屋国 腹腔鏡下胆嚢摘出術における胆道損傷の 4例 芳和 須見 渡辺 恒明 高尚 阪田 威 章聖 行杢 小松 島赤十字病院 木村 秀 杓11 中野基一郎 外科 要旨 胆道損傷・胆汁漏は腹腔鏡下胆嚢摘出術 ( 以下 LCと略す)に於 いては稀ではある が 、 重大な合併症の Iつ にあげら れる 。当院で施行された LC1 7 0 例 の内 4例 ( 2. 4%)の胆道損傷 ( 胆嚢管損傷含む)・術 後 胆 汁 漏 を 経 験 し た 。その 損 傷部位 、発生要因 、処置につき 臨床的に検討 した 。 u例、不充分な 胆嚢管ク リッピ ングによる術後胆汁漏 1例、 4例の内訳は、総胆管 を胆嚢管 と誤認した総胆管完全切荷 総胆管狭窄に関連し た胆嚢床 からの胆汁漏 I例、剥離操作中の胆嚢管裂傷の I例であ った。 2例は LC時に気付き直ち に開腹に移行し 、 JJ~管 一胆管 吻合 ・ 胆管 tub e 留置 、胆嚢管結繋を 行な った。 術後 早期 の胆汁漏の 2 例は 、 1病日、 4病 日に開腹し胆嚢管結繋、総胆管外棲造設術を施行し た。いずれも経過は良好で、あった 。 LC時 、 2例 に 胆嚢炎所見を 認 めた 。術後胆 汁漏の診断には 、DI CCTは腹腔内での胆汁貯留腔の同定に有効で、総胆管症例では部位診断も可能である 。 キーワード :腹腔鏡下胆嚢摘出術、術後合側:症、胆道損傷、術後胆汁漏 表 1 当院における腹腔鏡下胆嚢摘出術 ( LC)症例の概要 ( 1 9 9 8年 9月) はじめに :1 7 0 例 ( 胆嚢摘 出術の 7 3. 2%) 6 7 例 :54 . 1 才 (20 ~ 78才 ) 1 0 3 例 :52 . 6才 (24 ~ 84才 ) .LC成功例 :1 5 0 例 ( 8 8. 2%) 再手術例 :4例 ( 開 腹下 3例 術後胆汁漏 2例 -手術件数 腹腔鏡下胆嚢摘出術 ( 以 下 LC と略す ) は 、 1 990年 山川 1)らに よ り 本 邦 に 導 入 さ れ て 以 来 m inima l L y a c c e s ss u rg e r yとしての利 点 が 大 い に 生 か さ れ 、急 速 に普及 し、現 在 で は 胆 嚢 摘 出術 の 第 1選 択 と な っ て い る。 しかし、 LCの 手 術 手 技 の 特 異 性 も あ り 本 法 に 伴 う胆 道 、 血 管 損 傷 な ど の 合 併 症 の 発 生率 は 開 腹 下 胆嚢 る。今 回 、 我 々 は 当 院 で の LC に お け る 胆 道損 傷症 例 を検討し、損傷の状況、処置、予防対策などにつき報 告する 。 対 総胆管結石 l例) ( 腹 腔 鏡 下 例) ・術中開腹移行例 2 0 例(11 .8%) 局所炎症 、萎縮胆嚢 1 3 胆嚢動脈出血 2 胆道損傷 総胆管 胆嚢管 結石胆嚢管猷頓 結石腹腔内逸脱 既往手術による癒着 ょ 1よ 1i 111I1 摘 出 術 と 比較 し て 高 く 、 問 題 と な って い る と こ ろ で あ 男性 女性 表 2 4症例の内訳 象 症例 1 9 9 8年 9月 ま で の LC 1 7 0例 の う ち 、 胆 道損傷をき たし た 4例 ( 2.4%)を 対 象 と し 検 討 を 行 な った。(表1) 症 例 ( 表 平 成 7年 1 0月 腹 痛 、J11l[気をきたし近医受診、 手 術 す VOL .4 NO.1 MARCH 1 9 9 9 中 ①1 2 4才F 術 損傷部位 総胆管切離 損傷要因 E クリップ不充分 開 腹 翌 ( 日) 胆嚢管結繋 ①7 1才M 高位クリップ 術後(3日) 胆嚢床 胆汁漏 三管合流部狭察 結 繋 胆嚢官裂傷 n 旦 開 躍 胆 管一 胆管吻合 術 後( 0日) 胆嚢管 胆汁漏 @6 4才F 術 中 処 胆嚢管と誤認 ①7 4才F 2) 4才 、女 性。 1 43. 