全文

平成 16年度
介護保険サービス
新 宿 区
健康部介護保険課
は じ め に
新宿区では、平成15年度から福祉サービス第三者評価の普及を目指して、パンフレットの
作成や講演会の開催による啓発のほか、評価に必要な費用の一部を助成する事業を平成16年
度も引き続き実施し、できるだけ多くのサービス事業者に受審していただけるよう取り組ん
できました。
福祉サービス第三者評価の主な目的は、サービス事業者自身によるサービスの改善と、利
用者やケアマネジャーがサービス事業者を選択するための情報提供とにあります。
また、サービス事業者がサービス評価を受審する意義としましては、
(1)自分たちが行っているサービスの水準や改善点を把握できること
(2)評価内容を公表することでセールスポイントをアピールできること
(3)自分たちでは気づかなかった利用者のニーズを把握できること
(4)改善の取り組みを利用者に知ってもらい、安心してもらうことができること
等が挙げられ、客観的な視点からサービスを見直すことに役立ちます。
平成16年度は、評価費用の助成制度の利用により、7ヶ所の民間サービス事業所が福祉サ
ービス第三者評価を受審しました。
インターネット上で公開されている評価情報に接することができない利用者への閲覧用資
料として、また、窓口における相談業務の資料として活用することを目的に、7 ヶ所の事業
所の評価結果を冊子としてまとめました。
今後、区としましては、ますます多くのサービス事業所が受審することで、サービスの質
の向上と情報提供という二つの目的が達成されていくことを期待しています。
なお、下記のホームページでは、東京都に所在地のあるサービス事業者のすべての評価結
果について、情報提供しています。
とうきょう福祉ナビゲーション
http://www.fukunavi.or.jp/fukunavi/
※
平成17年6月の法改正により、
「痴呆」が「認知症」と改められましたが、
この冊子は16年度の受審結果の報告であるため、事業者の評価結果の記述
については「痴呆」のまま記載してあります。
目
次
1 福祉サービス第三者評価のしくみ
11
2 評価結果の見方
11
3 評価結果
事業評価一覧
11
11
通所介護
認知症対応型共同生活介護
訪問介護
事業所別評価結果
通所介護
デイサービスセンター 聖母ホーム
デイサービスセンター エンゼルヘルプ西落合
デイサービスセンター なごやか新宿
認知症対応型共同生活介護
グループホームなごみ西落合
より処 ぬくみ・くるみ
せらび新宿
訪問介護
(株)大起エンゼルヘルプ 新宿ケアセンター
4 認証評価機関一覧
5 問い合わせ先・評価情報の入手先
1
1 福祉サービス第三者評価のしくみ
⑴ 東京都における福祉サービス第三者評価では、評価を行なうのは、東京都福祉サービス
評価推進機構が認証した評価機関(認証評価機関)です。既に110か所以上の機関が認証さ
れています。
⑵ サービス事業者はひとつの認証評価機関を選び、評価を受けます。
⑶ 評価は、
「事業評価」と「利用者調査」との2つの手法に基づいています。
⑷ 「事業評価」では、まずサービス事業者が「自己評価」をします。次に、
「利用者調査」
と「自己評価」との結果を踏まえて、評価者が「訪問調査」を行ないます。
⑸ 最終的な評価結果は、3人以上の評価者の合議によってまとめられます。
利用者調査
事業評価
①事業プロフィル
サービス全般にわたる内容
②経営マネジメント
に関するアンケート調査や
③サービス提供プロセス
サービスの実施
聴き取り調査
自己評価
訪問調査
評価者による合議
評価結果
- 1 -
2 評価結果の見方
(1)評価結果の構成
この冊子では、評価結果をわかりやすく見ることができるように、次のような構成で
掲載しています。
1 事業プロフィル
2 評価講評
3 事業評価結果
⑴ サービスの実施
⑵ サービス提供のプロセス
⑶ 経営マネジメント
4 利用者調査結果
5 サービス改善計画(※)
※ 上記の「5 サービス改善計画」は、福祉サービス第三者評価のなかには含まれていませ
ん。受審したサービス事業者に区が依頼し、提出してもらったものです。
(2)各項目の説明
ア 事業プロフィル
サービス事業者の所在地、理念、事業方針、利用者数や職員の状況といった基本情
報です。評価者が評価を行なう際の予備知識として利用するため、記入内容は多岐に
わたります。
この冊子では、利用者がサービス事業者の概要を知るために必要と考えられる項目
に絞って、掲載しています。
イ 評価講評
ウ 事業評価結果
この「評価講評」と「事業評価結果」との二つが評価結果の核となります。
「良いか悪いか」といった一面的な評価ではなく、サービス事業者が目指している
ものや大切にしている考えを重視し、提供しているサービスがそれらの実現につなが
っているかどうかを評価したものです。
したがいまして、評点だけで判断するのではなく、その根拠もあわせてご参照くだ
さい。
なお、この評価結果につきましては、認証評価機関が作成したものをそのまま掲載
しており、校正等は行なっていません。
- 2 -
エ 利用者調査結果
利用者調査の結果は総合的な評価を行なうための情報ですが、参考になる部分を抜
粋して掲載しました。
自由意見は、明らかに別のサービスに関するものなどを除いたほかは、そのまま掲
載しました。事業評価結果に照らしながら、参考にご覧ください。
オ サービス改善計画
これは、福祉サービス第三者評価のシステムには含まれていません。
区がサービス事業者に依頼し、評価結果に基づき、どんな点を改善するか、どんな
点をさらに伸ばすかという視点から、作成してもらったものです。
この改善計画を実施していくことが、サービスの質を向上することにつながります。
(3)評点の基準
事業評価における評点は、5段階になっています。
5
☺☺☺☺☺
全般的に優れた状態である。
4
☺☺☺☺
優れた状態にある(全般的に「適切な状態」以上である
ことに加え、一部に極めて優れたレベルのものがある)
3
☺☺☺
適切な状態にある。
2
☺☺
一部不十分な状態にある(一部に重要な改善点があり、
「適切な状態」とまでは言えない)
1
☺
全般的に極めて不十分な状態にある
- 3 -
3 評価結果
事業評価一覧
通所介護
認知症対応型共同生活介護
訪問介護
事業所別評価結果
通所介護
認知症対応型共同生活介護
訪問介護
※ 新宿区福祉サービス第三者評価受審費用助成の申請受付順に掲載してい
ます。
※ 評価をした機関は各サービス事業者ごとに違いますので、評価結果は同一
の判断に基づくものではないことにご留意ください。
ただし、どの評価機関も、東京都福祉サービス評価推進機構が実施する研
修等の受講など、一定の基準を満たした上で、評価機関として認証されてい
ます。
- 5 -
通所介護
事業評価一覧
事業所名
評価項目
デイサービスセンター
聖母ホーム
サービスの実施
栄養のバランスを考慮した上でおいしい食事を出している
☺☺☺☺☺
入浴等に関しては、利用者の状態や意思を反映した支援
を行なっている
☺☺☺☺
利用者の健康を維持するための支援を行なっている
☺☺☺☺
利用者の負担にならないよう送迎サービスを工夫し安全を
確保するための支援の方策をとっている
利用者の生活機能向上や健康増進を目的とした機能訓練
サービスを工夫し実施している
施設で過ごす時間は楽しく快適で、利用者が自立的な日
常生活を送ることができるような工夫(アクティビティ等)を行
なっている
☺☺☺
施設と家族との交流・連携を図っている
☺
☺
☺
☺
☺
☺
☺
☺
☺
☺
☺
☺
☺
☺☺
☺
☺
☺
☺
☺
☺
☺
☺
☺
☺
☺
☺
☺
☺
☺
☺
☺
☺
☺
☺
☺
☺
☺
☺
☺
☺
☺
☺
サービス情報の提供・案内
サービス提供プロセス
サービス開始時の対応
標準的サービス水準の確保
個別対応の重視
☺☺☺☺
☺☺☺☺
サービスの実施(上段を参照)
プライバシーの保護等個人の尊厳の尊重
安全管理
要望・苦情・トラブルへの対応
地域との交流・連携
リーダーシップと意思決定
経営マネジメント項目
経営における社会的責任
利用者の意向や、地域・事業環境などの把握
改善課題の設定と取り組み
職員と組織の能力向上
☺
☺
☺
☺
サービス提供のプロセス(上段を参照)
☺☺☺
☺☺☺☺
情報の共有化と活用
1∼7に関する活動成果
特定非営利活動法人
市民シンクタンクひと・まち社
評価を実施した機関
- 6 -
デイサービスセンター
エンゼルヘルプ西落合
デイサービスセンター
なごやか新宿
☺☺☺
☺☺☺
☺☺☺☺
☺☺☺☺
☺☺☺
☺☺☺☺
☺☺☺☺
☺☺☺☺
☺☺☺
☺☺☺☺☺
☺☺☺☺☺
☺☺☺
☺
☺
☺
☺
☺
☺
☺
☺
☺
☺☺
☺☺
☺☺
☺☺
☺☺
☺☺
☺
☺☺
☺
☺☺
☺
☺
☺
☺☺
☺☺
☺☺
☺☺
☺☺
☺☺
☺☺
☺☺
☺☺
☺
☺
☺
☺
☺
☺
☺
☺
☺☺
☺☺
☺☺
☺☺
☺☺
☺☺
☺☺
☺☺
☺☺
☺☺
☺
☺
☺☺
☺☺☺
☺☺☺☺
株式会社 クリップ
☺☺
☺
☺☺
☺
☺
☺☺☺
☺☺☺
日本高齢者介護協会
- 7 -
認知症対応型共同生活介護
事業評価一覧
事業所名
評価項目
クループホーム
なごみ西落合
サービスの実施
サービス提供プロセス
経営マネジメント項目
利用者の意思を生活に反映した支援を行なっている
☺☺☺
利用者の状態に応じて、日常生活に必要な様々な作業等を
利用者が主体的に行うことができるような支援を行なっている
利用者本人の状態に合わせて、食事・入浴・排泄・更衣など
において介護が受けられ、また身の回りのこと、掃除や買物
などで代行できる支援を行なっている。
☺☺☺
利用者の健康を維持するための支援を行なっている
☺☺☺☺
ホームでの生活は楽しく快適であるよう工夫をしている
☺☺☺☺
家族等と関係を持ちながら運営している
☺☺☺☺
サービス情報の提供・案内
☺☺☺☺
入居・退居時の対応
☺☺☺☺
標準的サービス水準の確保
☺☺☺
個別対応と共同生活の重視
☺☺☺☺☺
サービスの実施(上段を参照)
プライバシーの保護等個人の尊厳の尊重(身体拘束廃止へ
の取り組みを含む)
☺☺☺
安全管理
☺☺☺
要望・苦情・トラブルへの対応
☺☺☺☺
地域との交流・連携
☺☺
リーダーシップと意思決定
☺☺☺
経営における社会的責任
☺☺☺
利用者の意向や地域・事業環境などの把握
☺☺☺
改善課題の設定と取り組み
☺☺☺
職員と組織の能力向上
☺☺☺☺
☺☺☺☺
サービス提供のプロセス(上段を参照)
情報の共有化と活用
☺☺☺☺
1∼7に関する活動成果
☺☺☺☺
株式会社 クリップ
評価を実施した機関
- 8 -
より処
ぬくみ・くるみ
せらび新宿
☺☺☺☺
☺☺☺
☺☺☺
☺☺☺
☺☺☺
☺☺☺
☺☺☺
☺☺☺☺
☺☺☺☺
☺☺☺
☺☺☺☺☺
☺☺☺☺
☺☺☺☺
☺☺☺☺
☺☺☺☺
☺☺☺
☺☺☺☺
☺☺☺
☺☺☺☺
☺☺☺
☺☺☺
☺☺☺
☺☺☺
☺☺☺
☺☺☺
☺☺☺
☺☺☺☺☺
☺☺☺
☺☺☺☺
☺☺☺
☺☺☺☺☺
☺☺☺
☺☺☺
☺☺☺
☺☺☺☺
☺☺☺
☺☺☺☺
☺☺
☺☺☺
☺☺☺
☺☺☺☺
☺☺☺
特定非営利活動法人
メイアイヘルプユー
特定非営利活動法人
ともに生きる
- 9 -
訪問介護
事業評価一覧
事業所名
サービスの実施
評価項目
(株)大起エンゼルヘルプ
新宿ケアセンター
サービス提供プロセス
それぞれのサービスは利用者や家族の立場に立って
行なっている
サービス提供の時間が利用者や家族にとって快適なも
のになるようにしている
☺☺☺
安定的で継続的なサービスを提供している
☺☺☺
サービス情報の提供・案内
☺☺☺
利用開始時の対応
☺☺☺☺
標準的サービス水準の確保
☺☺☺
個別対応の重視
☺☺☺☺☺
☺☺☺☺
サービスの実施 (上段を参照)
経営マネジメント項目
プライバシーの保護等個人の尊厳の尊重
☺☺
安全管理
☺☺☺
要望・苦情・トラブルへの対応
☺☺☺☺
地域との交流・連携
☺☺☺
リーダーシップと意思決定
☺☺☺☺
経営における社会的責任
☺☺☺☺
利用者の意向や地域・事業環境などの把握
☺☺☺☺
改善課題の設定と取り組み
☺☺☺☺
職員と組織の能力向上
☺☺
サービス提供のプロセス (上段を参照)
情報の共有化と活用
☺☺
1∼7に関する活動成果
☺☺
評価を実施した機関
株式会社 クリップ
- 10 -
- 11 -
事業所別評価結果
< 通 所 介 護 >
デイサービスセンター 聖母ホーム
13 ページ
デイサービスセンター エンゼルヘルプ西落合
29 ページ
デイサービスセンター なごやか新宿
45 ページ
- 11 -
デイサービスセンター
聖母ホーム
(通所介護)
デイサービスセンター 聖母ホーム
運営主体
: 社会福祉法人
住 所
: 新宿区中落合2−5−21
電 話
: 03−3953−4028
ファックス
: 03−3950−4130
事業所長
: 田村
聖母会
寛
評価対象サービス : 通所介護
評価実施日
: 平成16年11月10日
評価機関
: 特定非営利活動法人
1
市民シンクタンクひと・まち社
事業プロフィル
※
1
当該事業の職員体制
・人数
常勤 2名
2
非常勤
事業者自身が記入したものです。
3名
同一敷地内(又は同一建物内)で実施している同一運営主体のサービス
・特別養護老人ホーム ・養護老人ホーム ・ショートステイ
・居宅介護支援
・デイサービス
3
他事業所比較して優れている点
(人的サービス面)
・利用者間そしてボランティア、実習生、職員とのかかわりを大切にする。
・介護予防(転倒防止、体調変化の早期発見)
・ショートステイの利用者と共に、グループ化による活動プログラムの実施
(設備・環境面)
・ショートステイとの連携
・入浴や御手洗い設備による迅速、柔軟な対応
・音楽(BGM)
、新聞、雑誌をそろえ、くつろげる空間を調整している。
4
サービス提供能力
利用希望はかなりあると聞くが、定期的な通所までだいぶ待つことにな
るので、実際の申し込みは少ない。
5
3年後の見通し
現在の利用者数を維持するのは余程経営改善・サービス改善をしてい
かないとかなり難しい情勢になっているのではないかと思う。
- 13 -
デイサービスセンター
2
評
価
✓
1
聖母ホーム(通所介護)
講
評
特に良いと思われる点
変化にとんだメニューと気配りの食事
食事の提供は利用者が楽しくかつ、少しでも多く食べられるよ
うな配慮がなされている。行事食やセレクト食、郷土料理などの
メニューを積極的に取り入れ、変化を持たせるほか、適温で提供
できるような配慮がなされている。さらに、刻み食やトロミ食に
ついても見た目の美しさに工夫を凝らしている。食欲減退や体重
減の著しい人については少しでも食が進むようやさしく声かけが
されている。
2
多彩なプログラムと数多い外出機会
日常のプログラムとして、軽体操、ゲーム、合唱、折紙、お手
玉など多彩なメニューが用意されている。とりわけ外出について
は、好天で利用者の体調が良い場合は、職員が運転する送迎車を
使って、公園散歩、喫茶店、レストランなどに随時出かけている。
家庭では外出させることが難しいため、家族からも感謝されてい
る。
3
複合施設内の連携による職員の安定
聖母ホームには養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、ショー
トステイ、居宅介護支援事業所等が併設されており、改善課題の
設定や重要事項の決定について、各部門の責任者等の会議体で検
討がされている。職員間の連携がよく、機能訓練士、看護師、栄
養士など専門職の協力を得ながらの運営が行われている。デイサ
ービスセンター職員はホーム全体での支援体制のもと、利用者へ
のケアを実践している。
- 14 -
デイサービスセンター
✓
1
聖母ホーム
(通所介護)
特に改善を要すると思われる点
職員参加の意欲を高める
重要な案件は、施設長及びホーム内各事業所の責任者等を構成
員とする経営会議等で、現場の意見を集約しながら意思決定をし
ている。デイサービス部門の場合、ミーティングは事業開始前及
び終了後に設定されており、勤務時間の関係から十分な時間が執
られていない。このため、一般職員は重要な意思決定のしくみや
その結果について十分理解していない面がある。ホームの方針で
あるボトムアップ方式を徹底するためにも、職員参加をさらに推
進し、意欲を高める工夫が望まれる。
2
家族との交流・連携の充実
家族との連携は、送迎時、連絡帳、電話によるほか、個人別の
デイ便りを発行することにより行われている。しかし、家族とデ
イセンター、家族同士の交流の場は設けられていないので、利用
者や家族のニーズの把握や痴呆性高齢者の介護状況などを共有す
る場として、家族懇談会などを設けることを検討することが望ま
しい。
3
アンケートの継続実施
サービス提供時間延長についての利用者アンケートは実施され
ている。利用者の要望を把握するためにも、定期的かつ継続的な
アンケートの実施が望まれる。
- 15 -
デイサービスセンター
3
聖母ホーム(通所介護)
事業評価結果
『サービスの実施』項目
1
栄養のバランスを考慮した上でおいしい食事を出
している
☺☺☺☺☺
① 骨を取り除いた魚を食材に選ぶなどしておいしく、安心して食べられるような食事の提供を
している。また、月2回のセレクト食、行事食の他、郷土料理などのメニューを取り入れ食事
に変化をもたせている。おやつについてもセレクト方式を毎月数回取り入れている。
② 刻み食(一口大や普通、極小になっている)やとろみ食を個人の身体状況に応じ提供して
いる。とろみ食では見た目の美しさを考慮し型抜きをした上で、もとの食材がわかるようにす
る試みをしている。また、保冷保温が同時にできる配膳車の使用など適温による食事提供
に努めている。
③ 重度で食事介助が必要な利用者には職員が付添っている。職員も同席して食事をおこな
っているため、利用者全員の喫食状況に目配りが行き届いており、食欲減退や体重減の
著しい人については少しでも食が進むようやさしく声かけがされている。
2
入浴等に関しては、利用者の状態や意思を反映し
た支援を行なっている
☺☺☺☺
① 立位困難な利用者にはリフト浴を行っているが、恐怖感を覚える利用者には丁寧に声かけ
をおこない、不安を取り除くように努めている。利用者が座る椅子は必ず洗浄し、清潔を保
っている。
② おむつ使用者が多いが失禁予防によるものである。個々人のリズムを捕らえた排泄表によ
り、排泄時間の目安を把握しており、利用者がそわそわしたり立ち上がったりしたときの状
態を見極め、抵抗感を与えることなくトイレ誘導を行っている。
③ 衣服の着脱や身体洗浄について、自分でできるところは自分でおこなうよう、利用者の自
立度に合わせた対応を行っている。
3
利用者の健康を維持するための支援を行なってい
る
☺☺☺☺
① 医療的ケアは医師の指導の範囲で、皮膚疾患・顔の乾燥への塗布、糖尿病の水分補給チ
ェック、傷の清潔保持など行っている。また、バイタル数・特別変化・トイレの自立度変化等
は個人別に毎日記録している。
- 16 -
デイサービスセンター
聖母ホーム
(通所介護)
② 医療機関との連携はかかりつけ医を基本とするが、緊急時は一部の診療科目を除いて、経
営母体である法人が併設する病院で対応している。
③ 歯科疾患予防として食後の歯磨きを行っている。職員は利用者の口腔内に残った食べ物
を取り除き、その後ブラッシングをするなど歯の健康維持に努めている。
利用者の負担にならないよう送迎サービスを工夫
4 し、安全を確保するための支援の方策をとってい
る
☺☺☺
① 送迎車は可能な限り家の近くにまで入って行き、ドア・ツウ・ドアの対応をするなど、利用者
の負担軽減を図っている。バスの中では利用者に声かけをしながら、健康面や精神面の状
況の把握を行っている。
② 車椅子の乗降は安全を最優先し、介助者とドライバーが力を合わせて行っている。車内で
は職員が横に付添って、安心感を持たせた介助がなされている。利用者の事情や踏切の
状況により、送迎の時刻に遅れることがあるが、到着前(5分前)には利用者宅に電話を入れ
ている。
③ 一日の標準的な過ごし方をみると、6時間以上8時間未満の利用者を基調にプログラムが
組まれており、利用者の待ち時間が作られないよう工夫されている。
5
利用者の生活機能向上や健康増進を目的とした機
能訓練サービスを工夫し実施している
☺☺☺☺
① 筋力低下による転倒を防ぐため、利用者の身体状況に合わせ、足に重りを付けた体操を
行っている。
② おやつ作りなど手先を使う作業や折り紙、お手玉、こま、おはじき等の遊びを取り入れ、諸
機能の改善のための工夫を行っている。
③ ホーム内併設事業所の機能訓練士との連携により、ぱたから運動、発声練習、早口言葉、
舌の運動をプログラムに取り入れ誤嚥防止に取り組んでいる。
施設で過ごす時間は楽しく快適で、利用者が自立
6 的な日常生活を送ることができるような工夫(ア
クティビティ等)を行なっている
☺☺☺☺
① プログラムの内容は、ゲーム性を取り入れた合唱や軽体操、外出、季節に応じた行事を利
用者の状況に合わせて行っている。
② 好天で利用者の体調がよいときは随時外出プログラムを取り入れている。送迎車を利用し
て公園、喫茶店、レストランなどに出かけ、いろいろな場面を設定している。
③ 職員は体調がすぐれなかったり疲れが見られる利用者に声かけし、本人の状況に合わせ
て静養室やリクライニングチェアでくつろぎ、ゆったりと過ごせるようにしている。
- 17 -
デイサービスセンター
聖母ホーム(通所介護)
7 施設と家族との交流・連携を図っている
☺☺☺
① 月1回のデイサービス便りは利用者ごとに発行し、デイサービスセンターでの生活をスナッ
プ写真も含めて紹介している。また、敬老の日にはアルバムとしてまとめたものを贈り、利用
者・家族に大変喜ばれている。
② 家族との連携は、送迎時の会話、家庭での様子を知らせる連絡帳、電話により緊密に行っ
ている。
③ 家族が一緒に参加する行事や交流する機会は設けられていない。家族同士の連携を密に
するためにも家族懇談会を設けることを検討することが望ましい。
『サービス提供のプロセス』項目
☺☺☺
1 サービス情報の提供・案内
① 聖母ホームではホームページを作成しており、デイサービスセンターのページが設けられ
ている。折々の写真を掲載するなど、定期的に更新を行い活動の様子を伝えている。
② 見学希望者には月2回行われているホーム全体の定例見学会に参加してもらっている。ま
た、デイサービスのみの見学も担当者を決め随時受け入れており、利用者の生活を見ても
らっている。
③ ホームとしてのパンフレットの他に、「デイサービスセンター聖母ホームのご案内」が作られ
ている。痴呆性高齢者を対象とした事業であることやサービス内容など、必要事項が分かり
やすく掲載されている。
☺☺☺
2 サービス開始時の対応
① サービス開始前に、相談員が家庭訪問し、家庭での生活の様子や身体状況、家族の状況
を聞き取り、ホームでの生活に反映している。また、送迎時の乗降ポイントについても、これ
らの情報を活かし、利用者の負担が最小限となる配慮を行っている。
② 新規利用者の年齢・性別にも配慮し、利用者が一番輝いていた時代を思い出すようなプ
ログラムを職員全員で工夫し、実施している。
③ 入浴介助や排泄介助は、ホームでの生活に慣れるまで同性の職員が介助をしている。
- 18 -
デイサービスセンター
聖母ホーム
(通所介護)
☺☺☺☺
3 標準的サービス水準の確保
① 同一フロアにてショートステイ利用者と一体的な運営をしているため、マニュアルは共通項
目を検討し、作成している。修正が必要なところは毎日のミーティングで確認を行い加筆し、
半年ごとに書き換えている。
② ホーム内併設事業所の専門職を講師として、学習会・実習等を実施している。また、一人
ひとりがトレーニングしたい項目をチェックするシートを作成し、それぞれの自信のないとこ
ろを把握するようにしており、学習会のテーマに反映している。
③ 実習生を多く受け入れているため、分かりやすいマニュアルを作成しており、新人研修にも
活用している。
☺☺☺
4 個別対応の重視
① 介護計画は、介護予防・生活機能回復の視点に重点を置き作成するため、利用者本来の
身体的機能、好みがわかる、利用開始から2∼3ヶ月後に改めて作成している。利用者の
情報はミーティングで共有しており、そこでの意見交換が介護計画に反映されている。ま
た、介護計画は家族が確認するため、専門用語は使わず、分かりやすい表現を工夫して
いる。
② プログラムに参加したくない利用者には、新聞や雑誌を読むよう勧めている。不安の強い
利用者には、気分が変わるようホーム内にある喫茶コーナーなどを利用し、ホッとできるひ
とときをつくるようにしている。
③ 利用者が不安になっている時には、職員が利用者の気持を受け止めた上で適切なことば
かけを行い、不安を取り除くように努めている。
※
「5
サービスの実施」は、前項参照
6 プライバシーの保護等個人の尊厳の尊重
☺☺☺
① 尊厳の尊重については、年3回開催する職員会議にて、ホームの理念である「愛の精神」
が、全職員に確認されている。
② 連携する医療機関に情報提供をする際には、プライバシーの保護に留意して必要事項
のみを渡すようにしている。
③ トイレ誘導・入浴介助・プログラムへのお誘いをする際には、その都度利用者の自己決定
を促すよう声かけを行っている。
- 19 -
デイサービスセンター
聖母ホーム(通所介護)
☺☺☺☺
7 安全管理
① ホーム内に置かれた衛生管理者の指導の下、アルコール噴霧器の設置やスチーム消毒な
どの安全対策を講じている。昨年度は職員の希望者全員にインフルエンザ予防接種を実
施した。
② 避難訓練・消火訓練は年2回、ショートステイの利用者と共に実施している。救急救命訓練
は、ホーム内併設事業所の看護師を講師として内部研修を行っている。
③ ホームでは介護事故防止についての検討は、事故抑制部会で行われている。デイサービ
ス部門では、事故が起こった際の対応策が、フローチャートで示されている。
8 要望・苦情・トラブルへの対応
☺☺☺
① 利用者家族とは毎回連絡帳のやりとりをし、情報を共有している。送迎の際には笑顔に努
め、要望の言いやすい雰囲気をつくるようにしている。また、利用者の情緒面で変化が見ら
れたときには家族やケアマネジャーから聞き取りを行い対応している。
② 意見や要望・苦情の窓口は契約の際説明している。ホームには苦情・広報部会が設置され
ており定期的に開催している。デイサービスセンターでは、現在までに重大な要望・苦情は
寄せられていない。
③ 利用者や家族の意向を確認するためのアンケートは、利用時間の延長についてのみ行わ
れている。今後も利用者・家族のニーズを把握するため、アンケート調査等、継続的に実施
されるとよい。
☺☺☺☺
9 地域との交流・連携
① ホームの多目的ホールは近隣の人にも貸し出しをしている。地域の居宅介護支援事業者
の連絡会議や町内会などの集まりに利用されている。
② 近隣の人が参加する恒例行事は、納涼祭、クリスマス会など年3回実施しており、毎年お
おぜいの人が参加している。
③ コーラスグループ、奉仕団体、元利用者が、話し相手や簡単な作業の手伝いなどを行うた
め定期的に来ている。ボランティア総会が年1回開催され、ホーム全体にかかわるボランテ
ィア同士の情報交換の場になっている。
- 20 -
デイサービスセンター
聖母ホーム
(通所介護)
『経営マネジメント』項目
☺☺☺
1 リーダーシップと意思決定
① 理念・方針は明文化されており、職員には年 3 回の職員会議や新規採用時の面談により周
知されている。利用者・家族についてもホーム案内のパンフレットにより周知している。
② 運営の直接的な責任者である生活相談員は一般職員と同様に現場に従事している。役割
