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2000 年 6 月 30 日
円安にそなえよ
-----------------------------------------------------------------------日米欧の金融政策を見れば円安の進行は必至
今こそ資産を海外にも分散させるチャンスだ
-----------------------------------------------------------------------リチャード・ヴェルナー
5 月半ばまで、ユーロはドルと円の双方に対して記録的な安値をつけるかにみえた。ユー
ロの低迷によって円はそれなりに高値を維持するだろうと、多くのアナリストは予測して
いる。ドルに対しても、円安傾向は長く続かないというのが一致した意見だ。いずれ 1 ド
ル=100 円を再び突破するとの見方もある。
日本の個人投資家にとっては、円建て資産に専念し、海外投資を避けることが取るべき
戦略となる。これは円高を理由に、私が 1 年前から勧めてきた戦略だ。
しかし、状況は変わりつつある。私は 2 月以降、円はドルとユーロの両方に対して安値
に転じようとしている、と顧客に注意を促してきた。言い換えれば、最近の円安は一時的
なものではない。むしろ、為替市場は大きな転換期に差しかかっていると考えるべきだ。
円は半年以内に 1 ドル=120 円となり、場合によっては 1 ドル=140 円まで落ち込む可能
性もある。一方のユーロは、ドルにも円にも著しく値を上げるだろう。
ドルもユーロも供給減少へ
予測を変えた理由は何か。1 つには今年初め、FRB(米連邦準備理事会)と欧州中央銀行
(ECB)
、日銀の金融政策が劇的な転換を見せたことだ。
ECB は昨年 1 月の通貨統合以来、新通貨の成功を最優先課題としてきた。その意味する
ところは「強いユーロ」ではなく、強いヨーロッパ経済と失業率の低下を実現することだ
った。
そこで ECB は、ユーロを大量に供給した。この信用創造が功を奏し、ヨーロッパ経済は
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2000 年 6 月 30 日
1 年前のおおかたの予測に比べて 2 倍近い伸びを見せている。供給量が増えたため、ユーロ
は当然値を下げた。輸出が拡大したのだから、ECB としてはその程度の犠牲は覚悟のうえ
だった。
第 1 の目的を達成した今、ECB は第 2 段階に移ろうとしている。ユーロ高を誘導すべく、
通貨供給量を減らそうとしているのだ。その結果、ユーロは遠からずドルと円に対して上
昇するだろう。
日銀の行動は ECB から 1 年ほど遅れている。昨年は信用創造を減らして円高を誘導した
が、12 月以降は景気減速を懸念して円の供給量を増やしてきた。現在の供給ペースは、信
用創造が 25 年ぶりの高水準を記録した一昨年並みだ。
こうした供給量の激増が景気回復の追い風となり、今年度の成長率は 3%強と予想を上回
る伸びになりそうだ。株価も一段と上昇するだろう。
ただし、まったく予想外の動きを見せるのは円だろう。おおかたの予測は「強い経済=
強い通貨」という単純な理論に基づいている。その結果、景気回復が円高につながると期
待している。
しかし実際には、日銀の記録的な通貨供給ペースが続けば、さらに円安が進むのは確実
だ。ECB が信用創造を減らしているだけに、なおさらである。
FRB の動きも円安に拍車をかけそうだ。昨年 12 月までは 2000 年問題への懸念から通貨
供給量を増やし、金融市場を資金であふれさせたが、今では通貨供給量を大幅に減らして
いる。供給量がさらに減れば、ドル高が進むだろう。
ねらい目はヨーロッパ株投信
FRB と日銀の政策は円安をもたらすものであり、相乗効果は劇的なものになる可能性が
ある。円安が進めば、日本の投資家が影響を受けるのは明らかだ。
この 2 年間、私は投資家に、資金の大部分を日本にとどめるよう勧めてきた。日本経済
の回復は日本の株式市場の回復につながると、今も感じている。
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2000 年 6 月 30 日
それでも今は、資金の一部を海外に移して保有資産を分散させるチャンスだ。最も単純
で安全なのは、銀行預金や郵便貯金の一部をドル建てもしくはユーロ建ての銀行預金に移
し替える方法だろう。どちらも円建てよりはるかに利率が高いし、円安による為替差益も
期待できる。
さらに債券投資や株式投資の一部を分散したいというのなら、ヨーロッパの株式投信が
お勧めかもしれない。ヨーロッパ経済は当面、回復基調にある。アメリカの株が現在の水
準を大きく下回ることはなさそうだが、ヨーロッパの株よりリスクが大きいのは明白だ。
アメリカの強気相場は、もう 10 年も続いている。ヨーロッパにブームが来るのはこれか
らだ。
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2000年 6月 30日
アジア投資のチャンスが訪れた
通貨統合の進展を先取りすべき
3 年前のアジア金融危機を契機に、アジア全域で通貨統合への関心が高まっている。だ
が「アジア単一通貨」は、まだ遠いものと受け止められているようだ。
とはいえ、そうした流れを無視するのは誤りだ。完全な通貨統合には 10 年かかろうと、
何らかの取り決めは 5 年もあればできる。となれば、個人投資家もその意味を考えはじ
めていいはずだ。
それでも疑うのなら、ユーロをみればいい。ほんの 5 年前まで、実現などしないという
見方が大勢を占めていた。
さらに 2005 年には、南北アメリカにまたがる自由貿易地域が現実化する。中南米諸国
はすでに自国通貨を米ドルに連動させており、公式にドルを使用している国さえある。
貿易障壁が消えれば、単一通貨誕生の可能性も開ける。
そうなると、アジアは孤立することになる。アジア諸国の指導者が統合の必要性を訴え
