秋田県能代市(PDF:1640KB)

秋田県能代市調査結果
6
秋田県能代市調査結果
6-1 調査ルートの状況
調査地は、秋田県の北西部に位置する能代市北東部古谷国有林に位置する。表層地質は
泥岩を主とし、その間に凝灰岩が挟在している。固結の程度は緩く、人力で割ることがで
きるほどであり、重機による締固めにより細かく破砕されている。調査地では泥岩の露出
は少なく、固結の程度の低い凝灰岩が主体であった。
調査対象とした路線は、稜線部に開設された調査路線①と稜線よりも下方のやや中腹斜
面に開設された調査路線②である。このような地形条件を反映して調査路線①では切土・
盛土が少なく、地形の起伏を生かした排水となっている。調査路線②は地山傾斜が急なた
め、地形の改変量が大きな路線となっている。
写真 6-1 調査路線①
写真 6-2 調査路線①
73
秋田県能代市調査結果
写真 6-3 調査路線②
写真 6-4 調査路線②
写真 6-5 路面の状況 調査路線②
74
秋田県能代市調査結果
6-2 現況調査結果
6-2-1
現況調査
各路線の諸元は表 6-1 のとおりである。幾何構造の調査は、調査路線①で 23 点、調査路
線②で 14 点の合計 37 点で実施した。
表 6-1 各ルートの諸元(能代市)
調査区
幅員
m
縦断勾配
%
切土高
m
切土
のり勾配
度
盛土高
m
盛土
のり勾配
度
地山勾配
度
調査路線①
2.8
2.4-4.2
11
0.0-24.0
1.6
0.5-3.3
65
48-80
1.0
0.3-2.1
46
34-65
28
0-45
凝灰岩質土 丸太組工
調査路線②
3.3
2.5-5.8
8
0-16
1.8
0.8-3.0
60
50-72
2.9
0.7-5.8
47
40-65
36
30-43
凝灰岩質土
土質
構造物
-
排水施設
林相
丸太利用洗越工
スギ DBH20cm
1100本/ha
土横断溝
スギ DBH24cm
820本/ha
構造物は、調査路線①で盛土の土羽尻に丸太を横木として施工された土留工と丸太の洗
越工各 1 箇所である。路肩部の締固めが丁寧に行われているところもあるが、路肩の仕上
げが甘いところもあり、そのような箇所では歩行時でも軟弱さがわかる状況であった。
盛土部は、水分と日照条件の良いところは自然に植生が侵入しつつあるが、全体として
植生の侵入量は少ない。施工時の締固め不足や路面水のコントロール不足が原因と考えら
れる。盛土の路肩部分の流出や盛土部の沈下によりクラックが発生している箇所がみられ
た。
切土のり面はのり尻に崩土が堆積している場合が多かった。これは風化によるこぼれ落
ちが主体であり、切土のり面が大きく崩れることはないが、切土勾配を垂直に切り上げて
も、70 度程度で落ち着くようであった。
排水施設は、しばらく供用しない森林作業道ということから、素掘りの横断溝が設けら
れており、路面侵食の防止に寄与していた。この他、ある程度の流水があり、路面が泥濘
化しやすいところでは、丸太を利用した洗越工を設置していた。現地で良質な石礫が得ら
れないことから、流末部は土砂が堆積流出していた。
76
秋田県能代市調査結果
写真 6-6 丸太組工(調査路線①)
写真 6-7 路肩の状況(調査路線②)
写真 6-8 盛土のり面の状況(調査路線①)
77
秋田県能代市調査結果
写真 6-9 路肩の沈下と崩土の状況(調査路線①)
写真 6-10 切土のり面の状況(調査路線①)
写真 6-11 丸太利用の洗越工(調査路線①)
78
秋田県能代市調査結果
6-2-2
衝撃加速度試験及び簡易貫入試験
調査地内の代表的な断面について、キャスポル、簡易貫入試験により、内部摩擦角、粘