5 c m 67k g ( 症 例 1)2 発見の根拠 4日 後) 開 眼 ( 総胆管外痩 剥離操作 開 腹 クリップ不充分 胆嚢管結繋 腹腔鏡下胆嚢摘出術のおける胆道損傷の 4例 4 9 すめられ当院紹介された 。 初診時、特に症状は無く 、白血球8 20 0,CRP2. 1mg/ d lと炎症反応 が軽度上昇していた 。DIC所見では総 胆管は細 く胆嚢管は不明瞭で 、胆嚢は造影されていた が萎縮胆嚢であった 。 胆石症の診断にて 1 2月 1 1日 LC施行し た。 手術所見:大綱、十二指腸が胆嚢に癒着し 、胆嚢内胆 汁は白色胆汁であった 。 ( 図 1) 胆嚢管が短く総胆管を誤ってク リッピングし切離後 に総胆管離断と気づいた 。直 ちに開腹し胆嚢摘出後 、 胆管 一胆管端端吻合 ・胆管チュ ーブ留置を施行した 。 3個のコ系石の内 l個が頚部に最頓していた 。 術後経過:肝機能障害 ・吻合部胆汁漏出を認め長期入 院となったが胆管狭窄もきたさず平成 8年 2月 8日軽 快退院した 。術後 8ヶ月の DIC-CTでも胆管狭窄は認 められていない 。 ( 図 2) t i cduct J 1 . e . 嚢 炎 (+)、総胆管は組l く胆嚢管は短くて不明瞭、 三管合流部がテント状となり総Il.e.管にクリッピング 図 1 症例① (症例 2) :7 4才、女性。 1 5 3c m 5 6k g 平成 8年 7月上腹部痛をきたし近医受診し胆石 ・胆 術中所見 嚢炎と診断され保存的に加療。 。 . . .151 週 1 5 . . . . 30T l ' 1 ln 日 3 0 . . 4Sl l 1in 45. . 63T~ 1 n b)平成 8年 2月 胆道シンチ 肝の集積、胆管摘出、 washoutは良好 a)平成 8年 1月 外 胆 造影 │ 吻合音1 ¥ の通過良好、胆管狭窄なし 図 2 症例① 50 腹腔鏡 │ ご 胆嚢摘出術のおける胆道損傷の 4例 c)平成 8年 8月 DIC-CT 胆管狭窄認めず 術後経過 Koma t us himaR巴dCr os sHo sp it alMe d ic alJ ou r na l 1 0月 1 6日当院入院。腹痛無く、炎症反 応、肝機能 、 電解質検査も正常範囲であっ た。 DIC所 見 で 総 胆 管 は 軽 度 拡 張 、胆 嚢 は十分造影されず、 DIC-CTで は 総 胆 管 に結石は認められず、胆嚢管は後方より 合流し胆嚢内に多数の結石像を認めた 。 0月2 4日 LC施行した 。 胆石症の診断で 1 手 術 所 見 :大 綱 が 軽 度 に 癒 着 し て い た 0 分で が、胆嚢炎の所見認めず手術時間 5 胆管 は造影され、Il Q嚢床には造影剤の貯留が認められる 図 3 症例② Om m大のコ 型の如く LC終了した 。 5~ l 術後 DIC-CT 系石 1 2 個。 術後経過:手術 当日の深夜よりドレーン から胆汁の流 出 を多量認め、 DIC-CT所 見(図 3)で、胆管は造影され胆嚢床に 造影剤の貯留が認められた 。 ク リップの 逸脱、胆管損傷の疑いで 2 5日開腹した 。 胆嚢管へのク リッピングが不充分で、斜に かかっており胆汁漏出を認めたので、不 良クリップを除去し胆嚢管を結繋処理し 1月 5日軽快 た。術後は良好に経過し、 1 退院した 。 2 6日 造影 CT 胆摘音; r に液貯留、胆管軽度拡張 図 4 症例③ 2 8日 DIC-C丁 目 E 摘音¥ 1 に造影斉I J の溜り、胆管拡張軽減 術後 CT ( 症例 3) 7 1才、男性。 1 62. 4 c m 7 5. 5 k g 平成 8 年 10 月 22 日 右上腹部痛、 H匝気、 II~吐 をきたし 拡張認めるも胆管結石は無かった 。 2 8日ド レー ンから 入院。体 温3 7. 2C、白血球数 1 4 0 0 0,CRP29.3mg/d l、 o B i 1 2. 2mg/d lまで 低 下。 