EVERY DAY, FUN FUN FUN!!! , COLLECTOR S HOUSE CASE 04 collector 's hideaway 収集品を昼夜に楽しむ 3 層構造の仮想美術館愛知県東海市 Kさんの家家族構成／夫 30 歳代妻 30 歳代長男 3 歳設計／村瀬充右／ホビーステージのある中 2階から少し下がったところがリビング。中 2階床下部分はすべて収納になっており、まだ飾れていないグッズが眠る。家具はアメリカ製に限らず、ボーエ・モーエンセン（フレデリシア）のスパニッシュチェアなど北欧系も下／高さ 5ｍ余りの吹き抜けを介して各スペースがつながり、どこからでもコレクトグッズを眺められる Detail of Ku アメリカの古着や雑貨を格好良く飾りたい北から南へ緩やかに下がる勾配屋根の建物は、２階建てでありながら、玄関は外階段を入ると左の頭上にＤ上がった中２階。中へＫ、右の眼下にリビンまるで花道のような廊グがレイアウトされ、下が奥の“ホビーステージ”へとンポップなキャラクター導く。一面の飾り棚にはアメリカがカラフルに並び、やレトロな看板がダ周囲を見渡せば古着ークブラウンの壁面を覆う。中庭や室内のそこかしこに設置されたスピーカーからは、ハワイアンのＢＧＭが心地よく流れ、リゾートのカフェかショップかといった趣すら漂わせる。トグッズを、とにかく格好良く飾﹁以前は箱にしまっていたコレクりたいというのが一番の希望﹂。３層からなるダイナミックなスキップフロアが、そんなＫさん夫妻分を半フロア高く持ち上げ、パブの夢を現実にした。あえて玄関部リックスペースをなだらかな階段状にすることで視線の抜けをつくり、さながら美術館のような鑑賞環境を提供。どれを、どこに、どう配置するかも、設計段階から時上／中 2階と寝室への階段を結ぶ窓辺の一角に、バヤリースの壁掛け時計と、ハンス・J・ウェグナー（カールハンセン＆サン）の Y チェアをディスプレイ右・左／ 3層からなるスキップフロアは、ダイニングから見下ろしたり、リビングから見上げたり、日々の暮らしの幅を広げるとともに開放感をきわ立たせる。ときにはイームズのラウンジチェアでくつろぎつつ、上層フロアと互いの姿を見ながら会話も弾む 050 MAR./APR.2011 SUMAI no SEKKEI EVERY DAY, FUN FUN FUN!!! , COLLECTOR S HOUSE CASE 04 上／「ここから見下ろす眺めが好き」と、夫のお気に入りのダイニング。寒いときは折戸で個室化もできる左／ユナイテッド航空の人形などが並ぶリビングボード周辺。額の絵は、かつてハワイ航路を行き交った客船の食事メニューの表紙とか。正面にはハワイ諸島の木彫りを張り付けた。上部から 100 インチのスクリーンが現れ、ホームシアターとも化す間をかけて打ち合わせを重ね、ときにはＫさん夫妻が理想とする雑貨ショップに建築家の村 SUMAI no SEKKEI MAR./APR.2011 し、イメージと好みを共有 051 瀬充さん自らも同行右／洗面室とトイレは一体型とし、バルコニー側を大胆なガラス張りに。便座左右に壁がないため、スタンド式ペーパーホルダーとスティックリモコンの組み合わせ（TOTO ネオレスト・オプション）を採用上／半ユニットの浴室。天井や壁に縁甲板を張り、居室同様の濃い茶系に仕上げたしていった。そしてグッズを単に Detail of Ku 美しく並べるのではなく、一見雑多な中にも１つひとつの顔が見えるように工夫を凝らす。﹁木の感じを前面に出してほしい﹂というリクエストに応えるため、壁や天井には個性的な木目が浮かび上がるラーチ化粧合板を採用。歳月を経るごとに味わいを増す表情は、ヴィンテージものの古着やグッズとの相性もいい。爽やかな自然光がこぼれる昼間って淡い明かりが室内を包む。天とはうって変わって、夕暮れに伴井のスポットライトやリビングボードの間接照明に加え、車のヘッドライトのようなフロス 2階建て 3層のスキップ空間は、中層の玄関をはさんで下層にリビング、上層に DK を配置。モノや家族が上下に見渡せ、中庭からの風が吹き抜ける。一方で寝室は下層に隠した。のフロアライト・トイオ、インゴ・マウラーのカンパリライト、さらに電飾看板などが多彩に競演。