(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 その両端部又はその近傍 - Questel

JP 3557575 B2 2004.8.25
(57) 【 特 許 請 求 の 範 囲 】
【請求項1】
その両端部又はその近傍に入口ポート及び出口ポートを有する細長い筒状ダクトと、前記
ダクトの軸線に沿って延長する細長い光源と、前記入口ポートと前記出口ポートの間で前
記ダクトの内壁に沿って螺旋状に延長するガイドベーンとからなり、前記ベーンによって
画定される流体の流路の隣接する各ターンの間を連絡する開口が前記ガイドベーンに形成
されていることを特徴とする流体処理装置。
【請求項2】
前記ガイドベーンの開口が放射方向に延長するスロットからなることを特徴とする請求項
1記載の流体処理装置。
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【請求項3】
前記ガイドベーンの放射方向に内側の縁端部が、前記光源より放射方向外側に位置するよ
うに設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の流体処理装置。
【請求項4】
前記ダクトの内壁上に配設され、かつ螺旋状の前記ガイドベーンの前記開口を通過する流
体の流れを促進するように構成された概ね長手方向に延長するベーンを備えることを特徴
とする請求項1乃至3のいずれか記載の流体処理装置。
【請求項5】
前記螺旋状ガイドベーンが、前記ダクトの壁面に螺旋状線に沿って形成された一連のスロ
ットのそれぞれに挿入される複数のベーンセグメントからなることを特徴とする請求項1
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(2)
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乃至4のいずれか記載の流体処理装置。
【請求項6】
前記各ベーンセグメントが、挿入前に、組立てられた時に螺旋を画成するように予め形成
されていることを特徴とする請求項5記載の流体処理装置。
【発明の詳細な説明】
技術分野
本発明は、流体の処理に関し、より詳細にいえば水又は汚水を殺菌するためのシステムに
関するが、これに限定されるものではない。
背景技術
未処理の汚水が海や川に流されることが良くある。この汚水には、肝炎のような有害な微
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生物やバクテリアが含まれていることがあり、食物連鎖に入り込んだり、汚染された水と
接触する人に伝えられる可能性がある。
高 輝 度 紫 外 ( UV ) 光 が 、 水 を 殺 菌 す る の に 使 用 す る こ と が で き る 殺 菌 能 力 を 有 す る こ と は
良 く 知 ら れ て い る 。 UV 飲 料 水 殺 菌 装 置 は 、 水 の 全 部 が 有 効 に 処 理 さ れ な い こ と か ら 、 水 処
理 会 社 で は あ ま り 使 用 さ れ て い な い 。 こ れ は 、 従 来 の 紫 外 ( UV ) 光 流 体 処 理 装 置 が 、 処 理
される流体が光学的に透明な場合にのみ有効に作動するために起こるのである。例えば、
処理される流体が不透明であったり酷く汚濁している場合には、光源に極めて接近した位
置から離れると紫外光が大幅に逓減し、紫外光源に極めて接近した位置まで来ない細菌の
かたまりは、それらを殺すのに十分な紫外線の放射を受けない。更に、細菌は集まってか
たまりになる傾向があり、そのためにかたまりの中心付近の細菌は、そのかたまりの外側
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の細菌によって紫外光から遮られることになる。
発明の開示
そこで、本願発明者は、上述した従来の問題点を解消する流体処理装置を考案した。
本発明によれば、その第1の側面において、その両端部又はその近傍に入口ポート及び出
口ポートを有する細長い筒状ダクトと、前記ダクトの軸線に沿って延長する細長い光源と
、入口ダクトと出口ダクトの間で前記ダクトの内壁に沿って螺旋状に延長するガイドベー
ンとからなり、前記ベーンによって画定される流体の流路の隣接する各ターンの間を連絡
する開口が前記ガイドベーンに形成されている流体処理装置が提供される。
使用の際に、処理される流体は前記ダクトの中を螺旋状の通路に沿って入口ポートから出
口ポートへと流れる。この螺旋状の流れによって、処理される水又は他の流体の全部が処
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理時に確実に光源と極めて接近した位置に来るような制御された乱流が生じる。前記通路
に 沿 っ て 流 れ る 流 体 は 、 螺 旋 状 通 路 の 隣 接 す る 各 タ ー ン ( turn ) の 間 に 設 け ら れ た 開 口 を
通過することができる。細菌のかたまりは、前記開口を通過する際に、より有効に処理す
ることができる個々の細菌に分散する。
前記ガイドベーンに設けられた開口が、放射方向に延長するスロットからなり、それによ
ってこれらのスロットを流れる流体が光源から遮られないようになっていると好都合であ
る。
第2の流体流路が、前記ダクトに沿って前記光源と前記ガイドベーンの放射方向に内側の
縁端部が、前記光源より放射方向外側に位置するように設けられていると好都合である。