2 9日 胆汁の流出を認め T ToB i 3 .6mg/d l,GOT . GPTの軽度上昇。 Echo検 査 4,GPT8 9, Al p1 48と 肝 機 能 も 改 善 さ れ には GOT4 で胆嚢腫大 ・壁肥厚、 CT検 査 で も 同 様 の 所 見 で 、 胆 たが、 D IC-CT検査で、胆管はク リ ップ部 までしか造 i g hd e n s i t yを認め胆嚢炎 ・胆嚢結石症と診断 嚢 内に h i g hdens i t yを認 影されず胆嚢床に造影剤と思われる h 1月 1 1日の DICCT所 見 で し保存的治療を行った。 1 めた( [~[ 4)。 同 日、総胆管 損 傷 、狭 窄 、 胆 嚢 床 損 傷 は、胆管 ・胆嚢管は造影され拡張も認められなかった の疑いで再開腹した 。胆嚢床に末梢胆管露 出 し胆汁漏 n s i t y上昇を が、胆嚢は造影されず壁肥厚 、周囲の de 嚢: 出 を 認 め た の で Z に 縫 合 閉 鎖。三 管 合 流 部 は 、 胆 蓑 ともなっていた 。 管管.が殆と 1 1月2 5日 LC施行した 。 ものと思われ 、結果的に総胆管にク リップ、結繋が入 0 手術所見:大綱が癒着し炎症所見著明であった 。胆 嚢 り 込 み 狭 窄 を 来 し た も の と 考 え ら れ た 。合流部より 管 は な ん とか確認し 二重ク リ ッ ピ ン グ 後 切 離 で き た チュ ーブ挿入し総胆管外壌とし手術を終えた 。術 後 経 が、胆嚢動脈の剥離は困難で開腹へ移行し胆嚢摘出を 2月2 5日軽快退院した。 過は良好で、 1 行なった 。胆嚢管にはク リップの中枢側 を絹糸で結繋 し手術を終えた 。 米粒大 2個。 アズキ大のピ系石4 (症例 4)6 4才 、 女 性。 1 4 5 c m 4 8 k g 平成 1 0 年 6月全身掻惇感 、下腿出血斑出現し近医受 6日中 等 度 の 肝 機 能 障 害 ( GOT1 2 7, 術 後 経 過 :翌 2 診。肝機能異常、胆嚢ポ リー プ指摘された 。 8月当院 GPT1 0 6,Al p367,) 黄 痘 ( ToB i ll O .8mg/dJ)が出 入院し精査施行。軽度肝機能障害あり 現した 。 CT検 査 で は 胆 摘 部 に 液 貯 留 、 肝 内 胆管軽度 8. 7万 、 出 血 ス ク リ ー ニ ン グ 異 常 な し 。 DIC-CT 小板 1 VOL .4 NO . 1 MARCH 1 99 9 O 貧血 なし 。血 腹 J空鏡下胆韮:摘出術のおける胆道損傷の 4例 51 検査では肝内胆管造影不良、総胆管は拡張なく胆嚢の 胆嚢管結石首長頓、胆嚢炎、癒着、上腹部手術既往例な 造影は不良で h ighd e ns i t yを認め、 Ech o検 査 で は 結 ど患者の病理学的要因、 3)胆嚢管を総胆管 ・総肝管 l El.嚢結石症の診断 石とポ リー プ病変を認めた 。 PBC,J と誤認、胆管周囲での電気メスの過度の凝固操作など で 9月 1日 LC施行した 。 。実際に起こる 術者の技術的要因などがあげられる 6) 手術所 見 :癒着無く炎症所見は認められなかったが、 胆管損傷は患者サイドの要因よりも術者の技術的要因 s e n t i n e lリンパ節の腫大があ った。 による場合が多数を占めると思われ、Y.Y .J a n7 ), D .F . 管の剥離中一部損傷し胆汁の流出を認めた 。底部より M i r z a2)らは 術者の経験も 重要な リスクフ ァクターで あると述べている 。 さらに D.F .M irz aは胆嚢の過度 剥離をすすめ胆嚢管を 二重ク リ ッピング後切離した の牽引により 三管合流部がテン ト状 となり総胆管壁に が 、 JEI.汁流出がつづくため開腹へ移行した 。