ルータの設置準備 - Cisco

C H A P T E R
2
ルータの設置準備
この章では、Cisco 3700 シリーズ ルータの設置場所の条件および設置に必要な機器について説明し
ます。この章の内容は、次のとおりです。
•
安全に関する推奨事項(p.2-2)
•
設置環境の条件(p.2-4)
•
設置チェックリスト(p.2-6)
•
サイト ログの作成(p.2-7)
•
ルータの梱包内容の確認(p.2-8)
•
設置および保守作業に必要な工具および機器(p.2-9)
•
コンソール ポートおよび AUX ポートに関する考慮事項(p.2-10)
•
ネットワーク接続の準備(p.2-11)
この章の記載事項をすべて読んでから、設置手順が記載されている第 3 章「ルータの設置」に進ん
でください。
Cisco 3700 シリーズ ルータ ハードウェア インストレーション ガイド
OL-2180-07-J
2-1
第2章
ルータの設置準備
安全に関する推奨事項
安全に関する推奨事項
安全を確保するために、次の注意事項に従ってください。
•
設置作業中および作業後は、常にシャーシ付近を埃のない清潔な状態にしておいてください。
•
取り外したシャーシ カバーは、安全な場所に保管してください。
•
工具やシャーシ部品は通行の妨げにならない場所に置いてください。
•
シャーシにひっかかるような衣服は着用しないでください。ネクタイやスカーフはしっかり留
め、袖はまくりあげてください。
•
目を痛める恐れがある状況で作業を行う場合は、保護眼鏡を着用してください。
•
人体や装置に危険を併う行為や作業は行わないでください。
電気機器の安全な取り扱い
電気製品を扱うときには、次の注意事項に従ってください。
警告
設置手順を読み終えてから、システムを電源に接続してください。
•
室内の緊急電源遮断スイッチの場所を確認しておいてください。電気的な事故が発生した場合
は、ただちに電源を切ってください。
•
次の作業を行うときは、事前にすべての電源を切ってください。
− シャーシの取り付けまたは取り外し
− 電源装置付近での作業
•
床が濡れていないか、アースされていない電源延長コードや保護アースの不備などがないかど
うか、作業場所の安全を十分に確認してください。
•
危険を伴う作業は、1 人で行わないでください。
•
回路の電源が切ってあると思い込まないで、必ず確認してください。
•
電気事故が発生した場合には、次の手順に従ってください。
− 負傷しないように注意してください。
− 装置の電源を切ってください。
− 可能であれば、医療援助を求めるために誰か別の人を呼んでもらうようにしてください。
それができない場合は、負傷者の状態を見極めてから救援を要請してください。
− 負傷者に人工呼吸または心臓マッサージが必要かどうかを判断し、適切な処置を施してく
ださい。
さらに、電源から切断されていても、電話回線またはネットワーク配線に接続されている装置を取
り扱う場合には、次の注意事項に従ってください。
•
雷が発生しているときには、電話線の接続を行わないでください。
•
防水設計されていない電話ジャックは、湿気の多い場所に取り付けないでください。
•
電話回線がネットワーク インターフェイスから切り離されている場合以外、絶縁されていない
電話ケーブルや端子には、手を触れないでください。
•
電話回線の設置または変更は、十分注意して行ってください。
Cisco 3700 シリーズ ルータ ハードウェア インストレーション ガイド
2-2
OL-2180-07-J
第2章
ルータの設置準備
安全に関する推奨事項
静電破壊の防止
ESD(静電気放電)により、装置や電子回路が損傷を受けることがあります(静電破壊)。静電破
壊は電子部品の取り扱いが不適切な場合に発生し、故障または間欠的な障害をもたらします。モ
ジュールの取り付けおよび取り外しを行うときは、静電破壊を防止するため、次の注意事項に従っ
てください。
注意
•
ルータのシャーシがアースに接続されていることを確認してください。
•
静電気防止用リスト ストラップを肌に密着させて着用してください。クリップをシャーシ フ
レームの塗装されていない面に取り付けて、不要な静電気を安全にアースに放電します。静電
破壊や感電を防止するには、リストストラップとコードを正しく取り付ける必要があります。
•
リスト ストラップを利用できない場合は、シャーシの金属部分に触れて体内の静電気を放電し
てください。