前記入口ポートと出口ポートとの間を流れる流体は、従って前記ガイドベーンの放射方向
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内側縁端部と前記光源との間を前記ダクトの軸線方向に流れることが可能である。この軸
線方向の流れが前記螺旋状の流れと干渉して、前記ダクトに沿って螺旋状に移動する流体
の渦流を生じさせる。この渦流作用によって、前記ダクト内部の乱流が更に増加して、前
記水を制御された二重螺旋動作で動かす。
実質的に長手方向に延長するベーンが、前記ダクトの内壁上に配置され、前記ヘリカルガ
イドベーンの開口を通過して流体が流れるのを促進するようになっていると好都合である
。
好適には、前記ヘリカルガイドベーンは、前記ダクトの壁の螺旋状の線に沿って一連のス
ロットを切り込み、かつ前記壁の各スロット内に前記ベーンの個々のセグメントを挿入す
ることによって形成される。
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(3)
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個々の前記ベーンセグメントが、その挿入前に、組立てられた時に前記セグメントが螺旋
を画成するように予め形成されていると好都合である。
従来の紫外光流体処理装置の別の欠点は、紫外線ランプの前方に蓄積するスライムや他の
廃棄物を除去するために、定期的に掃除しなければならないことである。通常、紫外線ラ
ンプは、ガラス壁によって流体から分離されているので、該ガラスを自動的に掃除するワ
イパ機構を設けることが提案されている。このワイパ機構は複雑でありかつ保守が困難で
ある。
ま た 、 ポ リ テ ト ラ フ ル オ ロ エ チ レ ン ( PTFE ) で 形 成 さ れ た 壁 を 設 け て 、 前 記 紫 外 線 ラ ン プ
を 汚 水 か ら 分 離 す る こ と が 提 案 さ れ て い る 。 PTFE は 非 粘 着 性 ( non− stick properties)
を有し、それによって紫外線ランプの前方にスライム及び廃棄物が蓄積するのを抑制する
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。 PTFE は 、 特 に 殺 菌 性 を 有 す る 波 長 ( 245∼ 265nM) の 紫 外 光 を 透 過 さ せ る が 、 紫 外 光 の 大
部 分 は PTFE に よ っ て 吸 収 さ れ る 。 こ の 紫 外 光 の 吸 収 性 は 、 壁 の 厚 さ を 減 ら す こ と に よ っ て
小 さ く す る こ と が で き る 。 し か し な が ら 、 PTFE は 柔 軟 な 材 料 で あ る こ と か ら 、 前 記 壁 は 、
流体処理チャンバ内の高圧に耐えるために厚くする必要がある。そこで、本発明によれば
、その第2の側面において、処理される流体のための流路と、透明壁を介して前記流路内
の流体に光を放射する光源とからなり、前記透明壁が、該透明壁によって支持された比較
的低接着性材料の層によって前記流体から分離されている流体処理装置が提供される。
比 較 的 低 接 着 性 ( adherence− resisitant) 又 は 非 粘 着 性 の 材 料 か ら な る 前 記 層 に よ っ て
、スライム及び廃棄物が透明壁に蓄積するのが防止される。前記透明壁自体が、前記流路
の流体圧力に耐えうる十分な剛性を有すると好都合である。前記透明壁はガラス材料で構
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成することができる。前記ガラス材料が特に合成を有する石英ガラスであり、それによっ
て前記ガラスによる光の吸収を減らすために壁の厚さを最小にできると好都合である。
前 記 非 粘 着 性 材 料 の 層 が 、 溶 射 ( spraying ) に よ っ て 前 記 透 明 壁 に 設 け ら れ る と 好 都 合 で
ある。
前記光源が、前記流体通路の中に延長する透明スリーブ内に設けられていると好都合であ
る。
前記非粘着性材料の層は、該非粘着性材料のチューブを透明スリーブの上に嵌め込むこと
によって、該透明スリーブに設けることができる。
前記非粘着性材料のチューブが、前記スリーブの上に被覆し直す熱収縮性チューブからな
ると好都合である。
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流体に乱流を生じさせるために、前記流体通路の内部にベーンが設けられていると好都合
である。この流体の乱流は、前記非粘着層の表面に蓄積する虞れがある全ての物質を除去
する洗浄作用を生じさせる。
前 記 非 粘 着 層 の 膜 厚 は 15∼ 150nMで あ る こ と が 好 ま し い 。 前 記 非 粘 着 層 が 、 PTFEの よ う な
シリコンフルオロカーボン重合体からなると好都合である。
水は、炭酸カルシウム、マグネシウム、又は鉄化合物のような塩及び無機物が溶解してい
ることがある。これらの塩及び無機物は溶解状態から析出することがあり、パイプやタン
ク等の壁にデポジットとして蓄積することがある。この所謂硬水は、パイプやタンク等の
壁に付着する塩及び無機物の量を減らすために、様々な方法で処理することができる。或
る型式の軟水装置は、磁界又は静電界を形成する装置からなり、それが溶解している塩及
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び無機物に作用して、それらが通常の硬い最密スケールとしてではなく柔らかいスラッジ
