に反対してきた研究者・弁護士・ジャーナリストらが中心になり 228名・5

2009年6月16日
訴訟を支援する会ニュース
NO.40
住 基 ネ ッ ト 差 し 止 め 訴 訟 を 支 援 す る 会
(共同代表:伊藤成彦・小田中聰樹・北野弘久・田島泰彦・福島 至・星野安三郎・村井敏邦)
〒164-0012 東京都中野区本町6-22-16-805
TEL 03-5328-0656 FAX 03-5328-0657
E-mail [email protected]
URL http://www005.upp.so-net.ne.jp/jukisosho/
「住基ネット」に反対してきた研究者・弁護士・ジャーナリストらが中心になり
22 8 名 ・ 5 団 体 が 「 社 会 保 障 カ ー ド ( 仮 称 ) 」 導 入 反 対 の 声 明
政府はいま、新たな「国民総背番号制」の構
5月28日には、「社会保障を中心とした国家
築を目指して、「社会保障カード」の導入をおし
戦略」を策定する政府の「安心社会実現会議」
すすめています。これにたいして、6月2日に、
は、「社会保障番号・カードの導入の検討」を決
住基ネット差止訴訟全国弁護団団長の山本博さ
定し、しかも国民に受け入れられるように「社
ん、上智大学教授で当会の共同代表の田島泰彦
会保障番号」に「安心保障番号」などという新
さん、ジャーナリストの斎藤貴男さん、前国立
たな名称をつけることを明らかにしました(4
市長の上原公子さんをはじめとして、「住基ネッ
頁掲載の読売新聞記事参照 )。政府が 、「ICカ
ト」反対の運動をすすめてきた28名の方々が
ード」の実証実験を先行的におこない、これを
呼びかけ、研究者・弁護士・市民・労働組合な
踏み台に「社会保障番号・カード」システムを
ど実に200名・5団体のみなさんが賛同して、
導入しようとしていることは明らかです。
まさにこのとき、新たな「国民総背番号制」
「社会保障カード」の導入に反対する声明を発
が構築されようとしていると警鐘を鳴らしたこ
表しました。
の声明には大きな意義があると思います。
政府・厚生労働省は、この「社保カード」導
入に向けた策動を急ピッチですすめています。
今回の声明発表のとりくみとも連携し、<憲
今夏にも、「公開鍵暗号」技術を利用した「IC
法違反の住基ネットを止めろ ! >の声をさらに
カード」を使って、より広い情報を結合するネ
あげていこうではありませんか。
ットワークシステムをつくるための実証実験を
以下、本号ではこの「声明」を掲載します。
おこなおうとしているのです。
声 明
政府・厚生労働省による「社会保障カード(仮称)」の導入に反対する
2009年6月2日
(1)政府・厚生労働省は、2011年度に「社会保障カード(仮称)」を導入するために、その「基本
計画」を策定し、今年度中に実証実験をおこなおうとしている。年金手帳・健康保険証・介護保険証の
3つの機能を一つにするというこの「社会保障カード」システムは、新たな「国民総背番号制」の構築
を目指すものと言わざるを得ず、私たちは、その導入に強く反対する。
(2)政府が導入を企む「社会保障カード」とは、国民と在留外国人の全てに、制度を超えて「本人を
特定する鍵となる情報」である「番号」を付け、その「番号」を付した「ICカード」の所持を強制す
るものである。そして、民間の病院や介護サービス施設がこの「番号」を利用することも前提とされて
いる。したがって、この「番号」を「鍵」として、行政機関だけでなく民間機関が保有する社会保障分
1
2009年6月16日
野の個人情報から、特定の個人の情報を名寄せしデータマッチングすることが可能となるのである。す
なわち、政府は、このような機能をもった「社会保障カード」システムをつくりだし、国民と在留外国
人にその携帯と提示を義務づけ、実質上の政府発行の「身分証明書」=「IDカード」として活用・発
展させることを狙っているのである。
しかも、政府は、こうした「社会保障カード」システムを基盤として、さらに社会保障分野だけでな
く資産情報なども含めたすべての個人情報をコンピュータ・ネットワークで結びつけることを可能とす