安全を守るために、静電気防止用ストラップの抵抗値を定期的にチェックしてください。抵抗値は
1 ∼ 10 Mohm でなければなりません。
Cisco 3700 シリーズ ルータ ハードウェア インストレーション ガイド
OL-2180-07-J
2-3
第2章
ルータの設置準備
設置環境の条件
設置環境の条件
ここでは、ルータを正しく設置し、運用するために必要な設置場所の条件について説明します。設
置作業を始める前に、設置場所の条件が満たされているかを確認してください。既存の装置が
シャットダウンしたり、エラーの発生頻度が極端に多い場合には、ここで説明する設置場所の要件
を確認することによって、問題の原因を突き止め、今後の問題の発生を防止するために役立ちます。
電源装置の考慮事項
設置場所の電源を調べ、「クリーン」な電力(スパイクやノイズのない電力)が供給されているか
確認してください。必要に応じて、電力調整器を取り付けてください。
警告
この装置は、TN および IT 電源システムに接続することを前提に設計されています。
AC 電源装置には、次の機能があります。
•
110 V または 220 V 動作の自動選択
•
すべての装置に 6 フィート(1.8 m)の電源コードを付属(電源コードのそばにあるラベルに、
装置の有効電圧、周波数、引き込み電流、および消費電力を記載)
表 2-1 に、Cisco 3700 シリーズ ルータの電力要件を示します。
表 2-1
Cisco 3700 シリーズ ルータの電力要件
ルータ
電源装置
入力電源
入力電圧の許容限度
Cisco 3725
AC
100 ∼ 240 VAC、10.0 A、50 ∼ 60 Hz
85 ∼ 264 VAC
DC、24/48 VDC(公称) 24 ∼ 36 VDC、9 A、プラスまたはマイナス入 18 ∼ 72 VDC
力、シングルまたはデュアル供給電源
36 ∼ 60 VDC、4 A、プラスまたはマイナス入
力、シングルまたはデュアル供給電源
Cisco 3745
AC
100 ∼ 240 VAC、10.0 A、50 ∼ 60 Hz
85 ∼ 264 VAC
DC、24/48 VDC(公称) 24 ∼ 36 VDC、15 A、プラスまたはマイナス入力 18 ∼ 72 VDC
36 ∼ 60 VDC、7 A、プラスまたはマイナス入力
DC、48 VDC(公称)
48 ∼ 60 VDC、10 A、プラスまたはマイナス入力 38 ∼ 72 VDC
設置環境
Cisco 3700 シリーズ ルータは、卓上またはラックに設置できます。正常に稼働させるには、ルータ
の設置場所および装置ラックまたは配線室のレイアウトがきわめて重要になります。装置を隣接し
て設置すると、換気が不十分になるだけではなく、パネル上の作業が困難になるので、誤動作や
シャットダウンの原因となり、保守作業が困難になります。ルータは、前面パネルおよび背面パネ
ルの作業が容易にできるように設置してください。
設置場所のレイアウトや装置の配置を決めるときは、機器の故障および設置環境によるシャットダ
ウンを防止するために、
「設置場所の構成」に記載されている注意事項に従ってください。また、現
時点で既存装置がシャットダウンしたり、エラーが頻繁に発生する場合も、これらの注意事項を参
考にして問題の原因を突き止め、今後の障害を予防してください。
Cisco 3700 シリーズ ルータ ハードウェア インストレーション ガイド
2-4
OL-2180-07-J
第2章
ルータの設置準備
設置環境の条件
設置場所の構成
ルータの動作環境を適切にし、環境条件による機器の障害を防止するために、次の注意事項に従っ
てください。
•
ルータを設置する室内が十分に換気されているか確認してください。電気機器は放熱します。
十分に換気されていない場合、室内の温度が上がって機器が冷却されなくなり、動作温度を保
持できないことがあります。
•
また、機器の損傷を防止するために、
「静電破壊の防止」
(p.2-3)に記載されている注意事項に
従ってください。静電破壊は、装置の故障または間欠的な障害の原因になります。
•
シャーシ カバー、メインボード トレイ、およびモジュール背面パネルが固定されているか確
認してください。未使用のネットワーク モジュール スロット、インターフェイス カード ス
ロット、電源装置ベイにはフィラー パネルを取り付ける必要があります。シャーシは、特殊設
計の冷却スロットを通して、内部に冷気が送り込まれるように設計されています。フィラー パ