着力、コーン指数、地盤反力係数、CBR、N 値を求めた。測定箇所は、表 6-2 のとおりで
ある。なお、測定箇所は 1 測線について山手、中央、川手の 3 箇所を測定した。調査実施
点数は、幾何構造調査を実施したうちの 12 測点である。
表 6-2 試験箇所の状況(能代市)
測点NO
土質
備考
調査路線②
2
調査路線②
14
凝灰岩質土 勾配変化点。路面侵食。
調査路線②
19
凝灰岩質土 勾配変化点。切土高い。
調査路線②
25
凝灰岩質土 全てカット。路面は破砕された礫で構成。
調査路線②
35
凝灰岩質土 低地排水手前。路盤軟らかい。
調査路線②
40
凝灰岩質土 勾配変化点。路盤軟らかい。
調査路線①
63
凝灰岩質土 崩土やや多い。路面良い。植生侵入少しあり。
調査路線①
65
凝灰岩質土 勾配変化点。路盤軟らかい。
調査路線①
77
凝灰岩質土 尾根部。路盤良い。
調査路線①
93
凝灰岩質土
調査路線①
95
凝灰岩質土 崩土多い。路盤良い。路面少し洗掘。
調査路線① 113
凝灰岩質礫 切土やや崩れ気味。路盤軟らかい。
盛土の施工良い。路盤は土砂が堆積し軟らか
い。
凝灰岩質土 崩土多い。クラックあり。
①衝撃加速度試験
キャスポルにより、内部摩擦角、粘着力、コーン指数、地盤反力係数、CBR を求めた結
果は表 6-3 のとおりである。図 6-2 のうち P2∼p40 は調査路線②、P63∼P113 は調査路
線①である。なお、CBR については、換算式1により室内 CBR に換算した値も参考として
示した。
1
社団法人地盤工学会、土質試験の方法と解説、P285
79
秋田県能代市調査結果
16
14
12
CBR(%)
10
山側
中央部
川側
8
6
4
2
0
2
14
19
25
図 6-2
35
40
63
測点
65
77
93
95
113
キャスポルによる CBR 測定値(能代市)
表 6-3 衝撃加速度試験結果(能代市)
項目
φ(度)
c
qu
K30
CBR
換算CBR
調査路線①
山手
中央
川手
20.40
13.70
14.70
38.70
26.70
34.10
312.50
223.80
355.20
8.30
6.60
15.60
3.70
2.60
4.30
1.85
1.30
2.15
調査路線②
山手
中央
26.40
20.10
61.00
37.10
631.10
284.80
27.50
6.40
7.70
3.30
3.85
1.65
川手
21.30
45.80
436.90
16.80
5.30
2.65
qu:コーン指数、K30:地盤反力係数
水の影響を受けやすい土質であるため、全体として値は低い。調査路線②は、滞水しや
すい箇所としにくい箇所での値に差がなかった。一方、調査路線①では、差が明瞭で、水
の影響を受けにくい P77 は、他の測点に比べ値は高かった。また、P113 はクラックが発生
していた箇所だが、乾燥しやすいため、路面部の値は高かった。
②簡易貫入試験
衝撃力試験を実施した箇所と同じ箇所において、それぞれ山手側、中央部、川手側を測
定した。図 6-3∼図 6-5 は締固め不足と思われた箇所 2 箇所、よく締固められていた箇所 1
箇所の調査結果を図化したものである。
P35 の表層は路面水により運ばれてきた土砂が堆積しており、歩いていても軟らかさか
がわかるものであった。簡易貫入計による測定では、盛土部の締固めの不均一さが明瞭に
現われた。路体は川手側に下がり気味であり、特に川手側において、表層から 67cm の深さ
80
秋田県能代市調査結果
の部分から 1 打撃で 36cm 貫入するほど軟弱だった。(図 6-3 参照)