﹁とくに照明﹄と気分によって点ける場所夜の雰囲気が好き。﹃今日はこのを変え、明るくしたり暗くしたりして楽しんでいます﹂とＫさん夫妻。まるで美術館と作品の関係のように住まいとコレクトグッズがリアとして昇華している。昼夜に融合し、味わい深いインテ家族の絆を深め風通しも良い高低差 2 1 3 1 曲線が美しい水栓（GROHE）を備えた対面式キッチンと、カフェムードのダイニング。テーブルにデイリークイーンのナプキン入れを添えながらも、フリッツハンセンのグランプリチェアやルイスポールセンの名作照明記念モデル PH50 などで洗練感を演出 2 ・3 幅 95㎝のカウンターを設けた 2列型キッチンの頭上には、電飾看板とともにシリアルの箱がずらり。隙間部分にはスピーカーを設置している 4 キッチン背後に設けた子ども室 5 隠れ家的な寝室。ここからも中 2階床下の収納ゾーンへアプローチ可能 5 4 i love .... アメリカンに惚れ込みハワイアンにはまったたという古夫が 20歳過ぎから凝りだし、バーガーキン着関係のアイテムをはじめーナツなどファグやクリスピークリームド酸飲料の看板ほストフードの電飾看板、炭「年リカン。コレクションの基本はアメか、買ればに入が気た目代にはこだわらず、見ファ番の、定うに」夫）と言うよいますね（ y Lee の復刻人イヤーキングから、Budd 対象は幅広い。形のような企業ものまで、来、すっかりはまた「新婚旅行で訪れて以（妻）と語るのがハワまってしまいました」などのオーソドイ。現地で買ってきた花瓶えば、'50∼ ックスなものがあるかと思ドといった '60 年代のフラ人形やフラヘッろう。長らく収ディープなお宝も多彩にそかった品々が、集するのみで飾る場所のなた。を見の目新居誕生でようやく日リビングの周りには古着やハワイ関係をまとめ、ダイニングには飲料系の看板を集約。企業もののキャラクターのような小物は、ホビーステージの飾り棚に整然とディスプレイ。照明が灯る夜には、より味わい深い表情を見せる MAR./APR.2011 SUMAI no SEKKEI 052 E VE RY D A Y, FU N FU CAS N FU E 04 N!!! CO HOULLECTO , SE RS LD , ARCHITECT S PROFILE LD むらせみつる● 1969 年岐阜県生まれ。'94 年金沢工業大学大学院修士課程修了。建築会社設計部、日米の設計事務所を経て、 '01年村瀬充アトリエ設立。テーマ性のある一戸建てを提案。 LD 村瀬充アトリエ一級建築士事務所〒 483-8213 愛知県江南市古知野町朝日 155 HATANO 駅前ビル 3F ☎ 0587・74・3211 LD DATA LD 2F LD LD 敷地面積／ 485.21㎡（146.78 坪）延床面積／ 124.10 ㎡（37.54 坪） 1階／ 73.46㎡（22.22 坪） 2 階／ 50.63㎡（15.32 坪）用途地域／第 1種低層住居専用地域建ぺい率／ 60% 容積率／ 200% 構造／木造軸組工法本体工事費計／ 00,000,000 円 3.3㎡単価／ 000,000 円竣工／ 2009 年 6月 MATERIAL 屋根／ガルバリウム鋼板外壁／ガルバリウム鋼板、杉板の縁甲板張り［内部仕上げ］ 1・2 階床／パイン材フローリング壁／パイン材塗装、ラーチ合板塗装天井／ラーチ合板塗装 LD LD LD 上／玄関を入った正面、高さ 2.3ｍの窓は妻のお気に入り。裏の畑や森の風景が額縁のように収められる。頭上に灯るインゴ・マウラーのカンパリライトがアクセント下／店舗や美術館のイメージという外観は、周囲の自然環境に溶け込むように黒と茶色をベースにした INSTRUMENTS 厨房機器／オリジナル衛生機器／ TOTO、GROHE、CERA 施工／稲吉建設 ☎ 0561・72・1118 LD 敷地配置図 LD LD LD 1F 0 90 180 270 053 山田耕二＝撮影近沢伸司＝構成・文種岡愛＝デザイン relaxing PepBoys のカー用品店アメリカのトグッズでど、コレク人形看板なジ。ここはーテスービにぎわうホの空間 !? し癒できる作業に集中