ネルを取り付けていない空スロットがあると、空気が漏れ、シャーシ内部のコンポーネントに
冷気が十分に行き渡りません。
装置ラック
Cisco 3700 シリーズ ルータには、19 インチ ラック用のブラケット、および(発注時に指定した場
合は)23 インチ ラック用オプションの大型ブラケットが付属しています。
装置ラックの配置を検討するときは、次の情報を参考にしてください。
•
保守作業を容易に行うことができるように、ラック周辺の空間にはゆとりを持たせてくださ
い。
•
密閉型ラックには、十分な換気措置が必要です。ルータは放熱するので、ラックに多数の装置
を設置することは避けてください。密閉型ラックには、冷気を送り込めるように、ルーバー型
の側板とファンを取り付ける必要があります。ラックの下部に取り付けられた装置から放出さ
れる熱気が、上側の装置の吸気口に入り込むことがあります。
•
開放型ラックにシャーシを設置するときは、ラック フレームによって吸気口または排気口が妨
害されないように注意してください。シャーシをスライド方式で取り付けるときは、シャーシ
の固定位置を確認してください。
•
排気と吸気を分断するにはバッフルを使用すると効果的です。また、シャーシ内部に冷気を供
給するのに役立ちます。バッフルの最適な配置は、ラックの通気パターンによって異なります。
ラック構成を変えて、最適な配置を見つけてください。
•
ラック(特に密閉型ラック)に設置した装置で障害が起きた場合は、できるだけ、その装置を
単独で稼働させてください。ラック(および隣接ラック)内の他の装置はすべて電源を切断し、
最大限の冷気とクリーンな電力が提供される状態で障害ルータのテストを行います。
Cisco 3700 シリーズ ルータ ハードウェア インストレーション ガイド
OL-2180-07-J
2-5
第2章
ルータの設置準備
設置チェックリスト
設置チェックリスト
ここでは、新しいルータの設置作業に関する設置チェックリストの例を示します。このチェックリ
ストをコピーして、各作業の完了を確認してください。各ルータのチェックリストのコピーは、サ
イト ログに添付してください(「サイト ログの作成」を参照)
。
設置チェックリスト:設置場所 _____________________________________________
ルータ名 _______________________________________________________
作業
確認者
日付
設置チェックリストのコピー
サイト ログへの背景情報の記入
設置場所の電圧確認
設置場所の電力チェック
必要な工具の確認
追加機器の確認
ルータの受領
「ルータ クイック スタート ガイド」の受領
『Cisco 2600 Series, Cisco 3600 Series, and Cisco 3700 Series
Regulatory Compliance and Safety Information』の受領
製品登録カードの受領
Cisco.com 連絡先情報が記載されたラベルの受領
シャーシ コンポーネントの確認
初期電気接続の完了
ASCII 端末(ローカル コンフィギュレーション)またはモ
デム(リモート コンフィギュレーション)の接続
信号距離制限の確認
起動シーケンスの確認
初期動作の確認
ソフトウェア イメージの確認
Cisco 3700 シリーズ ルータ ハードウェア インストレーション ガイド
2-6
OL-2180-07-J
第2章
ルータの設置準備
サイト ログの作成
サイト ログの作成
サイト ログには、ルータに関するすべての作業を記録します。ルータの作業者全員がすぐに参照で
きるように、サイト ログはシャーシのそばに保管してください。ルータのインストレーションおよ
びメンテナンス作業の確認には、インストレーション チェックリストを使用してください。サイト
ログには、次のような内容を記録します。
•
インストレーションの進行状況 ― インストレーション チェックリストのコピーをサイト ログ
に添付します。各作業の完了時に確認者が記入します。
•
アップグレードおよびメンテナンス作業 ― サイト ログに、ルータのメンテナンスおよび拡張
履歴を記入します。次のような項目を作成しておきます。
− ネットワーク モジュールの搭載
− ネットワーク モジュールの取り外し、交換、およびアップグレード
− コンフィギュレーションの変更
− メンテナンスのスケジュールおよび要件
