第42期 (平成22年度) 事 業 報 告 自 平成22年 4 月 1 日 至 平成23年 3 月31日 鹿児島空港ビルディング株式会社 1.会社の現況に関する事項 (1)事業の経過及びその成果 当期のわが国の経済は、一部に生産や個人消費が持ち直し自律的回復の動きが 見られたものの、高水準の失業率や原油価格の上昇、東日本大震災の影響により、 景気は厳しい状況が続いています。 鹿児島空港におきましては、国内線では、スカイマークが昨年 9 月から神戸線 に就航、昨年10月31日から東京線に就航したものの、日本航空の運休や減便、機 材の小型化等の影響で乗降客数は減少致しました。 主要路線別では、東京線が2,258千人(前年比98%) 、関西方面(大阪・関西・ 神戸の 3 空港合計)が1,025千人(前年比100%) 、名古屋線が360千人(前年比 87%) 、福岡線が134千人(前年比88%)となりました。国際線につきましては、 昨年 5 月から10月まで開催された上海万博や中国人訪日客へのビザ発給要件緩和 などにより、上海線定期便は乗降客数17千人(前年比125%)と増加したものの、 今年 1 月に発生した新燃岳噴火などの影響により、ソウル線定期便は44千人(前 年比93%) 、臨時便は10千人(前年比96%)となりました。従いまして当期の乗降 客数は、国内線が4,752千人(前年比96%) 、国際線が72千人(前年比99%) 、合計 で4,825千人(前年比96%)となりました。 当期に実施した空港利用活性化策につきまして、昨年12月に航空100年の節目を 迎えるにあたり、航空の歴史や世界の航空、そして空港機能の新しい発見ができ る航空展示室(愛称 ソラステージ)を昨年 9 月11日に設置しました。また昨年 3 月末より暫定運営しております空港駐車場につきましては、空港ターミナルビル との一体的なサービス提供を行うべく、分かりやすい車両誘導案内や、飲食店を 利用されると駐車料金が 2 時間無料となる券の配布など、利便性の向上を図り前 年並みの利用実績となりました。 空港内におけるイベントにつきましては、国内線 1 階の観光PRコーナーにおい て「都市緑化かごしまフェア」の紹介をはじめ、県内市町村の特産品販売や観光 情報などの発信をおこなっているほか、昨年 7 月には国際線ロビーにおいて、霧 島国際音楽祭の演奏者によるエアポートコンサートを開催しました。また昨年 9 月から国内線 1 階ロビーにおいて、霧島茶試飲コーナーを設置し、霧島市で開催 予定の「全国お茶まつり」や霧島茶のPRに協力しております。この他にも、昨年 12月より県内特産品具材を使用した「オールスターズ弁当」をテナントで販売し、 県内生産のミネラルウォーターのみを集めた自動販売機を設置するなど、空港を 活用した地域の活性化や特産品推進に取り組みました。 利便性向上につきましては、昨年度に引き続きゲートラウンジ内において「観 光アドバイザー」を置き県内離島の観光情報提供に取り組んでおり、また今年 3 −1− 月末には、当社ホームページをフライト情報や交通アクセスを検索しやすいデザ インに変更し、同時に外国語案内(英語・韓国語・中国語)も追加いたしました。 当期の施設整備等につきまして、昨年 6 月から12月にかけてゲートラウンジ改 修工事を行いました。カーペットの全面貼り替えや排煙設備の設置、南側ゲート 付近リニューアルのほか、各ゲートの案内サインなどを明るく大きな見やすい表 示へ一新いたしました。また今年 3 月に搭乗待合室の充実を図るため、 5 番ゲート 売店をラウンジスペースへと変更しました。環境対策の一環として、今年 1 月よ り展望デッキ北側屋上に太陽光発電装置を九電グループとのオンサイト契約方式 により運用開始しました。年間約47千kwhの発電量および16tのCO2排出量削減を 目指し順調に稼働しております。 さて、当期の営業成績は、不動産事業収入は1,955百万円(前年比100%) 、 5 百万円の増収となりました。また、付帯事業収入は空港駐車場収入の増加など により843百万円(前年比115%) 、111百万円の増収となりましたので、営業収益 は2,799百万円(前年比104%) 、117百万円の増収となりました。一方、販売費及 び一般管理費につきましては、 空港駐車場運営費の増加などにより2,542百万円(前 年比103%)となりましたので、営業利益は257百万円(前年比118%) 、40百万円 の増益となりました。