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2009 年 2 月号
390 号 2 月 2 日
【液晶パネル】友達、今年の設備投資前年比半減 奇美は新規ゼロの同 65%減に
台湾経済日報 2009.01.30
世界第 3 位の液晶パネルメーカー、友達光電(AUO)は、今年の設備投資を昨年の 980
億 NTD に対して約 2 分の 1 の約 500 億 NTD に削減、同業世界第 5 位の奇美電子も今年の
設備投資を昨年の 1000 億 NTD に対して約 3 分の 1 の約 350 億 NTD に削減することを明ら
かにした。
友達光電総経理の陳来助氏は、今年はガラス基板年産能力 2 万枚の 8.5 世代生産ライン
の建設に資金を集中する計画で、その他の投資計画は当分凍結することを明らかにした。
同 8.5 世代生産ラインは今年 7-9 月に量産を開始する予定で、フル稼働すれば友達光電
の総生産能力は面積ベースで従来比で 15%拡大される。同氏は今年の世界の液晶パネル
需要は昨年比 10-20%は拡大するものの、供給能力も 15-18%拡大するため、需給バランス
は保たれ市況も緩やかに安定していくことを主張、過度に悲観的になることを避けるべ
きとしている。友達光電財務部長の楊本豫氏は、友達光電の現在の手持ち現金は約 850
億 NTD、未稼働の短期借入金 960 億 NTD を加えると、友達光電には約 1800 億 NTD の現金
資産があり、年内計画されている設備投資 500 億 NTD、年内に期限が到来する短期負債
の支払い 450 億 NTD も十分に賄うことが可能としている。
一方、奇美電子は過去数年設備投資 1000 億 NTD 規模を維持してきたが、今年は昨年開始
された投資計画未実行分の 350 億 NTD に抑制、新規投資は一切行わないことを明らかに
している。また現在建設中の 8.5 世代生産ラインのガラス基板生産能力を先般当初計画
の 3 万枚から 5 千枚に削減することを発表していたが、直近では 5 千枚についても当分
凍結される可能性が高まっている。
【液晶パネル】今年の液晶 TV 出荷額、数量前年比 17%増でも 16%減となる見通し
台湾経済日報 2009.01.30
液晶パネル産業の景況感回復には、各種液晶パネル価格が全面的に反転上昇することが
不可欠とされているが、昨年後半からの各社の大幅減産により世界の液晶パネル在庫水
準は大幅に低下、今後液晶パネル価格が大幅に上昇することは難しいものの再下落する
余地もないと見られている。こうした状況下、世界の液晶パネル産業は今年前半に底を
打ち、後半には回復に向かうチャンスもあるのではと見る向きも増えている。
しかしその一方で、世界同時不況の環境下で今年の液晶パネル市場が前年を下回るリス
クも否定できず、大手ディスプレイ市場調査機関 DisplaySearch が既に今年の世界の液
晶テレビ出荷額が 2000 年に液晶テレビが登場して以来初めての前年割れに陥る、今年の
世界の液晶テレビ出荷金額は出荷量が前年比 17%増の 1.2 億台になるものの前年比 16%
減になると予測している。このように需要の冷え込みが予想されるなか、友達、奇美、
華映、三星、LGD などの世界の主要液晶パネルメーカーは協調減産を通じて価格の下落
を食い止めようとしており、直近の在庫水準は液晶モニター、液晶テレビを問わず正常
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水準である 2 週間以下に低下、カスタマーの緊急発注により価格の上昇も見られるよう
になっている。台湾最大の液晶テレビ ODM メーカーである瑞軒(Amtran)董事長の呉春
発氏は、液晶パネル産業が今年前半に上向く可能性は低いが、液晶パネル価格がこれ以
上下落するとは考えにくく、今年後半には採算が確保される水準までは上昇する局面も
あり得るとの見方を示している。
【パソコン】中華圏パソコン ODM 産業、年内景気回復には悲観的、来年も厳しいと
台湾経済日報 2009.01.30
世界のパソコン産業が、液晶パネル産業同様、今年前半は厳しいが後半は緩やかに回復
することが期待されているが、世界最大の EMS、鴻海(Foxconn)董事長の郭台銘氏は、
「今年は自然に明るさが戻ってくることは期待できない」としているほか、世界第 2 位
のノートパソコン ODM、仁宝(Compal)董事長の許勝雄氏も「景気回復には 3 年かかる」、
世界首位のノートパソコン ODM、広達(Quanta)董事長の林百里氏は「今年の景気回復
は期待できない、来年も厳しさが続く」との見方をしており、今年後半に回復するとの
楽観的見通しには距離を置く慎重な経営スタンスを取っている。
スイスの大手証券会社、クレディスイスは、昨年の世界のパソコン出荷量は 3 億台で前
年比 10.3%増となったが、今年の世界のパソコン出荷量は前年比 4.3%減の 2.87 億台にな
ると予測しているほか、低価格ノートパソコン Netbook の普及が進むことでパソコンの
平均単価が下落するため売上高の落ち込みは数量の落ち込みを確実に上回る、今年の世
界のパソコン総売上高は前年比 15.5%減の 2185 億米ドルになると予測している。
一方、ノートパソコン市場については在庫水準が 3-4 週間で健全な水準にあることため、
2 月下旬ごろからは新機種投入により徐々に出荷量は上向いていくと予想している。急
成長が続く低価格の小型ノートパソコン Netbook 機種についても IDC 等の主要 IT 市場調
査機関はいずれも今年の Netbook 出荷量は昨年比 2 倍以上に拡大すると予測している。
クレディスイスは今年の Netbook 出荷量が 2000 万台に達しノートパソコン製品市場の
15%を占めると予測している。
こうした環境下、シティグローバルアナリストの戎宜蘋氏は、市場の縮小にに目が行き
がちだが、今後も予想される量販店破綻に伴う売掛金の不良化にも十分留意すべきだと
警告している。
【携帯電話】今年の携帯電話市場、従来型 4%縮小、スマート型は 9%成長の見通し
台湾経済日報 2009.01.30
大手 IT 市場調査機関 IDC は、今年のスマート型携帯電話出荷量は同 8.9%増となるが、
従来型携帯電話出荷量が前年比 3.8%減となることから、今年の携帯電話市場は全体では
同 2.2%減、IT バブル以降初のマイナス成長となるとの最新見通しを発表した。こうした
不況下でもブランドスマートフォン大手の宏達(HTC)及びスマートフォン ODM 大手の華
宝(Compal)については依然業績好調が期待されており、スマートフォンへの依存が例
年以上に高まると見られている。台湾資策会産業情報研究所(MIC)は、今年の台湾のス
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マート型携帯電話出荷量は前年比 8.9%増の 3500 万台に達するとの予測をしている。ま
た台湾の携帯電話 ODM メーカーにより昨年生産された携帯電話は約 8000 万台だったが、
今年は 2.5%減少して 7800 万台になると予測、その上で台湾の ODM/ブランドを含めた各
種携帯電話生産量は今年 1.13 億台、昨年の 1.12 億台に比べ 0.9%増となるとしている。
一方、台湾の拓墣産業研究所は今年はスマート型携帯電話プラットフォームの競争が激
化する、特にグーグルが Android を無料開放する戦略を打ち出したことから今年の
Android 採用スマート型携帯電話の出荷量は昨年の 70 万台にくらべ 10 倍以上の 750 万
台に達すると予測している。
【太陽電池】台湾太陽電池メーカーの中国内地での工場建設を凍結する動き拡大
台湾経済日報 2009.01.30
台湾の太陽電池メーカーでは、茂迪(Motech)が昨年 9 月に中国内地工場を稼働させた
ほか、合晶(Waferworks)、昇陽光電(Solartech Energy)、強茂光電(Panjit)も中国
内地地場メーカーの株式を取得することで中国内地での生産を開始しているが、中美晶
(Sino American Silicon)、緑能(Green Energy)、旺能(Delsolar)等の台湾を代表す
る太陽電池メーカーの中国内地での工場建設が世界的景気後退で凍結されるケースが増
えている。金融危機前は太陽電池の需要が旺盛で、台湾の大手メーカーが競って中国内
地での工場建設を行っていたが、需要の急降下により台湾メーカーの投資意欲が急速に
減退、生産能力の拡大に慎重になるメーカーが増えている。
既に長江デルタの昆山にシリコンウエハ生産ラインを有している中美晶(Sino American
Silicon)は、昨年中国内地にシリコンインゴット生産工場を建設する計画を立てたが、
市場が悪化の一途を辿るなか、台湾域内の新工場建設に集中し中国内地でのインゴット
工場建設は凍結することを決めた。中美晶は台湾竹南第 1 工場のインゴット生産能力を
昨年末に 280MW に拡張、竹南第 2 工場は今年 3 月に完成する予定で中美晶の最大生産能
力は 500MW に達する予定という。
また、緑能は中国内地の內蒙古にシリコンインゴット工場を建設する計画で昨年末に着
工する予定だったが、建設はいまだ開始されておらず、緑能は需要見通しの下方修正を
余儀なくされため計画を凍結したことを明らかにしている
昇陽光電:www.solartech-energy.com/ 強茂光電:www.panjit.com
【半導体】台積電、今年 1Q 売上高予想以上に悪化 本格回復来年以降を予想
台湾経済日報 2009.01.30
半導体ファウンドリ世界最大手の台積電(TSMC)CEO の蔡力行氏は、今年の世界の半導
体産業の総売上高は昨年比 30%減、ファウンドリ産業の総売上高は同 35%減となるとの悲
観的見通しを示したことから、主要市場調査機関が相次いで半導体市場の見通しを下方
修正、産業の回復が今年ではなく来年以降になるとの見方が大勢を占めつつある。台積
電 CEO の蔡力行氏は先般今年 1-3 月の売上高が昨年 10-12 月比 45-50%減の 320-350 億 NTD
になり、四半期業績としては 1990 年以降初めての赤字決算となることを明らかにしてい
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る。半導体産業アナリストの多くは台積電の今年 1-3 月の売上高が昨年 10-12 月比 30%
減程度にとどまると予想していたため、予想を大幅に下回る業績に強い懸念を示してお
り、旧正月後に半導体市況がさらに悪化するとの見方が強まっている。
台積電は、コンシューマー製品の販売状況が予想を大幅に下回っていることから、今年
の世界のデジタル電子製品出荷量は恐らく昨年比 20%減となる、そのため世界の半導体
産業の今年通年の売上高も昨年比 30%減となるとともに川上の半導体ファウンドリ産業
に至っては在庫が高水準にあるため影響はより深刻なものになると異例ともいえる悲観
的な予測を示している。台積電の足許の在庫回転日数は 3 ヶ月近くに達しており、健全
水準といわれる 2 ヶ月以下を大幅に上回っているという。1 月の突発的受注は一時的な
もので持続していないという。
LSI(大規模集積回路)市場調查機関(VLSI Research)は、今年の半導体出荷額が前年
比 10.4%減、半導体設備の出荷額は同 26.3%減になる、半導体産業の本格回復は 2010 年
以降になるとの予測をしている。
【ガラス】コーニング、13%の人員を削減 IT バブル時の教訓生かし早めの対応断行
2009/01/23 Digitimes
ガラス基板大手の米コーニング(Corning)は、需要の縮小に対応するため、現有従業員の
13%に相当する 3500 人を削減するとともに、臨時工 1400 人の削減を行うことを発表した。
同社の 2008 年 10-12 月の純利益は前年同期比 65%減少していた。
IT バブル時に破綻の危機に瀕したコーニングは、財務体質の強化に注力してきたことが
奏功、現在手持ち現金は債務に比べ 12 億米ドル多い状態にあるとしている。
【自動車】マグナ中国事業昨年の重要施策 パワーウィンドウの蘇星電器買収など
蓋世汽車網 2009 年 1 月 30 日
1.蘇星電器の買収
中国地場の自動車用パワーウィンドウ装置メーカー、蘇星電器を買収、マグナ蘇星電器
(張家港)有限公司を正式に開業した。
2.バックミラー生産工場を稼働
外装品、ルーフシステムの中国での現地生産を開始する計画。その一環でバックミラー
生産工場を建設稼働させた。
3.一汽との業務提携拡大、紅旗ブランド高級車の共同開発
第一汽車との提携は紅旗 HQ3 の開発から始まったが、既に複数の紅旗ブランド最高級車
の開発に成功している。
4.マグナステア長春エンジニアリング開発センター開設
エンジニアリング事業会社、マグナステアが吉林省長春市に開発センターを開設。プロ
ジェクトマネジメント、ボディ/内外装品の開発、電子電器照明及びワイヤーハーネスの
エンジニアリングなどを行う。マグナステアは 2004 年 9 月に上海に中国事業本部を設立、
2007 年には武漢に分公司を設立している。長春開発センターは、マグナステアの中国に
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おける 2 つめの分公司となる。
5.上海新工場が稼働
中国地場の完成車メーカー向けにボディフレーム及びシャーシー部品を供給する上海新
工場を稼働した。
【自動車】ビステオン中国事業昨年の重要施策 合肥江淮汽車との合弁など
蓋世汽車網 2009 年 1 月 31 日
1.延鋒ビステオン、江淮汽車合弁で延鋒ビステオン(合肥)汽車飾件系統を設立
江淮汽車向けに座席システム、計器盤など製品の供給を開始。
2.北京、上海、広州の数百人のユーザーを対象にコンセプト調査を実施
調査実施によりユーザーが 1 日平均 2.5 時間車中で過ごしており、車内でのオーディオ
及び空調システムに強い関心を持っていること、特に MP3 搭載、USB インターフェース
採用、ワイヤレス充電機能、強力な冷暖房能力などを強く求めていることを認識するこ
とができたという。ビステオンは 2003 年にも同様のコンセプト調査を実施しており、製
品開発に生かしている。
3.米 3M と提携し中国国内で X-Wave コンセプトカーを出展
X-Wave コンセプトカー出展を通じて、ビステオンはタッチスクリーン式のセントラルコ
ントロールパネル、運転状況の 3D 表示盤、直通式空調ボックス、超薄型補助空調ボック
ス、半透明 TPO 表面ディスプレイ技術、各種材料の縫合技術などを宣伝。
4.ビステオン、江鈴汽車の空調合弁工場拡張が完成
南昌のビステオン、江鈴汽車の空調合弁工場拡張が完成、社名をビステオン汽車空調(南
昌)有限公司に変更した。
5.長安フォードモンデオ向け AV 一体型のナビゲーションシステムの供給を開始
ビステオン中国技術センターで設計された AV 一体型ナビゲーションシステムを長安フ
ォードマツダ汽車のモンデオ向けに供給開始。
6.ビステオン汽車零部件が合肥開発区で稼働
391 号 2 月 4 日
【パソコン】重慶市、HP 重慶パソコン工場の 10 月稼働確保 年産能力 1500 万台