− 行ったメンテナンス作業の内容
− 間欠的に発生する問題
− コメントおよび付記
Cisco 3700 シリーズ ルータ ハードウェア インストレーション ガイド
OL-2180-07-J
2-7
第2章
ルータの設置準備
ルータの梱包内容の確認
ルータの梱包内容の確認
設置準備が完了するまでは、ルータを開梱しないでください。最終的な設置場所の準備が整うまで
に時間がかかるときは、損傷を防止するために、シャーシを梱包した状態で保管しておいてくださ
い。ルータを設置する準備が完了してから、開梱します。
ルータ、ケーブル、マニュアル類、およびオプションで発注した機器は、複数の梱包パッケージで
出荷されることがあります。開梱したら、梱包リストを参照し、次のものがすべて揃っているか確
認してください。
•
ルータ
•
6 フィート(1.8 m)電源コード
•
ラックマウント ブラケット
•
アース端子
•
ケーブル ガイド(Cisco 3725 ルータ用)
•
RJ-45/DB-9 アダプタ ケーブル
•
RJ-45/DB-25 アダプタ ケーブル
•
オプションの付属品(ネットワーク接続ケーブル、追加のラックマウント ブラケットなど)
• 『Cisco 3725 Router Quick Start Guide』(該当する場合)
• 『Cisco 3745 Router Quick Start Guide』(該当する場合)
• 『Cisco 2600 Series, Cisco 3600 Series, and Cisco 3700 Series Regulatory Compliance and Safety
Information』
すべての部品について、配送による損傷がないか確認します。損傷が見つかった場合、またはルー
タの設置や設定に問題がある場合には、製品を購入した代理店に連絡してください。保証、サービ
ス、およびサポート情報は、ルータに付属の「クイック スタート ガイド」を参照してください。
Cisco 3700 シリーズ ルータ ハードウェア インストレーション ガイド
2-8
OL-2180-07-J
第2章
ルータの設置準備
設置および保守作業に必要な工具および機器
設置および保守作業に必要な工具および機器
ルータおよびコンポーネントの取り付けやアップグレードには、次の工具および機器が必要です。
•
静電気防止用リスト ストラップ
•
No.2 プラス ドライバ
•
マイナス ドライバ:小型 3/16 インチ(0.476 cm)および中型 1/4 インチ(0.625 cm)
− モジュールの取り付け、取り外し用
− メモリまたは他のコンポーネントのアップグレード時、カバーまたはメインボード トレイ
の取り外し用
•
ラックに適合するネジ
•
ワイヤ圧着工具
•
ルータ シャーシをアース接続するための AWG 6(13 mm2)ワイヤ
さらに、使用するモジュールのタイプに応じて、ポートを外部ネットワークに接続するため、次の
機器が必要になることがあります。
•
WAN ポートおよび LAN ポートへの接続ケーブル(構成により異なる)
(注) ケーブル仕様の詳細は、ルータに付属の Documentation CD-ROM および Cisco.com で提
供されているオンライン資料『Cisco Modular Access Router Cable Specifications』を参照
してください。
•
イーサネット(LAN)ポートに接続するためのイーサネット ハブまたはネットワーク インター
フェイス カード搭載 PC
•
コンソール端末(ASCII 端末または端末エミュレーション ソフトウェアが稼働している PC)、
9600 ボー、8 データ ビット、パリティなし、2 ストップ ビットに設定
•
リモート管理アクセス時に必要になる AUX ポートへの接続モデム(任意)
•
ルータに搭載されたすべてのトークンリング インターフェイス対応のトークンリング Media
Attachment Unit(MAU; メディア接続ユニット)
•
シリアル インターフェイス対応の DSU(データ サービス ユニット)または CSU/DSU(チャ
ネル サービス ユニット / データ サービス ユニット)
•
CSU を内蔵していないすべての CT1/PRI モジュール対応の外部 CSU
•
ISDN BRI S/Tインターフェイス対応のNT1装置
(サービス プロバイダーが提供していない場合)