ているのも当然のことだ。
昨年 5 月には、香港金融管理局の任志剛(ジョセフ・ヤム)総裁が、アジアは通貨統合
への取り組みを始めるべきだと発言。マレーシアのマハティール・モハマド首相は、ア
ジアの経済・通貨圏の実現を繰り返し訴えてきた。中国の朱鎔基(チュー・ロンチー)
首相も、この構想に関心を示している。
日本は、アジア諸国の第 2 次大戦の記憶への配慮から、慎重な姿勢を崩していない。だ
が、アジア金融危機で米政府とIMF(国際通貨基金)の対応に失望した各国政府は、
日本がより大きな役割を担うことを求めている。
すでに円は基軸通貨になった
日本銀行は、非公式な意見交換の場である「東アジア・オセアニア中央銀行役員会議」
を通じて、各国の中央銀行と密接なつながりを築いてきた。大蔵省もアジア通貨基金の
設立を唱導している。
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2000年 6月 30日
なんらかの形による「アジア通貨体制」は、金融危機以前のドルペッグ制よりも明らか
に合理的だ。かねてから、アジアでは域内貿易が対欧米貿易を上回っていた。その大半
は対日貿易だったが、取引が米ドル建てだったため、円ドル相場が動くたびに域内の緊
張が高まった。
アジア金融危機がドルペッグ制に終止符を打った。いま各国の中央銀行は、貿易相手国
の通貨とのリンクを強めている。金融危機以降、貿易高に応じた為替管理策が導入され
たことは、円がアジアの基軸通貨になったことにほかならない。
こうした動きに、個人投資家はどう対応すればいいのか。欧州の教訓は、通貨統合の
実現まで待っていては遅い、ということだ。プロの投資家は、ユーロ導入前の五年間に
大儲けしたのだから。
最も儲けたのは、金利の高い国の国債を買っておいた投資家だった。 通貨統合が行わ
れることになれば、金利は域内で最も信用がある国の水準に収れんしていく。つまり、
金利は下がる。金利が下がれば債券は値上がりし、投資家は高い利子に加えて売却益も
手にできる。もう一つの成功手法は、通貨統合に続く買収合戦に勝ち残る可能性の高い
大企業の株式への投資だった。
金利の高い国の国債を買う
こうした教訓を、アジアにどう当てはめればいいのか。今は円高の傾向にあるが、私は
先行き円安に振れるとみている。となると、今から高金利・低リスクの国債に投資を始
めるのが得策だろう。将来の統合を見据えて、韓国や台湾、マレーシア、シンガポール、
オーストラリア、ニュージーランドなどの国債を買っていくのだ。
アジア諸国(日本も含む)の金利は今が底だ。短期の投資家は、金利上昇の最初の波が
収まるまで投資を控えたいところだろう(うまくいけば 9 カ月から 1 年)。それでも、
日本の国債からアジア諸国の国債に乗り換える場合は問題ない。
それと同時に、アジア域内の統合で恩恵を受ける企業の株にも注目したい。手っ取り早
いのは、アジア企業を対象にした優良な投資信託、それも 10 年後のアジア経済統合に
よるメリットを見通したものが理想的だ。
通貨統合への動きが広がりはじめれば、そうしたファンドも増えてくるはずだ。
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2000 年 6 月 30 日
MACRO CHART BOOK
為
替
円/ドル:
日銀は 5 月、リクイディティ注入を急激に減らした。これにより我々が予測していた円安
の時期が繰り越された。より確実な予測を出すの 6 月の全体的な結果を見てからだが、6
月を通して今のところ日銀のリクイディティは再度急上昇している。ゆえに、我々は円安
の予測を変えるつもりはない。1 ドル 104 円から 105 円ほどが望ましいところである。
マルク/ドル:
ユーロはドルに対して上昇し始めた。この傾向は次四半期を通して続くだろう。
円/マルク:
ユーロは円に対しても底を打った。我々は次四半期を通して 15%の上昇を見込んでいる。
BoJ & Fed Leading Liquidity Indices
Index
Index
240
Fed-BoJ Relative Liquidity and Yen/US$ Rate
Index
120
120
90
70
YoY (%)
-45
210
-35
180
150
-25
Fed LLI (R)
120
60
-15
20
-5
90
60
30
-30
0
-80
5
30
15
Yen/US$ (R)
0
25
BoJ LLI (L)
-30
-60
-30
89
90
91
92
93
94
95
96
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US-Germany Leading Liquidity Index and DM/$ Rate
Index
00
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35
US-Japan LLI (L)
-130
Germany-Japan Leading Liquidity Index and Yen/DM Rate
YoY%
-40
150
YoY%
Index
250
US-GMLLI (L)
100
-30
-20
50
-40
Yen/DM (R)
200
-30
150
-20
100
-10
0
0
-10
50
0
0
10
-50
-50
10
-100
20
DM/$ rate(R)
20
-100
30
-150
GM-Japan LLI (L)
-200
30
-150
86
87
88
89
90
91
92
93
94
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日
2000 年 6 月 30 日
本
•
日銀の債券買いは 3 月の前年同月比 68.7%、4 月の 63.4%の驚異的な伸びから一転して 31.2%増にと
どまった。
•