第三媒体 2009-2-1
中国重慶市政府は、HP(ヒューレットパッカード)の重慶パソコン生産基地が今年 10
月に確実に稼働、年末には生産能力年間 1500 万台体制を構築できるよう政府として万全
を尽くすことを明らかにした。
HP 重慶パソコン生産基地は、重慶市の最重点プロジェクトに位置づけられており、HP
と重慶市政府との契約内容によると HP は重慶市に敷地面積 2 万平米のパソコン生産基地
を建設、デスクトップパソコン及びノートパソコン生産ラインを設置し中国内陸市場向
けにパソコン製品を量産することが決められている。HP はすでに上海にデスクトップパ
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ソコン、プリンタを生産する大規模生産基地を有しているが、重慶生産基地は HP にとっ
て中国における 2 つめの大規模生産基地となる。
【パソコン】聯想、昨年 4Q 初の赤字転落を予想 2500 人削減、シニアの報酬削減
2009-2-2 PCBTN
世界第 4 位のパソコンメーカー、聯想(Lenovo)の昨年 10-12 月期決算が同社初の赤字
に転落する可能性が高まっている。大和証券が 5400 万米ドルの最終損失、JP モルガン
が 4400 万米ドルの最終損失を予想、市場調査機関 Gartner は聯想の同期パソコン出荷量
が 550 万台にとどまり、世界市場シェアは 7.1%に低下したとしている。
聯想は既に 2500 人の人員削減のほか、シニア人員の報酬を最高で 5 割減、3 月末までに
アジア太洋州地区事業の統合再編を行うことを発表している。
【液晶テレビ】東芝、台湾への液晶テレビ ODM 拡大 台湾の世界生産シェア 2 割超
2009-2-2 中華液晶網
2009 年の台湾液晶テレビ産業の出荷台数は、最大手の冠捷(TPV-AOC)が 800 万台前後、
その他の 5 大メーカーの出荷量も少なくともそれぞれ 200 万台以上と見られていること
から、全体としては 1600 万台以上に達することが予想されている。
また東芝が 2009 年に台湾液晶テレビメーカーへの ODM を拡大させることから、台湾メー
カーの液晶テレビ世界生産シェアも 2008 年に比べ 0.4 ポイント上昇し 20.1%に達すると
見られている。
【液晶パネル】京東方、昨年損失 7-10 億元を予想 4.5G 及び 6G 投資にも影響
2009-2-2 台湾工商時報
中国地場第 2 位の液晶パネルメーカー、京東方(BOE)は昨年 10-12 月の損失が 8-11 億
元に拡大することから 2008 年通年の損失も 7-10 億元に達するとの見通しを明らかにし
た。京東方は昨年 7-9 月から赤字に陥り、7-9 月の売上高は前年同期比 45.4%減の 17.66
億元、税後損失が 3.96 億元に達していた。京東方のみならず、中国内地の液晶パネルメ
ーカーの 10-12 月の平均稼働率は最も悪いときには 30%近くにまで落ち込んだともいわ
れている。京東方は 2007 年は 7 億元の黒字を達成したが、2006 年には 17.2 億元の赤字
を計上しており、今年計画されている 4.5 世代及び第 6 世代生産ラインへの投資にも少
なからずの影響が懸念されている。
【デジカメ】デジタルカメラ世界市場も今年はマイナス成長予想 牽引役は一眼レフのみ
第三媒体 2009-1-29
日本カメラ映像機器工業協会(CIPA)が 27 日発表した市場見通し報告によると、今年の
デジタルカメラ世界出荷量は過去初めて前年割れ、前年比 0.7%減の 1.1897 億台前後と
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なる見通しで、一眼レフの世界出荷量は前年比 6.8%増の 1034.9 万台となるものの、デ
ジタルカメラ市場全体の 9 割を占めるコンパクト機種の世界出荷は同 1.3%減の 1.0862
億台前後になる見通し。
昨年のデジタルカメラ世界出荷量は前年比 19.3%増、初めて 1 億台を突破し 1.1976 億台
に達したが、そのなかでも一眼レフの世界出荷量は 968.7 万台で前年比 29.7%増、コン
パクト機種の世界出荷量も 1.1 億台で前年比 18.5%増だった。
CIPA は 2010 年及び 2011 年のデジタルカメラ世界市場については緩やかな回復にとどま
り、平均成長率は 2.9%にとどまると予測している。
【太陽電池】益通、英 BP Solar から 50MW 超 6 インチ多結晶太陽電池 OEM 受注
2009/02/01 Digitimes
台湾第 2 位の太陽電池メーカー、益通(E-ton)は、英 BP Solar から 50 メガワット(MWp)
を超える太陽電池 OEM を受注した模様。BP Solar はコストダウン施策の一環でオースト
ラリアの工場を閉鎖することを決め、生産の外部委託を増やすことを明らかにしていた。
業界関係者によると、BP Solar は 5 インチ多結晶太陽電池の一部は台湾最大の太陽電池
メーカー、茂迪(Motech)に発注、6 インチ多結晶太陽電池についてはは益通に発注し
たと目されている。
益通が昨年 9 月に発表したエネルギー変換効率 18%の 5 インチ単結晶製品は有力カスタ
マーの認証を相次いで取得しているが、同社は同水準のエネルギー変換効率を有する 6
インチ単結晶及び 6 インチ多結晶製品についても開発をほぼ終え近くその成果を発表す
る予定。
益通の昨年末の年産能力は 320MWp、昨年の生産量は 150MWp だったが、今年は年産能力
を 440MWp、生産量を 300MWp に拡大する計画で、益通は昨年設備投資に 6000 万米ドルを
投じ、今年は昨年を上回る 8000 万米ドルを投じることを明らかにしている。
【PCB】台湾 CCL メーカー、昆山/常熟/中山工場でも大幅減産 回復には 2 年
2009-2-2 中国 PCB 産業協会
中国エポキシ樹脂産業協会の専門家が先日、近年積極的に進められてきた PCB メーカー
の生産能力拡充が今回の世界的景気後退により急激な過剰設備の増大につながったと指
摘し、台湾及び中国内地の PCB 産業の回復に少なくとも 2 年はかかるとの見通しを示し
た。EMS 世界最大手の鴻海集団(Foxconn)の PCB 工場が操業を一時休止したほか、台光
電子などの台湾の大手銅箔張り積層板(CCL)メーカーが中国内地に稼働させたばかりの
昆山、常熟、中山の工場で既に大幅な減産を行っているなど、設備の過剰感が日増しに
強まっている。
また、台湾の主要 CCL メーカーのここ 2-3 ヶ月の売上高は減産に加えて国際銅価格が昨
年のピーク時に比べ 60%前後下落し CCL 製品販売価格も 20%以上下落したこともあって軒
並み前年の半分程度に落ち込んでいる。
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【半導体】インテル大連 Fab68 工場、メイン工場屋完成 モーゼスレイクも大連工場着工
2009/2/1 生意社
1 月 16 日、インテル大連 Fab68 工場総経理のカービー•ジェファ
ーソン氏は、インテル大連工場のメイン工場屋、データセンター、
在庫保管倉庫、動力補助ビルが完成、設備の据付を開始したこと
を明らかにするとともに、インテル大連工場向けに現像液、洗浄
液などの超高純度化学薬品を供給する多摩化学工業傘下のモー
ゼスレイク(Moses Lake Industries)大連工場が正式に大連開発区で着工したことを明
らかにした。このほか、大連半導体 R&D センターSEMI ビルが完成・
開業したこと、大連工場のメインオフィスビルも 3 月末に使用可
能になることを明らかにした。これまでインテル大連工場関連施
設建設のために調達された資材は 10 億元を超えているという。
また、仏 Air Liquide 社、英 BOC Gases 社、米 Multiplex Inc.等
の世界的著名企業もインテル大連工場向け資材供給に向けて大連
を視察している。
Air Liquide 社:www.airliquide.com/
BOC Gases 社:www.boc-gases.com/
【半導体】チャータード/ブロードコム、昨年 4Q 最終赤字に転落、人員削減策を発表
2009/01/23 Digitimes
世 界 第 4 位 の 半 導 体 フ ァ ウ ン ド リ 、 チ ャ ー タ ー ド セ ミ コ ン ダ ク タ ー (Chartered
Semiconductor)は、昨年 10-12 月の最終赤字が 1.14 億米ドルに達したこと、今後総人員
の 8%に相当する 600 人の人員を削減することを発表した。また市場から財務体質が健全
と見られていた世界最大のネットワークチップメーカー、ブロードコム(Broadcomm)も
同期最終的に赤字になったこと及び人員削減を行うことを発表した。
チャータードの昨年 10-12 月の業績は、売上高は前年同期並みの 3.517 億米ドルに達し
たが、最終損失は 1.14 億米ドルに達し設備利用率は 59%に低下した。チャータードは昨
年 7-9 月に既に総人員の 10%に当たる 1300 人を削減しているが、今般の追加発表により
削減総数は総人員の 18%に達することになる。また、ブロードコムの昨年 10-12 月の業
績は、売上高は前年同期比 9.7%増の 11.3 億米ドルに達したものの、最終損失は 1.592
億米ドルに転落した。
【半導体】フリースケール、携帯電話チップ事業撤退で 20%人員、4800 人を削減
2009-2-1 PCB 中国網
1 月 31 日、米フリースケールは、携帯電話チップ事業からの撤退に伴って世界規模で総
人員の 20%に相当する 4800 人を削減することを明らかにした。フリースケールの昨年
10-12 月の売上高は 9.4 億米ドルで前年同期比 39%減、2008 年通年の売上高も 52 億米ド
ルにとどまり前年の 57 億米ドルを下回った。
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【半導体】ST、昨年 4Q 売上高前年比 17%減 4500 人削減及び設備投資半減
2009/2/2 騰訊科技
欧州最大のチップメーカー、ST マイクロ(STMicroelectronics)は、2009 年の総額 7 億米
ドルのコストダウンの一環として 4500 人の人員の削減、設備投資の前年比半減(5 億米
ドル)とすることを明らかにした。同社の昨年 10-12 月の売上高は前年同期比 17%減の
22.76 億米ドルとなっていた。
【自動車】マレリー、上海汽車と合弁で油圧部品生産企業を設立 年産 35 万台分
財華網 2009 年 2 月 2 日
イタリアフィアット傘下の自動車部品メーカー、マレリー(Magneti Marelli)は、上海
汽車と合弁契約を締結、中国に合弁で油圧部品生産企業を設立した。出資比率が 50:50。
合弁企業は今年後半には稼働予定。年産能力はトランスミッション用油圧部品 35 万台分。
392 号 2 月 6 日
【EMS/ODM】仁宝、宏碁 Netbook 好調/東芝液晶 TV 受注増で 28%拡大目指す
2009-2-4 中華液晶網
世界第 2 位のノートパソコン ODM の仁宝(Compal)は、今年の出荷量目標を前年比 28%
増の 3200 万台とし強気の見通しを示したが、その算出根拠として宏碁の Netbook 機種が
急成長していること、東芝からの液晶テレビ受注が急拡大していることを挙げた。
仁宝の昨年の液晶テレビ出荷台数は前年比 7 倍に拡大しているが、そのうち東芝向けが
9 割を占めている。今年も液晶テレビの出荷台数は東芝向けを中心に前年比 80%以上拡大
することを見込んでいるという。東芝の 2010 年の液晶テレビ出荷目標は 1500 万台だが、
そのうち半分超の 800 万台を台湾の ODM メーカーにアッセンブリ委託する計画を明らか
にしている。
このほか、仁宝はノートパソコンの自社生産を堅持している富士通が近く一部生産を
ODM に委託すると見込んでおり、富士通からの新規ノートパソコン ODM 受注も出荷増に
寄与するとしている。
【パソコン】ノート ODM の 1 月出荷が前月比 3 割減 大手 4 社出荷 600 万台確保
2009/02/04 Digitimes
今年 1 月のノートパソコン ODM 出荷量は昨年 12 月比 3 割減となったものの、4 大メーカ
ー、広達(Quanta)、仁宝(Compal)、緯創(Wistron)、英業達(Inventec)の合計出荷
量は 600 万台を超えた模様。ノートパソコン ODM 業界筋によると、広達の 1 月のノート
パソコン出荷量は 180-200 万台、仁宝は同 160 万台、緯創は同 150 万台、英業達は同
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100-120 万台としている。また 2 月以降に低価
格小型機種 Netbook の大口受注が入ってくるこ
と、ブランド最大手の HP の発注が 2 月以降に集
中していることなどから、ノートパソコン ODM
の出荷量は今後小幅ながら逐月で拡大すると見
られている。ただ、今年はノートパソコンの出荷量が初めてデスクトップパソコンを超
える転換の年でもあり、ノートパソコン市場は依然高い成長率を維持するものの、低価
格 Netbook 市場の急成長により今年のノートパソコン出荷台数は 1.4 億台を超える程度
となる見通し。
昨年のノートパソコン出荷量が 3650 万台だった業界最大手の広達は、今年は前年比 15%
以上増の 4200-4300 万台を目標にしているが、広達の主力カスタマーであるアップル、
デル、東芝がノートパソコン市場シェアを低下させていることが懸念材料となっている。
また、業界第 2 位の仁宝は今年の出荷見通しについて前年比 25-28%増の 3200-3500 万台
を目標としているが、ベトナム工場新設及び中国内地工場拡張などの計画を当分凍結す
ることから 3200-3500 万台はいささか楽観的過ぎるとの意見も出ている。
また、業界第 3 位の緯創は今年の出荷目標を 2500-2800 万台、英業達は HP 向け商用機種
及び東芝向け出荷が安定していることから今年の出荷見通しを 1700-1750 万台としてい
る。
【液晶パネル】大型液晶パネル価格推移:2009 年 1 月 5 日 vs2 月 5 日
韓国 DisplayBank
Monitor Panel
Size
2008-12
2009-01
2009-02
MoM (%)
QoQ (%)
YoY (%)
15
$48
$48
$48
0%
12.73%
54.29%
17
$54
$54
$55
1.85%
8.33%
55.65%
19
$70
$70
$70
0%
9.09%
51.05%
19 Wide
$57
$57
$60
5.26%
4.76%
52%
22 Wide
$81
$81
$83
2.47%
6.74%
Notebook Panel
Size
2008-12
2009-01
2009-02
MoM (%)
QoQ (%)
YoY (%)
13.3W
$71
$69
$69
0%
11.54%
38.39%
14.1W
$46
$45