胆嚢管裂 ク リッピングされる危険、術中所見として炎症に 加 え 傷がありその前後にク リップされていたが、中枢側 は l i pf a i l u r e て出 血、脂肪過多、胆嚢床の深すぎる剥離、 c 全周にかかっておらず不充分なクリッピングであっ など装置・器具に関連した問題も挙げている 。 頚部を剥離し胆嚢動脈をク リップ処理した後、胆嚢 た。胆嚢管を 結繋処理した後、肝生検を行ない手術を 症例①、③の 2例は著明な胆嚢炎所見を伴い、症例 終えた 。 2個の混合石と数個のコレステロ ールポ リー ①は総胆管が細く胆嚢管は短くて不 明瞭であり総胆管 プ。肝生検像は PBCであった 。 をテン ト状 に吊り上げた状態でク リッピンング 、総胆 術 後 経 過 :GOT,GPT,その 他 胆 道 酵 素 系 の 中 等 度 a l o t三角部の剥離が困難 管を完全切離し、症例①は C 上昇、アミラーゼ値の上昇を認めたが肝庇護剤、蛋白 であり、胆嚢管のク リッビングはできたが胆嚢動脈処 分解酵素阻害剤の使用にて漸次改善し 9 月 16 日 ll~-I央退 理できず開腹胆摘となった 。総胆管にク リップ、結繋 院した 。 が入り込み総胆管狭窄をきたし、 肝 内胆管の内圧上昇 による胆嚢床からの胆汁漏であった 。症例②は胆嚢管 l i pf a i l u r eによる胆汁漏、症例④ は 剥 離 操 作 で の のc 考 察 0 例 胆嚢管裂傷であった 。当院での損傷例はいずれも 6 LCにおける胆道損傷は稀ではあるが、開腹胆嚢摘 以降の症例であり、術者が一 定 していない 事もある 出術に比べその発生率は約 2倍とされ、損傷修復後の が、慣れから来る慎重さが足りなかったものと反省し 胆管狭窄、胆管炎を繰り返すなど長期療養を要する症 ている 。 、最も厄介な合併症の 1つである 。当院で 例もあり 2) は 4例 ( 2. 4%) に胆道損傷が認められた 。その内訳 胆道損傷 ・胆汁漏の診断は、術中に気付 けば直ちに 適切な修復処置をとる事ができるが、術中 見逃 される は術中気付いた総胆管切離 l例、胆嚢管裂傷 1例 の 2 症例も約半数を占め、その正確な部位診断、手術適応 例と術後胆汁漏で気付いたクリッピング不充分による に苦慮する 事 がある 。 ドレナージチューブ留置例では 胆嚢管胆汁漏 I例 、 総胆管狭窄に関連した胆嚢床から その診断は容易である 。 LC後白 血球増多・微熱・肝 の胆汁漏 l例の 2例とである 。 機能異常 ・黄痘とともに腹痛 ・" 匝気 ・ ! 恒吐がみられる . 1~ O. 7%, その発生頻度は、諸外国では胆管損傷0 場合には胆汁漏が疑われる 。腹腔内での胆汁貯留には 術後胆汁漏 0.3 ~ 2. 1 % であり、胆道損傷由来の死亡 は US,CT,DIC CTで証明され、持続的胆汁漏の診断に は胆道シンチグラム 、PT C . ERCPなどなされるが、 部位的診断には PTC , ERCPが有用と考えられる 。 IC-CTを術後にも 我々は術前検査に取り入れている D 用いているが、低侵襲であり貯留腔の同定には 2症例 全胆道損傷中 1 .6 %とされている 3) 。本 邦 で は 内 視 鏡 下 外 科 手 術 に 関 す る 第 3回 ア ン ケ ー ト 調 査 -1)による 4 1 5 9 5 例の集計で、術後胆汁漏 2 4 8 例 ( 0 . 6 %)を含め て4 9 4 例 、1.2 %の発生率であり 、第 2回アンケート調 .7 %と比べてあまり改善はみられていない 。 査結果 5)1 損傷部位は総胆管損傷例 が2 7 6 例 ( 5 5. 9%)と最も 多く、術中に気付いた症例 は約半数の 2 4 6 例( 4 9 . 8 %) とも有効であり、症例③ではク リッピング部までしか 胆管が造影されず狭窄 ・閉塞の診断が可能であった 。 最近では 、胆汁漏出に対して治療も兼ねる ENBDの 有用性が報告されているし 8)9)、又、林ら 10)は、術後 である 。 