として析出するように、規則的な結晶格子構造を形成するのを防止する。また、前記スラ
ッジは、既存のスケールと結合して、分散したり水をろ過する際に除去することができる
大きい分子の柔らかいスケールを形成する。
上述したように、硬水を処理するために静電界を用いることが提案されているが、従来の
静電形水処理装置は、様々な欠点を有し、かつ有効に機能しなかった。そこで、本発明に
よれば、その第3の側面において、流体が流れるためのダクトと、前記ダクトに静電界を
加えるための手段とからなり、前記静電界の強度が前記フローダクトの長さに沿って変化
することを特徴とする流体処理装置が提供される。
塩及び無機物が溶けている水の中から析出する速度は、それに作用する静電界が変化する
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(4)
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場合に大幅に増大する。
前記静電界が、2個の離隔された電極間で形成されると好都合である。
前記流体処理装置が、筒形の外側電極とその軸線に沿って延長する内側電極とからなると
好都合である。前記外側電極が前記ダクトの側壁を形成すると好都合である。
使用時には、放射方向に延長する静電界が形成されるように、前記2個の電極の間に高い
電圧を印加する。従って、前記ダクトの中を流れる水全部が前記静電界の作用を受ける。
流体が前記2個の電極間に導電路を形成しないように、一方の前記電極が流体から絶縁さ
れていると好都合である。
前記静電界の密度が、前記2個の電極間の間隔を変化させることによって変化すると好都
合である。前記内側電極の表面が、前記電極間の放射方向の距離が前記フローダクトの長
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さに沿って変化するように成形されていると好都合である。別の実施例では、前記外側電
極の内面を成形することができる。
成形された前記電極面によって、前記フローダクトの長さに沿って密度が変動する静電界
が得られると好都合である。好適には、変動する前記静電界は、電極面に環状の隆起部又
は溝を形成することによって得られる。
磁界が水に対して静電界と同様の効果を有することは知られているが、公知の型式の磁気
軟水装置の欠点は、水の流れに対して直角に延長する磁界の位置にある溶解無機物にのみ
作用することである。従って、コイル又は棒磁石を用いた場合には、外棒磁石又はコイル
の各端部においてのみ前記作用が生じる。従来、磁気軟水装置は比較的非効率的なもので
あった。そこで、本発明によれば、その第4の側面において、流体のフローダクトと、前
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記ダクトを横切る横方向の磁界を形成するための手段とからなり、前記磁界の方向が前記
ダクトの長さに沿って変化する流体処理装置が提供される。
前記ダクトに沿って流れる流体は、流れの方向に直交して延長する磁界に曝露される。流
体中に溶解している塩及び無機物は、溶解状態から析出する。この作用効果は、前記ダク
トの軸線に沿って前記磁界の方向が変化することによって加速される。これは、流体内の
粒子にスピン回転を生じさせる。
前 記 磁 界 の 方 向 が 、 前 記 チ ュ ー ブ の 軸 線 に 沿 っ て 少 な く と も 360度 に 亘 っ て 変 化 す る と 好
都合である。
前記流体処理装置が、前記ダクトの半径方向対向位置に配置された正負両極の磁石対と、
前記ダクトの軸線に沿って配設された複数のこのような磁石対とからなり、前記各磁石対
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によって形成される磁界の方向が隣接する磁石の磁界からずれていると好都合である。
前記磁石が電磁石からなると好都合である。好適には、前記ダクトの壁部は、非磁性材料
、例えばステンレス鋼によって形成される。
前記磁界の方向が前記ダクトの長さに沿って螺旋状に旋回するように、連続する前記磁石
対 が 、 隣 接 す る 前 記 磁 石 対 か ら 90度 以 下 の 範 囲 で ず れ て い る と 好 都 合 で あ る 。
静電・磁気式流体処理装置の欠点は、微生物及びバクテリアを殺す点において効果が無い
ことである。従って、本発明によれば、その第5の側面において、流体のフローダクトと
、前記ダクト内の流体に印加される静電界及び/又は電磁界を発生させるための手段と、
前記ダクト内の流体に前記静電界及び/又は電磁界の下流側で紫外光を照射するための紫
外光源からなる流体処理システムが提供される。
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使用時には、流体を紫外光に曝露する前に静電界及び/又は電磁界に曝露した時、相乗的
な 生 物 死 滅 効 果 ( kill effect ) が 生 じ る 。 こ の 効 果 は 、 静 電 界 及 び / 又 は 電 磁 界 が 、 微
生物の膜又は細胞壁に干渉することによってその栄養素を吸収する能力が低減するために
生じると考えられる。これは、微生物を相当に弱らせ、紫外線に対してより敏感にさせる
。
オ ゾ ン ( O3) が 塩 素 の よ う に 殺 菌 能 力 を 有 す る こ と は 良 く 知 ら れ て い る 。 オ ゾ ン は 、 空 気