$45
0%
19.64%
54.55%
15.4W
$48
$46
$46
0%
17.86%
54.9%
10
2009 年 2 月号
17W
$75
$73
$73
0%
12.05%
39.17%
LCD TV Panel
Size
2008-12
2009-01
2009-02
MoM (%)
QoQ (%)
YoY (%)
26W(TN)
$125
$125
$125
0%
10.71%
-
32W
$160
$160
$160
0%
15.79%
51.52%
37W
$260
$255
$255
0%
12.07%
42.05%
42FHD
$330
$325
$325
0%
14.47%
39.81%
46FHD
$500
$490
$490
0%
12.5%
-
【通信機器】華為の国際特許申請数、Panasonic 抜き世界首位 中興も 100 位内
2009 年 02 月 02 日 第一財経日報
中国地場最大の通信設備メーカー、華為(Huawei)は 20 年余りの不断の開発努力により
海外の大手メーカーとの差を急速に縮めており、世界知的財産権機構(WIPO)が先日発表
した 2008 年国際特許申請数順位で申請数 1737 件でパナソニックの 1729 件を 8 件上回り
世界首位となった。申請数第 3 位はフィリップ、第 4 位はトヨタだった。また申請数上
位 100 社のうち、38 社が米国企業、28 社が日本企業、13 社がドイツ企業だった。中国
地場企業で 100 位内にランクされたのは、1 位の華為以外では世界第 6 位の携帯電話メ
ーカー、中興通訊(ZTE)だけだった。
【携帯電話】携帯電話世界出荷、昨年 4Q は初の 3Q 比減 1983 年以来最悪
2009-2-3 中華液晶網、電子工程
市場調査機関 Strategy Analytics は、昨年 10-12 月の携帯電話世界出荷量が初めて 7-9
月を 10%下回る 2.95 億台となったことから、昨年通年の携帯電話世界出荷量は前年比 5%
増の 11.8 億台にとどまったことを明らかにした。
Strategy Analytics モバイル市場主任アナリスト Neil Mawston 氏は、コンシューマエ
レクトロニクス産業は米国の不動産産業及び自動車産業の崩壊に巻き込まれるように急
速に悪化しており、今年の携帯電話世界出荷は昨年を 9%下回る 10.8 億台にとどまり、
携帯電話産業が始まった 1983 年以来最悪の 1 年になると予測している。また、携帯電話
産業の 5 大ブランドメーカーのうち、ノキア、ソニーエリクソン、モトローラの欧米勢
3 社の出荷量は前年を下回るだろうと予測している。一方、三星、LG の韓国勢 2 社につ
いては出荷量をさらに伸張、三星においては世界シェアを 18%まで拡大すると予測して
いる。
11
2009 年 2 月号
【太陽電池】香港耀飛、2 億米ドルを投じ江蘇丹陽に GIGS 系太陽電池工場建設
2009-2-5 中国電子部品産業協会
香港の太陽電池技術開発企業、耀飛発展有限公司は、丹陽市丹昇創業投資有限公司、雲
陽南区経済発展有限公司と合弁で 2 億米ドルを投じて丹陽市に江蘇金光伏太陽能科技有
限公司を設立、CIGS 系薄膜太陽電池の技術開発、製造販売を行うことを発表した。
香港耀飛発展有限公司は、同社が独自に開発した CIGS 系薄膜太陽電池技術は結晶シリコ
ン型太陽電池に比べ生産コストが低くエネルギー変換効率が高いという優位性を持って
いるという。CIGS 系薄膜太陽電池は、銅(Cu)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、セ
レン(Se)からなるカルコパイライト型と呼ばれる結晶構造をもつ半導体薄膜材料で、
米国再生可能エネルギー研究所がすでに 19.9%のエネルギー変換効率の実現に成功して
おり、次世代薄膜太陽電池材料として注目されている。
【半導体】台湾日月光、重慶に子会社・環慶電子設立 4 月から工場建設開始
2009-2-4 中国電子部品産業協会
世界最大の半導体実装検査企業、台湾の日月光集団(ASE)は、正式に重慶西永微電園に
10 億元を投じて現地法人、環慶電子を設立、今年 4 月に工場の建設を開始することを決
めた。今月 11 日には米 HP が重慶パソコン生産基地の建設を開始、年間 400 万台のノー
トパソコンを中国内陸市場向けに生産する計画を進めており、環慶電子は主にパソコン
用マザーボードなどの実装検査を行うことになるとしている。
【半導体】大聯大/友尚、キマンダ破産効果で売上高伸張 メモリ価格 30%近く上昇
台湾経済日報 2009.02.04
半導体流通大手の友尚(Yosan)、大聯大(WPG)は、キマンダ(Qimonda)破産により DRAM、
Flash の現物価格がここ数日で 30%近く上昇していることから売上高が大幅に伸張して
いることを明らかにした。特に世界最大の DRAM メーカーである三星の中華圏最大の代理
店である友尚(Yosan)は、売上高の 7 割を占める DRAM、Flash 価格が 20-30%上昇して
いるため、売上高が 20%前後拡大しているという。また、キマンダの破綻により世界最
大シェアを持つ三星がシェアをさらに伸張させていることも、三星を最大カスタマーと
する友尚には大きな支援材料となっている。
一方、大聯大はロジック半導体を主力製品としているが、メモリも売上高の 10%を占め
毎月 10 億 NTD の売上があることから、大聯大にとっても DRAM/Flash 価格の上昇は強い
追い風となっている。大聯大は今月に詮鼎の買収を完了することから 1-3 月の売上高が
保守的に見ても 30 億 NTD 以上に達すると見られている。
【キャパシタ】寧国飛達、欧州エプコスと合弁で中国に電子部品生産基地建設
2009-2-4 中国電子部品産業協会
12
2009 年 2 月号
中国地場のプラスチックフィルムキャパシタメーカー、寧国飛達集団(本社:安徽省寧
国)は、TDK 傘下の欧州最大の電子部品メーカー、エプコス(EPCOS)と合弁で愛普科斯
安徽飛達電子有限公司を設立、中国国内に電子部品生産基地を建設することを発表。
愛普科斯安徽飛達電子有限公司の総投資額は 6.8 億元、登録資本は 2.55 億元、経営支配
権はエプコスが掌握するとしている。キャパシタのほか、将来的には風力発電、ハイブ
リッド車用キャパシタなども生産する計画で、年間売上高 3.3 億元を見込んでいる。
寧国飛達:www.feida-group.com/
【自動車】ZF、上海合弁工場クラッチ製品を初めて輸出 日本マツダ 3 向けに供給
蓋世汽車網 2009 年 2 月 4 日
独 ZF サックス(ZF Sachs)は、上海汽車との合弁工場(上海サックス動力総成部件系統
有限公司)で生産しているクラッチ製品の輸出を開始、第 1 弾として日本のマツダ向け
輸出を行った。これまで ZF サックスは日本マツダ向けクラッチ製品供給は欧州工場から
の輸出で賄っていたが、欧州工場の減産により上海合弁工場から供給することを決めた。
今年の輸出量は 10 万個に達する見込み。
【自動車】重慶宗申、金属セラミック複合材料製の独自エンジンをロシアに輸出
重慶商報 2009 年 2 月 3 日
中国地場のエンジンメーカー、重慶宗申(Zongshen)は、独自開発し
た ZS300F 高速ディーゼルエンジンをロシア向け 1 万台を受注したこと
を発表した。重慶宗申は中国国内では初めてとなる金属とセラミック
をナノ技術で混合した複合材料をシリンダー、ピストン及びピストンリング筐体に採用、
年産能力も 20 万台を有する。
重慶宗申:www.zongshenmotor.com/
【自動車】イートン、中国地場メーカー向けにスーパーチャージャー等の先進技術を提供
2009/02/01 汽車周報
1 月 13 日、米国の自動車部品メーカー、イートンは、デトロイトで開催された自動車シ
ョーで、金融危機の影響はあるものの、中国の自動車市場の魅力は衰えておらず、今後
も引き続き先進のトランスミッション技術を中国地場メーカーに提供していくことを明
らかにした。イートンは既にフラートランスミッション(Fuller Transmission)、スー
パーチャージャー、ハイブリッド、排気ガス処理システムなどの先進技術を中国地場メ
ーカーに提供しており、昨年末には上海虹橋臨空経済園区にアジア太洋州事業本部ビル
を完成、蘇州工業園区の R&D センターの拡張も正式に竣工させている。
スーパーチャージング(Supercharging)技術
ターボチャージャー技術に比べると、スーパーチャージャーは反応速度が速いという特
長がある上、低速時でも連続作動することが可能で、エンジンが減速する際にも燃料効
13
2009 年 2 月号
率を高めることが可能。イートンによると、イートンのスーパーチャージャーは GM、フ
ォード、ベンツ、ジャガー、フォルクスワーゲンの 1.4∼6.2 リッターエンジンに採用さ
れているが、現在の市場シェアはターボチャージャーに比べると小さいものの、新型ス
ーパーチャージャーは高速時の燃料効率がターボチャージャーに近い水準に達しており、
市場シェア拡大に期待が持てるとしている。
ハイブリッド技術
イートンは世界最先端の商用車ハイブリッド技術を有し、米国環境保護局と共同でハイ
ブリッドシステムの開発も行っているほか、UPS やコカコーラなどの企業と協力しトレ
ーラー車へのハイブリッド機器装着を推進している実績を持つ。中国市場向けでは 2008
年 1 月、北京汽車と協力し広州バス向けに 30 台のハイブリッドバスを供給したほか、重
慶バス向けハイブリッドバスも受注している。今後中国地場のバスメーカーと提携して
中国独自ブランドのハイブリッドバス開発も進める計画もある。
排気ガス処理技術
クリーン商用車ディーゼルエンジンの多くは排ガスを減少させるため尿素を添加剤とし
て使用する方法を採用しているが、尿素添加剤の高コストが大きな課題になっている。
イートンが新たに開発した排ガス処理技術は尿素添加剤を使用することなくエンジン機
構内で排ガスを水に分解することを可能にしているという。
【労働力】2 千万人超える農民工の失業、中国内地の体制維持の不安定要因に
2009/02/03 Digitimes 財経要聞
世界的景気後退により中国内地の 2000 万人を超える農民工(農村部からの出稼ぎ労働
者)が失業状態にあり、中国内地の体制維持にとって最大の不安定要因になっている。
失業した農民工 2000 万人は、農民工総数約 1.3 億人のおよそ 15%を占め、殆どの失業農
民工が沿海部から内陸部への転居を余儀なくされている。また、政府統計によると、昨
年末時点で約 150 万人の大学新卒者が就職できない状況にあるという。中国政府はかね
てから全ての人民の雇用を確保するには 8%以上の経済成長率が必要としてきたが、中国
の昨年 10-12 月の経済成長率は 6.8%に低下、また多くの経済学者は今年中国経済が 8%
成長を達成するのは極めて困難と予測していることから、今年 1 年は中国政府にとって
は大規模な真水の財政出動が必要になる。
393 号 2 月 9 日
【液晶モニタ】冠捷、北京/寧波工場を武漢に移転 金融危機でコストダウン圧力増す
2009-2-5 中華液晶網
世界最大のモニターメーカー、冠捷科技集団(TPV-AOC)は、中国内地事業を管理統括す
る北京冠捷の全人員、及び 7 大生産拠点の 1 つである北京工場も中国内陸部の中核都市
である武漢に移転することを決めた模様。
金融危機の影響で冠捷の今年の出荷は昨年の 920 万台を下回る見通し、また液晶パネル
14
2009 年 2 月号
価格下落の影響で売上高も大幅に落ち込む見通しとなっており、収益性確保のためコス
トダウンが大きな課題となっている。こうした要請を受けて、冠捷は武漢への移転を通
じて、土地使用、設備維持、物流、人件費などの諸コストを大幅に削減するとしている。
このほか、中国政府がアセアンとの競争が激化するなか、低コストの中国中部地域の中
核都市、武漢を液晶モニター産業の拠点都市とする優遇政策を打ち出し、税及び土地使
用負担の軽減措置を実施していることも、冠捷が武漢に生産拠点を移転する大きな決定
要因になったと説明している。武漢市政府はすでに冠捷に対して 200 ムーの土地を確保
するとともに数年間の免税措置を約束しているという。
冠捷は北京工場を武漢に移転するほか、寧波工場も閉鎖し生産能力を武漢に移転するこ
とを明らかにしている。今後構築される冠捷の武漢工場は、冠捷北京工場、冠捷寧波工
場の生産能力を統合したものとなり、冠捷にとってはコア工場である福建工場に匹敵す
る規模のモニター生産拠点となる。
【半導体】インテル、上海半導体実装工場を閉鎖し成都工場に統合 2 千人に影響
台湾経済日報 2009.02.06
先日今年 1-3 月が 20 年ぶりの赤字になることを明らかにしたインテルは 5 日、今後 1
年以内に上海浦東の半導体実装検査工場を四川成都の半導体実装検査工場に統合するこ
とを発表した。約 2000 名の従業員が影響を受ける見通し。同工場は上海浦東地区で最大
規模の投資案件であることから、上海外高橋保稅区の経済成長への影響が懸念されてい
る。
その一方で、インテルは上海にある投資性公司、インテル中国有限公司には 1.1 億米ド
ルを追加出資すること、大連 12 インチ工場への投資を拡大することを明らかにしている。
【パソコン】聯想、昨年 4Q 最終損失 9700 万米ドル 柳伝志が董事局主席に復帰
2009 年 02 月 05 日 中国新聞網
昨年 10-12 月赤字転落が予想されていた世界第 4 位のパソコンメーカー、聯想集団
(Lenovo)は 2 月 5 日、同期の最終損失が 9700 万米ドルに達したことを発表した。同期
の売上高は前年同期比 20%減の 35.9 億米ドル、粗利益は同 48%減、粗利率は 9.8%に低下
した。業績悪化を受けて、聯想集団は 1 月 8 日に人員削減を含むグローバル・リストラ
クチャー(事業再構築)を行い来年度(2009-4/2010-3)の諸経費を約 3 億米ドル削減す
ることを発表しているが、それに加えて今回求心力を強める策として現董事局主席の楊
元慶氏が退き、創業者の柳伝志氏が董事局主席に復帰することを明らかにした。楊元慶
氏は CEO に退くとしている。
【液晶パネル】群創、ノート PC 用パネル事業稼働 今年の出荷量数百万枚見込む
2009-2-6 中華液晶網
世界最大の EMS、鴻海グループ(Honhai Foxconn)の世界第 2 位の液晶モニター・液晶
15
2009 年 2 月号
パネル事業会社、群創(Innolux)は正式にノートパソコン用パネル事業部を稼働させた。
群創はモニター用パネル、中小型パネルの量産体制確立に続き、ノートパソコン用パネ
ルの量産体制を構築し、今年デル及び HP 向けを中心に数百万枚を出荷する計画を明らか
にしている。群創の昨年の液晶モニター出荷量は 2900-3000 万台に達しており、他社が
50%近い減産を行う中でも 10-12 月の稼働率 80%を確保している。
【液晶パネル】大型液晶パネル価格推移:今年 2 月 5 日時点 vs1 月 20 日時点
台湾 WitsView
Application
LCD TV
Monitor
Notebook
Size
Low
High
Avg.
LastAvg.