分担が文書化されていないこともあり、職員の間でその役割が十分に理解されていない面
がみられるので文書化することが望まれる。
③ 重要な案件等は、施設長及びホーム内各事業所の責任者等で構成されている経営会議
で、現場の意見を集約しながら意思決定されている。デイサービス事業所のミーティング
は、事業開始前及び終了後に設定されており、就業時間の関係から十分なものとなってい
ない。このため、一般職員は意思決定のしくみやその結果について十分理解していない面
がある。
☺☺☺☺
2 経営における社会的責任
① 事業所及び職員が守るべき法・規範・倫理等は就業規則に規定し、毎年4月に全職員に周
知している。年度途中で採用した職員には、「勤務の心得」を冊子にして配布している。
② ホーム内全事業所に対する苦情等に対処するため、社会福祉協議会職員・家族会会員・
民生委員・ボランティアで構成する第三者苦情検討委員会を設けている。デイサービスセン
ターとしては、事業計画や事業報告を公開しており、透明性を高めるための努力をしてい
る。
③ 経営母体である法人が経営する病院や老人福祉施設は、昭和初期に設立され、地域に定
着している。このため、ボランティアや実習生の受け入れ、施設行事への地域住民参加、地
域交流スペースの確保等地域に開かれた施設となるよう積極的な対応をしている。職員に
は、地域に根ざした福祉資源としての役割を月2回の朝礼の場で確認している。
3 利用者意向や地域・事業環境などの把握
☺☺☺
① 地域の事業環境等の情報は、利用者、ケアマネジャー、自治体、社会福祉協議会等から収
集しているが、情報を整理・分析するしくみは整っていない。
② 利用者・家族からの情報収集は、送迎時や連絡帳などによっているが、家族会などを開催
して相互の状況に理解を深めたり、潜在的なニーズを引きだすような組織的な対応を検討
するとよい。
- 21 -
デイサービスセンター
聖母ホーム(通所介護)
③ ホーム内に併設されている在宅介護支援センターから、地域住民のニーズや事業環境に
関する情報が把握しやすく、利用者や家族の相談に応じやすくなっている。
☺☺☺
4 改善課題の設定と取り組み
① ホーム内における様々な改善課題の設定は、経営会議、各サービス向上委員会等ホーム
内の会議体を通して行われている。ホーム内の併設事業所を代表する職員が関わり、デイ
サービスの課題を含め、横断的な検討がなされている。
② デイサービスの改善課題は、年度毎の事業計画の中で目標を設定し、ホーム内併設事業
所職員の協力も得ながら達成に向けて取り組んでいる。
③ 状況に応じた介護技術、OJTの方法、個人別・グループ別プログラムの開発を現在の改善
課題として取り組んでいる。OJTにおけるトレーニング内容については、職員アンケートを実
施し、適切なテーマを抽出できるよう努めている。
☺☺☺☺
5 職員と組織の能力向上
① 職員の資質向上のため、集合教育、事例研究会、サービス現場での先輩の指導を行っ
ているが、指導者には併設事業所の看護師や理学療法士を活用するなど、協力が得ら
れている。また、外部研修受講者による報告会等を行い、共有化を図るなど、職員全体の
レベルアップにつなげている。
② 施設長が年2回、全職員と個人面談を行い、職員意識を把握し、個人別目標の設定がそ
れぞれの気づきにつながるよう努めている。
③ ホームはボトムアップ方式での運営を目指している。デイサービス事業所においても職員
からの提案は頻繁にあり、プログラム内容や家族へのアルバム提供など、提案の多くが
採用され、実施されている。
※
「6
サービス提供のプロセス」は、前項参照
☺☺☺
7 情報の共有化と活用
① 地域の情報は、在宅介護支援センターを始めとするホーム内併設事業所からも収集できて
いる。また、自治体が主催する事業者連絡会に出席し、情報の収集を行うほか、新聞・雑誌
から得た情報についてはメールボックスに掲載している。蓄積された主な情報は、施設内ネ
ットワークを活用し、パソコンから見ることができるようになっている。
② 情報収集等の責任者を決めているが、収集が主で、整理・分析までは十分には行われてい
ない。今後は、ミーティングの場で分析を行うなど収集した情報が活かされる方策を検討す
るとよい。
- 22 -
デイサービスセンター
聖母ホーム
(通所介護)
③ ホームではパソコンでの情報管理を進めている。デイサービス職員がいつでも情報を見られ
るようにするため、パソコンが不得意な職員への対応を課題にしている。
☺☺☺☺
8 1∼7に関する活動成果
① 利用者アンケートの結果を反映し、試行期間を経て、サービス提供時間を6時間以上8時
間未満に延長した。家族にも大変好評である。
② サービス提供を延長したことにより収支状況が改善し、経営が安定した。これにより、資器
材の充実や非常勤職員の勤務時間延長に対応可能となり、サービスが質・量ともに向上
した。
③ 利用者の痴呆の症状が改善し、数名が痴呆デイの対象ではなくなった。そのうち3名がタ
オルたたみなどの軽作業や利用者の歩行補助を行うボランティアとして、週1回ずつ来所
している。
4
利用者調査結果
利用者は、明るく清潔な室内でゆったりと過ごしている。一日の過ごし方をみ
ると軽体操、ゲーム、合唱、折紙、外出など多彩なメニューが用意され、利用者
の状況に合わせたプログラムに楽しそうに参加している。中には、リクライニン
グチェアでゆっくりと居眠りをする人がいる一方、おしぼりづくりやタオルたた
みなどをする人がいるなど、職員が利用者の残存機能をよく把握し、個々の利用
者に適したプログラムを提供している。食事についてみると、職員が利用者と一
緒に食事をしているため目配りが行き届き、介助食が必要な人については、利用
者のペースに合わせ十分な時間をかけて対応している。アンケート結果をみると、
ハード面では全員が満足している。職員の言葉遣い、声かけにも多くの人が満足
している。総合的にみて利用者の満足度はとても高い。
- 23 -
デイサービスセンター
聖母ホーム(通所介護)
サービスを利用しての満足度
(調査票回収数 26件中)
無回答
8%
不満
0%
大変不満 ふつう
0%
4%
満足
27%
大変満足
61%
事業評価(自己評価)との対比
※
類似した質問項目について、事業評価(自己評価)と利用
者調査の評価とを比較したものです。
事業評価の質問項目
利用者調査の質問項目
自己評価の
「はい」と答えた人数/
平均点(5 点満点)
回答数(無回答を除く)
契約時の説明
【過去1年以内に利用を開始し、利用手続
きについての説明を受けたと答えた方に】
利用予定者にはサービス内容
を分かりやすく説明している
利用前における、事業所の考え方やデイ
サービスの内容、支援内容など、あなたの
知りたいことについての職員からの説明
3.9
は、あなたが理解し納得できるような、わか
りやすいものでしたか
16/16
- 24 -
デイサービスセンター
聖母ホーム
(通所介護)
利用者と家族の要望
あなたが職員に対して要望した内容
利用者の個別の情報や要
望を把握している
が、その場にいなかった他の職員にもき
ちんと伝わっていますか
3.8
21/24
一人ひとりの利用者の情報を
関係職員の間で共有化し、活
用している
3.4
事業所は、あなたの身体や生活の状
況、要望をよく理解していると思います
か
24/26
食事
食事はいつもおいしいですか
19/24
食事の献立は工夫されていますか
栄養のバランスを考慮した上で
おいしい食事を出している
16/21
3.9
あなたにあった食事方法(食事時間、食
器・用具、介助方法等)になっています
か
18/21
苦情
利用者や家族がサービスにつ
いて意見や要望を表明し、苦
情を訴えやすいしくみを整えて
いる
3.3
職員は、施設や職員に対する不満や要
望に対してきちんと対応してくれていま
すか
17/20
要望や苦情および日常のトラ
ブルには迅速に対応するしく
みを整えている
3.6
- 25 -
デイサービスセンター
聖母ホーム(通所介護)
自由意見
●人それぞれ、と申しますが、通所に当り一番大切なこととは、建物や設備や職員の言葉
遣いといったことよりも、総合的な雰囲気にあるように思います。その雰囲気が本人に
合うかどうかということです。○△?、ここの事業所は○型、△型、?型ですので、○
を好む方に△を好む方にお勧めいたします、というように公開していただけたらと思い
ます。私共では、3度目の正直と申しますか、良い所に巡り合えました。
●一歩家に入ったとたん、行ったことも覚えていないので、本人がどういう生活をして、
どう思っているかわかりません。問5が2なのは、お風呂は、女性は女性の介助と思っ
ていたらそうではないようなので、私は恥ずかしいので2にしただけで、母はどうかわ
かりません。
●利用者本人は、重度の痴呆ですので、何一つ記憶していません。私は、家での介護をし
ています。送った際、迎えた際、施設見学の際、連絡帳の記載状況等のことを参考に記
入しました。大変満足すると同時に、ご苦労に感謝しています。
●本人が回答できない状態では、家族のものが推測して記入するしか方法がありません。
記名式でもよいですから、利用者、およびその家族の感想やニーズを知るためには、個
別な聞き取りも必要と思われます。
●痴呆老人に対してあたたかい心遣いをどの場面でも心がけていただきたく、この調査が
役立ってくれればと希望します。
●入浴サービスは受けていないので、未記入です。要介護度は3でしたが、今回2と認定
され区分変更を申請中です。
●本人に聞きながらの対応ですので、正しく理解出来ているか不安です。家族の心も入っ
てるかもしれません。
●入浴は利用しておりません。本人がいつも話している内容にそって回答しました。
- 26 -
デイサービスセンター
5
聖母ホーム
(通所介護)
サービス改善計画
改善課題
1
食事サービスについての情報提供
2
家族間の交流の場を設ける
3
事業運営における職員の参画を図る
課題解決の具体的取り組み
1
セレクト食・郷土料理食などの行事食をデジタルカ
メラでプリントアウトしたものをお知らせしたり、ご
家族をお誘いし試食会を開くことなどを検討する。
2
上述の試食会の場を通じて、家族間の交流の機会を
図る。
3
デイの全職員が、活動プログラムの開発、研修計画
や事業計画の策定など意思決定に参加できるように、
情報提供やミーティングの場を増やす。
事業者からのコメント
サービス評価を受審して
評価を受けるにあたり、マニュアル整備・事務見直しなどの過程で、たくさ
んの気付きを得ることができ、とても有意義なものと考えてます。
評価機関について
分からないことを分かるまで、丁寧に説明して下さり、評価を受けやすく配
慮していただきました。深く感謝しております。
- 27 -
デイサービスセンター
エンゼルヘルプ西落合
(通所介護)
デイサービスセンターエンゼルヘルプ西落合
運営主体
: 株式会社
住 所
: 東京都新宿区西落合4−8−19
電
話
: 03−5906−0752
ファックス
: 03−5906−0754
事業所長
: 八幡
大起エンゼルヘルプ
雅冬(センター長)
評価対象サービス : 通所介護
評価実施日
: 平成17年2月16日
評価機関
: 株式会社
1
クリップ
事業プロフィル
※
1
当該事業の職員体制
・人数
常勤 4名
2
非常勤
事業者自身が記入したものです。
11名
同一敷地内(又は同一建物内)で実施している同一運営主体のサービス
・グループホーム
3
他事業所と比較して優れている点
(人的サービス面)
・スタッフの活気あるサービス
・御利用様の出来ない所の支援により、出来る事をいつまでも続けら
れる支援
(設備・環境面)
・浴室が広く、機械浴対象者でも二人介助で、広い一般浴に入る事が
出来る。
・入浴利用に制限がなく、デイ利用時に入浴できる。
・4階までの階段を利用したリハビリ訓練。
(4階まで行くと、東京が一
望できる)
4
サービス提供能力
サービスを希望しながら待っている人(事業所に登録している待機者)
が多少いる。
5
3年後の見通し
サービス提供能力を拡大する計画はないが、ほぼ現在のサービス提供
能力に見合う利用者数は維持できると思う。
- 29 -
デイサービスセンター
2
評
エンゼルヘルプ西落合(通所介護)
価
講
評
✓ 特に良いと思われる点
1
利用者への自立支援
生活の中での介助、食事の介助も、本人ができることをいつま
でも継続するようにと見守り支援に基づいて行われている。本当
に必要な場面でさりげなく支援するといった取組みにより、自立
した人に接する雰囲気がフロアーに満ちている。また利用者相互
も手助けしたり、配慮し合ったりする中で、イキイキした表情が
窺え、自主性が尊重されていることによる活性が感じられる。
2
利用者の意向をふまえたサービスの提供
レクレーションは、利用者の意向や、当日の利用者の一人ひと
りの状況・メンバー構成に合わせ、画一的でない柔軟なプログラ
ムで運営されている。外出・外食ツアーも、各人の好みに合わせ
て企画・運営されており、利用者が大変楽しみにしている。入浴
も希望すれば、週何回でも利用が可能。また、センターの利用時
間は、利用者の希望に合わせて、送迎車4台が1日に何回も往復
するなど、きめ細かなサービスが実施されている。
3
改善課題への取組
改善課題は、満足度調査やスタッフノートから吸い上げ、改善
活動計画書を作成し、常日頃からセンターのサービス向上に取り
組んでいる。利用者の苦情、事故情報等を基に是正・予防という
形でも常に改善に取り組んでいる。
前年の改善課題であった安全な運転については、成果が上がり、
車両事故が減少した。また、利用者から要望の多い昼食について
は、炊きたてのご飯を出す方向が検討されるなど改善に取り組ん
でいる。
- 30 -
デイサービスセンター
✓
1
エンゼルヘルプ西落合
(通所介護)
特に改善を要すると思われる点
地域における社会的役割
季節毎のイベントなどが行われているが、近隣との交流促進の
機会になっていない。身近なところで、同一建物内のグループホ
ームとの交流拡大も効果があると思われる。今後の課題として積
極的な取組が望まれる。
2
非常勤職員の定着率の向上
非常勤が7∼8割を占める状況下、グループワークであるディ
サービスではスタッフの入れ替わりは、事業所の理念、強いては
サービスの提供のあり方や質にも影響する問題である。職員の一
体感が必要である事業特性から、非常勤職員が長期間勤められる
環境の設定、もしくは採用についても基本的事項を検討しようと
している。難しい課題ではあるが、新鮮な視点による課題取組み
に期待したい。
3
情報の取り扱い
満足度調査結果への職員の関心は高く、活用されている情報も
あるが、地域社会の情報や、他のセンターの情報など全社の情報
を基に考えることで、職員の意識が高まり更によいサービスの提
供に繋がると考えられる。
平成17年には個人情報保護法の施行を迎えることから、一層
個人情報保護に向けた取り扱い・管理の徹底が望まれる。
- 31 -
デイサービスセンター
3
エンゼルヘルプ西落合(通所介護)
事業評価結果
『サービスの実施』項目
1
栄養のバランスを考慮した上でおいしい食事を出
している
☺☺☺
① 利用者満足度調査を受け、お弁当納入業者の選択を利用者参加で実行した。5業者の中
から、おかずの品数が多くバラエティにとんでいる業者を選択した結果、従前の業者に
決まった。そのため今後の改善策として、お米も産地から運び事業所で御飯を炊き、炊
き立ての御飯を提供したいと考えている。その成果がたのしみである。また、利用者の
食事満足度を高めたいと外食日を設けている。
② 利用者本位で、きざみ食やおかゆが取り入れられている。食事時間は90分であるが、
声掛けをしながら利用者のペースにあわせた介助が行われ、時には食事時間を延長して
提供している。
③ お弁当業者が遠方なため、あたためなおしをいているが、温度むらが生じる。その結果、
利用者のアンケートでも「おいしい」と答える人は40.4%である。
2
入浴等に関しては、利用者の状態や意思を反映し
た支援を行なっている
☺☺☺☺
① 入浴利用に制限がなく、利用日に利用できる体制が整えられている。また、寝たきりや、
体が不自由なために自宅での入浴が困難な方を対象に、特殊な浴槽を利用した入浴や二
人介助による一般浴での入浴サービスがある。
② 入浴介助支援の中で、入浴の温度調整を利用者が自由にできる。自分の好みに合った温
度にするには他者への働き掛けが必要になる。スタッフが他の利用者に声掛けを直接す
るのではなく、スタッフの見守りの中で、希望者が他の利用者に声を掛けることにより
コミュニケーションが図れる環境を作っている。
③ 浴室は季節感を取り入れた雰囲気つくりをしている。また、洗い場には複数の椅子が設
置され、利用者は自分の希望で選択できるようになっている。
3 利用者の健康を維持するための支援を行っている
☺☺☺
① 利用者の健康状態を看護師が把握して、看護日誌に記録、バイタルチェック等について
は、利用者の家族に連絡帳を通して知らされる。
- 32 -
デイサービスセンター
エンゼルヘルプ西落合
(通所介護)
② 利用者の主治医は契約時に確認がされており、万一緊急時が発生の場合は、看護師が看
護日誌を持って同行する体制になっている。
③ 服薬管理を看護師が行っている。
利用者の負担にならないよう送迎サービスを工夫
4 し、安全を確保するための支援の方策をとってい
る
☺☺☺☺
① 送迎はドアtoドアで行われ、利用契約の「2∼3時間」「3∼4時間」「4∼6時間」「6
∼8時間」の4タイプにあわせ、送迎を4台の車で対応している。
② 送迎車の待ち時間を入浴に利用したタオルの洗濯干しや翌日の用意を整える時間にあて
たり、喫茶店風に変えた雰囲気の中でのティータイムなどの工夫を行っている。
③ 送迎車に万一に備えての救急箱などの用意がされていない。今回の訪問調査で、救急箱
の設置について、エリアマネジャーとセンター長で検討された。
5
利用者の生活機能向上や健康増進を目的とした機
能訓練サービスを工夫し実施している
☺☺☺
① 事業者の理念に基づき、機能訓練指導などの専門家を配置していない。理念として、日
常生活を継続する中で、利用者自身でできることをいつまでも自分で続けられるような
支援を掲げている。その観点から日常生活の中でのリハビリを主体としている。
② 入浴時に利用したタオルや昼食に使用したお椀等の洗いを利用者自らの意思で行うよう
に、声掛けを行っている。利用者の生き生きした表情からその成果が窺える。
③ 利用者アンケートからみた「家での生活に役立つような活動・リハビリ」に対する評価
は57.7%とである。今後は、施設の取組について利用家族へ周知を図る何らかの工
夫が望まれる。
施設で過ごす時間は楽しく快適で、利用者が自立
6 的な日常生活を送ることができるような工夫(ア
クティビティ等)を行なっている
☺☺☺☺☺
① 大きなイベントとしては、花見、夏祭り、運動会、クリスマスがある。イベントは、利
用者がメインとなり、企画を含め作成活動を一緒にできる内容にしている。各イベント
期間を一週間にして、全部の利用者が参加できるような配慮もされている。
② 利用者の自立を支援・尊重して、外食の機会を3ヶ月に1回設けている。何を食べるの
か、出かける先などを利用者自身が決め、調べ、公共の交通機関を利用して実施してい
る。ラーメンがおいしかったとの声も聞かれた。
- 33 -
デイサービスセンター
エンゼルヘルプ西落合(通所介護)
③ 施設での過ごし方は、施設の決めたプログラムにあわせるのではなく、何をしたいのか
利用者の要望を取り入れるなど、利用者の主体性を尊重している。また、利用者が書い
た習字や絵を作品としてあつかい、額や、台紙をつけて展示をしている。
7 施設と家族との交流・連携を図っている
☺☺☺
① 利用者の日常生活やイベントの様子をスナップ入りで掲載した情報紙の発行を16年
度から取り組み、現在は年に4回予定のうち2回目を発行し、連絡帳にはさんで家族に
届けた。
② 利用者の状況を連絡帳で毎日報告している。また、必要に応じてドライバー、添乗スタ
ッフからの報告も併用されている。事業者の連絡に対する家族の満足度は80.8%と
高い。なお、連絡帳は、利用者と家族に使い勝手のアンケートを行い、その結果に基づ
いて改善している。
③ 事業所は家族との連携を図りたいと望んでいるが、イベント等への家族の参加が少数
で、家族会議の日程調整でも家族からの反応はまだ薄い。相互の意思の疎通は大切であ
るから、今後もさまざまなかたちでのアプローチが望まれる。
『サービス提供のプロセス』項目
☺☺☺
1 サービス情報の提供・案内
① 利用希望者の問い合わせが月に10件位入る。センター長がしっかり対応したいとの考
えから、見学を希望する方には、事前に連絡をできるだけ入れてもらう形を取っている。
また、センター長不在時に見学者が訪れた場合でも、スタッフのだれでもが対応できる
ように研修を実施している。
② 将来の利用者に向けての情報提供として、法人全体を紹介したパンフレットやホームペ
ージを作成している。併せて、ハートページにも情報を提供している。運営方針、サー
ビス内容、利用者負担、職員体制などの情報が提供されている。
③ 現在、事業所独自のパンフレットがないことから、検討をしているとのこと。事業者が
独自に展開しているサービスの様子などが紹介されたパンフレットは、将来の利用者に
とってより身近な情報源になりうると思う。
- 34 -
デイサービスセンター
エンゼルヘルプ西落合
(通所介護)
☺☺☺
2 サービス開始時の対応
① 契約の前に、利用者の日常生活状況、健康状態等の実態調査を必ず行ってから、契約を
交わしている。契約内容については、①サービスの内容②職員体制③利用者負担④損害
保険加入の有無⑤サービスの変更、解約などが記載されている重要事項説明書を利用し
て説明を行い、契約書とともに利用者または、家族に交付している。
② 新規利用者に対しては、施設の利用状況が実際どのようであったかを、再アセスメント
を行なって、利用者が安心してサービスを受けられるように配慮をしている。
③ 施設内における利用者の事故に関する責任が、契約書面上では分りにくいので、分りや
すい表記の検討が望まれる。
☺☺☺
3 標準的サービス水準の確保
① 本部において、ISO9001を取得、それに基づいて品質管理マニュアル、在宅ケア
マニュアル等を整備し、各事務所に展開している。マニュアル等の見直し基準も明確に
され、実施されている。
② 入社して3ヶ月の間に、センター長から評価、指導を3回にわたって受ける仕組みがで
きている。また、クオリティーマネージャー制の導入によって、日常のサービスの指導
を受け、事務所内の研修を月に1回実施しサービスの向上を目指している。さらに、毎
朝のミーティングを通して、利用者の状況や場面に応じられる体制を整えている。
③ 事務所固有のマニュアルがまだ作られていない。手引書の活用があまりされていないこ
とから、地域・事業所の特性を考慮したマニュアルの作成が、今後の課題と思われる。
☺☺☺☺
4 個別対応の重視
① 個人別のファイルとして、契約前の実態調査、計画書、意見書、アセスメント等を整え、
それらに基づいたサービスの提供を行っている。利用者アンケート調査によると「提供
されているサービスの総合的な評価」は、7割以上の人が満足している。
② 利用者の一人一人の情報は、スタッフが利用者の状況、連絡事項を記載しているスタッ
フノートを活用して、それぞれの利用者の情報を共有するように努めている。また、朝
礼時には、当日の利用者の注意事項や申し送り事項を連絡、確認している。
③ 介護計画の見直し時期にばらつきが見られる。見直し時期を一覧にして把握していなか
ったことから、見直しが遅れるケースが出てしまったとのこと。今後は、定期的な見直
しに加え、利用者の変化に応じての見直しも実施の予定である。
※
「5 サービスの実施」は、前項参照
- 35 -
デイサービスセンター
エンゼルヘルプ西落合(通所介護)
6 プライバシーの保護等個人の尊厳の尊重
☺☺☺
① 入浴に関する介護支援が同性介助や利用者の希望を取り入れ行われている。ちなみに、
常勤職員の男女比は50:50、利用者の男女比は45:55とほぼ同じ比率である。
② 個人情報ファイルの管理場所に鍵が掛けられていない。個人情報の重要性を再度確認、
個人情報の管理が適正になされるように、早急な対応が必要と考える。
③ 着替えの入れ違いなどのケースがあることから、利用者の私物の取り扱いに対し、スタ
ッフの配慮・認識を高めたいとしている。利用者の上着の取り扱いを工夫したり、今後
は私物を収納するボックスの設置を考えている。
☺☺☺
7 安全管理
① 今回のノロウィルスの流行に対応して、情報を収集し、施設内を見直して感染対策を行
い、ミーティングにてスタッフに周知を図った。
② 事故が発生した場合には、事故報告是正処置報告書を活用して、事故を本部に報告,応
急処置、恒久処置体制が整えられている
③ 火災、地震等の避難訓練を年に2回行っているが、災害備品の整備はされていない。ま
た、スタッフの火災に対する認識が定着するまでには至っていない。
8 要望・苦情・トラブルへの対応
☺☺☺
① 利用者宅に本部スタッフが訪問して行う顧客満足度調査が実施されている。スタッフに
は、直接言い難い事柄も吸い上げる体制ができている。
② 苦情を全体的なものとして受け止め、苦情報告書が経営トップまで上がっていく仕組み
がとられている。クオリティーマネージャー会議で検討され、センター長を通して情報
の共有化を図る仕組みが作られている。
③ 苦情是正報告書がスタッフ全員に配布はされているが、共有化が不十分である。利用者
アンケートによる「不満や要望についてきちっと対応されたか」では、どちらともいえ
ないと答えた方が若干いる。共有化への努力が望まれる。
☺☺
9 地域との交流・連携
① 夏祭りなどのイベント行事について、近隣に声掛けなどでお知らせをするなど、地域
と交流の姿勢を持っているが、イベントへの参加者はいないのが現状である。
② 同一建物の上階(2、3階)にあるグループホームとの交流が少ない。
- 36 -
デイサービスセンター
エンゼルヘルプ西落合
(通所介護)
③ 近隣に小学校、障害者施設があるが、その地理的条件を生かした地域交流が未だ図ら
れていない。
『経営マネジメント』項目
☺☺☺☺
1 リーダーシップと意思決定
① 年度ごとに定められる社長方針は、各事業所に配布し掲示されている。また、事業所に
おいても独自の品質目標を作成して、センター長はじめ、全スタッフが個人カードとし
て携帯している。16年度の品質目標に「スタッフと利用者の一体感」
「イベント等を行
う際は、利用者様が何をしたいかを確認する」
「利用者様には、自分でできることはいつ
までも自分で行える支援」を掲げ、共通の認識に立ったサービス提供の姿勢が感じられ
る。
② 経営を担当するエリアマネージャーと、サービスを担当するクオリティマネージャー、
及び現場の最高責任者であるセンター長の役割が明確である。
③ 業務の改善は、改善計画書を通じて、その決済が管理者まで確実に伝わる仕組みになっ
ており、改善計画書の内容によっては、管理者から確認や指示が出されるなど、現場の
意欲を育てる体制がある。改善例として、利用者のコート(上着)の管理においても、
マフラー紛失の経験を踏まえて、当日の利用者のコートが本人の手元に確実に届き、さ
らに管理の効率も含めた改善に繋がっていた。
☺☺☺
2 経営における社会的責任
① 介護に携わる職員の数が、法で定められた基準の人員よりも上回っており手厚い介護が
実施されている。
② 第三者評価を取り入れ、ISO9001を導入し、透明性の高い組織となっている。ま