4 月の日銀の CP 買いは前年同月比-11.1%に下落したが、5 月は 7.4%と回復を見せた。
•
全体として我々の先行リクイディティ指数 (LLI) で計られる日銀のリクイディティは 3 月の 131、4 月
の 79.6 の後減速し、5 月は 22.8 となった。
•
長銀と地銀のいくつかのデータの発表の遅れにより、00 年度第 1 四半期の実体経済リクイディティ指
数(RCLI)を算出するためのいくつかの大事な要素が入手できない。しかし、右下の速報値のグラフ
からは、更なる上昇が見込まれる。
BoJ Bond Purchases
BoJ CP Purchases
YoY (%)
80
175
70
150
60
125
50
100
40
75
30
50
20
25
10
0
0
-25
-10
-50
-75
-20
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Japan LLI
RCLI and Nominal GDP
Index
YoY (%)
250
10
200
Nominal GDP
8
150
6
100
RCLI
4
50
2
0
0
-50
-2
-100
-4
73
75
77
79
81
83
85
87
89
91
93
95
97
99
84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00
GDP Latest: Q1 2000
RCLI Latest: Q1 2000 (provisional)
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日
•
2000 年 6 月 30 日
本
RCLI の加速度(左上のグラフ)によると、00 年第 3 四半期の大幅な調整の後、それを上回る大幅か
つ長期的な回復が期待される。00 年第 4 四半期以降は株式市場は非常に好調となるだろう。
•
製造業への貸し出しはここ 3 年の間に著しく回復した。
貸出は 99 年第 4 四半期は一時的に下落したが、
00 年第 1 四半期の前年同月比には 1.0%上昇した。
•
通産省の第三次産業活動指数は若干後退し前年同月比 2.0%となった(2 月は 5.3%、3 月は 2.7%)
。
電話通信料は 3 月、前年同月比 1%と伸び悩んだが、パニックに陥ることはない。ドコモの i-モード
のサービス提供上のトラブル等が原因であると考えられる。
Loans and Discounts Outstanding by Industry
(Manufacturing)
RCLI 2D and Nikkei
Index
YoY%
9
75
YoY (%)
10
50
6
Nikkei (R)
25
3
0
0
-25
-3
8
6
4
2
0
-2
RCLI 2D (L)
-50
-6
-9
-75
-4
-6
-8
84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99
Nikkei Latest: Q2 2000
RCLI2D Latest: Q1 2000 (provisional)
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Latest: Q1 2000
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Telephone Expenditure
Indices of Tertiary Industry Activity
YoY (%)
YoY (%)
15
25
20
10
15
10
5
5
0
0
-5
-5
-10
-10
-15
89
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Latest: March 2000
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日
2000 年 6 月 30 日
本
•
工作機械受注の内需は 4 月は前年同月比 47.5%、5 月は 55.3%と急上昇した。鉱工業生産指数は 4 月
は前年同月比 6.3%、5 月は 7.5%上昇し、6 月、7 月の予測値は順に 6.5%、6.2%である。稼働率指数
の季節調整値は 3 月の 99.8 から 98.1 に下落した。
•
中小企業の業況判断指数の予測値によると、6 月は引き続き上昇する。
Inventory Shipment Ratio and Industrial Production
Machine Tool Orders
YoY%
YoY ( %)
YoY ( %)
-15
80
15
Inventory Shipment Ratio (R)
Total
60
-10
10
40
-5
5
0
0
5
-5
20
0
10
-20
Domestic Demand
-40
-60
-10
Industrial Production (L)
15
-15
20
-20
25
90
91
92
93
94
95
96
97
98
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-25
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Latest: May 2000
Inventory Latest: April 2000
Production Latest: June 2000 (provisional)
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Shoko Chukin Small Firm Business Conditions Index
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Operating Rate (s.a.)