Change
42"W
320
330
325
325
横ばい
37"W
230
250
245
245
横ばい
32"W
150
170
160
160
横ばい
26"W
125
135
130
130
横ばい
22"W
84
90
88
88
横ばい
19"
69
77
76
75
1
1%下落
19"W
59
65
64
63
1
2%下落
17"
54
60
59
58
1
2%下落
17"W
72
80
77
77
横ばい
15.4"W
46
55
53
53
横ばい
14.1"W
44
53
51
51
横ばい
【携帯電話】中国国内携帯電話販売 7%増確保 料金値下げでビギナー需要喚起
2009-2-6 PCB 中国網
市場調査機関 iSuppli は、今年の携帯電話世界販売台数が前年比 5%減となるが、中国国
内の携帯電話販売台数については 7%の成長を維持可能との見通しを明らかにした。
iSuppli は今年の中国国内の携帯電話販売台数は前年比 7%増の 2.4 億台に達すると予測
している。
中国の 3 大携帯電話サービスキャリアが料金値下げで新規ユーザーを取り込もうとして
いることからビギナー需要を大きく喚起できると予想している。そのため、今年の新規
ユーザーは 9000 万に達する見通し。
昨年の中国の携帯電話販売内訳を見ると、キャリア特約の正規代理店が販売した携帯電
話台数は 1.8 億台、非正規の販売店が販売した携帯電話台数は 4000 万台だった。またブ
ランドメーカー別シェアは、海外メーカーが 56%、中国地場メーカーが 44%、そのうちノ
キアは最大シェアの 37%を確保、モトローラ及びソニーエリクソンがシェアを落とした
一方で三星及び LG はシェアを伸ばした。中国地場メーカーでは、天語、長虹、BBK、金
16
2009 年 2 月号
立、聯想がシェアを伸ばしたが、夏新、波導はシェアを落とした。ハードウェア・ソフ
トウェア設計では上海に本社を構える龍旗(Longcheer)がシェア首位で出荷台数は 1800
万台に達したが、シェア第 2 位の聞泰(Wingtech)は大幅に出荷台数を落とした。ワイ
ヤレス通信チップでは、台湾の聯発科技(Mediatek)が GSM 市場でシェアを 70%以上に
拡大、インフィニオン、スプレッドトラム(Spreadtrum)
、NXP 等はシェアを低下させた。
龍旗:www.longcheertel.com/ 見聞:www.wingtech.com/
【PCB】イビデン/南亜、今年 1Q 赤字転落 南亜は今年の設備投資を昨年比半減
中国 PCB 産業協会 2009-2-5
世界最大の IC 搭載プリント配線基板メーカー、イビデン(Ibiden)は、今年 1-3 月が 96
億円の赤字になることを明らかにしたのに続き、業界第 2 位の南亜電路板(Nan Ya)も
需要の大幅後退及び稼働率の低迷により今年 1-3 月が赤字になる見通しを明らかにした。
南亜電路板は今年の設備投資についても昨年の半分程度に抑えることを明らかにしてい
る。
【太陽電池】昱晶、昨年 4Q 予想に反して赤字に転落 急激な価格下落が重石に
台湾経済日報 2009.02.05
台湾第 3 位の太陽電池メーカー、昱晶(Gintech)は、昨年 10-12 月税前業績が予想に反
して約 3500 万 NTD の赤字になったことを明らかにした。急激な価格の下落が損失を予想
以上に拡大させた。中国内地最大の太陽電池メーカー、無錫尚德(Suntech)も赤字転落
の可能性もあるとの警告を発しているほか、茂迪(Motech)、益通(E-ton)、新日光(Neo
Solar)等の大手各社も業績が急速に悪化していることを明らかにしている。
【半導体】華虹、12 インチ半導体生産ラインを今年 3Q 着工 上海市が梃入れ強化
Digitimes 2009-2-5
中国地場の大手半導体メーカー、華虹集団(Huahong)は、12 インチ/90-45 ナノ半導体
生産ライン事業、上海華虹(集団)有限公司 909 生産ライン改造事業が正式に中国中央
政府の認可を取得、現在環境アセスメントを行っていることを明らかにした。総事業費
は 22 億米ドル、今年 7-9 月に上海浦東新区張江高科技園区に建設される予定。2-3 年後
には月産能力は 12 インチウエハ換算 3.5 万枚に達する見込み。
華虹集団の 12 インチ生産ライン建設は 2005 年初めに計画されたが、資金調達に目処が
立たず計画が凍結されていた。しかし、中国国内の主要都市が半導体産業の誘致に力を
入れる中、上海市の中国国内半導体産業における地位が低下しており、上海市は改めて
半導体産業への梃入れ強化を表明、上海市長・韓正氏は華虹集団の 12 インチ生産ライン
建設を今年の重点プロジェクトの最優先事業に指定することを決めている。
方培琦氏は、中芯国際(SMIC)が上海、北京、天津などに 7 つの 12 インチ生産ラインを
有する中、華虹にとって 12 インチ生産ライン建設は必要不可欠の事業としている。
17
2009 年 2 月号
【自動車】イートントラック、タタ向けトラック用変速器を初期は中国無錫工場から供給
蓋世汽車網 2009 年 2 月 6 日
米国の自動車部品メーカー、イートン(Eaton)は 2 月 4 日、インドタタ自動車向けにイ
ートントラックグループ(Eaton Truck Group)が生産するトラック用トランスミッショ
ンを供給する契約を締結したことを発表した。契約期間は 2014 年末まで。
初期は中国無錫工場及びポーランド Tczew 工場から供給するが、徐々にインド Pune の新
工場からの供給に切り替える。イートントラックグループは 2007 年 1 月に無錫に伊頓工
業(無錫)有限公司を設立、昨年 1 月から生産を開始している。
【自動車】長城汽車、天津部品生産工場の建設開始 15 品目年産量 15 万セット
人民網 2009 年 2 月 7 日
天津開発区管理委員会によると、総事業費 30 億元の長城汽車の天津部品生産及び物流事
業が 2 月 7 日、天津開発区西区で建設を開始した。敷地面積は 130 万平米、工期は 3 年。
完成後の年産量は、ノックダウン組み立て 15 万台分、シャーシ、トランスミッション、
プレス部品、ダイカスト部品、空調、座席などの 15 品目 15 万セット。
【自動車】2008 年中国セダン車市場成長率 7%に減速 金融危機の米系不調響く
中国自動車工業協会 2009-2-4
中国自動車工業協会によると、2008 年のセダン車販売は金融危機以降の消費減退により
前年比 6.78%増の 504.69 万台にとどまった。
内訳を見ると、1.0 リッターから 1.6 リッターまでの中型車のシェアが大幅に拡大し約 6
割の 295 万台を占めた。また、中国地場ブランドの販売が 130.82 万台でセダン車販売全
体の 25.92%を占め、中国地場ブランドのうち比亜迪 F3 が売上を 40.97%伸ばし 13.11 万
台とし奇瑞 QQ の 13.34 万台に次ぐ地場第 2 のセダンブランド車となった。売上第 3 位は
夏利で 12.10 万台だった。一方、外資・国有合弁ブランドの販売シェアは 74.08%に達し、
そのうち日系ブランドの販売は 155.60 万台でセダン車販売全体の 30.83%、ドイツ系及
び韓国系ブランドの販売はそれぞれお 102.65 万台および 36.17 万台でセダン車販売全体
の 20.34%および 7.17%を占め、それぞれシェアを伸張させた。一方、米系及びフランス
系ブランドの販売はそれぞれ 61.53 万台および 17.81 万台、セダン車販売全体に占める
シェアは 12.19%及び 3.53%に低下した。
また、主要メーカーの売上上位 10 社は上位から、一汽 VW、上海 VW、上海 GM、一汽トヨ
タ、東風日産、奇瑞、広州ホンダ、北京現代、吉利、長安フォードで、それぞれの売上
は 49.89 万台、47.80 万台、39.57 万台、34.77 万台、31.88 万台、28.66 万台、27.74
万台、25.33 万台、22.18 万台、20.07 万台だった。上海 GM、奇瑞、長安フォードは売上
台数を前年比それぞれ 8.41%、10.85%、5.81%減少させたが、その他のメーカーは前年を
上回る売上を達成した。特に北京現代は 07 年の低迷から脱し売上を 35.88%伸ばした。
18
2009 年 2 月号
394 号 2 月 13 日
【EMS】サンミナ SCI、JDSU 深圳工場取得 世界有数の光通信部品生産基地建設
中国電子部品産業協会 2009-2-9
光通信部品大手の米 JDSU(JDS Uniphase)は、EMS 大手のサンミナ(Sanmina)SCI にア
ジアパシフィック地区有数の光通信部品工場である深圳工場(現地法人名:捷迪訊光電
(深圳)有限公司)を売却することで合意、正式に売却契約を締結した。
手続は 2009 年 4 月 6 日までに完了予定。また、サンミナ SCI は、JDSU
深圳工場取得を通じて JDSU 向け光通信部品を取得することでも合意し
た。Sanmina-SCI は今後 JDSU 深圳工場を世界有数の光通信部品生産基地
に拡大する計画を明らかにしている。
捷迪訊光電(深圳)有限公司は、2000 年 1 月設立、登録資本 1400 万米ドル、工場の敷
地面積は約 3 万平米、従業員は約 1500 名、年産量 180 万個。製品は全量輸出されており、
輸出額は 6000 万米ドル/年。JDSU 社:www.jdsu.com/
【パソコン】広達の 1 月売上高、昨年 12 月比 37%減 仁宝も同 23%減
2009-2-10 台湾経済日報、中華液晶網
世界の 3 大ノートパソコン ODM メーカー、広達、仁宝、緯創の今年 1 月の売上高は総じ
て昨年 12 月比 2-3 割減となった。広達の 1 月の売上高は 430.6 億 NTD で昨年 12 月比 19.3%
減、昨年同期比 36.5%減、出荷台数は 200 万台。広達は受託生産する宏碁の第二世代 Aspire
One が 3 月に市場に投入されることから 3 月以降は売上高が上向くとしている。また仁
宝の 1 月の売上高は 281 億 NTD で昨年 12 月比 12%減、昨年同期比 23%減、出荷台数は 155
万台、緯創の 1 月の売上高は 336.7 億 NTD で昨年 12 月比 28%減となったが、昨年同期比
では 28.29%増、出荷台数は昨年 12 月の 210 万台に比べ 50 万台減の 160 万台となった。
【パソコン】和碩、東芝ノートパソコン 200 万台 OEM 獲得 華碩からの受注減補えるか
DIGITIMES 11-2-2009
世界第 6 位のノートパソコンメーカー、華碩(Asus)傘下の OEM/ODM 事業会社、和碩
(Pegatron)は、東芝からノートパソコン 200 万台の OEM を獲得、4 月から出荷を開始
することを明らかにした。
ただ、華碩からのノートパソコン受注が鴻海(Foxconn)にシフトされることから今年は
昨年比 3 割減となることが確定しており、和碩の今年のノートパソコン出荷量は依然前
年を下回る可能性が高いと見られている。華碩が昨年和碩に発注したノートパソコン
(Eee PC を除く)は、580 万台だった。
19
2009 年 2 月号
【パソコン】華碩、3 月末までに過剰在庫処理 1Q 売上高は前年比 3 割減予想
2009-2-10 台湾工商時報
世界最大のマザーボードメーカー、世界第 6 位のノートパソコンメーカー、華碩(Asus)
の今年 1 月の自社ブランド事業売上高は 120-150 億 NTD で昨年同期比 3 割減となる見込
みを発表した。華碩の昨年末の在庫水準は 450 億 NTD に達しており、同社は 3 月末まで
に全ての過剰在庫を処理する計画であることから、1-3 月の売上高の大幅低下は避けら
れないと見られている。華碩は欧州でのノートパソコン及びマザーボードの出荷が上向
いているものの、1-3 月の売上高は 450-500 億 NTD、昨年 10-12 月比 23%減、昨年同期
比 30%減になるとしている。
一方、華碩グループの OEM/ODM 事業は子会社の和碩(Pegatron)及び永碩(Unihan)に
て行われているが、和碩及び永碩の 1 月の合計売上高は 232 億 NTD で前年同期比 35%減
となっている。なお、華碩は自社ブランド事業との分離を明確にするため、和碩及び永
碩を連結対象にしていない。
【液晶テレビ】北京奥維コンサルティング:昨年の中国国内液晶テレビ市場の特徴分析
2009-2-6 中華液晶網
2008 年の中国国内の液晶テレビ販売台数は、世界的な金融危機及び中国国内の不動産市
場萎縮の影響は受けたものの、北京オリンピック等の追い風要因により依然 51.3%の高
い成長率を維持した。中国国内の液晶テレビ売上高はカラーテレビ売上高全体の 66.9%
を占め、カラーテレビ市場の主力製品となっている。特に大都市市場では液晶テレビの
普及率は一段と上昇しており、小売売上台数も初めてブラウン管 CRT テレビを上回った。
2009 年においても液晶テレビ市場は高い成長率を持続する見通しで、特に地方都市で液
晶テレビが急速に浸透することが予想されている。中国電子映像産業協会系の北京奥維
コンサルティング(AVC)は 2008 年の中国国内の液晶テレビ市場の特徴および今後数年
の市場見通しについて次のように予測をしている。
1.販売数量が安定的に拡大、市場は大都市部から地方都市に拡大
昨年の中国国内の液晶テレビ小売販売台数は 1171 万台で前年比 51.3%増、小売売上高は
878 億元で同 43.9%増となった。昨年の液晶テレビ市場は周期的には 2006 年及び 2007
年の爆発的成長段階から安定成長段階に入ったといえ、AVC は 2009 年の液晶テレビ小売
台数も前年比 33.3%増の 1561 万台を予測している。中国国内の液晶テレビ市場は、過去
3-4 年の急成長の段階を通じて市場規模が
すでに 1000 万台を突破しているが、今後
は徐々に成長は減速していくことが予想
されている。
世界経済が後退局面にあるとともに中国
国内の不動産市場が低迷する可能性が高
まるなか、消費者の購買力が低下していく
ことが予想され、液晶テレビ市場にも少なからずの影響が予想されていることから、中
20
2009 年 2 月号
国政府は昨年 12 月から実施したいわゆる家電下郷プロジェクトで液晶テレビ市場への
梃入れを図ろうとしている。同プロジェクトは、農村部での家電普及を推進するため、
テレビ、携帯電話、パソコンなどの政府指定家電製品を購入した場合、購入金額の 1 割
の補助金を支給するというもので、農村部には中国の 8 割の人口があることから、その
潜在需要は極めて大きいと見られている。液晶テレビの価格下落も農村部の潜在需要を
喚起することが予想され、各社とも農村部での販売促進を強化している。このように農
村市場が成長する条件が整うなか、中国農村部の液晶テレビ市場が予想以上に伸張する
可能性は否定できない。
2.超大型液晶テレビ市場が有望
中国国内の液晶テレビ市場における主流サイズは 32 インチ及び 40-42 インチまで拡大し
ており、液晶テレビ市場に占める 32 インチのシェアは 30.1%、40-42 インチの同シェア
も 28.6%まで拡大している。しかし、2009 年について、26 インチ以下の中型及び 46 イ
ンチ以上の超大型が相対的にシェアを拡大することが予想される。過去 2-3 年の大幅な
価格調整により 32 インチ及び 37 インチの価格は採算ぎりぎりの水準まで低下しており、
これ以上の下落は想定しにくい。それに対し、46/47 インチ及び 52/55 インチについて
は依然 15-20%の下落余地があり、今後価格がさらに下落すれば、出荷量が前年比 100%
を超える可能性もある。また、22 インチ及び 26 インチ液晶テレビの価格も同サイズの
ブラウン管 CRT テレビ価格とほぼ同水準まで低下する見通しであることから、22 インチ
及び 26 インチの出荷も今後大きく伸張する見通し。
3.フルハイビジョン(FHD)
、120 ヘルツの普及が進む
2008 年に 46/47 インチ製品のフルハイビジョン比率は 2007 年の 46%から 77%に拡大し
ているが、その比率は 2009 年には 90%に達する見通し。また 2008 年に 52 インチ製品
の 120 ヘルツ浸透率は 2007 年の 19%から 28%に拡大しており、今年も 120 ヘルツ及び 240
ヘルツの普及が進む見通し。
4.外資系ブランドと地場ブランドの競争が激化
2008 年上期は外資系ブランドが大幅な値下げ攻勢で市場シェアを一度は 60%まで伸ばし
たが、8 月のオリンピックまえに地場ブランドが反転攻勢をかけたため、11 月には地場
ブランドの市場シェアが 68%に回復、形勢が完全に逆転した。欧米日市場が低迷するな
