第2回不規則抗体調査(概要と調査票)

平成 22 年 11 月吉日
病院輸血検査部門
担当先生 御侍史
アジア人の同種免疫に関する共同研究の拡大に関するお願い
平素は大変お世話になっております。秋も急に深まってまいりましたが、皆さまにおかれましてはご健
勝の事と推察申し上げます。
昨年の全国大学病院輸血部会議、日本輸血細胞治療学会シンポジウム、輸血事業学会、技師研究会
でご案内させていただきました、アジア人の同種免疫に関する共同研究の一環としての「赤血球不規則
抗体の検査方法と陽性率」に関し、研究を進めてまいりました。その結果、29施設よりご回答をいただき、
その結果は米国血液学会年次総会に採択されるとともに、同学会のシンポジウムへの参加協力、さらに
その論文は Transfusion and Apheresis Science 誌の巻頭を飾ることができました。ご一読いただけた方に
はその貴重な結果と本研究の重要性をご理解いただけたことと推察申し上げます。さらに、施設と症例数
を追加し、かつ測定方法や地域差に関しましても、研究を続けて参りたいと存じます。
全国の病院でご協力していただける施設に調査研究への参加をお願いしたく存じます。過去にも赤
血球不規則抗体に関し全国レベルの調査がありますが、本調査は最近の本邦の不規則抗体をとりまく現
在の状況を調査するのみではなく、アジアとして共通の調査項目で、実施するという過去に例をみない
研究です。国内では不規則抗体 10,000 件以上の同定を目指しております。前回ご都合にて参加してい
ただけなかった施設におかれましては、添付の研究概要と調査表をご一読いただき、本研究に参加して
いただければ、幸いです。前回参加していただいた施設におかれましては、その後の症例数の追加と
その後発生した少数の疑問点に関する調査項目をお願いしたく存じます。
つきましては、事務局まで、参加のご連絡(FAX または Email)くだされば、参加登録の資料を送付させ
ていただきます。
何とぞ、よろしくお願い申し上げます。
世話人:竹下明裕(浜松医科大学)
紀野修一(旭川医科大学)
内川誠(日本赤十字血液センター)
大戸 斉 (輸血細胞治療学会理事長、福島県立医科大学)
事務局と連絡先:浜松医科大学附属病院 輸血細胞治療部
渡辺弘子、竹下明裕
FAX: 053-435-2750
Email: [email protected]
アジア人の同種免疫に関する共同研究
Allo-immunity to Antigen Diversity in Asian Populations
背景
近年、地球環境の変化等により世界各地で次々と大規模災害が発生し、多くの犠牲者が出てい
る。アジア地域も例外ではなくフィリピン、ミャンマーや中国の災害が記憶に新しい。これらの犠
牲者をアジア地域として、考えていく上では様々な困難が横たわっている。国際間の政治的協力体
制を緊密にすることも重要であるが、各地域の医療レベルを引き上げ、統一化することも重要であ
る。ところが、アジア地域においては各国が独自の輸血体制を作っており、検査方法や血液型や赤
血球に対する不規則抗体の発現率など不明な部分が非常に多い。このため、輸血に関するアジア諸
国の国際間協力体制が確立されていない。各国内の輸血用血液では大きな需要に対応できず、限ら
れた人間を救命できるに過ぎないばかりか、輸血事故や感染症の伝播などの問題もある。各国の輸
血をとりまく環境、輸血体制を調査し、人種差や検査方法を把握することができれば、国際間の協
力体制への道が開かれると思われる。
研究の実施状況
昨年の国際輸血学会(ISBT)アジア部会を機会にアジア各国の代表的研究者が集会した。研究
者は、Verra Nadarajan (マレーシア),Nuranissa Y marican(シンガポール)、Jhysheng Chang(台
湾)、Viroje Chongkolwatana、Parichart Permpikul(タイ)、Kyu Sup Han、Dae Won Kim、 So
Yong Kwon、
Hyun O Kim、
Jang Soo Suh(韓国)
、
Anand Deshpande、
Rema Menon、
Dolly Daniel、
Sunil B Rajadhaysha、Naresh Kumar Bhatia、MV Doshi Sukesh Chancran(インド)、WC Tsoi
(香港)、 Ziyan Zhu(中国)らで、各国のデータと登録状況が検討された。抗 Mia 抗体、抗 D
抗体などその発現頻度に有意差があり、抗 D 抗体、抗 E 抗体は輸血や妊娠により影響を受ける傾
向が明らかとなった。一方で症例数が充分とは言えず、今後、登録をさらに追加していく必要性が
確認された。さらに、輸血学や免疫学に関する国際共同研究を推進してくことも重要であると理解
された。
日本でも、今年度、昨年施行された不規則抗体に関する後方的調査研究をさらに広め、症例数
を累積することとなった。新規登録施設は、各施設の規模と輸血を必要とする手術件数、赤血球、
血小板、血漿輸血量とその規格、赤血球に対する不規則抗体(Rh 血液型他)のスクリーニング検
査方法と使用パネルそして陽性率、不規則抗体同定検査方法と同定された不規則抗体の種類、輸血