一方、稜線部に位置し縦断線形が凸型である P77 は、締固めは均一のようであり、水分
条件がよいこともあって、調査路線の中では締まった路盤となっていた。(図 6-4 参照)
P93 は盛土の施工状態はよかったが、滞水していた痕跡がみられた箇所である。盛土内
部の状態は、道路センターに締固め不足の層が存在し、表層から締固め不足と判断される
貫入値 8cm 以上のものが続いた。表層から 44cm の深さの部分から 1 打撃で 33cm 貫入す
る箇所があり、盛土内部の締固めが不足していた。(図 6-5 参照)
81
秋田県能代市調査結果
6-2-3
室内土質試験
路盤材として用いられていると想定される土層より室内土質試験の試料を採取した。試
料の構成は、礫の混入の違いによる 2 試料とした。試料採取箇所は調査路線①及び②から
採取し、調査中の調査路線②P2(試料 NO:NS-1 やや硬い礫質)及び調査路線①P44(試料
NO:NS-2 手で破砕できる礫質)である。
写真 6-12 NS-1 試料採取箇所(P2 火山灰まじり砂質礫)
写真 6-13 NS-2 試料採取箇所(P44 火山灰質礫質砂)
地表に露出した部分は乾燥しているが、地山内部のものは含水率は高く、握り締めると
手に細かい土粒子が付着する。固結の程度は低く、人の力で割ることができる。
室内土質試験の結果のうち、土構造の安定計算の因子である内部摩擦角(φ)と粘着力(C)
の結果をみると、NS-1 の内部摩擦角は 34.8°、NS-2 の内部摩擦角は 31.5°であった。NS-1
と NS-2 の粗粒分を比較すると、NS-1 の方が 29%高く、これが両試料の内部摩擦角の差の
理由になっていると思われる。両試料とも泥岩、凝灰岩のほかに、粘性分を含む土が混入
していたが、粘着力は、それぞれ 24.6kN/m2、37.8kN/m2 と一般的な値であった。
設計 CBR の値は、NS-1 は 16.74%、NS-2 は 1.2%と大きな差があった。これは、NS-2
85
秋田県能代市調査結果
の礫は手で簡単に破砕できるほど固結度が低く、凝灰岩の節理部分の粘土状鉱物の膨潤化
の影響が出たのに対し、NS-1 の礫は硬かったことを反映したものと思われる。
突き固めによる土の締固め試験の結果は図 6-6 及び図 6-7 に示すとおりである。自然含
水比と最適含水比は 15∼42%の差があり、掘削時点では、触診のとおり水分が高い状態で
ある。このことから、施工時には少し水分を飛ばすことを留意して施工する必要がある土
質である。特に調査結果からは、軟らかな岩質のものほど締固めに注意を要する土質とい
える。
最大乾燥密度
ρdmax g/cm3
1.197
最適含水比
自然含水比Wn %
ωopt %
31.4
46.0
備考
図 6-6 乾燥密度-含水比曲線(能代市 NS-1 礫質土)
86
秋田県能代市調査結果
最大乾燥密度
ρdmax g/cm3
1.032
最適含水比
自然含水比Wn %
ωopt %
45.5
87.5
備考
図 6-7 乾燥密度-含水比曲線(能代市 NS-2 礫質土)
87
土 質 試 験 結 果 一 覧 表 (基礎地盤)
平成24年度簡易で耐久性のある作業道等の効果的な作設手
法に関する調査事業
調査件名
整理年月日 2012年10月24日
整理担当者 島田 直樹
試
料
(深
番
号
さ)
湿 潤 密 度 ρt g / c m3
一 乾 燥 密 度 ρd g / c m3
土粒子の密度 ρs g / c m3
粒
m
m)
46.0
87.5
1)
74.7
16.8
1)
分 ( 0.075∼2mm)%
15.8
44.1
