資料2 - 国土地理院

資料2
第6回マルチGNSSによる高精度測位技術の開発に関する委員会
マルチGNSS解析に関する
技術指針検討資料作成業務
平成25年3月4日
国土地理院測地観測センター
(委託先:株式会社パスコ)
1
業務内容
1.解析用データの取得
GPS、QZSS、GLONASSのデータの取得(同機種/異機種間)
・国土地理院短距離/長距離基線場(2時間×4)
・つくば市内の実際の測量網(2時間×4)
・上空視界不良地域(2時間×2)
2.解析内容
使用するソフトウェアは、「RTKLIB v2.4.1」 及び 「網平均計算ツール(パスコ製)」
・観測時間を短縮した解析
・仰角マスクを変更した解析
等
3.解析結果の分析・評価
衛星の組み合わせ毎/受信機の組み合わせ毎/解析方法毎に、FIX率、基線ベ
クトルの較差等を比較する
平成25年度 複数の衛星測位システムのデータを統合的に利用する
GNSS高精度測位技術の標準化へ
2
現時点までの結果報告
観測場所:国土地理院GNSS比較基線場
GNSS比較基線場位置図
期間:平成24年11月26日~12月6日
受信機: ① JAVAD DELTA‐G3T(3台) ※1
② JAVAD SIGMA‐G3T(1台) ※1
③ TOPCON NET‐G3A(1台) ※1
④ Trimble NetR9(1台)※1
アンテナ:JAVAD GrAnt‐G3T(4台)
解析ソフトウェア:RTKLIB(v2.4.1 p7)※2
解析設定:
電離層補正 ‐ OFF
対流圏補正 ‐ OFF
衛星軌道・時計 – 放送暦
No.13
約11km
No.10
約1km
No.1
No.2
国土地理院
※1 近代化GPS(BlockIIR‐M,IIF: 10機)ではL2P(Y)とL2Cを、QZSSではL2Cを受信
※2 デフォルトではL2P(Y)・L2Cデータがある場合L2Cを利用
評価方法:GNSS比較基線場の公称成果値と比較して、水平成分(dN、dE)と高さ成分(dU)
3
の差が、測量機器検定基準に定める許容範囲(水平:15mm, 高さ:50mm)内かどうか
短距離基線解析(基線長:約1km)
L1のみのスタティック解析(1時間)
組み合わせ
Trimble-TOPCON
(No.10-No.2)
Trimble-JAVAD_D
(No.10-No.1)
TOPCON-JAVAD_D
(No.10-No.1)
JAVAD_S-JAVAD_D
(No.10-No.1)
JAVAD_D-JAVAD_D
(No.10-No.2)
衛星
GPS
GPS+QZS
GPS+QZS+GLO
GPS
GPS+QZSS
GPS+QZS+GLO
GPS
GPS+QZSS
GPS+QZS+GLO
GPS
GPS+QZSS
GPS+QZS+GLO
GPS
GPS+QZSS
GPS+QZS+GLO
dN(m)
-0.002
-0.002
-0.003
-0.005
-0.004
-0.005
-0.006
-0.005
-0.005
-0.007
-0.007
-0.007
-0.002
-0.002
-0.001
仰角15°
dE(m)
0.004
0.004
0.004
0.005
0.006
0.006
0.005
0.006
0.006
0.007
0.006
0.006
0.001
0.002
0.002
dU(m)
0.006
0.003
0.005
0.003
-0.001
0.002
0.003
-0.001
-0.004
0.005
0.006
0.006
0.006
0.003
0.004
仰角45°
dN(m) dE(m) dU(m)
0.001
-0.003
0.005
0.003
-0.005
-0.003
-0.006
0.004
-0.016
-0.002
-0.013
-0.007
-0.006
0.007
0.008
0.008
0.008
-0.005
-0.010
0.005
0.006
-0.002
-0.002
0.004
0.003
-0.009
-0.001
仰角15:いずれの解析結果も、測量機器検定基準に定める許容範囲内にある
衛星の組み合わせ、受信機の組み合わせに有意な差はない
仰角45:GPSのみではFIX解が得られない場合も、衛星系を組み合わせることで
得られる
4
長距離基線解析(基線長:約11km)
L1+L2のスタティック解析(3時間)
組み合わせ
Trimble-TOPCON
(No.13-No.1)
Trimble-JAVAD_D
(No.13-No.10)
TOPCON-JAVAD_D
(No.13-No.2)
JAVAD_S-JAVAD_D
(No.13-No.10)
JAVAD_D-JAVAD_D
(No.13-No.1)
衛星
GPS
GPS+QZS
GPS+QZS+GLO
GPS
GPS+QZSS
GPS+QZS+GLO
GPS
GPS+QZSS
GPS+QZS+GLO
GPS
GPS+QZSS
GPS+QZS+GLO
GPS
GPS+QZSS
GPS+QZS+GLO
仰角15°
dN(m) dE(m) dU(m)
-0.005 -0.005 -0.006
-0.001 -0.010 -0.013
仰角45°
dN(m) dE(m) dU(m)
-0.010 -0.002 -0.010
-0.002 -0.002 -0.016
0.015
0.013
-0.009
-0.011
0.014
0.014
-0.120
0.017
0.488
0.001
0.001
0.000
-0.007
-0.007
-0.007
-0.005
-0.004
-0.004
-0.003
-0.002
-0.002
0.015
0.014
0.014
0.001
0.002