営業外におきましては、営業外収益が165百万円(前年比 126%) 、営業外費用は過年度分の役員退職慰労金繰入などにより271百万円(前年 比160%)となりましたので、経常利益は150百万円(前年比85%) 、26百万円の 減益となりました。 (2)当社が対処すべき課題 航空業界全体の経営は依然として厳しい状況が続いており、東日本大震災によ る旅行需要の冷え込みや九州新幹線全線開業により、23年度の乗降客数も減少 が予想されます。また国土交通省の「空港運営のあり方に関する検討会」は国が 管理する空港の運営形態見直しについて、今年 7 月に意見を取りまとめるとして おり、空港ビル業界の転換期を迎える可能性もございます。 当社といたしましては、23年度は22年度に策定した中期経営計画 3 カ年の折 り返し点と考えており、グループ会社が一体となった「CS推進委員会」を設置 し、お客様意見への対応や利用客の目線に立ったサービス提供ができるように努 めて参ります。また、商業コンサルタントと提携して非航空収入部門の運営強化 を図り、テナントなど入居者の皆様と共にお客様に魅力ある店舗づくりに取り組 み、空港のサービスレベルと集客力の向上に努めて参ります。空港駐車場につき ましては、国による再整備工事の着工が遅延となっておりますが、今後の運営事 業者の公募で事業者としての指定を受けられるよう準備を進め、旅客ターミナル ビルと駐車場を一体運営するメリットを生かしたサービスと利便性の向上を図り −2− ます。環境におきましても、一層の環境負荷の低減に取り組み、さらに「環境に やさしい空港」を目指して参ります。 今後も厳しい経営環境が予想されますが、公共性の高い空港ターミナルビルを 運営する社会的な使命のもと健全な経営を進め、お客様のニーズに的確に対応す る安全で快適な施設とサービスを提供し、環境にも優しい空港となるよう一層の 努力を致して参ります。 (3)財産及び損益の状況の推移 年 度 第 42 期 (当 期) 第 39 期 第 40 期 営 業 収 益(千円) 2,898,551 当期純利益(千円) 1株当たり当期純利益 77,339 128.89円 2,893,240 85,662 2,682,141 98,361 2,799,612 41,813 純 資 産(千円) 乗 降 客 数 10,018,103 5,570千人 142.77円 9,964,308 5,426千人 163.93円 9,945,195 5,000千人 69.68円 10,086,840 4,825千人 区 分 第 41 期 (4)重要な子会社の状況 会 社 名 資 本 金 (千円) 持株比率 主要な事業内容 鹿児島空港産業株式会社 60,000 100% 売店、 スタンド喫茶の営業 鹿児島空港エンジニアリング株式会社 60,000 100% 建物・設備等の運転管理業務 (5)主要な事業内容 ・航空事業者、航空旅客並びに航空貨物に対する役務の提供 ・航空思想の普及、観光に関する事業 ・貸室業 ・旅行業 ・広告宣伝業 (6)従業員の状況 従業員数 前期末比増減 平均年令 62名 −2 名 34.9才 平均勤続年数 8.2年 (注)上記には出向社員及び契約社員は含まれておりません。 ( 受入出向社員は含まれております。) −3− 2.株式に関する事項 (1)発行済株式総数 60万株 (2)株主数 15名 (3)株 主 株 主 名 持 株 数 県 120, 000株 屋 102, 000株 会 社 90, 000株 会 社 66, 000株 株 式 会 社日本 航 空インターナショナル 60, 000株 株 鹿 株 南 全 児 式 国 日 島 会 交 本 社 通 空 山 株 輸 形 式 株 式 児 島 銀 行 30, 000株 株 式 会 社 30, 000株 鹿 児 島 リ ー ス 株 式 会 社 30, 000株 い わ さきコー ポレーション 株 式 会 社 24, 000株 南 国 タ ク シ ー 株 式 会 社 12, 000株 鹿 児 島 海 陸 運 送 株 式 会 社 12, 000株 式 会 社 M B C 城 株 山 式 開 観 鹿 発 光 会 株 社 式 土 会 佐 社 6, 000株 屋 6, 000株 株 式 会 社 島 津 興 業 6, 000株 渕 上 印 刷 株 式 会 社 6, 000株 −4− 3.