た、本社スタッフによる顧客満足度調査を行うことで、利用者からの要望や不満が言い
やすい環境づくり、併せて、サービスを見直し、改善に努めている。
③ 守るべき法、規範、倫理等を明文化し、雇用契約書に秘密保持について記載されている。
また、入社時にはエリアマネージャーから必ず就業規則について説明し、周知を図って
いる。併せて、毎日使用されている帳票のうち必要に応じて社外秘の印が押され、秘密
保持、個人の尊厳、情報開示についても周知を図る努力が行われている。
- 37 -
デイサービスセンター
3
エンゼルヘルプ西落合(通所介護)
利用者の意向・満足状況、経営環境、市場動向等
の把握
☺☺☺
① 本部による顧客満足度調査を実施し、顧客のサービス向上をめざし、顧客の苦情・要望
を収集・分析が行われている。
② 本部では、顧客満足度調査結果の収集・分析は行っているが、他事業所の結果も含めた
各事業所へのフィードバックが徹底していない。現場では他の事業所の状況が掴めず、
比較検討ができない。
③ 本部の収集した顧客満足度情報の分析結果が現場隅々まですみやかにおりていないた
め、活用が不十分である。
☺☺☺☺
4 改善課題の設定と取り組み
① 改善課題は、顧客満足度調査やスタッフノートから吸い上げ、改善活動計画書を作成し、
サービス向上に取り組んでいる。利用者の苦情、事故情報等を基に是正処置報告書を作
成し、改善に取り組んでいる。前年の改善課題である安全な運転を目指して自動車教習
所にて研修を行った。
② 報告書関係書類はフィードバックまで時間がかかっていたが、改善策としてイントラネ
ットを整備し、電子認証を取り入れることを決定している。
③ 毎月、売上実績と予算計画を照らし合わせて、エリア会議において、センター長とエリ
アマネージャーとで原因を追及し達成を図っている。
☺☺
5 職員と組織の能力向上
① 年2回の面接制度による人事考課を行っている。個人別評価として、個人の目標設定が
あり、各スタッフの目指す目標を明確にしている。
② 毎月本社にて職員研修の機会がある。2年目以降は、全職員が対象になっている。
③ 非常勤スタッフの定着率が低い。非常勤スタッフにもボーナスが支給されたが、まだ、
長期に勤める職場環境が整っていない。
※
「6
サービス提供のプロセス」は、前項参照
☺☺☺
7 情報の共有化と活用
① 事業所内の情報の収集・整理の責任者はセンター長になっている。改善活動計画書、利
用者の苦情、是正報告書等は、検討内容、対応結果などきちんと整備され職員に回覧さ
れている。
- 38 -
デイサービスセンター
エンゼルヘルプ西落合
(通所介護)
② 顧客満足度調査は事業所にも情報が提供されており、利用者の要望や不満に職員は敏感
に対応しているものの、全社的な情報やそこから導き出される会社の方向性への関心は
低く、活用が図られているとはいえない。
③ 現場の職員の、会社の方向性や情報に対する関心がうすい。ISOに従ってマニュアル
も完備しているが、活用度合いは未だこれからと思われる。
☺☺☺☺
8 1∼7に関する活動成果
① 利用者が常時25名∼30名あり、稼働率が向上し、経営が安定している。
② 夏祭り、運動会、クリスマスなどイベントを企画し、実施するイベントは家族やケアマ
ネージャーの見学が増えた。
③ 新規問い合わせは、月に10件位入っており、見学希望者の数も増えている。
4
利用者調査結果
総合的な感想で、 現在利用されている通所介護サービス(デイサービス)を
総合的に見て、どの程度満足していますか の質問に対し、回答者52名中、大
変満足11名、満足26名、計37名であった。利用者が事業所に信頼を寄せて
いる様子が伺える。 はい
と回答した割合も最も高い設問は、【問1】事業所
の建物や設備は、あなたが安全に、活動できるようになっていますか 、【問2】
事業所の共用部分(食堂・お風呂場・トイレなど)は、清潔で気持ち良いですか
で92.3%であった。事業所の建物や設備に関するハード面で、高い満足度を
示している。一方、 はい
と回答した割合の最も低い設問は、【問17】家で
の生活に役立つような活動・リハビリになっていますか で57.7%であった。
デイサービスと在宅での生活との関係については、今後の課題となる。
- 39 -
デイサービスセンター
エンゼルヘルプ西落合(通所介護)
サービスを利用しての満足度
(調査票回収数 52件中)
無回答
12%
大変満足
21%
不満
0%
ふつう
17%
大変不満
0%
満足
50%
事業評価(自己評価)との対比
※
類似した質問項目について、事業評価(自己評価)と
利用者調査の評価とを比較したものです。
事業評価の質問項目
利用者調査の質問項目
自己評価の
「はい」と答えた人数/
平均点(5 点満点)
回答数(無回答を除く)
契約時の説明
【過去 1 年以内に利用を開始し、利用手
続きについての説明を受けたと答えた方
利用予定者にはサービス内容
を分かりやすく説明している
3.2
に】利用前における、事業所の考え方や
デイサービスの内容、支援内容など、あな
たの知りたいことについての職員からの説
明は、あなたが理解し納得できるような、
わかりやすいものでしたか
16/19
- 40 -
デイサービスセンター
エンゼルヘルプ西落合
(通所介護)
利用者と家族の要望
あなたが職員に対して要望した内容
利用者の個別の情報や要
望を把握している
が、その場にいなかった他の職員にもき
ちんと伝わっていますか
3.0
34/41
一人ひとりの利用者の情報を
関係職員の間で共有化し、活
用している
3.1
事業所は、あなたの身体や生活の状
況、要望をよく理解していると思います
か
37/44
食事
食事はいつもおいしいですか
21/40
食事の献立は工夫されていますか
栄養のバランスを考慮した上で
おいしい食事を出している
23/39
2.7
あなたにあった食事方法(食事時間、食
器・用具、介助方法等)になっています
か
31/38
苦情
利用者や家族がサービスにつ
いて意見や要望を表明し、苦
情を訴えやすいしくみを整えて
いる
職員は、施設や職員に対する不満や要
望に対してきちんと対応してくれていま
すか
32/37
3.0
要望や苦情および日常のトラ
ブルには迅速に対応するしく
みを整えている
3.6
- 41 -
デイサービスセンター
エンゼルヘルプ西落合(通所介護)
自由意見
●大起エンゼル様にはとてもお世話になりました。太りすぎがやせてきましたからね。○
○○○さんの主菜の切身が大きいことがあります。包丁を半分でもいいから切り目を入
れて下さるととても親切です。職員さんが料理ばさみを入れる手間がはぶけます。手が
足りなくて可哀そうですから。
●本人が話さないので、食事摂取量、入浴状況等知りたいと思うので情報を連絡帳に記入
していただきたいと思っています。
●私は週に2回お世話になっていますが大変満足しています。
●祭日、日曜日早く開いてください。多少価格は高くてもよい。ショートステイも考えて
います。本人は貼り絵が好きです。自宅が自営でお休みは大変です。宿題を願っており
ます。
●大変皆様が親切で満足しています。
●色々と良くして頂いて感謝しております。脳の活性化のため手先の作業もして下さって
いる様ですネ。お祭り運動会を見学して感じました事は職員の皆様が一生懸命会を盛り
上げてくださる姿に感動致しました。怪我の心配もあるでしょうが、室内でもテスリに
つかまって歩行練習も取り入れて下さればと思います。又外出できる方は暖かい日など
近くの公園に月2.3回程度散歩して頂ければと思います。デイサービス内の怪我した場合
は室内に入ってから発生するのですか・・・規約に明記した方が良いと思います。
●エンゼルさんは皆さん明るく気持ちが良いです。又、寝たきりにならないようにリハビ
リ的要素を取り入れてして下さるのも前向きだと思います。行事も色々して下さるのと、
何かの時は遅くまで見て下さるようになり、介護している方はとても助かります。
●デイサービスに行く日の朝は、外出が面倒な為、機嫌があまり良くないのですが、デイ
サービスから帰って来ますと、楽しかったらしく、何時も喜んでいろいろあった事等話
しています。きっと職員の方々のお世話が良いのだと思い、感謝しております。
●父親が利用させてもらっている者です。何度か見学させていただきましたが、職員のみ
なさん方が大変一生懸命されている姿に好感が持てました。ただ、当然のことなんです
が、自分の親も年老いてこういう状況なんだなあーという事実を知ったのは、さびしさ
がありました。
●障害者の身をすごく重く見て下さり、皆様の暖かい御心に本人は感謝いたして居ります。
- 42 -
デイサービスセンター
エンゼルヘルプ西落合
(通所介護)
今後もよろしくお願い申し上げます。
●毎日同じ時間で、朝と帰宅時間が9時50分∼4時30分位がいいと思います。いつもとても
大切に父を介護してくれているので安心しております。デイサービスとはなくてはなら
ない物だと思います。お風呂についてもとてもよくしてもらっていて家族にとってはと
てもありがたく思っています。
●職員の皆さんがとても明るく、毎日エンゼルへ行くのが楽しみと本人が申しております。
いつもありがとうと感謝しています。
●本人は喜んで行っています。1週間に2回ですが朝9時55分頃迎えに来るのですが、待ちど
うしくて1時間前位から支度して待ってます。なるべく早く9時頃来てもらいたいです。
●職員のどなたも、親切で明るく対応して下さっています。明るく声かけして下さり、本
人もデイサービスの日は早起きをして楽しみにしております。週2回の利用も満足してい
る様です。感謝しております。
●高齢なので、朝突然行きたくない時があり、昼食料の負担を払わなければならない事を
改善してほしい。
●(家族より)行く時はやや不安な日も、帰る時には元気に帰って来て、楽しい話を聞か
せてくれております。本人も喜んでおりますし、家族も大変その日は気が楽で助かって
おります。少しでも足が軽くなるような体操や積極的な歩行など、どんどん取り入れて
ほしいです。入浴時浴槽に入る時のまたぐ幅が広いためつらいようで、少し大変だと言
っております。
●足の不自由な主人ですが皆さんとても優しく面倒を見てくださいますので本当に感謝致
して居ります。
●職員の方々の細やかな心遣いに感謝致しております。
●いろいろやって下さるので感謝しています。
●①お弁当の味付けをもう少し工夫してほしい。
②お弁当のゴハンをもう少し柔らかくして欲しい。
●本人も楽しく通っているようです。入浴の時に使うバスタオル、フェイスタオルをエン
ゼルの方で管理してもらえたらと思います。
●いつも楽しみに感謝しております。
●おやつがさみしい感じがします。
- 43 -
デイサービスセンター
5
エンゼルヘルプ西落合(通所介護)
サービス改善計画
改善課題
1
食事に関して、利用者の好き嫌いはあるが、
嗜好のあった食事提供。
2
非常勤職員の定着率の向上
3
レクリェーション活動の更なる向上
課題解決の具体的取り組み
1
2
主食(ご飯)はセンターで炊く形への取り組み。
スタッフ間のコミュニケーションの場を多く持つ。
(活動の中での不満は責任者がスタッフといっしょに
なって、改善できる方向にする・責任者が耳を傾ける)
3 レクリェーションに関しては高い評価を頂けたが、
その活動がもっと利用者1人1人の自立へのつながる
ものにする。レクリェーションを行う意味をスタッフ
が意識する。
事業者からのコメント
サービス評価を受審して
レクリェーションでは特にイベントに力を入れており、毎回スタッフがイベ
ントを行うことの意味を考え、力を注いでいった事が、今回の評価で利用者様
や評価機関の方々に感じて頂けてことを嬉しく感じました。また、普段利用者
様から直接現場スタッフには上がりにくいと思われることも、評価機関を通じ
て認識することが出来、今後の改善につながる機会となりました。
評価機関について
デイサービスでの活動の現状を、細かい所まで聞き出して下さり、普段私達
では気が付かなかった事を、第三者の立場から解りやすく報告されていました。
他者でのデイサービスでの活動も知っており、他社との比較を良い形で見て下
さいました。
- 44 -
デイサービスセンターなごやか新宿
デイサービスセンター
(通所介護)
なごやか新宿
運営主体
: 株式会社
やまねメディカル
住
所
: 新宿区上落合2−1−2
電
話
: 03−5988−9200
ファックス
: 03−5988−9201
事業所長
: 林
太陽落合マンション1F
茂樹
評価対象サービス : 通所介護
評価実施日
: 平成17年3月19日
評価機関
: 日本高齢者介護協会
1
事業プロフィル
※
1
2
当該事業の職員体制
・人数
常勤 8名
非常勤
事業者自身が記入したものです。
名(常勤換算8人)
同一敷地内(又は同一建物内)で実施している同一運営主体のサービス
なし
3
他事業所と比較して優れている点
(人的サービス面)
・入浴サービス
・口腔ケア、低栄養予防、機能訓練
・個別処遇(各利用者のニーズに合ったサービスの提供)
(施設・設備面)
・落着いた家庭的な雰囲気を整える
4
サービス提供能力
サービス提供能力に余力があり、希望者があれば受け入れたい。
5
3年後の見通し
サービス提供能力を拡大する計画はないが、ほぼ現在のサービス提供
能力に見合う利用者数は維持できると思う。
- 45 -
デイサービスセンターなごやか新宿
2
評
価
✓
1
講
(通所介護)
評
特に良いと思われる点
センター長の秀でたリーダーシップの発揮
センター長の事業への情熱、エネルギー、リーダーシップによ
って、月々急速に発展している施設です。利用者の要望に応じ、
全員入浴・ベッドまでの送迎・重度かつ遠距離者の受け入れなど、
顧客満足度の高いサービスを展開しています。また事業責任者と
しては利用者獲得を最大の責務とし、月間利用者目標数の達成を
目指しています。都心・単独型・中規模のデイサービスセンター
が、開業後短期間で利益目標をクリアしており、民間ならではの
創意工夫と活力を発揮した、実に見事な成功例をここに見ること
ができます。
2
通所介護運営ノウハウとしての事業マニュアルの完備
デイサービスに特化し、東京を中心とした 37 直営店その他 FC
展開をしており、サービス品質を確保するために本部の定める「な
ごやかサービストータルシステム」の名称で、各種膨大かつ子細
なマニュアル類が整備されています。この中には事業への理念や
方針をはじめとして、センターを早期に立ち上げ運営し、新人も
ベテランも優しく完全習得できる教科書として役立っています。
3
医療系介護サービスへの独創的な取り組み
医療法人グループに所属する、当センターは、医療的根拠に基
づく「なごやか体操」を創案し、介護予防・重度化防止のための
リハビリ体操を、1日の流れの中で度々実施しています。要介護度
3以上の利用者が55%を占め、更に物忘れ、認知症、肢体不自由な
どの多様な利用者を受け入れているため、口腔ケア、低栄養予防
などの医療系の予防サービスも開発し、時代を先取りした積極的
でオリジナリティーのある取り組みがみられます。
- 46 -
デイサービスセンターなごやか新宿
✓
1
(通所介護)
特に改善を要すると思われる点
ケース会議を中心とした個別サービス管理体制の強化
デイサービスセンターにおいても個々の利用者にとっても適切
で良質な介護計画を含めた個別援助が求められています。ケース
会議では、
「利用者の短期・中期のケア目標に照らして適切であっ
たか」、「利用者の障害状況・健康状態を把握した良質かつ適切な
サービス提供ができているか」などについて、定期的に、資料に
基づく状況報告・分析検討・評価・フィードバックをして、ただ
の報告会になってしまうことなく、センター長や主任による助言
を得て、ケース会議を中心とした利用者の「個別サービス管理体
制」が十分に機能することが求められます。
2
職員の就業・処遇・研修等に温もりのある配慮を
現在、職員の意識の中に立ち上げ時期特有の目先達成感はある
ものの、今回の職員調査において職員の処遇や就業環境に関する
不満が出ています。この背景には、サービス要員の量・質にわた
る不足が見受けられますので、人事給与体制や教育研修環境の整
備が望まれます。
3
地域との交流・連携への取り組み
事業開始1年程度なので地域住民との交流もままならない状態
であると思われるが、事業所としては地道に地域ネットワークを
作って行く必要性を感じているので、町内会との交流や催し物の
職員及び利用者の参加など長い付合いができる体制作りが必要と
思われます。
- 47 -
デイサービスセンターなごやか新宿
3
(通所介護)
事業評価結果
『サービスの実施』項目
1
栄養のバランスを考慮した上でおいしい食事を出
している
☺☺☺
① 外部からの配食サービスを利用しています。栄養面・安全面に配慮されたメニューとな
っていますが、外部委託のためもあってか、利用者個々人の嗜好に合わせることは難し
く、その際は適宜近所の店で弁当を購入するなどして対応しています。
② 嚥下困難者には刻み食などで対応している。健康上カロリー制限が必要なものは、主食
やおやつで調整されています。毎回の食事状況については残菜チェック表に10段階で表
示し、個人記録に残しています。チェック表は、バイタルサインの記録としても使われ
ており、食事と体調の関係が一目でわかるようになっています。
2
入浴等に関しては、利用者の状態や意思を反映し
た支援を行なっている
☺☺☺☺
① 当事業所の周辺にあるデイサービスは、入浴介護を行っているところが少なく、当事業
所を活用する利用者は多い。入浴は毎日行われており、利用者個々のニーズに合わせて
サービスを提供していることが、利用者や家族の満足度の高さにつながっていると思わ
れます。
② 一般浴とリフト浴が設置してあり、車椅子の利用者でも入浴していただける体制を取っ
ています。なるべく家庭の雰囲気に近づけ、ゆっくり入浴を味わっていただくために、
リフト浴が適応の利用者でも状況に応じ臨機応変に、一般浴への入浴を試みています。
その際は安全確保のため、男性スタッフが複数対応するようにしています。
③ 利用者の中には、入浴を拒否される方もいますが、必要性を丁寧に説明し、時間をずら
して入浴してもらうなど利用者の意思に沿った入浴援助を心がけています。
3
利用者の健康を維持するための支援を行なってい
る
☺☺☺☺
① 職員は、利用者一人ひとりの身体状況を把握し、体調不良等緊急時には、速やかに主治
医との連携をはかれる体制になっています。
- 48 -
デイサービスセンターなごやか新宿
利用者の負担にならないよう送迎サービスを工夫
4 し、安全を確保するための支援の方策をとってい
る
(通所介護)
☺☺☺☺
① リフトつき車輌、ドアtoドア、ケースによっては、ベッド to ドアの対応を基本として
いる。全車に携帯電話を常備し、緊急時や利用者宅への連絡がスムーズに行なえるよう
にしています。
② 限られた時間の中で、効率よく送迎を行なえることは、利用者や家族の負担の軽減にも
繋がり、今後さらなる工夫を検討する予定です。
5
利用者の生活機能向上や健康増進を目的とした機
能訓練サービスを工夫し実施している
☺☺☺☺☺
① 利用者の健康の維持増進・生活にメリハリをつける・モチベーションをあげるなどを目的
に、事業所独自の機能回復訓練を積極的に行なっています。当事業所は、要介護度の重
い方のウェイトが高いため、安全に配慮して座位での体操を中心に行なっています。ス
タッフ全員が、本部主催の研修会に参加したり、本部から派遣されるトレーナーを招く
などして、技術の向上を図っています。利用者の中には、歩行が改善した例もあり、今
後家庭も含めた継続的なケアが望まれます。
② デイサービス終了時に行なわれる、「憧れのハワイ航路」の曲に合わせての体操は、一
日のケジメとして習慣的に行なわれ、主に上肢を挙上しての屈伸や回旋運動など、一日
の整理体操として位置付けられています。
施設で過ごす時期は楽しく快適で、利用者が自立
6 的な日常生活を送ることができるような工夫(ア
クティビティ等)を行なっている
☺☺☺
① 機能回復訓練に加えて、机上で行なう作業的なものやゲームなど、1週間ごとに計画を
立て飽きのこないような工夫がされています。しかし、プログラムの内容によっては、
単調な動作のくりかえしとなってしまうものもあり、時間が間延びしないようなメリハ
リのあるプログラム内容にするなど、さらなる工夫が必要であると思われます。
② 集団のプログラムに馴染めない男性利用者に対しては、男性スタッフが多いという当事
業所の強みを発揮し、話し相手になったり、囲碁や趣味を行なうなどなるべく孤立しな
いような配慮がされています。
7 施設と家族との交流・連携を図っている
☺☺☺
① 家族への連絡は主に連絡帳を通して行なわれています。連絡帳には毎回、その日のサー
ビスの提供状況や利用者の状態などを記入し、返事をもらう仕組みとなっています。
- 49 -
デイサービスセンターなごやか新宿
(通所介護)
② スタッフが自宅へ訪問しモニタリングをしたり、必要に応じて電話連絡するなど家族−
スタッフ間のコンタクトは取れていますが、利用者アンケートでも家族懇談会やデイサ
ービスへの見学の要望も聞かれており、家族関係を更に円滑にするため、対策を講じる
ことが望まれます。
『サービス提供のプロセス』項目
☺☺☺☺
1 サービス情報の提供・案内
① 利用者向けの情報サービスとして、ホームページやとうきょう福祉ナビゲーションへの
掲載などと共に、各事業所では独自のパンフレットを作成し、法人グループ及び事業所
としての広報活動に力を入れています。
② 各事業所においては、潜在利用者の掘り起こしのためにケアマネジャーや老人クラブへ
の働きかけをして、空き情報を提供しています。
③ 見学案内には、センター長自らが担当し、利用者確保に率先して努力しています。
☺☺☺
2 サービス開始時の対応
① 契約書及び重要事項説明書が要件として為されていますが、利用者調査での理解度は
68%にとどまっており、利用者及び家族の理解度に合わせたわかりやすい説明が必要と
思われます。
② 利用者の要望に応じて、「毎日入浴」がセールスポイントとなっています。健康状態は
変化しやすく不安定ですから、看護師による状態把握や主治医からの情報収集が必要で
す。
☺☺☺☺
3 標準的サービス水準の確保
① 手引書は業務全般にわたって標準化されたものが、本部から一括して用意されています。
細部に関しての追加・修正等は、各事業所に任されており、必要性は感じているものの、
そこまで着手できていないのが現状です。
② 手引書は各分野ごとにファイリングされ、必要なときすぐに取り出せるように整理され
ています。業務の中で分からない事が起きた時や研修等に適宜活用されています。手引
書でカバーできない部分は、スーパーバイザーとして施設長が、助言・指導を行ない、職
員全員が標準的なサービス水準確保のための実践を目指していることが伺えます。
- 50 -
デイサービスセンターなごやか新宿
(通所介護)
☺☺
4 個別対応の重視
① 利用者の個別情報や行動計画等は、毎日朝と夕方に開催されているケアカンファレンス
でスタッフが共有化し、必要に応じて個別記録に残しています。
② 個別情報はマメに収集しながらも、それらは日々の経過記録にとどまっているのが現状
で、個別の介護計画書として作成はされていません。継続性のある統一したケアが提供
できるよう、個別性を重視したより具体的な介護計画書の作成に着手されることが望ま
れます。
※
「5 サービスの実施」は、前項参照
6 プライバシーの保護等個人の尊厳の尊重
☺☺☺
① プライバシーに関する配慮は、この業務における基本的な事項として各職員に徹底して
います。具体的な明文化はされていませんが、職員採用時の面接の際に方針を説明して
おり、充分に理解していると判断しています。又、折にふれ、職場でこのことの重要性
を確認し合っています。
② 職員の日常の業務のなかで、配慮に欠ける行動や言葉遣いが見られた場合には、センタ
ー長がその都度、注意・指導をしています。職員同士はお互いに意見交換が出来る状況
にあると思われます。
③ 男性利用者の参加が比較的多いという背景には、通常のデイサービスに比べ男性職員が
多く、なるべく同姓同士で関われるような配慮をした上で、その都度対応し、個人の尊
厳を尊重する様にしていることが伺えます。
☺☺☺
7 安全管理
① 利用者の健康管理については、利用者・職員のインフルエンザ予防接種、手洗い・うが
いを励行しています。
食中毒及びその他の感染症に関する最新情報や対応知識を適宜
取得しているものの、職員に対する周知徹底のために、手引書の作成・活用が望ましい
です。
② 事故管理マニュアルは本部からのマニュアルが整備されており、その都度職員は参考に
しています。マニュアル外の事が起こった場合の事故管理はリーダー及びリーダーが不
在の場合はサブリーダーの判断による指示としています。
③ 災害、地震等の災害時対応についてはマニュアルも整備されておらず、今後、至急整備
されることを望みます。避難訓練は消防当局と打ち合わせをして、利用者に不安を生じ
させない様な訓練方法を検討されることを望みます。
- 51 -
デイサービスセンターなごやか新宿
(通所介護)
8 要望・苦情・トラブルへの対応
☺☺☺
① 家族やケアマネジャーの事業所見学を推進しており、利用者や家族の意見、要望、苦情
を聞き、相談にのるしくみがあり機能しています。
② 毎日のミーティングで苦情処理を含め打ち合わせをしていますが、利用者アンケートで
「職員に対して要望した内容が、その場いなかった他の職員にきちんと伝わっていなか
った」との調査結果(14 人32%)があり、今後連絡方法のさらなる検討を望みます。
③ 利用者調査で「デイサービスの一日はあなたのペースに合っていますか」の問に「いい
えの回答 10 人 23%、無回答 7 人 16%」がありました。時間的ペース配分は早いのか、
遅いのか、再度、利用者の一日のペースを見なされることを望みます。
☺☺
9 地域との交流・連携
① 地域における福祉・介護の情報の発信基地の一つであり、地域住民の一員であるという
観点から、可能な限り活動範囲・内容を拡げている努力が見受けられます。具体的には、
行政主催の行事等への参加や、近所の方のための介護相談の門戸を広げています。
② 地域ボランティアについても、特段の意識はせずに可能な限り受け入れる意識はある
が、歌の先生他数回のみで具体的な動きになっていない。マンパワー不足解消もあり早
急に受け入れ活動の検討されることを望みます。
『経営マネジメント』項目
☺☺☺☺
1 リーダーシップと意思決定
① センター長には、法人の定める「業務執行要綱」に、リーダーとして果たすべき職務の
内容が明文化されています。施設の最高責任者として施設の予算目標を達成することで
会社に、社会の求める良質なサービスを提供することで社会に、職員の長所を見出し伸
ばすことで職員に、それぞれ方針、職責を明確にしています。
② センター長が的確なリーダーシップを発揮し、前職の関係から一般企業の考え方の良い
ところを取り入れ、他の施設にない活動を行っていることが利用者にとって居心地のよ
い場所になっているのではないか。又、職員とのコミュニケーションも休日を利用した
私的会合を含め、かなり取れていると思われます。
③ 職員名札の裏には「理念と方針」が記載されており、朝礼時には、職員一同で理念を唱
和し、一丸となって福祉事業に取り組む気持ちを確認しあっています。しかし、理念と
業務方針とは違うという意見もあり、今後調整する必要があると思われます。
- 52 -
デイサービスセンターなごやか新宿
(通所介護)
☺☺☺
