3 Linuxの操作と設定 Linux上での本装置固有のセットアップや操作について説明します。CPU/IOモジュールにはプロセッサ機 能とIO機能の部分が存在しています。本章では各種ユーティリティでは前者をCPUモジュール、後者をPCI モジュールと記載します。 3-1 ディスクの操作 Express5800/ftサーバでは、Software-RAIDによりディスクの二重化を行い、データ保全を図ります。こ こではディスクの交換手順を説明します。 重要 ⓦ OSを含むディスクには、システムパーティションのみの作成を推奨いたします。 ⓦ OSを含むディスクにシステムパーティション以外のパーティションを作成する場合に は、以下の内容に注意してください。 OSの再インストール時にはディスクの全領域がクリアされます。システムパーティ ション以外にデータパーティションが存在する場合には、OS再インストールの事前に バックアップ等の処置が必要となります。 操作可能なディスク構成について Express5800/ftサーバではすべての内蔵ディスクを二重化する必要があります。 以下の表で対応している各スロットの内蔵ディスクは、Software-RAIDを用いて冗長化構成 を構築します。 スロット3 スロット2 スロット1 スロット3 スロット2 ミラーリング処理に対応するスロット 対応するスロット スロット1(PCIモジュール0) スロット1(PCIモジュール1) スロット2(PCIモジュール0) スロット2(PCIモジュール1) スロット3(PCIモジュール0) スロット3(PCIモジュール1) * PCIモジュールの名称は以下のように対応しています。 PCIモジュール(CPU/IOモジュール0用)- PCIモジュール0 PCIモジュール(CPU/IOモジュール1用)- PCIモジュール1 3-2 スロット1 ⓦ 各R A I D デバイスの状態が「R E S Y N C 」、「R E C O V E R Y 」、「 C H E C K 」 または 「REPAIR」状態の間は、ディスクの抜き差しやシステムの停止、再起動をしないでくだ さい。各状態が 「DUPLEX」 になるまでしばらくお待ちください。RAIDデバイスの状態 は後述のftdiskadmコマンドで確認することができます。詳しくはユーザーズガイド (セットアップ編)を参照してください。 ⓦ 弊社で指定していないハードディスクドライブを使用しないでください。サードパー ティのハードディスクドライブなどを取り付けると、ハードディスクドライブだけでな く本装置が故障するおそれがあります。冗長化構成を構築するハードディスクドライブ は、同じモデルを2台1組でお買い求めください。本装置に最適なハードディスクドラ イブについては、お買い求めの販売店にお問い合わせください。 重要 内蔵ディスクのパーティションに対するマウント等の操作は、パーティションに対して直接 行わず、Software‐RAIDによって構築されたRAIDデバイス(md)に対して行います。 また、後述のftdiskadmでは内蔵ディスクのスロット番号を以下のように割り当てて使用し ます。 ftdiskadmで使用するスロット番号 スロット1(PCIモジュール0) スロット1 スロット2(PCIモジュール0) スロット2 スロット3(PCIモジュール0) スロット3 スロット1(PCIモジュール1) スロット4 スロット2(PCIモジュール1) スロット5 スロット3(PCIモジュール1) スロット6 Linux ハードウェアのスロット番号 の 操 作 と 設 定 3-3 ハードディスクドライブの交換について ハードディスクドライブの故障による交換は以下の手順で行います。ハードディスクドライ ブの交換はCPU/IOモジュール0,1の電源がONの状態で行います。 障害ディスクの特定方法 障害が発生しているハードディスクドライブの特定方法を説明します。 この操作を行うには、rootユーザで実行しなければなりません。 重要 1. ftdiskadmの「List RAID Arrays」を実行する。 各RAIDデバイス(md)に対する情報が表示されます。 2. 表示された情報から障害ディスクを確認する。 表示されている情報のうち、 「Member」 の頭に 「F」 が表示されている場合は、そのハードディスク ドライブのパーティションが異常状態であることを示します。 また、括弧内の数字は内蔵ディスクのスロット番号が表示されているので、どのディスクのどの パーティションに問題があるかを知ることができます。 以下はスロット4(PCIモジュール1のスロット1)に挿入されている内蔵ディスクに障害が 発生している例です。 # ftdiskadm Command action 1 List RAID Arrays 2 List Internal Disks 3 Make Mirroring Arrays 4 Repair Mirroring Arrays 5 Delete Mirroring Arrays 6 Remove Disk Partitions 7 Make Striping Array 8 Delete Striping Array c Configurations q Quit (RAID1) (RAID1) (RAID1) (RAID1) (RAID1+0) (RAID1+0) Command: 1 [List RAID Arrays] Name Partition (Label) Status Member =============================================================================== < Mirroring Array (RAID1) > md0 /boot (-) DUPLEX (1)sda1 (4)sdd1 md1 swap (-) DUPLEX (1)sda2 (4)sdd2 md2 / (-) SIMPLEX (1)sda3 F(4)sdd3 md3 /var/crash (-) DUPLEX (1)sda5 (4)sdd5 3-4 冗長構成の復旧 問題が発生した内蔵ディスクを交換して、再度、二重化する手順について説明します。 ⓦ 重要 ⓦ この操作を行うには、rootユーザで実行しなければなりません。 交換したディスクが冗長化構成へ復旧している間、再構築された各RAIDデバイスが 「RECOVERY」状態になっていた場合はシステムの停止や再起動を行わないでくださ い。それらの状態が 「DUPLEX」 になるまでしばらく(ディスク容量に比例して長くなり ます)お待ちください。 1. ftdiskadmの「Remove Disk Partitions (RAID1)」 を実行することで、交換したい内蔵ディスクの スロット番号を指定し、冗長構成から切り離す。 2. システムからディスクを抜き取り、新しいディスクを挿入する。 3. システムが自動的に再同期化を開始するまで、5分程度待つ。 以下はスロット4(PCIモジュール1のスロット1)に挿入されている内蔵ディスクの切り離し から復旧までの例です。 #ftdiskadm Command action 1 List RAID Arrays 2 List Internal Disks 3 Make Mirroring Arrays 4 Repair Mirroring Arrays 5 Delete Mirroring Arrays 6 Remove Disk Partitions 7 Make Striping Array 8 Delete Striping Array c Configurations q Quit (RAID1) (RAID1) (RAID1) (RAID1) (RAID1+0) (RAID1+0) Command: 6 <<< スロット番号で指定するディスクを冗長構成から切り離します。 >>> [Remove Disk Partitions (RAID1)] * Which SCSI SLOT? [1-6] 4 mdadm: mdadm: mdadm: mdadm: hot hot hot hot removed removed removed removed /dev/sdd5 /dev/sdd3 /dev/sdd2 /dev/sdd1 Command action 1 List RAID Arrays 2 List Internal Disks 3 Make Mirroring Arrays 4 Repair Mirroring Arrays 5 Delete Mirroring Arrays 6 Remove Disk Partitions 7 Make Striping Array 8 Delete Striping Array c Configurations q Quit (RAID1) (RAID1) (RAID1) (RAID1) (RAID1+0) (RAID1+0) 3-5 Linux 4. 手順3にて自動的に再同期化が行われない場合は、ftdiskadmの「Repair Mirroring Arrays (RAID1)」を実行することで、冗長構成への復旧を行う。 の 操 作 と 設 定 Command: 1 <<< 指定したディスクがRAIDから切り離されていることを確認します。 >>> [List RAID Arrays] Name Partition (Label) Status Member =============================================================================== md0 /boot (-) SIMPLEX (1)sda1 md1 swap (-) SIMPLEX (1)sda2 md2 / (-) SIMPLEX (1)sda3 md3 /var/crash (-) SIMPLEX (1)sda5 <<< 指定したディスクが正常に冗長構成から切り離されている(Memberに指定したディスクの パーティションがない)ことを確認できたら、ディスクの交換を行ってください。 