川中島バスの運賃改定について [PDFファイル/83KB]

川中島バスの運賃改定につ
いて
川中島バス株式会社
1.経常損益の現状
一般路線バスでは乗客数が減少を続け、毎年経常
欠損を計上している状態
経常損益の推移
100
(百万円)
0
-100
-200
-300
-400
-500
03年
04年
05年
06年
07年
08年
全事業
一般路線
2.経常欠損解消のために
①乗客増加のための諸施策(増収策)の実施
施策
詳細
効果
エコ定期券制度の実施
定期券をお持ちの方とその家族が、土休日は路線バスどこ
でも1回100円で乗車できる(長電バスと共同実施)
土休日1日平均150人程度
が利用
ちびっこ50円制度の実施
小学生は土休日どこまで乗っても1回50円
土休日1日平均100人程度
が利用
「バスで学校」(
学生1年定期券)
の発売
長野駅から近郊の学校(6校)まで1年間40,000円又は
50,000円で乗れる定期券を発売
6校合計で約300名が利用
フリーきっぷの発売
100円エリア1日フリー券と善光寺∼松代の1日フリー券、戸
隠方面の3日間フリー券を発売
年間合計500万円規模
シャトルバスの積極的な受注
プロ野球やコンサートなど各種イベントのシャトルバスを積
極的に受注・
運行
年間合計2,000万円規模
バスまつりの開催
本社にてイベント「バスまつり」開催
路線バス部門では、バスで
の来場者の運賃収入が約
40万円
2.経常欠損解消のために
②乗りやすいバスの実現に向けての諸施策
施策
詳細
効果
長野駅への乗り入れ
高府線など長野駅に乗り入れていなかった路線を、長野駅
に入れた
等時隔ダイヤの実施
同じ時間間隔で運行し(例えば15分おきなど)
、わかりやす
く、時刻表なしでもご利用できるようにする
市街地各線ではほぼ完全
実施
低床車両の積極導入
補助金をいただいて導入する新車はもちろん、中古車も確
保できる限りワンステップやノンステップの低床車両とする
03年度で11両だったものが
現在34両
中古車両の座席増設
都会の車両は立ち席を多くとるため座席が少ないが、当社
では高齢者のご利用が多いため、中古車量導入の際に座
席を増設する
約25席を約35席に増設す
る
系統番号の整理
系統番号を整理し、長野駅の発車番線を基本に付番しなお
した。長電バスとの重複も解消し、わかりやすい番号とした
傘の貸し出し
車内に傘を常備し、急な雨のときなど貸し出して活用してい
ただく
ラッピングバスの運行
クリスマスラッピングや「信州の花」や「信州の蝶」などを
テーマにした乗って楽しくなるラッピングバスを運行
一般路線バス約30両
2.経常欠損解消のために
③経費削減策の実施
施策
詳細
効果
人件費の削減
諸手当の見直し、昇給の停止、臨時給支給月の削減
ダイヤ削減の効果と合わせ、
03年度と比較し、約3000万
円の効果
中古車にて車両入替
廃車車両の入替で導入する車両を、都会で十数年使った
中古車として設備投資・
減価償却を抑えるもの
新車と比較し価格で1/4程
度(10台で1.5億円以上の
効果)
アイドリングストップの実施
信号や折り返し待機等の際エンジンを停止し、高騰する燃
料費を少しでも節約するもの
年間推定300万円の効果
車両入替を先送り
車両の入替を先送りすることにより設備投資・
減価償却を
抑えるもの
(設備投資・減価償却の効
果があるが、老朽化が進み
耐用年数を越えた車両が増
える逆効果がある)
事故防止により保険料の削減
事故の減少により保険料の掛金が下がった
03年度と比較し300万円程
度の効果
2.経常欠損解消のために
④その他の諸施策
施策
詳細
効果
BDFバスの運行
BDF(バイオディーゼル燃料)を100%使用したバスを県内
路線バス会社で唯一運行している
二酸化炭素がゼロカウント
となる
クリスマス等のイベント
クリスマスにサンタやトナカイなどの扮装をしてプレゼントを
配ったり、新車導入時に試乗会を実施したりする
06年・
08年には本社で「バスまつり」を開催した
08年のバスまつりは半日で
1500人の来場
バス模型などグッズの制作
愛好家に人気のバス模型「バスコレクション」やバスの被り
物をしたキューピーちゃんなどのグッズを発売
バスコレクションは約1000
万円の売り上げ
3.運賃改定の必要性
n
n
n
廃車入替する車両数を抑えられたため、当社が耐用としている20年を越えた車両が現在28両にも上っ
ている
廃車入替を中古車で行い、購入経費を抑えているものの、古いため修繕費は増加してしまう。
燃料費が高騰しており、5年前と比べ当社全体で2億円近く増加してしまっている
▽
「2.経常欠損解消のために」での諸施策を実施
してもなお黒字化が望めない、企業努力の限
界の状態で、運賃改定をお願いする他ない
3.運賃改定の必要性
この時期に改定をする理由
日程
国土交通省対応
アルピコグループ対応
1
平成19年3月
全国的に運賃改定を希望する会社が各地
決算状況から運賃改定具体化検討
域において増加
2
平成19年5月
運賃改定作業開始国土交通省・
