外部センサとスマートフォンによる 電磁界空間分布計測システム 金沢大学 理工研究域 助教 尾崎 電子情報学系 光紀 1 研究背景(EMC問題) 身の回りの電子機器から放射される電磁ノイズ (電流が流れれば必ず電磁波は放射) EMC対策の必要性 試作 このループが スケジュール遅延 コスト増を招く EMC試験 試作段階での 簡易EMC試験 が重要 EMC対策 評価 不要電磁ノイズの発生 開発現場で使える 手軽な電磁環境計測システムの切望 機器障害 を誘発 (例)電気自動車 2 研究背景(スマートグリッド化への懸念) 電力網分散化 ⇒ 電磁ノイズ源の分散化の危険性!? (例)LED電球の普及 → ラジオ放送が聞こえなくなった AC/DCコンバータから放射される電磁ノイズが原因 社会:電磁環境への関心は、ますます高まる 手軽な電磁界計測システムの要望 3 研究目的 直観的に電磁界を把握できるシステムの開発 測定者 本システム その場で 手のひらサイズのシステム (可搬性に優れる) 手軽に スマートフォンを利用 (高価な計測機は不要) 一目で カメラ画像とリアルタイム合成 (測定結果と環境情報の共有) 電磁環境を計測したい スマートフォンを使った新サービス! 4 新技術の概要1 小型 電磁界センサ 測定対象 スマートフォン (Android端末) 小型電磁界センサを取り付けたスマートフォン その場で計測と描画:センサ位置で計測結果を描画 5 新技術の概要2 測定対象 ARタグ付き 電磁界センサ スマートフォン内蔵のカメラでセンサを撮影 (センサ位置、傾きをARタグで認識) 測定結果とカメラ画像をリアルタイム合成 スマートフォン (Android端末) 空間分布(どこから、どれくらいの大きさ) 直観的に、その場でわかる 6 システム外観(試作品) シンプルなシステム構成 小型3軸磁界センサ (計測したい物理量を取得) Bluetooth モジュール 小型 電磁界センサ マイコン(AD変換、信号処理) Bluetoothモジュール (スマートフォンと通信) スマートフォン (描画処理、コマンド転送) マイコン スマートフォン サイズ:100mm × 50 mm 重量:84 g(バッテリー含む) 7 システム動作 3軸交流磁界センサ 交流磁界検出 マイコン HWとしてセンサを変えるだけで 別な計測物理量に対応可能 電圧波形(3軸) AD変換(10 bit) FFT(1024点) スマートフォン(Android) データ転送 Bluetooth 描画前処理 電圧スペクトル 校正処理 磁界スペクトル データ送信 データ受信 制御コマンド 描画処理 8 計測画面の例 カメラ画像(測定環境)と磁界強度(色)を合成 数値データ 磁界強度 (カラーバー) 磁界ベクトルの向き 9 計測の様子(動画) ループ電流 10 補助機能 波形表示 スペクトル表示 スマートフォンが計測機として動作! 11 マーカー型ARを用いた計測機能 AR(Augmented Reality、拡張現実) ディスプレイ画像にバーチャル情報を重ねて表示することで、 より便利な情報を提供する技術 (例)セカイカメラ、ゲームなど(ニンテンドー3DS) センサに ARタグを付属 ARタグを カメラで撮影 スマートフォン内蔵カメラで ARタグを認識 ARタグ センサ位置(奥行、傾き)を 反映させた空間分布の計測 12 ARによる空間分布計測(動画) 磁界の強さ 弱い ARタグ付き センサ ループ電流 強い 13 計測例(電子レンジ、動画) 14 計測例(調理ヒーター、動画) ループ電流 15 評価実験 0.45 m × 0.45 m、巻き数30の正方形ループから出る磁界分布 周波数 60 Hz、実効値300 mAの電流 z = 5 cmの位置で、xy平面上の磁界ベクトルを計測 y 0.45 m x z 0.45 m 16 実験結果 理論値 測定値 0 dB = 1 T 磁界強度の平均誤差は3.1 dB (センサ改良により精度向上は可能) 17 従来技術とその問題点 従来技術 専用の高額な計測機 センサと有線での接続 不十分な可搬性 問題点 気軽に計測ができない 開発現場での測定に制約 乏しい視覚表現 (例)従来の計測システム EMC試験に多額の設備投資をすることなく 現場で、手軽に計測したい! 18 新技術の特徴・従来技術との比較 可搬性に優れたシステム 手のひらサイズ さまざまな現場での使用に最適 直観性に優れた視覚表現 カメラ画像とリアルタイム合成 どこから、どの方向に、どれくらいの強度(一目で分かる) 汎用性に優れたシステム センサを変えれば、別な物理量で同様な機能を提供 爆発的普及をするスマートフォンが 高機能計測機として新サービス提供 19 想定される用途 電磁環境の測定 開発現場での電磁ノイズ調査が容易に可能 円滑な開発スケジュールへの寄与 効果的なEMC対策への貢献 シールド材の効果を容易に把握 放射源の特定で効率良く対策 一般ユーザの電磁気への興味拡大 シンプルなシステム(センサ、マイコン、スマートフォンのみ) 安価に高機能な電磁界計測が可能 20 実用化に向けた課題 システムとして基本は完成 ARタグ画像認識の改善 (計測環境に応じたパラメータ調整) 電磁界センサの小型化・高精度化 多様なセンサへの対応 (ソフトウェア(Android側)のチューニング) 21 企業への期待 共同研究の希望 共同研究の希望 電磁界計測、組込みシステム、画像処理 の技術を持つ企業 センサを変更することで電磁界以外の物理量に応用可能 他のセンサ(超音波、放射線、ガスなど)と スマートフォンを用いた計測システムに興味のある企業 本技術の導入が有効な分野 本技術の導入が有効な分野 手軽なEMC計測、試験サービス、システム開発 外部HWとスマートフォンを連携させた新サービス展開 22 本技術に関する知的財産権 • 発明の名称 • 出願番号 • 出願人 • 発明者 :電磁界測定表示装置、電磁界 測定表示方法、プログラム、 及び記録媒体 :特願2012-142398 :国立大学法人 金沢大学 :尾崎 光紀 八木谷 聡 岩崎 渓介 23 お問い合わせ先 (有)金沢大学ティ・エル・オー シニア・ライセンシング・アソシエイト 中村 尚人 TEL 076-264-6090 FAX 076-234-4018 e-mail e-mail-to@kutlo.incu.kanazawa-u.ac.jp 24
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