平成23年度の事業概況 - 富国生命保険

平成23年度の事業概況
平成 年度の事業概況
23
63
1.事業活動の概況
[経済情勢と業界動向]
平成23年度のわが国経済につきましては、震
災後の落ち込みから持ち直した後、一時的には
足踏み状態となったものの、年明け以降、再び
緩やかな回復過程に戻りました。生産活動につ
いては、サプライチェーンの立直しにあわせて
回復し、タイの洪水被害などによる停滞局面を
挟みながらも、総じて堅調な動きとなりました。
震災の復旧・復興需要については、がれき処理
などの政府支出が高水準で推移するなか、年度
後半には設備投資が増加し、公共投資も本格化
する兆しがみられました。また、自粛ムードが
広がって落ち込んだ個人消費は、消費マインド
が改善するにつれて上向き、その後も雇用情勢
の持ち直しや政策効果などにより、底堅く推移
しました。海外経済については、地域によって
温度差はあったものの、総じて低成長にとどま
りました。米国経済は、年度前半は弱い動きに
とどまったものの、雇用環境の改善などを映し
て、年度後半は持ち直しました。一方、中国経
済は、年度を通じて拡大ペースが鈍化し、また、
欧州経済は、債務危機の深刻化により次第に減
速感が強まりました。そうした海外動向を反映
して、震災後の落ち込みから立ち直りつつあっ
たわが国の輸出は、次第に弱含みました。
金融資本市場につきましては、欧州債務危機
の深刻化や世界経済の減速懸念などを反映し
て、 8 月以降、不安定な状態となりました。そ
れを受けて、日本銀行は、資産買入等の基金を
増額するなど、金融緩和を段階的に進めました。
長期金利については、指標となる10年国債利回
りは、 4 月には1.3%台まで上昇しましたが、
機関投資家のリスク回避姿勢の強まりなどによ
って低下傾向となり、 8 月以降は 1 %前後で推
移しました。為替レートについては、内外金利
差が縮小したことや相対的に円が安全資産とさ
れたことなどにより、円高が進行しました。対
ドルでは、10月下旬に一時75円台の最高値を更
新し、対ユーロでは、 1 月に100円を割り込み
ました。しかしながら、 2 月以降、米景気に対
する回復期待が強まるなか、日銀が「中長期的
な物価安定の目途」を示し、それが見通せるま
で強力な金融緩和を推進する姿勢を明らかにし
たことで円安に転じ、対ドルは前年度末とほぼ
同水準の82円台、対ユーロは109円台で年度末
を迎えました。株価については、欧州債務危機
の深刻化などを反映して急落し、 8 月以降、日
経平均株価で概ね 8 千円台で推移しました。し
かしながら、 2 月以降、ギリシャ債務削減問題
の進捗や円安の進行などを背景に上昇に転じ、
前年度末を328円上回る10,083円で年度末を迎
えました。
生命保険業界におきましては、引き続き東日
本大震災への対応に注力し、 4 月 1 日に生命保
険協会内において「災害地域生保契約照会セン
ター」を設置し、災害地域生保契約照会制度の
運営を開始しました。また、生命保険各社は保
険料払込猶予期間について、当初の平成23年 9
月までの期間を、さらに 3 ヵ月延長し、12月末
までの再延長を実施するなど、被災されたお客
さまへの各種対応を行ってまいりました。
[事業の経過]
こうした経営環境のもと、当社では、経営理
念である『ご契約者の利益擁護』、『社会への貢
献』及び『働く職員の自己実現』にもとづき、
役職員一人ひとりが「もし自分がお客さまだっ
たら」を常に想像しながらサービスを提供して
いくという「お客さま基点」をあらゆる発想や
行動の原点として、経営および業務遂行に努め
るとともに、平成23年 3 月に新設した人材開発
本部を中心として、「お客さま基点」を実践し
うる人材育成への取組みにも着手しました。
1 中期経営計画
当社では平成22年10月より「徹底した差別化
でお客さまから最も評価される会社となる」を
ビジョンとした中期経営計画を開始しました。
中期経営計画では、各部門において中期経営
計画のビジョンに近づくためのアクションプラ
ンを策定しており、定期的にアクションプラン
の進捗状況の確認などを実施しております。各
支社においても、お客さまからの苦情の縮減に
向けた取組みを行っております。
2 東日本大震災への対応
平成23年 3 月に発生した東日本大震災を受
け、当社では直ちに、社長を本部長とする地震
対策本部を設置し、「全役職員の安全とお客さ
ま基点にもとづくサービスの確保」を最優先と
して、前年度より引き続き、被災されたお客さ
まの置かれた状況などを踏まえた対応を行って
まいりました。
当年度においては、被災されたお客さまをお
き実施して、お客さまのご意見・ご要望などを
幅広くお伺いし、お客さまの声を経営改善に活
かしていくよう努めました。
具体的な事例として、当社にご加入いただい
ているお客さまのアフターサービスは、原則、
契約加入当時の営業担当者が行うこととしてお
ります。しかし、営業担当者が退職した場合に、
お客さまと当社職員との接点が減少し、『アフ
ターサービスが不足している』との声が寄せら
れることがありました。そのため、従来のアフ
ターサービス専門の職員(営業担当者が退職し
た場合に、新契約募集以外の各種保全手続に特
化したアフターサービスを行う職員)による対
応に加え、新たに営業職員を担当者として配置
する取組みを12月より段階的に実施していくこ
とで、アフターサービスの向上に努めていくこ
ととしました。
また 3 月より、お客さまの利便性向上のため、
お客さまセンター(フリーダイヤルのコールセ
ンター)の受付時間内に加え、新たに受付時間
外(平日17:00〜24:00 土日祝日 9 :00〜
17:00)に自動音声にて住所変更と控除証明書
の発行を承る、自動音声応答システムを導入し
ました。
5 資産運用
資産運用につきましては、震災対応で前期末
に積み上がった現預金の取崩しや一般貸付の残
高縮減による資金を、主に国内公社債に振り向
けました。年度当初には外国公社債にも一定額
を配分しましたが、欧州債務危機の深刻化を背
景に世界的にリスク回避の動きが加速するな
か、国債を中心とした国内公社債への配分比率
を高め、流動性と安全性の確保に努めました。
株式については、リーマン・ショック後の金融
危機以降継続してきた残高削減を計画的に進
め、リスクの抑制を図りました。
資産運用収益の中心である利息及び配当金等
収入につきましては、前年度下半期に積み増し