中 の 酸 素 ( O2 ) に 紫 外 光 を 作 用 さ せ る こ と に よ っ て 、 大 気 中 で 生 成 さ れ る 。 し か し な が ら
、オゾンは、乾燥空気の酸素中で電気的なコロナ放電を生じさせることによって、人工的
に生成することもできる。このコロナ放電には、酸素の共有結合を切るのに十分なエネル
ギーを有し、それによって自由酸素(O)ラジカルが形成される。この自由酸素ラジカル
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が再結合して、所謂活性化されたオゾンを形成する。この活性化されたオゾンは、酸化剤
として使用することができる。このコロナ放電技術の欠点は、特定の量の酸化ガスを生成
するために使用されるエネルギーの量を考慮した時、効率が悪いことである。別の欠点は
、コロナ放電によって、抑制する必要がある混信を生じることである。そこで、本発明に
よれば、その第6の側面において、空気または酸素及び水をそれぞれ受取るための入口部
と、前記空気又は酸素内の水を蒸気化するための手段と、前記蒸気を短波長紫外線に曝露
するための手段とからなる酸化ガス発生装置が提供される。
短波長の紫外線には、水の中の酸素−酸素結合及び酸素−水素結合を切断し、かつ水素自
由ラジカル、水酸基及びオゾンを形成するのに十分なエネルギーが含まれている。従って
、 結 果 物 で あ る ガ ス は 、 水 素 ( H ) と 水 酸 基 ( HO) 自 由 ラ ジ カ ル と オ ゾ ン ( O3 ) と か ら な
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る。このガスは、結果的に高い酸化能力を有する。
前 記 短 波 長 紫 外 線 の 波 長 が 100∼ 200nMで あ る と 好 都 合 で あ る 。
好適には、前記蒸気を短波長放射線に曝露するための手段が、出力する実質的に全部の放
射 線 が 100∼ 2 00nMで あ る よ う に 調 整 し た 水 銀 ア ー ク 放 電 ラ ン プ か ら な る 。 一 般 に 低 圧 水 銀
ア ー ク ラ ン プ は 、 そ の 生 成 す る 放 射 線 の 概 ね 全 部 が 紫 外 ス ペ ク ト ル の 最 小 値 即 ち 254nMで
、非常に僅かの短波長紫外線を生成する。水銀アーク紫外線ランプの出力は、ランプ表面
温度によって不利な影響を受ける。紫外線の波長は、前記ランプの表面温度が増加すると
下がる。従って、作られる放射線の波長は、ランプの表面温度を制御することにより調整
することができる。前記ランプの出力波長が、前記ランプの表面温度を上げるために前記
蒸気を加熱することによって調整されると好都合である。また、前記蒸気を加熱すること
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によってその湿度が上昇し、それによってより多くの水が紫外線に曝露される。
前記ランプは、その使用温度を上げるために、その指定使用温度より大きい電流で駆動す
ると好都合である。従って、前記水蒸気によって生じる加熱効果と高い使用電流との組合
せ に よ っ て 、 前 記 ラ ン プ が 出 力 す る 概 ね 全 部 の 放 射 線 が 184nMに な る 。
その両端に入口ダクト及び出口ダクトを有するフローダクトに沿って軸線方向に水銀放電
管が延長していると好都合である。
上 述 し た よ う に 、 オ ゾ ン ( O3 ) が 、 十 分 に 長 い 時 間 即 ち 2 ∼ 10 分 に 亘 っ て オ ゾ ン に 曝 露 さ
れた微生物の細胞壁又は膜を酸化することによって作用する殺菌能力を有することは良く
知られている。しかしながら、安定した化学薬品である塩素と異なり、オゾンは水の中で
約 25 分 間 し か 活 性 を 有 し な い 。 従 っ て 、 オ ゾ ン が こ の 時 間 内 に 微 生 物 と 接 触 し な い 場 合 に
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は、効果がない。このため、従来のオゾン水処理装置は、再循環式のシステムにより適し
ている。そこで、本発明によれば、その第7の側面において、流体のフローダクトと、前
記ダクト内の流体に紫外光を放射するための紫外光源と、前記紫外光源の下流側で前記流
体に酸化ガスを導入するための手段とからなる流体処理システムが提供される。
使用時には、生物上及び酸化作用の観点から、生物死滅能力が増大し、かつ流体中の化学
物質の結合を切る能力が向上するという結果が得られる相乗効果が生じる。極めて有効な
流体処理システムは、流体を静電界及び/又は電磁界に曝露した後、オゾンのような酸化
ガスに曝気する前に紫外光に曝露した場合に形成される。また後者によって、流体中に短
寿命の残留殺菌作用が残る。
これら3つの処理を組合わせることによって、結合を切ること及び酸化の相乗効果が生ま
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れる。静電界及び/又は電磁界によって、溶解している幾つかの固体の析出が始まる。紫
外線飲料水殺菌装置は、化学結合を切ることによって化学反応に寄与し、かつオゾン発生
器は流体中のあらゆる化学物質の結合を切りかつ酸化させる作用を続ける。最終的に得ら
れる結果は、例えば水及び排水のための効果的な汚染除去システムと共に極めて有効な生
物殺菌装置である。
食物の準備に関係する区域では、温度を制御した環境が必要である。これは、通常その区
