の画像所見の検討

第31回日本呼吸器内視鏡学会学術集会・プログラム・抄録集
一般口演
OR5・2
当院における蛍光気管支鏡AFI及びSAFE
3000の有用性の検討
松岡 永1・ 先山 正二1・宇山 攻1・鳥羽 博明1
滝沢 宏光1・ 監崎孝一郎1・近藤 和也2・丹黒 章1
1徳島大学大学院病態制御外科;
2徳島大学医学部保健学科成人・高齢者看護学講座
一般口演5
正常粘膜に青色励起光を照射すると緑色の自家蛍光を発するが,癌病
巣および異型病変では自家蛍光が減弱している.蛍光気管支鏡はこの
自家蛍光の差を観察して病変部位を評価するものである.当院では
蛍光内視鏡
2006年5月よりAFIを導入し,2007年8月よりSAFE3000を使用す
る機会を得た.それらの使用状況及び各々の特徴につき報告する.(結
果)AFIは2006年5月∼2007年12月で40例,SAFE3000は2007
年8凋∼2007年12月で12例施行した、そのうち2例でAFIと
SAFE3000の両方を同一症例に対して施行した.AFI症例の内訳は中
座長 渋川紀代子
枢型肺癌疑い32例,末梢型肺癌疑い4例,頚部腫瘍4例でそのうちマ
ゼンタを認めたのは20例.生検の結果は肺癌10例,異型上皮6例,
その他癌3例であった.SAFE3000では原発性肺癌疑い8例,肺癌術
後経過観察3例,食道癌気管浸潤疑い1例.そのうち蛍光のdefect
を認めたのは3例であった,AF工の正診率65%(13例/20例).SAFE
3000の正診率667%(2例/3例).(考察)AFIは病変部位がマゼンタ
色に描出され視認性に優れている、しかし蛍光観察するのに時間が余
分にかかった.一方,SAFE3000は通常画像と蛍光画像を同時に観察
可能なTWIN MODEを使用することで通常観察のみの場合とほぼ同
時間で両方の観察が可能であった.しかし視認性においては色の濃淡
で区別するため,慣れが必要と思われた.(結語)AFIとSAFE3000
はそれぞれの特徴を十分に理解し使い分けることが必要と思われた.
中枢気管支病変に対する自家蛍光観察装置の診
断率向上に対する試み
本多 英俊・ 岩崎賢太郎・牧野洋二郎・名和 公敏
角田 佳彦・ 平良 真博・井上 達哉・石角太一郎
一ノ瀬修二・ 臼田 実男・梶原 直央・大平 達夫
池田 徳彦
東京医科大学病院外科学第一講座
OR5−1
OR5−3
長瀬
PDT(photodynamic therapy)施行例における
気管支鏡下OCT(opticalcoherencetomogra−
phy)の画像所見の検討
清亮・ 西條 天基・本多 英俊・臼田 実男
達夫・ 坪井 正博・池田 徳彦・加藤 治文
甲状腺外科
東京医科大学病院呼吸器
大平
蛍光気管支鏡は早期癌・異型扁平上皮の局在同定率の向上など
に有用であるとされており,現在では世界の先端施設で広く日常
臨床に用いられるとともに,システム自体もより精度が高いもの
【目的】OCT所見が通常内視鏡所見に加えてPDTの適応決定や
PDT後の再発予測に有用であるかをレトロスペクティブに検討
する.【方法】OCTは光計測分野の先端技術であり,低コーヒレ
ンス干渉計を用いることにより高い空間分解能の断層光イメー
が開発されてきている.最新モデルではベースとなる内視鏡も
ファイバースコープからビデオエンドスコープヘと移行が進み,
ジを容易に得ることができる.正常気管支の粘膜・粘膜下組織は
層構造として描出され,周囲の軟骨や血管も確認できる.中枢気
より鮮明な蛍光画像を得られるようになった.2004年1月から最
新型自家蛍光観察システムSAFE−3000を開発・改良を行ってき
たので報告する.当施設では肺癌もしくは肺癌疑い例,喀疾細胞
診異常例,肺癌術後経過例もしくは有症状の重喫煙者を蛍光診断
の対象としており,全400例において上皮内病変(化生+早期
癌)における感度は通常の白色光単独で80%,蛍光診断併用で96
%であり,通常の白色光を用いた気管支鏡では同定困難であった
肺門部早期癌や化生病変の診断に有用であると考えられた,改良
された新システムが登場する一方で,未だ出血や炎症などを偽陽
道に発生した腫瘍では,粘膜・粘膜下層が肥厚し層構造が消失
し,腫瘍の浸潤部では軟骨層への浸潤像が描出される.ところで
PDTの適応は通常内視鏡によって決定されているのが現状であ
性として捉えることが多々あり,感度は上昇したものの,腫瘍特
異性に関しては満足な結果を得られていなのが現状である.当施
設では新たにTwinModeやMixModeそして光感受性物質を用
いたPDDを導入することで,特異度を向上させる試みを行って
いるので紹介するとともに,その成績についても報告する.
る.2002年4月から2007年12月までに,初回PDTを行う前に
OCTを実施した25例,30病変についてOCT所見を検討した.
またPDT後にCRに導入されない,あるいは再発した症例と,
CRを持続している症例について,OCT所見との関連性について
検討した.【結果】PDT前のOCT所見は層構造の消失が14病変
(47%)と最も多かった.PDT後にCRに導入されない,あるい
は再発した症例は4病変(13%)あり,そのOCT所見は軟骨層
への浸潤と層構造の消失が各1病変,粘膜・粘膜下層の肥厚が2
病変であった.【結論】OCT所見はPDTの適応決定には有用であ
るが,病変の局在や正確な範囲が把握できないこともあり,OCT
による深達度所見だけでのPDT後の再発予測はで困難である.
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