2 経営における社会的責任
① 通所介護事業所に期待される役割・機能として、創業以来、医療法人グループに所属す
る強みを生かして、介護予防の強化に取り組んできました。この度の介護保険制度の改
定の動向をとらえて、事業拡大を加速させるために一段と介護予防の啓発と実践に取り
組み、経営における社会的責任を果たしていく方針になっています。
② 事業拡大をすることによって、経営の安定を図り、サービス提供する現場職員の処遇の
改善を進め、職員の定着化、仕事への意欲の向上などを具体化し、ひいては利用者の満
足度を高め、社会的責任を果たしていこうとしています。
3 利用者意向や地域・事業環境などの把握
☺☺☺☺
① 利用者アンケート調査での顧客満足度は総じて高いです。ただし、「行事やレクリエー
ションに楽しく参加できますか?」は54.5%、「職員は、施設や職員に対する不満
や要望に対してきちんと対応してくれていますか?」が、56.8%と、「はい」と答え
た質問に対する所謂肯定回答率が低かった事項もありました。
② 日々のケアサービスの提供において、個別の利用者の心身の状況を把握し、常に利用者
の意向に沿ったサービスを提供するように心がけていると思います。しかし実態は、1
日の流れのスケジュールに追われて、利用者の要望に職員の対応が少なく、行事やレク
リエーションなど生活を楽しむ文化的活動が不足しています。今後、これらの点を改善
するため、利用者の個別ニーズに対応したサービス管理体制の強化が望まれます。
③ 利用者に関する地域モニタリングを強化しており、都心・独居老人・閉じこもり・認知
症・要介護度 3 以上が 55%と半数以上・オムツ使用者は 95%、という利用者が多いとい
った地域事情を配慮して、日曜日を除く毎日のサービス提供を継続しています。
☺☺☺
4 改善課題の設定と取り組み
① ケアプランに即した個別の介護計画を作成し、ケアの目標を家族の参加協力を得て、自
宅でも継続できるケアを検討することが必要と思われます。この具体化により、自宅で
の生活と通所介護のケアの継続性や統合化が図られ、ケア効果が向上することが期待さ
れます。
② 本部の内部監査が年3回程度実施されており、改善課題の設定と取り組みは鋭意行われ
ている点は評価できます。
本部主導型のため当センター独自の改善課題の取り組みは難しく、又人事交流が頻繁に
行われるので、当センターの中長期の改善課題の取り組みも難しいと思われます。
③ 職員からの改善課題の要望も毎朝のミーティング、日誌等でフィードバックをしている
点は評価できますが、全体会議が開かれていないので、系統的にはなっていません。 今
後、工夫を要するものと思われます。
- 53 -
デイサービスセンターなごやか新宿
(通所介護)
☺☺☺
5 職員と組織の能力向上
① 職員は本部で面接を行い、高い競争率の中から当センターの理念・方針に賛同・共感を
得た者のみを採用しています。 全員が介護福祉士、訪問介護員 2 級の何らかの資格取
得者であり、福祉・介護の実務経験を有しています。
② 職員の採用後、本部で社内研修が行われ、また配置後も定期的に研修が行われ全員が短
時間でレベルアップするシステムとなっている点が評価できます。今後は職員一人一人
の能力向上を計画的・組織的に行われることが望ましいです。
③ 職員の中から人員が足りない、定時にあがれないなどの声があり、利用者数に対するマ
ンパワー不足解消と職員のやる気向上の取り組みの面からも地域のボランティアの協
力が早急に求められているのではと思われます。
※
「6
サービス提供のプロセス」は、前項参照
☺☺☺
7 情報の共有化と活用
① 事務所内での書類、情報、各種記録等はセンター長が管理者となって、必要としている
職員が使いやすいように工夫され、適切に管理されています。
毎朝のミーティングで
それらの活用を随時行っています。
② 利用開始時にフェースシート、アセスメントシート、医師の意見書等を作成し、職員が
共有する様にしている点は評価できます。各記録の保管場所は定められており、又、職
員は随時気軽に活用できる状況になっています。
☺☺☺
8 1∼7に関する活動成果
① 事業運営の開始が平成 16 年2月であり、約 1 年経過しましたが、利用者数は1年前の
開業時より増加し、定員の95%を確保しています。又、当センターの利用者満足度は
利用者数と欠席率が判断材料になり、本部が管理し、他拠点のデイサービスとの比較検
討をしています。
② 施設長が中心になりケアマネジャーへの機能訓練を含めたメニューの積極的PRによ
り、短期間にもかかわらず利用者数の増加と男性利用者の参加が多いことが伺えます。
③ 利用者数の増加に伴い、職員の数とのアンバランスにより忙しくなり、時間的余裕がな
く、職員のストレス増加及び利用者の声として「職員の笑顔が減ってきた・言葉づかい
が悪くなってきた」との不満の声が聞かれます。今後の課題として検討されることを望
みます。
- 54 -
デイサービスセンターなごやか新宿
4
(通所介護)
利用者調査結果
家族からのアンケートについては、利用者に男性が多いにもかかわらずおおむ
ね良好である。職員が一所懸命に努力している姿は共感をもたれていると思われ
る。ただし職員の連絡体制及び一日のペース配分については「いいえ」の回答が
多かった。これは、家族連合会、家族の面会来所の面会来所の頻度等でセンター
とのコミュニケーションが良くとれているからこそ出てくる回答と推測できる。
職員のコミュニケーション方式による調査は、評価員の対象者からの問いかけに
応じることができ、的確な情報を得ることができたものと推測している。
サービスを利用しての満足度
調査実施していない
事業評価(自己評価)との対比
※
類似した質問項目について、事業評価(自己評価)と利用
者調査の評価とを比較したものです。
事業評価の質問項目
利用者調査の質問項目
自己評価の
「はい」と答えた人数/
平均点
回答数(無回答を除く)
- 55 -
デイサービスセンターなごやか新宿
(通所介護)
契約時の説明
【過去 1 年以内に利用を開始し、利用
手続きについての説明を受けたと答
利用予定者にはサービス内容
を分かりやすく説明している
えた方に】利用前における、事業所の
考え方やデイサービスの内容、支援
内容など、あなたの知りたいことにつ
3.8
いての職員からの説明は、あなたが
理解し納得できるような、わかりやす
いものでしたか
30/40
利用者と家族の要望
あなたが職員に対して要望した内容
利用者の個別の情報や要
望を把握している
が、その場にいなかった他の職員にもき
ちんと伝わっていますか
4.0
20/34
一人ひとりの利用者の情報を
関係職員の間で共有化し、活
用している
4.1
事業所は、あなたの身体や生活の状
況、要望をよく理解していると思います
か
- 56 -
33/40
デイサービスセンターなごやか新宿
(通所介護)
食事
食事はいつもおいしいですか
27/37
栄養のバランスを考慮した上で
おいしい食事を出している
食事の献立は工夫されていますか
26/35
3.1
あなたにあった食事方法(食事時間、食
器・用具、介助方法等)になっています
か
34/36
苦情
利用者や家族がサービスにつ
いて意見や要望を表明し、苦
情を訴えやすいしくみを整えて
いる
3.8
職員は、施設や職員に対する不満や要
望に対してきちんと対応してくれていま
すか
25/31
要望や苦情および日常のトラ
ブルには迅速に対応するしく
みを整えている
3.7
- 57 -
デイサービスセンターなごやか新宿
(通所介護)
自由意見
●いつも排泄のお世話をしていただいている。とても感謝している。辞めないでほしい。
代理の担当者になっても変わりないケアをお願いしたい。施設長はじめスタッフには親
切にしていただいている。
●いつも楽しいです。
●洗濯籠に洗濯物がそのままにしてあるときがある。すぐに干すようにしてほしい。気持
ちよく利用したい。
●毎回行くのを楽しみにしている。
●職員が大変忙しそう。人員を増やしてほしい。
●非常にお世話になっているので、満足している。
・・・が、帰宅の大まかな時間を朝知ら
せてほしい。
●デイサービスに通うことが本人の本意ではないので、回答はかなり厳しいものになった。
しかし、家族の目で見ると、生活のペースや身だしなみ、社会とのつながりの面からと
ても役立っていると思う。
●トイレにウォシュレットがほしい。
●若い職員に親切に一生懸命してくれることに感謝している。
●大部分は満足しているが、カラオケを歌うのはいやです。
●とても親切に対応してくれているようです。お風呂に出来るだけ自分ではいるようにと
いう方針に家族も賛成です。
●気配りが行き届いて安心してすごせている。
●施設に任せきりにしているが、家族ももっと実態を把握しておく必要があるのではと感
じている。どんな食事を摂っているのか知りたい。
●感謝している。
●横になれる場所が少なく、空いてないことが多々あるので、そのような場所を増やして
- 58 -
デイサービスセンターなごやか新宿
(通所介護)
ほしい。
●利用してまだ日が浅いので、よくわからない。
●こちらの要望にいつもきちんと対応しているので感謝している。
●職員の気配りが大変自然で良いと感心している。
●トイレ・入浴のとき、手を放されると不安になる。手すりを使っても手足が不安定なの
で怖い。「ここから一人で行ってください。」といわれると不安。
●良いとされる学習治療などをしていただけるとうれしい。いまさらと思うかも知れない
が、少しの希望も家族としては持ちたいので。送迎のときしか関わっていないので、施
設での様子がもう少しわかれば・・と思う。
●浄化槽の設備が古いのではないか。20人が使用するのだから、上湯だけ捨てても尿は
下に回るので、その点を早く改善してほしい。
●一流の設備とは言いがたいが、職員は一生懸命サービスし、一日を楽しく過ごせるよう
に努力しているのが十分感じられる。一日おきの利用だが、毎日のように、
「今日は何時
のお迎えかな」と言っている。羞恥心の配慮について思うところもあるが、実際の場面
での事情もあるようなので・・・。
●デイサービスでのことは本人に聞くしか方法がなく、見学会など取り入れてもらえない
か。
●職員の笑顔が減ってきた。言葉遣いも悪くなりつつあるのでは。利用者も言うべきこと
は言うべきだと思う。
●サービスが偏っている。
●入浴サービスは大変助かっている。
●一月の利用日の送迎時間を知りたい。お迎えの電話がその日によりばらつきがあるので
支度に困ってしまう。
- 59 -
デイサービスセンターなごやか新宿
5
(通所介護)
サービス改善計画
改善課題
1
地元地域との交流への取り組み
2
これからの介護予防に対する取り組み
3
利用者の個別介護計画及び管理体制の強化
課題解決の具体的取り組み
1
なごやか新宿としての地域ネットワークを作る為に
地元のイベント等に積極的に参加して交流を深めてい
く。
2
介護予防に有効な機能訓練や口腔ケアの研修や勉強
会に参加し職員の知識及び技術の向上を図る。
3
現在の個人記録をただの記録に終わらせずに個別ケ
ース会議や短期介護計画作成の為に有効に活用する。
事業者からのコメント
サービス評価を受審して
当施設に対する客観的な意見が見ることができ、これからの課題として良い
評価を受けた部分はさらに磨きをかけ、悪い評価を受けた部分は改善しよりよ
い施設にして利用者全員に満足していただけるような施設にしていきたいと思
います。
評価機関について
評価をするうえで必要とは思うが、調査開始から終了までの期間が長くすべ
ての作業で施設側の負担が結構あり、もう少し簡素化して欲しい。
- 60 -
事業所別評価結果
< 認知症対応型共同生活介護 >
グループホーム なごみ西落合
63
ページ
より処 ぬくみ・くるみ
79
ページ
せらび新宿
95
ページ
- 61 -
グループホームなごみ西落合(認知症対応型共同生活介護)
(株)大起エンゼルヘルプ
グループホームなごみ西落合
運営主体
: 株式会社 大起エンゼルヘルプ
住
所
: 新宿区西落合4-8-19
電
話
: 03−5906−0753
ファックス
: 03−5906−0754
事業所長
: 田辺
和代
評価対象サービス : グループホーム
評価実施日
評価機関
1
: 平成17年2月16日
: 株式会社 クリップ
事業プロフィル
※
1
当該事業の職員体制
・人数
常勤 8名
非常勤
事業者自身が記入したものです。
10名
2
同一敷地内(又は同一建物内)で実施している同一運営主体のサービス
・デイサービス
3
他事業所と比較して優れている点
(人的サービス面)
・一人ひとりに合わせた対応をしている。
・1階から4階の職員の連携が取れている。
・飽きのこない食事(献立表・外食)
(設備・環境面)
・ゆとりあるスペース
・プライバシーが保てる場所がある(鍵のかかる個室)
・1階から4階まで自由に利用できる
4
サービス提供能力
ほぼサービス提供能力に見合った利用者数で、待っている人はほとんど
いない(ほぼ定員を満たしている)
。
5
3年後の見通し
サービス提供能力を拡大する計画はないが、ほぼ現在のサービス提供
能力に見合う利用者数は維持できると思う。
- 63 -
グループホームなごみ西落合(認知症対応型共同生活介護)
2
評
価
✓
1
講
評
特に良いと思われる点
個を重視した生活支援
マニュアルだけに頼るのではなく、職員の気づきの中から、ひ
とり一人の利用者の個性や能力、生活リズムなどを尊重したケア
を目指している。その支援により、利用者は各々、ホームでの生
活に自分の役割をもって暮らしている。
2
真摯な意見の受け入れ
東京都の研修生・歯科大の学生・高校生など受け入れている。
職員は、研修生からの「シップの貼り替えは居室で行ったほうが
よいのではないか」との何気ない意見も、居室での貼り替えに変
更した。スタッフ全員に外からの意見を受け入れ、サービスの向
上を図ろうとする真摯な姿勢がみられる。
3
困難事例の受け入れ
他のグループホームが避けるような困難事例に対して、エリア
マネージャー及び職員間で相談の上、可能な限り受け入れの態勢
を取っている。
- 64 -
グループホームなごみ西落合(認知症対応型共同生活介護)
✓
1
特に改善を要すると思われる点
夜間の医療体制
夜間の緊急時は救急車で対応している。利用者の主治医は把握
しており、夜間対応可能な医療機関もあり、夜間対応の拡大が望
まれる。
2
地域の防災訓練への参加
事業者内での避難訓練は年12回の実施やすばやい地震対策な
ど出来ており、災害備蓄品を人数分揃える予定もある。しかし、
地域での防災訓練への参加はない。今後の参加が期待される。
3
職員研修の確立
サービス事業を維持・向上するために、職員の能力開発として研
修の確立が必要とエリアマネージャー・ユニットリーダーも感じ
ている。職員アンケート結果からも専門知識を高める研修参加の
希望が出ている。
- 65 -
グループホームなごみ西落合(認知症対応型共同生活介護)
3
事業評価結果
『サービスの実施』項目
1
利用者の意思を生活に反映した支援を行なってい
る
☺☺☺
① 入浴したがらない利用者への対応として、入浴剤の利用で温泉気分を出したり、風呂場ま
での誘導を行うなど工夫している。また利用者の状態が重くなった時も、1階デイサービス
事業所との相互利用で機械浴が利用できる。
② 1階玄関は現在施錠により出入りが制限されているが、近日中(2月中)に開錠予定で、自
由な行き来が可能となる。
③ 契約書には 入浴はいつでも自由にできる と記載されているが、現在は2日に1回で、入
浴時間は14:00∼17:00と制限があり表示と実態との乖離が見られる。利用者アンケート
でも [問2]お風呂にはゆっくり入れますか との設問に対し、 はい との回答率は12.5%
と低かった。
利用者の状態に応じて、日常生活に必要な様々な
2 作業等を利用者が主体的に行うことができるよう
な支援を行なっている
☺☺☺
① 日常生活の中でのリハビリ 、 利用者の主体性を尊重した上での支援 、というホームの
基本理念、運営方針を明確にしている。
② 職員は、爪切り、ボタンかけ、洗髪、歯磨きなどについて、本人がどこまで出来るのか見極
めの上、ひとり一人に合わせた支援をしている。
③ グループホームにおいて、有料老人ホームのように何でも職員がやってくれると思っている
ご家族もある。 グループホームとはどういうところなのか の理解が、ご家族からなかなか得
られない。
利用者本人の状態に合わせて、食事、入浴、排泄
更衣などにおいて介護が受けられ、また、身の回
3
りのこと、掃除や買物などで代行できる支援を行
なっている
☺☺☺☺
① 利用者が1時間かけて自力で食事をするのを見守るなど、利用者の状況やペースに合っ
た介助を行っている。
- 66 -
グループホームなごみ西落合(認知症対応型共同生活介護)
② 理容師の訪問を受け入れヘアカットやヘアカラーをしたり、職員と一緒にネイルをし楽しん
でいる。女性は外出時に化粧をしたり、男性は居室で髭剃りを行うなど、利用者のおしゃれ
心を大切にしている。
③ 茶道教師をしていた利用者がお茶のもてなしをしてくれたり、力仕事が必要な場合は数少
ない男性利用者が手を貸したりして、各々が出来ることを行い暮らしている。
4 利用者の健康を維持するための支援を行っている ☺☺☺☺
① 足の骨折によりボルトが埋め込まれた利用者に、医師からは今後は車椅子使用とアドバイ
スされたが、スタッフの様子を見ながらの支援により自力歩行が可能になり、通院も歩行で
行えるほどになった。
② 医療行為が必要で受診の時は家族に代わり付き添って行く、訪問診療の場合も利用者の
身体状況を良く把握しているので、利用者の体調を代弁している。
③ 夜間の緊急時は救急車で対応している。
5
ホームでの生活は楽しく快適であるよう工夫して
いる
☺☺☺☺
① 食費の残金で、バスハイクを実施し、楽しんだ。中には参加されない方もいるが、けして無
理強いはせず、一人ひとりに合わせた対応をしている。
② ファミリー・レストランや近所の公園で昼を食べるなど、日常生活の中でも、その日の天候や
利用者の体調に合わせ、楽しく快適であるよう工夫をしている。バスハイク、外食など非日
常的な活動が、最近3ケ月で12回実施されており外出の機会が多い。
③ トイレ臭の申し出に対し、迅速に消臭剤の設置及びバケツの毎日交換で対応し改善を図っ
た。
6 家族等の関係を保ちながら運営している
☺☺☺☺
① 誕生会・クリスマス会・バスハイクなど家族にも参加して頂いている。特に誕生会はその月
ごとではなく、一人ひとりの日にちごとに、その方の生まれた年や土地などの情報を収集
し、食べたいものを用意し、その方が主役となり、楽しんでもらえるよう配慮している。
② 利用者の家族は、無料で宿泊が出来る。
③ 面会に来られない家族に、利用者の状況を手紙やホーム便り『なごめーる』で情報提供
し、さらに、『なごめーる』は利用者のお仲間や支援者の方々にも送付し、関係の維持に
配慮している。
- 67 -
グループホームなごみ西落合(認知症対応型共同生活介護)
『サービス提供のプロセス』項目
☺☺☺☺
1 サービス情報の提供・案内
① 利用希望者の見学に対し、リーダー、サブリーダーによる統一した案内を行っている。
また、見学はいつでも受け入れており、ありのままの状態を公開できるような、日常的
な取り組みを行っている。
② 東京都のホームページに情報を掲載し、利用希望者へ広く情報を発信している。また利
用者への最新情報を提供するため、定期的に掲載情報を更新している。
③ 見学者を受け入れるとともに、見学者が大勢の場合は説明の場所を変えるなど考慮し、
利用者の生活に影響を与えないよう配慮している。
☺☺☺☺
2 入退居時の対応
① 利用予定者へは3∼4時間をかけ、重要事項を丁寧に説明している。実際、利用者アンケ
ートの、 [問19]ここにはいることを決める前に、このホームのサービス内容や利用方法に
ついての説明は十分ありましたか 、および [問20]契約の時、契約内容の確認は十分で
きましたか の設問で はい と回答した割合が100%で、利用者の満足度が高い。
② 利用希望者に対しては、家庭訪問を行い利用者の個別状況を把握するとともに、関係機
関からも利用者に関する情報を収集している。また困難事例についても、エリアマネージャ
ーおよび職員に相談の上、可能な限り受け入れを行っている。
③ 退居に関しては緩やかな退居条件をとっており、無理な退居は行わない。また利用者側の
事情で退居された方についても、その後も連絡をとりフォローを行っている。
☺☺☺
3 標準的サービス水準の確保
① 利用者の日常生活の支援に関する直接的なマニュアル・手引書は作成しておらず、リー
ダーが随時、職員へ教育・指導を行っている。
② 売上・人事担当のエリアマネージャーと、サービスの質担当のクオリティーマネージャーが
決まっている。現場での問題点等をそれぞれの担当マネージャーに相談を行い、的確な
指示が出て問題解決へ繋げている。
③ リーダー・サブリーダーには上級救命士、食品衛生管理者など各種の研修受講を義務付
けている。一方、職員のアンケート結果には 仕事として研修に出して欲しい 、 専門知
識を高める為の研修予定が立ててあるが、実施できていない と、研修受講を希望する積
極的姿勢からの要望の声が挙がっている。
- 68 -
グループホームなごみ西落合(認知症対応型共同生活介護)
☺☺☺☺☺
4 個別対応と共同生活の重視
① 利用者同士のトラブルが発生した場合、スタッフが全面的に出るのではなく、専門医と相
談して環境を変えたり、黙視的態度をとったりして、なるべく利用者同士で解決ができ、共
同生活の人間関係が保てるよう支援している。
② ケース会議への出席を家族にも呼びかけ、出席頂いたご家族の意見は介護計画に取り
入れている。
③ 個別の痴呆対応型共同生活介護計画を家族懇談会で分りやすく説明している。さらに、
その介護計画をフォローする意味で、利用者個々の家族間の事情を記録した職員間の
連絡台帳を作成し、職員全員が周知している。
※
6
「5
サービスの実施」は、前項参照
プライバシーの保護等個人の尊厳の尊重(身体拘
束廃止への取り組みを含む)
☺☺☺
① 個人情報と介護記録が一緒に個人ファイルに綴じられている。さらに、個人ファイルは日
中、施錠なしで保管され、情報の取扱い・管理が適切とは言えない。
② 職員には入社時の契約書で、個人情報に関する守秘義務を徹底している。さらに、経営上
の情報も扱っている役職者に対しては、秘密保持契約書も取り交わしている。これら情報に
関する守秘義務は在職中に限らず、退職後についても適用される。
③ 研修生および見学者に対しても、プライバシー保護についての一定のルールがあり遵守さ
れている。
☺☺☺
7 安全管理
① 消防署より火災発生時の避難の仕方について、「ベランダへ避難すれば大丈夫」とのアド
バイスを受けている。
② 年12回の避難訓練を実施している。先日の新潟中越地震の発生を受け、『避難訓練実
施報告書』へ新たに 地震 を加え、訓練も実施した。なお、災害備蓄品も人数分揃える
予定がある。
③ 夜間の一人歩き安全対策として、消防署の許可の下に、ガラス戸の下に開錠制限サッシ
が居室及び共用施設に整備され制限している。昼間は開錠している。
- 69 -
グループホームなごみ西落合(認知症対応型共同生活介護)
8 要望・苦情・トラブルへの対応
☺☺☺☺
① 年3∼4回の家族懇談会での聞き取り、および第三者評価においての利用者アンケートの
実施などで、利用者やご家族の意見や要望・苦情を汲み上げるシステムが出来ている。
② ご家族からの掃除の仕方やトイレの臭気、光熱費についての苦情は、迅速に対応し改善が
図られた。また、これらの情報は水平展開され、法人内の他グループホームとの情報の共
有化も図られている。
③ 利用者やご家族からの意見や要望・苦情等は、家族懇談会で公表し、改善策も示してい
る。
☺☺
9 地域との交流・連携
① 町内会への加入はしているが、地域性としてあまり活発でなく、事業所としても参加するこ
とが少なく、今後の活動が期待される。
② 地域の人に対し挨拶する等日ごろから、友好関係に努力はされている。しかし、災害等の
対応で利用者への安心となる防災訓練への参加はしていない。
③ 小学校の運動会、発表会への出席や、牛乳パックで葉書作りをしている障害者施設との
定期的な交流の場を持っている。また、年4回ホームが発行しているホーム便り『なごみめ
ーる』を商店街や病院へ配布している。
『経営マネジメント』項目
☺☺☺
1 リーダーシップと意思決定
① 事業所紹介のホームページ゙に「一人ひとりにあった心地よい生活リズムのある『日常生活』
をめざし」と掲げ、日々普通の生活が送られている。さらに事業所の理念・方針も、基本的
人権の尊重・認知症の人でなく・人を大切に・自由な生活の場などと、利用者支援が明確
である。
② 将来の事業展開について明確なビジョンが存在し、幹部職員は周知しているが、職員全員
が明確に理解し、仕事につなげているわけではない。
③ 地域ごとのエリアマネージャ(売上・人事)、サービス種別のクオリティーマネージャ(サービ
スの質)を配置し、月1度のエリア会議・リーダー会議を実施している。
- 70 -
グループホームなごみ西落合(認知症対応型共同生活介護)
☺☺☺
2 経営における社会的責任
① 社会福祉事業に適合した就業規則が実施され、懲戒などの罰則規定が明記されている。
入社時に就業規則の読みあわせを行っている。
② センター長及び事務員と個人情報を扱う者からは、就業規則及び雇用契約書の守秘義務
とともに、秘密保持契約書も取り交わしている。
③ 社会福祉協議会から、介護教室の要望があればいつでも開催している。また、歯科学校の
生徒さんの研修依頼も積極的に受け入れている。
3 利用者の意向や地域・事業環境などの把握
☺☺☺
① 家族会の開催に際し、ホームだより年4回配布とともに、往復はがきで開催日のお知らせな
ど試行錯誤した。現在は、家族の方から「前もって日にちを決めて欲しい」と意見も出され、
3・6・9・12月の年4回・第2日曜日と確定した。ほぼ全員の家族が参加している。
② 新宿区サービス提供者会議・東京都グループホーム連絡会さらに平成15年より再び始ま
った新宿区グループホーム連絡会へ参加し、情報の把握に努めている。
③ 月一回のエリア会議で議論されたことは、ミーティングで申し送りし、必要なことは回覧板で
回している。しかし、事業所内のミーティングで話し合われた内容は、十分エリア会議に上
げられていない
☺☺☺
4 改善課題の設定と取り組み
① 防犯機器への対応・金銭管理・室内物干しなどの改善計画書が提出された。結果は、防犯
機器対応はまもなく1階ドアの開錠へ、金銭管理は金銭管理規定が出来、室内物干しは使
用することにより乾燥機使用が減るなどの取り組みが行われた。
② 改善活動計画書提出はリーダー・サブリーダーが多く、一般職員は口頭で意見を言うこと
はあるが、改善活動計画書を書くまでには至っていない。
③ サービス事業を維持・向上するために、職員の能力開発として研修の確立が必要とエリア
マネージャー・ユニットリーダーも感じている。職員アンケート結果からも専門知識を高める
研修参加の希望が出ている。
☺☺☺☺
5 職員と組織の能力向上
① 事業所は東京都の研修ホームとして信頼があり、依頼があればいつでも研修生を受け入
れている。さらに、全社的にもグループホーム職員の研修場として職員を育て、新規事業
所のリーダーとして送り出している。
- 71 -
グループホームなごみ西落合(認知症対応型共同生活介護)
② 人事考課制度を今年度より導入した。エリアマネージャー・ユニットリーダー・職員の三者