る技術的基盤たる「電子私書箱(仮称)」システムの構築すら企んでいる。これにより、あらゆる個人情
報を、「本人を特定する鍵となる番号」を「マスターキー」として、ネットワークにより名寄せし、デー
タマッチングすることができる「国民総背番号制」の完成を狙っているのだと言わなければならない。
(3)政府は、「住基ネット」によって、全国民の本人確認情報を一元管理するとともに、住民票コード
をマスターキーとしてデータマッチングを可能とするシステムをつくりだした。しかし、住民票コード
の「民間利用禁止」という「制限」をとりはらうことはできなかった。2つの違憲判決をかちとった住
基ネット差し止め訴訟をはじめとした私たちの住基ネット反対のたたかいは、政府が当初構想していた
住民票コードを直接活用した「国民総背番号制」を阻んできたのである。住基カードの普及率が未だ2
パーセントしかないことに、それは端的に示されている。
しかしながら、年金記録不明問題の発覚とこれへの国民の怒りを逆手にとって、政府は、国民の賛成
が得やすいとみなした年金・医療・介護の3つの社会保障分野から、国民識別のための新たな番号制を
導入し、これを「国民総背番号」として確立することを開始したのだ。「社会保障カード」の導入こそ、
それに他ならない。しかも、政府は、
「住基ネットは合憲」とした2008年3月6日の最高裁判決を
“お墨付き”とばかりに、この「社会保障カード」システムを、既に作られている「住基ネット」シス
テムのインフラ(全国民の本人確認システムと住基カード)を活用して導入しようとしているのである
(住基法を改正して、中長期在留外国人も住基ネットの対象に含ませようとしていることも、その一環
である)
。
(4)「社会保障カード」は、憲法13条が保障するプライバシーの権利(自己情報コントロール権)を
侵害する憲法違反のシステムである。「便利さ」の名のもとにすべての個人情報が政府によって一元的に
管理され、監視される社会を受忍することはできない。監視社会の進行は9条改憲や軍事優先の国づく
りを睨んで国民・在留外国人の情報を一元的に管理する動きと無縁であるとは考えにくい。
私たちは政府に対して「社会保障カード」の導入に強く反対するとともに、その推進を直ちに断念す
るよう求めたい。
呼びかけ人
秋田仁志(弁護士) 石村耕治(PIJプライバシー・インターナショナル・ジャパン代表)
石村善治(福岡大学名誉教授) 伊藤成彦(中央大学名誉教授) 岩淵正明(弁護士)
上原公子(前国立市長) 上原康夫(弁護士) 右崎正博(獨協大学教授) 大川一夫(弁護士)
亀田成春(弁護士・北海道住基ネット差止訴訟弁護団事務局長) 北野弘久(日本大学名誉教授)
黑田 充(自治体情報政策研究所代表) 斎藤貴男(ジャーナリスト) 齋藤 裕(弁護士) 坂本 団(弁護士)
清水雅彦(札幌学院大学教授) 田島泰彦(上智大学教授)
野村 務(弁護士・住基ネット差し止め関西訴訟弁護団長) 花田啓一(弁護士・住基ネット愛知訴訟弁護団長)
平松 毅(姫路獨協大学法科大学院特別教授) 福島 至(龍谷大学教授)
星野安三郎(東京学芸大学名誉教授) 水永誠二(弁護士) 武藤糾明(弁護士)
村井敏邦(龍谷大学教授) 森下文雄(弁護士・住基ネット愛知訴訟弁護団)
山本 博(弁護士・住基ネット差止訴訟全国弁護団団長)
渡辺千古(弁護士・住基ネット差止訴訟全国弁護団事務局長)
2
2009年6月16日
賛同人
相磯まつ江(弁護士)/青島明生(弁護士)/赤嶺政賢(衆議院議員)/浅見輝男(茨城大学名誉教授)/穴井由紀(事
務員)/阿部 潔(弁護士)/安部尚子/安倍光子(一市民)/安倍陽子(翻訳)/天野政子(住基ネット差し止め訴訟神奈川原
告)/荒井 献(東京大学名誉教授)/新井広瀬(空爆犠牲者遺児)/安東 毅(九州大学名誉教授)/飯田順朗(日本友和会理
事、良心的軍事費拒否の会役員)/飯田泰雄(鹿児島大学名誉教授)/石垣保彦/石川 毅(社会政策研究会)/石川文惠/
石川康子/石坂俊雄(弁護士)/石田明義(弁護士)/石田従江/石塚みどり/石橋眞澄(事務員)/位田 浩(弁護士)/