や妊娠にともなう不規則抗体陽性化の実態などの調査を記載する共通のシートに記載していただく。
方法
1) 施設の輸血規模に関する調査 --- 各国各施設の名称、存在地、ベッド数、輸血を必要とする手
術件数、赤血球血液型判定検査件数、交差試験検査件数、施設内輸血用血液パック(単位)/院
外(血液センター由来輸血用血液)血液パック(単位)比、自己血(単位)/同種血(単位)比
供給される血液に関する調査 --- 1 単位(1バック)を構成する血液量および由来血液量
2) 不規則抗体検査に関する調査---不規則抗体スクリーニング検査に使用される試薬とキットの種
類、使用する方法
IAT: Beads column / Gel column / Solid phase MTP / Wet phase MTP / Traditional Tube
(LISS-IAT) / Traditional Tube (PEG-IAT) / Traditional Tube (Albumin-IAT) /Traditional
Tube (non-medium-IAT) /Traditional Tube (Polybrene-IAT) / other Enzyme: Bromelin one
stage /Bromelin two stage / Ficin two stage / Papain one stage / Papain two stage / other /
not use Saline: Immediate spin / RT 10-15min / 4C / not perform / other より選択とする。
市販キット使用状況、使用されるパネル赤血球の数
3) 同定された赤血球不規則抗体に関する調査---不規則抗体 (D, C ,c, E, e, f, Ce, P1, M, N, S, s,
Mia-related, Lea, Leb, Jka, Jkb, Jk3, Fya, Fyb,K, k, Kpa, Kpb, Jsa, Jsb, Dia, Dib, Lua, Lub, Xga,
Jra,H) の発現頻度、過去の輸血治療歴による不規則抗体発現頻度、妊娠が及ぼす不規則抗体
発現頻度
日本国内の施設への調査表(別紙)を送付と調査可能施設の把握:日本輸血細胞治療学会、大学
病院輸血部会議、施設間メールシステム(K-TRAN)を使用して、本研究を紹介し、日本国内の協
力可能施設を選定し、調査を開始する。この際、輸血検査に関わる情報のみとし、個人情報は扱わ
ない。事務局では協力可能施設を把握し、報告された調査結果をまとめ、記載上の誤記や疑問点を
各施設と連絡をとり調整する。
世話人:竹下明裕(浜松医科大学)
紀野修一(旭川医科大学)
内川誠(日本赤十字血液センター)
大戸 斉 (輸血細胞治療学会理事長、福島県立医科大学)
事務局:浜松医科大学附属病院 輸血細胞治療部
FAX: 053-435-2750
Email: [email protected]
アジア人の同種免疫に関する共同研究
調査用紙
1) 報告者
氏名:
電話/FAX:
2) 施設情報
名称:
Web アドレス:
輸血学会認定技師数:
連絡先住所:
Email:
住所:
名
輸血学会認定医数:
名
調査項目: (下記空欄に記載してください)
施設ベッド数(届出)
手術件数 (T&S を含め輸血検査依頼のあった手術) (3 年間)
/ 3年
赤血球輸血量
単位/ 3年
〃
BAG/ 3年
血小板輸血量
単位/ 3年
〃
BAG/ 3年
FFP 輸注量
ml/ 3年
〃
BAG/ 3年
血液型検査実施件数#
件/ 3年
交差試験実施件数 (赤血球)(オーダー数の 3 年分の合計)
件数/ 3年
交差試験実施 BAG 数 (赤血球)
BAG/ 3年
不規則抗体検査件数
件/ 3年
同種血の供給状況* (血液センター / 施設内)
(赤血球)
単位/
単位
同種血の供給状況* (血液センター / 施設内)
(血小板)
単位/
単位
自己血輸血の実施割合* (自己血 / 同種血)
単位/
単位
#:1 件の輸血目的で複数回施行した場合は1件とする *:単位数で算出
:可能である限り記載してください。
最近 3 年(2008 年~2010 年)の設定ですが、施設によっては年度でもかまいません。
備考に記載してください。
3)-1 赤血球不規則抗体に使用するスクリーニング検査試薬(キット)に関して
(貴施設にて使用している試薬を選択してください。また、使用頻度が多い順番にお答えください。)
□ 施設内で作成したキット
□ 外部キット ( キットの名称:
, メーカー:
)
( キットの名称:
, メーカー:
)
( キットの名称:
, メーカー:
)
3)-2 不規則抗体スクリーニング方法
(貴施設にて使用している方法を選択してください)
IAT: □ Beads column / □ Gel column / □ Solid phase MTP / □ Wet phase MTP / □ Traditional Tube
(LISS-IAT) / □ Traditional Tube (Albumin-IAT) / □ Traditional Tube (PEG-IAT) /