面談を年2回実施し、個人目標を出し、計画的に実行できたか検証している。
③ 今年度より、職員からの改善や気づきが出しやすい仕組みとして、改善活動計画書を導
入した。今年は、提案が8件出され、その内5件は採用された。
※
「6
サービス提供のプロセス」は、前項参照
☺☺☺☺
7 情報の共有化と活用
① 事業所内の係り、分担を決めて役割分担をしている。分担された役割を遂行するために、
各職員は情報収集を行い、情報の共有化が計られている。
② 事業所には2つのウォールポケットがあり活躍している。1つは利用者の名前がアップリケさ
れ、事業所から利用者家族への領収書や各種連絡物が入るポケット。もう一つは1ヶ月30
日分のポケットで、利用者家族からの連絡事項を、職員が申し送り状にし、該当日のポケッ
トに入れて置き、サービスに漏れがないようにしている。
③ 東京都の研修ホームになっているため、多くの研修生が訪れる。職員は研修生の何気ない
一言も真摯に受け止め、全員で検討・共有する姿勢がある。
☺☺☺☺
8 1∼7に関する活動成果
① 平成16年度より改善活動計画書が出来、改善課題への取り組みが動き出している。
② 平成15年度の組織改革で品質に関係するQM(クオリティーマネージャー)と売上や人事
に関するAM(エリアマネージャー)ができ、意思決定や苦情解決がスピーディーに行える
ようになった。
③ 平成16年度より人事考課制度が開始され、個人面談を通じて職員の能力向上が期待で
きる。
- 72 -
グループホームなごみ西落合(認知症対応型共同生活介護)
利用者調査結果
4
総合的な感想で、 現在利用しているホームを総合的にみて、どのように感じ
ていらっしゃいますか
の質問に対し、回答者8名中、大変満足0名、満足6
名、ふつう2名であった。 はい と回答した割合の最も高い設問は、【問 19】
ここに入ることを決める前に、このホームのサービス内容や利用方法について
の説明は十分ありましたか(回答者数3名)、【問 20】契約の時、契約内容の
確認は十分できましたか(回答者数2名) で 100.0%であった。利用開始時の
事業者の対応について、ご家族は満足している様子が伺える。一方、 はい と
回答した割合の最も低い設問は、【問 11】毎日の生活の中で、利用者は自分の
したいことが自由にできますか(お酒・タバコ・テレビ・趣味・外出など) で
12.5%であった。ホームでの利用者の生活のあり方については、今後の課題であ
る。
サービスを利用しての満足度
大変不満
不満
0%
0%
(調査票回収数 8件中)
無回答
0%
大変満足
0%
どちらともいえ
ない
25%
満足
75%
- 73 -
グループホームなごみ西落合(認知症対応型共同生活介護)
事業評価(自己評価)との対比
※
類似した質問項目について、事業評価(自己評価)と利用
者調査の評価とを比較したものです。
事業評価の質問項目
利用者調査の質問項目
自己評価の
「はい」と答えた人数
平均点
/回答数(無回答を除く)
契約時の説明
【過去1年以内に利用を開始したと答え
た方に】ここに入ることを決める前に、こ
のホームのサービス内容や利用方法に
ついての説明は十分ありましたか
利用予定者にはサービス内容
を分かりやすく説明している
3/3
3.9
【過去1年以内に利用を開始し、契約の
ときその場にいたと答えた方に】契約の
とき、契約内容の確認は十分できました
か
2/2
- 74 -
グループホームなごみ西落合(認知症対応型共同生活介護)
利用者と家族の要望
ホームは、介護計画をつくる時、利用者
利用者の個別の情報や要望
を把握している
の状況や利用者や家族の要望をよく理
解してくれましたか
3.8
6/7
一人ひとりの訪問介護計画
は、利用者本人や家族の希望
と関係職員の意見を取り入れ
て作成している
利用者個人の主体性を尊重しながらそ
の状態に合わせた支援が行われていま
すか
3.8
6/8
苦情
利用者や家族がサービスにつ
いて意見や要望を表明し、苦
情を訴えやすいしくみを整えて
いる
利用者は不満や要望を職員に気軽に
言うことができますか
2/8
3.1
利用者の不満や要望を、職員はよく聞
要望や苦情および日常のトラ
ブルには迅速に対応するしく
みを整えている
3.1
いて対応してくれますか
3/8
- 75 -
グループホームなごみ西落合(認知症対応型共同生活介護)
自由意見
●居室、ベランダ等に綿ぼこりなどあり、清掃に心くばりに欠けている。
(職員と入居者で
掃除を行っているので、手が足りないようです。
)夜間の職員一人は不安があります。ニ,
三階で一人予備をと望みます。
●職員の個人差によるバラつきを感じることがあります。いつも笑顔で対応してくださる
職員の皆さんに感謝しております。
●父親が他界後1人住まいで心細さがあったようであるが、ホームに入所後は、ケアの方々
が大勢いることが非常に安心のようである。また、男性がいることが非常に重要である
ことと感じ、良かったと思う。1人住まい後は、生活の細かな状況がわからなかった(気
づかない)が、気づいた点、注意したことが良い点などを逐一家族へ教えてもらいたい。
●対応するスタッフの数が足らない時間があるように感じます。
●とてもよく接して下さり、私は満足していますが、本人はどう感じているかわかりませ
ん。入居者の方を嫌がったりすることもあるので、上手にその方との関係を持つことが
できるようにしてくださると嬉しいです。多分そうしてくださっていると思いますが。
見えてない部分については少し不安があります。
●皆さんと明るく接してらしていつも頭が下がる思いです。この先なるべく元気で長い時
間を過ごさせていただくよう願っています。
- 76 -
グループホームなごみ西落合(認知症対応型共同生活介護)
5
サービス改善計画
改善課題
1
災害時、人手の応援体制が不足している。
現状では近隣職員の協力のみである。
2
怪我、転倒、行方不明の対策が文章化されて
おらず応急処置のマニュアルも不足している。
3
マニュアルだけに頼るのではなく、職員の気
づきの中から、ひとり一人の能力、個性、生活
リズムなどを尊重した支援を目指す。
課題解決の具体的取り組み
1
毎月、利用者の状態に合わせた現実的な、避難訓練
を確実に実施する。町内会の防災訓練に参加したり、
日頃より地域住民にグループホームの存在、内容を伝
える。
2 利用者の状態が急変した時、職員全員が応急手当が
できるよう毎月研修を実施する。
事業者からのコメント
サービス評価を受審して
今回の第3者評価を受け、家族からのアンケート結果、評価機関からのアド
バイスを真摯に受け止めて改善していきたい。課題として、個別性のあるプ
ランを作成する。そのために、利用者、家族に参画してもらい利用者の生活
満足度を引き上げるプランを作成、実施する。プランの中で、ボランティア
が必要なら効果的に入れていくつもりである。職員の質の向上を図るため、
社内、社外研修を充実させたいとも考えている。
評価機関について
認知症高齢者グループホームの介護保険法よく理解して、評価して頂きた
い。また利用者の個別シートを事前に渡していたが、面接、聞き取り調査は
行われなかった。利用者の状態を細かく観察した上で、ホームがどの様な工
夫、苦労しているか観ていただきたかった。
- 77 -
より処
より処
ぬくみ・くるみ(認知症対応型共同生活介護)
ぬくみ・くるみ
運営主体
: 社会福祉法人
サン
住 所
: 新宿区高田馬場1−20−16
電
話
: 03−5272−2488
ファックス
: 03−5272−2844
事業所長
: 小林 誠
評価対象サー
: グループホーム
ビス
評価実施日
: 平成17年1月14日
評価機関
1
: 特定非営利活動法人メイアイヘルプユー
事業プロフィル
※
1
当該事業の職員体制
・人数
常勤 10名
非常勤
事業者自身が記入したものです。
9名
2
同一敷地内(又は同一建物内)で実施している同一運営主体のサービス
なし
3
他事業所と比較して優れている点
(人的サービス面)
・利用者の個性、ペースを尊重した支援
・家族などの緊密な連絡体制
・研修や検討を重ね、利用者へのより質の高いケアをめざす
(設備・環境面)
・使い慣れた生活用品の持込
・希望に応じた寝具の選択
・尊厳に配慮した環境づくり
4
サービス提供能力
サービスを希望しながら待っている人(事業所に登録している待機
者)がかなりいる。
5
3年後の見通し
利用者数の増加を見込んでサービス提供能力を拡大する計画がある。
- 79 -
より処
2
ぬくみ・くるみ(認知症対応型共同生活介護)
評
価
✓
1
講
評
特に良いと思われる点
地域に開かれ、家族との連携による透明性をもった活動
本法人は「ぼけても普通に生きられる」を理念とし、地域の社
会資源としての責任を果たすことを意識している。また利用者が
保護される立場のみではなく、地域の住民として生活していくと
いう視点を重視し、町内会の「ゴミ拾い」や敬老会、地域の団体
が主催する町づくりのバザーなどに利用者と職員が積極的に参加
している。家族会も2ヶ月に1回、家族が主体的に開催し、理事
長・ホーム長・職員が参加して運営やサービスの質の向上につい
て話し合う場になっているなど、透明性の高い活動が実施されて
いる。
2
充実した教育・研修体制
職員の能力向上の基本は研修の充実であると考えて、毎月のス
タッフ会議に加えて2ヶ月に1回、外部の講師を招いて事例検討
をしている。外部研修も先進的な取り組みを行っている事業所に
明確な目的を持って研修し、その後に報告会を持つなど充実した
研修体制になっている。このような取り組みにより、職員が意欲
を持ちながら仕事をすること、自分の力で判断し行動できる職員
の育成を目指している。
3
詳細なアセスメントと利用者の状況に対応した痴呆対応型共同
生活介護計画の作成
入居当初は居宅からホームへの新しい環境の変化に適応しやす
いように、利用者の個別の状況を詳細に家族からヒアリングし、
また体験入居時の状況をもとに初期の介護計画が作成されている。
その後で家族と密接に連携しながら、10 日程度経過した後、入居
後の利用者の心身の動きを分析して介護計画を作成している。利
用者の状態に応じて医師などの専門家の意見を取り入れ検討する
こともある。また3ヵ月に1回の見直しがされている。
- 80 -
より処
✓
1
ぬくみ・くるみ(認知症対応型共同生活介護)
特に改善を要すると思われる点
中長期の具体化に向けたプロジェクトチームの必要性
現在、グループホーム以外の在宅分野のサービスを含めた中長
期の事業計画が作成されているが、資金繰りなどの点から実施の
可能性には至っていないことは理事長、ホーム長も認識している。
本事業所の理念を広め、研修や事例検討で育成してきた職員にス
キルアップの場を提供するためにも具体化が望まれる。そのため
にはプロジェクトチームによる取り組みも一案と考えられる。
2
理事長と職員のさらなる対話による職員の満足度の向上
理事長は理念の実現やグループホームの質の向上などについて
幅広く活動し、社会的知名度も高い。理事長の理念の実現のため
教育・研修などの面について充実した仕組みをつくっており、理
事長自らミーティングや事例検討会などへ参加するようにしてい
るとのことであった。しかし、職員アンケートのコメントなどか
らは職員の不満も少なからず見られた。職員一人一人の意識のズ
レ、職員に対する評価の不透明さ、職員の疲労度の高さなどであ
る。理念を実現するためにもさらに多くの時間を職員との交流に
使う必要があるのではないだろうか。
3
災害時の安全管理の充実
地震、火災などの緊急時に備えて防災訓練が行われ(昨年度2
回)
、町内会やボランティア組織とは防災時や緊急時の応援体制が
出来ている。しかし本事業所は2階建てであり、2ユニットのう
ち1ユニットについては避難口は玄関のみであり、つり梯子によ
る避難方法である。このような状況で職員が適切な行動が取れる
よう、災害時のシミュレーションなどでの研修を通し、安全管理
を充実することが望まれる。
- 81 -
より処
3
ぬくみ・くるみ(認知症対応型共同生活介護)
事業評価結果
『サービスの実施』項目
1
利用者の意思を生活に反映した支援を行なってい
る
☺☺☺☺
① 食事については利用者の意向を集約し、献立に反映してより季節感に配慮した食事作りを
心がけ、朝食もパン食かご飯かを選択できるようにしている。
② 入浴は利用者が希望すれば毎日入ることが出来る。入りたがらない利用者に関しては出来
るだけ週1∼2回入るように声をかけているが、強制することはないとのことであった。
③ 日常の過ごし方は利用者の意向に沿うようにしている。レクレーションへの参加や外出に関
しても自由であり、利用者の主体性に配慮して月に10回以上の外出をしている。利用者の
要望に合わせて、個別に軽自動車で少人数で出かけている。
利用者の状態に応じて、日常生活に必要な様々な
2 作業等を利用者が主体的に行うことができるよう
な支援を行なっている
☺☺☺
① 食材の買出しは、毎日 1∼2 名で近隣のスーパーに行っている。食材に関しては生協など
も利用し、調理中に足りない食材は 2 ユニット間で互いに借りにいくなど、お向かいさん同
士の関係が活用されている。本調査時のコミュニケーション法実施時にも、マヨネーズを借
りに行くなど利用者が職員と共に行き来する場面が見られた。
② 利用者の身辺動作(整容・更衣など)を、安易に介助することなく職員が同じような動作をし
て見せることで自力で行うことが出来るようにするなど、利用者の主体性に配慮して支援し
ている。日常生活支援に関するアンケートでもほとんどの家族が、利用者個人の主体性を
尊重しながらその状態に合わせた支援が行われていると答えていることからも伺えた。
利用者本人の状態に合わせて、食事、入浴、排泄
更衣などにおいて介護が受けられ、また、身の回
3
りのこと、掃除や買物などで代行できる支援を行
なっている
☺☺☺
① 利用者本人の状態に合わせて食事、入浴、排泄、更衣などの介助が行われている。本調
査のコミュニケーション法実施時にもゆったりとした食事介助が行われ、おかずを手でつま
んで食べる利用者に対してもさりげなく手を拭いて箸を渡したりする場面が見られた。
- 82 -
より処
ぬくみ・くるみ(認知症対応型共同生活介護)
② 掃除や買い物が出来ない場合は代行をしている。中には生活保護を受給している利用者
もいて、家族会での了承を得て法人が利用料の差額の補填をしている。買い物や通帳管
理などは行政の生活保護の担当者と連絡を取りながら代行をしているとのことであった。
③ 身の回りのことに関しては、家族と職員とで対応している。衣服の衣替えや補充などは家族
に担当してもらい、毎日の掃除や簡単な片付けは職員が支援している。
4
利用者の健康を維持するための支援を行なってい
る
☺☺☺
① 利用者の健康を維持するため、内科・精神科・外科・歯科の医療機関と連携している。定
期的にこれらの医師の往診が受けられ、健康状態の把握がされている。時には痴呆対応
型共同生活介護計画作成時にも医師が参加し、意見を取り入れているという。
② 利用者の服薬については、誤りがないように薬局でなるべく一つの包みに入れるようにして
もらい、夜勤スタッフが次の日の分をセットし、投薬時に名前を確認するなどの二重のチェ
ックがされている。
③ 緊急時には入院できる体制があるが、入院による痴呆の周辺症状の悪化などの危険を考
え、家族にも十分理解を得た上で対応をしている。
5
ホームでの生活は楽しく快適であるよう工夫して
いる
☺☺☺☺
① ホームでの生活が楽しく快適であるように、外出が最近 3 ヶ月で30∼40回、利用者の状態
に配慮しながら行われている。幼稚園・小学校・中学校・高校の運動会や学園祭への招待
なども多く、子供達との交流も頻繁に行われている。
② 家族、関係者からの尺八の演奏会や、絵画の展覧会などの情報提供によって家族と出か
けることも多い。個別に軽自動車でデパートへの買い物や外食など、非日常的な支援も積
極的に行われている。
③ 居室や食堂などの共有スペースは、絵や花、布などが飾られ、清潔でくつろげる雰囲気の
工夫が伺われた。1階の利用者については自室を出るとすぐ共有スペースであるため、気
持を落ち着かせる空間がないのが悩みであるとのことであった。
6 家族等と関係を保ちながら運営している
☺☺☺☺☺
① 利用者の家族の面会は常時可能であり、家族と一緒の外出・外泊も自由である。家族と
共に出かけて宿泊する利用者もいる。
② 面会に来られない家族を含め、全員の家族に「ぬくみ・くるみミニ便り」を毎月出していて、
ホームの様子、新入居者の紹介、ボランティアに来ている人の名前、その月の外出予定
など写真を交えて、ホームの運営状況や利用者の様子がわかるようになっている。
- 83 -
より処
ぬくみ・くるみ(認知症対応型共同生活介護)
③ 家族会は2ヶ月に一度開催されていて、バザーやコンサートなどの行事には主体的に参
画している。また、家族会は忘年会や職員の慰労会なども企画し、職員が招待されている
とのことであった。
『サービス提供のプロセス』項目
☺☺☺☺
1 サービス情報の提供・案内
① 利用者に対しての情報提供・案内としては行政作成のガイドブックの他、独自のホームペ
ージによりサービス内容、利用料金、地域環境(地図)、事業所の生活を知る(アットホーム
な入居者の写真)ための情報提供をしている。また、リーフレットでは表紙に書いてある「ぼ
けても普通に生きられる」のタイトルからは本事業所の理念、人に対する温かさが理解でき
る。事業所理事長による執筆講演など多数実施されており本事業所の活動を紹介する機
会ともなっている。
② 利用希望者の問い合わせ、見学に対してはホーム長が窓口として対応している。電話で本
事業所の概要説明後、見学をすすめ、利用者の「お茶の時間」に来所してもらい実際に体
験することを勧めている。現在の入居希望待機者(26 名)に対し随時電話にてフォローして
いる。一般見学者にはリーフレットで「見学日」が設定されるなど細やかな配慮がなされてい
る。
☺☺☺☺
2 入居・退居時の対応
① 入居時にホーム長が重要事項説明書に基づいて事業所の利用にあたっての注意事項を
説明している。特に入居後に誤解の生じやすい事項である通院介助については、提携して
いる医師による診療以外は家族が通院介助することや、生活全般についての注意事項、退
去時の内容などについてはわかりやすく説明するように努めているとのことである。
② 入居時は家族の見学だけではなく、利用者本人にも必ず「お茶の時間」などに来所しても
らい、そのときの利用者の様子を参考に入所の決定をしている。入居当初の環境の変化に
順応できるように、体験入所の様子と家族からの協力を得て情報を収集し、詳細なアセスメ
ントをもとに10日程度の短期個別援助計画を作成している。
③ 退居については、契約書で明文化されている。退居の決定をするときは状況に応じて医師
や専門家の意見を参考にするなど幅広い知見を聞いて決定をしている。特別養護老人ホ
ームへの入所が決まった利用者には、施設へサマリーを送付し、ソーシャルワーカーとも面
談するなどして利用者の紹介をしている。また昨年度はホームで最後を看取った利用者も
あったが、ターミナル状況での利用は他の利用者への影響や職員体制の面からも課題で
あったという。
- 84 -
より処
ぬくみ・くるみ(認知症対応型共同生活介護)
☺☺☺☺
3 標準的サービス水準の確保
① 日常のサービスについての手引書は基本的な部分(日常生活の健康管理、利用者からの
預かり金・食材費の管理)について作成され新人研修の時に活用されている。ただし、手引
きに頼るケアにならないようにという意図から詳細な手引きは作成しないという。
② 職員が日常のサービスのあり方や支援方法などで困難を感じたことなどは、ミーティングで
課題として取り上げ、理事長、ホーム長がスーパーバイザーとして指導・助言をしている。加
えて、看護師や学識経験者などが外部のスーパーバイザーとして参加する事例検討会で
検討し、独善的判断に偏らないように留意している。事例検討会は2ヶ月に一回開催されて
いる。
③ 詳細な手引書は作成していないが、法人内での事例検討会での検討の他、先進的な取り
組みをしている事業所へ目的を明確にして研修させるなどにより、マニュアル以上の現実
的な学びを得ているとのことであった。
☺☺☺☺
4 個別対応と共同生活の重視
① サービスの提供にあたって利用者の個別な状況を詳細(利用者本人の性格、配偶者の性
格、家族関係、対人交流、健康状態など27枚に及ぶ)に家族からヒアリングし、アセスメント
表に記載している。サービス開始後も随時アセスメントはしているが、定期的には3ヶ月毎
に実施している。
② 痴呆対応型共同生活介護計画は、初期の段階では入居前の体験入居の状況と家族から
の情報で作成されている。入居後、10 日程度生活した後で家族と面接し、意向を把握す
ると同時に利用者の生活状況をアセスメントし、痴呆対応型共同生活介護計画が作成さ
れている。その後は状況の変化時や 3 ヶ月に一回程度見直しが行われ、家族の意見も交
えて、時には医師などの専門家の意見を取り入れて計画が変更されている。
③ 利用者個人を尊重しつつ、円滑な共同生活が営まれるよう、利用者が互いに助け合って
生活できるよう職員が見守りながらの運営することを方針としている。利用者同士のトラブ
ル発生時もその都度介入せず、危険と思われたときなどに限って介入している。トラブル
に関しては必ず家族にも背景を説明して理解を得たり、家族会で検討をしている。また、
事例検討会でとりあげられ「皆で考える」体制が整えられている。
※
「5
サービスの実施」は、前項参照
- 85 -
より処
6
ぬくみ・くるみ(認知症対応型共同生活介護)
プライバシーの保護等個人の尊厳の尊重(身体拘
束廃止への取り組みを含む)
☺☺☺
① プライバシーの保護・個人の尊厳を徹底するための文書化があり、職員の周知に努めてい
る。たとえば、職員が他の家族へ利用者の話をしたときなどはホーム長が注意を促してい
る。居室の戸は閉められていて、利用者のプライバシーに配慮して職員は必ずノックして入
室している。
② 入浴・排泄に関しては羞恥心に配慮し、周囲に聞こえないように言葉をかけている。同性介
助を基本とし現在男性職員が2名いるが利用者が希望すれば同性介助が受けられるように
なっている。特に職員が一人で対応しなければならない夜勤などは、2ユニット間で男性が
重ならないようにしているという。
③ サービスの実施にあたり、利用者の気持ちを傷つけるような職員の言動については職員が
相互にチェックし、ミーティングや事例検討で検討している。アンケート結果からも利用者に
職員が丁寧に接していることが伺われた。身体拘束については、やむを得ず身体拘束をし
たときの手続きを定めた文章はあるが、拘束を必要とする事例は今までないとのことであっ
た。
☺☺☺
7 安全管理
① 食中毒、その他の感染症への衛生管理対策としては、毎日の生活の中で「利用者が使用し
た足拭きマットの1回ごとの交換、風呂の一人ひとりの水の取替え、台所のまな板の毎日の
消毒」等、予防対策がなされている。また行政による定期的な指導が実施され、参考にして
いるとのことであった。
② 利用者の事故発生予防としては家具の固定、居室内に余計なものを置かないように家族に
も理解してもらい、転倒予防に備えている。また動作の不自由な方には個別的に家族に説
明している。ふらつきのある利用者の場合には、職員の見回る場所にいてもらうなどで転倒
予防している。医療機関として病院、精神科のクリニック、歯科等、医療機関と連携体制を
整えている。
③ 災害、地震等の緊急時の避難訓練は前年度2回行われ、災害時の薬の保管、備蓄品の整
備はあり、防災応援協定を地域との連携する体制がある。本事業所は2階建てであり、つり
梯子の避難方法の対策に苦慮しているとのことであった。
8 要望・苦情・トラブルへの対応
☺☺☺
① 要望・苦情の対応は理事長、ホーム長が窓口になっている。家族会が2ヶ月に1回開催さ
れて、要望を聞く機会としている。また 3 ヶ月∼6 ヶ月に1回、見直しをする痴呆対応型共同
生活介護計画作成時に家族から改めて変化や苦情を聞くなど、日常的に意見や要望など
を訴えやすい雰囲気が伺える。
- 86 -
より処
ぬくみ・くるみ(認知症対応型共同生活介護)
② 要望・苦情などはミーティングで検討がなされ、家族会に報告されている。なお、家族会か
らまとめて出される苦情・要望に対しても会議で検討し、速やかに対応するようにしている。
☺☺☺☺☺
9 地域との交流・連携
① 利用者の生活の幅を広げるため地域の一員として町内会に加入し、地域のゴミ拾い、缶
拾い、敬老会へ参加する等、一住民としての生活が伺える。また、事業所内の活動(日常
の買い物、レストランへの外出、絵画、音楽会への参加)、家族会からのイベントへのお誘
い等、地域との交流の場が多く得られている。
② ボランティア、研修生、実習生の受け入れは積極的である。ボランティアなど外部の人から
新しい風を取り入れたいと考えてる。ボランティアの受け入れに際しては面接し、希望する
経験を聞いて対応している。平成15年度のボランティア人数は74人、実習生は51人であ
り、理事長などによる研修会の講師としての参加が20回行われている。また、地域の人を
対象とした高齢者への理解を深める講座も昨年は6回開催している。
『経営マネジメント』項目
☺☺☺☺
1 リーダーシップと意思決定
① 本法人は「ぼけても普通に生きられる」を理念とし、年一回の理念再確認の会議がある。
この会議には外部から講師を招き、経営層と現場の職員が参加して一人一人の職員が
「自分はこのようなケアをしたい」と表明し、検討することなどを通して理念の周知を
はかっている。日常的には月2回の職員ミーティングや二ヶ月に1回の事例検討会など
を通し、理念に立ち返るようにしている。また利用者には、2ヶ月毎に家族会が主催す
る「家族会」などを説明する機会としている。
② 理念を創った理事長は職員ミーティングや事例検討会にできる限り参加し、運営方針や
利用者への関わりなどについて職員から出される質問に対し理事長の見解をのべてい
る。このような関わりなどを通し、理念の率先垂範をしている。
③ 常に現場の職員によるミーティングを重視し、討議された意見を経営・運営に反映させて
いる。理事長、ホーム長などで検討されたことは、このミーティングの場や家族会で報告
し、周知に努めている。
- 87 -
より処
ぬくみ・くるみ(認知症対応型共同生活介護)
☺☺☺☺☺
2 経営における社会的責任
① 就業規則に明記し、入職時に説明している。また、職員が参加する会議で秘密保持、個人
の尊厳、情報開示については常に取り上げている。現場において不適切と見られる職員の
行為については、ミーティングで取り上げたり、個人的に指導することもある。例えば、職員
が一人の家族との会話で他の利用者の話をしている時などである。
② 本事業所が地域の社会福祉資源として責任を果たすことを法人の方針としており、利用者
が一方的に介護を受け、保護される立場のみでなく、地域の住民として役割を果たすことを
めざしている。そのための活動として、理事長の地域住民に対する講師活動などに加えて
本事業所として町内会に入り、利用者も参加した「ゴミ拾い」や、地域の団体による「町づく
り」のイベントに事業所としてバザーを出し、利用者や家族と一緒に参加している。
③ 本事業所は、社会福祉法人としての使命であるとの考え方から生活保護受給者の入居も
受け入れている。
3 利用者意向や地域・事業環境などの把握
☺☺☺
① 2ヶ月に一回開催される家族会に理事長、ホーム長、その他、出席可能な職員が参加し、
運営面に関する意向や満足状況を把握している。また3∼6ヶ月に1回、痴呆対応型共同