域の周囲に冷たい空気を送ることによって達成される。この空気は一般に再循環され、こ
のためにますます微生物で汚染されることになる。熱風式ハンドドライヤは、バイ菌の再
循環に類似した問題を有する。そこで、本発明によれば、その第8の側面において、空気
の流れを生じさせるための送風手段と、前記空気の流れに紫外線を照射するための手段と
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からなる空気殺菌装置が提供される。
従って、紫外線が、送風器を通って流れる空気を殺菌する作用を有する。即ち、食物を準
備する区域では、微生物の全部を死滅させるように、再循環させた空気を前記システムを
介して引き出すことができる。
ハンドドライヤの場合には、該ドライヤからの熱風が殺菌されるように、内蔵する送風器
の前方又は背後に紫外線の放射源を配置することができる。前記ハンドドライヤには、該
ドライヤが配置されている部屋を殺菌した空気で換気するために、周期的に前記送風器及
び照射手段を作動させるための手段を組み込むことができる。これは、例えば公衆便所に
おいて、微生物汚染のレベルを低く維持するのに役立つ。
密閉されたタンクに空気を充填したり空にするような生物的に敏感なプロセスでは、該タ
10
ンクから流れる空気が生物的に清浄であることが重要である。これは、本発明による空気
殺菌システムを前記タンクの通気ダクトに接続することによって達成することができる。
好 適 に は 、 紫 外 線 の 波 長 は 主 に 245∼ 265nMで 、 特 に 253.7nMで あ る 。 253.7nMの 紫 外 線 は 、
特にオゾンで汚染された空気中のオゾンを酸素に変えるのに有用である。
【図面の簡単な説明】
以下に、添付図面を参照しつつ実施例を用いて本発明を詳細に説明する。
第1図は、本発明による水処理システムの実施例を示すブロック図である。
第2図は、第1図のシステムの静電形水処理装置の断面図である。
第3図は、第2図の装置の長さに沿ってフラックス密度の変化を示す線図である。
第4図は、第1図のシステムの紫外線水処理装置の実施例を示す縦断面図である。
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第5図は、第4図のV−V線における断面図である。
第6図は、第1図のシステムの紫外線水処理装置の別の実施例を示す縦断面図である。
第7図は、第1図のシステムの酸化ガス発生装置のブロック図である。
第8図は、水銀アーク放電ランプの波長対強度を示す線図である。
第9図は、第1図のシステムの別の実施例に使用される磁気式水処理装置を示す断面図で
ある。
第 10 図 は 、 第 9 図 の 磁 気 式 水 処 理 装 置 の 概 略 構 成 図 で あ る 。
発明を実施するための最良の形態
添 付 図 面 に お い て 、 第 1 図 に は 、 ダ ク ト 13に よ っ て 紫 外 ( UV) 光 水 処 理 装 置 11 に 接 続 さ れ
た 静 電 形 水 処 理 装 置 10 か ら な る 水 処 理 シ ス テ ム が 示 さ れ て い る 。 紫 外 光 水 処 理 装 置 11 は ダ
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ク ト 14 に よ っ て 、 発 生 器 15が 生 成 す る 酸 化 ガ ス で 前 記 ダ ク ト 内 の 水 を 曝 気 す る 装 置 12 に 接
続されている。
使 用 時 に は 、 水 が 静 電 形 水 処 理 装 置 10の 中 を 通 り 、 ダ ク ト 13を 通 っ て 紫 外 光 水 処 理 装 置 11
に 入 り 、 そ の 中 を 流 れ る 。 紫 外 光 水 処 理 装 置 11を 出 て ダ ク ト 14 を 通 過 す る 水 は 、 発 生 器 12
からの酸化ガスに曝気される。
第 2 図 に お い て 、 静 電 形 水 処 理 装 置 10は 、 導 電 材 料 で 形 成 さ れ た 筒 状 ダ ク ト 20 を 備 え る 。
ダ ク ト 20 は 、 そ の 両 端 が 端 壁 21、 22 で 閉 塞 さ れ て い る 。 入 口 ポ ー ト 23が 、 ダ ク ト 20の 一 方
の 端 部 近 傍 か ら 放 射 方 向 に 突 出 し て い る 。 紫 外 光 水 処 理 装 置 11 に 接 続 さ れ た 排 出 ダ ク ト 13
は 、 ダ ク ト 20 の 反 対 側 の 端 部 で 端 壁 22か ら 軸 線 方 向 に 突 出 し て い る 。 円 筒 状 の プ ロ ー ブ 装
置 25 が 、 締 ま り ば め と し て 筒 状 ダ ク ト 20 の 自 由 端 部 の 内 部 に 挿 入 さ れ て い る 。 細 長 い プ ロ
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ー ブ 26 が プ ロ ー ブ 装 置 25か ら 突 出 し 、 端 壁 21の 開 口 を 貫 通 し て い る 。 プ ロ ー ブ 26は 、 薄 肉
ガ ラ ス の 絶 縁 ス リ ー ブ 28内 部 に シ ー ル さ れ た 細 長 い 金 属 電 極 27 を 備 え る 。 絶 縁 体 と し て プ
ラスチックではなくガラスを用いるのは、プラスチックは時間の経過と共に劣化する傾向
が あ る か ら で あ る 。 電 極 27は 、 前 記 装 置 か ら 全 く 水 が 抜 け る こ と な く ス リ ー ブ 28か ら 引 き