0.000
-0.001
0.006
0.003
-0.004
-0.005
-0.005
0.001
-0.004
-0.003
0.000
0.001
0.000
0.009
0.027
0.020
-0.001
0.013
0.009
仰角15:JAVAD間では、測量機器検定基準に定める許容範囲内にある
長距離では異なるメーカ間で、GLONASSを含めるとFIX解が得られない
TOPCON‐JAVADでは、GPSのみでもFIX解が得られない
5
長距離基線解析(基線長:約11km)
L1+L2のスタティック解析(3時間)、GPSのL2Cを利用しない
組み合わせ
Trimble-TOPCON
(No.13-No.1)
Trimble-JAVAD_D
(No.13-No.10)
TOPCON-JAVAD_D
(No.13-No.2)
JAVAD_S-JAVAD_D
(No.13-No.10)
JAVAD_D-JAVAD_D
(No.13-No.1)
衛星
GPS
GPS+QZS
GPS+QZS+GLO
GPS
GPS+QZSS
GPS+QZS+GLO
GPS
GPS+QZSS
GPS+QZS+GLO
GPS
GPS+QZSS
GPS+QZS+GLO
GPS
GPS+QZSS
GPS+QZS+GLO
仰角15°
dN(m) dE(m) dU(m)
-0.006 -0.005 -0.005
-0.006 -0.005 -0.006
仰角45°
dN(m) dE(m) dU(m)
-0.009 -0.002 -0.010
-0.006 -0.002 -0.014
0.001
0.001
0.010
-0.011
-0.004
-0.003
0.002
0.010
-0.007
-0.007
-0.007
0.006
-0.003
-0.005
-0.001
0.002
0.002
0.006
-0.001
-0.001
-0.001
-0.007
-0.007
-0.006
-0.004
-0.005
-0.004
-0.002
-0.003
-0.002
0.012
0.009
0.010
0.000
0.001
-0.001
0.000
0.000
0.000
-0.004
-0.005
-0.005
0.001
-0.001
-0.002
-0.001
0.001
0.000
0.009
0.009
0.005
-0.002
0.012
0.009
仰角15:JAVAD間では、測量機器検定基準に定める許容範囲内にある
長距離では異なるメーカ間で、GLONASSを含めるとFIX解が得られない
TOPCON‐JAVADでは、GPSのみでFIX解が得られる
6
L2Cを利用しないことで、公称成果値に近い値となる場合が多い?
長距離基線解析(基線長:約11km)
L1+L2のスタティック解析(3時間) 、GPSのL2Pを利用しない
仰角15°
組み合わせ
Trimble-JAVAD_D
(No.13-No.10)
TOPCON-JAVAD_D
(No.13-No.2)
衛星
GPS
GPS+QZS
GPS+QZS+GLO
GPS
GPS+QZS
GPS+QZS+GLO
dN(m) dE(m) dU(m)
備考
0.009 0.004 0.004 GPSはL2Cだけで解析
0.009 0.005 0.008 GPSはL2Cだけで解析
TOPCON‐JAVADでQZSSを含めても、L2Cだけで解析するとFIX解が得られる
7
長距離基線解析(電子基準点間)
L1+L2のスタティック解析(3時間)
仰角15°
組み合わせ
Trimble-Trimble
(940037-101185)
TOPCON-TOPCON
(940041-970800)
衛星
GPS
GLO
GPS+QZS
GPS+GLO
QZS+GLO
GPS+QZS+GLO
GPS
GLO
GPS+QZS
GPS+GLO
QZS+GLO
GPS+QZS+GLO
dN(m)
0.009
0.010
0.008
0.008
0.010
0.008
0.004
0.011
0.004
0.006
0.011
0.006
dE(m)
-0.005
-0.008
-0.005
-0.006
-0.008
-0.006
0.003
0.003
0.004
0.003
0.003
0.003
dU(m)
-0.026
-0.037
-0.024
-0.028
-0.037
-0.024
0.002
-0.008
0.003
0.001
-0.008
0.002
備考
電子基準点間
基線長:14km
F3解との比較
電子基準点間
基線長:10km
F3解との比較
同機種間では、全ての衛星系の組み合わせでFIX解が得られる
8
まとめ
<短距離基線>L1のみ
zいずれの解析結果も、測量機器検定基準に定める許容範囲内にある
z衛星の組み合わせ、受信機の組み合わせに有意な差はない
zGPSのみではFIX解が得られない場合も、衛星系を組み合わせることで得られる
<長距離基線>L1+L2(電離層補正無し)
zFIX解が得られた結果では、測量機器検定基準に定める許容範囲内にある
z同機種間では、全ての衛星系の組み合わせでFIX解が得られる
z長距離では異なるメーカ間で、GLONASSを含めるとFIX解が得られない
¾RTKLIBでは、GLONASSのInter Frequency Biasが影響
→ H23調査検討結果で確認し、改良中
zTOPCON‐JAVADでは、L2Cを含めるとFIX解が得られない
¾L2P‐L2Cの1/4サイクルシフトの問題か?
→ 複数周波数信号及び衛星系の組合せに関する技術開発業務
現在、以下の観測・解析結果を整理中
・つくば市内の実際の測量網(2時間×4)
・上空視界不良地域(2時間×2)
9