□ Traditional Tube (non-medium-IAT) / □ Traditional Tube (Polybrene-IAT) / □ 他
Enzyme: □ Bromelin one stage / □ Bromelin two stage / □ Ficin two stage / □ Papain one stage /
□ Papain two stage / □ 他 / □ 不使用
)
Saline: □ Immediate spin / □ RT 10-15min / □ 4℃ / □ 不施行 / □ 他 (
IAT: Indirect anti-gblobulin (Coombs) test
備考(検査情報等、連絡事項等あれば下記に記載してください。)
3)-3 使用される血球数
□ 2 cells
□ 3 cells
□ 4 cells
□ Pooled cells (2 cells, 3cells)
4)-1 不規則抗体同定検査に使用される検査試薬 (キット)に関して
(貴施設にて使用している試薬を選択してください。また、使用頻度が多い順番にお答えください。)
□ 施設内で作成したキット
□ 外部キット ( キットの名称:
, メーカー:
)
( キットの名称:
, メーカー:
)
( キットの名称:
, メーカー:
)
4)-2 不規則抗体同定方法
(貴施設にて使用している方法を選択してください)
IAT: □ Beads column / □ Gel column / □ Solid phase MTP / □ Wet phase MTP / □ Traditional Tube
(LISS-IAT) / □ Traditional Tube (Albumin-IAT) / □ Traditional Tube (PEG-IAT) /
□ Traditional Tube (non-medium-IAT) / □ Traditional Tube (Polybrene-IAT) / □ 他
Enzyme: □ Bromelin one stage / □ Bromelin two stage / □ Ficin two stage / □ Papain one stage /
□ Papain two stage / □ 他 / □ 不使用
Saline: □ Immediate spin / □ RT 10-15min / □ 4℃/ □ 不施行 / □ 他 (
)
備考(検査情報等、連絡事項等あれば下記に記載してください。)
5) 赤血球不規則抗体発現状況
不規則抗体 (D, C ,c, E, e, f, Ce, P1, M, N, S, s, Mia-related, Lea, Leb, Jka, Jkb, Jk3, Fya, Fyb,K, k, Kpa, Kpb,
Jsa, Jsb, Dia, Dib, Lua, Lub, Xga, Jra, H )の発現件数を記載してください。1症例の登録は 1 件のみとし、症例
の重複はさけてください。下表以外の不規則抗体が同定された場合は上の空欄に不規則抗体名と症例
数を記載してください。また同時に2抗体以上が認められた場合も空欄に(例えば抗C+抗Jka のように)
お書きください。2 回以上検査している場合は過去 3 年間に検出された抗体をすべて記入してください
(下記例)。過去 3 年間に抗体が検出され、その後、検出不可能となった場合は、検出例とし、その抗体
を記載してください。用紙を追加されてもかまいません。
例) 患者 A について
2008 年 10 月:抗 E と抗 c を検出
2008 年 12 月:抗 E と抗 c、抗 Jka を検出
2009 年 3 月:抗 E のみを検出
2009 年 5 月:抗 S のみを検出
この場合、複数抗体の1つとして分類しカウントしてください。たとえば上記の例では、別欄に抗E+抗c
+抗 Jka+抗 S と記入してください。
不規則抗体陽性症例数
(男性)
不規則抗体陽性症例数
(女性)
過去の輸血歴
妊娠中
過去の輸血歴
過去の輸血歴
型
あり
なし
不明
―
―
―
D
D(抗 D Ig)
C
c
E
e
f
Ce
P1
M
N
S
あり
なし
不明
あり
なし
不明
s
Mia
Lea
Leb
Jka
Jkb
Jk3
Fya
Fyb
K
k
Kpa
Kpb
Jsa
Jsb
Dia
Dib
Lua
Lub
Xga
Jra
H(allo-)
E+c
e+C
Lea+Leb
不規則抗体スクリーニング検査実施例数 (男性/女性): (
同定検査実施例数 (男性/女性): (
例/
同定例数 (男性/女性): (
例/
例)
妊娠中に同定がされた症例: (
例)
輸血後に同定がされた症例: (
例)
例/
例)
例)
過去 3 年間を調査対象としますが、それ以下の場合は調査年数を備考に明記してください。
症例は延べ人数ではありません。重複登録はさけてください。
記入していただいた妊娠中女性の抗 D 抗体陽性症例には抗 D 免疫グロブリンの投与症例が
含まれますか。
□ はい → 抗 D 免疫グロブリン投与症例は D(抗 D Ig)にご記入ください。
□ いいえ
□ 不明
備考(連絡事項等あれば記載してください。)