シルト分 1)(0.005∼0.075mm)%
8.6
31.7
0.9
7.4
26.500
26.500
98.363
46.917
6.6025
0.1780
123.5
間
隙
比 e
度 Sr
飽
和
石
分 ( 75m m以上) %
礫
分 ( 2 ∼ 75 mm ) %
砂
%
粘 土 分 (0.005 m m 未満 )%
最 大 粒 径
mm
均 等 係 数 Uc
50 % 粒 径 D50
mm
液 性 限 界 wL
%
95.0
塑 性 限 界 wp
%
43.4
56.4
51.6
67.1
-
コ
ン
シ
ス
テ
ン
シ
m)
(
∼
2.476
%
1)
度
Ns-2
m
2.465
自 然 含 水 比 wn
般
Ns-1
(
∼
塑 性 指 数 Ip
分
地盤材料の
特
性
分
類
類
火山灰まじり砂 火山灰質礫質砂
質礫
名
分 類 記 号
GS-V
SVG
CD
CU
試 験 方 法
圧
圧 縮 指 数 Cc
圧密降伏応力 p c kN/m 2
密
一
軸
圧
縮
一軸圧縮強さ q u kN/m 2
試 験 条 件
せ
全 応 力
ん
断
有効応力
c
kN/m 2
φ °
24.6
37.8
34.8
31.5
c ′ kN/m 2
φ′ °
特記事項
1) 石分を除いた 75m m 未満の土質材料
に対する百分率で表す。
[ 1kN / m 2≒ 0. 0102kgf / cm 2 ]
( )
社 地盤工学会 4161 不 許 複 製
土 質 試 験 結 果 一 覧 表 (材
平成24年度簡易で耐久性のある作業道等の効果的な作設手
法に関する調査事業
調査件名
料)
整理年月日 2012年10月24日
整理担当者 島田 直樹
試
料
(深
番
号
さ)
湿 潤 密 度 ρt g / c m3
一 乾 燥 密 度 ρd g / c m3
土粒子の密度 ρs g / c m3
粒
Ns-1
m
m)
46.0
87.5
1)
74.7
16.8
1)
分 ( 0.075∼2mm)%
15.8
44.1
シルト分 1)(0.005∼0.075mm)%
8.6
31.7
0.9
7.4
26.500
26.500
98.363
46.917
mm
6.6025
0.1780
液 性 限 界 wL
%
95.0
123.5
塑 性 限 界 wp
%
43.4
56.4
51.6
67.1
間
隙
比 e
度 Sr
飽
和
石
分 ( 75m m以上) %
礫
分 ( 2 ∼ 75 mm ) %
砂
%
粘 土 分 (0.005 m m 未満 )%
最 大 粒 径
mm
均 等 係 数 Uc
50 % 粒 径 D50
-
コ
ン
シ
ス
テ
ン
シ
Ns-2
m
2.476
%
1)
度
m)
(
∼
2.465
自 然 含 水 比 wn
般
(
∼
塑 性 指 数 Ip
分
地盤材料の
特
性
分
類
火山灰まじり砂 火山灰質礫質砂
質礫
名
類
分 類 記 号
GS-V
SVG
締
固
め
試 験 方 法
E-c
E-c
最 大乾 燥 密度ρdmax g / c m3
1.197
1.032
最 適 含 水 比 wo p t %
31.4
45.5
試 験 方 法
C
B
比 re
%
貫入試験後含水比 w 2
%
0.200
49.6
0.336
88.3
平
均 CBR
%
16.74
1.20
突固め回数
回/層
膨
張
R
コ
ン
コ ー ン
指 数 q c kN/m2
指
数
特記事項
1) 石 分 を 除 い た 75 m m 未 満 の 土 質 材 料
に対する百分率で表す。
[ 1kN / m 2≒ 0. 0102kgf / cm 2 ]
( )
社 地盤工学会 4162 不 許 複 製