自家用受変電設備の定期点検 実施

■2章●自家用受変電設備の保全教室
7 自家用受変電設備の定期点検
実施手順〔
実施手順
〔その1〕
その1〕
定期点検の実施
実施手順
〔例〕
定期点検は,電気主任技術者
(作業責任者)
の指揮のもと,安全を第一とし,決められた手順ど
おり実施することが必要です.次に,定期点検の実施手順例を示しましょう.
定 期 点 検 の 実 施 手 順
定 期 点 検 の 実 施 手 順
1
5
作業前に“事前打合せ
(TBM)
”
をする.
点検
(外観点検,測定・試験)
を実施する.
TBM:ツールボックスミーティング
絶縁用保護具を着用
(活線近接作業)
2
作業責任者の指示遵守
無断作業の禁止
安全監視の重視
(組作業)
作業標準の遵守
停電操作をする.
低圧側主幹開閉器を開放
6
受電用遮断器を開放
引込口断路器を開放
区分開閉器を開放
点検終了を確認する.
開放
短絡接地器具を取り外す.
送電禁止札を取り付け
3
検電器により停電を確認する.
短絡接地器具を取り付ける.
残留電荷を放電
4
“作業区域”を区画する.
開閉器に“投入禁止”
標示をする.
活線部に絶縁用防具を装着
124
7
受電操作をする.
区分開閉器を投入
引込口断路器を投入
(注)
受電用遮断器を投入
低圧側主幹開閉器を
投入
投入
注:操作空間が取れない場合
(例:キュー
ビクル)
は,CBを最後に投入したほう
が,安全上好ましい.
8
点検の結果を記録する
(次期点検計画に活用)
.
改修計画の立案
(早期実施)
(⑤から⑧は,次項で説明します)
■2章●自家用受変電設備の保全教室
点検終了の確認をし,短絡接地器具を外す
6
6─1
点検作業がすべて終了したかを確認する 不具合がないか確認する
作業責任者は,
作業現場を巡回し,予定した点検作業がすべて的確に完了したかを確認します.
残材料の整理
作業の確認
ボルト・ビスの締め
作業現場に,残材料
忘れ,部品の未取り
を置き忘れていない
付けなど不具合がな
か確認します.
いかを点検します.
過電流継電器,地
絡継電器などの整
定値が,試験前の
状態に復元してい
るかを確認します.
工具類の員数確認
人員の点呼
作業者全員の点呼を行い,人員を確認し,
使用工具,用具,測定器,試験器などを
全員が電路から離れたことを確認します.
定位置に置き,員数を確認します.
6─2
無電圧を確認する
短絡接地器具を取り外す 短絡接地器
検電器によ
具は,安全
り,電路の
のため,電
無電圧を確
クリップ
認してから,
します.
先に外して
から,次に
短絡接地器
具を取り外
路側金具を
金具
接地側クリ
ップを取り
外します.
132
8.自家用受変電設備の定期点検実施手順
〔その2〕
■
受電操作をする
7
7─1
受電操作は“操作手順”に基づき実施する 関係部門に連絡する
=単線結線図=
GR
操作電源
T1φ
LBS
OCR
VCT
投入
LBS 投入
CB
DS
ZCT
電灯
投入
LBS
投入
MCCB
LBS
CT
投入
LBS 投入
(注)
LBS
投入
DS
投入
順序 4
CB
投入
MCCB 投入
順序 4
順序 5
動力
T3φ 投入 MCCB
C
PF
順序 1
順序 2
順序 3
注:特に操作空間が取れない場合
(例:キュービクル)
は,MCCBを投入してから,
最後にCBを投入したほうが,安全上望ましいといえます.
MCCB
投 入
順序 5
受電操作は,関係部門に受電することを連
受電操作は,操作者を指名して,
“操作
絡し,電源に近いほうから,順次負荷に向
手順”に従って呼称確認しながら行い
かって開閉器を投入していきます.
ます.
受電操作時が,最も事故が多いので,作業責任
者の指示に従って作業することが大切です.
受電操作後,安全標識,立入禁止区画ロープな
どを取り外します.
7─2
区分開閉器を投入する
高圧を受電する
構内第1号柱の区
区分開閉器の投入
分開閉器を投入し,
高圧を受電します.
投入操作は,断
路器,遮断器の
開放を確認して
から行います.
縁用保護具を着
用して行います.
外す
投入
禁止
投入操作は,絶
“入”
側の綱
を引いて投
入します.
検電器によ
り受電を確
認します.
133
■2章●自家用受変電設備の保全教室
7─3
遮断器の開放を確認する
引込口断路器を投入する
断路器の投入操作
遮断器の開放を確
認して,引込口断
順序〔2〕 フック棒を前に押して,
ブレードを接触子に投
入する.
フック棒のフック
順序〔1〕
路器を投入します.
高圧盤の電圧計
接触子
により,受電電
電圧計
VS
7─4
を断路器のフック穴
高圧盤
圧を確認します.
に引っかける.
電流計
フック穴 フック棒
フック
ブレード AS
受電用遮断器を投入する
高圧主回路を閉路する
油遮断器投入
受電用遮断器(油
遮断器,真空遮断
器)を投入します.
“投入禁止”
札を
押す
真空遮断器投入
レバー上部を押
レバーを下げ
しながら,前方
投入します.
に押し,投入し
ます.
〔例〕
外します.
投入
注:操作空間が取れない場合
(例:キュービクル)
,7-4 と 7-5 を逆にしたほうが,安全上望ましいといえます.
7─5
低圧側の主幹開閉器を投入する
主幹開閉器投入
低圧盤の動力幹
線,電灯幹線の
主 幹 開 閉 器(配
線 用 遮 断 器)を
レバーを指で上に
無負荷投入が望ましい
低圧盤
点灯と,動力用機械
押 し て“ON”に し
を試運転して,異常
ます.
なく送電されている
投入します.
ことを確認します.
MCCB
134
建物内の一部照明の
MCCB