会社役員に関する事項 代表取締役社長 前 山 健太郎 専 務 取 締 役 堀之内 保 典 常 務 取 締 役 西 邦 光 取 締 役 藤 原 征 太 安全推進部長 取 締 役 石 澤 一 典 総務部長 取 締 役 上 村 覚 管理部長 取 締 役 奥 村 恭 三 施設部長 取 締 役 茂 原 健 司 事業サービス部長兼利用促進企画部長 取 締 役 伊 藤 祐一郎 鹿児島県知事 取 締 役 岩 元 恭 一 株式会社山形屋代表取締役社主 取 締 役 渡 邉 勝 三 南国交通株式会社代表取締役会長 取 締 役 中 村 耕 治 株式会社南日本放送代表取締役社長 取 締 役 永 田 文 治 株式会社鹿児島銀行取締役会長 監 査 役 上 床 恒 信 鹿児島リース株式会社代表取締役社長 監 査 役 新 納 時 征 当該事業年度中の取締役の異動 (1)原 和敬氏、林 彰氏、橋本 篤氏、大野芳雄氏は平成22年 6 月 9 日開催の 第41期定時株主総会集結の時をもって取締役を退任いたしました。 (2)奥村恭三氏、茂原健司氏、永田文治氏は平成22年 6 月 9 日開催の第41期 定時株主総会において取締役に就任いたしました。 −5− 貸 借 対 照 表 (平成 23 年 3 月 31 日現在) 科 目 金 額 3,693,297 有 収 価 証 金 額 616,654 流動負債 1,111,520 未 金 47,470 未 券 現 金 ・ 預 金 未 科 目 ( 負 債 の 部 ) ( 資 産 の 部 ) 流動資産 (単位:千円) 金 243,596 用 145,450 2,500,000 未払法人税等 68,891 8,127 払 払 費 貯 蔵 品 14,190 未 払 消 費 税 そ の 他 20,116 前 受 預 収 り 益 129,765 金 4,134 10,200 固定資産 6,393,543 役員賞与引当金 有 形 固 定 資 産 4,743,417 そ の 他 6,488 物 3,280,231 建物付属設備 939,368 構 物 245,407 預 り 保 証 金 794,016 機械及び装置 67,605 退職給与引当金 150,983 車 両 運 搬 具 12 役員退職慰労引当金 156,430 建 器 築 具 備 土 品 140,342 地 70,448 1,101,430 固定負債 負 債 合 計 1,718,085 ( 純資産の部 ) 無 形 固 定 資 産 30,102 電 話 加 入 権 2,234 ソ フト ウ ェ ア 27,544 その他無形固定資産 323 株主資本 8,368,755 金 300,000 利益剰余金 8,068,755 資 本 利 益 準 備 金 75,000 退 職 積 立 金 0 投 資 その 他 の 資 産 1,620,023 特別修繕積立金 2,340,000 投資有価証券 1,260,010 建物増改築積立金 5,000,000 関係会社株式 120,000 別 途 積 立 金 300,000 出 金 215,013 繰越利益剰余金 353,755 差 入 保 証 金 25,000 純 資 産 合 計 8,368,755 負 債・純 資 産 合 計 10,086,840 資 資 産 合 計 10,086,840 −6− 損 益 計 算 書 自 平成 22 年 4 月 1 日 至 平成 23 年 3 月 31 日 (単位:千円) 科 目 金 額 2,799,612 営 業 収 益 1,955,741 不 動 産 事 業 収 入 付 帯 事 業 収 843,871 入 2,542,610 販売費及び一般管理費 営 業 利 益 257,002 営 業 外 収 益 165,297 受 取 利 息 7,452 そ の 他 157,845 271,821 営 業 外 費 用 支 払 利 息 0 そ の 他 271,821 経 常 利 益 150,477 税 引 前 当 期 純 利 益 150,477 法人税、住民税及び事業税 108,664 当 期 純 利 益 41,813 −7− 株主資本等変動計算書 自 平成 22 年 4 月 1 日 至 平成 23 年 3 月 31 日 (単位:千円) 株 主 資 本 利 資本金 利 益 準備金 前期末残高 300,000 75,000 益 剰 余 金 その 他 利 益 剰 余 金 退 職 特別修繕 建物増改 別 途 繰越利益 積 立 金 積 立 金 築積立金 積 立 金 剰 余 金 純資産 株主資本 合 計 利益剰余金 合 計 合 計 440,000 2,040,000 5,000,000 300,000 201,941 8,056,941 8,356,941 8,356,941 当期変動額 退職積立金 の 取 崩 0 0 △440,000 特別修繕積 立金の積立 0 剰 余 金 の 配 当 当 期 純 利 益 0 0 0 440,000 0 0 300,000 0 0 △300,000 0 0 0 0 0 0 △30,000 △30,000 △30,000 △30,000 0 0 0 0 0 0 41,813 41,813 41,813 41,813 当期変動額 合 計 0 0 △440,000 300,000 0 0 151,813 11,813 11,813 11,813 当期末残高 300,000 75,000 0 2,340,000 5,000,000 300,000 353,755 8,068,755 8,368,755 8,368,755 −8− 注 記 表 (重要な会計方針に係る事項に関する注記) 1 .