Cisco 3700 シリーズ ルータ ハードウェア インストレーション ガイド
OL-2180-07-J
2-9
第2章
ルータの設置準備
コンソール ポートおよび AUX ポートに関する考慮事項
コンソール ポートおよび AUX ポートに関する考慮事項
ルータには、非同期シリアル コンソール ポートと AUX ポートが備わっています。コンソール ポー
トおよび AUX ポートを介することによって、コンソール ポートに接続したコンソール端末を使用
してルータにローカル アクセスする、または AUX ポートに接続したモデムを使用してリモート ア
クセスできます。ここでは、コンソール端末またはモデムにルータを接続する前に考慮する必要の
ある、ケーブル接続の重要事項について説明します。
コンソール ポートと AUX ポートの大きな相違は、
AUX ポートがハードウェア フロー制御をサポー
トするのに対し、コンソール ポートはサポートしないということです。フロー制御は、送信側装置
と受信側装置間のデータ転送を同期させます。フロー制御により、送信側装置が次のデータを送信
する前に、受信側装置で確実に送信データを吸収できます。受信側装置のバッファがいっぱいにな
ると、バッファ内データが処理されるまで次のデータを送信しないように、送信側装置にメッセー
ジが送られます。AUX ポートはフロー制御をサポートしているので、高速モデム転送に最適です。
コンソール端末はモデムよりデータ送信速度が遅いので、コンソール端末にはコンソール ポートが
適しています。
コンソール ポートの接続
ルータには、EIA/TIA-232 非同期シリアル コンソール ポート(RJ-45)が備わっています。このポー
トは使用するケーブルとアダプタに応じて、ケーブルの終端で Data Terminal Equipment(DTE; デー
タ端末装置)または Data Communication Equipment(DCE; データ通信装置)として認識されます。
端末エミュレーション ソフトウェアが稼働している PC に接続する場合に備えて、ルータには
RJ-45/DB-9 アダプタ ケーブルが付属しています。
ASCII 端末にルータを接続する場合は、RJ-45 ロールオーバー ケーブルと RJ-45/DB-25 メス アダプ
タ(付属品ではない)を使用します。
コンソール ポートのデフォルト パラメータは、9600 ボー、8 データ ビット、パリティなし、2 ス
トップ ビットです。コンソール ポートは、ハードウェア フロー制御をサポートしません。コンソー
ル端末のインストレーションの詳細については、
「コンソール端末またはモデムとの接続」
(p.3-21)
を参照してください。
ケーブルおよびポートのピン割り当てについては、オンライン資料『Cisco Modular Access Router
Cable Specifications』を参照してください。この資料は、ルータに付属の Documentation CD-ROM お
よび Cisco.com で提供されています。
AUX ポートの接続
ルータには、フロー制御をサポートする EIA/TIA-232 非同期シリアル AUX ポート(RJ-45)が備
わっています。このポートは使用するケーブルとアダプタに応じて、ケーブルの終端で DTE また
は DCE 装置として認識されます。
モデム接続用として、ルータには RJ-45/DB-25 アダプタ ケーブルが付属しています。
AUX ポートへの装置接続の詳細については、
「コンソール端末またはモデムとの接続」
(p.3-21)を
参照してください。
ケーブルおよびポートのピン割り当てについては、オンライン資料または Documentation CD-ROM
の『Cisco Modular Access Router Cable Specifications』を参照してください。
Cisco 3700 シリーズ ルータ ハードウェア インストレーション ガイド
2-10
OL-2180-07-J
第2章
ルータの設置準備
ネットワーク接続の準備
ネットワーク接続の準備
ルータを設定する際は、距離制限および各国の法律および国際規定で定められている EMI(電磁波
干渉)を考慮してください。
ネットワーク接続の考慮事項は、ネットワーク インターフェイスのタイプによって異なります。こ
こではタイプ別の考慮事項について説明します。
•
イーサネット接続(p.2-11)
•
トークンリング接続(p.2-12)