出すことができる。
電 極 27 は 、 そ の 長 さ に 沿 っ て 形 成 さ れ た 一 連 の V 字 型 環 状 ス ロ ッ ト 28を 有 す る 。 プ ロ ー ブ
26 は 、 ダ ク ト 20 か ら 絶 縁 さ れ る よ う な や り 方 で プ ロ ー ブ 装 置 25 に よ り 支 持 さ れ て い る 。 電
力 ケ ー ブ ル は 、 プ ロ ー ブ 装 置 25に 入 り 、 か つ 内 側 電 極 27 と ダ ク ト 20( 外 側 電 極 を 形 成 す る
) と に そ れ ぞ れ 接 続 す る ワ イ ヤ 15、 16を 備 え る 。
使 用 時 に は 、 ワ イ ヤ 15 、 16が 10KV ∼ 20KV 電 源 の 正 負 の 端 子 に そ れ ぞ れ 接 続 さ れ る 。 こ の 高
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圧電源によって、前記内側及び外側電極間に放射方向に延びる静電界が形成される。第3
図 に お い て 、 前 記 内 側 電 極 上 の V 字 型 ス ロ ッ ト 29が 、 前 記 静 電 界 の フ ラ ッ ク ス 密 度 を 前 記
ダクトの長さに沿って変化させる。前記ダクトの中を流れる水は、変化する静電界の影響
を受け、それによって塩及び無機物を溶解状態から柔らかいスラッジの形で析出させる。
前記静電界が変化することによって、析出プロセスの速度が大幅に増大する。
別の実施例では、前記プローブを、例えば電気泳動又はほうろう引きを用いてガラスで被
覆した電極で構成することができる。
静 電 形 水 処 理 装 置 10の 外 側 ダ ク ト 13 か ら 流 れ る 水 は 、 紫 外 光 水 処 理 装 置 11に 入 る 。 第 4 図
及 び 第 5 図 に お い て 、 紫 外 光 水 処 理 装 置 11は 、 ス テ ン レ ス 鋼 で 形 成 さ れ 、 か つ そ の 両 端 に
入 口 ダ ク ト 13 及 び 出 口 ダ ク ト 14が 取 付 け ら れ た 細 長 い 筒 状 ダ ク ト 30を 備 え る 。 細 長 い 紫 外
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線 ラ ン プ 31が 、 ダ ク ト 30の 軸 線 に 沿 っ て 延 長 す る 石 英 ガ ラ ス ス リ ー ブ 32の 内 部 に 取 付 け ら
れ て い る 。 ス リ ー ブ 32 は 、 そ の 両 端 部 が 筒 状 ダ ク ト 30の 端 壁 に シ ー ル さ れ 、 そ れ に よ っ て
使 用 時 に は 、 処 理 さ れ る 水 が ラ ン プ 31の 表 面 か ら 絶 縁 さ れ る 。
ガ イ ド ベ ー ン 33 が ダ ク ト 30の 内 壁 上 に 配 設 さ れ て 、 前 記 装 置 の 中 を 水 が 流 れ る よ う に し て
い る 。 ガ イ ド ベ ー ン 33 は 、 入 口 ダ ク ト 13 と 出 口 ダ ク ト 14 と の 間 で 前 記 ダ ク ト の 内 壁 に 螺 旋
状 に 巻 装 さ れ た 放 射 方 向 内 向 き に 突 出 す る 壁 か ら な る 。 ガ イ ド ベ ー ン 33に は 、 そ の 長 さ に
沿 っ て 一 定 間 隔 で ス ロ ッ ト 34 が 放 射 方 向 に 形 成 さ れ て い る 。 ス ロ ッ ト 34は 5mm幅 が 好 ま し
い。
ガ イ ド ベ ー ン 33 は 、 ダ ク ト 30 の 壁 面 の 螺 旋 状 の 線 に 沿 っ て 一 連 の ス ロ ッ ト を 切 削 加 工 す る
ことによって形成される。次に、前記スロットと同じ長さに切断された小さい矩形の金属
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片 を そ の 両 端 部 で 正 確 に ね じ っ て 、 前 記 ベ ー ン セ グ メ ン ト 35を 形 成 す る 。 セ グ メ ン ト 35 を
形 成 す る の に 使 用 さ れ る 金 属 片 の 結 晶 ( grain) に よ っ て 、 前 記 金 属 片 を 正 し い 形 状 に 成
形 し 易 く な る 。 次 に 、 成 形 さ れ た 前 記 金 属 片 を 、 ダ ク ト 30の 壁 に 切 設 さ れ た 前 記 ス ロ ッ ト
内 に 挿 入 し 、 所 定 位 置 に 溶 接 す る 。 ガ イ ド ベ ー ン 33の 放 射 方 向 内 側 縁 端 部 は 、 ダ ク ト 30 の
軸 線 と 平 行 に 延 長 す る 石 英 ガ ラ ス ス リ ー ブ 32の 外 面 か ら 離 隔 さ れ て い る 。
複 数 の 細 長 い ベ ー ン 36 を ダ ク ト 30の 内 壁 に 軸 線 方 向 に 取 付 け る 。 細 長 い 各 ベ ー ン 36の 下 流
側 の 端 部 は 、 螺 旋 状 の ガ イ ド ベ ー ン 33に 向 け て そ の 隣 接 す る ス ロ ッ ト 34近 傍 に 収 束 し て い
る。
使 用 時 に は 、 水 が ダ ク ト 30に 沿 っ て 入 口 ダ ク ト 13か ら 出 口 ダ ク ト 14に 向 け て 流 れ る 。 ガ イ
ド ベ ー ン 33は 、 基 本 的 に 水 路 と な っ て 水 が 紫 外 線 ラ ン プ 31の 周 囲 を 螺 旋 状 に 流 れ る よ う に