か、1500 万台市場となった中国国内の液晶テレビ市場を巡る外資系、地場系の争奪戦は
昨年にも増して厳しくなる見通し。
5.中央政府の台湾パネルメーカー支援で台湾メーカーシェアが拡大
中国中央政府が国内雇用対策として中国国内に多くの生産拠点を持つ台湾パネルメーカ
ーを支援する方針を打ち出し、中国地場のテレビメーカーを通じて 20 億米ドル相当のパ
ネル購買交渉を始めており、台湾のパネルメーカーの中国国内市場シェアが拡大される
ことが予想される。一方、日本及び韓国のパネルメーカーは中国国内市場シェアを低下
させることが予想される。北京奥維コンサルティング:www.avc-mr.com/
【液晶パネル】彩晶の 1 月売上高、昨年同月比 80%減 前月比では 144%増
2009-2-11 中華液晶網
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2009 年 2 月号
台湾第 4 位の液晶パネルメーカー、瀚宇彩晶(Hannstar)の今年 1 月の売上高は 12.47
億 NTD で、昨年 12 月の 5.11 億 NTD に比べ 144.3%増となったが、昨年同期比では 80.5%
減となった。
【バックライト】中強、2 月出荷は 1 月比 3 割増予想 瑞儀の売上増は奇美要因と
2009-2-11 台湾経済日報、中華液晶網
台湾のバックライトモジュール大手の瑞儀(Radiant)の今年 1 月の売上高が前月比 3
割増となったのに対して、同業台湾最大手の中強光電(Coretronic)の 1 月のプロジェ
クタ及びバックライトの売上高が前月比 9%減、昨年同月比 52%減と大幅減となったこと
について、中強光電は、瑞儀の売上増は主に奇美が発注を再開したことによるもので、2
月のバックライト出荷量は 1 月比 3 割以上増を見込んでいることを明らかにした。
【太陽電池】湖南潤華新能源、年産 25MW の太陽電池セル実装ライン稼働
2009-2-10 中国電子部品産業協会
中国地場の太陽電池メーカー、湖南潤華新能源発展有限公司は、華容県工業園に完成さ
せた年産能力 25MW の太陽電池セル実装ラインを正式に稼働させた。年間生産高 6 億元を
見込んでいるという。また、同社は、総事業費 1.2 億元で単結晶シリコン太陽電池生産
ラインを建設する計画も進めており、今年 8 月に着工する予定。
【半導体】インテル、上海工場従業員は原則成都工場又は大連工場に転属の方針
2009 年 02 月 06 日 新聞晨報
インテルが、今後 12 ヶ月以内に上海浦東の半導体実装検査工場を成都工場に統合するこ
とについて、上海浦東工場のおよそ 2 千名の従業員が段階的に削減される見通しで、上
海の従業員は原則成都工場又は現在建設中の大連工場に転属されることを明らかにした。
インテル上海工場広報担当者は、今回の措置は人員削減ではなくあくまで配置換え、イ
ンテルの中国における生産能力はトータルでは減少することはないことを強調している。
また、インテル上海浦東工場がすでに生産を停止したとの報道は全く事実に反している、
インテルは 12 ヶ月の期間をかけて段階的に上海浦東工場の生産能力を成都工場に移転
していくとしている。
【半導体】上海労働社会保障局、インテルに上海工場従業員の権益保護を要請
2009 年 02 月 07 日 新民晚報
インテルの上海浦東工場の段階的閉鎖及び成都工場への統合が明らかになったことから、
上海浦東新区労働社会保障局は、インテル上海浦東工場人事部責任者と面談し、労働保
障部門の指導及び関連法規に基づいて従業員の権益をしっかり守るようよう要請したこ
とを明らかにした。また、面談の中で、インテル人事部責任者が、今後 1 年前後の時間
22
2009 年 2 月号
をかけて段階的に約 2 千名の従業員の成都工場及び大連工場への転属手続を行うことを
明言したことも明らかにした。
【半導体】世界 2 大半導体ファウンドリともに今年 1 月売上高が昨年同月比 6 割減
2009-02-11 新浪科技
世界の 2 大半導体ファウンドリ、台積電(TSMC)及び聯電(UMC)の今年 1 月の売上高はどち
らも前年同月比 60%前後の減少となった。台積電が 10 日発表した今年 1 月の売上高は
124.36 億 NTD で昨年 12 月比 5.5%減だったが、昨年 1 月比では 58.9%減となった。また、
聯電が 10 日発表した今年 1 月の売上高は 31.53 億 NTD で昨年 12 月比 31.6%減、昨年 1
月比では 61.6%減となった。
台湾の電子関連主要上場企業の今年 1 月の売上高及び前月比/前年同期比増減は以下の
通りで、半導体ファウンドリ及び液晶パネルメーカーの売上の落ち込みが目立っている。
社名 売上高(億 NTD) 前月比(%) 前年同期比(%)
鴻海 923.95 -24.4 -12.1
台積電 124.36 -5.5 -58.9
聯電
華碩
友達
宏基
聯発
31.53 -31.6 -61.6
85.03 -26.2 -71.8
132.45 -10.1 -71.9
218.00 -13.5 -14.7
62.07 +21.5 -4.6
日月光 36.17 -12.7 -57.9
広達 430.56 -19.3 -36.5
仁宝 281.22 -12.5 -23.0
宏達 100.08 -26.3 -16.8
力晶 16.03 +22.3 -70.6
【自動車】比克電池、24 億元を投じて電気自動車用動力電池産業パークを建設
2009-2-10 中国電子部品産業協会
米ナスダック上場の中国地場のリチウム電池セルメーカー、比克電池(Bak Battery)は、
同社が重点的に開発している電機自動車用動力電池が中国中央政府の重点支援プロジェ
クトに指定されたことから、今後 24 億元を投じて天津市に動力電池
産業パークを建設することを明らかにした。同社は年内、天津市に年
産能力 3000 万個のリチウムイオン電池セル生産ラインを建設する計
画で、年間売上高 5 億米ドルを見込んでいる。
創業 8 年足らずの深圳比克電池は、携帯電話、ノートパソコン、コー
ドレス工具などのポータブル機器用リチウム電池セルを生産するメーカーだが、世界の
二次充電電池産業が中国深圳に生産を急速にシフトしたのをきっかけに、日産わずか 20
万個のリチウム電池セルメーカーから数年で中国最大のリチウムイオン電池セルメーカ
ーに成長、米ナスダック上場も果たしている。ただ、金融危機以降について、比克電池
の売上高も急速に落ち込んでおり、11 月の受注は前年同月比 50%減となっている。
比克電池:www.bak.com.cn/
【自動車】独 KOLB、中国河北省に自動車エンジン用ハイレンジファスナー工場を建設
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2009 年 2 月号
蓋世汽車網 2009 年 2 月 10 日
ドイツの精密ファスナーメーカー、KOLB は、邯郸市通達機械制造有限公司、北京金五星
集団と合弁で、河北省永年県工業園区に邯郸科爾勃緊固件制造有限公司を設立、先日、
自動車エンジン用ハイレンジ精密ファスナー工場の建設を開始した。総事業費は 4 億元、
年産能力 8000 トン。年間売上高 6.2 億元を見込んでいる。
【自動車】上海 GKN、長春開発区に年産 100 万本のドライブシャフト工場建設
吉林日报 2009 年 2 月 9 日
ドイツの大手ドライブシャフトメーカー、GKN ドライブラインと上海汽車の合弁企業、
上海納鉄福伝動軸有限公司は、長春自動車産業開発区に 5 億元を投じてドライブシャフ
ト年産能力 100 万本の工場を建設することを正式に表明、同開発区と契約を締結した。
【自動車】コンチネンタル、中国で Telematics 端末事業開始 既に開発センターを開設
汽車与配件之技術与応用 2009 年 2 月 10 日
ゼネラル・モーターズ(GM)の車載テレマティックス(Telematics)サービス会社、OnStar
社が中国国内で事業を展開するなか、OnStar 社の中国国内での端末機器サプライヤであ
る独コンチネンタルも中国国内での Telematics 端末機器事業を本格化させる計画。先日
開催された第 1 回中国 Telematics 産業及び交通情報サービスフォーラムで、コンチネン
タル車載通信系統事業部執行副総裁の Kieran O'Sullivan 氏は、コンチネンタルは中国
にすでに車載通信開発センターを開設、50 名余りのエンジニアを開発業務に従事させて
おり、フォードの Sync 通信娯楽システムのハードウェア設計、中国規格対応の WMG 車載
ワイヤレス通信モジュール等の開発に成功していることを紹介した。
コンチネンタルの Telematics 事業の前身は、モトローラ車載電子事業部で、2007 年 12
月にシーメンス VDO を買収したのをきっかけに、同社は車体、安全、車載通信、計器、
ディスプレイ、車内モジュール、マルチメディア事業を統合、新たに車載電子システム
事業部を設置している。コンチネンタルの Telematics 端末機器はすでに世界の 1500 万
台以上の自動車に搭載されている。
395 号 2 月 16 日
【生産移転】金融危機で加速する電子メーカーの中国沿海部から内陸部への移転
2009-2-13 PCB 中国網
金融危機が実体経済に波及する中、これまで経済のけん引役を担ってきた電子産業にも
急ブレーキがかかっており、これまで先送りされてきた、中国の沿海部の賃金上昇が、
改めて生産拠点にとって大きな障害要因となってクローズアップされ始めた。インテル、
鴻海(Foxconn)、冠捷(TPV-AOC)などの世界を代表する電子メーカーが、今年に入って
相次いで中国の生産拠点を沿海部から内陸部に移転する決定を下しており、中国経済を
24
2009 年 2 月号
けん引してきた沿海部電子産業の空洞化が現実味を帯びてきた。広東省政府が香港・マ
カオ・台湾資本加工貿易企業の業態転換のため 10 億元の特別支援金を拠出したように、
中国沿海部の電子企業は今後本格的に業態転換に取り組むことが求められる。
インテル:上海から成都に移転
インテルが今月、上海の半導体実装検査工場を 1 年以内に閉鎖し、成都工場に移転統合
することを発表。
鴻海:深圳から武漢/山西に移転
世界最大の EMS、鴻海集団が、傘下の富士康深圳工場総勢 26 万人の従業員のうち 16 万
人を武漢及び山西晋城などの内陸部工場に移管することを発表。富士康は武漢にすでに
10 億米ドルを投じてパソコン、デジタルカメラ生産基地の建設を始めている。
冠捷:北京/寧波から武漢に移転
世界最大のモニターメーカー、冠捷集団は、北京工場及び寧波工場を閉鎖し、武漢工場
に移転、統合することを明らかにしている。
内陸部の中核都市への移転を選択
人口、消費市場、物流、後背地などの観点から、移転先は成都、武漢、合肥などの内陸
部の中核都市に集中している。
手厚い優遇政策が移転を決める上での大きな要因となっている
中央政府の内陸部支援策により内陸部政府が手厚い優遇税制を行っていることも、外資
系企業が移転を決める上で大きな要因となっている。武漢市政府が 28 億元を投じて鴻海
富士康のために無償で鉄道、道路、水道、電力などのインフラ整備を行うなど、インフ
ラ整備が急ピッチで進んでいることも大きな要因となっている。
周辺産業の移転も活発化
鴻海富士康が武漢に進出したことにより、周辺部品メーカーの武漢進出も活発になって
おり、産業集積効果も出ている。昨年 12 月にはヒューレットパッカード(HP)が重慶西
永微電子産業園に年産能力 400 万台のパソコン生産工場の建設を開始するなど、セット
メーカーの進出も誘発している。HP の重慶進出により、世界最大の半導体実装メーカー、
日月光集団(ASE)が重慶に進出することも決まっている。
【パソコン】富士康、デル Adamo ノートパソコン 40 万台の共同設計製造を受注
TPCA 第 485 期週報
世界最大の EMS、鴻海集団傘下の富士康電子(Foxconn)は、デルの 13 インチ Adamo シリ
ーズ超薄型ノートパソコン 40 万台の JDM(共同設計製造)を受注したことを明らかにし
た。2009 年下期から富士康の中国山東省煙台工場で量産を開始する予定。サンプル生産
は既に煙台工場で実施済みという。
【携帯電話】中興通訊、低価格攻勢で欧米シェア拡大、今年の売上高 2 桁増狙う
2009-2-12 中国 PCB 産業協会
世界第 6 位の携帯電話メーカー、中興通訊(ZTE)は、中国政府の農村部での家電普及プ
25
2009 年 2 月号
ロジェクト、3G サービスの開始、低価格攻勢などにより、今年の売上高を前年比 2 桁増
にすることはそれほど困難ではないことを明らかにした。
中興通訊 CFO の韋在勝氏は、金融危機で欧米諸国の消費が低迷していることは事実だが、
低価格品の消費は依然堅調であることから、低価格攻勢で欧米市場でのシェア拡大を狙
える、中興通訊の売上高に占める海外市場比率は 6 割を占めることから欧米市場でシェ
アを拡大できれば売上高の 2 桁増は十分可能と説明。
【携帯電話】モトローラ/ソニーエリクソン、中国内地で大規模人員削減を実施
2009-2-13 台湾経済日報
モトローラ、ソニーエリクソンが中国内地でも大規模な人員削減を実施することが明ら
かになった。両社とも中国内地での削減規模については明らかにしていないが、モトロ
ーラは全世界で 4000 人、ソニーエリクソンは同 2000 人を削減することを明らかにして
いる。
【液晶テレビ】TCL、1 月の液晶 TV 販売量が前年同月比 177.2%増
2009-2-13 中華液晶網
中国地場の大手テレビメーカー、TCL 集団の今年 1 月の液晶テレビ販売量は前年同月比
177.2%増の 55.8 万台、CRT テレビ、AV 製品の販売量はそれぞれ同 63.3%減の 55.7 万台、
同 38.8%減の 93 万台となった。また、携帯電話の販売量は同 38.26%減の 74.2 万台、空
調、洗濯機、冷蔵庫の販売量はそれぞれ同 62.71%減の 4.3 万台、18.17%減の 3.1 万台、
39.22%減の 2.6 万台となった。
【液晶パネル】中華映管、液晶モニタパネル事業と液晶 TV パネル事業を統合
DIGITIMES 12-2-2009
昨年 4Q に巨額損失を計上した台湾第 4 位の液晶パネルメーカー、中華映管(CPT)は、液
晶モニターパネル事業部と液晶 TV パネル事業部を統合すること、また低価格小型ノート
パソコン Netbook セグメントを中小型パネル事業部から切り離しノートパソコンパネル
事業部に統合することを明らかにした。中小型パネル事業部は今後は携帯電話、ポータ
ブル DVD パネルに特化される。
また、中華映管は、今年 1 月の連結売上高が 26.2 億 NTD(約 7702 米ドル)で、昨年 12 月
比 27.02%減、前年同月比では 81%減となったことも明らかにした。そのうち、大型パネ
ルの出荷量は 63 万枚で昨年 12 月比 26.14%減、前年同月比 72%減、中小型パネルの出荷
量は 355 万枚で昨年 12 月比 38%増となった。
【PCB】PCB 産業、最も早くて 3 月に回復がある見通し ただ手探り状態続く
TPCA 485 期週報
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2009 年 2 月号
欣興電子、南亜電路板、燿華電子などの台湾の大手プリント配線基板メーカーは、世界
同時不況でセットメーカーが発注に慎重になっていること、今年は 1 月下旬に旧正月が
あったことなどから、1 月の売上高が軒並み大幅減、ほぼ 10 年前の水準に落ち込んだこ
とを明らかにしているが、市場には最も早くて 3 月頃からセットメーカーが大型発注を
開始するとの見方も出ている。しかし、依然見通しは手探り状態が続くことから、企業
はコストダウンを最優先する経営を余儀なくされている。
【PCB】台湾上場プリント配線基板メーカー 2009 年 1 月売上高一覧
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2009 年 2 月号
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2009 年 2 月号
【PCB】台湾上場フレキシブルプリント配線基板メーカー 2009 年 1 月売上高一覧
【PCB】東莞 Somacis Graphic、テュフラインランドから ISO/TS 16949 認証を取得
2009-2-12 中国 PCB 産業協会
イタリアの大手プリント配線基板(PCB)メーカー、Somacis 社と英国の大手 PCB メーカ
ー、Graphic 社の合弁である東莞 Somacis Graphic PCB 有限公司は、ISO9000-1、
29
2009 年 2 月号