た外国公社債の増加が寄与し、売買目的有価証
券分を含む合計額で前年を22億円上回る1,210
億円となりました。その他の資産運用収益の主
なものは、国債の入替えなどにともない有価証
券売却益が168億円、海外金利の低下により売
買目的有価証券に区分している外国公社債で運
用益が計上され、売買目的有価証券運用益(利
息収入を除く)が53億円となりました。一方、
資産運用費用の主なものは、株式の残高削減な
どにともない有価証券売却損が249億円、株式
平成 年度の事業概況
見舞いするとともに、保険金のお支払いなど各
種手続きを速やかにご案内することを目的とし
た安否確認活動に注力いたしました。また、ご
加入いただいている保険契約について以下の特
別取扱をご案内させていただきました。
・災害死亡保険金等の全額支払
・入院給付金等請求の特別取扱
・保険料払込猶予期間の延長
・各種手続(保険金・給付金・社員配当金な
ど)の簡易対応
・新規契約者貸付に対する特別金利の適用
3 保険販売
保険販売につきましては、お客さまを一人で
も多く増やすという「お客さま純増」を目指し、
お客さまのニーズにあった保険の設計・提案に
より満足してご契約いただき、さらにアフター
サービスの充実により安心してご継続いただく
ことに努めました。
個人保険分野では、常にお客さまから選ばれ
る会社となるよう、営業職員体制の強化を推進
してまいりました。保険契約にご加入いただく
際には、
営業職員用携帯端末
(プランドゥ)
を活用したコンサルティングサービスにより最
適な商品の提供に努めました。また、ご加入い
ただいた後につきましても、ご契約直後や、ご
契約の 6 ヵ月後と 1 年後にお客さまを訪問する
定期点検訪問活動を引き続き推進しました。
商品面では、 5 月に、入院または在宅療養に
よる所定の就業不能状態が121日以上継続した
場合に年金等をお支払いすることにより、病気
やケガで長期間働けなくなったときの経済的負
担を軽減する新特約「はたらくささえ(就業不
能保障特約)」を発売し、従来の商品では十分
に対応することができなかった長期の入院と在
宅療養に対する保障の充実を図りました。
企業保険分野では、お客さまの多様なニーズ
に応じた制度や商品の提案を行いました。特に、
適格退職年金においては、平成24年 3 月31日の
制度の廃止にともない、確定給付企業年金や確
定拠出年金などへの移行コンサルティングを推
進することにより、全件の対応が完了しました。
4 お客さまサービス
お客さまサービスにつきましては、契約内容
のお知らせとして毎年 1 回ご契約者にお送りし
ている「フコク生命だより」に設けたアンケー
トや、無作為に抽出した5,000名のご契約者を
対象とした郵送アンケート、本社・支社・営業
所窓口におけるアンケートなどを例年に引き続
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平成 年度の事業概況
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等の減損により有価証券評価損が79億円となり
ました。その結果、資産運用収支は前年対比52
億円減少の910億円となりました。
含み損益につきましては、金利の低下により
公社債の含み益が増加したことなどにより、有
価証券の含み益が前期末比1,192億円増加の
1,634億円となりました。一方、土地の含み益は、
地価の下落などにより前期末比48億円減少の
623億円となりました。
6 内部管理態勢
法令等遵守態勢につきましては、全役職員に
対して定期的な研修を実施するとともに、本社・
支社・営業所の点検・指導を徹底して、コンプ
ライアンス意識のさらなる向上と不適正事象の
防止に努めました。また、日常業務で直面する
さまざまなコンプライアンスに関する判断力や
対応力の向上を目指し、コンプライアンス・オ
フィサー資格に加え、個人情報保護オフィサー
資格の取得を促進しました。
リスク管理態勢につきましては、統括的な管
理を行うリスク管理委員会と、保険引受リスク・
資産運用リスク・事務リスク・システムリスク・
大規模災害や情報漏えいなどのリスクに応じた
五つの下部委員会、およびリスク管理の専門的
な検討を行うリスク管理専門委員会において、
厳格な管理に努めました。
7 経営の健全性の確保
経営の健全性の確保につきましては、 9 月に
基金200億円の追加募集を行うとともに、危険
準備金および価格変動準備金の積増しを行い、
自己資本の充実に努めました。
保険会社の健全性を示す指標につきまして
は、保険金等の支払余力を示すソルベンシー・
マージン比率は741.1%となり、健全性のひと
つの基準である200%を大きく上回っておりま
す。なお、ソルベンシー・マージン比率の算出
にあたっては、当年度末から分子、分母とも計
算基準が厳格化されており、同一基準で算出し
た前年度末の668.4%と比較すると、72.7ポイン
ト上昇しました。また、時価ベースの実質的な
自己資本である実質資産負債差額は7,067億円
と十分な水準を確保しております。
保険金支払能力につきましては、格付投資情
報センターより「AA−」、スタンダード・アン
ド・プアーズより「A−」、フィッチ・レーテ
ィングスより「A」、ムーディーズより「A2」
の格付けを取得しております。
8 業務改善命令に対する取組み
保険金等の支払漏れ等に関する行政処分を受
け、平成20年 8 月 1 日付で金融庁に業務改善計
画を提出しております。この業務改善計画にも
とづき、引き続き、経営管理(ガバナンス)態
勢、内部監査態勢および保険金等支払管理態勢
等の改善・強化に全力で取り組んでおり、業務
改善計画の実施状況についての報告書を 8 月に
金融庁へ提出しました。
また、平成23年12月16日付で業務改善命令に
もとづく改善状況の定期報告義務は解除されま
したが、引き続き保険金等の支払漏れ等に関す
る重要な事項については、定期的に取締役会に
報告することとし、経営陣の主体的な関与のも
と、保険金等支払管理態勢の強化に努めてまい
ります。
[会社が対処すべき課題]
当社が目指している「お客さま基点」の実践
は非常に高い目標と認識しておりますが、「徹
底した差別化でお客さまから最も評価される会
社となる」をビジョンとした中期経営計画の推
進を通じて目標に近づくための努力をしてまい
ります。
東日本大震災を経て、改めて「地域」におけ