1)胆嚢管の合流形 早期の胆汁漏症例に対し腹腔鏡下に観察しク リッピン 式、副胆管など解剖学的 v a r i a t i o nによる要因、 2) グやドレ ー ン留置を施行、入院期間を延長する事無く 胆管損傷を引き起こす要因は、 52 J則空鏡下胆嚢摘出討すのおける胆道損傷の 4例 KomatushimaRe dC r o s sHo sp i t a lM e d i c a lJ ou r n a l 良好な経過が期待できると述べている 。 も開腹し処置をおこなった 。胆道損傷の予防には、術 胆道損傷に 対する処置は、損傷の部位、 程度 、診断 前の胆道系の充分な把握 、術 中では 、視野の充分な確 a d i o l og i c,endo s c c o pi c , の時期によって当然異なるが 、r 保に加えてよ り慎重な手術操作 、器具の適切な操作、 ope r a t i veな治療の組み合わせにより損傷に応じた適 又 、LC に適した病変かどうかの判断が必要であ り、 切な処置が必要である 。 開腹術へのコ ンパ ートを 跨賭してはな らな い。 当院における損傷例はすべて開腹に て処置を行なっ た。症例①の総胆管完全切離例 には胆管端端吻合に胆 文 献 管チュ ーブ挿入を 行ない、症例② ,④ の胆嚢管胆汁漏 例は胆嚢管結繋 症例①の総胆管狭窄例には総胆管外 1)石川泰郎,酒井滋,山 川達郎 , 他 :腹腔鐘下胆嚢 痩術を行な った 。症例①は術後吻合部胆汁漏を認め 摘出術一本邦第 l例を含む 5症例の経験一 長期入院となったが、胆管狭窄、胆管炎など来たさず 外医会誌 現在に至って いる 。 他の 3例はいずれも良好に経過した。 日臨 5 2:859-864, 1 9 9 1 . K. L . NARSI MHAN, B . H. 2)D . F . MIRZA 胆管損傷への対策はその発生を予防する事が一番で FERRAZNETO,e t a l :B i l e duc ti n j u ry f olowi ng ある 。術前においては 、充分な胆道系の状態を把握す l aparoscopi c chol e c y s t e c t omy: r e f e rr a lp a t te r n る ことが重 要 で 、画像診断としては従来よ り DIC、 and management Br i t i s h Journalo f Surgery US、CTが一般 的 で あ る が 胆 管 系 の 詳 細 な 診 断 に は 997 8 4:786790, 1 CT,ヘ 不十分 で、あり 、我々は平成 8年 1月よ り DIC- 3)D .JDe z i e . lK .W.Mi l l i kan,S .G.Economou,e t al : リカル CTを取り入れ胆道系の形態異常、胆嚢管の走 Compi lc a t i o n so fLaparoscopiccholecystectomy: 行、合流形式などの術前把握に役立てている 。 ERCP AN a t i o n a lSurveyo f4 2 9 2H o s p i t a l sandanA n a l y s i s は症例に よ り施行し、ルチーンには行 なっていない 。 9 9 3 o f7760 4 CasesA mJSu rgery 1 6 5:91 4,1 又、術中においては、良好な視野の確保、特に胆嚢 ¥ か ら胆嚢管に かけての卜分な剥離と安全な 胆嚢管 頚音1 4)内視鏡下外科手術に関するアンケート調査 回集計結 果 報 告 - JSES 1:52-70, 1 996 5)出月 康 夫 :腹 腔 鏡 下 胆 嚢 摘 出 術 の 現 況 剥離 ・切離操作が重要である 。 