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作 用 す る 。 し か し な が ら 、 柱 状 の 水 が 前 記 ダ ク ト に 沿 っ て ガ イ ド ベ ー ン 33の 内 方 縁 端 部 と
石 英 ガ ラ ス ス リ ー ブ 32 の 外 面 と の 間 の 空 間 を 軸 線 方 向 に 流 れ る 性 質 が あ る 。 こ れ ら 2 つ の
水の流れが相互作用して、矢印Hで示されるように、前記ダクトに沿って螺旋状に動く渦
流 S が 形 成 さ れ る 。 こ の 水 の 二 重 螺 旋 流 に よ っ て 、 ダ ク ト 30の 中 を 流 れ る 水 の 全 部 が 、 前
記 装 置 の 中 を 通 過 す る 間 の い ず れ か の 時 点 で 紫 外 線 ラ ン プ 31と 極 め て 接 近 す る こ と に な る
。 従 っ て 、 水 の 中 の 全 部 の バ ク テ リ ア 又 は 細 菌 が 、 ラ ン プ 31か ら 致 死 量 の 紫 外 線 を 受 け る
。
更に、前記水の渦流の遠心作用によって、細菌又はバクテリアの全ての大きなかたまりは
渦 流 S の 外 側 に 押 し 出 さ れ る 。 ガ イ ド ベ ー ン 33の ス ロ ッ ト 34に よ っ て 、 少 量 の 水 が 螺 旋 状
通路の隣接する各ターンの間を流れることができる。これによって、前記渦流の外側にあ
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る 細 菌 及 び バ ク テ リ ア は 、 強 制 的 に ス ロ ッ ト 34を 通 過 さ せ ら れ る 。 ベ ー ン 36は 、 ス ロ ッ ト
34 の 間 の 水 の 流 れ を 促 進 す る 作 用 を 有 す る 。 細 菌 及 び バ ク テ リ ア の か た ま り は 、 ス ロ ッ ト
34 の 一 方 の 側 の 高 圧 領 域 か ら 該 ス ロ ッ ト の 反 対 側 の 低 圧 領 域 に 移 動 す る 際 に 、 個 々 の バ ク
テリア及び細菌にばらばらにされる。このように分散させることによって、細菌が他の細
菌 に よ っ て 紫 外 光 か ら 遮 ら れ る の を 防 止 す る 。 孔 で は な く ス ロ ッ ト 34が ベ ー ン 33に 用 い ら
れることによって、前記ダクトの内部には紫外光を遮るものがない。
第6図には、紫外光水処理装置の別の実施例が示されており、類似の部分には同じ参照符
号 が 使 用 さ れ て い る 。 こ の 実 施 例 で は 、 石 英 ガ ラ ス ス リ ー ブ 32 が PTFE の 層 37で 被 覆 さ れ 、
そ れ に よ っ て 処 理 さ れ る 水 が 石 英 ガ ラ ス ス リ ー ブ 32の 表 面 か ら 絶 縁 さ れ て い る 。
使 用 時 に は 、 水 が ダ ク ト 30に 沿 っ て 入 口 ダ ク ト 13と 出 口 ダ ク ト 14と の 間 を 流 れ る 水 の 乱 流
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によって、前記スリーブの被覆面上に蓄積する虞がある全ての物質を除去する洗浄作用が
生じる。光を発することによって水の中の微生物が殺され、水を安全に海や川へ流すこと
が で き る 。 更 に 、 PTFE 層 37は 、 水 の 中 の 鉄 や マ ン ガ ン が 石 英 ガ ラ ス ス リ ー ブ 32 と 反 応 す る
のを防止する。このような反応が起こると、前記石英ガラススリーブの透明度が低下する
。
紫 外 光 水 処 理 装 置 11か ら の 出 口 ダ ク ト 14 は 、 水 を 酸 化 ガ ス で 曝 気 す る 装 置 12に 接 続 さ れ て
い る 。 第 7 図 に お い て 、 酸 化 ガ ス 発 生 器 15は 、 空 気 供 給 源 40と 水 供 給 源 41と を 備 え る 。 空
気 と 水 と は 噴 霧 チ ャ ン バ 42内 で 混 合 さ れ て 、 加 湿 さ れ た 空 気 を 生 成 し 、 そ れ が ノ ズ ル 43 を
介 し て マ ニ ホ ー ル ド 44 内 に 供 給 さ れ る 。 マ ニ ホ ー ル ド 44 は 、 前 記 空 気 を そ の 湿 度 を 増 す た
め に 加 熱 す る 加 熱 要 素 45を 備 え る 。 前 記 加 湿 空 気 は 、 そ の 軸 線 に 沿 っ て 延 長 す る 水 銀 ア ー
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ク 紫 外 線 ラ ン プ 47を 有 す る 細 長 い 筒 状 チ ャ ン バ 46の 中 に 供 給 さ れ る 。
紫 外 線 ラ ン プ 47 は 、 そ の 指 定 使 用 電 流 よ り 大 き い 電 流 で 駆 動 さ れ て 、 そ の 表 面 温 度 を 上 昇
させる。
第 8 図 に お い て 、 零 点 温 度 が 45℃ の 場 合 に は 、 紫 外 線 ラ ン プ 47 は 、 そ の 大 部 分 が 254nMで
僅 か に 184nMの 放 射 線 を 出 力 す る 。 し か し な が ら 、 加 熱 さ れ た 加 湿 空 気 が 紫 外 線 ラ ン プ 47