資産の評価基準及び評価方法 (1)有価証券の評価基準及び評価方法 ①関 係 会 社 株 式 移動平均法による原価法 ②満 期 保 有 目 的 債 券 償却原価法 ③そ の 他 有 価 証 券 移動平均法による原価法 (2)棚卸資産評価基準及び評価方法 貯 蔵 品 最終仕入原価法 2 .固定資産の減価償却の方法 (1)有 形 固 定 資 産 定率法。ただし、平成10年 4 月 1 日以降に取得した 建物(附属設備を除く)については、定額法を採用し ております。 (2)無 形 固 定 資 産 定額法を採用しております。 3 .引当金の計上基準 (1)役 員 賞 与 引 当 金 役員に対する賞与の支給に備えるため、支給見込額 を計上しております。 (2)退 職 給 与 引 当 金 従業員が、自己都合退職した場合の期末要支給額を 計上しております。 (3)役 員 退 職 慰 労 引 当 金 役員の退職慰労金の支給に備えるため、役員退職慰 労金規定に基づく期末要支給額を計上しております。 4 .消費税等の会計処理 税抜方式によっております。 5 .会計方針の変更 役員に対する退職慰労金は、従来支出時の費用とし て処理しておりましたが、当事業年度より、役員退 職慰労金規定に基づく期末要支給額を役員退職慰労 引当金として計上する方法に変更しております。こ の変更により、当事業年度発生額18,135千円は販売 費及び一般管理費に、過年度分相当額191,588千円 は営業外費用に計上しております。この結果従来の 方法に比較して、営業利益は18,135千円、経常利益 及び税引前当期純利益は191,588千円減少しており ます。 (株主資本等変動計算書に関する注記) 1 .当事業年度末における発行済株式の種類及び総数 普 通 株 式 600,000株 2 .当事業年度中に行った剰余金の配当に関する事項 平成22年 6 月 9 日開催の定時株主総会において、次のとおり決議しました。 配 当 金 の 総 額 30,000千円 配 当 の 原 資 利益剰余金 1 株 当 た り 配 当 額 50円 基 準 日 平成22年 3 月31日 効 力 発 生 日 平成22年 6 月10日 3 .当事業年度の末日後に行う剰余金の配当に関する事項 平成23年 6 月15日開催予定の定時株主総会において、次の議案を付議する予定であ ります。 配 当 金 の 総 額 30,000千円 配 当 の 原 資 利益剰余金 1 株 当 た り 配 当 額 50円 基 準 日 平成23年 3 月31日 効 力 発 生 日 平成23年 6 月16日 −9− 監査役の監査報告書謄本 監 査 報 告 書 鹿児島空港ビルディング株式会社 代表取締役社長 前山 健太郎 殿 平成 23 年 5 月 10 日 印 監 査 役 上 床 恒 信 ◯ 印 監 査 役 新 納 時 征 ◯ 私ども監査役は、平成22年 4 月 1 日から平成23年 3 月31日までの第42期事 業年度の取締役の職務の執行を監査いたしました。その結果につき以下のとお り報告いたします。 1 .監査の方法及びその内容 監査役は、取締役会その他重要な会議に出席するほか、取締役等から 事業の報告を聴取し、重要な決裁書類等を閲覧し、業務及び財産の状況 を調査しました。また、会計帳簿等の調査を行い、計算書類(貸借対照表、 損益計算書、株主資本等変動計算書及び注記表)及びその附属明細書に つき検討を加えました。 2 .監査の結果 (1)事業報告及びその附属明細書は、法令及び定款に従い、会社の状況を正 しく示しているものと認めます。 (2)取締役の職務遂行に関する不正の行為又は法令若しくは定款に違反する 重大な事実は認められません。 (3)計算書類及びその附属明細書は、会社の財産及び損益の状況をすべての 重要な点において適正に表示しているものと認めます。 以 上 − 10 −
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