•
シリアル接続(p.2-12)
•
ISDN BRI 接続(p.2-14)
•
56 K/ スイッチド 56 kbps DSU/CSU 接続(p.2-15)
ネットワーク接続およびインターフェイスの詳細については、次のオンライン マニュアルを参照し
てください。
• 『Cisco Network Modules Hardware Installation Guide』
• 『Cisco Interface Cards Installation Guide』
• 『Cisco Modular Access Router Cable Specifications』
警告
感電事故を防ぐため、Safety Extra-Low Voltage(SELV; 安全特別低電圧)回路を Telephone Network
Voltage(TNV; 電話網電圧)回路に接続しないでください。LAN ポートには SELV 回路があり、
WAN ポートには TNV 回路があります。一部の LAN ポートと WAN ポートは、どちらも RJ-45 コ
ネクタを使用します。
イーサネット接続
IEEE はイーサネットを標準規格 IEEE 802.3 として定義しています。最も代表的なイーサネット実
装方式は、次のとおりです。
•
100BASE-T ― 2 ペア カテゴリ 5 または Unshielded Twisted-Pair(UTP; シールドなしツイストペ
ア)ストレート RJ-45 ケーブル。
•
10BASE-2 ― Thin 同軸ケーブルのイーサネット、別名 Thin イーサネット。最大セグメント距離
は 607 フィート(186 m)。
•
10BASE-5 ― Thick 同軸ケーブルのイーサネット、別名 Thick イーサネット。最大セグメント距
離は 1,640 フィート(500 m)
。
•
10BASE-T ― UTP ケーブルのイーサネット。最大セグメント距離は 328 フィート(100 m)
。UTP
ケーブルは通常の電話線と同じように見えますが、電話線が満たしていない特定の電気規格を
満たしています。
イーサネット ケーブル、コネクタ、およびピン割り当てについては、オンライン資料の『Cisco
Modular Access Router Cable Specifications』を参照してください。この資料は、オンラインおよび
Cisco Documentation CD-ROM で利用できます。
Cisco 3700 シリーズ ルータ ハードウェア インストレーション ガイド
OL-2180-07-J
2-11
第2章
ルータの設置準備
ネットワーク接続の準備
トークンリング接続
IEEE はトークンリングを標準規格 IEEE 802.5 として定義しています。仕様において、UTP ケーブ
ル接続の最大セグメント距離は 328 フィート(100 m)と規定されています。
(注)
ルータをトークンリング ネットワークに接続するときには、FCC クラス B EMI 規格に適合させる
ために、シールド付き RJ-45 トークンリング ケーブルを使用する必要があります。
トークンリングは、2 種類のリング速度で動作可能です。4 Mbps および 16 Mbps です。トークンリ
ング上のすべての装置で同じ動作速度を使用する必要があります。
トークンリング ケーブルを使用して、ルータをスイッチに接続します。トークンリング ポートの
ピン割り当てについては、オンライン資料の『Cisco Modular Access Router Cable Specifications』の
「Token Ring Port Pinouts」を参照してください。この資料は、オンラインおよび Cisco Documentation
CD-ROM で利用できます。
シリアル接続
シリアル接続機能は、WAN インターフェイス カードとネットワーク モジュールが提供します。
WAN インターフェイス カードの詳細については、
『Cisco Interface Cards Installation Guide』を参照
してください。ネットワーク モジュールの詳細については、『Cisco Network Modules Hardware
Installation Guide』を参照してください。各マニュアルはオンラインおよび Cisco Documentation
CD-ROM で利用できます。
シリアル ポートに装置を接続する前に、次の情報を確認しておく必要があります。
