平成 24 年 12 月 13 日 各 位 ホソカワミクロン株式会社 代表取締役社長 東証・大証 連絡先 宮田 清巳 1 部(6277) 企画管理本部 企画部 経営企画課 東 充延 TEL 072-855-2704 【成果報告】 「PLGAナノ粒子技術を用いた核酸医薬の経口DDS製剤化技術の開発」に 関する産学共同開発が粉体工学会・秋期研究発表会で技術賞を受賞 当社が中心となった「核酸含有PLGAナノ粒子技術を用いた経口DDS製剤の研究開発」 (共同開発メンバー:アンジェス MG 株式会社(以下、アンジェス)、森下仁丹株式会社(以 下、森下仁丹)、大阪大学大学院医学系研究科(森下竜一教授、他)および愛知学院大学薬 学部(山本浩充教授、他))における「難治性炎症性腸疾患の根治を可能にする治療薬の開 発」が地域イノベーション創出研究開発事業(近畿経済産業局)に採択され、総額約 8,500 万円の助成を受けて開始したことは 2011 年 2 月 21 日に発表いたしましたが、この度、そ の研究成果の一部を粉体工学会 2012 年度秋期研究発表会で発表し、「核酸医薬品の経口製 剤化」を実現する成果として「技術賞」を受賞しましたので、お知らせいたします。 次世代薬剤として期待される核酸医薬は、DDS(Drug Delivery System:薬物送達シス テム)化を目指す研究が進められています。その中でも究極のDDSといえる「核酸医薬 の経口製剤」は、これまで成功例がなく、今回、各社のコア技術(PLGAナノスフェア、 シームレスカプセル、腸溶性錠剤及びNF−κBデコイオリゴ)を融合することで核酸医 薬の経口DDS製剤化に必要な基盤技術の開発に成功いたしました。 本発表は、「核酸医薬品の経口製剤化」の実現のため、各機関が協力して進めてきた研究成 果のひとつであり、難治性炎症性腸疾患の世界初の根治治療に道を拓く成果といえます。 今後も早期の実用化を目指した取り組みを進めて参ります。 <開発の背景> 1)炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病) 10 代後半から 30 代前半の男女によく発生し、消化器系粘膜のびらん・潰瘍に よって下血、下痢、腹痛を多発させる病気。治療として、自己免疫異常を抑え たり、炎症を抑えたりすることはできても、多くの場合、発症−治療を繰り返し た後、大腸摘出手術も避けられない場合がある。 2)対策 近年、抗体医薬が開発され、世界約 100 カ国で 125 万人以上(国内約 10.5 万人) が当治療の恩恵を受けているが、病院での点滴が必要で、治療費が高く、根治も 難しい場合があることから、患者負担を軽減し、かつ安全で安価な根治療法の 確立が切望されている。 <世界初の根治を可能にする「核酸医薬を用いた経口DDS 製剤」の開発> 上記背景から、当研究グループ(産学5者)は、互いの独自(特許)技術を持ち 寄り、先端的治療薬である核酸医薬と腸溶性製剤技術、当社の PLGA ナノ粒子技術 を組み合わせることによって、患者に大きな負担をかけず、安全で安価な根治 医薬の実用化を目指した開発を進めて参ります。 <役割> 1)アンジェス 炎症誘発因子の生成を遺伝子レベルで抑制し、根治治療への発展が期待できる 核酸医薬「NF-κB デコイオリゴ」を開発する。 2)森下仁丹 核酸医薬封入 PLGA ナノ粒子を腸まで届けるため、胃酸に強く、腸内で分解する カプセル剤を開発。同時にその品質・安定性評価および GMP 製法を確立する。 3)愛知学院大学 当社と共同で核酸医薬を封入した PLGA 複合ナノ粒子を配合した錠剤開発を行うと ともに、その品質・安定性評価および GMP 製法を確立する。 4)大阪大学 アンジェスと共同で、森下仁丹によるカプセル剤および愛知学院大学による錠剤 の 2 種の開発製剤の有効性、安全性および安定性評価に着手し、本製剤の臨床 応用に向け実現可能性を確認する。 5)ホソカワミクロン(当社) 先端的ナノテクノロジーを用いて生体適合性高分子 PLGA に核酸医薬を封入した 複合ナノ粒子を設計し作製する。 以 上
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