ISO14000-1、UL 認証取得に続き、ドイツの第三者認証機関テュフラインランドから TUV
ISO/TS 16949 認証を取得したことを明らかにした。海外の
大手セットメーカーは、PCB サプライヤーを選択する際、
クィックレスポンス、少量多品種、大量生産などのワンス
トップサービスはもちろんのこと、フレキリジッド、CIC、内部埋込み、PTFE、銅の厚み
6oz 以上、30 層以上の多層板などの幅広い製品アイテムを持っているかを審査、自動車
メーカーにおいてはさらに ISO/TS 16949:2002 認証や IATF が推薦している 4 認証:
QS-9000、VDA 6.1、EAQF、AVSQ の取得を求めてくる。
東莞 Somacis Graphic はテュフラインランドの ISO/TS 16949 認証を取得したことにより、
今後は自動車産業向け PCB サプライヤー資格を獲得できるとしている。
【政策】広東省、加工貿易企業の業態転換のため 10 億元の特別支援金を拠出
TPCA 485 期週報
広東省政府は、香港・マカオ・台湾資本企業の国際金融危機対応及び業態転換促進を支
援するため、今年 10 億元の特別支援金を拠出することを決定した。税制面では、香港・
マカオ・台湾資本企業が新製品、新技術、新意匠開発に当たって発生した研究開発費用
を、無形資産を当期損益に計上していない場合は、従前規定に基づく控除に加えて 50%、
無形資産を当期損益に計上している場合は、150%を費用計上することを認める。また、
ハイテク企業認定を取得した香港・マカオ・台湾資本企業については、15%の稅率で企業
所得稅を徴収するとともに、資金繰りが悪化している企業には最長 3 ヶ月の納付猶予を
与えるとしている。詳細は、以下の広東省公式発表参照。
http://www.gd.gov.cn/govpub/zfwj/zfxxgk/gfxwj/yfb/200902/t20090201_84870.htm
【自動車】マーレエンジンコンポーネンツ、重慶工場を年末稼働 ピストン/シリンダー等生産
2009-02-11 汽车与配件
ドイツの自動車部品メーカー、マーレ(Mahle)は、重慶市政府に申請していたマーレエ
ンジンコンポーネンツ(重慶)有限公司が正式にライセンスを取得したことから、今年末
には正式に稼働できることを明らかにした。マーレエンジンコンポーネンツ(重慶)有
限公司は、マーレ技術投資(中国)有限公司が 100%出資で設立、総投資額は 1.7 億元。
マーレエンジンコンポーネンツは、マーレグループの中で高収益のプロフィットセンタ
ーに位置づけられており、顧客密着のカスタマイズ製品を生産している。重慶工場は主
にピストン及びシリンダー部品の開発、製造、販売、及びアフターサービスを行い、80%
の製品は欧米向けに輸出する。
396 号 2 月 18 日
【携帯電話】三星、中国電信の第1次 3G 端末機 120 万台入札で 35%を獲得
30
2009 年 2 月号
2009-2-16 中国電子部品産業協会
中国の 3 大通信キャリアの中国電信は、3G CDMA2000 EV-DO 端末機の第 1 次入札を行い、
落札した携帯電話メーカー7 社、三星、LG、中興、華為、宇龍、天宇、海信と正式に契
約を締結した。三星、LG、宇龍、天宇は中国電子集団公司と一括契約を調印したほか、
三星、LG、中興、華為、海信がそれぞれ中国電子福建、広東、浙江、江蘇、四川分公司
と契約を締結した。今回の入札で発注された端末機は 120 万台、そのうち三星が 35%を
獲得した。今回の入札には携帯電話メーカー16 社が参加、CDMA2000 EV-DO RAV0 が 8 機
種、CDMA2000 EV-DO RAV A が 31 機種が入札され、最終的に 7 社 14 機種が落札した。
【液晶パネル】奇美電子、中国大陸市場への依存高める 依存率 35%近くに
台湾経済日報 2009.02.13
世界第 5 位の液晶パネルメーカー、奇美電子(CMO)は、中国大陸市場での売上高が売上
高全体の 15-20%を占め中国大陸市場への依存が高いが、中国政府が昨年末から実施した
農村部での家電普及率を高めるいわゆる家電下郷プロジェクトにより、その中国大陸市
場依存率がさらに拡大する見通しで、今年下期には 25-35%に拡大するとしている。
奇美電子の昨年 10-12 月の赤字幅は市場の事前予想を上回ったが、中国政府の家電下鄉
プロジェクトで今後は比較的早期の回復が期待できるとしている。ただ、中国の農村部
の購買力については疑問を呈する声も聞かれ、都市部のようには本格的消費を喚起する
のは容易でない可能性も残る。
【パソコン】ノート PC 関連受動部品/プリント基板、ラッシュオーダーで売上に回復の兆し
DIGITIMES 13-2-2009
2 月に入ってノートパソコンブランドメーカーからのラッシュオーダー(緊急注文)が
増えており、ノートパソコン ODM メーカー、受動部品、プリント基板、放熱モジュール
などのノートパソコン関連部品メーカーの売上にも回復の兆しが見られる。
2 月に各社が Netbook の新モデルを相次いで市場に投入することから、ノートパソコン
関連部品ベンダーは ODM メーカーからのラッシュオーダーが増えているという。大手ノ
ートパソコン ODM の仁宝(Compal)及び英業達(Inventec)は、ヒューレットパッカー
ド(HP)、アップル、東芝からのラッシュオーダーにより今年 1 月の売上の落ち込みを予
想以上に小幅に抑えることが出来たとしている。受動部品大手の乾坤(Cyntec)、禾伸堂
(Holy Stone)、国巨(Yageo)もいずれも今年 1 月の売上が予想を上回ったとしている。
世界の 2 大ノートパソコン用プリント基板メーカー、瀚宇博徳(HannStar Board)及び
金像電子(Gold Circuit)もノートパソコン用プリント基板市場はすでにボトムアウト
したとコメントしている。特に金像電子は今年のノートパソコン用プリント基板の出荷
量は前年比 7%増の 3000 万ユニットを見込んでいると強気の見通しを示している。
世界の 5 大ノートパソコン ODM メーカーの今年 1 月のノートパソコン出荷量は 720 万台
にとどまったが、2 月の出荷台数は 1 月比 10%増が見込まれている。
31
2009 年 2 月号
【デジカメ】華晶、円高で日系ブランドメーカーの台湾 ODM メーカーへの外注拡大を予想
DIGITIMES 13-2-2009
世界第 2 位のデジタルカメラ OEM メーカー、華晶科技(Altek)は、日系の大手デジタル
カメラメーカーが円高による製造コストの上昇を軽減するため、台湾系メーカーへの
ODM/OEM オーダーを拡大、中でもこれまで自社生産を堅持してきたキャノン及びソニー
が方針を転換し外注を開始するとの見方を示した。
華晶科技は現在、台湾、中国内地を中心に 40 のカスタマー向けにデジタルカメラを供給
しており、昨年の連結売上高は 280 億 NTD(約 8 億 2300 万米ドル)を突破している。
【半導体】原相科技、威盛科技と提携し中国ノンブランド Netbook 市場を開拓
DIGITIMES 13-2-2009
台湾の CMOS イメージセンサー(CIS)メーカー、原相科技(PixArt Imaging)は、台湾の
大手半導体メーカー、威盛科技(VIA)が進める革新的携帯電話インフ
ラ整備事業、Global Mobility Bazzar(GMB)に参画することを決め、威
盛科技で提携して中国のノンブランド低価格小型ノートパソコン Netbook 市場を開拓す
ることを明らかにした。原相科技:www.pixart.com.tw/
【電子全般】中国電子情報産業 2008 年総売上高/粗利益及び主要製品生産量
中国工業情報化省
単位
億元
億元
億元
億元
総売上高
うち:製造業
ソフトウェア
総粗利益(ソフトウェア除く)
主要製品生産量
単位
2008 年
携帯電話
万台
55964.0
通信交換機
万回線
4583.9
ファックス機
万台
769.9
カラーテレビ
万台
9033.1
パソコン
万台
13666.6
うち:ノート
万台
10858.7
パネル
万台
13364.6
プリンタ
万台
4334.0
半導体部品
万個
24611353.3
半導体チップ
万個
4171490.6
デジカメ
万台
8188.3
2008 年
58826.0
51253.1
7572.9
11407.9
2007 年
前年比%
51259.0
14.8
45424.7
12.8
5834.3
29.8
9947.9
14.7
2007 年
前年比%
54857.9
2.0
5387.0
-14.9
888.5
-13.3
8478.0
6.5
12073.4
13.2
8671.4
25.2
14438.1
-7.4
4234.7
2.3
25045769.0
-1.7
4116232.0
1.3
7493.5
9.3
32
2009 年 2 月号
製造業売上高及び粗利益業態別内訳
企業数
売上高
(社)
(万元)
前年比%
製造業合計
16515
512530538.0
12.8
通信機器製造業
1396
84601418.3
6.6
レーダー製造業
47
1697059.8
30.3
テレビ製造業
402
3284068.7
10.0
パソコン製造業
1460
171343075.6
7.3
AV 機器製造業
1001
38077595.6
9.3
電子デバイス製造業
2464
65746474.9
22.0
電子素子製造業
6079
93981874.1
16.9
制御測定機器製造業
683
5730938.2
20.4
製造設備製造業
1359
13105274.5
35.1
その他情報機器製造業
1062
13347033.2
15.7
その他
562
21615725.1
17.4
粗利益
(万元)
前年比%
114078575.1
14.7
19178904.7
12.3
475176.7
30.3
942052.1
9.9
26907131.0
7.9
7143986.7
10.8
18697535.7
21.8
25609025.8
17.1
1924103.8
20.5
4017437.4
35.1
3680616.9
16.2
5502604.3
20.6
【太陽電池】力諾太陽能、山東省にタイ Solartron 向け太陽電池セル工場建設
2009-2-16 中国電子部品産業協会
江西晶科能源(Jinko solar)の年産能力 10MW の太陽電池
セル工場誘致に続いて、中国山東省は、中国の大手ガラス
メーカー、武漢力諾集団傘下の力諾太陽能電力公司(Linuo Solar)の誘致に成功、正式
に契約を締結した。契約によると、力諾太陽能の山東省工場は、タイ最大の太陽電池メ
ーカーSolartron 向けに年間 5MW の太陽電池セルを輸出することになる。
武漢力諾太陽能電力は主に太陽電池セルを生産する企業で第 1 期の生産能力は 50MW、昨
年 7 月に正式に稼働している。一方、Solartron はタイ国内シェア 50%以上の東南アジア
有数の太陽電池メーカー。
晶科能源:www.desunsolar.com/ 力諾太陽能電力:www.linuo-solar.com/
【CCL】聯茂電子、1 月の売上高が前月比 8.8%増、前年同期比 52.9%減
DIGITIMES 16-2-2009
銅箔張り積層板(CCL)メーカー、聯茂電子(Iteq)は、今年 1 月の連結売上高が前月比
8.8%増、前年同期比 52.9%減の 543 万 NTD となったことを発表した。
【EMS】iSuppli、今年の電子 OEM/ODM 世界売上高は前年比 10%減を予想
2009-2-16 PCB 中国網
大手 IT 市場調査機関 iSuppli は、今年の世界の電子 OEM/ODM 売上高は前年比 10%減の 2708
億米ドルになるとの最新レポートを発表した。iSuppli は昨年 11 月には同 2.2%増の見通
33
2009 年 2 月号
しを示していたので大幅な下方修正となる。
Flextronics、Sanmina、Celestica の今年 1 月の売上高は昨年を大幅に下回っているこ
とから、各社とも通年の見通しを大幅に下方修正しており、人員及び設備投資の削減の
ほか、債務償還に支障を来たすメーカーも出ている。
また、想定外のダメージを受けているメーカーもある。Nortel Networks が今年 1 月 14
日に破産を発表したことで、トータル 20 億米ドル近くの ODM が消失しており、なかでも
台湾 ODM メーカーが最大のダメージを受けたと伝えられている。台湾最大の ODM/OEM メ
ーカーである Asustek(華碩)は昨年 4Q に創業初の赤字転落となったほか、世界第 2 位の
ノートパソコン ODM メーカー、Compal(仁宝)も昨年の売上高が前年割れする深刻な状況
を生んでいる。
なお、直近報告によると、今年 1 月のノートパソコンの出荷台数が昨年 12 月に比べ 30%
減となっており、今後も EMS 及び ODM 産業の大幅な生産調整は避けられない情勢となっ
ている。
【自動車】吉利、北泰倒産の影響軽微 東風、奇瑞、江淮、華晨、長城は精査中
2009-02-13 香港経済日報
先週破産手続きに入った北泰創業(Norstar)は、上海 GM、北京クライスラーのほか、
東風、奇瑞(Chery)、吉利(Geely)、江淮、華晨、長城などの中国地場メーカー向けに
も部品を供給していることから、影響が懸念されている。
これについて、吉利汽車は昨年にシャーシー設計を北泰に発注し数十万元をすでに払い
込んでいることを除けば、影響はないとしているが、東風、奇瑞、江淮、華晨、長城は
現在未回収貨物などを精査中で現時点ではコメントできないとしている。
北泰創業:www.norstar.com.hk/
【自動車】ボルグワーナー、総事業費 2 億米ドルの大連工場を計画通り 2011 年稼働
人民網 2009 年 2 月 16 日
金融危機が米国の自動車産業に深刻な影響を与えているなか、トランスミッションシス
テム大手の米ボルグワーナーは大連での世界最大級オートマチック・トランスミッショ
ン(AT)工場建設を延期することなく、計画通り完成させることを明らかにした。ボル
グワーナーの大連事業は中国自動車産業にとって最重要案件に位置づけられており、大
連市は万全の態勢で同事業へのバックアップを行うことを約束している。
ボルグワーナー大連事業は、中国地場自動車メーカー12 社が出資する中発聯投資有限公
司との共同事業で、総事業費は 2 億米ドル余りの大型案件。2011 年には完成し、AT の心
臓部といわれるダブルクラッチモジュール、ショックアブソーバーモジュール及び頭脳
となるコントローラーモジュールの生産を開始する予定。年産能力は 50 万セット。
また、ボルグワーナーは応用技術開発センターを大連に建設することも決めており、今
年 4 月には正式に建設を開始、2010 年 5 月には完成を予定している。
34
2009 年 2 月号
【自動車】長安汽車、北米市場を開拓 AutoPark と共同でメキシコに新工場建設
2009/02/16 新浪汽車
中国地場第 4 位の自動車メーカー、長安汽車は、メキシコ最大の自動車販売金融企業
AUTOPARK グループと合弁でメキシコに長安汽車ブランド車を生産する工場を建設する
ことで合意、今般正式に契約を調印した。
両社の合弁工場は完成すれば、長安汽車の奔奔、志翔、悦翔などの価格競争力がある車
種を生産、販売するほか、北米・中南米市場向けに輸出も行う計画。年産能力は 5 万台。
メキシコは北米地域でも重要な自動車生産基地かつ消費市場であり、2007 年のメキシコ
の自動車生産台数は 210 万台、販売台数は 280 万台に達している。北米・中南米市場開
拓にとっては最重要の戦略拠点に位置づけられ取り、GM、フォード、クライスラー、VW、
トヨタ、ホンダ、日産、現代などが揃ってメキシコに工場を建設している。
長安汽車にとって今後建設されるメキシコ工場は 6 つめの海外工場になるが、長安汽車
は来年末までに新たに 2 つの海外工場を建設する計画であるほか、今年は前年比 40%増
の 4 万台を輸出、また今後 3 年で輸出台数を 20 万台以上に拡大する計画も明らかにして
いる。 Autopark Group:www.autoparkgroup.co.uk/
397 号 2 月 20 日
【EMS】富士康/和碩/仁宝、春季ラッシュオーダー対応で人員小幅再拡張
2009-2-17 PCB 中国網、第一財経日報
世界最大の EMS、鴻海集団(Honhai Foxconn)傘下の富士康深圳工場が既に 3 千人を募
集し今後さらに 1 万人の人員を募集する予定であるほか、世界最大の電子機器 OEM/ODM
メーカー、華碩グループ(Asustek)傘下の和碩聯合(Pegatron)上海工場及び蘇州工場