新しいディスクを挿入後、5分程度はシステムが自動的に再同期化を開始するのを 待ってください。 自動的に再同期化しなかった場合は、ディスクの復旧を手動で行ってください。 >>> Command action 1 List RAID Arrays 2 List Internal Disks 3 Make Mirroring Arrays 4 Repair Mirroring Arrays 5 Delete Mirroring Arrays 6 Remove Disk Partitions 7 Make Striping Array 8 Delete Striping Array c Configurations q Quit Command:2 (RAID1) (RAID1) (RAID1) (RAID1) (RAID1+0) (RAID1+0) <<< 新しいディスクがシステムに認識されていることを確認します。 >>> [List Internal Disks] Slot Name [use] Information (Vendor/Model/Serial) path =========================================================================== 1 sda(sdg) [4] AAA/BBB/#CCC h5c0t128l0 2 3 4 sdd(sdh) [4] AAA/BBB/#DDD h6c0t128l0 5 6 Command action 1 List RAID Arrays 2 List Internal Disks 3 Make Mirroring Arrays 4 Repair Mirroring Arrays 5 Delete Mirroring Arrays 6 Remove Disk Partitions 7 Make Striping Array 8 Delete Striping Array c Configurations q Quit 3-6 (RAID1) (RAID1) (RAID1) (RAID1) (RAID1+0) (RAID1+0) Command: 4 <<< システムが新しいディスクを自動的に再同期化しなかった場合に、 本コマンドを実行することにより冗長構成への復旧を手動で行います。 >>> [Repair Mirroring Arrays (RAID1)] * Which SCSI SLOT? [1-6] 4 Command action 1 List RAID Arrays 2 List Internal Disks 3 Make Mirroring Arrays 4 Repair Mirroring Arrays 5 Delete Mirroring Arrays 6 Remove Disk Partitions 7 Make Striping Array 8 Delete Striping Array c Configurations q Quit Command: 1 (RAID1) (RAID1) (RAID1) (RAID1) (RAID1+0) (RAID1+0) <<< 再同期化が開始されていることを確認します。 >>> Linux [List RAID Arrays] Name Partition (Label) Status Member =============================================================================== md0 /boot (-) RECOVERY(62.0%) (1)sda1 R(4)sdd1 md1 swap (-) RESYNC (1)sda2 R(4)sdd2 md2 / (-) RESYNC (1)sda3 R(4)sdd3 md3 /var/crash (-) RESYNC (1)sda5 R(4)sdd5 <<< 各RAIDデバイス(md)に冗長構成への復旧(「RECOVERY」)を行います。 しばらくした後、再度下記のコマンドにて状態(Status)を確認します。 「RESYNC」は復旧待ち状態を表し、Memberの左側に「R」が表示されている ディスクパーティションは復旧待ち、もしくは復旧中であることを示します。 >>> Command action 1 List RAID Arrays 2 List Internal Disks 3 Make Mirroring Arrays 4 Repair Mirroring Arrays 5 Delete Mirroring Arrays 6 Remove Disk Partitions 7 Make Striping Array 8 Delete Striping Array c Configurations q Quit (RAID1) (RAID1) (RAID1) (RAID1) (RAID1+0) (RAID1+0) Command: 1 [List RAID Arrays] Name Partition (Label) Status Member =============================================================================== md0 /boot (-) DUPLEX (1)sda1 (4)sdd1 md1 swap (-) DUPLEX (1)sda2 (4)sdd2 md2 / (-) DUPLEX (1)sda3 (4)sdd3 md3 /var/crash (-) DUPLEX (1)sda5 (4)sdd5 <<< 交換したディスクに対する各RAIDデバイス(md)の状態(Status)が「DUPLEX」に なっていれば冗長構成は正常に復旧しており、ディスクの交換作業は完了です。 >>> 3-7 の 操 作 と 設 定 ネットワークの二重化 Express5800/ftサーバでは、e1000ドライバで制御される1000BASEのLANカードの二重 化を行います。LANカードはBondingによって二重化され、bond*(*=0,1,2...)デバイスとし て構築されます。 機能概要 LANの二重化には、Bondingのアクティブバックアップを利用します。アクティブバック アップとは、複数のLANコントローラを用いた結合インターフェースで、ただ1つの稼働中 のLANコントローラが故障した場合、即座にバックアップコントローラに切り替え運用を継 続させる機能です。 操作可能なネットワーク構成について Express5800/ftサーバでは、ネットワークインターフェース名は以下の通りの命名規則と なります。ネットワークの二重化はCPU/IOモジュール0、CPU/IOモジュール1の同じPCI スロットのネットワークインターフェースを対として構成されます。 PCIスロットとネットワークインターフェース名 PCIスロット ポート CPU/IOモジュール0 CPU/IOモジュール1 On Board #1 eth100200(1) eth110200(1) #2 eth100201(2) eth110201(2) #1 eth100600(3) eth110600(3) (#2) eth100601(4) eth110601(4) #1 eth100700(5) eth110700(5) (#2) eth100701(6) eth110701(6) PCI-X slot 1 PCI-X slot 3 ※ ポート列の( )内は2ポートNIC実装時、使用可能 ※ CPU/IOモジュール列の( )内の数字は後述のvndctlで割り当てられるスロット番号です。 各インタフェースのペアに対して1対1で割り当てられます。 3-8 二重化の設定 二重化の設定方法を以下に示します。以下の設定内容の場合を例とします。 <設定内容> スロット番号:3 SLAVE0インタフェース名:eth100600 SLAVE1インタフェース名:eth110600 IPアドレス:192.168.0.1 サブネットマスク:255.255.255.0 デフォルトゲートウェイ:192.168.0.1 Linux この操作を行うには、rootユーザで実行しなければなりません。 重要 1. 以下のコマンドを実行して、スロット3 に実装された各ネットワークインターフェース (eth100600、eth110600)を、結合インタフェースとして構築する。 # vndctl add 3 2. 以下のコマンドを実行して、構築された結合インターフェースについて、ネットワークの設定(以 下の*部分がユーザ入力項目です)を行う。なお、デフォルトゲートウェイ入力時に関しては、何 も入力せずに<ENTER>キーを押下することで省略可能です。 # vndctl config 3 *Boot Protocol? [none/dhcp/bootp] none *IP address? 192.168.0.1 *Netmask? 255.255.255.0 *Default gateway (IP)? 192.168.0.1 *Are you sure to set it? [y/n] y DEVICE=bond2 ONBOOT=yes BOOTPROTO=none IPADDR=192.168.0.1 NETMASK=255.255.255.0 GATEWAY=192.168.0.1 3. 以下のコマンドを実行して、構築された結合インターフェースを活性化する。 # vndctl up 3 3-9 の 操 作 と 設 定 4. 以下のコマンドを実行して、構築された結合インターフェースの状態を確認する。 # vndctl status --Virtual Network Status-BondingDevice Slot Status bond0 1 ONLINE bond1 2 ONLINE bond2 3 ONLINE bond3 OFFLINE bond4 OFFLINE Slot 1 top bottom 2 top bottom 3 top bottom 4 top bottom 5 top bottom 6 top bottom 7 top bottom 8 top bottom RealDevice eth100200 eth110200 eth100201 eth110201 eth100600 eth110600 - InetAddress 192.168.0.1 - Status DUPLEX DUPLEX DUPLEX DUPLEX DUPLEX DUPLEX Interface UP UP UP UP UP UP RXErrors 0 0 0 0 0 TXErrors 0 0 0 0 0 LinkState LINK LINK LINK LINK LINK LINK Collisions 0 0 0 0 0 LinkSpeed 1000Mb/s-FD 1000Mb/s-FD 1000Mb/s-FD 1000Mb/s-FD 1000Mb/s-FD 1000Mb/s-FD - 上記のようにスロット3にbond2(bond0、bond1は初期状態で構築されています) が構成さ れていて、各SLAVEインターフェース(eth100600、eth110600)のStatusがDUPLEXと なっていれば二重化の設定は完了です。 3-10 モジュールの二重化動作確認方法 システム導入時や再インストール時などに、システムが正しく動作することを確認する方法について解説 します。 ヒント CPU/IOモジュールにはプロセッサ機能とIO機能部分が存在しそれぞれの部分について監 視、管理しています。ここでは前者をCPUモジュール、後者をPCIモジュールと記載しま す。 PCIモジュールの起動停止評価 の 操 作 と 設 定 1. プライマリ側のPCIモジュールがどれであるかを確認する。 POWERスイッチが点灯しているPCIモジュールがプライマリとなります。 2. PCIモジュールが二重化していることを確認する。 PCIモジュールが二重化できているかどうかは、CPU/IOモジュールのステータスランプで確認す ることができます。 ① ② ③ ① ② [ PCIモジュールが二重化状態時のステータスランプ状態 ] ランプ プライマリ セカンダリ 1 CPU/IOモジュールステータスランプ1 − − 2 CPU/IOモジュールステータスランプ2 緑点灯 緑点灯 3 DISK ACCESSランプ 緑点滅 緑点滅 Linux プライマリのPCIモジュールを停止させても、フェールオーバによりシステムが継続して稼 動することを確認する方法について解説します。 ※ 表中の各番号は上図の番号に対応しています。 ③のDISK ACCESSランプは、ハードディスクドライブへアクセスがあった時に点灯します。 3-11 3. ftサーバユーティリティでPCIモジュールの動作を停止する。 ESMPRO/ServerAgentのftサーバユーティリティが格納されているディレクトリに移動します。 # cd /opt/nec/esmpro_sa/bin/ ftサーバユーティリティを起動します。 # ./ESMftcutil ftサーバユーティリティの画面が表示さ れます。 次に、ftサーバユーティリティの[ftサー バ]ツリーで[PCIモジュール]→([プライ マリ側の) PCIモジュール(*)]を選択しま す。 PCIモジュールの画面が表示されます。 [PCIモジュールの起動/停止]の[停止]を選択します。 *[(プライマリ側の)PCIモジュール]については、PCIモジュール0がプライマリである場合は[PCI モジュール(ID:10)]を、PCIモジュール1がプライマリである場合は[PCIモジュール(ID:11)]を選択 します。プライマリ側のPCIモジュールを停止すると、フェールオーバが発生し、それまでセカ ンダリ側であったPCIモジュールへプライマリが変更されます。 3-12 プライマリのPCIモジュールを停止し、フェールオーバが発生すると、以下の事象や変化が発生 します。 ⓦ 画面が一時的に消失(真っ暗な画面へ変化)した後、再び表示される。 ⓦ PCIモジュールのステータスランプが以下のように変化する。 [ステータスランプ状態] ランプ セカンダリ* プライマリ* 1 CPU/IOモジュールステータスランプ1 アンバー点灯 − 2 CPU/IOモジュールステータスランプ2 − 緑点滅 3 DISK ACCESSランプ − アンバー点滅または緑点滅 (DISKアクセス時に緑点灯) * フェールオーバ後のプライマリ、セカンダリを示しています。 Linux 4. 停止したPCIモジュールを起動する。 ftサーバユーティリティから、手順3で停止したPCIモジュールに対して[PCIモジュールの起動/ 停止]の[起動]を選択します。これによりPCIモジュールが起動されます。PCIモジュールが起動 されると、PCIモジュールの診断・PCIモジュールの二重化が行われます。 