る助け合いや触れ合いの大切さが再認識される
なか、営業職員が地域に密着してface to face
の活動をしていることの重要性は増していま
す。当社では、この活動を通じ、「もし自分が
お客さまだったら」を常に想像しながらサービ
スを提供していくという「お客さま基点」を徹
底していくことが、最大の差別化につながるも
のと考えております。
さらに、今後の人材開発に関する基本方針と
して「人づくり宣言」を策定し、
「自発」、
「独創」、
そして相手の身になって考える「利他」の 3 要
素を備えた人材の育成に取り組んでまいりま
す。とりわけ、「お客さま基点」を実践しうる
営業職員の育成に注力することで、営業職員体
制における中核層の拡大・強化を図ってまいり
ます。
一方、お客さまから最も評価される会社とな
るためには、経営の健全性の確保も重要な課題
であると認識しております。こうした認識のも
と、当社を取り巻くさまざまなリスクを統合的
に管理する態勢を整備するなど、リスク管理の
高度化に努めるとともに、自己資本の一層の強
化を図ってまいります。
[契約概況]
平成23年度末保有契約高は、個人保険は死亡
保障、生存保障および就業不能保障の合計で
25兆9,536億円(前年対比4.1%減)、個人年金
保険は生存保障、個人年金保険に付加された定
期保険特約および就業不能保障の合計で 2 兆
9,989億円(前年対比0.8%増)、団体保険は死
亡保障と生存保障の合計で16兆562億円(前年
対比1.2%減)、団体年金保険は責任準備金で 1
兆9,720億円(前年対比0.3%増)となりました。
[収支概況]
経常収益では、保険料等収入は団体年金保険
の保険料が減少したことにより、5,899億円(前
年対比11.4%減)となりました。また、資産運
用収益は1,456億円(前年対比0.5%減)となり、
そのうち利息及び配当金等収入は公社債や外国
証券に係る利息・配当金が増加したことにより、
1,135億円(前年対比1.4%増)となりました。
経常費用では、保険金等支払金は4,827億円
(前年対比21.4%減)、資産運用費用は有価証券
売却損や有価証券評価損が増加したことにより
546億円(前年対比9.1%増)となりました。
この結果、経常利益は504億円(前年対比14.5
%減)となりました。
経常利益に特別損益を加減し、さらに法人税
等合計を236億円計上した結果、当期純剰余は
287億円(前年対比30.7%減)となりました。これ
に前期繰越剰余金などを加えて当期未処分剰余
金は578億円
(前年対比16.9%減)となりました。
剰余金処分においては、社員配当準備金239
億円、基金償却準備金90億円などをあわせて
375億円を処分し、残額203億円を次期へ繰り
越しました。
また、保険本業の収益力を示す指標の一つで
ある基礎利益は692億円(前年対比4.3%増)と
なりました。
[資産・負債等の概況]
当期末の総資産は243億円増加し、 5 兆6,995
億円(前年対比0.4%増)となりました。この
うち、有価証券は 4 兆1,481億円(前年対比9.8
%増)となり、貸付金は 1 兆393億円(前年対
比9.1%減)となりました。
負債の部では、危険準備金を除く責任準備金
は577億円増加し、 5 兆439億円(前年対比1.2
%増)となりました。また、危険準備金は 1 億
円を積み増し、1,461億円(前年対比0.1%増)
となり、価格変動準備金は20億円を積み増し、
354億円(前年対比6.1%増)となりました。
純資産の部はその他有価証券評価差額金の増
加により、2,534億円(前年対比30.2%増)とな
りました。なお、当年度中に200億円の基金を
追加募集したことにより、基金の総額(基金償
却積立金の額を含む。)は1,060億円となりま
した。
事業成績および財産の状況の推移
年度末契約高
区 分
個
人
保
険
個 人 年 金 保 険
団
体
保
険
団 体 年 金 保 険
そ の 他 の 保 険
保
険
料
等
収
入
資
産
運
用
収
益
保 険 金 等 支 払 金
資
産
運
用
費
用
経
常
利
益
当
期
純
剰
余
社 員 配 当 準 備 金 繰 入 額
総
資
産
責
任
準
備
金
責任準備金
(除く危険準備金)
危
険
準
備
金
負
債
の
部
合
計
純 資 産 の 部 合 計
平成 年度の事業概況
2.決算業績の概況
23
(単位:億円)
平成21年度
285,159
29,802
159,611
20,016
356
6,237
1,477
5,642
702
329
261
195
56,131
51,453
49,997
1,456
54,011
2,119
平成22年度
270,750
29,754
162,472
19,664
356
6,658
1,464
6,140
500
590
415
243
56,752
51,323
49,862
1,460
54,806
1,946
平成23年度
259,536
29,989
160,562
19,720
356
5,899
1,456
4,827
546
504
287
239
56,995
51,901
50,439
1,461
54,460
2,534
(注)
1.個人年金保険の契約高は、年金支払開始前契約の年金支払開始時における年金原資、年金支払開始後契約の責任準備
金及び個人年金保険に付加されている定期保険特約の合計を表します。
2.団体保険には、年金特約の年金原資と責任準備金を含んでいます。
3.団体年金保険の契約高は、責任準備金を表します。
4.その他の保険には、財形保険・財形年金保険・医療保障保険・就業不能保障保険の契約高を記載しました。
66
平成 年度の事業概況
23
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3.資産運用の概況
平成23年度の資産の運用状況
1 運用環境
平成23年度の日本経済は、震災後の落ち込み
から持ち直した後、一時足踏みしたものの、年
明け以降、再び緩やかな回復過程に戻りました。
金融資本市場は、世界経済の減速懸念が高まる
中、欧州債務危機が深刻化したことで、 8 月以
降、不安定な状態が続きました。それを受けて、
日本銀行は、資産買入れ等基金や成長基盤強化
資金の供給枠を段階的に増額し、 2 月には「中
長期的な物価安定の目途」を示し、それが見通
せるまで強力な金融緩和を推進する姿勢を明ら