Index
Index
60
120
115
55
110
50
105
100
45
95
40
90
85
35
85
86
87
88
89
90
91
92
93
94
95
96
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84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00
Latest:June 2000 (forecast)
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Latest: April 2000
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2000 年 6 月 30 日
アメリカ
•
連銀のリクイディティはここ数年で言ういわゆる‘通常の’レベルに戻り、4 月は 44.9、5 月は 40.9
であった。さらに定義の広い RCLI は 4 月の前年同月比 9.2%をさらに上回り 9.5%となった。
•
金融業への貸出は 4 月の前年同月比 16.4%に続き 5 月は 13.3%の伸びとなった。不動産業への貸出も
4 月の前年同月比 14%、5 月の 14.7%と引き続き驚異的な伸びを続けている。その伸び率はここ 10 年
間で最高である。どうりで、住宅金融の申し込みと不動産取引が急上昇しているわけである。5 月の
製造業と消費者への貸出は順に 10.7%、3.8%と伸びており 4 月の 8.3%、2.5%を上回っている。
Fed Leading Liquidity Index
US Real Circulation Liquidity Index
YoY (%)
Index
16
80
14
12
60
10
8
40
6
4
20
2
0
0
75
84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00
77
79
81
83
85
87
89
91
93
95
YoY(%)
99
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US Loan Growth
US Loan Growth
Consumption and Manufacturing
Real Estate and Finance Industry
25
YoY (%)
YoY (%)
25
80
20
Real Estate (R)
20
60
15
15
40
10
10
20
5
5
0
0
0
-20
-5
-5
Finance Industry (L)
-40
Manufacturing
-10
Consumption
-15
-60
-10
74
76
78
80
82
84
86
88
90
92
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76
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2000 年 6 月 30 日
用語解説
信用面からのアプローチ:
ネットベースでの新規需用創造のみが、ネットベースでの新しい経済
活動を生み出す。もっぱら中央銀行と金融システムによってのみ創造
されるこの過程を「信用創造」と呼ぶ。弊社では信用創造の結果を「リク
イディティ」と呼んでいる。信用創造を注意深くモニターすることが、
経済活動すなわち景気循環、金融市場の予測に最も有効な方法である。
経済および株式市場の循環における広義の信用創造分析のリードタイ
ムは約 9~15 ヶ月ある。通常 1 年。ある程度長期的な視野で戦略的に
分散投資を判断する場合に、信用面やリクイディティ面からのアプロ
ーチを奨めるのはそのためである。為替レートについては、二国間の
中央銀行(LLI 参照)のネット信用創造によって予測できる。リードタイ
ムは株式に比べかなり短く、約 1~8 ヶ月(通常 4 ヶ月)であるため、短
期的な判断に適している。
信用創造:
無から新しい需要を創造する過程のこと。中央銀行と商業銀行(中央銀
行の取引銀行)だけが信用創造することが出来る。
LLI:
先行リクイディティ指数。(Leading Liquidity Index) 中央銀行のネット
信用創造をはかる、プロフィット・リサーチ・センター独自の指標。
この指数は、中央銀行の1ヶ月間の取引を合計して出す方法がベスト。
相対 LLI:
二国間の LLI の差。各為替レートの予測に使う。
銀行貸出:
民間銀行の信用創造で最も大きな部分を占めるので、通常は信用創造
全体でも最大の構成部分である。
広義のリクイディティ:
銀行貸出と中央銀行の信用創造の総計。
民間リクイディティ:
民間銀行の信用創造および民間金融部門の信用創造。
RCLI:
実体経済リクイディティ指数。(Real Circulation Liquidity Index)日本と米
国用に開発した指数。中央銀行と民間銀行の信用創造の総計で、国内
総生産(GDP)を基にした(「実体経済」ベースの)経済活動分析に利用する。
名目 GDP の予測に用いる。
RCLI 2D
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RCLI の増加率。株式市場の予測に用いる。
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