PCIモジュールのステータスランプは、次のページのように遷移します。 3-13 の 操 作 と 設 定 [ステータスランプ状態] PCIモジュール起動直後から診断が完了するまで ランプ セカンダリ プライマリ 1 CPU/IOモジュールステータスランプ1 − − 2 CPU/IOモジュールステータスランプ2 − 緑点滅 − アンバー点滅または緑点滅 (DISKアクセス時に緑点灯) 3 DISK ACCESSランプ PCIモジュールの診断が完了し、ディスクの二重化が開始されたとき *ディスクの二重化方法によりランプの状態が異なります。 ランプ セカンダリ プライマリ 1 CPU/IOモジュールステータスランプ1 − − 2 CPU/IOモジュールステータスランプ2 緑点滅 緑点滅 3 DISK ACCESSランプ アンバー点滅または緑点滅 アンバー点滅または緑点滅 (DISKアクセス時に緑点灯) (DISKアクセス時に緑点灯) ミラーボリュームの二重化が完了し、PCIモジュールが二重化されたとき 3-14 ランプ セカンダリ プライマリ 1 CPU/IOモジュールステータスランプ1 − − 2 CPU/IOモジュールステータスランプ2 緑点灯 緑点灯 3 DISK ACCESSランプ 緑点滅 緑点滅 CPUモジュールの起動停止評価 一方のCPUモジュールを停止させても、システムが継続して稼動することを確認する方法に ついて解説します。 1. CPUモジュールが二重化していることを確認する。 CPUモジュールが二重化しているかどうかは、CPUモジュールのステータスランプで確認するこ とができます。 ① ② ③ ① Linux ② [CPUモジュールが二重化状態時のステータスランプ状態] ランプ CPUモジュール0 (稼働中) CPUモジュール1 (稼働中) 1 CPU/IOモジュールステータスランプ1 − − 2 CPU/IOモジュールステータスランプ2 緑点灯 緑点灯 3 DISK ACCESSランプ 緑点滅 緑点滅 2. ftサーバユーティリティで、取り外す方のCPUモジュールの動作を停止する。 ESMPRO/ServerAgentのftサーバユーティリティが格納されているディレクトリに移動します。 # cd /opt/nec/esmpro_sa/bin/ ftサーバユーティリティを起動します。 # ./ESMftcutil ftサーバユーティリティの画面が表示さ れます。 3-15 の 操 作 と 設 定 次に、ftサーバユーティリティの[ftサー バ]ツリーで[CPUモジュール]→([プライ マリ側の)CPUモジュール(*)]を選択し ます。CPUモジュールの画面が表示され ます。 [CPUモジュールの起動/停止]の[停止]を選択します。 * [(停止させたい)CPUモジュール]については、CPUモジュール0を停止させたい場合は、[CPU モジュール(ID:0)]を、CPUモジュール1を停止させたい場合は、[CPUモジュール(ID:1)]を選択し ます。 CPUモジュールを停止すると、以下のようにステータスランプが変化します。これはCPUモ ジュールが片系運転になったことを示しています。 [ステータスランプ状態] ランプ CPUモジュール0 (停止)* CPUモジュール1 (稼働中) 1 CPU/IOモジュールステータスランプ1 アンバー点灯 − − 緑点滅 緑点滅 緑点滅 2 CPU/IOモジュールステータスランプ2 3 DISK ACCESSランプ * ここでは例として、CPUモジュール0側が停止した場合を示しています。 3-16 3. 停止したCPUモジュールを起動する。 ftサーバユーティリティから、手順2で停止したCPUモジュールに対して[CPUモジュールの起動/ 停止]の[起動]を選択します。 CPUモジュールが起動されると、[ハードウェアの診断]→[メモリの同期(メモリコピー)]→[二重 化完了]へと動作が移行します。 メモリの同期中はメモリコピーを行うためにシステムが一時的に停止します。 [診断中のステータスランプの状態] CPUモジュール0 (起動) CPUモジュール1 (稼働中) 1 CPU/IOモジュールステータスランプ1 − − 2 CPU/IOモジュールステータスランプ2 − 緑点滅 緑点滅 緑点滅 ランプ CPUモジュール0 (稼働中) CPUモジュール1 (稼働中) 1 CPU/IOモジュールステータスランプ1 − − 2 CPU/IOモジュールステータスランプ2 緑点灯 緑点灯 3 DISK ACCESSランプ 緑点滅 緑点滅 3 DISK ACCESSランプ Linux ランプ [二重化完了後のステータスランプの状態] 重要 二重化完了後、メモリ状態のチェックが行われます。 この処理が完了するまで、次のPCIおよびCPUモジュールの起動停止評価は実施しないでくだ さい。処理が完了すると以下のイベントログが出力されます。 