生活介護計画を家族に説明する際に、利用者の個別の意向や満足状況を把握することを
意識している。地域や事業環境に関する情報の把握は、グループホーム連絡協議会や行
政などが実施する会議、新聞などマスコミからの情報といった多岐にわたる。情報収集の窓
口は主に理事長である。
② 収集した利用者の意向や地域、事業環境に関する情報は、ホーム長を通し職員ミーティン
グで説明される。必要な情報内容は理事長、ホーム長の判断で伝達されているが、分類、
整理には至っていない。しかし、現状において経営層は情報不足を感じていないようにうか
がえた。
☺☺☺☺
4 改善課題の設定と取り組み
① 事業計画は素案をホーム長が作成し、職員ミーティングで検討している。このミーティング
を重視し、討議により作成している。理事会の開催は年4回程度であるが、改善課題設定
時は内容により専門性を持つ理事のメンバーを交え、検討することもある。
② サービスの質の向上などに関する改善課題の実施については、収集した情報を職員ミー
ティングで検討している。課題をより具体的に理解し、実践に結びつけやすくするための
先進地への研修を計画している。中長期計画の作成をしているが、資金繰りなどの点から
実施の可能性には至っていない。継続課題として取り組んでいる。
- 88 -
より処
ぬくみ・くるみ(認知症対応型共同生活介護)
☺☺☺☺
5 職員と組織の能力向上
① 事業所として「望む人材像」は、自分の考えや意向を言語化できる人であり、採用時の条
件にしている。2ユニットの事業所であり、職員配置については、職員の経験や職員間の
コミュニケーションに配慮している。
② 職員の能力向上の基本は研修の充実であると考え、2ヶ月に一回、内部研修として外部
から講師を招いて事例検討をしている。外部研修には年1回は参加することとし、参加す
る場合は目的を明確にしてホーム長から事前指導をうけ、参加後は報告を義務付けてい
る。またホーム長は、職員が意欲を持って仕事をし、自分の力で判断し行動する職員の
育成をめざしてボトムアップのリーダーシップを方針にしているとのことである。
③ 職員の生活を保障することで仕事に意欲が持てるという見解から、常勤雇用を基本として
いる。理事長は年2回程度、職員と個人面接をし、仕事への満足度や仕事への取り組み
状況、個人の力量を評価する一方、職員指導の場ともしている。ホーム長も不定期ではあ
るが、職員と個人面接をしている。また、今年度は給与体系について理事長、ホーム長、
事務担当で検討し、職員の意欲が湧くだろう方向で新たな体系に変えている。その成果
は今後の課題である。
※
「6
サービス提供のプロセス」は、前項参照
☺☺☺
7 情報の共有化と活用
① 利用者に関する情報は、2つのユニットと事務室間でパソコンをLANで繋いだことにより共
有が容易になった。また「業務連絡ノート」を常に同じ場所におくなどにより情報の共有を図
っている。地域、事業環境に関する情報は整理、活用はしきれていないとホーム長は認識
している。
☺☺☺☺
8 1∼7に関する活動成果
① 法人の運営体制として事務員1名、ホーム長2名体制が定着し、役割遂行がしやすくなっ
た。またこのことに加え、ホーム長のボトムアップ式リーダーシップの発揮により職員一人
一人の力量が向上し、意思決定の円滑化により改善への取り組みが早くなった。
② 外部講師を招いての事例検討会の実施、外部研修参加時の目標の明確化と報告会の
実施などにより、職員のスキルが向上した。また前年度の第三者評価の利用者調査の結
果を生かし、利用者一人一人の個別のニーズについて家族とも話し合い、改善している。
たとえば、居室の清掃、外出の頻度などである。
③ 地域と連携を深め、利用者が一住民として住まうための活動が活発になった。地域の団
体による「町づくり」のイベントにバザーを出し、利用者や家族が参加したことや、町内会
のメンバーとして「ゴミ拾い」に利用者が職員と一緒に参加したなどである
- 89 -
より処
4
ぬくみ・くるみ(認知症対応型共同生活介護)
利用者調査結果
アンケート調査には 11 名の家族より回答を得た。満足度調査では 82%の人
が満足と答えていて満足度の高さが伺われた。痴呆の程度の思い入居者が多
く、
「何らかの痴呆症状があり、日常生活への支障が頻繁にある」6 人(46%)
、
「何らかの痴呆があり、常時目が離せない状況にある」2 人(15%)であった。
また、家族からのコメントには感謝の言葉と共に、地域に聞かれた施設である
ことの大切さを実感しているとの声も寄せられていた。
コミュニケーション法は 1 ユニットに 1 名の調査員が利用者の生活リズムを
乱さないように実施した。実施時は天候が良くなく、外出する利用者は少なか
ったが、職員が利用者と共に食事の用意をしたり「ぬくみ」「くるみ」同士の
利用者や職員が行き来する場面が見られた。
サービスを利用しての満足度
どちらかといえ
ば不満
0%
(調査票回収数 11件中)
不満
0%
大変不満
0%
どちらともいえ
ない
0%
どちらといえば
満足
18%
大変満足
36%
満足
46%
- 90 -
より処
ぬくみ・くるみ(認知症対応型共同生活介護)
事業評価(自己評価)との対比
※
類似した質問項目について、事業評価(自己評価)と利用
者調査の評価とを比較したものです。
事業評価の質問項目
利用者調査の質問項目
自己評価の
「はい」と答えた人数/
平均点
回答数(無回答を除く)
契約時の説明
【過去1年以内に利用を開始したと答
利用予定者にはサービス内容
を分かりやすく説明している
えた方に】ここに入ることを決める前
に、このホームのサービス内容や利用
方法についての説明は十分ありました
4.0
か
4/4
【過去1年以内に利用を開始し、契約の
ときその場にいたと答えた方に】契約の
とき、契約内容の確認は十分できました
か
3/3
- 91 -
より処
ぬくみ・くるみ(認知症対応型共同生活介護)
利用者と家族の要望
ホームは、介護計画をつくる時、利用者
利用者の個別の情報や要望
を把握している
の状況や利用者や家族の要望をよく理
解してくれましたか
4.2
9/11
一人ひとりの痴呆対応型共同
生活介護計画は、利用者本人
や家族の希望と関係職員の意
見を取り入れて作成している
利用者個人の主体性を尊重しながらそ
の状態に合わせた支援が行われていま
すか
10/11
4.3
苦情
利用者や家族がサービスにつ
いて意見や要望を表明し、苦
情を訴えやすいしくみを整えて
いる
利用者は不満や要望を職員に気軽に
言うことができますか
8/11
3.9
利用者の不満や要望を、職員はよく聞
要望や苦情および日常のトラ
ブルには迅速に対応するしく
みを整えている
3.4
いて対応してくれますか
8/11
- 92 -
より処
ぬくみ・くるみ(認知症対応型共同生活介護)
自由意見
●職員の対応など、全てに渡って満足している。感謝、感謝。
●一週間に一回位の居室の掃除を希望します。
●最近になって地域に開かれた存在であることの大切であることを実感しています。地域
に開かれていると内部でも開放的です。より処ぬくみ・くるみはそういうグループホー
ムです。
●利用者一人ひとりを大切に尊重してケアしようという姿勢には敬意を覚えます。体力、
気力の要る仕事ですが、ボランティアを導入して(近くの友達のような感じで)日中、利
用者に目が届く工夫を具体的にされるとよいと思います。職員の方々の誠実なお働きに
感謝です。(ボランティアを導入する際には、ガイダンス、研修も必要かもしれませんが)
●かた苦しい規則がなく自由なのでたいへん利用しやすいですがそれゆえに、スタッフに
よって対応が異なる時がありとまどうことがある。
●連絡が、うまく伝わらない、と思うこともあります。伝言ゲームになる以前に、途中で
途切れていることがあって戸惑うことがありますが、それ以外は、本当によくして頂い
ていると思います。
●スタッフと入居者の家族のコミュニケーションが良くとれていてよい介護がなされてい
ると思いますが、エレベーターがないことなど入居者に身体的な衰えが出た場合、不安
を感じています。
●ホームからは飲んでいる薬がなくなりそうだとか具合が悪い時に連絡をいただいていま
すが、定期的に(たとえば1週間単位で)「特にお変わりはありませんが、こんなことがあ
った」とか知らせてもらえるとうれしい。面会に行ったときだけでは、わからないこと
がほとんどなので。
- 93 -
より処
5
ぬくみ・くるみ(認知症対応型共同生活介護)
サービス改善計画
改善課題
1
中・長期の具体化に向けたプロジェクト
チームの必要性
2
理事長と職員のさらなる対話による職員
の満足度の向上
3
災害時の安全管理の充実
課題解決の具体的取り組み
1
2
3
理事会の再編成
会議開催方法の見直し
各種訓練、講習会の参加
事業者からのコメント
サービス評価を受審して
質問項目が多く、内容も繁雑だった。
評価機関について
昨年と同じ機関での実施で双方が互いを知っていた為、評価実施がスムー
- 94 -
より処
ぬくみ・くるみ(認知症対応型共同生活介護)
ズだった。
- 95 -
せらび新宿
(認知症対応型共同生活介護)
(株)日本ケアリンク
せらび新宿
運営主体
: 株式会社 日本ケアリンク
住 所
: 新宿区北新宿4-11-13
電
話
: 03−5348−2737
ファックス
: 03−5348−2260
事業所長
: 藤野 洋士
評価対象サー
: グループホーム
ビス
評価実施日
: 平成17年3月31日
評価機関
1
: 特定非営利活動法人
事業プロフィル
※
1
2
ともに生きる
当該事業の職員体制
・人数
常勤 22名
非常勤
事業者自身が記入したものです。
6名
同一敷地内(又は同一建物内)で実施している同一運営主体のサービス
なし
3
他事業所と比較して優れている点
(人的サービス面)
・笑顔で明るく元気な対応
・医療とのネットワークの活用
・出来るだけ自立した生活の支援
(設備・環境面)
・フローリングか畳の選択が出来る(ベッド布団から選んでいただく)
・家庭的なリビングの家具の配置
4
サービス提供能力
サービスを希望しながら待っている人(事業所に登録している待機者)
がかなりいる。
5
3年後の見通し
サービス提供能力を拡大する計画はないが、ほぼ現在のサービス提供能
力に見合う利用者数は維持できると思う。
- 95 -
せらび新宿
2
評
(認知症対応型共同生活介護)
価
✓
1
講
評
特に良いと思われる点
医療機関との連携(利用者の容体変化に伴う緊急時の対応)
建物一階にある訪問内科と提携しているため、夜間・休日でも
利用者の容体が悪くなったときには指示を仰げる体制が出来てい
る。また、利用者救急搬送のときなどに応援スタッフを呼ぶ体制
も整えている。夜勤帯などにはフロア間の応援体制には限界があ
り課題であるが、緊急連絡網を受け、管理者は24時間連絡を取れ
るようにしてあり、また、ホーム長、ユニット長ともに近くに住
んでいるので緊急時に駆けつけることのできる体制がある。
2
個別対応の重視
利用者の状態変化などの見直しについて、記録用紙が 4 回まで
同じ形式で書き込めるようにしてあり、一目で以前との違いがわ
かるようにしている。その過程をみながらケアプランの方向性が
察しがつくように工夫されている。また、ケアプランはフロア毎
にファイリングしてあり、見やすく管理されている。介護会議は
月一回行い、それ以外にも居室担当者会議を開催し、各利用者ご
とにより細かなカンファレンスが出来ている。
3
情報の提供・公開
ホームページに利用者の生活状況を写真で掲載し、ホームの雰
囲気をわかりやすく公開するなどの工夫をしている。また、区の
ガイドブックやホーム独自のパンフレット等は在宅支援センター
や、その他公共機関で置かせてもらえるところには全ておかせて
もらっている。母体がグループホームを何件か経営しているので
専属の営業が居るために、外に向けた情報提供力は単独グループ
ホーム施設よりも良く、強みになっているといえる。
- 96 -
せらび新宿
✓
1
(認知症対応型共同生活介護)
特に改善を要すると思われる点
職員の研修とスキルアップ
オープニングスタッフには開設前の事前職員研修に時間をか
けたり、個人目標を書かせ能力向上や、目的意識を明確にしてい
た。しかし、中途入社職員研修においてはすぐに業務に入っても
らわなければいけない業務事情などで、開設時職員研修とのあい
だに時間的な差異があり、職員のレベル差が出てしまっている。
ホーム全体の質の向上のためにも、職員間の連携も含め職員研修
は欠かせない課題となっている。
2
職員のケアに関する考え方のあり方
職員のケアに対する意識が統一されていないことが挙げられる。
企業理念が実現できるように高水準なホームの運営方法が確立さ
れているが、職員の定着化がなされていないこともあり、それぞ
れの職員の考え方が統一できていない。情報を発信し共有化をす
るシステムは経営本部が提供し、ホーム長も実践を交えた現場指
導を行っている。今後は個々の職員が自ら情報収集したりノウハ
ウを把握する意識を持って取り組むことでケアの質がより向上す
ることが期待できる。
3
地域との関係作り
地域参加への意識は高いが、まだグループホームは開設されて
一年しか経過していないため、町内会や近隣住民との関わりにお
いてはまだ発展段階である。最近では買い物や散歩に出かけた際
にスーパーマーケットや近隣の人たちと気軽に挨拶を交わせるよ
うになってきている。また、地域の人が参加できるギター演奏会・
演芸会などイベントも行われ、地域に開かれるホームホーム作り
に向かって歩きだしている。今後に期待したい。
- 97 -
せらび新宿
3
(認知症対応型共同生活介護)
事業評価結果
『サービスの実施』項目
1
利用者の意思を生活に反映した支援を行なってい
る
☺☺☺
① 散歩は日々の日課として励行し、実現できている。食材の買出しは散歩を兼ねて行ってお
り、利用者は午前・午後の買い物に加えると一日に3回出かけることもある。利用者の外出
希望があるときは、できる限り本人の希望をかなえられるように対応している。また、外出拒
否がある利用者の場合は、自分のもの(自分で使う生活必需品)を自分で買いに行くという
位置づけにしており、「必要なので一緒に買い物に行きましょう」などと声かけをして、自然
な形で外出の誘導をしている。
② 入浴に関して、入浴時間・回数は、お風呂を365日毎日欠かさず沸かしている。入浴の希
望があった場合には、利用者の意志を反映し自由に入浴できるようになっている。時間は、
遅番シフトの職員が対応しており、夕方から夜にかけて利用者の受け入れ態勢が整ってい
る。職員から声かけをして入浴を行う場合は、利用者に入浴の意向を聞くようにしている。
入浴回数のチェックをすることで衛生状態も管理している。
③ ホームでの生活は、原則として自由である。そのため絶対的な起床・就寝時間を設けてい
ない。利用者が夜中に起きてきた場合、リビングなどに誘導し、お話を聞いたりお茶を出し
たりして、利用者といっしょに寄り添うようにしている。
利用者の状態に応じて、日常生活に必要な様々な
2 作業等を利用者が主体的に行うことができるよう
な支援を行なっている
☺☺☺
① 調理・掃除・洗濯などに関しては、利用者に声かけを行い、できだけ実践していただくよう
にしている。調理の手伝いは女性利用者が中心となっている。また、買い物も近くのスー
パーまで散歩も兼ねて行っており、日々の課題として実践できている。
② 口腔ケアに関しては、ボランティア歯科衛生士が週に1回ホームに来て職員および利用
者に指導をしている。職員は歯科衛生士からもらったプリントを参考に実践している。口
腔ケアのセットを洗面台横におき食後の口腔ケアは徹底されている。
③ 寝具の清潔に関しては、シーツ交換チェック表を用い管理している。週1回のシーツ交換
は実践できている。シーツ交換時には、利用者にできるだけ参加をお願いし実践してい
る。また、洗濯物に関しても、自分のものは自分でたたんでもらうようにしており、できない
ところを職員がサポートをする形で行っている。
- 98 -
せらび新宿
(認知症対応型共同生活介護)
利用者本人の状態に合わせて、食事、入浴、排泄
更衣などにおいて介護が受けられ、また、身の回
3
りのこと、掃除や買物などで代行できる支援を行
なっている
☺☺☺
① 利用者チェック表には、排泄チェック表・食事摂取量・服薬チェック表・バイタルチェック表・
入浴者チェック表・シーツ交換表・外出チェック表・面会者チェック表が一枚の紙にまとめら
れており、一覧して全部を把握できるように工夫されているものであるが、その利用者チェッ
ク表を用い、利用者ごとの状態を把握し対応している。
② 排泄に関しては、利用者チェック表を用いその人ごとの排尿ペースなどを把握し対応する
ことで、リハビリパンツが日中は外すことができた利用者が出てきている。
③ 利用者の財産管理の面では、通帳預かりは行っていない。買い物や医療費の立替えなど
は、預かり金より行っている。預かり金の状況は月次で報告している。預かり金の明細を月
次で発行することにより、家族に情報が透明化されている。
4
利用者の健康を維持するための支援を行なってい
る
☺☺☺☺
① 連携している医療機関は、1階にテナントとして入っている訪問内科と連携を取っている。
夜間・休日でも指示を仰げる体制作りができている。また、往診時の内容はサマリーでまと
められてあり、利用者が急変時にもすぐに対応できるように身体状況を常に把握できるよう
にしている。さらに利用者の服薬の処方箋をコピーして緊急時のために保管をしている。
② 服薬管理は薬剤師によって利用者別に分封されており、名前と日付が書かれているもの使
っている。薬剤師から薬を受け取る時は、薬の効力などを詳しく説明して貰っている。服薬
の際には、服薬チェック表で確認をして行っている。服薬ミスのないように十分に注意され
ている。
③ 緊急連絡網を設けておりホーム長は、利用者の体調に変化があったときには、24時間連
絡を取れるようにしている。救急搬送のときなどには応援の職員を出勤させるが、確実に確
保できるかと言うと不安がある。特に夜勤時などは、人員配置の問題もありフロア間の応援
体制には限界があるのが現状である。これは、今後の課題であろう。
5
ホームでの生活は楽しく快適であるよう工夫して
いる
☺☺☺
① 外出行事は、最近3ヶ月で遠足会2回、レストラン3回を行っている。費用負担は食費でやり
くりして出している。外出が誕生日など個人の行事になった場合は個人の負担で対応して
いる。また、1階の他事業所で行っているサロンに参加可能であり、紙紐クラフトなどを楽し
んでいる利用者もいる。
- 99 -
せらび新宿
(認知症対応型共同生活介護)
② ホーム内の清潔に関しては、日々の掃除の励行を行っている。利用者にも午前中に手伝
ってもらっているが、夜勤者が夜勤の空いた時間帯に食堂などの共用スペースを掃除して
清潔を保っている。掃除のときには空気の入れ替えも行われている。
③ 居室にはホーム側で最低限の収納スペース・タンスやベッドを設けているが、在宅時に慣
れ親しんだ家具があれば入居時に持参することも可能である。実際に仏壇など持参してい
る利用者も見られる。もちろん小物など慣れたものも持ち込でいる利用者も居るが、職員と
いっしょに買い物に行き、花などで居室を装飾することで雰囲気作りもしている。
6 家族等の関係を保ちながら運営している
☺☺☺☺
① 面会は立地上の条件が良いこともあり回数が多い。毎日訪問するご家族もみえるが、平
均は週一回強の割合である。また、3階に家族室が2部屋設けており、家族は食事代の
みでホームに宿泊可能であり、実際に利用者された家族もある。
② 家族が参加できる行事については、今年度は家族会1回、演芸会2回、クリスマス会を実
施した。なお家族会は27家族中20家族以上が参加し、協力的な姿勢が伺える。演芸会
(ギター・落語)は地域の方にも声をかけて参加してもらった。1階のサロンを利用している
人を中心に外の掲示板にも案内を出した。落語は利用者含めて約40名の参加者が集ま
った。
③ 利用者家族への情報伝達は、利用者の様子などを知らせる「ホームだより」としてせらび
新聞を発行している。月次の請求書と会計報告書につけて同封し、利用者の近況を知ら
せている。
『サービス提供のプロセス』項目
☺☺☺☺
1 サービス情報の提供・案内
① ホームページには利用者の生活状況も写真で掲載しており、将来の利用者がサービスを
選ぶときに参考になりやすいようにと心がけている。しかし、更新のペースがゆっくりであり、
常に新しい情報を提供しているとは言い難い。今後は実際の空き状況なども盛り込みわか
りやすいものにしていくことが今後の課題である。
② 新宿区で発行しているガイドブックにせらびの情報を載せている。事業所独自のパンフレッ
トは、施設内においてあり、また本部の営業職が、在宅介護支援センターなどを訪問して、
パンフレットをおかせてもらえるところを開拓している。
③ 利用希望者の見学は月約 8 回。見学者の対応は現在ホーム長、ユニット長が中心に行っ
ているが、全職員が見学者対応できれば、その場でせらびの顔となれるため、研修などを
充実させていきたいと考えている。(現段階では一般職員は料金体系のみ説明可能であ
る)
- 100 -
せらび新宿
(認知症対応型共同生活介護)
☺☺☺
2 入居・退居時の対応
① 入居申込書は定型化されたものを使い、家族及び担当ケアマネージャーなどに入居申し込
み書を記入してもらっている。また、入居契約書は複雑なものであるので、入居者の家族
が、説明は要らないと言われても、後々トラブルにならないように詳しい説明を行っている。
② 誤解を生みやすいであろう箇所、再確認の必要が高い契約書の項目は契約書の語句を枠
で囲って再掲するといった工夫がされている
③ 入居を迷っている方にはせかすことはせずに見学などを通して雰囲気を知ってもらい、十
分理解をした上で入居を決めるとができるように配慮されている。
☺☺☺
3 標準的サービス水準の確保
① 手引書は開設時職員研修時にで使用したものを改定して使用している。、新スタッフには
業務の周知度を確認するために毎日レポートを作成してもらっている。それ以外に、スタッ
フがいつも見ることが可能な場所に手引書をおき、新人スタッフには貸し出しをして現場で
の仕事の裏づけ材料にしている。
② スーパーバイザーといった役職は設けられていないが、指導はホーム長・ユニット長が行っ
ており、役割は十分に果たしている。
☺☺☺
4 個別対応と共同生活の重視
① 介護支援計画書のモニタリングについて、4回まで同じ形式で書き込めるようになってお
り、一目で以前との違いがわかるようにしてある。モニタリングの過程をみてケアプランの方
向性が察しのつくように工夫がされている。
② 痴呆対応型共同生活介護支援計画書は個別にファイリングしてあるが、医療職がケアプ
ランに参加していないので介護色のつよいケアプランになりがちである。毎月同じ建物内
にある主治医から指示書をもらっており、医療と協力できる体制があるので、ホームとして
はケアプランにも反映させていきたいと考えており、今後の課題である。
③ 日々の記録は、夜間は赤、日勤は黒のペンで色別で記入され、判別しやすくしている。ま
た、介護会議は月一回行い、それ以外に居室担当者会議でより細かなカンファレンスを
行なっている。会議欠席者には会議録を配布し、口頭で説明されている。
※
「5
サービスの実施」は、前項参照
- 101 -
せらび新宿
6
(認知症対応型共同生活介護)
プライバシーの保護等個人の尊厳の尊重(身体拘
束廃止への取り組みを含む)
☺☺☺
① プライバシーのことについては、職員採用時に守秘義務規定の取り決めについて誓約書を
交わしている。また、居室は利用者の生活のベースとなるところなので、「おじゃまします」の
精神を忘れずに職員は行動するよう指導を行っている。
② 拘束についての取り決めはあるが、使っているわけではない。しかし、身体拘束が必要な利
用者が出たときにどうするか、といったことを話し合っていく必要があると考えており、身体
拘束委員会を設置し、身体拘束とはどういう意味かということからはじめていこうと考えてい
るところである。
③ エレベーターに電子キーロックがついており、現在は安全上必要であると家族に理由を説
明しているが、将来的に開放していかなくてはならないとの認識はあり、今後の課題として
いる。
☺☺☺
7 安全管理
① 感染症は症状ごとに対応手順をホーム長が調べて対応している。レジュメは、建物内1階に
ある主治医でもあるクリニックで作ってもらっている。感染症対策の情報源としては東京都か
ら出されているものを使用している。また、食中毒については職員に対して注意を喚起し、
手洗い・うがいを「一行動、一手洗い」として習慣化つけるよう周知を図っている。
② 感染症発生時における拡大防止対策は、現在検討中であり具体的にどのようにしていくか
といったシステムはまだ確立されていない。薬は、鍵のかかる場所に保管し、誤って服薬し
ないような仕組みつくりがされている。また、1階クリニックで処方された頓服薬は事務所で
預かっており、ここから与薬する際は誰が何を出したかをチェックするシステムがある。
③ 現在、消防署立会いでの防災訓練の実施ができていない。また、日々の訓練をして施設内
での訓練についても定例化する必要があり、大きな課題である。一方、災害時には薬が必
要な方のために処方箋のコピーを毎月末に保管するようシステム化されている。
8 要望・苦情・トラブルへの対応
☺☺☺
① 具体的に利用者の声をアンケートとして取るということは現在行なわれておらず、この福祉
サービス第三者評価が初めてである。しかし職員には本社で統一したアンケートを実施し
ており、今後は利用者にもアンケートをして行く方向で進めていこうと計画中である。いかに
して意見を出してもらうかを今後の課題としている。
② 利用者間のトラブルは、特に男性利用者に多い。興奮しているような場合には職員が間に
入るが、現在は職員は間に入るので精一杯の状態である。今後は間に入るだけではなく、
両者の関係を整えていく方向で調整できるようになりたいと考えている。
- 102 -
せらび新宿
(認知症対応型共同生活介護)
③ 要望・苦情の内容や改善状況についての公開状況については、職員はいつもで閲覧でき
るようにしてある。しかし、現在家族に対しては要望があったときにのみ閲覧提供されてい
る。
☺☺☺
9 地域との交流・連携
① 今までのボランティアは、全て行事のボランティアだったので行事以外のボランティアを見
つけていきたいと思っている。スタッフ以外の話相手などがみつかれば利用者の生活に
広がりが出来て良いと考えているが、まだ計画の段階である。
② ボランティアの募集方法は社会福祉協議会の広報等に出しているが、実際にボランティア
に来てくれているのは、スタッフの知り合いや、精力的に福祉施設を慰問しているボランテ
ィアなどに限られ、ホーム側からの積極的な声かけで集まっているとは言い難い。
③ 民生委員連絡会や新宿区保健医療福祉連絡会等に「グループホームとは」「グループホー
ムの生活」等についてホーム長が出向いて話をし、グループホームについての理解を促
すような活動を行っている。
『経営マネジメント』項目
1 リーダーシップと意思決定
☺☺☺
① 企業理念は①せらび(これぞわが人生)の実現に努力する、②その人らしい一人ひとりの自
由と個性を大切にする、③尊厳と敬意をこめた質の高いサービスの提供、④家族および地
域社会とのふれあいを通じ心のケアを実践する、などが挙げられる。ホームは職員採用時
に企業理念の書かれた書面を全職員に配布し、かつ説明をするなど企業理念の理解の徹
底に努めている。利用者に対しては、入居手続き中にせらびの理念をパンフレットを用いて