市川玉実(「相続税廃止を考える会」代表、「介護保障を考える市民の会」)/一色成子/犬田住夫/井上公子(新日本婦人
の会早良支部常任委員)/井上敏子/井上裕治/猪原マサ子/岩瀬房子/岩場達夫(司法書士)/岩本昌子(住基ネット差
し止め訴訟原告)/上江洲由美子(住基ネットに反対する市民ネットワーク沖縄[反住基ネット沖縄]代表)/氏家都子(弁
護士)/内田剛弘(弁護士)/内田雅敏(弁護士)/内海まさかず(栃木市議会議員)/浦田賢治(早稲田大学名誉教授)/
江野尻正明(弁護士)/江本喜久男/江本斉正/江本直子/江本弘子/大江洋一(弁護士)/大久保貞利(電磁波問題市民
研究会事務局長)/太田賢二(弁護士)/岡部雅子(憲法を愛する女性ネット世話人)/小口恭道(弁護士)/奥山たえこ(杉
並区議会議員)/長内諄子/小野妙子/小野寺義象(弁護士)/垣内健一/笠松健一(弁護士)/梶川勇作(元金沢大学教員)
/蒲原ユミ子(自由業)/川口彩子(弁護士)/川浪寿見子/河原﨑道枝/川本蔵石(弁護士)/岸 恵子/北上哲仁(川西市
議会議員)/北川ヒロ子(東月隈老人会副女性部長)/木梨吉茂(弁護士)/木村揖子(新日本婦人の会早良支部副支部長)/
銀林 浩(明治大学名誉教授)/久々宮 愛/倉光道子/栗木黛子(元・田園調布学園大学教授)/黒木聖士(弁護士)/
河野 聡(弁護士)/小島 肇(弁護士)/小塚陽子(弁護士)/後藤幸子(会社員)/後藤富和(弁護士)/小西佑佳子(川西市議
会議員)/小林すみ江(酒屋)/小林 武(愛知大学法科大学院教授)/小部正治(弁護士)/小牧純爾(金沢大学名誉教授)/
小松知子/小松勇哉/権藤聡子(事務員)/近藤恒和(鍼灸師)/近藤広明(弁護士)/斎藤直樹(全国専業税理士協会会長)
/斎藤正男(住基ネット差し止め栃木訴訟原告)/齊藤正俊(弁護士)/在間秀和(弁護士)/榊原春司/佐川徹二/
佐藤昭夫(早稲田大学名誉教授)/佐藤志穂/佐藤 司(神奈川大学名誉教授)/佐藤哲之(弁護士)/佐藤博文(弁護士)/
佐藤むつみ(弁護士)/沢田陽子/澤藤統一郎(弁護士)/紫藤拓也(弁護士)/篠塚芳教(電算労事務局長)/柴田繁男(福岡
県自治体問題研究所会員)/柴田高好(東京経済大学名誉教授)/しまざき英治(三鷹市議会議員)/清水信之(日本国民救
援会福岡県本部事務局長)/下田多美子/下林秀人(弁護士)/白垣詔男(日本コリア協会福岡理事)/城 英敏(税理士)/
杉浦ひとみ(弁護士)/杉澤雅子/鈴木ヒデヨ/瀬下美和(ジャーナリスト)/芹沢昇雄/園田 寿(甲南大学法科大学院教
授・弁護士)/空野佳弘(弁護士)/平 和元(弁護士)/高井京子/高橋 逸(税理士)/高橋俊夫(日本文学研究者[文博]、
清和大学名誉教授)/高橋敬幸(弁護士)/高橋良彰(年金生活者)/田川和幸(弁護士)/田口富久治(名古屋大学名誉教授)
/武田博孝(弁護士)/武村二三夫(弁護士)/竹村泰子(北海道住基ネット差止訴訟原告、元参議院議員)/武本夕香子(弁
護士)/立松 彰(弁護士)/千葉俊一(カトリック司祭)/寺崎昭義(弁護士)/戸田光子(東月隈老人会女性部長)/
富田英明(十勝平和を考える市民の会)/富山裕美(会社員)/豊永泰雄(弁護士)/豊巻絹子(団体役員)/中川洋子(住基ネ
ット差し止め訴訟福岡元原告)/長島 亘(弁護士)/中田作成(兵庫住基ネット問題等連絡会・共同代表)/中野和信(弁護
士)/永見寿実(弁護士)/中村順英(弁護士)/成見暁子(弁護士)/新原比呂子(ピアノ教師)/西尾 漠(原子力資料情報室
共同代表)/西澤圭助(弁護士)/西山智彦(住基ネット差し止め栃木訴訟原告)/新田真澄(プライバシーアクション・札
幌代表)/丹羽雅雄(弁護士)/布目貴大(司法書士)/野添憲治(作家)/箱田紘子/畠田健治(弁護士)/服部文代/
浜島 望(一矢の会 世話人)/濵田益男(税理士)/林 秀治(住基ネット差し止め訴訟を進める会・東海、共同代表[第3次
原告])/林 千春(弁護士)/原田松美(素浪人)/原田みき子(高校教師)/日隅一雄(弁護士)/福士敬子(都議会議員)/
福西幸夫(税理士、税金オンブズマン代表委員)/藤岡直登(真宗遺族会)/藤代政夫(鎌ヶ谷市議会議員)/藤田温久(弁護
