森林バイオマスのエネルギー利用 - Advantage Austria

オーストリアシンポジウム森林のルネサンス
高知市 25 Oct ‘12
森林バイオマスのエネルギー利用
高知大学教育研究部
自然科学系農学部門
森林科学コース担当
後藤純一
Forest Engineering & Sustainable Yield Science Kochi University
http://wwwfe.fs.kochi-u.ac.jp/forengin/
オーストリアシンポジウム森林のルネサンス
Forest Engineering & Sustainable Yield Science Kochi University
高知市 25 Oct ‘12
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オーストリアシンポジウム森林のルネサンス
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高知市 25 Oct ‘12
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オーストリアシンポジウム森林のルネサンス
高知市 25 Oct ‘12
• ２００５における日本の民生部門におけるエネルギー消
費量は5163PJ(ﾍﾟﾀｼﾞｭｰﾙ)
（１PJ=１０００ｘ１０００ｘ１０００ｘ１０００ｘ１０００J）
エネルギー量1MJ=239kcal, 1J(102gの物体を1m持ち上げるエネルギー
• 平成17年（2005）の日本の人口127,688,000世帯数
49,063,000
エネルギー量1MJ=原油0.0258ℓ
• 平成17年における日本の国民一人当たりのエネルギー
消費量 40.4GJ＝原油1.04kℓ（1日あたり，110.7MJ）
• 平成17年における一所帯当たりのエネルギー消費量
105.2GJ＝原油2.72kℓ
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バイオマスのエネルギー利用の段階と連携
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木質系バイオマス
直接燃焼
林地残材（切り捨て間伐材・除伐材）
土場残材（収入間伐時の造材残さ）
ササ・タケ（管理放棄・放置竹林など）
種類
残廃材材積（万ｍ3）
製材工場廃材
１，３３０
合板工場廃材
１８２
建築解体材
９８０
新建築廃材
４６０
パレット材・梱包廃材
３２０
素材生産時の残廃材
６００
間伐時の林地残材
２６０～３９０
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木質バイオマスの利用
木質バイオマス
土場残材
製材廃材
林地残材
利用しにくい
利用しやすい
建築廃材
有害物質を含めば
灰の処理に問題あり
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伐採地における残材の山
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枝条
端尺材
末木
曲材
土場で発生する木質バイオマス
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林地残材のエネルギー利用
林地残材
運搬
目標：9円/kg（DRY）
現状：20円/kg（DRY）
加温ハウスのボイラー燃料
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チップ化
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Trade of Wood chips particles and residues
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木質バイオマスの収集運搬
薪
チップ
ペレット
木質バイオマスの収集とエネルギー利用
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林業現場で発生する木質バイオマスの収集運搬工程
チッパー搬送費30000円
チッパー設置整地費30000円を除く
山土場
トラック道
トラック運搬
チップ土場
(a)1500円/丸太m3
(b)2300円/丸太m3 チップ乾燥
-運材距離35km-
チップ化
トラック運搬
プラント
(a)1500円/丸太m3
(a)1200円/丸太m3
(b)1150円/丸太m3
集材土場
作業路
林内小運搬
山土場
トラック道
3000円/丸太m3
小運搬距離：1km
トラック運搬
(a)2800円/丸太m3
(b)1750円/丸太m3
-運材距離35km-
グラップル搬送費50000円を除く
チップ工場
＝チップ層積2.18m3 ＝重量657kg(76%dry)
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プラント
(a)1500円/丸太m3
チップ化
(a)940円/丸太m3
(b)950円/丸太m3
丸太乾燥
丸太1m3
トラック運搬
=絶乾重量374kg
出典：(a)岩手県林技セ(2005,2006)
(b)高知県森技セ・高知大学(2003)
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列状間伐における残材の分別（幹の17%が残材，83%が用材)
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端材の積込み作業？チッパーの導入？