説明し、企業理念を少しでも理解してもらうように努力している。
② 経営本部職員の役割、ユニット長・ホーム長の役割分担は、マニュアルがあり明文化されて
いる。職員は稟議書を用いて上司に提案できる体勢が整っている。また、ホーム長は利用
者に合った最適なケアの方法を個別に職員に伝えたり、介護会議などで実務経験を職員
に提示することにより介護技術の指導を行っている。また、ホーム長は、ケアをするうえで有
用な情報を新聞の切り抜きなどを事務所内にあるタイムレコーダーのまわりで職員の目の
触れやすいところに掲示して情報の提供をしている。
③ 幹部会議は毎週水曜日に本部で行っている。構成メンバーは、都内や近隣県にある系列
の各グループホーム長、経営本部は役職のある職員以外にも営業職員・事務職員らが参
加している。幹部会議は各グループホームでの業務内容を報告することでそれぞれのホー
ムの情報の共有化と、改善課題についての話し合いが行わている。会議で話し合われた
- 103 -
せらび新宿
(認知症対応型共同生活介護)
意思決定事項に関しては、職員は回答を全職員が閲覧可能な場所(事務所横にあるメー
ルボックスの上)にファイルに整理されており随時確認ができるようにされている。
☺☺☺
2 経営における社会的責任
① ホームは、採用時に守秘義務の覚書を交わしている。利用者の情報開示に関しても、随時
覚書を交わす書式を設けており、実行されている。これは、退職後も有効であることを職員
には周知徹底させている。
② 透明性確保のために行なっていることは、①第三者評価の導入、②経理も含めた事業所
の情報開示がある。②に関していえば、食費は月 1 回、水道料金は 2 ヶ月に一度利用者で
按分し正確な数字を出し、利用者の家族に報告をし精算されている。家族会の実施は昨
年度 1 回のみであったが、27 家族中 20 家族が参加した。ここで、ホームの運営方法や収
支情況を伝えられている。
③ 地域の福祉資源として、運営理念に地域での継続性をうたっている。小規模多機能施設と
しての役割を果たしていくことがパンフレット、ホームページ、契約書などにも明示されてい
る。ホーム長は、職員には継続性・ケアの質が第一であることを介護会議を通じ話をしてい
る。また、ホームは地域型在宅介護支援センターと連携をしており、外部へ空き情報の提
供や、行政との情報交換等に努めている。
3 利用者意向や地域・事業環境などの把握
☺☺☺
① 利用者意向はインシデント(ひやりはっと報告書)や苦情報告で職員に周知し対応してい
る。また、面会時の家族との面談も重要な材料である。面談について、初回の面談のアセ
スメント、その他面会時などでの家族の声が重要な材料になっている。
② 地域や事業環境に関する情報を把握するしくみは、新宿区内グループホーム連絡会を
通して行っている。区内3ヶ所のグループホーム責任者、新宿区の介護保険課の職員が
集まって情報交換を行っている。連絡会の頻度はほぼ毎月開かれている。職員の定着
率・給与面・ターミナルケアをどこまで考えているかなどについて話し合われている。
③ 利用者のグループホーム退去先の情報や区のサービスに関しては、有料老人ホーム、療
養型医療施設の情報をパンフレットをまとめるなどファイリングしている。利用者が今後受
けられるサービスを探し、活用したいという思いで行っている。退去時は、グループホーム
で所有している他施設の情報を利用者や家族に提供したり、経営本部でも相談にのって
いる。
- 104 -
せらび新宿
(認知症対応型共同生活介護)
4 改善課題の設定と取り組み
☺☺☺
① 利用者の健康管理は、医療との連携が取れており、同じ建物内にある医師・クリニック相談
員・看護師と適宜カンファレンスを開いている。利用者の状態はタイムリーに把握することが
できている。薬の処方箋も利用者ごとに整理して管理しており、緊急時にもすぐに対応でき
るよう準備されている。また、医師主催の医療に関する勉強会も開催されている。
② ホームは、改善課題の取り組みとしてケアの質を高めることを目指している。経営本部・事
務は、それを実現するため、事業所単位で行う事務作業の簡素化に努めている。現場職
員はこの仕組みにより、ケアに集中ができるように配慮されている。
③ 職員はインシデント(ひやりはっと報告書)・苦情相談を常に閲覧できるようにしている。反
省点から介護会議などで職員に周知をしてスキルアップにつなげていくように工夫してい
る。しかし、経営本部やホーム長は、現在のところ職員は判断を仰ぐ際に受動的な面が多
いと見ており、積極的に動ける職員像を期待し今後の課題としている。
☺☺
5 職員と組織の能力向上
① ホーム長は、フロアの利用者・職員の状況をきめ細かく把握している。職員の採用は、常
にホームページ上で募集したり広告による案内を通して行っている。入社してくる社員は、
未経験や無資格者であることも少なくない。現場に慣れてもらうために先輩職員をつけて
の研修を行っているが、中途採用の研修をどうしていくのかが今後の課題として大きい。
② 職員一人一人の能力向上を図る方法は、開設前においては個人目標を書かせて明確に
し、事前職員研修に時間をかけて行った。中途入社職員においては、入社時オリエンテ
ーション・先輩スタッフからの指導・研修レポートの作成を通し、スキルアップを図ってい
る。しかし、開設時職員の研修と中途採用職員の研修時間には差ができている。職員の
レベル差の解消や、短期離職防止のためにも経営層は今後検討しなければなければな
らない問題として理解しているが、事業の安定のためにも早急に解決しなくてはならない
課題である。
③ 現場からの意見の吸い上げ方法は、報告で出されたものがホーム長を介して会社本部ま
で通じる仕組みが確立されている。職員からの提案件数は昨年度 4 件あり、行事の実施、
薬の服薬管理などの提案がなされた。すぐに対応がなされるなど迅速に対処できる仕組
みを備えている。
※
「6
サービス提供のプロセス」は、前項参照
☺☺☺
7 情報の共有化と活用
① 情報の収集・整理・活用はホーム長が一元的に行っている。これは、新聞の切り抜きなど職
員のケアに役立つものと思われるものをまとめて出勤簿の近くに掲示し、サービスの質の向
- 105 -
せらび新宿
(認知症対応型共同生活介護)
上に役立てている。現状では利用者の入居受付から決定に至るまでホーム長が行っている
ため、今後はユニット長などリーダー職に委ねたいと考えている。
② 一方、地域の祭りなどの情報は、町内会の回覧板や職員個々の情報に頼っているため、情
報の入手経路がバラバラとなっている。ホームは昨年度に開設されたこともあり、地域との交
流は現在築きあげている段階である。今後はホーム長が窓口になり、系統立てての情報収
集することで活用が容易になることであろうと経営者層は自覚している。
③ インシデント(ひやりはっと報告書)や日々の業務記録は、全職員の目に触れやすいメール
ボックスの上に置かれており自由に閲覧できるようになっている。周知する体制作りがなされ
ている。職員全員が帳票類・申し送りノートなど閲覧することを徹底すればより効果的な情
報の共有化と活用が期待できる。職員の意識向上を期待したい。
☺☺☺
8 1∼7に関する活動成果
① 経営本部は現場第一主義を掲げており、その実践を行っている。グループホームも今年
度中に4ヶ所となり、フランチャイズシステムを利用して本部職員の現場訪問などが行われ
ている。本部のシステムが社内での行政の法的なチェック・第三者評価・ISO などの自己
監査・評価を行える体制が形になってきつつある。
② 利用者が日々外出する商店街などには、「せらび新宿」の認知度が浸透してきており、気
軽に挨拶を交わせる関係になっている。開設当初から知名度が上がっていることは肌で
感じており、実習生の受け入れ、見学者・入居希望者の増加、地域への利用者理解度
UP など活動の成果が見られる。
③ 利用者満足や苦情対応については、どの時点から問題視しなければならないかの判断
基準が職員によってまちまちであるが、インシデント(ひやりはっと報告書)や苦情処理の
報告書など書類化することが徹底されてくるようになり、「何がどうしてどうなった」ということ
を系統化して把握できるようになってきている。
- 106 -
せらび新宿
4
(認知症対応型共同生活介護)
利用者調査結果
絶対的なサンプル数の少なさや利用者家族の心理を考えると、匿名とはいえ
アンケートの回答に遠慮してしまうのはやむをえないことと言える。実際、有
効回収率も 64%であり、これで全体を語るのは難しいものがある。しかし、この
ような点を差し引いても利用者の反応は良好だと思われる。特にホーム内の清
掃等は行き届いて清潔であると感じており、アンケートの回答した 16 家族中 15
家族が設問 6 に対し「はい」と答えている。評価者は利用者調査、事業調査と
幾度か訪問し利用者の個室や共有部分で利用者とともに時間を過ごしたが、い
つも清掃が行き届いており気持ち良く過ごすことができた。また、利用者の健
康についての対応については強い安心感を持っており、設問 7.8 について共に
満足度の高い数字になっていることは特記に値する。これは、同じ建物内に主
治医が居ることも大きく影響しているのではなかろうか。利用者調査時のホー
ム利用者は、表情も明るく日ごろから居心地の良い空間づくりを心がけられて
いることが伺えた。
サービスを利用しての満足度
調査実施していない
事業評価(自己評価)との対比
※
類似した質問項目について、事業評価(自己評価)と利用
者調査の評価とを比較したものです。
事業評価の質問項目
利用者調査の質問項目
自己評価
「はい」と答えた人数/
(経営層)
回答数(無回答を除く)
- 107 -
せらび新宿
(認知症対応型共同生活介護)
契約時の説明
【過去1年以内に利用を開始したと答え
た方に】ここに入ることを決める前に、こ
のホームのサービス内容や利用方法に
ついての説明は十分ありましたか
利用予定者にはサービス内容
を分かりやすく説明している
7/8
3.0
【過去1年以内に利用を開始したと答え
た方に】契約のとき、契約内容の確認は
十分できましたか
8/8
利用者と家族の要望
利用者の個別の情報や要望
を把握している
ホームは、介護計画をつくる時、利用者
の状況や利用者や家族の要望をよく理
3.0
解してくれましたか
13/15
一人ひとりの訪問介護計画
は、利用者本人や家族の希望
と関係職員の意見を取り入れ
て作成している
利用者個人の主体性を尊重しながらそ
の状態に合わせた支援が行われていま
すか
3.0
13/15
- 108 -
せらび新宿
(認知症対応型共同生活介護)
苦情
利用者や家族がサービスにつ
いて意見や要望を表明し、苦
情を訴えやすいしくみを整えて
いる
利用者は不満や要望を職員に気軽に
言うことができますか
12/16
3.0
利用者の不満や要望を、職員はよく聞
要望や苦情および日常のトラ
ブルには迅速に対応するしく
みを整えている
いて対応してくれますか
12/16
3.0
自由意見
●お風呂など自分で満足に、頭を洗ったり体を洗うことができないので週一回ぐらいその
ようなサービス(お風呂のサポート)が受けられたらと思います。洗面所にお湯が出ない
ので(水しかでない)冬に洗顔するのがつらい。お湯で洗顔したい。
●責任者を除くスタッフが頻繁に変わるので少々不安がある。
●家族感覚でよくやっていただいております。ただ、できました年間計画や個人対応策な
どをゆっくりと話す時間がほしい。
●他を比較できませんから、主観で申し上げますと大変よいと思います。入居者の家族の
方々に時折接触しますが、非常に感謝しています。
●白内障の術後に外出誘導があり、転倒、再手術になった。転倒も家族が気づくまで教え
てくれなかった。指摘後報告はマメにしてくれている。医院への外出ももう少ししてほ
しい。風呂の拒否をうまくとりなして、もっと風呂に入れてほしい。
●最近の利用者の体調の変化が心配です。なくなった伯母と同じ道を辿っているような気
がします。
●健康状態はもちろん、その他のことでも利用者には可能な限りよい状態=楽しい日々を
- 109 -
せらび新宿
(認知症対応型共同生活介護)
過ごしてもらいたいと思っています。でも、ともするとこちらの思い入れが本人の状態
と合わずに空回りしてしまうことが多々あります。それでもめげずに、いろいろ本人が
本当に楽しいと思えるハレの場所を作ってあげなければと、なかなか面会にもいけない
不良家族
は反省も込めて思うのです。スタッフの皆さんには感謝していますし、依
頼しています。よろしくお願いします。
●入居の折、お風呂は24時間対応できているとの事でしたが、実際はわがまま言えない状
況です。説明不足を感じました。職員の介助のことを考えれば、現在の状況で仕方ない
のかもしれません。
●利用者である父が安心していて、高級老人ホームと思っている。毎日面会に行っている
(娘の)私は少し話をして利用者の妻(私の母)との電話のやり取りをさせて帰るだけです。
ホームには感謝の一言です。
●利用者は05年11月入居以来3月中旬まで4ヶ月に2回転倒して腰を骨折している。いずれも
いすに座りそこなってのことで、2度あることは3度も??と心配になっている。
●洗濯物:洗濯した下着が部屋の前に干してあった(天気がよかったのに)「私がもらしま
した」と言っているようでいやだった。
●庭:できれば部屋から自由に庭に出て花を育てたりしてほしい。
●苦情などはヘルパーさんには直接言いにくい。
●ノート:個人の様子を書いたノートがあったが、忙しいようで5・6ヶ月続いてあとは記
入されていなかったのが残念です。
●半年に一度苦情や要望が言える場、利用者の家族の場があると嬉しいです。その場によ
り、いろいろ事情があると思うので、そんなことも少し説明されるといいと思う(理解で
きるようになる?)認知症に対するヘルパーさんの研修など少しずつしてほしい。いまし
ているならこれからもお願いします。
●くつ箱:来客用のスリッパと外用のくつを同じところに入れるので、とてもいやです。
外の泥がスリッパについてしまうのではととても気になる。手指の消毒をしていてもこ
れでは意味がないのでは?改善してほしい。
●髪の毛をもう少し頻繁にカットしてほしい。
- 110 -
せらび新宿
5
(認知症対応型共同生活介護)
サービス改善計画
改善課題
1
職員の就業意識の向上、介護技術の向上
2
ケアプランの理解を深め、認知症ケアの
専門家の育成
3
情報の公開と開かれたホーム作り
課題解決の具体的取り組み
1
就業意識を高めるために社内アンケートを定例化さ
せ、潜在化されている意見の吸い上げに努める。一例
としては職員の給与などの処遇に関してもアンケート
結果を反映させ「夜勤手当」の増額などで働きやすい
環境づくりを本部と協力し作り始めている。また、介
護業務だけでなく介護のプロを育てるためにも一職員年 3 回の目標で外部研修
に参加する。また、内部研修としても有志で介護の勉強会(1Fテナント(内
科・歯科・ヘルパーステーションなど)の協力)で常に向上心を伸ばす場を設
けることにした。
(株)日本ケアリンク全社的にもホーム長・ユニット長・サブユニット長・介護スタ
ッフレベルで階層別研修会を計画している。
月例の介護会議・月 2 回のリーダー会議を定例化し、ケアの材料にして行くこ
とにする。
2 ケアプランの理解は今年度から「センター方式」アセスメントを一部導入(今
までは「包括」の改定版使用)することにあたり、ケアプランの意味・介護に
活かすケアプラン作りをすることにした。導入としては「センター方式」の勉
強会を開いた。
また、作成したケアプランはご家族本人の意見を吸い取りやすくするために、
家族会を今までのように 3 フロア合同ではなく、フロア毎の分科会を設けて、
よりフロアに即した意見の吸い上げを行いたい。
3 せらび新聞の発行や、屋内だけでなく念願であった1F物干し場に園芸設備
を造営することになり、今まで以上に屋内だけでなく外に出かける「せらび」
を実行し、結果として地域での継続性を実現することを目指します。
- 111 -
せらび新宿
(認知症対応型共同生活介護)
事業者からのコメント
サービス評価を受審して
家族よりの声としては、評価自体に「利用者の立場になって考えてみてく
ださい」ということに対して「現在はせらびに預けているので一時しか知ら
ない」状況に戸惑いがあった家族もいた。これは日々の家族とのコミュニケ
ーションにより解消される一面はあるだろうが、信頼関係が良好な家族にお
いても本人以外の立場の人が答えるのには難しい調査である面ということも
第三者評価としての課題であると思う。
せらびとしては初めての評価であったので、この結果を今年度いかに改善
して行けるかが課題であり、結果は利用者様の笑顔で現れてくると考えてい
ます。
評価機関について
評価機関に対する感想は、ヘルパー講習なども実施していることもあり、
利用者調査などはとても丁寧に感じた。受審時期が年度末押し迫っていたこ
ともあるが、時間にもう少しゆとりを持っていただけたら、より家族からの
アンケート回収率は高まったと思われる。
- 112 -
事業所別評価結果
< 訪 問 介 護 >
(株)大起エンゼルヘルプ
新宿ケアセンター
- 113 -
115 ページ
大起エンゼルヘルプ
新宿ケアセンター
(訪問介護)
(株)大起エンゼルヘルプ新宿ケアセンター
運営主体
: 株式会社
大起エンゼルヘルプ
住
所
: 東京都新宿区戸山2−33−110
電
話
: 03−5291−8957
ファックス
: 03−5291−8957
事業所長
: 菊池
徹
評価対象サービス : 訪問介護
評価実施日
: 平成17年2月16日
評価機関
: 株式会社
1
事業プロフィル
クリップ
※
事業者自身が記入したものです。
1
当該事業の職員体制
・人数
常勤 42名
非常勤 22名
・資格
介護福祉士、ホームヘルパー養成講習2級修了者
2
同一敷地内(又は同一建物内)で実施している同一運営主体のサービス
・居宅介護支援
3
事業所として力を入れて取り組んでいる点
・ご利用者様の要望、ニーズに合わせた介護、支援を行っていく。
・月1回の事業所内研修を行い、スキルアップを図っている。
4
サービス提供能力
サービスを利用したい希望者がかなりいる。
5
3年後の見通し
利用者数の増加を見込んでサービス提供能力を拡大する計画がある。
- 115 -
大起エンゼルヘルプ
2
評
新宿ケアセンター (訪問介護)
価
✓
1
講
評
特に良いと思われる点
利用者意向重視の充実した個別対応
機能的で見やすい連絡ノート、フェイスシート、介護日誌など
を作成し、活用している。また、モニタリングにより個別の事情
を早期に把握し、個別に対応するなど利用者の状況変化や意向を
重視して個別対応がされている。
2
合理的な福祉サービス事業の経営
本年度は改善の年と位置付け、全社的に改善に取り組んでいる。
ISO9001の認証を取得し、サービス品質方針・品質目標の設
定、実行、チェック、見直しなどの体制が充実し、顧客満足度調
査、モニタリングも実施されている。さらに福祉サービスに関わ
る関連書類も整備され、利用者志向の合理的な事業運営が行われ
ている。
3
要望・苦情・トラブルの経営への反映
詳細な苦情報告書が作成され、経営トップまで上がる仕組みが
整えられており、全社で共有している。苦情などが経営に有効に反
映する体制が整えられている。
- 116 -
大起エンゼルヘルプ
新宿ケアセンター
(訪問介護)
✓特に改善を要すると思われる点
1
プライバシーへの配慮
雇用契約書や秘密保持契約書において守秘義務契約は結ばれて
いるが、個人情報に配慮し関連書類や保管方法の見直しが必要と
思われる。
2
人材の確保
人材不足のため、サービス需要に十分に対応できず、営業面に
も影響を与えている。すでに中長期で人材確保に取り組んでいる
が、さらなる人材確保への努力が期待される。現在、広告媒体で
人材確保を図っているが、ホームページ上での採用情報に雇用条
件が具体的に明記されていなかった。
3
職員の能力向上
職員の資質向上の意欲を支援するため、外部研修や内部研修の
見直しが必要と思われる。また、全職員への研修内容の効果的なフ
ィードバッグは、職員の意識改革を促し、人事考課制度と併せて、
さらに積極的な改善意欲に結びつくと思われる。
- 117 -
大起エンゼルヘルプ
3
新宿ケアセンター (訪問介護)
事業評価結果
『サービスの実施』項目
1
それぞれのサービスは利用者や家族の立場にた
って行なっている
☺☺☺
① 利用者調査の [問10]事業所やヘルパーは、生活や介護に関する情報提供・相談・助言
などをしてくれますか の設問で、 はい と回答した割合が69.5%であった。これは平成15
年4月介護保険改定により従来の生活援助サービスができなくなったことの説明不足による
利用者の不満が出たためと思われる。
② 利用者及び職員間の日々の確認を取るため、連絡ノートを利用している。連絡ノートは、細
やかなコミュケーションが取れるよう工夫されている。
③ 人員不足のため利用者の要望する時間(特に特定の時間)や曜日は対応できない時があ
る。そのような時は利用者と話し合い調整されている。
2
サービス提供の時間が利用者や家族にとって快
適なものにしている
☺☺☺☺
① 利用者の意見からも声掛けがしっかりとされ明るく接している姿がうかがえる。利用者調査
の
[問2]家事援助(掃除、洗濯、買い物、調理など)をきちんとしてくれます
の設問で、
はい と回答した割合が84.2%と利用者の満足度は高い。ヘルパーも掃除のしかた・洗
濯・調理の味付けなどできるだけ利用者の好みに合わせ作業するよう指導されている。
② 1名の利用者に複数のヘルパーでかかわり、介護日誌にサービス内容が記録され、中でも
リーダーが金銭管理をしっかりとしている。
③ 新宿ケアセンターとしての医療機関連携はないが、一人一人の利用者の主治医はフェイス
シートに書き込まれ把握されている。
3 安定的で継続的なサービスを提供している
☺☺☺
① 一人の利用者に対し複数のヘルパーで対応することにより、ヘルパー緊急時にも利用者
に迷惑がかかることなく代替要因の体制ができている。
② 介護日誌の活用により利用者情報の共有化がはかられ、誰が行っても継続的なサービス
を提供できる仕組みが出来ている。
③ 担当が変更になる際は前任者が同行し、利用者への引き継ぎが行われてることになって
いるが、利用者の意見では一部不満もみられる。
- 118 -
大起エンゼルヘルプ
新宿ケアセンター
(訪問介護)
『サービス提供のプロセス』項目
☺☺☺
1 サービス情報の提供・案内
① 電話で毎日約10件ほどいろいろな問い合わせがある。専門的な問い合わせにはそれぞれ
の担当者が折り返し電話で応え、「相談受付記録表」として記録されている。
② 利用者確保に当たっては、独自の営業社員が空き情報を持参し各事業所をこまめに回っ
ている。情報提供・案内をし「利用者の選択」に対応している。
③ ホームページや本社を含めた各種情報の入ったパンフがある。しかし、ホームページの更
新は遅れがちである。
☺☺☺☺
2 利用開始時の対応
① 重要事項は明文化され、本人または家族へ渡されている。契約書の内容も必要事項が整
備され整っている。
② 契約時には一人の利用者に複数のヘルパーがかかわることが説明され合意を得ている。
初回訪問時には統一した説明がされている。
③ 「相談受付記録表」「契約事前調査」「フェイスシート」で個別事情を把握し、利用者の満足
と信頼を得るように努めている。
☺☺☺
3 標準的サービス水準の確保
① 利用者の日常サービスについてISOの計画・実行・確認・行動=改善を使った業務マニュ
アルがあり、閲覧自由になっているが活用しにくくまた、あまり活用もされていない。現在、業
務マニュアル類の全般を見直し中である。
② 平成15年度より、日常のサービスのあり方に指導者(スーパーバイザー)が決まり、研修の
年間計画があり毎月実施されている。研修は他に入社時・2年目・3年目研修があるが利用
者調査ではサービス格差の指摘が見られた。
③ 職員は毎朝勤務前にリーダー等からの「従事前チェック表」による体調管理とボードに貼ら
れた「ルート表」にサインをし、利用者・利用時間の再確認をしている。入念なチェック体制
により利用者へのサービスに努めている。
☺☺☺☺☺
4 個別対応の重視
① 年数回利用者にモニタリングが行われ、利用者ごとに回数は記録され出来るだけ多くの利
用者の声を聞こうと努力している。モニタリングにより利用者の状態把握が早くケアの変更
に役立っている。
- 119 -
大起エンゼルヘルプ
新宿ケアセンター (訪問介護)
② 各係りの連絡ノートが活用され連絡事項がきちんと伝わっている。利用者調査 [問8]の事
業者に言ったことがヘルパーにきちんと伝わっていますか の設問で、80.0%と満足度が
高い。
③ 利用者の履歴が追えるように工夫されているフェイスシートの記録により、情報の共有化
に活用されている。
※
「5
サービスの実施」は、前項参照
6 プライバシーの保護等個人の尊厳の尊重
☺☺
① フェイスシートに利用者の個人情報と介護記録が区別されず保管されている。さらに日々フ
ェイスシートは持ち出され介護に活用されている。個人情報の事務所外持ち出しは、個人
情報保護の観点からも、至急の改善が必要と感じる。
② 個人情報に関する認識不足がある。就業規則・雇用契約書にプライバシーの保護等の文
書もあり、入社時にはエリアマネージャーからの説明もなされている。しかし、フェイスシート
の内容や閲覧自由の苦情シートに氏名記載など改善が必要と思われる。
③ 利用者の個人情報が記載されているフェイスシートは引き出しに保管されている。この引き
出しの鍵の管理・保管が適切とはいえない。
☺☺☺
7 安全管理
① 全社の事故情報の記録が整備され水平展開される制度を取り入れている。
② ゴム手袋・予防着・アルコール噴霧・手洗い・うがい等そのつどこまめに指導されている。感
染症に関する小冊子をヘルパー全員に配布している。
③ ヒヤリ・ハットのノートは入り口にあるが、他の連絡ノートや介護日誌等の記載や保管場所か
らは離れているためかほとんど活用はされていない。
8 要望・苦情・トラブルへの対応
☺☺☺☺
① ISO取得の会社だけに利用者の苦情報告書が経営トップまで上がる仕組みがある。苦情
報告書も内容から始まって応急措置や恒久処置、更に全社的な水平展開の実施そして
最後は文書の改訂までとなっている。
② 年数回のモニタリングや顧客満足度調査が行われている。無形で生産と消費が同時の福
祉サービスの利用者や家族の意見・要望を汲み取る仕組みである。
③ 平成15年度組織改革で品質担当のクオリティマネージャー(QM)の役割分担が決まり、
QM会議で苦情の再発防止対策が迅速に行われている。
- 120 -
大起エンゼルヘルプ
新宿ケアセンター
(訪問介護)
☺☺☺
9 地域との交流・連携
① 事務所所在地の自治会・商店会に参加している。また、自治会主催の夏の祭りでは、積
極的な活動をしている。
② 本社が窓口になり毎年実習生を受け入れている。昨年、新宿ケアセンターは10名の実習
生を受け入れた。
③ 事務所の近辺は高齢化率も高く介護情報などは必要としている方々は多いと思われる。
福祉機器の展示方法や自治会や商店会の参加においても積極的な情報発信を期待し
たい。
『経営マネジメント』項目
1 リーダーシップと意思決定
☺☺☺☺
① 平成12年10月にISO9001の認証を取得し、サービス品質方針・品質目標を設定し、事
務所内に掲示している。それにより事業所の「目指すこと」が事務所に入れば一目でわかる
ようになっている。
② ISO9001の品質目標方針を含む品質展開シートを縮小した個人カードを毎年更新し、個