が今後数千人、世界第 2 位のノートパソコン ODM メーカーの仁宝も 2 千人余りの人員を
募集する計画を明らかにしており、春季の新機種ラッシュオーダー対応で世界有数の電
子機器 EMS/ODM メーカーが人員を小幅ながら再拡張する動きを取っている。
【パソコン】宏碁、昨年 Netbook 販売 1400 万台 今年 2500 万台以上
2009-2-18 中華液晶網
世界第 2 位のノートパソコンメーカー、宏碁(Acer)は、昨年の低価格小型ノートパソ
コン Netbook の販売台数が目標の 700 万台の約 2 倍の 1400 万台に達し、華碩を抜いて世
界第 1 位となったことを明らかにするとともに、これを背景に今年の販売目標を
2500-3000 万台、来年の販売目標を 4000 万台に引き上げたことを明らかにした。
また、今年新たに投入する 10 インチ Netbook には、第 5 世代ラインで生産された液晶パ
ネルに LED バックライトを採用し他社の 3.5 世代ライン製液晶パネルに比べ高輝度、ま
た Intel Atom N280 プロセッサ搭載により従来よりも高速作動を実現していることを明
らかにした。なお、バッテリは Panasonic 製を採用しているという。
35
2009 年 2 月号
【パソコン】宏碁ファウンダー、世界経済 2007 年水準回復には 4 年必要と
2009-2-17 搜狐 IT
世界第 3 位のパソコンメーカー、宏碁(Acer)ファウンダー、施振栄氏は、世界経済が
2007 年の状態を取り戻すには 4 年以上の時間を要するとの見方を示した。同氏は、経済
が 2007 年当時の水準を回復するには大胆な産業の淘汰再編が必要で、これは社会にとっ
て決してマイナスではなく、企業が自らの原点であるコアコンピタンシーを見直し競争
力を伸ばす良きチャンスであることをを強調した。
一方、同氏は、為替変動が台湾の DRAM、液晶パネル産業に非常にマイナス影響を与え、
韓国ウォン下落により三星の液晶パネルが価格的に優位な立場に立っていることについ
ては、是正が必要であるとの見方を示した。
【液晶パネル】三星/LG、相互調達拡大、台湾調達削減 保護主義台頭
台湾経済日報 2009.02.17
韓国の三星電子、LG 電子(LGE)は 16 日、相互に液晶パネルを融通し合うことで合意、
先ず液晶モニター用パネルの融通から始め、段階的に融通範囲をノートパソコン用パネ
ルにも拡大していく計画を明らかにした。液晶パネル業界では、世界の 2 大液晶パネル
メーカーが相互に液晶パネルを融通することになれば、台湾の液晶パネルメーカーから
の調達が削減されることは間違いなく、低迷する台湾液晶パネル産業にとっては火上注
油となっている。これまで三星の台湾メーカーからの液晶パネル購買比率は 5 割前後、
LG の同比率は 3 割前後あったが、今後は大幅に削減される見通し。
韓国の三星、LG がこうした相互調達の方針を示した背景には、中国大陸政府が台湾液晶
パネルメーカーからの 20 億米ドル相当の液晶パネル購買計画、及び農村部での家電普及
支援策など、台湾の液晶パネル産業を優遇する保護主義的政策を取ったことがあると見
られている。世界同時不況は、米国のバイアメリカン政策など、早くも民族主義、保護
主義の台頭を招いている。
ただし、三星 LCD 事業部長の張元基(Chang Won-kie)氏は、テレビ用パネルの相互購買
については、両社が使用している技術に大きな違いがあることから実現は難しいだろう
としている。
【液晶パネル】中型液晶 TV パネル価格、中国内地特需で 3-5 米ドル上昇
DIGITIMES 17-2-2009
中国内地政府が発動した農村部での家電普及支援策により、26 インチ/32 インチなどの
中型液晶テレビ需要が拡大しており、同型テレビ用パネル価格が 2 月末までに 3-5 米ド
ル上昇すると見られている。26 インチ/32 インチテレビ用パネル市場における台湾メー
カーのシェアは今年 1 月時点で 12.6%及び 42.6%に上昇しており、中国内地政府の家電普
及支援策の恩恵を最も受けるのは台湾メーカーと見られている。また、モニター用パネ
36
2009 年 2 月号
ル価格についても、Moni-TV などの需要が伸びていることから上昇傾向が続く見通し。
一方、ノートパソコン用パネル価格については、在庫水準が依然高水準にあるにもかか
わらず、ノートパソコン需要が伝統的閑散期にあって低水準にあるため、今後 1 ヶ月は
横ばいが続く と見られている。今年 1 月のノートパソコン用パネルの出荷量は前月比
28.5%減と低水準になっている。
【液晶パネル】中国賽宝、広州に国家薄型パネル検査測定センター建設
2009-2-17 中華液晶網
旧中国情報産業省第五研究所から改組された第三者認証
機関、中国賽宝実験室は、中国工業情報化省及び広東省
科学庁支援のもと、広州市天河区軟件園に国家級薄型デ
ィスプレイ検査測定センターの建設を開始した。2010 年初めには全面的に開業する予定。
中国賽宝実験室:www.ceprei.com/
【モニタ】冠捷、昨年 4Q 赤字転落 今年モニタ出荷 5 千万台達成困難
2009-2-18 台湾工商時報
世界最大のモニターメーカー、冠捷(TPV-AOC)は、ブラジル子会社の為替差損が予想以
上に膨らんだため、昨年 10-12 月が赤字に転落したこと、また世界経済が予想以上に低
迷していることから今年のモニター出荷台数は目標の 5000 万台(前年比 8%増)を達成
することは極めて困難となったことを明らかにした。
またこの状況を踏まえて、人員整理、賃金カットなどにより人件費を 10-20%を削減す
るとともに、今年の設備投資を昨年の 1.6 億米ドルから 0.7-1 億米ドルに削減すること
を決定したことも明らかにした。
【LED】光宝/億光/東貝、中国台湾で大型 LED バックライト受注独占
2009-2-17 中華液晶網、台湾経済日報
LED バックライトが携帯電話パネルからテレビパネルに広がるなか、LED バックライトの
業界勢力図が今後 2-3 年で大きく塗り替えられる見通しで、中国台湾では光宝(Lite-on)、
億光(Everlight)、東貝(Unity Opto)の 3 メーカーが大型 LED バックライト受注を独
占する傾向がはっきりと現れ始めた。
三星が数年前に携帯電話に LED パネルを採用したのをきっかけに、LED バックライトが
液晶テレビにも利用される時代が到来、液晶テレビの LED バックライト採用比率は今年
飛躍的に上昇すると見られている。
携帯電話パネルに採用される小型 LED バックライトは LED チップ 2-3 個を組み込むに過
ぎず、参入障壁が低く過当競争の状況になっていたが、ノートパソコンのバックライト
に搭載される LED は 40-50 個、モニターでは 200 個以上、テレビでは 1000 個近くに上る
ことから、不良品率低下などの品質の安定が大きなハードルとなっており、中小の LED
37
2009 年 2 月号
メーカーが簡単に参入することが難しくなっている。
これまで携帯電話用 LED 市場を独占してきた億光、光宝、東貝、宏斉(Harvatek)、今台
(Kingbright)などの LED バックライトメーカーでも、今年の携帯電話市場がマイナス
成長になることが確実視されていることから、依然成長が期待できるノートパソコン市
場を開拓する動きを加速しており、大手国際ブランドメーカーからのサプライヤー資格
取得合戦となっていたが、実際に資格を取得できたのは大手の光宝、億光、東貝のみで、
中小の宏斉、今台などは参入が難しくなっている。
東貝:www.unityopto.com.tw/ 宏斉:www.harvatek.com.tw/
今台:www.kingbright.com/
【LED】億光、大型 LED バックライト好調で一人勝ち 今年 20-30%増収
2009-2-17 中華液晶網、台湾経済日報
台湾最大の LED メーカー、億光(Everlight)は現在、大型パネル用 LED バックライト及
び LED 照明市場を積極的に開拓しており、既に大手ノートパソコンメーカー向け LED バ
ックライトを受注、照明用高容量 LED の売上高も急拡大していることから、今年の売上
高は前年比 20-30%の 140 億 NTD 以上を予想している。
億光の昨年の売上高は 110 億 NTD に達し、売上高は晶元(Epistar)及び光宝(Lite-on)
を抜いて台湾最大の LED メーカーとなっていたが、今年に入ってからも億光の業績は拡
大し続けており、一人勝ち状態が鮮明となっている。億光は、大型 LED バックライトだ
けでなく、オフィス照明、補助照明、街灯などの LED 照明事業にも注力しており、どち
らの事業も景気の影響を受けにくいことから、今年の業績も昨年同様好調が期待できる。
デル、アップル、HP、華碩、宏碁、ソニーなどの大手ブランドメーカーが LED バックラ
イト採用比率を大幅に引き上げることを宣言しており、今年は LED バックライトがノー
トパソコン、液晶モニター、液晶テレビ市場に急速に浸透する転換の年になると見られ
ている。こうしたなか、光宝、億光は既に大手ブランドメーカー向け大型 LED バックラ
イト供給権を獲得しており、両社の今年の売上高は前年を大幅に上回る見通しとなって
いる。
【太陽電池】旺能、中国内地ソーラーセル工場建設で 40 億 NTD 融資獲得
DIGITIMES 17-2-2009
中国台湾の台達(Delta)傘下の大手太陽電池メーカー、旺能光電(Delsolar)は 16 日、
台湾の銀行 4 行及びシンガポール発展銀行(DBA:Development Bank of Singapore)か
ら期間 5 年のシンジケートローン 40 億 NTD(約 1 億 2 千万米ドル)を獲得、正式に中国
内地の呉江に年産能力 240MWp の太陽電池セル工場建設に着手することを発表した。旺能
光電の台湾域内における現有年産能力は 120MWp であるので、呉江工場が稼働すれば生産
能力が大幅に拡大されることになる。
旺能は単結晶シリコン太陽電池でエネルギー変換効率を 17.5%から 18.3%、多結晶シリコ
ン太陽電池で 15.8%から 16.6%に引き上げることに成功しており、今年 7 月に量産を開始
38
2009 年 2 月号
する予定で、同社の高変換効率ソーラーセルの年産能力は年末には 120MWp に達するとし
ている。
なお、旺能の今年の太陽電池用結晶型シリコンウエハの約 50%は長期契約で調達、残り
50%はスポット契約で調達する計画だという。旺能:www.delsolarpv.com/
【太陽電池】武漢市、中国最大のソーラー用多結晶シリコン生産基地建設
2009-2-18 中国電子部品産業協会
太陽電池産業の勃興に伴い多結晶シリコン需要が堅調に拡大していることから、中国地
場の不動産デベロッパー、武漢東立置業は 12 日、武漢市東湖区に 15 億元を投じて年産
1500 トンの多結晶シリコン生産基地を建設することを発表した。4 年後には年産 5000
トンの中国最大の多結晶シリコン生産基地に拡張される計画だという。
【半導体】華潤微電子、破綻したキマンダ蘇州 6 インチ半導体工場買収か
2009-02-18 毎日経済新聞
中国地場の半導体ファウンドリ、華潤微電子(China Resources Microelectronic)は、
中国内地で 6 インチ半導体生産設備取得に向けて交渉中であることを明らかにした。同
社は先日、破綻したキマンダの買収に関心を示していると伝えられており、キマンダが
蘇州工業園に 6 インチ工場を有していることから、華潤微電子が交渉中の中国内地の半
導体設備はキマンダの蘇州工場ではないかと見られている。
【自動車】IAC、重慶新工場稼働 長安フォードマツダ向け内装品供給開始
美通社 2009 年 2 月 18 日
米国の自動車部品メーカー、インターナショナル・オートモーティブ・コンポーネンツ
(IAC)の敷地面積 4200 平米の重慶新工場が正式に稼働、長安フォードマツダ向けに内
装部品の供給を開始した。
IAC は昨年 9 月にインド Chakan (Pune)に新工場の建設を
開始したほか、同年 4 月にはパートナーである日本の三ツ
星ベルト化成品(Mitsuboshi Belting Kaseihin:MBK)と共同で武漢に新工場の建設を
開始するなど、アジアでの生産拠点建設を積極的に行っている。また、これらの生産拠
点を統括するアジアパシフィック地区本部を上海に設置している。
398 号 2 月 23 日
39
2009 年 2 月号
【パソコン】広達/仁宝、Netbook 新機種投入の恩恵受け出荷量上向く
2009-2-19 中華液晶網、台湾経済日報
ノートパソコン ODM 業界の業績が好転し始めている。業界第 2 位の仁宝(仁宝)の今年
2 月のノートパソコン出荷量が前月比 25-30%増となり 200 万台の大台を回復する見通し
であるほか、業界最大手の広達(広達)の 2 月の出荷量も 1 月比 10%増となる見通し。
仁宝は先日の年度末決算発表で、昨年 4Q の営業利益率は 2.8%に低下したものの、何と
か 27.38 億 NTD の黒字を確保、また 1 月の出荷量は約 155 万台で前月比 9%減、連結売上
高は同 12%減の 281.22 億 NTD となったものの、ラッシュオーダー受注により予想を上回
る業績となったことを明らかにしている。仁宝は、宏碁の Netbook 機種 Aspire One の
10.1 インチ及び 8.9 インチの ODM の 8 割以上を獲得していることから、宏碁の Netbook
新機種投入の恩恵を最も受けている。
【パソコン】広達、HP の新機種投入延期で今年ノート PC 出荷計画比 5%減
Commercial Times 2-19-2009
ノートパソコン ODM 世界最大手の広達(Quanta)は、Hewlett-Packard(HP)が 16:9 アス
ペクト比パネル搭載民用ノートパソコン製品をニューモデルに切り替える時期を今年 4
月から今年下期に延期することを決定したことから、今年のノートパソコン出荷量が計
画比 5%減となる見通しを明らかにした。
一方、このことにより、現在 HP の 16:9 パネル搭載民用ノートパソコン ODM を生産して
いる業界第 3 位の緯創(Wistron)は切り替え延期により逆に出荷量の減少を回避できる
見通し。
【パソコン】仁宝、巨騰と南京に年産 150 万個マグネアルミ筐体工場を建設
DIGITIMES 20-2-2009
世界第 2 位のノートパソコン ODM メーカー、仁宝
(Compal))は、香港の筐体メーカー、巨騰国際
(Ju Teng)と合弁で南京にノートパソコン用マ
グネ・アルミ合金筐体生産工場を建設することを発表した。年産能力は 150 万個。今年
7 月稼働予定。 巨騰国際:www.juteng.com.hk/
【液晶パネル】中国政府、総額 150 億米ドル液晶パネル産業支援策発表
DIGITIMES、cnYes.com 18-2-2009
中国政府は近く総額 1 千億元(約 146.3 億米ドル)の液晶パネル産業支援策を発表する予
定で、主に中国地場の液晶パネルメーカーの第 7 世代(7G)以上のプラントの建設を援
助するために投じられる計画。
中国地場系の 3 大液晶パネルメーカー、京東方グループ(BOE Technology Group)、上広
40
2009 年 2 月号
電グループ(SVA Group)、昆山龍騰(Info Vision Optronics :IVO、台湾宝山集団との
合弁)が同支援策の援助を受けて中国国内での設備投資を積極化することが期待されて
いる。昆山龍騰(IVO)はすでに総額 30 億米ドルの 7.5G プラント建設計画を中国国務院
に申請を提出済みとも伝えられている。また、京東方(BOE)は、中央政府と 8G プラン
ト建設について協議を行っている、上広電(SVA)NEC は 6G プラント建設計画を凍結し
7.5G プラント建設を検討しているとも報じられている。一部台湾の設備メーカーも、中
国地場の液晶パネルメーカーから 7.5G 及び 8G 生産ラインの引き合いがありスペック等
の照会があったことを明らかにしている。
【液晶パネル】奇美、今年 1Q の大型液晶パネル出荷量が友達に肉薄
2009-2-19 中華液晶網
液晶モニター用パネルの在庫調整がようやく一段落しブランドメーカーがモニター用パ
ネルの調達を再開したこと、またテレビ用パネルも中国政府の梃入れ策を背景に発注を
拡大させていることなどから、モニター用及びテレビ用液晶パネルの今年 1-3 月の出荷
量は昨年 10-12 月とほぼ同水準に落ち着く見通しとなっている。
中国政府の農村部家電普及支援策は、実施期間 4 年、今年 2 月から正式に実施に移され
ているが、農村部で購入される液晶テレビの多くが 19、22、26 インチなどの中型の液晶