kernel: EVLOG: INFORMATION - Memory consistency check has completed memory scan. 3-17 の 操 作 と 設 定 ftサーバサービスについて Express5800/ftサーバは、専用ドライバに加え、以下のサービスプログラムによりシステム運用に必要 なサービスを提供しています。 サービス名 ⓦ ⓦ ⓦ ⓦ ⓦ ⓦ ⓦ ⓦ ⓦ kdump ft-cclogger ft-firstboot ft-snmp snmpd portmap ESMntserver ESMamvmain ESMftreport ⓦ ⓦ ⓦ ⓦ ⓦ ESMcmn ESMfilesys ESMIS ESMps ntagent 上記サービスプログラムはExpress5800/ftサーバの運用に必要なものとなります。停止し ないでください。 3-18 USB FDDのアクセスについての注意事項 USB FDDを接続した状態で、下記のようなsdデバイス名を直接指定したアクセス等を行うと、片系の切 り離し、組み込みでデバイス名が変わることがあるため、意図せず他のディスクのパーティション情報等 を破壊する可能性があります。 [例] USB FDDにコマンドを実行する際、片系切り離し前に指定したsdデバイス名と同じsdデバ イス名で片系組み込み後にコマンドを実行すると、ディスクAのパーティション情報等を破 壊してしまいます。 sdデバイス名の遷移例 USB FDD ディスクB sda sdb sdc 片系切り離し後 なし sda sdc 片系組み込み後 sdb sda sdc 1) Linux ディスクA 片系切り離し前 の 操 作 と 設 定 片系切り離し前 # tar cf /dev/sdb files → USB FDDへfilesが書き込まれる。 2) 片系組み込み後 # tar cf /dev/sdb files → ディスクAへ意図せずfilesが書き込まれる → パーティション破壊 チェック 片系の組み込み、切り離しによりデバイスファイルのデバイス名が変わることはE x press5800/ftサーバの仕様です。 3-19 ビデオモードの設定方法 本装置でのビデオモードの設定方法を説明します。 1. root権限のあるユーザーでログインし、エディタで/etc/X11/xorg.confを開く。 重要 xorg.confはXサーバシステムにとって大変重要なファイルです。最悪の場合、Xサーバが起動 できなくなる恐れがありますので、バックアップファイルを作成することをおすすめします。 その際、/etc/X11/xorg.conf.backupというファイル名はシステムが利用するので、別の ファイル名にしてください。 2. xorg.conf中における以下の設定を変更する。 <解像度変更> ①のModeLine名の中から設定したい値を、②のModesの行に入力してください。 <色数変更> ③の値を変更したい色数に設定します(8bpp・16bpp・24bppのいずれか)。 24bppを選択した場合は④の行の先頭の#を消してください(8bppまたは16bppを選択した場合 は先頭に#があることを確認し、なければ入力してください)。 ① ④ ③ ② 3. Xサーバを起動している場合は、一度Xサーバを終了する。(コマンドラインで ’init 3’を入力) 4. コンソールモード(CUI)に移行するので、Xサーバを再起動する。(コマンドラインで ’init 5’を 入力) 3-20 注意事項 ⓦ xrandr機能はサポートしておりませんので、xrandrでの解像度の変更はできません。 ⓦ コンソール上でXサーバを使用する場合は、ランレベル5でシステム運用しグラフィカル ログインしてください。システム起動時にXサーバが起動されていない (ランレベル3の 状態の) 場合には、root権限のあるユーザーでログインして、テキストコンソールのコマ ンドラインから”init 5”と入力することでXサーバを起動できます。 ⓦ アプリケーションメニューからの解像度と色数の変更はハードウェアの仕様により、利 用できません。 万が一、アプリケーションメニューからの解像度の変更を行って復旧できなくなった場 合は以下の操作を行ってください。 2. エディタで/etc/X11/xorg.confを開いてください。 3. ②のModesの値が以下のようになっているので、①のModeLine名の中から設定したい値 を、②のModesの行に入力してください。 4. Xサーバを起動してください。(コマンドラインで ’init 5’を入力) ① ② 3-21 Linux 1. コンソールモードに移ります。(コマンドラインで ’init 3’を入力。もし、画面が表示不能 になっている場合はCtrl + Alt +“F1∼F6のいずれか”でコンソールモードに移った後、root 権限のあるユーザーでログインし ’init 3’を入力してください。) の 操 作 と 設 定 ∼Memo∼ 3-22
© Copyright 2024 ExpyDoc