かにしました。ギリシャの 2 次支援策が合意に
至り、欧州債務危機への懸念が和らいだことも
あり、期末にかけて金融資本市場は落ち着きを
取り戻しました。
長期金利は、 4 月に国債増発懸念などにより、
指標となる10年国債利回りで1.3%台まで上昇
しました。しかしながら、その後は欧州債務危
機の深刻化などを背景に、機関投資家のリスク
回避姿勢が強まったことで低下傾向となり、 8
月には 1 %を下回りました。それ以降も利益確
定の売りにより一時上昇する局面はあったもの
の、機関投資家の債券に対する需要は根強く、
1 %前後の低水準で推移しました。また、 9 千
円台で始まった日経平均株価は、海外株高など
を受けて 7 月に 1 万円台を回復しました。その
後は欧州債務危機の深刻化とそれにともなう円
高進行により急落し、 8 月以降、概ね 8 千円台
での推移が続き、11月には東日本大震災後の最
安値となる8,160円まで下落する局面もありま
した。しかしながら、 2 月以降、ギリシャ債務
削減への取組みや円安の進行などを背景に上昇
に転じ、10,083円と前年度末を上回る水準で期
末を迎えました。為替レートは、対ドルでは、
当初、一時85円台となる局面もありましたが、
日米金利差の縮小や安全資産としての位置づけ
から円が買われたことで、円高が進行し、 8 月
以降は概ね77円前後で推移、10月下旬には一時
75円台と最高値を更新しました。しかしながら、
2 月以降、米景気に対する回復期待が強まる中、
日銀が一段の金融緩和姿勢を示したことで円安
に転じ、前年度末とほぼ同水準の82円台で期末
を迎えました。一方、対ユーロでは、当初120
円台の円安水準となりましたが、その後は円高
が進行し、 1 月には100円を割り込みました。
2 月以降は欧州債務危機に対する懸念が和らい
だことで、円安基調に転じ、109円台で期末を
迎えました。
欧米の金融市場につきましては、金融の安定
化を図るべく、FRBは 9 月にいわゆるツイス
トオペを導入し、ECBは 2 度の 3 年物の資金
供給オペを実施しました。また、政策金利につ
いても、FRBは0.0~0.25%と低水準で据え置
きました。一方、
ECBはインフレ懸念による 2
度の利上げで1.5%まで引き上げたものの、11月、
12月と 2 ヵ月連続で利下げし、 1 月以降は1.0
%の低水準で据え置きました。こうした中、米
国長期金利は、年度半ばにかけて低下傾向とな
り、
一時1.8%を割り込みました。その後もFRB
によるツイストオペなどにより 2 %前後の低水
準で推移し、期末には2.2%台となりました。
欧州の長期金利の指標となるドイツ国債の利回
りは、財政懸念の強い周辺国が避けられる中、
逃避資金が流入したことで低下傾向となり、一
時1.7%を割り込みました。その後も低水準で
推移し、1.7%台で期末を迎えました。
2 当社の運用方針
当社では、『ご契約者の利益擁護』のため、
生命保険という商品の負債特性を踏まえながら、
安全かつ有利の原則に従い、将来にわたって高
水準の運用収益を確保していくことを資産運用
の基本方針としています。
この方針のもと、時代の変化に即応できるポ
ートフォリオを構築すべく、資産の流動性を確
保しつつ、中長期的な視点から資金を配分して
います。具体的には、ALMの観点から、公社債・
貸付などの円金利資産を柱に据え、収益性の向
上を図るために、許容されるリスクの範囲内で
外国証券や株式、不動産といった資産への分散
投資を行っています。
資産運用にあたっては、お客さまからお預か
りした資金の安全性を十分に確保するため、流
動性が乏しい、あるいは包含されるリスクが分
かりにくい金融商品への投資を抑制するなどに
よって、ポートフォリオの質の維持に努めてい
ます。さらに、きめ細やかなリスク管理を実施
しており、専門の部署による日々のモニタリン
グなどによって、大幅な市場の変動による影響
も十分吸収できるよう、資産運用に係るリスク
の低減に努めています。
3 運用実績の概況
平成23年度末の一般勘定資産は、前年度末に
比べ247億円増加し、 5 兆6,192億円(前年対比
0.4%増)となりました。
国内公社債につきましては、震災対応で前年
度末に積み上がった預貯金の取崩しや一般貸付
の残高縮減による資金などを振り向けたことか
ら、年度末残高は前年度末比3,067億円増加の
2 兆7,373億円
(前年対比12.6%増)
となりました。
平成 年度の事業概況
株式につきましては、リスクの削減を図るため
などが寄与し、前年比15億円増加の1,135億円
リーマン・ショック後継続してきた残高削減を
(前年対比1.4%増)
となりました。なお、
売買目
進め、帳簿価額では同223億円減少しましたが、 的有価証券分を含めた利息及び配当金等収入は、
株価の上昇により年度末残高は同 6 億円増加の
同22億円増加の1,210億円(前年対比1.9%増)
3,532億円
(前年対比0.2%増)
となりました。外
となりました。売買目的有価証券については、
国証券につきましては、年度当初の外国公社債
海外金利の低下などにより外国公社債で評価益
の積増しや海外金利の低下にともなう時価の増
を計上し、前年度50億円の運用損から128億円
加などにより、年度末残高は同653億円増加の
の運用益に転じました。一方、有価証券売却益
9,273億円
(前年対比7.6%増)
となりました。一
は、国内公社債や株式で減少し、同136億円減
方、一般貸付につきましては、法人向け融資を
少の168億円(前年対比44.7%減)となりました。
中心に減少し、年度末残高は同1,031億円減少
資産運用費用は、546億円(前年対比16.1%増)
の9,691億円(前年対比9.6%減)となりました。 となりました。このうち、有価証券売却損は、
なお、証券化商品の年度末残高は同 7 億円増加
株式を中心に増加し、同45億円増加の249億円
の107億円となりましたが、一般勘定資産に占
(前年対比22.1%増)となりました。金融派生
める比率は0.19%にとどまっています。
商品費用は、為替リスクや金利リスクなどのヘ
資産運用収益は、1,439億円(前年対比1.6%
ッジに係る費用を57億円計上しました。
減)
となりました。このうち、
利息及び配当金等
この結果、資産運用収益から資産運用費用を
収入は、国内公社債のデュレーションの長期化
差し引いた金額は、同99億円減少の893億円(前