の 周 囲 を 流 れ る と 、 そ の 零 点 が 65∼ 70℃ に 上 昇 す る 。 こ の 温 度 で は 、 前 記 紫 外 線 ラ ン プ は
、 そ の 大 部 分 が 184nMで 僅 か に 254nMの 放 射 線 を 出 力 す る 。 前 記 加 熱 要 素 の 温 度 及 び / 又 は
紫外線ランプの電流は、前記紫外線ランプの表面温度が一定のレベルに維持されるように
、 サ ー モ ス タ ッ ト 48が 制 御 す る 。
短 波 長 紫 外 線 を 放 射 す る こ と に よ っ て 、 空 気 中 の 酸 素 ( O2) の 共 有 結 合 が 切 断 さ れ る 。 し
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かしながら、この放射線には、水の中の酸素−水素結合を切断するのに十分なエネルギー
が 含 ま れ て い る こ と に よ っ て 、 水 素 ( H ) 及 び 水 素 基 ( HO) 自 由 ラ ジ カ ル が 形 成 さ れ る 。
酸 素 − 水 素 結 合 を 切 る の に 必 要 な エ ネ ル ギ ー は 、 185nMに お け る 紫 外 線 ラ ン プ か ら の エ ネ
ル ギ ー 出 力 が 154.5Kcal/gmol で あ る の に 対 し て 、 117.5Kcal/gmol で あ る 。
チ ャ ン バ 46か ら 出 て く る 結 果 物 の ガ ス は 、 水 素 及 び 水 素 基 の 自 由 ラ ジ カ ル と 空 気 と オ ゾ ン
とからなる。このガスは、結果的に、オゾンと自由ラジカルとによる高い酸化能力を有す
る 。 こ の ガ ス は 、 前 記 ダ ク ト 内 で 水 を 曝 気 す る 装 置 12に 接 続 さ れ る 。
第1図に示すように接続された3つの装置の効果が結合されることによって化学汚染物を
破壊しかつ溶解している固体を除去する能力の増強と共に、相乗的な生物死滅効果が得ら
れる。
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第 9 図 に は 、 非 磁 性 ス テ ン レ ス 鋼 で 形 成 さ れ る 円 形 断 面 の 流 体 フ ロ ー ダ ク ト 50 が 示 さ れ て
い る 。 ダ ク ト 50 の 半 径 方 向 に 対 向 す る 両 側 に は 、 一 対 の 電 磁 石 51a、 51bが 取 付 け ら れ て い
る 。 電 磁 石 51a、 51bは 、 ダ ク ト 50の 外 面 に 溶 接 さ れ た 軟 鉄 コ ア か ら な る 。
こ の よ う な 複 数 の 電 磁 石 52、 53、 54 が 、 45度 ず つ 位 置 を ず ら し て 、 ダ ク ト 50の 軸 線 に 沿 っ
て一定間隔で対をなして配設されている。
第 10 図 に お い て 、 電 磁 石 51、 52、 53 、 54 は 、 直 流 電 源 55 に 接 続 さ れ て い る 。 対 向 す る 電 磁
石 例 え ば 51a、 5 1bの 間 に N − S 磁 界 が 形 成 さ れ る よ う に 、 コ イ ル が 直 列 に 接 続 さ れ て い る
。
従 っ て 、 ダ ク ト 50に 沿 っ て 軸 線 方 向 に 流 れ る 水 は 、 前 記 装 置 の 端 部 か ら 端 部 ま で 360度 に
亘って効果的に回転する磁界に曝露される。この回転によって、水の中の粒子がスピン回
転を生じ、それによって水の中の塩及び無機物がより速い速度で析出する。
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(9)
【図1】
【図2】
【図8】
【図3】
【図4】
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(10)
【図5】
【図9】
【図7】
【図10】
【図6】
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(11)
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フロントページの続き
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(51)Int.Cl.
FI
B01F
5/00
F
(31)優先権主張番号 9320546.6
(32)優先日 平成5年10月6日(1993.10.6)
(33)優先権主張国 英国(GB)
(31)優先権主張番号 9322725.4
(32)優先日 平成5年11月4日(1993.11.4)
(33)優先権主張国 英国(GB)
(31)優先権主張番号 9410744.8
(32)優先日 平成6年5月27日(1994.5.27)
(33)優先権主張国 英国(GB)
(56)参考文献 特表平05−506406(JP,A)
米国特許第05217607(US,A)
特開昭60−142855(JP,A)
西独国特許出願公開第02437110(DE,A)
特開平02−144195(JP,A)
特開平03−065288(JP,A)
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(58)調査した分野(Int.Cl. ,DB名)
C02F 1/30-32
C02F 1/70-78
C02F 1/46-48
C02F 9/00
B01J 19/08-12
A61L 9/00-04
A61L 9/14-22
C01B 13/00-36