•
同期シリアル インターフェイスに接続する装置のタイプ(DTE または DCE)
•
装置に接続するために必要なコネクタのタイプ(オスまたはメス)
•
装置に必要な信号規格
シリアル接続の設定
非同期 / 同期シリアル ネットワーク モジュールおよびシリアル WAN インターフェイス カード上
のシリアル ポートでは、DB-60 コネクタを使用します。シリアル ポートは、使用するシリアル ケー
ブルに応じて、DTE または DCE として設定できます。
シリアル DTE 装置または DCE 装置
同期シリアル インターフェイスを介して通信する装置は、DTE 装置または DCE 装置のどちらかで
す。DCE 装置は、装置とルータ間の通信を同期させるクロック信号を提供します。DTE 装置は、ク
ロック信号を提供しません。DTE 装置は通常、DCE 装置に接続します。装置に付属のマニュアル
に、DTE 装置か DCE 装置かが記載されているはずです(一部の装置には、DTE モードまたは DCE
モードを選択するためのジャンパがあります)
。表 2-2 に、代表的な DTE 装置および DCE 装置を示
します。
Cisco 3700 シリーズ ルータ ハードウェア インストレーション ガイド
2-12
OL-2180-07-J
第2章
ルータの設置準備
ネットワーク接続の準備
表 2-2
装置タイプ
DTE
代表的な DTE 装置および DCE 装置
オス / メス
オス
1
メス
2
代表的な装置
端末
PC
DCE
モデム
CSU/DSU
マルチプレクサ
1. ピンがコネクタの土台から突起している場合、そのコネクタはオスです。
2. コネクタにピンを受ける穴がある場合、そのコネクタはメスです。
サポートする信号規格
ルータで使用できる同期シリアル ポートは、次の信号規格をサポートします。EIA/TIA-232、
EIA/TIA-449、V.35、X.21、および EIA-530 です。指定された規格に適したコネクタ付きの Cisco
DB-60 シールド付きシリアル変換ケーブルをご発注いただけます。接続する装置のマニュアルに、
その装置で使用する規格が記載されているはずです。シールド付きシリアル変換ケーブルのルータ
側には、DB-60 コネクタがあり、このコネクタをシリアル WAN インターフェイス カードの DB-60
ポートに接続します。シリアル変換ケーブルの反対側は、指定した規格に適したコネクタを装備で
きます。
同期シリアル ポートは、接続ケーブルに応じて DTE または DCE として設定できます(EIA-530 を
除いて、DTE 専用です)。シールド付きケーブルを発注される場合は、代理店にご連絡ください。
「テクニカル サポート」(p.xviii)を参照してください。
(注)
DTE として設定されたすべてのシリアル ポートは、CSU/DSU または他の DCE 装置からの外部ク
ロックが必要です。
(DB-60 シリアル コネクタのピン サイズは小さいので)独自のシリアル ケーブルを製作することは
推奨できませんが、
『Cisco Modular Access Router Cable Specifications』にケーブルのピン割り当てに
ついて記載されているので参照してください。
距離制限
シリアル信号は、所定のビット レートで伝送可能な距離が限定されています。通常、データ レー
トが下がるほど距離が伸びます。すべてのシリアル信号は距離制限が適用され、その限度を超える
と、信号品質が大幅に劣化したり、完全に損失したりします。
(注)
128 kbps を超えるビット レートをサポートするのは、シリアル WAN インターフェイス カードだ
けです。
Cisco 3700 シリーズ ルータ ハードウェア インストレーション ガイド
OL-2180-07-J
2-13
第2章
ルータの設置準備
ネットワーク接続の準備
表 2-3 に、各シリアル インターフェイス タイプの推奨最大速度および距離を示します。ただし、起
こり得る電気的な問題を理解しそれを補正できる場合は、記載された距離を超えても、良好な結果
が得られる場合があります。たとえば、V.35 の推奨最大レートは 2 Mbps ですが、一般に 4 Mbps が
使用されています。
表 2-3
シリアル信号の伝送速度および距離
EIA/TIA-232 距離
EIA/TIA-449、X.21、V.35、
EIA-530 距離
レート(bps)
フィート