日本バス
長電バスに引き続いて改訂模索
協会と調整開始
3
平成19年10月
国土交通省・日本バス協会と調整
4
備 考
この頃からグループ各種制約が始まる
私的整理ガイドライン適用
平成19年12月25日
運賃改定申請事前説明:
手続き開始
5
平成20年1月
産業活力再生特別措置法の適用説明
グループ再生計画の審査を優先
6
平成20年2月
産業活力再生特別措置法による計画作業
アルピコグループ再生計画に基づき実施
促進(運賃改定作業中断)
7
平成21年1月
運賃改定申請作業開始具体化の指示がで
る
8
平成21年3月末
平成20年度末日にて申請書提出指示が
有り
9
平成21年6月
審査本格化∼認可
2009/3/31付申請
産業活力再生特別措置法は経済産業省及
び国土交通省の2省に関係して審査
※グループとして各種経営内容が変動して
おり原価が固定しない為中断
4.運賃改定の効果
n
運賃改定をしなければ、補助金込みでも10年度以降は赤字となってしまう(
09年度につい
ては御開帳輸送による増収があるため黒字を維持できる見込み)
n
運賃改定によって、補助金込みで黒字を維持できる。(しかしその幅は年々減少することが
予想される)
これにより車両を年間13∼14両入替でき、サービスの向上を図ることができる(年々適正な
状態に近づける)
n
(百万円)
収益の見込み
40
20
0
-20
-40
-60
-80
-100
08年度
09年度
10年度
11年度
経常収益(改定なし)
補助金込み(改定なし)
補助金込み(改定後)
5.運賃改定の概要
<現行運賃>
・基準賃率 47円80銭
・初乗り運賃 150円
・特別初乗り 100円
<改定運賃>
・基準賃率 50円20銭
・初乗り運賃 160円
・特別初乗り 100円
・平均値上げ率 5.1%
(実質約3.6%)
5.運賃改定の概要
主な区間の運賃表
長野駅∼ 宇木
長野駅∼ 若槻団地
長野駅∼ 善光寺大門
長野駅∼ 日赤
長野駅∼ 松岡
長野駅∼ 大塚南
長野駅∼ 犀北団地
長野駅∼ 小市団地
長野駅∼ 瀬脇
長野駅∼ 新町
長野駅∼ 大原橋・
犀峡高校
長野駅∼ 中条
長野駅∼ 高府
長野駅∼ 初引
長野駅∼ 丹波島橋南
長野駅∼ 松代駅・
松代高校
長野駅∼ さいなみ団地
長野駅∼ 中氷鉋北・
川中島駅入口・
三本柳
長野駅∼ 運転免許センター・
高田
長野駅∼ 篠ノ井駅
長野駅∼ 北屋島
長野駅∼ 大豆島東団地
長野駅∼ 飯綱高原
長野駅∼ 影山
長野駅∼ 戸隠中社宮前
長野駅∼ 戸隠キャンプ場
長野駅∼ 戸隠スキー場
長野駅∼ 鬼無里
片道運賃
現行 改定
300
320
400
400
100
100
200
200
370
390
400
430
150
160
360
370
580
600
1,130 1,150
1,260 1,300
890
920
1,160 1,200
1,360 1,400
250
260
600
600
440
460
300
310
通勤定期1ヶ月
現行
改定
12,000 12,800
16,000 16,000
4,000
4,000
8,000
8,000
14,800 15,600
16,000 17,200
6,000
6,400
14,400 14,800
23,200 24,000
45,200 46,000
50,400 52,000
35,600 36,800
46,400 48,000
54,400 56,000
10,000 10,400
24,000 24,000
17,600 18,400
12,000 12,400
通学定期1ヶ月
現行
改定
9,000
9,600
12,000 12,000
3,000
3,000
6,000
6,000
11,100 11,700
12,000 12,900
4,500
4,800
10,800 11,100
17,400 18,000
31,900 32,100
33,200 33,600
26,700 27,600
32,200 32,600
34,200 34,600
7,500
7,800
18,000 18,000
13,200 13,800
9,000
9,300
540
540
380
410
760
800
1,160
1,360
1,310
1,130
21,600
21,600
15,200
16,400
30,400
32,000
46,400
54,400
52,400
45,200
16,200
16,200
11,400
12,300
22,800
24,000
32,200
34,200
33,700
31,900
500
550
400
420
780
830
1,200
1,400
1,350
1,150
20,000
22,000
16,000
16,800
31,200
33,200
48,000
56,000
54,000
46,000
15,000
16,500
12,000
12,600
23,400
24,900
32,600
34,600
34,100
32,100