平成26年度水道水質検査計画 宇治市上下水道部 -1- 平成26年度宇治市上下水道部水道水質検査計画を公表します。本計画は水道法施行規則の規定により、 水道水質検査計画を毎事業年度開始前に策定しなければならないとされたことに基づき公表しています。 1. 基 本 2. 水 3. 水質管理において留意すべき事項 4. 検査地点、検査項目および検査頻度 5. 水 6. 臨 7. 検査計画および結果の公表 8. 検 9. 水質検査の精度と信頼性保証 10. 関 道 事 質 時 査 連 方 業 検 の 結 機 の 査 水 関 の と 概 方 質 果 針 の 要 法 検 評 連 査 価 帯 -2- 1. 基本方針 1)水道水を安心してご利用いただけるために水道法で義務付けられている給水栓での水質検査を 実施します。また、浄水場原水や浄水場の出口および府営水の受水点、水源である井戸水について も検査を行います。 2)外部検査機関の技術も利用しながら、一層の自己検査体制の充実と検査の信頼性向上を目指した取 組みを進めていきます。 2. 水道事業の概要 1)給水区域 宇治市の水道には、上水道事業、簡易水道事業、飲料水供給事業の3事業があります。 先ず、上水道事業では宇治市が独自に水処理をする浄水場が5ヶ所あり、地下水をくみ上げ 浄水処理を行なっています(以下「自己水」と表記します)。自己水の給水区域は浄水場ごとに分かれ ております。更に、京都府が天ヶ瀬ダムから取水し、浄水処理を行った水(以下「府営水」と表記 します)を給水する区域もあります。区域によっては、自己水と府営水の混合水が供給されている区域 もあります。 次に簡易水道事業では、現在、簡易水道を上水道へ統合するための施設整備に取り組んでおりま す。既に笠取第2浄水場は上水道への切り替えが完了しており、平成26年度末に上水道事業へ完全 移行する予定です。 飲料水供給事業については、簡易水道を上水道へ統合する事業とともに上水道事業へ移行します が、池尾浄水場は存続し、地下水を水源とする浄水場として地域に水道水を供給いたします。 簡易水道事業および飲料水供給事業についての管理は上下水道部が行っております。 配水系統および水道施設配置図 別図1のとおりです。 2)事業の規模 上水道事業、簡易水道事業および飲料水供給事業の規模は表 1 のとおりです。 表1 平成24年度事業量 事業名 給水人口(人) 年間配水量(m3) 1日1人平均給水量(L) 上水道事業 191,165 22,115,101 316 簡易水道事業 230 45,884 545 飲料水供給事業 10 1,352 370 -3- 3)浄水場別水源および浄水方法 各浄水場の水源、処理方法および規模の概要は表2のとおりです。 表2 浄水場別水源及び浄水方法 (平成24年度実績) 浄水場名等 上 水源の種類 水 道 事 浄水方法 平均配水量 業 宇治川伏流水 アルカリ注入、薬品沈殿 深井戸 急速ろ過、塩素消毒 神明浄水場 深井戸 塩素消毒 598m3/日 奥広野浄水場 深井戸 塩素消毒 369m3/日 西小倉浄水場 深井戸 府営水受水分 浄水 塩素消毒 43,406m3/日 開浄水場*1 深井戸 エアレーション、塩素消毒 588m3/日 宇治浄水場 簡 易 水 笠取第1浄水場*2 笠取第2浄水場*3 道 事 エアレーション、アルカリ注入、急速ろ過、 塩素消毒 13,919m3/日 1,708m3/日 業 浅井戸 急速ろ過 深井戸 塩素消毒 深井戸 除鉄、除マンガン処理、塩素消毒 125m3/日 飲 料 水 供 給 事 業 池尾浄水場 ※ *1 深井戸 除鉄、除マンガン処理、アルカリ注入、 塩素消毒 槇島浄水場は平成19年4月休止 開浄水場は休止予定 *2 笠取第1浄水場は平成26年度中に上水道へ切り替え予定 *3 笠取第2浄水場は平成26年2月に上水道への切り替え完了 -4- 3.7m3/日 3. 水 質 管 理 において留 意 すべき事 項 1)上水道事業 本市の自己水の水源は、深井戸からくみ上げた地下水と宇治川の伏流水です。