メートル
フィート
メートル
2,400
200
60
4,100
1,250
4,800
100
30
2,050
625
9,600
50
15
1,025
312
19,200
25
7.6
513
156
38,400
12
3.7
256
78
56,000
8.6
2.6
102
31
1,544,000(T1)
—
—
50
15
平衡ドライバを使用すると、EIA/TIA-449 の信号距離を EIA/TIA-232 信号より伸ばすことができま
す。表 2-3 で示した EIA/TIA-449 の推奨距離制限は、V.35、X.21、および EIA-530 にも有効です。
通常、EIA/TIA-449 および EIA-530 は 2 Mbps、V.35 は 4 Mbps の伝送速度をサポートできます。
非同期 / 同期シリアル モジュールのボーレート
非同期 / 同期シリアル モジュールで使用する低速のシリアル インターフェイスには、次のボーレー
ト制限が適用されます。
•
非同期インターフェイス ― 最大ボーレートは 115.2 kbps
•
同期インターフェイス ― 最大ボーレートは 128 kbps 全二重
ISDN BRI 接続
BRI WAN インターフェイス カードは、ISDN BRI(基本インターフェイス)接続機能を提供します。
BRI モジュールおよび BRI WAN インターフェイス カードは、外部 Network Terminator 1(NT 1; ネッ
トワーク終端 1)が必要な S/T インターフェイスまたは NT1 内蔵の U インターフェイスと組み合わ
せて使用できます。
BRI モジュールは、シャーシの利用可能な任意のスロットに搭載できます。
警告
装置の電源がオフであるかオンであるかに関係なく、WAN ポートには危険なネットワーク電圧が
かかっています。WAN ポートの付近で作業するときには、感電しないように十分注意してくださ
い。ケーブルを切り離すときには、装置側から先に外してください。
BRI ケーブル(別途必要)を使用して ISDN に BRI WAN インターフェイス カードを直接接続しま
す。表 2-4 に、ISDN BRI ケーブルの仕様を示します。さらにピン割り当てについて、オンライン資
料『Cisco Modular Access Router Cable Specifications』を参照してください。この資料は、Cisco.com
および Cisco Documentation CD-ROM で利用できます。
Cisco 3700 シリーズ ルータ ハードウェア インストレーション ガイド
2-14
OL-2180-07-J
第2章
ルータの設置準備
ネットワーク接続の準備
表 2-4
ISDN BRI ケーブル仕様
仕様
大容量ケーブル
小容量ケーブル
抵抗(96 kHz)
160 ohm/km
160 ohm/km
容量(1 kHz)
120 nF1 /km
30 nF/km
インピーダンス(96 kHz)
75 ohm
150 ohm
ワイヤ径
0.024 インチ(0.6 mm)
0.024 インチ(0.6 mm)
距離制限
32.8 フィート(10 m)
32.8 フィート(10 m)
1. nF = ナノファラッド
BRI WAN インターフェイス カードの詳細については、オンライン資料『Cisco Interface Cards
Installation Guide』を参照してください。この資料は、Cisco.com および Cisco Documentation CD-ROM
で利用できます。
56 K/ スイッチド 56 kbps DSU/CSU 接続
スイッチド 56 kbps 接続機能は、56 kbps CSU/DSU WAN インターフェイス カードが提供します。
スイッチド 56 kbps WAN インターフェイス カードの詳細については、オンライン資料
『Cisco Interface Cards Installation Guide』を参照してください。この資料は、Cisco.com および Cisco
Documentation CD-ROM で利用できます。
Cisco 3700 シリーズ ルータ ハードウェア インストレーション ガイド
OL-2180-07-J
2-15
第2章
ルータの設置準備
ネットワーク接続の準備
Cisco 3700 シリーズ ルータ ハードウェア インストレーション ガイド
2-16
OL-2180-07-J