東京都千代田区大手町 1-2-3 TEL:03-5218-5555 FAX:03-5218-5566 三井生命大手町ビル 2F ARCADIA NEWS 平成 18年 6 月号 執筆責任者:諸角三奈子 【テーマ:新会社法】 今回のテーマは税制改正と会社法の実務です。 アーケイディアニュースでは 4 月号に税制改正を、5 月号に新会社法をご紹介しました ところ、多数の質問をいただきました。いただいた質問の中から特に多かったものを Q&A 方式でご紹介いたします。 (1) 交際費の損金算入 1 人当たり 5,000 円以下の飲食による接待等については、損金算入が認められることとな りました。交際費課税の質問及び回答は以下の通りです。 Q.いつから適用ですか? A.平成 18 年 4 月 1 日以後に開始する事業年度から適用されます。 例えば、8 月決算の会社で、進行期の事業年度が 17 年 9 月 1 日∼18 年 8 月 31 日の会社 は、18 年 9 月からの適用になります。 18 年 4 月 1 日以後に開始する事業年度 17 年 9 月 18 年 4 月 18 年 9 月 旧税法のまま 19 年 8 月 18 年 9 月 1 日から適用 Q.交際費で 1 人あたり 5,000 円以下でしたら何でも損金算入できますか? A.社外の者との飲食のみになります。 役員や従業員との食事(ただし、福利厚生費になるものは福利厚生費として損金に算入 できます。)や、お客様とのゴルフなど食事ではないものは規定外になります。 1 東京都千代田区大手町 1-2-3 TEL:03-5218-5555 FAX:03-5218-5566 三井生命大手町ビル 2F Q. 社外の者と飲食を共にした証拠は必要でしょうか? A. 規定の適用を受けるに当たって、接待した相手先名称、飲食の席に出席した者の人数 を正しく記録して保存しなければなりません。 領収書などに記載しておくことをお勧めしています。 Q.1 人あたり 5,000 円を超える接待はどうなるのでしょうか? A.大企業でしたら全額損金不算入、中小企業でしたら 400 万円に達するまでの額の 90% 相当額のみ損金に算入することができます。 中小企業は以前から、400 万円に達するまでの額の 90%相当額のみを損金に算入するこ とができましたが、今回の改正により、1 人当たり 5,000 円以下の飲食による接待等に関 しては、全額損金に算入できるようになりました。 Q.子会社や関連会社の役員や使用人との飲食は、 「社外の者」との飲食に該当するのでし ょうか? A.該当します。 子会社、親会社、関連会社等は別会社として考えられますので、交際費の概念に沿うも のであれば該当することになります。 (2) 新会社法の実務 Q.確認会社で設立しましたが、増資する必要がないなら何もしなくてもいいのでしょう か? A.資本金 1,000 万円に増資する必要はありませんが、登記する必要があります。 確認会社の定款と謄本には「設立の日から 5 年以内に資本金を 1,000 万円にしないと解 散する」事項が記載されています。取締役会等で定款の定めの変更を決議し、解散の事 由を抹消する登記を申請してください。 ※「確認会社」とは経済産業大臣の確認を受け設立された会社であり、最低資本金に関す る定めが緩和された点に特徴がありました。上記の事例は、株式会社について記載して います。 2 東京都千代田区大手町 1-2-3 TEL:03-5218-5555 FAX:03-5218-5566 三井生命大手町ビル 2F Q.確認会社の抹消の登記はいつまでにすればよろしいでしょうか? A.設立の日から 5 年以内に登記してください。 Q.以前より株式会社で取締役が 3 人おりますが、新会社法により取締役を一人にするこ とができると聞きました。役員を一人にするにはどうすればいいのでしょうか? A.登記が必要です。 定款に取締役会設置の廃止と取締役の員数の削減の旨を記載し、登記をしてください。 ただし、株式の譲渡制限がある会社でなければ、取締役を一人にすることができませ ん。また、その取締役が自社の株を多く所有している場合には、従来よりも多く課税 されてしまう場合もありますので、ご注意ください。 (アーケイディアニュース 4 月 号を参照してください。) 【推薦又は非推薦図書】 題 名: ライブドアの世界一になるキャッシュフロー経営 著 者: 堀江貴文/宮内亮治 出 版 社: サイビス 結 論: 推奨 感 想 文: 今でも世間が注目しているライブドアの元 CEO・CFO が著した本です。弥 生会計(会計ソフト)の宣伝が若干多いことが気になりますが、会計・税法 の考え方、やキャッシュフローの大事さ、そしてライブドアの経営理念など、 経営者にとって興味のある内容がぎっしりつまった一冊です。会計や税務を 苦手とする人でも、内容をわかりやすく説明しているため、読みやすいかと 思います。 3
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