や前年度下半期に積み増した外国公社債の増加
年対比10.0%減)となりました。
23
証券化商品等への投資およびサブプライム関連投資の状況
金融安定化フォーラム(FSF)の報告書の趣旨を踏まえ、当社が証券化商品に該当すると判断し
たものおよびそれに関連する商品に対する平成23年度の投資状況は下記のとおりです。
・平成23年度末の証券化商品に対する投資残高は107億円と一般勘定資産の0.19%にとどまっています。
・このうち、サブプライムローン(米国の信用力が低い個人向け住宅ローン)に関連する商品への投
資実績はなく、それにともなう損失もありません。
・フコクしんらい生命、その他当社の子会社・関連会社で証券化商品を保有している会社はありません。
(単位:億円)
特別目的事業体(SPEs)
債務担保証券(CDO)
証券化商品計(a)
うちサブプライム・Alt-Aエクスポージャー
住宅ローン担保証券(RMBS)
資産担保証券(ABS)
ヘッジファンド
その他(b)
証券化商品等計(c)=(a)+(b)
うちサブプライム・Alt-Aエクスポージャー
(ご参考)一般勘定資産残高(d)
比率(a)/(d)
比率(c)/(d)
時 価
参考:平成22年度末
67
40
107
含み損益
実現損益
70
29
99
―
△3
0
0
△3
―
―
―
159
102
262
369
122
113
236
336
3
△ 15
△ 12
△ 12
56,192
0.19%
0.66%
55,945
0.18%
0.60%
0
1
―
1
3
△0
(注)1.実現損益は売却、評価損等にかかわるものです。
2.SPEsは、全て国内の不動産を裏付資産とする匿名組合への出資です。
(用語解説)
金融安定化フォーラム(FSF)
:各国の金融監督当局などで構成される国際金融システムの安定化を目的とする組織
特別目的事業体(SPEs)
:特定の資産を担保にした証券の発行など、設立目的を特定の事業に限定した事業体
債務担保証券
(CDO)
:社債や貸出債権などで構成される資産を裏付けとして発行される証券
住宅ローン担保証券
(RMBS)
:住宅ローンを裏付けとして発行される証券
資産担保証券
(ABS)
:特定の資産を裏付けとして発行される証券
Alt-A:米国の住宅ローンで、信用力の高い個人向けの「プライムローン」と「サブプライムローン」の中間部分
68
平成 年度の事業概況
23
4.社員配当の状況
剰余金処分に関する決議書(112ページをご
③ 5 年ごと配当契約
参照ください)のとおり、平成23年度決算では
・死差配当につきましては、
据え置きとします。
未処分剰余金578億円のうち375億円を剰余金処
・費差配当につきましては、
据え置きとします。
分の対象としました。そのうち239億円を社員
・利差配当につきましては、
据え置きとします。
配当準備金に繰り入れ、資本基盤の充実を図る
①、②および③において、長期継続契約に対
ために基金償却準備金90億円、損失てん補準備
する消滅時特別配当につきましては、前年同様
金 7 千万円を積み立てました。
0 とします。ただし、社員配当金特殊支払特則
なお、定款に定める社員配当比率の下限は
にもとづく買増保険金がある場合には、その金
100分の20となっており、平成23年度決算の実
額をお支払いします。
際の社員配当比率は100分の109.4となります。
〈団体保険〉
・死差配当につきましては、
据え置きとします。
生命保険の社員配当金は、保険料の計算に組
み込まれた予定と実績との差益をご契約者にお
支払いするものです。
・利差配当につきましては、
据え置きとします。
〈団体年金保険〉
予定利率1.30%の一般勘定取崩控除型商品
個人保険・個人年金保険の社員配当金は、
(確定給付企業年金保険、新企業年金保険
ア.ご契約後 3 年目から毎年、あるいはご契
(H14)および厚生年金基金保険(H14))に
約後 6 年目から 5 年ごとにお支払いする
つきましては、利差配当率を据え置いて0.50
「普通配当」
%とします。予定利率1.00%の商品(新企業
イ.普通保険約款に規定する、契約日から所
年金保険、厚生年金基金保険、国民年金基金
定年数を経過し、かつ所定の条件を満た
保険、団体生存保険および新団体生存保険)
すご契約にお支払いする「特別配当」
につきましても、利差配当率を据え置いて
の 2 つに大別されます。
0.10%とします。予定利率1.30%の拠出型企
業年金保険(H14)につきましても、利差配
平成23年度決算にもとづく社員配当
当率を据え置いて0.10%とします。有期利率
1 平成23年度決算にもとづく社員配当率の概
保証型確定拠出年金保険につきましては、前
要は次のとおりです。
〈個人保険・個人年金保険〉
① 5 年ごと利差配当契約
・利差配当につきましては、
据え置きとします。
・特別配当につきましては、
据え置きとします。
②毎年配当契約
・死差配当につきましては、
据え置きとします。
・費差配当につきましては、
据え置きとします。
・利差配当につきましては、
据え置きとします。
・災害および疾病関係配当につきましては、
据え置きとします。
69
年同様 0 とします。
〈財形保険・財形年金保険〉
利差配当を据え置きとします。
〈例 1 〉医療パック定期付積立型介護保険( 5 年ごと利差配当契約):40歳加入、60歳払込満了、
10年更新型定期保険特約、男性、口座振替月払、
死亡保険金2,900万円+積立型介護保険の死亡給付金(保険料払込中)、
介護保険金100万円(保険料払込満了後)、
入院日額6,000円の10年更新型新医療保険(120日型、無事故給付金有)をパッケージ
ご加入年度
(経過年数)
保険料
(年換算)
平成14年度(10年)
193,488
[ 35,208]
平成 年度の事業概況
2 平成23年度決算にもとづく社員配当金例示
医療パック定期付積立型介護保険、医療パック定期付新積立型介護保険、医療パック定期付終身
保険および災害死亡給付金付個人年金保険について、平成23年度決算にもとづく社員配当金を例
示しますと次のとおりです。
23
受 取 金 額
継続中のご契約(配当金)
過去5年間に入院給付金の 過去5年間に入院給付金の
お支払いがない場合
お支払いがある場合
円
円
[
21,600 4,094]
円
[
17,818 312]
〈例 2 〉医療パック定期付新積立型介護保険( 5 年ごと利差配当契約)