手技的な注意点として、文献的には多くの細かい事 柄が述べ られているが、我々は頚部の全周性剥離 を胆 嚢管 、胆嚢動脈が同一視野に確認できる よう充分に行 第31 手術 48:679684, 1 9 9 4 6)高田忠敬,内山勝 弘 :腹腔鏡下胆嚢摘 出術におけ る合併症とその対策 48:755-760, 1 9 9 4 手術 ない 、胆嚢管の頚部からの連続性を確か めるようにし 7)Y iYinJ an,Han-MingChen,Chia S i uWang,e t al : ている 。 さらに胆嚢管クリッピングする前に 牽引を緩 B i i l a r yCompi lc a t i onsD u r i ngandA f t e rL a p a r o s c o p i c め自然な 状態での胆嚢管 と総胆管との位置関係を確認 CholecystectomyHe p a t oG a s t r o e n t e r ol ogy 44: する事が大切だと考えている 。 370-375,1 997 胆嚢頚部から胆嚢管にかけて癒着、線維性肥厚など 8)佐藤康永 ,木田光広,日高央,他 :腹腔鏡下胆嚢 炎症所見がある場合には胆管損傷の危険性も高く、安 切除術後の 胆 管 損 傷 を 内 視 鏡 的 逆 行 性 胆 汁 ド レ 全に手術を完遂する為には 開腹術への移行も必要である 。 ナ ー ジ に て 治 療 し た l例 ProgDigEndosc 49:232-233, 1 9 9 6 9)宮本康 二,戸川保 ,長谷川毅,他 :腹腔鏡下胆嚢 摘出術後の胆汁漏出に対する腹腔鏡下再手術の l まとめ 当院での LC に お け る 胆 道 損 傷 症 例 4例 ( 2. 4%) について、損傷の状況、処置、予防、対-策など検討し た。 4 例の内訳は、術中気付いた総胆 管 切 1~lt 1例 、胆 例 術 前 ERCP,ENBDが 有 用 で あ っ た 症 例 手術 5 2:1 267-1270, 1 998 1 0)林賢,宗像康博,橋本晋ー,他 :腹腔鏡下手術に 嚢管裂傷 l例と術後胆汁漏で気付いた胆嚢管の不完全 おける胆道処理操作の要点 クリッピング l例、総胆管狭窄 l例とであ り、いずれ 1 9 9 5 VOL .4 NO.1 MARCH 1 9 9 9 手術 4 9:5 9 7 6 0 7, 皇 ! l 杢鏡下 1 l E !嚢摘出術のおける胆道損傷の 4例 I 1 53 FourCaseso fB i l i a r yC o m p l i c a t i o nF o l l o w i n gLaparoscopicCholecystectomy Yo s h i k a z uSAKAK , IT s u n e a k iWATANABE,Aki h i roSAKAT, A SuguruKIMURA i KAN,K i i c h i r o uNAKANO TakanaoSUMI,Gyouke t sus himaRedC r o s sHo sp i tal Divi s i ono fSur g er y,Koma B i l i a r yi n j u ryandb i lel eakagea r ei n f requentbuts er iouscompi l c a t i onsi nl a p a r o s c o pi cc hol ecystectomy( LC) . a ti veb i lel e aka g ewer eexp e r i e n c e di n4c a s e s( 2 . 