士)/藤松美穂/藤本 治(静岡大学名誉教授)/藤本修子(小倉タイムス記者)/藤原精吾(弁護士)/堀田広治/本庄紀子
/本田兆司(弁護士)/本多立太郎(わんぱく通信編集長)/前田美佐子/正木みどり(弁護士)/町田正男(弁護士)/
馬渡 稔/三ッ橋トキ子(みどりの未来)/宮下和裕/三輪 隆(埼玉大学教員)/村上和光(金沢大学教員)/村上陽三(九州
大学名誉教授)/目取真 俊(小説家)/毛利子来(小児科医)/森田 明(弁護士)/矢口以文(北星学園大学名誉教授)/
矢澤曻治(弁護士)/柳井安奈/矢原佳子/山口たか(市民自治を創る会代表)/山﨑四朗(元住基ネット差し止め訴訟福
島原告団)/山﨑和友(弁護士)/山崎吉男(弁護士)/山内健人(労働組合役員)/吉田孝夫(弁護士)/米田良克(美唄市議会
議員)
賛同団体
住基ネット差し止め訴訟を支援する会・北海道/多摩女性学研究会(市民団体[調布市])/
日本自治体労働組合総連合/日本マスコミ文化情報労組会議/目黒区職員労働組合
3
(賛同人200名、賛同団体5)
2009年6月16日
3月24日、最高裁による東京(斎藤貴男氏)訴訟の上告棄却決定弾劾
「住基ネット」のインフラを活用した「社会保障番号・カード」導入反対の声をあげよう!
■最高裁第3小法廷は3月24日に、東京(斎
◇ 裁判進行状況一覧
藤貴男氏)訴訟について、上告を棄却し、上告
◇
審として受理しないと決定しました。斎藤貴男
氏と弁護団が<国民総背番号制を狙った住基ネ
◇高等裁判所◇
ットは、プライバシー権(自己情報コントロー
北海道訴訟
ル権)を侵害する憲法違反のシステムである>
札幌高等裁判所
と問うたことにたいして、最高裁は門前払いの
熊本訴訟
決定をおこなったのです。
福岡高等裁判所
9月11日 口頭弁論
9月29日 判決予定
最高裁第3小法廷は3月31日に、福岡訴訟
についても同様の上告棄却決定をおこないまし
海道訴訟と熊本訴訟の原告・弁護団は、いま札
た。神奈川訴訟、東京統一訴訟、埼玉訴訟、栃
幌高裁と福岡高裁でたたかっています。
国立市現地では4月28日に、国立市の住基
木訴訟に続く、最高裁のこの不当な上告棄却決
定に、私たちは強く抗議します。
ネットの切断を支援する市民集会がおこなわれ
■連続したこれら最高裁の上告棄却決定と時を
ました。名古屋市の河村たかし市長は、現在市
同じくして、政府は、今通常国会で、住民基本
が住基ネットに接続していることの賛否を問う
台帳法を改正しようとしています。改正案は、
ために、6月末から、市民2000人にアンケ
①他の自治体に転出するときは返還しなければ
ートを実施することを明らかにしました。
ならない住基カードを転出先の自治体でも継続
これらのとりくみと連携し、<憲法違反の住
して使用できるようにする、②中長期の在留外
基ネットを止めろ!><「住基ネット」のイン
国人と特別永住者に住民票コードを付番し住民
フラを活用した「社会保障番号・カード」の導
基本台帳にくみこみ住基カードも交付する、と
入反対!>の声をさらにあげていこうではあり
いうものです。
ませんか。
さらに、総務省は、国立市(東京都)と矢祭
町(福島県)が住基ネットへの接続を拒否して
いる現状を強権的に突破するために、自治体に
是正措置を命じる訴訟を国が高等裁判所に起こ
読
売
新
聞
夕
刊
一
面
記
事
(
5
月
2
8
日
付
)
す制度の新設など、地方自治法の改正や新規立
法の検討を始めました。
これらのことは、住民票コードを直接活用し
た「国民総背番号制」の構築を阻まれた政府が、
「住基ネット」のインフラを活用して、新たな
「国民総背番号制」「
( 社会保障番号・カード」
システム)を導入しようとしていることと密接
に結びついています。一連の最高裁の不当決定
の背景には、このような政府の策動があるので
はないでしょうか。
■全国でたたかわれてきた17の住基ネット差
し止め訴訟にたいして、最高裁は、大阪高裁違
憲判決をひっくり返した2008年3月6日の
判決をはじめとして、連続的に不当判決・不当
決定をおこなってきました。これに抗して、北
4