人の目標を追記して全職員に携帯させることにより、事業所の「目指すこと」を職員に周知
している。
③ 今年度から導入された人事考課制度の三者面談(エリアマネージャー、センター長、職員)
を年2回実施し、実情を把握するための情報源を得る場として有効に活用している。
☺☺☺☺
2 経営における社会的責任
① 社会福祉事業に従事するものが守るべき法・規範・倫理などの社員規定・雇用契約書など
に明文化され、関連書面が整備されている。また、個人情報を扱うセンター長、ケアマネー
ジャー、事務員とは別途秘密保持契約を結んでいる。
② 新宿区の介護サービス事業者ガイドブック「ハートページ」(本、WEB)に事業所を掲載
し、インターネット上の「ハートページ」ホームページから本社のホームページにリンクが張
られている。本部ホームページでは役割、姿勢、方針などが明確にされている。
③ 平成15年度より積極的に第三者評価を導入し、事業所のサービス情報を開示し、企業と
してより透明性の高い組織を目指している。
- 121 -
大起エンゼルヘルプ
3
新宿ケアセンター (訪問介護)
利用者の意向・満足状況、経営環境、市場動向
等の把握
☺☺☺☺
① 本部が主体となり、顧客満足度調査を実施しており、定期的に利用者意向・満足状況を把
握する仕組みが整っている。
② 利用者に対してモニタリング調査を行い、聞き取った利用者の声を経営改善プランなどに
有効に反映させている。
③ 新宿区の介護サービス事業者連絡会・協議会に参加し、情報収集を行っている。資料整
理が十分ではないが、必要に応じて回覧し、職員にも周知している。
4 改善課題の設定と取り組み
☺☺☺☺
① 平成16年度より全職員に対し、どんな小さなことについても改善活動報告書を作成すること
を促し、改善活動を抽出する仕組みを整えている。たとえば、巡回車などの追突防止シール
の必要性が提案され、現在、本社で統一シールの作成が検討されている。
② 苦情報告書を作成し、事業所内だけでなく、水平展開して全社的に周知し、改善活動抽出
に役立てている。
③ 本社の品質管理、事業所毎の内部監査員(他の事業所の内部監査に従事)による内部監
査で改善活動を吸い上げ、期限を設定して改善に取り組んでいる。
☺☺
5 職員と組織の能力向上
① 年2回の人事考課制度の三者面談により、職員の資質向上の目標を設定している。人事
考課制度は、給与にも反映させ職員のやる気向上を引き出している。
② 月1回事業所内で研修を行っているが、参加者が少なく、今回の職員アンケートにおい
て、研修のレベルに対する職員の不満もあった。
③ 職員の外部研修の参加の機会が少ない。また、参加した職員による他職員への報告もは
っきり制度化されていないため、情報共有が不足がちである。
※
「6
サービス提供のプロセス」は、前項参照
☺☺
7 情報の共有化と活用
① 利用者と職員の個人情報が、同じファイルキャビネットの中に一緒に保管され、誰でも見ら
れる状態になっている。
② 事業所の蓄積する情報がファイルされているが、あまり活用されていない。職員への情報の
周知方法や、ファイル方法などを見直す必要があると考えられる。
- 122 -
大起エンゼルヘルプ
新宿ケアセンター
(訪問介護)
③ 個人情報の範囲があいまいで、取り扱いについて明確な規定がなく、その取り扱いに対す
る配慮が必要となる。
☺☺
8 1∼7に関する活動成果
① 重大な改善活動にあげられている「人材確保」の実行がはかどっておらず、職員不足から
利用者へのサービス提供に支障を来たすことがあり、営業面にも影響を与えている。
② 各種情報の共有化と活用の点で、個人情報の取り扱いを含め、情報のファイル方法や保
管方法など改善が十分とは言えない。
③ 今年度より導入された改善活動計画書、人事考課制度の三者面談により、今後の業務改
善意欲の上昇が見込まれるが、現在はまだ成果が十分とは言えない。
- 123 -
大起エンゼルヘルプ
新宿ケアセンター (訪問介護)
利用者調査結果
4
総合的な感想で、 現在利用されている訪問介護サービスを総合的に見て、
どの程度満足していますか の質問に対し、回答者105名中、大変満足21
名、満足70名、計91名と、事業所に対し非常に高い満足度を示している。
利用者が事業所に非常に厚い信頼を寄せている様子が伺える。 はい
と回答
した割合の最も高い設問は、【問2】家事援助(掃除、洗濯、買い物、調理な
ど)をきちんとしてくれますか で84.2%であった。ヘルパーの利用者へ
の家事援助について、満足している様子が伺える。一方、 はい
と回答した
割合の最も低い設問は、【問11】を除き、【問9】ヘルパー間の連絡は十分
できていますか 、【問10】事業者やヘルパーは、生活や介護に関する情報
提供・相談・助言などをしてくれますか で69.5%であった。ヘルパー間
の情報交換、利用者に対する情報提供については、今後の課題となる。
サービスを利用しての満足度
不満
3%
大変不満
0%
(調査票回収数 105件中)
無回答
3%
大変満足
20%
ふつう
8%
満足
66%
- 124 -
大起エンゼルヘルプ
新宿ケアセンター
(訪問介護)
事業評価(自己評価)との対比
※
類似した質問項目について、事業評価(自己評価)と利用
者調査の評価とを比較したものです。
事業評価の質問項目
利用者調査の質問項目
自己評価の
「はい」と答えた人数/
平均点
回答数(無回答を除く)
契約時の説明
【過去1年以内に利用を開始したと答
えた方に】この事業所を利用することを
利用予定者にはサービス内容
を分かりやすく説明している
決める前に、サービス内容や利用方法
についての説明は十分ありましたか
3.7
18/22
【過去1年以内に利用を開始し、契約
の時、その場にいたと答えた方に】契約
の際、内容について十分説明がありま
したか
18/21
- 125 -
大起エンゼルヘルプ
新宿ケアセンター (訪問介護)
利用者と家族の要望
事業所は、訪問介護計画をつくる時、あ
利用者の個別の情報や要望
を把握している
なたの状況や、あなたや家族の要望を
よく理解してくれましたか
3.7
83/96
一人ひとりの訪問介護計画
は、利用者本人や家族の希望
と関係職員の意見を取り入れ
て作成している
サービス提供にあたってはあなたの意
思が尊重されていますか
78/95
3.7
苦情
利用者や家族がサービスにつ
いて意見や要望を表明し、苦
情を訴えやすいしくみを整えて
いる
ヘルパー訪問について、不満や要望を
事業所に気軽に言うことができますか
80/100
3.6
事業所は、不満や要望をよく聞いて対
応してくれていますか
要望や苦情および日常のトラ
ブルには迅速に対応するしく
みを整えている
3.7
77/96
- 126 -
大起エンゼルヘルプ
新宿ケアセンター
(訪問介護)
自由意見
●色々なヘルパーさんが来るので、大変満足→不満まであります。いつも同じ事をお願い
しているので、その日により時間があまり10分∼15分(1時間内)の時、帰ってもいいと
云っても身体介護なので(見守り)になり困ってしまいます。何かさがして時間内手伝
ってくれるヘルパーさんはいいのですが、ヘルパーさんの都合で時間まで何もしないで
いられても迷惑なので指導して下さい(時間オーバーすることはありません)
●まだ雑用はできますのでお掃除だけです(家事援助)
問2、1時間内ですみますので丁度お手伝いして頂いています。
●細かい所、高い所、はダメ、手に力が入りにくい等、伝えているはずが、なかなか理解
されず、だんだん或いは人によって大雑把になってゆく(物を他へ移そうと持ち上げる
とホコリが舞ったり)あまり細かい事は云いにくく、又、アキラメもあり、体調の良い
時に、気になる所は自分で始末をつけている。以前来宅してた人は、少しでも水まわり
にカビ等、見つけると、早い内の方が楽だからと、とってくれたり、細かい隅等は、綿
棒やヨージ等、使用して綺麗にしてくれたし、物を(例えば鏡とかCDプレーヤー)持ち
上げてもホコリの立つ事などなかった。でも今の人もそれなりにやってくれているのだ
とは思います。
●ヘルパーはとても時間が正確です。
患者の接し方がやさしいです。
患者に大きな声かけがうれしいです!!
多く利用したいですが時間の調節がむずかしいです。
●自身の体の調子の良い時は、これで良いと思ってますが掃除はなか∼大変だから寝る
体(寝たっきり)になってしまったらどうかなーと思って居ます。
●まだ週1回1時間半程度ですが来てもらえるというだけでも外に出る事が出来(介護者、
嫁)ありがたい。
●ヘルパーさんの性格によりいろいろあるので、当方の方で気を使う場合が多いので疲
れる。
●ヘルパー訪問の時、外衣は脱衣して室屋に入いる事がエチケットと思う。
●私は、突然の交通事故で身体障害者となりました。訪問介護のお蔭でお掃除、お買物そ
の他の用事をして頂き大変有難く感謝しております。
- 127 -
大起エンゼルヘルプ
新宿ケアセンター (訪問介護)
●介護人の個性がありますが、意見は直接本人に話して、動いていただいて居ります。事
業所がしっかりしていますので。
●家事援助についていろいろ規則がありすぎる。
自分でできない
(届かない)所のお掃除等お願いしても規程でしてもらえないことが多々ある。
●誰方が来ても同じように出来る、食事メニューの巾がもっと多く。
●しんよう出来ないからわからない。
●デンワでおねがいすれば、ケアマネさんが来て下さいます。
●皆様大変よくしてくださいますので感謝して居ります。91才の主人は介護センターにお
世話になっておりますが本人も楽しく火・金とバスにて送迎して頂いております。最近
は身体も弱ってまいりましたが皆様とお話が出来るが楽しのようです。ケアマネジャー
の方も親切で色々相談にのって下さいます。ヘルパーさんもとても明るい方でとてもハ
キハキとよく、お仕事をして下さいます。
●当しょは、ヘルパーさんがどなたも大変よかったが長くなると質がおちて来ました。仕
事もだんだんと少なくなり、こちらがしてきしないとやってもらうことが出来ません。
●1時がたりない。
●よくしていただき有難いと思います。1日一日身が重くなり、お世話かけます。ありがと
う存じます。
●手早く声かけもしてくれて、毎日雨の日も風の日も定刻きっかりに守って家族の励みに
なります。今後ともよろしくお願いします。
●ヘルパーさんが1年位で良くかわります。やっと慣れたと思ったり、とても気が合う方に
急に来なくなるとさみしいです。事前に連絡してほしいです。
●要望、不満を事業所に何度か言いましたらお宅は苦情が多すぎると言われてしまった
のでその後口をつぐんでしまいました。牛乳をわかすとナベはこげついたまま、甘味料
を使っているのに砂糖同様に使用する、朝必ずおしめを取り変えてと言ってもしてくれ
ない、だし汁を入れておくとお茶と間違えてしまう、その他いろいろ事業所を変えたい
と思ってもどこもこんなものだろうとあきらめている。
●いつもよくやってくれますので、ありがたく思っています。
●来訪の日により女性、男性と異なりますがここの事業所の方はどの方も良いので、安
して居られます。
- 128 -
心
大起エンゼルヘルプ
5
新宿ケアセンター
(訪問介護)
サービス改善計画
改善課題
1
モニタリング等で利用者様の声を聞き取り、
利用者様の状況把握が早く、ケアの変更等に
役立っている。
2
研修を月 1 回実施しているが、研修のレベ
ルを何処に置くか改善する必要がある。
3
情報の共有化を図る為、周知方法やファイ
ルの見直しをする。
課題解決の具体的取り組み
1
個別対応の重視と言う項目で、全般的に優れた状態
の「5」評価を得たので、継続し利用者様の状態把握
に、今まで以上、モニタリング等を通じて、役立てて
行く。
2 スタッフの意見を聞き取り、研修を見直し、職員の
レベルにあった研修計画を作成し研修の充実を図る。
3 報告、連絡、記録を徹底させ、情報の共有化が図れ
る様、ファイル等を改善し全員が目を通せるように整
理する。
事業者からのコメント
サービス評価を受審して
人事考課制度を年2回実施し、各スタッフの情報を得る場として有効に活用
しています。又、スタッフの不満解消の場として、意見を聞き取り、改善に
向けて努力していきます。
評価機関について
評価者の方も、訪問介護について、かなり理解されており、建設的な評価
をして頂きました。
新宿ケアセンターの現状を評価していただき、今回の評価を素直に受け止
め、質の向上情報の共有化に努め、改善して行きます。
- 129 -
4 認証評価機関一覧
※ 平成17年7月21日現在の「とうきょう福祉ナビゲーション」から転載しました。
※ 掲載している機関は、高齢者向けのサービスを対応可能な評価分野としており、所在地が
東京都近隣にあるものです。
※ 備考欄の数字は、対応可能な評価分野の分類を示しています。
*1
: 入所系と在宅系
*2
: 在宅系とグループホーム
*3
: 入所系とグループホーム
*4
: 入所系
−
: ナビゲーションに記載なし
空欄 : 入所系と在宅系、グループホーム
※ 編集の都合上、法人種別を次のように略記しています。
(株)
: 株式会社
(社) : 社団法人
(特非): 特定非営利活動法人
(財)
: 財団法人
(社福): 社会福祉法人
(無中): 無限責任中間法人
(有中) : 有限責任中間法人
* 中間法人とは、社員に共通する利益を図ることを目的とした社団をいい、法人の債務に対する責任を社員が負う
場合には無限責任となります。
名 称
電話番号
メールアドレス
備考
千代田区
(株)ノンフィクションチャネル
03-5217-3201
[email protected]
(特非)福祉経営ネットワーク
03-3234-4643
[email protected]
協同組合 建設経営センター
03-3559-5885
[email protected]
(株)生活構造研究所
03-5275-7861
[email protected]
(株)明治安田生活福祉研究所
03-3283-9293
[email protected]
(有中)日本福祉サービス評価機構
03-3262-2260
[email protected]
(株)ハンドワークス
03-5297-3980
[email protected]
(財)日本規格協会
03-3592-1405
[email protected]
(株)福祉会計サービスセンター
03-3254-3033
[email protected]
(社)東京社会福祉士会
03-5215-7365
[email protected]
(株)販売促進研究所
03-5275-0088
[email protected]
(社)日本経営士会
03-3239-0691
[email protected]
(株)お茶の水総合事務所
03-3255-0030
[email protected]
(特非)日本ケアマネジャー協会
03-3863-4300
[email protected]
(株)福祉規格総合研究所
03-3258-0348
[email protected]
(株)ウェルハート
03-5276-6071
[email protected]
(株)長寿社会研究所
03-5339-2588
[email protected]
みずほ総合研究所(株)
03-3591-7046
[email protected]
(有)アミュレット
03-5288-5939
[email protected]
- 130 -
*1
*1
中央区
(株)川原経営総合センター
03-3289-0864
[email protected]
(株)アクシスジャパン
03-3555-7811
[email protected]
りそな総合研究所(株)
048-824-5649
[email protected]
(株)全国経営センター
03-5541-2460
[email protected]
(有)第一福祉マネジメント
03-3831-1288
[email protected]
(株)日本能率協会総合研究所
03-3578-7613
[email protected]
(社)日本介護福祉士会
03-3507-0784
[email protected]
日本コンサルティングブレーン(株)
03-3569-0569
[email protected]
ワークスコープ(株)
03-3431-2370
[email protected]
(株)シルバーチャンネル
03-5405-1183
[email protected]
高圧ガス保安協会
03-3585-1150
[email protected]
(有)タッドポールアセスメント
03-5778-8955
(特非)在宅サービス評価センター
03-5772-3838
[email protected]
(財)日本総合研究所
03-3351-7575
[email protected]
(特非)市民シンクタンクひと・まち社
03-3204-4342
[email protected]
(特非)NPO人材開発機構
03-5206-7831
[email protected]
(社福)東京都社会福祉協議会
03-3268-1357
[email protected]
(特非)NPO 専門職ネット
03-5733-8131
[email protected]
(株)損保ジャパン・ライフサポート
03-3349-6055
[email protected]
ケーピーエムジー・エムエムシー(株)
03-5206-7971
(特非)特養ホームを良くする市民の会
03-3358-9093
[email protected]
(株)グループわいふ
03-3235-2854
[email protected]
(株)エバレット総合研究所
03-3353-3435
[email protected]
(財)日本チャリティ協会
03-3341-0803
[email protected]
(有)ウエルエージング総合研究所
03-3268-5212
[email protected]
(株)メタボリック
03-5325-4304
[email protected]
(特非)福祉総合評価機構
03-3352-6730
[email protected]
(株)レモン
03-3357-9688
[email protected]
港区
*1
*4
*3
新宿区
- 131 -
*1
*1
(特非)経営品質イニシアティブ
03-3358-9410
[email protected]
(株)ケアタウン
03-5366-2504
[email protected]
(株)社会教育総合研究所
03-5324-5120
[email protected]
(株)ミクロンサポート
03-3267-6741
[email protected]
音楽福祉事業(株)
03-3361-8841
(株)メディカル・セルビス
03-3353-5591
[email protected]
(無中)アクティブ ケア アンド サポート
080-1182-9420
[email protected]
(特非)日本高齢者介護協会
03-5814-4222
[email protected]
(株)日本介護情報機構
03-5815-6686
[email protected]
(株)日本エル・シー・エー
03-5827-8301
[email protected]
(特非)赤坂福祉プランニング
03-3827-1294
[email protected]
03-5638-5733
[email protected]
03-5225-1181
[email protected].
(特非)メイアイヘルプユー
03-3494-9033
[email protected]
(特非)21世紀癒しの国のアリス
03-3447-8142
[email protected]
(株)インタラクティブ・マネジメント・サポート
03-5719-2254
[email protected]
*1
文京区
台東区
墨田区
経営創研(株)
江東区
(有)アカデミーアンドアセスメントエイド
品川区
- 132 -
*3
(社)長寿社会文化協会
03-5460-0521
[email protected]
(有)ヒューズボックスニコテクノロジーズ
03-5742-0099
[email protected]
(特非)SKY 協議会
03-3786-6694
[email protected]
03-3718-4678
[email protected]
目黒区
(社)日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会
(特非)都市再生と豊かな高齢者住宅・施設をつくる会 03-5773-6033
[email protected]
(特非)関東シニアライフアドバイザー協会 03-3495-4283
[email protected]
世田谷区
(有)グローバル・ネットワーク
03-5738-1686
[email protected]
(特非)せたがや福祉サポートセンター
03-5758-1880
[email protected]
(特非)NPO 法人市民ビジネスサポートセンター
03-3410-4041
[email protected]
(特非)シニアライフ情報センター
03-5350-8491
[email protected]
(株)服部メディカル研究所
03-3465-3147
[email protected]
(株)ウエルビー
03-5428-5785
[email protected]
(株)日本組織マネジメント研究所
03-3797-1419
[email protected]
(特非)福祉・住環境人材開発センター
03-5302-2821
[email protected]
渋谷区
*1
中野区
(有)エス・エヌ・シー
03-3387-3135
(特非)介護予防センター
03-5340-3681
[email protected]
(株)東京リーガルマインド
03-5913-6092
[email protected]
(株)伝統医薬研究所
03-5302-8129
[email protected]
- 133 -
*4
杉並区
(特非)NPO サービス評価機構
03-5378-3387
[email protected]
(特非)ともに生きる
03-5311-5931
[email protected]
(特非)東京シルバーケア研究会
03-5347-5368
[email protected]
(株)地域計画連合
03-5974-2021
[email protected]
東武計画(株)
03-3986-1873
[email protected]
03-5939-4380
[email protected]
豊島区
北区
(株)福祉民活ネット総研
板橋区
(有)保健医療協同
03-3956-4105
(有)東京福祉評価サービス
03-3959-7775
[email protected]
03-3991-8440
[email protected]
(無中)行政書士業務ネットワーク
03-5680-3430
[email protected]
(特非)国際教育企画
03-3885-6168
[email protected]
(有中)地域ケア総合評価機構
03-3870-5533
*3
練馬区
(株)日本生活介護
足立区
- 134 -
葛飾区
(有)ルベル
03-3602-3888
[email protected]
03-5659-3051
[email protected]
(財)八王子勤労者福祉会館
0426-28-4909
[email protected]
(特非)福祉をよくする市民の会
0426-65-4798
[email protected]
(社福)武蔵野市民社会福祉協議会
0422-23-0701
[email protected]
(株)クリップ
0422-23-7405
[email protected]
042-543-2206
[email protected]
042-797-5403
[email protected]
042-359-5355
[email protected]
*1
江戸川区
(株)産学共同システム研究所
八王子市
武蔵野市
昭島市
(特非)ひだまり
町田市
(特非)医療・介護情報ネットワーク
国分寺市
(特非)ごとくの会
- 135 -
*4
東久留米市
東京ビジネスオーディット(株)
03-5342-4702
[email protected]
03-3344-1557
[email protected]
(株)インテージ
0424-76-5087
[email protected]
(有)佐々木由惠事務所
03-3985-5415
[email protected]
(特非)バイオフィリア リハビリテーション学会
0466-81-0204
[email protected]
*1
(社)神奈川県経営診断協会
045-633-5163
[email protected]
*3
(株)浜銀総合研究所
045-225-2372
[email protected]
多摩市
パシフィックコンサルタンツ(株)
西東京市
神奈川県
千葉県
ヒューマンウェア・コンサルティング(株)
047-380-6263
(有)ユニトレンド
047-167-0501
[email protected]
(特非)人材パワーアップセンター
043-295-5821
[email protected]
(特非)NPO共生
047-173-2051
[email protected]
(有)ビー・ベスト
04-7176-9188
[email protected]
- 136 -
*3
*1
5 問い合わせ先・情報入手先
○o。.○o。.
○o。.
問い合わせ先
.。o○.。o○.。o○
新宿区健康部介護保険課利用者支援係
・ この冊子に関すること
・ 新宿区の介護保険サービス事業者の第三者評価、福祉サービス第三者評価受審費
用の助成
住
所 : 160-8484 新宿区歌舞伎町一丁目 4 番 1 号
電
話 : 03-5273-3497
E-mail
FAX:03-3209-6010
: [email protected]
ホームページ : http://www.city.shinjuku.tokyo.jp/kaigo/index.htm
○o。.○o。.
○o。.
情報入手先
.。o○.。o○.。o○
新宿区介護保険課ホームページ
・ 福祉サービス第三者評価受審費用の助成、新宿区の介護保険サービス事業者の評
価結果、その他介護保険全般
http://www.city.shinjuku.tokyo.jp/kaigo/index.htm
とうきょう福祉ナビゲーション
・ 福祉サービス第三者評価結果、認証評価機関に関する情報、その他都民向けの福
祉の情報一般
http://www.fukunavi.or.jp/fukunavi/
東京都福祉サービス評価推進機構
・ 評価機関の認証、評価者の研修、評価手法の研究、評価結果情報の集約と公表
住
所 : 162-0823 新宿区神楽河岸1−1 セントラルプラザ 13 階
電
話 : 03(5206)8750
E-mail
FAX:03(3235)8533
: [email protected]
- 137 -
平成 16 年度 福祉サービス第三者評価結果
∼ 介護保険サービス ∼
平成 17 年 8 月発行 印刷物作成番号 2005−6−3216
新宿区健康部介護保険課
160-8484
東京都新宿区歌舞伎町一丁目 4 番 1 号
03-3209-1111(代表)
リサイクルマーク(古紙配合率 100%)
この印刷物は、地球環境保全推進のために再生紙を使用しています。