技能試験に参加することによって、組織としての分析 能力を客観的に評価しています。 重金属社内検査 USAのCPSIA(製品安全改正法)を念頭に、購入材料や 副資材などに対する蛍光X線を利用した受入検査を行い、 自社製品の安全性を保証します。 「 RoHS指令 」 「 ELV 指 令 」などの 重 金 属 規 制に比 べ 、より厳しい 規 制 値 ( 鉛 90ppm以下)におけるスクリーニング検査(異常判定)を 可能としました。 25 YKKグループの社会・環境への取り組みについての第三者意見 ●事業活動での取り組み ●社会・環境報告書2009について ・コアバリューの浸透 ・世界での地域貢献 YKKグル ープでは、一昨年に定めた「コアバリュー 」を 世界各地のなかでも新興国や途上国の経済成長がめざ 着実に展開していることが伺えました。これは社員一人 ましく、世界のステークホルダーはそうした地域での企 ひとりが心にとどめる価値観ですので、世界的に景気が 業の社会・環境配慮に厳しい目を向けています。一昨年 後退し目先の業績回復に走りがちな現況下にあっても、 のインドでの訓練センターもプログラムを順調に進めら 長期にわたっての重要性を認識し実践し続けてください。 れています。今後とも、地域貢献 の 活動とともに進出し た国の将来へ のベネフィットにつながる活動を継続的に ・環境問題への積極的なチャレンジ 展開してください。 地球温暖化問題が深刻化し、YKKグル ープでも循環型 社会に留まらず低炭素社会を含めた持続可能な社会の ・環境修復の自主的取り組み 構築を目指すというステップに入っています。そこでは 環境管理活動は、 これまで通り着実に展開されています。 問題に対応するという受身の姿勢ではなく、環境を事業 今回、日常での管理活動だけでなく休止している廃棄物 の柱とすべくチャレンジと考え、エコプロダクツの開発を 処分場 の 解体を行ったことは、特筆すべ きことです。法 さらに積極的に位置づけています。特にグループの主要 令の最低限のみを遵守する企業が多いなか、自発的に大 事業のなかで、 YKK APの窓事業に重点注力する姿勢は 規模な修復を行ったことは重要であり、これにより地域 評価されます。 からの信頼が一層高まったものと考えます。今後このよ 具体的には、 「窓」を製造し、現場に直接お届けする事で、 うな大規模な修復はないということですが、土壌汚染や 環境面でも製品の品質を保証していく取り組みであると アスベスト対策など法令の範囲で行われるべき対策はま いえるでしょう。またこれまでのこの業界の施工現場の だありますので、十分の配慮をもって続けてください。 慣習に切り込むことになるそうで、作る側よりも使う側の 立場で製品の責任をもつので大きな信頼につながります。 ・従業員とのかかわり 業界のリーダーとして、環境分野から新しい風を吹き込 グローバルに事業展開しているYKKグループでは、コア んでください。 バリュー の「 人づくり」の 考え方が世界各地でずっと実 践されてきています。日本での展開については、ビジネ スリーダーや女性リーダー の育成を継続されており、効 果があがってきていると思いますが、何か成果がわかる ような報告もお願いしたいです。特に女性リーダーがま だ少ないので、こちらの成果を今後期待いたします。 株式会社 創コンサルティング 代表取締役 海野みづえ プロフィール 千葉大学大学院修了後、経営コンサルティング会社勤務を経て、 1996年創コンサルティングを設立。 東京大学大学院、法政大学大学院 非常勤講師 官公庁の各種委員も務める 26 YKK株式会社/YKK AP株式会社 〒101-8642 東京都千代田区神田和泉町1 UR L h t t p :/ / w w w . y k k . co. j p 〈お問い合わせ先 〉 YKK株式会社 環境・安全衛生グループ 〒938-8601 富山県黒部市吉田200 TEL:0765(54)8161 FAX:0765(54)8149 E-mail:[email protected] 発行:YKKグループ 環境政策推進連絡会 2009年7月 この用紙は、抄造時の電力にCO2を排出しない グリーン電力を採用しています。 (エスティム・31万kWh/年間) NPO法人カラーユニバーサルデザイン機構 (CUDO)より認証取得しています。
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