:40歳加入、60歳払込満了、
10年更新型定期保険特約、男性、口座振替月払、
死亡保険金2,900万円+新積立型介護保険の死亡給付金(保険料払込中)、
介護保険金100万円(保険料払込満了後)、
入院日額6,000円の10年更新型新医療保険(120日型、無事故給付金有)をパッケージ
ご加入年度
(経過年数)
保険料
(年換算)
平成19年度( 5 年)
190,524
[ 32,976]
受 取 金 額
継続中のご契約(配当金)
過去5年間に入院給付金の 過去5年間に入院給付金の
お支払いがない場合
お支払いがある場合
円
円
[
690 0]
円
690 0]
[
(※)平成19年 4 月以降のご契約は、予定死亡率の引き下げにより、保険料率および配当率とも、それ以前のご契約よりも低
い水準となっています。
〈例 3 〉医療パック定期付終身保険(毎年配当契約)15倍型:30歳加入、60歳払込満了、
15年更新型定期保険特約、男性、口座振替月払、
死亡保険金3,000万円(保険料払込中)
、200万円(保険料払込満了後)
、
入院日額5,000円の80歳満期型医療保険をパッケージ
ご加入年度
(経過年数)
保険料
(年換算)
平成10年度(14年)
185,964
[ 49,380]
平成 9 年度(15年)
185,964
[ 49,380]
受 取 金 額
継続中のご契約(配当金) 死亡契約(保険金+配当金)
円
円
[
6,575
615]
30,507,270
[ 500,570]
円
[
22,230
570]
30,500,515
[ 500,515]
円
円
円
〈例 4 〉災害死亡給付金付個人年金保険(毎年配当契約):50歳加入、60歳年金開始、
5 年確定年金(定額型)、男性、一時払、一時払保険料100万円
ご加入年度
(経過年数)
基準年金年額
受 取 金 額
継続中のご契約(配当金) 死亡契約(給付金+配当金)
平成19年度( 5 年)
216,200
円
1,513
円
1,012,813
円
平成18年度( 6 年)
216,200
円
1,513
円
1,023,135
円
(注)
〈例 1 〉、〈例 2 〉および〈例 3 〉における下段の[ ]は医療保険の内訳を示します。
〈例
1 〉および〈例 2 〉において、過去 5 年間に入院給付金のお支払いがない場合には、配当金のほかに、医療保険につ
いては無事故給付金として30,000円が支払われます。
〈例 3 〉の「死亡契約」欄は契約応当日以後死亡の場合の受取金額を示します。
〈例 4 〉の「死亡契約」欄の受取金額は非災害死亡の場合の死亡給付金額を含んでいます。平成19年度契約の死亡給付金
額は 5 年経過時点の金額1,011,300円、平成18年度契約の死亡給付金額は 6 年経過時点の金額1,021,600円となります。
経過年数とは平成24年度の契約応当日における経過を示します。
70
平成 年度の事業概況
23
3 平成23年度決算にもとづく平成24年度支払
配当はaおよびbの合計額です。ただし、利
いの配当率
(前記の〈例1〉
〈例2〉
、
〈例3〉お
、
差配当がマイナスのため a および b の合計額
よび〈例4〉)の計算方法は次のとおりです。
がマイナスとなる場合は、配当を 0 とします。
① 5 年ごと利差配当契約
②毎年配当契約
a.利差配当
a.死差配当
各年度ごとに、責任準備金に次の利差配
危険保険金に被保険者の年齢・性別、予
当率を乗じた金額を割り振り、これに利息
定死亡表および配当回数の区分に応じた死
を加えて通算した金額。
差配当率を乗じた金額。
〈例 1 〉
、〈例 2 〉
平成23,22,21,20年度決算
平成19年度決算
b.費差配当
0.15%
0.35%
次の 1)、2)
および 3)
の合計額。
1)
保険金に次の費差配当率を乗じた金額。
b.特別配当
例 3 〉
〈
平成10, 9 年度契約
終身保険部分
定期保険特約部分
次の 1)、2)、3)
および 4)の合計額。
1)5 年ごと高額加算特別配当
平成24年度に 5 年ごとの応当日を迎
える、保険金額3,000万円以上で主契
2)保険金額が2,000万円を超過する部分
に対して、配当回数に応じた金額。
約が保険料払込中のご契約に対して、
保険金に次の特別配当率を乗じた金額。
3)
ご契約から 5 年ごとの応当日が到来す
る場合は、保険金額が2,000万円を超過
平成11年 4 月 1 日以前のご契約 0.10‰
平成11年 4 月 2 日以降のご契約 0.00‰
2)5 年ごと健康特別配当
平成19年 4 月 1 日以前のご契約で、
平成24年度に 5 年ごとの応当日を迎え
るご契約に対して、保険金に被保険者
の年齢・性別に応じて計算した特別配
当率を乗じた金額。
3)5 年ごと医療特別配当
平成19年 4 月 1 日以前のご契約で、
平成24年度に 5 年ごとの応当日を迎え
0.30‰
0.15‰
する部分に対して0.30‰を乗じた金額。
c.災害および疾病関係配当
医療保険および各種特約について、それ
ぞれの種類に応じた金額。
d.利差配当
責任準備金に次の利差配当率を乗じた金額。
〈例 3 〉
平成10, 9 年度契約
〈例 4 〉
平成19,18年度契約
△ 1.15%
0.15%
る医療保険契約に対して、過去 5 年間
配当はa,b,cおよびdの合計額です。た
に入院給付金のお支払いがないことを
だし、利差配当がマイナスのためa,b,cお
要件として、入院日額に被保険者の年
よびdの合計額がマイナスとなる場合は、配
齢・性別に応じて計算した特別配当率
当を 0 とします。
を乗じた金額。
4)毎年の健康特別配当
平成19年 4 月 1 日以前のご契約に対
消滅時特別配当につきましては 0 とします。た
して、契約日から 5 年以上経過してい
だし、社員配当金特殊支払特則にもとづく買増
ることを要件として、保険金に被保険
保険金がある場合には、その金額をお支払いし
者の年齢・性別に応じて計算した特別
ます。
配当率を乗じた金額。
71
①および②において、長期継続契約に対する
〈団体年金保険〉
平成22年度決算では未処分剰余金695億円の
予定利率1.30%の一般勘定取崩控除型商品
うち413億円を剰余金処分の対象としました。
(確定給付企業年金保険、新企業年金保険
そのうち243億円を社員配当準備金に繰り入れ、
(H14)および厚生年金基金保険(H14))に
資本基盤の充実を図るために価格変動積立金
