2010年7月「ペット」について

「ペット」について
上海駐在員事務所
政兼
浩光
街中を歩いていると、犬を散歩させている人によく出会います。泰迪熊(トイプードル)や吉娃
娃(チワワ)などの小型犬のほか、金毛(ゴールデンレトリバー)や見たこともないような大型犬
を連れた人もいます。
私が南京にいた時(1988 年頃)には犬を街中で見かけることはほとんどありませんでした。当時、
犬は「ペット」ではなく、「食料」であり、私も片田舎の食堂で犬の肉を食べたことがあります。
それが今や「ペット」として可愛がられ、街中を散歩しているなんて・・・。本当に信じられませ
ん。
さて、散歩している犬を見てびっくりするのは、犬を繋がず散歩させている人が多いことです。
小型犬はもちろん、ゴールデンレッドリバーのような大型犬までもが鎖も何もつけずそのまま散歩
しています。大人しく飼い主の傍について散歩していますが、「人に噛み付くことはないのだろう
か、狂犬病の予防接種は受けているのだろうか、車道に飛び出すことはないのだろうか」、と傍か
ら見ているこちらの方がドキドキしてしまいます。
先日、テレビで6~7匹猫を飼っている女医が猫のためにマンションを購入した、という話を放
送していました。その女医は仕事が忙しいので、自身は病院の宿舎に住み、猫だけがそのマンショ
ンで暮らしているのです。少なくとも1週間に1回は猫の世話や掃除のためにそのマンションへ通
っているのですが、猫のし尿の臭いや夜鳴きのため、マンションの住民はものすごく迷惑している、
という話でした。住民は彼女に何度も改善を訴えるが、彼女は話し合いに応じず、結局、裁判沙汰
になっているようです。
上記の猫の話はテレビでも採り上げられた極端な例ですが、鎖などで繋がず散歩させる、糞をそ
のままにするなど全体的にペットのマナーが出来ていない、と感じます。
また、飼えなくなると捨ててしまう責任感のない人も結構いるようで、捨て犬等が増え、狂犬病
で毎年多くの人が死亡しているとの話も聞きます。
今後、生活水準の向上と共に、ペットを飼う
人はますます増える見込みであり、ペット産業
は成長が期待できる分野となっています。
ビジネスチャンスを狙ってペット産業への参
入を検討されていらっしゃる方には、是非とも
ただ単に動物や物品を売るだけでなく、飼い主
への啓蒙(責任感やマナー指導教室等)を含め
た総合的なビジネス展開を検討していただきた
いと切に願います。
鎖も何もないから、何
処へでも行けるよ。