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木質バイオマスの収集運搬における課題
商品価値のない
梢端部
荷姿による乾燥状態での木質重量割合
（同量のバイオマスを積むとどれだけの嵩になるか）
全
木
用材部
残材
全木
混載
ﾁｯﾌﾟ
丸太
出典：Bioenergy from Sustainable Forestry : Forestry Sciences Volume 71
枝条
伐根・根
如何に圧縮して輸送できるか？
バンドリングマシーン（枝条結束機）
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加温ハウスボイラーへの利用
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木質バイオマスの利用戦略
傾斜地皆伐時に発生する残材
大型機械による収集運搬
傾斜地間伐時に発生する残材
中小型機械による収集運搬
〇架線集材による残材の集中化
〇大型バンドリングマシーン
山土場でのチッパー導入
〇バイオマス収集を想定した材整理
〇搬出間伐と一体となった残材収集
地域通貨券導入事業との連携
課題
林地の物質循環からの持ち出し
山土場での残材置き場の確保
チップの撹拌乾燥
課題
端材積込み作業の生産性向上
作業ポイントでの残材整理
より簡易で安全な搬出方式の導入
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素材生産費の比較（森林・林業白書平成16年版から引用）（円／m3）
スウェーデン
フィンランド
オーストリア
日本
1500
1400
3100～3600
7000
造材機械の生産性
機械化のマネージメントから引用（全国林業改良普及協会編）
大径化による生産性の向上
森林生産のオペレーショナルエフィシェンシーから引用
（U.Sundberg et. al. 神埼ら訳：海青社）
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Logging Systems in mountainous forest
System1
System2
System4
Road Construction
System5
System3
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Logging cost at thinning operation by systems
(Yen/m3)
Logging Systems in mountainous forest
Logging Cost
Road
density
(m/ha)
Productivity
m3/man*day
Extraction
Log
Sorting
System
1
300
7.6
Grapple
loader
Or
Harvester
System
2
200
7.2
Grapple
loader with
winch
Processor
System
3
100
7.5
Swing yarder
Processor
System
4
50
6.8
Tower yarder
Or
Cable crane
System
5
300
3.5
Small sized
forwarder
Harvester
Processor
Chain
saw
Felling
: Chainsaw
Timber transport : Truck
Cost of construction and maintenance
for forest road* and haul road
(Yen/m)
* Most of them are supported by subsidy.
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40-50㎝級の大径材を対象とした作業システムへ
タワーヤーダの活用
香美森林組合の導入機械
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これからの収入間伐の作業システム
作業システム
本格架線
500mｽﾊﾟﾝﾀﾜｰﾔｰﾀﾞ
300mｽﾊﾟﾝﾀﾜｰﾔｰﾀﾞ
小型ｽｲﾝｸﾞﾔｰﾀﾞ
中型ｽｲﾝｸﾞﾔｰﾀﾞ
ﾄﾗｸﾀｳｲﾝﾁ
小型ｸﾞﾗｯﾌﾟﾙ
中型ｸﾞﾗｯﾌﾟﾙ
ﾊｰﾍﾞｽﾀｰ
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木質バイオマスのエネルギー利用の可能性を高めるために
◎収集運搬経費：丸太換算で現状の7500円/m3をどのようにして削減するか
●切捨て間伐材・林地残材は10000円/m3をはるかに超える
●用材との混載は経費転嫁に過ぎない、用材もコストダウンを目指している
〇バイオマス利用を想定した用材生産における材の分別
〇土場残材の運材トラックへの積込み能率の向上
〇事業の取りまとめによる機械運用の改善
〇運材トラックの運行に対応した地域連携
◎エネルギー変換プラントが要求する含水率までどのようにして安価に乾燥するか
●チップの乾燥にはどれだけのコストが必要なのか
〇高所の山土場では乾燥は進まない、運材後の低所の土場での保管方法の改善
〇製材廃材が最も有利、木材利用の拡大によるバイオマス資源量の増大
マテリアル利用：新生産システム
エネルギー利用：地域システム化実験事業
間伐の推進
2005
地域連携
生産基盤構築
2010
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自立発展段階
単木材積
成長による
コスト削減
2015
バイオマス
エネルギー
利用の実現
2020
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