4 %)among1 7 0 Bi l ia r yi n j ur y( i n c l u d i ngc y s t i cduc ti n j u ry)andp os t o p巴r . l Weexaminedc l i n i ca lyt h es i t e,mechanismandmanagemento fi n j u ryi nt h e s ec a s e s . gi venLCi no u rhos p i ta ,l t h e r ewasac a s eo fc omple t et r ans e c ti o no ft h ecommonb i leduc t( CBD)duet omis t a ki ngCBDf o rt h e 1 nd e t a i ,t ac a s eo fp o st ope r a t i veb i lel eakageduet omala p p l ic a ti ono fen d o c l i pont h ec y s t i cduc t,ac a s eo fb i le c y st icduc a s巴 o fc y s t i cd u c tl a c e r a ti ond u r i ngt h e l eakagefromt hegal l b ladderbedr e l a t edt oo b s t r u c ti o no ft h eCBD,andac d is s e c ti ngp r o c e d u r e . Twoc a s e swerer e c o gn iz eda tt h et imeo fLCandi mmediatel yc onv e r t edt ol apar otomyand eperformed. 1 nt hetwo endt oenda na s tomosiso fb i leduc t .b i i la r yt u b ei nt uba t i onandi lg a ti ono ft h ec y s ti cduc tw巴r a y )a f t erLC,l aparotomywaspe r f ormed,andi lg a ti o no ft h ec y s t i cd u c t c a s e swi t hb i lel eakagei nt hee a rl yt ime( 1,4d t were ma d e . Al t he p a ti e n t sf olowed s a ti s f a ct o ry c ou rs 巴s . Fi ndi ng so f and t ube d r a i nage o ft h巴 CBD duc . Ford iagnosi so fp o s t o pe r a t i v eb i lel eakage,d r i pi n f u s i o n c hol e c y s ti t i swereobs e r v edi n2c a s e sa tt het i m eo fLC 巴c t i v ef ori de n t i f yi ngt h eb il ea c cumula ti ngs i t ei nt h eabdominalcavi t ya nd c hol eangi ogr ahyCT ( D I C -CT )wase f f d iagnosi so ft hes i t eo fCBDs t ri c tu rei sa l s opos si b le . o s t o pe r a ti vec om p l i ca t i on,b i l ia r yi n jur y,p o s t o p e r a t i v ebl i el e akage Keywords: Lapar os c op i cch o le c y s t e c t omy,p KomatushimaRedC r o s sHo sp i ta l Med ic al J o u r n a1 4: 49-54,1 9 9 9 54 J皇陛鏡下胆嚢摘出術のおける胆道損傷の 4例 KOl1la t ls h il1laRe dC r os sHo sp i ta l Me d i c al J O l l r na J
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