従って、季節や気 候の変化に関係なく年間を通して比較的安定しています。宇治浄水場と西小倉浄水場では原水に鉄 やマンガンを多く含むため、急速ろ過で取り除いています。また、西小倉浄水場と開浄水場の原水 からは揮発性有機物が検出されていますが、エアレーションを行うことで水質基準に適合した水道 水を供給しています。 更に、神明浄水場と奥広野浄水場の原水は塩素消毒だけで水道水として供給できますが、地下水 によるpH 値の低下を監視しています。 留意事項としては、鉄・マンガン・揮発性有機物・pH 値です。 2)簡易水道事業 簡易水道の水源は地下水ですが、笠取第 1 浄水場は浅井戸でクリプトスポリジウムの指標菌であ る大腸菌などが検出されるため、急速ろ過をし、ろ過後の濁度の常時監視をしています。 簡易水道を上水道へ統合する事業により上水道からの水が供給されると、自己水と府営水の混合水が 供給されます。留意事項としては多くの配水池を経由して給水するため、残留塩素の確保と消毒副生 成物の抑制です。 3)飲料水供給事業 飲料水供給事業の水源は地下水で、pH 値が低いこと以外は良好です。苛性ソーダの注入により pH 値は水質基準値内です。 留意事項としては、pH 値です。 4. 検査地点、検査項目および検査頻度 上水道事業の水質基準項目の検査地点は全ての浄水場系統毎の給水および、浄水場の出口の水、 原水(井戸の混合水)とします。 簡易水道事業での水質基準項目の検査地点のうち、原水については、上水道への切り替えに伴い原水 の汲み上げを停止するまでの期間、給水については切り替え以後も検査をします。 飲料水供給事業については原水および給水の検査をします。 全ての検査地点での水質基準項目の検査頻度は、毎月行わなければならない項目の他に、浄水処理 で処理対象としている項目などを毎月検査とします。その他の項目については、季節変動を考慮し3ヶ月ご と年4回の検査とします。水源(個々の井戸)検査は、水源数の多い上水道事業で、各水源につき年1回 の検査とします。 水道水質基準項目は、平成26年度より水質基準として新たに亜硝酸態窒素が追加され、現在の50項 目から51項目となりました。 -5- 水道水質基準項目と基準値は別紙に示します。 また、水質管理目標設定項目の検査は、京都府水質検査計画に基づき、宇治浄水場の原水および給 水での検査を年1回行います。クリプトスポリジウムの対策として、原水の指標菌(芽胞菌)の検査を、急速ろ 過設備のある宇治浄水場、西小倉浄水場で3ヶ月ごと年4回、急速ろ過設備のない神明浄水場、奥広野浄 水場、開浄水場では毎月行います。 法令に基づく色および濁り、消毒の残留効果(残留塩素)の検査は配水系統毎に1日1回行います。 浄水場毎の毎月の定期検査の採水点を表3および別図2に示します。項目ごとの検査頻度は表4に示しま す。 表3 定期検査の採水点 水系 上 水源調査 水 道 事 原水 浄水 給水 業 宇治浄水場 6 1(着水) 1 1 神明浄水場 ― 1 1 1 奥広野浄水場 ― 1 1 1 西小倉浄水場 ― 1 1 1 開浄水場*4 ― 1 1 1 府営水受水分 ― ― 1(受水点) 4 府、自己水混合分 ― ― ― 2 合計 6 5 6 11 ― 1*5 ― 2 ― ―*6 ― 2 1 ― 1 簡 易 水 道 事 笠取第1浄水場 (笠取第1中継ポンプ場) 笠取第2中継ポンプ場 (笠取第2浄水場) 飲 料 水 供 給 池尾浄水場 業 事 ― 業 *4 開浄水場は休止予定 *5 笠取第1浄水場原水の検査は上水道へ切り替えするまでの期間(切り替え後は笠取第1中継 ポンプ場に変更) *6 笠取第2浄水場は笠取第2中継ポンプ場として上水道への切り替え完了。 -6- 表4 検査頻度、項目および理由 検査頻度 毎日 項目 残留塩素、色及び濁り 検査理由 毎日検査項目 一般細菌、大腸菌、硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素、塩化物イオン、 毎月項目 カルシウム・マグネシウム等(硬度)、pH値、色度、濁度、味、臭気、 毎月 有機物(全有機炭素(TOC)の量)、ナトリウム及びその化合物、鉄及びその 化合物、マンガン及びその化合物、フッ素及びその化合物、ジェオスミン *7 、 および、 浄 水工程管理 項目 2-メチルイソボルネオール*7 カドミウム及びその化合物、水銀及びその化合物、セレン及びその化合物、 鉛及びその化合物、ヒ素及びその化合物、六価クロム化合物、 シアン化物イオン及び塩化シアン、亜硝酸態窒素*8 、ホウ素及びその化合物、 四塩化炭素、1,4-ジオキサン、シス-1,2-ジクロロエチレン及びトランス-1,2-ジク 4回/年 ロロエチレン、ジクロロメタン、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン、ベンゼン、 水質基準に 塩素酸、クロロ酢酸、クロロホルム、ジクロロ酢酸、ジブロモクロロメタン、臭素酸、 基づく頻度 総トリハロ メタ ン、トリクロロ 酢酸、ブ ロ モジクロ ロメタ ン、ブ ロ モホルム、 ホ ルムア ルデヒ ド 、亜鉛 及びそ の 化合 物、 アルミ ニウ ム及 びそ の 化合物 、 銅及びその化合物、蒸発残留物、陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、 フェノール類 *7 夏季にカビ臭が発生しやすいため、河川水を原水とした水道水を含む給水系統を中心にジェオス ミン、 2-メチルイソボルネオールは、4月∼11月の間毎月検査します。 *8 平成26年度より基準項目に追加。 5. 水質検査方法 すべての検査は、「水質基準に関する省令の規定に基づき厚生労働大臣が定める方法」に基づき、行 います。 上水道事業では基本的に自己検査体制を整え、法律に基づく水質基準項目の検査を行います。 しかし、機器の整備による費用対効果の少ない項目(セレン及びその化合物、ヒ素及びその化合物、シア ン化物及び塩化シアン、ホウ素及びその化合物、陰イオン界面活性剤の5項目)については、外部機関へ の委託検査とします。京都府の水質管理 計画に基づく水質管理 目標設 定項目等とクリプトスポリジウム の指標菌、および、簡易水道事業、飲料水供給事業の水質検査は、委託による検査を行います。 委託検査の委託先は、水道法に基づき厚生労働大臣に登録をした検査機関とします。 -7- 6. 臨 時の水質検査 臨時の水質検査は、以下の事項が発生した場合に行い、水道水の安全性が確認されるまで行います。 1) 水源の水質が著しく悪化したとき。 2) 水源に異常があったとき。 3) 水源付近・給水区域およびその周辺等において消化器系伝染病が流行しているとき。 4) 浄水過程に異常があったとき。 5) 配水管の大規模な工事その他水道施設が著しく汚染された恐れがあるとき。 6) その他特に必要があると認められたとき。 7. 検査計画および結果の公表 検査計画および結果の公表は、宇治市ホームページの水管理センターのページにて行います。 また、 公表した内容についての質問は水管理センターで受け付けています。 本計画は、皆様のご意見を参考に毎年度見直し、より分かりやすい計画としていきます。 8. 検 査 結 果 の評 価 検査計画の評価は検査ごとに行い、基準値を超える可能性がある場合は直ちに原因を究明し、必要な 対策を講じます。また、検査の結果をもとに必要に応じて、検査計画を見直していきます。 9. 水 質 検 査 の精 度 と信 頼 性 保 証 水質検査施設としての、技術向上、検査精度の向上を図るために、厚生労働省やその他の機関が行う 外部精度管理に積極的に参加するとともに、内部での研修を行います。また、府や近隣市町と、水質情報 や検査方法に関する情報を交換し、相互に技術向上への努力を行います。 10. 関 連 機 関 との連 帯 水質に影響を及ぼすと考えられる事故が発生またはその恐れがある場合には、市の関連部署や京都府 と連帯して対処します。 -8-
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