つきましては、利差配当率を引き上げて0.50
110億円、基金償却準備金50億円、損失てん補
%とします。予定利率1.00%の商品(新企業
準備金 7 千万円を積み立てました。
年金保険、厚生年金基金保険、国民年金基金
なお、定款に定める社員配当比率の下限は
保険、団体生存保険および新団体生存保険)
100分の20となっており、平成22年度決算の実
につきましては、利差配当率を引き上げて
際の社員配当比率は100分の69.7となります。
0.10%とします。予定利率1.30%の拠出型企
平成 年度の事業概況
【ご参考】平成22年度決算にもとづく社員配当
23
業年金保険(H14)につきましては、利差配
1 平成22年度決算にもとづく社員配当率の概
要は次のとおりです。
〈個人保険・個人年金保険〉
① 5 年ごと利差配当契約
・利差配当につきましては、据え置きとします。
当率を引き上げて0.10%とします。有期利率
保証型確定拠出年金保険につきましては、前
年同様 0 とします。
〈財形保険・財形年金保険〉
・利差配当を据え置きとします。
・特別配当につきましては、据え置きとします。
②毎年配当契約
・死差配当につきましては、据え置きとします。
・費差配当につきましては、据え置きとします。
・利差配当につきましては、据え置きとします。
・災害および疾病関係配当につきましては、
据え置きとします。
③ 5 年ごと配当契約
・死差配当につきましては、据え置きとします。
・費差配当につきましては、据え置きとします。
・利差配当につきましては、据え置きとします。
①、②および③において、長期継続契約に対
する消滅時特別配当につきましては、前年同様
0 とします。ただし、社員配当金特殊支払特則
にもとづく買増保険金がある場合には、その金
額をお支払いします。
〈団体保険〉
・死差配当につきましては、据え置きとします。
・利差配当につきましては、据え置きとします。
72
平成 年度の事業概況
23
2 平成22年度決算にもとづく社員配当金例示
医療パック定期付積立型介護保険、医療パック定期付新積立型介護保険、医療パック定期付終身
保険および災害死亡給付金付個人年金保険について、平成22年度決算にもとづく社員配当金を例示
しますと次のとおりです。
〈例 1 〉医療パック定期付積立型介護保険( 5 年ごと利差配当契約):40歳加入、60歳払込満了、
10年更新型定期保険特約、男性、口座振替月払、
死亡保険金2,900万円+積立型介護保険の死亡給付金(保険料払込中)、
介護保険金100万円(保険料払込満了後)、
入院日額6,000円の10年更新型新医療保険(120日型、無事故給付金有)をパッケージ
ご加入年度
(経過年数)
保険料
(年換算)
平成13年度(10年)
193,488 [ 35,208]
受 取 金 額
継続中のご契約(配当金)
過去5年間に入院給付金の 過去5年間に入院給付金の
お支払いがない場合
お支払いがある場合
円
円
[
22,364 4,100]
円
[
18,582 318]
〈例 2 〉医療パック定期付新積立型介護保険( 5 年ごと利差配当契約)
:40歳加入、60歳払込満了、
10年更新型定期保険特約、男性、口座振替月払、
死亡保険金2,900万円+新積立型介護保険の死亡給付金(保険料払込中)、
介護保険金100万円(保険料払込満了後)、
入院日額6,000円の10年更新型新医療保険(120日型、無事故給付金有)をパッケージ
ご加入年度
(経過年数)
保険料
(年換算)
平成18年度( 5 年)
194,232 [ 35,208]
受 取 金 額
継続中のご契約(配当金)
過去5年間に入院給付金の 過去5年間に入院給付金の
お支払いがない場合
お支払いがある場合
円
円
[
16,072 3,386]
円
[
12,932 246]
〈例 3 〉医療パック定期付終身保険(毎年配当契約)15倍型:30歳加入、60歳払込満了、
15年更新型定期保険特約、男性、口座振替月払、
死亡保険金3,000万円(保険料払込中)
、200万円(保険料払込満了後)
、
入院日額5,000円の80歳満期型医療保険をパッケージ
ご加入年度
(経過年数)
保険料
(年換算)
平成10年度(13年)
185,964 [ 49,380]
平成 9 年度(14年)
受 取 金 額
継続中のご契約(配当金) 死亡契約(保険金+配当金)
円
円
[
6,215 675]
30,506,575 [ 500,615]
円
[
6,575 615]
30,507,270 [ 500,570]
円
185,964 [ 49,380]
円
円
〈例 4 〉災害死亡給付金付個人年金保険(毎年配当契約)
:50歳加入、60歳年金開始、
5 年確定年金(定額型)
、男性、一時払、一時払保険料100万円
ご加入年度
(経過年数)
平成19年度( 4 年)
平成18年度( 5 年)
基準年金年額
216,200
円
216,200
円
受 取 金 額
継続中のご契約(配当金) 死亡契約(給付金+配当金)
1,491
円
1,003,813
円
1,513
円
1,012,813
円
(注)
〈例 1 〉、〈例 2 〉および〈例 3 〉における下段の[ ]は医療保険の内訳を示します。
〈例
1 〉および〈例 2 〉において、過去 5 年間に入院給付金のお支払いがない場合には、配当金のほかに、医療保険につ
いては無事故給付金として30,000円が支払われます。
〈例 3 〉の「死亡契約」欄は契約応当日以後死亡の場合の受取金額を示します。
〈例 4 〉の「死亡契約」欄の受取金額は非災害死亡の場合の死亡給付金額を含んでいます。平成19年度契約の死亡給付金
額は 4 年経過時点の金額1,002,300円、平成18年度契約の死亡給付金額は 5 年経過時点の金額1,011,300円となります。
経過年数とは平成23年度の契約応当日における経過を示します。
73
配当は a および b の合計額です。ただし、
利
いの配当率
(前記の〈例1〉
〈例2〉
、
〈例3〉お
、
差配当がマイナスのため a および b の合計額
よび〈例4〉)の計算方法は次のとおりです。
がマイナスとなる場合は、配当を 0 とします。
① 5 年ごと利差配当契約
②毎年配当契約
a.利差配当
a.死差配当
各年度ごとに、責任準備金に次の利差配
危険保険金に被保険者の年齢・性別、予
当率を乗じた金額を割り振り、これに利息
定死亡表および配当回数の区分に応じた死
を加えて通算した金額。
差配当率を乗じた金額。
例 1 〉
〈
、
〈例 2 〉
平成22,21,20年度決算
平成19,18年度決算
平成 年度の事業概況
3 平成22年度決算にもとづく平成23年度支払
23
b.費差配当
0.15%
0.35%
次の 1)、2)
および 3)
の合計額。
1)保険金に次の費差配当率を乗じた金額。
b.特別配当
〈例 3 〉
平成10, 9 年度契約
終身保険部分
定期保険特約部分
次の 1)、2)、3)および 4)の合計額。
1) 5 年ごと高額加算特別配当
平成23年度に 5 年ごとの応当日を迎
える、保険金額3,000万円以上で主契
2)
保険金額が2,000万円を超過する部分
に対して、配当回数に応じた金額。
約が保険料払込中のご契約に対して、
保険金に次の特別配当率を乗じた金額。
3)
ご契約から5年ごとの応当日が到来す
る場合は、保険金額が2,000万円を超過
平成11年 4 月 1 日以前のご契約 0.10‰
平成11年 4 月 2 日以降のご契約 0.00‰
2)5 年ごと健康特別配当
平成19年 4 月 1 日以前のご契約で、
平成23年度に 5 年ごとの応当日を迎え
るご契約に対して、保険金に被保険者
の年齢・性別に応じて計算した特別配
当率を乗じた金額。
3) 5 年ごと医療特別配当
平成19年 4 月 1 日以前のご契約で、
平成23年度に 5 年ごとの応当日を迎え
0.30‰
0.15‰
する部分に対して0.30‰を乗じた金額。
c.災害および疾病関係配当
医療保険および各種特約について、それ
ぞれの種類に応じた金額。
d.利差配当
責任準備金に次の利差配当率を乗じた金額。
〈例 3 〉
平成10, 9 年度契約
〈例 4 〉
平成19,18年度契約
△ 1.15%
0.15%
る医療保険契約に対して、過去 5 年間
配当はa,b,cおよびdの合計額です。た
に入院給付金のお支払いがないことを
だし、利差配当がマイナスのためa,b,cお
要件として、入院日額に被保険者の年
よびdの合計額がマイナスとなる場合は、配
齢・性別に応じて計算した特別配当率
当を 0 とします。
を乗じた金額。
4)毎年の健康特別配当
①および②において、長期継続契約に対する
平成19年 4 月 1 日以前のご契約に対
消滅時特別配当につきましては 0 とします。た
して、契約日から 5 年以上経過してい
だし、社員配当金特殊支払特則にもとづく買増
ることを要件として、保険金に被保険
保険金がある場合には、その金額をお支払いし
者の年齢・性別に応じて計算した特別
ます。
配当率を乗じた金額。
74
平成 年度の事業概況
23
5.直近 5 事業年度における主要な業務の状況を示す指標
(単位:百万円)
項 目
平成19年度
平成20年度
平成21年度
平成22年度
平成23年度
経
常
収
益
906,459
881,685
787,517
836,916
754,842
経
常
利
益
58,077
2,164
32,958
59,006
50,429
基
礎
利
益
89,675
75,666
70,506
66,367
69,209
当
期
純
剰
余
45,385
56,863
26,135
41,524
28,778
基
金
の
総
額
71,000
71,000
86,000
86,000
106,000
産
5,725,231
5,514,454
5,613,104
5,675,214
5,699,527
う ち 特 別 勘 定 資 産
117,591
113,498
95,207
83,280
82,053
総
責
資
任
貸
有
準
備
付
金
価
金
証
残
残
券
残
高
5,181,780
5,135,913
5,145,399
5,132,317
5,190,141
高
1,231,963
1,238,205
1,220,945
1,143,863
1,039,363
高
3,962,459
3,596,377
3,800,984
3,778,639
4,148,127
1,146.9%
1,008.4%
1,127.6%
1,088.3%
( 668.4%)
92.0%
54.4%
96.4%
ソルベンシー・マージン比率
剰余金処分対象額に占める
配 当 準 備 金 等 の 割 合
従
業
保
有
個
個
員
契
人
年
保
13,477名
13,836名
14,207名
13,702名
13,502名
49,827,169
48,555,655
47,457,381
46,297,750
45,008,889
険
31,742,109
30,232,748
28,515,909
27,075,025
25,953,606
2,938,872
2,986,401
2,980,294
2,975,448
2,998,996
15,146,186
15,336,505
15,961,177
16,247,275
16,056,286
団体年金保険保有契約高
2,023,525
1,997,558
2,001,626
1,966,486
1,972,086
保
保
数
高
険
体
金
109.4%
険
団
人
約
69.7%
741.1%
(注)1 .基金の総額には、基金償却積立金を含んでいます。
2 .剰余金処分対象額に占める配当準備金等の割合とは、保険業法施行規則第30条の 4 の規定により計算した金額に占
める社員配当準備金及び社員配当平衡積立金に積み立てる金額の合計額の割合です。
3 .保有契約高とは、個人保険・個人年金保険・団体保険の各保有契約高の合計です。
なお、個人年金保険については、年金支払開始前契約の年金支払開始時における年金原資、年金支払開始後契約の責
任準備金及び個人年金保険に付加されている定期保険特約を合計したものです。
4 .団体年金保険保有契約高については、責任準備金の金額です。
5 .平成22年内閣府令第23号、平成22年金融庁告示第48号により、ソルベンシー・マージン総額及びリスクの合計額の
算出基準について一部変更(マージン算入の厳格化、リスク計測の厳格化・精緻化等)がなされております。そのた
め、平成19〜22年度、平成23年度はそれぞれ異なる基準によって算出されております。なお、平成22年度末の( )
は、平成23年度における基準を平成22年度末に適用したと仮定し、平成23年3月期に開示した数値です。
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