テレビであることから、これらサイズの液晶パネルを得意とする台湾メーカーには恵み
の雨となっている。特に中国大陸テレビ市場で最大シェアを持つ奇美電子(CMO)が最も
大きい恩恵を受けており、同社の今年 1-3 月のテレビ用パネル及びモニター用パネルの
出荷量は大幅に伸張すると見られている。一方、友達(AUO)は、奇美に比べ中国大陸市
場でのシェアが低く、中国政府の支援策の恩恵を受けにくく、今後奇美の大型液晶パネ
ル出荷量が友達に肉薄すると見られている。今年 1-3 月の台湾メーカー全体の大型液晶
パネル出荷量については、昨年 10-12 月比 7.8%減の 3061 万枚になると見られている。
【携帯電話】中興、中南米市場向け太陽電池搭載の携帯電話を開発
手機産業網 2009-2-20 15:28:15
世界第 6 位の携帯電話メーカー、中興通訊(ZTE)は今年 6 月からパ
ナマの通信キャリア Digicel グループと共同で開発した低価格のソ
ーラー電池搭載 Coral-200-Solar 携帯電話の販売を開始する予定。同
製品はオランダの太陽電池メーカー、Intivation 社の特許技術を採
用している。
Digicel グループ:www.digicelgroup.com/ Intivation 社:www.intivation.nl/
【バックライト】独立系の中強/瑞儀、韓国メーカーとの関係強化で売上伸張
2009-2-19 台湾経済日報、中華液晶網
液晶パネルのラッシュオーダー急増により、バックライトモジュールメーカーが恩恵を
41
2009 年 2 月号
受けているが、大手液晶パネルメーカーが系列のバックライトモジュールに発注する傾
向が強いため、独立系のバックライトモジュールメーカー、中強光電(Coretronic)及
び瑞儀光電(Radiant)は、韓国メーカーとの関係を強めることで売上を伸ばしており、
瑞儀光電においては売上高全体の半分近くを韓国パネルメーカー向けが占めるに至って
いる。
また、韓国パネルメーカーの設備稼働率が足もとで台湾パネルメーカーに比べ高く 80%
前後を維持しているため、韓国パネルメーカーからの受注が多い独立系の中強光電、瑞
儀光電の売上高が相対的に堅調に拡大している。
中強光電は今年 2 月、3 月のバックライトモジュール出荷量は 1 月比 3 割以上伸びると
しているほか、瑞儀も 2 月の売上高が 1 月に比べ大幅に伸張することに言及している。
両社によると、韓国パネルメーカーもこれまでは系列のバックライトモジュールメーカ
ーを優先的に起用してきたが、台湾の独立系メーカーが系列会社に比しても高い競争力
を誇ることが判明してから、積極的に台湾の独立系メーカーを起用するようになったと
いう。
【PCB】欣興電子、今年 1Q 平均稼働率 50%以下に低迷、赤字に転落
DIGITIMES 20-2-2009
世界第 2 位のプリント配線基板(PCB)メーカー、欣興電子(Unimicron)は、今年 2 月、
3 月の売上高が 1 月を上回るものの、1-3 月通じての平均設備稼働率は 50%以下にとどま
る見通しで赤字に転落する可能性が高いこと、今年通年の設備投資を前年比 50%減の
20-30 億 NTD(5800-8700 万米ドル)とすることを発表した。
【PCB】銅張り積層板/ガラスファイバークロス産業、徐々に正常化軌道に
2009-2-19 中国 PCB 産業協会
プリント配線基板(PCB)の需要が昨年 4Q に急降下したが、上流の銅箔張り積層板(CCL)、
ガラスファイバークロスの需要は PCB を上回る角度で減少した。富喬(FFG)、建栄
(Baotek)、徳宏(Glotech)などの大手ガラスファイバー/クロスメーカーの昨年 12 月
の売上高(下表1)は歴史的低水準になったほか、2 大メーカーの台玻(台湾ガラス)、
南亜においても幾つかの高炉を操業休止させる措置を取るに至っている。
しかし、直近で発表された富喬、建栄、徳宏の今年 1 月の売上高(下表2)は昨年 1 月
に比べ依然大幅に後退してはいるものの、昨年 12 月に比べると 6-9 割上昇しており、底
離れ傾向が見られる。
CCL メーカー、台光(EMC)、聯達(TL)、華韡(HWAWOEI)の今年 1 月の売上高(表3及
び表4)も昨年 12 月を大幅に上回っており、台光は市場は依然低迷しているものの、11
月以降の減産で在庫水準は 2 週間まで低下、また環境対応材料の需要が依然旺盛である
ため、生産活動は徐々に回復に向っているとしている。PCB メーカーがコスト削減目的
で価格が低水準にあるうちに原材料を大量調達しておこうという心理も働いているので
はないかとも見られている。
42
2009 年 2 月号
表1
表2
表3
表4
43
2009 年 2 月号
【PCB】台湾上場PCB原材料メーカー2009 年 1 月売上高一覧
【銅箔】台湾上場銅箔メーカー2009 年 1 月売上高一覧
44
2009 年 2 月号
【FCCL】台湾上場FCCLメーカー2009 年 1 月売上高一覧
【自動車】コンチネンタル、蕪湖工場 2 期正式稼働 奇瑞向け計器等供給
2009-2-20 中国電子部品産業協会
独コンチネンタル AG は 2 月 18 日、コンチネンタル汽車電子(蕪湖)有限公司(旧シー
メンス VDO 蕪湖工場)第 2 期を完成、正式に稼働させた。同第 2 期は主に奇瑞汽車向け
に計器、燃料供給システム、エンジン部品を生産するほか、物流倉庫及び実験センター
ビルも具備している。従業員数は 1500 名。
【自動車】大橋技研上海、武漢に支店開設 中国地場サプライヤーを開拓
長江日報 2009 年 2 月 20 日
日本の自動車用精密部品メーカー、大橋技研の上海現地法人、大
橋精密件(上海)有限公司は、武漢に支店を開設、正式に開業さ
せた。東風ホンダ、東風日産向けファスナー、プレス部品の販売
拠点とする。
399 号 2 月 25 日
【EMS】富士康武漢工場、HP からパソコン 1600 万台受注 1 万人募集
2009-2-23 新浪科技
EMS 世界最大手の鴻海富士康(Honhai Foxconn)武漢工場は、ヒューレットパッカード
(HP)からデスクトップパソコン 1600 万台を受注したことが明らかになった。これによ
り、富士康武漢工場の今年の売上高は 100-150 億元に達する見込みで、同工場は新たに
1 万人の人員を募集する計画という。
鴻海富士康は、金融危機以降、深圳工場の縮小、武漢工場の拡大を加速しており、武漢
工場を深圳工場に匹敵する一大生産拠点とする計画。富士康武漢工場は昨年、すでに聯
想のパソコン 450 万台、オリンパスのデジタルカメラ 600 万台を受注しているが、今回
45
2009 年 2 月号
の HP のデスクトップパソコン 1600 万台受注により業容を一気に 2 倍に拡大する。
HP は今年からデスクトップパソコンの ODM パートナーを、一体型機種で精英(Elite)
から広達(Quanta)及び緯創(Wistron)に、従来型機種で和碩(Pegatron、華碩傘下)
から鴻海富士康に切り替える計画を明らかにしている。またプリンタの ODM も鴻海富士
康に発注する計画が伝えられている。
【EMS】鴻海、2 億米ドル投じベトナム北部に新工場建設 コスト削減加速
2009-2-24 中国電子部品産業協会
ベトナム外資監督当局によると、EMS 世界最大手の鴻海集団(Honhai Foxconn)が、生
産コスト及び人件費削減を加速するため、2 億米ドルを投じてベトナム北部に携帯電話
及び関連電子機器を生産する新工場を建設することが明らかになった。鴻海は 20 日、今
回の投資はあくまで 2 年前に発表されたベトナム投資計画の一環で実行されるもので新
規投資ではないと説明している。
同社は 2 年前に総額 50 億米ドルを投じてベトナムに一大生産基地を建設することを発表、
計画案記載によると 50 億米ドルのうち 40 億米ドルは埋め立て事業に投じられ、残り 10
億米ドルで鴻海の本業である EMS 関連工場を建設することになっている。第 1 期は 2007
年 8 月にベトナムバクニン省クエボ工業団地に完成、既に稼働している。
【パソコン】技嘉、Netbook 市場に参入 CeBIT2009 に 10 インチ機種出展
DIGITIMES 23-2-2009
世界第 2 位のマザーボードメーカー、技嘉(Gigabyte)は、今年 4-6 月から正式に Netbook
パソコン市場に参入、CeBIT 2009 に 10 インチ Netbook パソコン 3 機種を出展すること
を発表した。CeBIT に出展される 3 機種はいずれも回転式タッチスクリーン、インテル
Atom N270 CPU、945GSE チップセットを採用しているという。CeBIT 2009 は今年 3 月 3-8
日、ドイツハノーバーで開催される。
【液晶パネル】シャープ、中国現地での液晶パネル生産で上海広電と協議中
2009-2-23 南方都市報
日本最大の液晶パネルメーカー、シャープが現在、中国上海広電電子集団(SVA)と中国
現地での液晶パネル生産について協議中であることが明らかになった。シャープが日本
国内の主力工場である亀山第一工場の設備を中国上海広電電子集団(SVA)に売却し上海
広電(SVA)に液晶パネルの生産を委託する案、両社が合弁で液晶パネルの生産を行う案
の 2 つの案が協議されているという。
シャープは、これまで最先端の液晶パネル製造技術を海外に流出するのを防ぐため、生
産拠点を日本国内にとどめ海外セットメーカー向けには輸出で対応してきたが、金融危
機以降の急激な円高で日本国内工場の輸出競争力が著しく低下し黒字確保も困難な状況
になったことから、亀山第一工場の中国シフトを検討せざるを得なくなった。シャープ
46
2009 年 2 月号
は今月初めに 2008 年度の業績が同社初の営業赤字に転落、その赤字幅も 1000 億円前後
に達することを発表している。
シャープが売却を検討しているのは、同社の主力工場である亀山工場の第 8 世代生産ラ
インで日本国内への影響が懸念されている。亀山工場は 2006 年に稼働、シャープの 40
インチカラーテレビ市場におけるマーケットシェアを 2006 年の 20.0%から 2008 年の
30.8%に押し上げていた。
【液晶パネル】液晶パネル価格、2 月は底這い 3 月に上向く可能性残す
2009-2-23 中国 PCB 協会
ディスプレイパネル市場調査機関 DisplaySearch は、2 月 19 日時点の各種液晶パネルオ
ファー価格(下表)を発表し、IT 機器パネル価格が予想に反して底這いしていることを
指摘するとともに、3 月には需給タイトにより価格が上向く可能性も残されているとの
最新の分析結果を明らかにした。
その一方で、DisplaySearch は、3 月に入ってたとえ液晶パネルの需給がタイトになった
としても、その原因は液晶パネル産業の減産によるところが大で、必ずしも市場の需要
回復を反映したものにはならないことを強調している。
また、テレビ用パネルについては、中国国内で 26 インチ及び 32 インチパネルの需要が
増加していることから、オファー価格の安値に上昇傾向が見られる一方で、37 インチ、
42 インチ、46 インチなどの大型テレビ用パネルは需要が依然低迷していることから下落
が続いているとしている。
単位:米ドル
Application
モニタ
Size
15.X"W
17"
19"W
19" TN
20"W TN
22"W TN
Nov 08
Dec 08
Jan 09
1H Feb
2H Feb
Change
High
58
52
52
52
52
0
Typical
56
50
50
50
50
0
Low
53
47
47
47
47
0
High
65
58
58
59
59
0
Typical
63
56
56
57
57
0
Low
60
54
54
55
55
0
High
69
61
62
64
64
0
Typical
67
59
60
62
62
0
Low
65
57
59
61
61
0
High
82
74
74
74
74
0
Typical
80
72
72
72
72
0
Low
77
69
69
69
69
0
High
82
73
73
74
74
0
Typical
77
68
68
70
70
0
Low
75
66
66
68
68
0
High
95
86
86
87
87
0
Typical
93
84
84
86
86
0
Low
90
82
82
84
84
0
47
2009 年 2 月号
ノート PC
13.3"W
14.1"W
15.4"W
17"W
テレビ
26" TN
32"
37"
42"
46"
PDP
42"
42"
50"
携帯電話
1.8"
2.0"
High
82
77
77
77
77
0
Typical
80
75
75
75
75
0
Low
74
69
69
69
69
0
High
58
53
53
53
53
0
Typical
57
51
51
51
51
0
Low
51
46
45
45
45
0
High
59
54
54
54
54
0
Typical
58
52
52
52
52
0
Low
52
47
46
46
46
0
High
87
81
81
81
81
0
Typical
86
80
80
80
80
0
Low
79
73
73
73
73
0
High
155
135
135
135
135
0
Typical
150
130
130
130
130
0
Low
145
120
120
120
125
5
High
210
170
170
170
170
0
Typical
205
165
165
165
165
0
Low
200
150
150
150
155
5
High
310
275
275
275
270
-5
Typical
305
265
265
265
260
-5
Low
300
250
250
250
245
-5
High
400
340
340
340
335
-5
Typical
390
330
330
330
325
-5
Low
385
320
320
320
315
-5
High
575
510
510
510
500
-10
Typical
570
505
505
505
495
-10
Low
550
485
485
485
475
-10
High
270
220
209
209
209
0
Typical
260
215
204
204
204
0
Low
250
210
200
200
200
0
High
308
297
282
282
282
0
Typical
302
279
265
265
265
0
Low
295
260
247
247
247
0
High
455
446
419
419
419
0
Typical
448
412
387
387
387
0
Low
440
377
354
354
354
0
High
5.30
5.00
4.90
4.90
4.90
0.00
Typical
4.80
4.50
4.40
4.40
4.40
0.00
Low
4.70
3.80
3.50
3.50
3.50
0.00
High
7.70
7.00
6.50
6.50
6.50
0.00
Typical
5.90
5.50
5.40
5.40
5.40
0.00
Low
5.40
5.00
4.80
4.80
4.80
0.00
48
2009 年 2 月号
2.2"
7"
DVD
8"
10.2"
Netbook PC
8.9"
10.x"
デジカメ
2.5"
2.7"
High
8.90
7.70
7.50
7.50
7.50
0.00
Typical
7.70
6.70
6.50
6.50
6.50
0.00
Low
6.70
6.00
5.50
5.50
5.50
0.00
High
13.50
13.00
12.50
12.50
12.50
0.00
Typical
13.00
12.50
12.00
12.00
12.00
0.00
Low
12.00
12.00
11.50
11.50
11.50
0.00
High
29.00
27.00
24.00
23.00
23.00
0.00
Typical
27.00
25.00
22.00
21.50
21.50
0.00
Low
25.00
23.50
21.00
20.50
20.50
0.00
High
48.00
46.00
42.00
41.00
41.00
0.00
Typical
46.00
44.00
41.00
40.00
40.00
0.00
Low
43.00
41.00
39.00
38.00
38.00
0.00
High
39.00
31.00
26.00
26.00
25.00
-1.00
Typical
38.00
30.00
25.00
25.00
24.00
-1.00
Low
35.00
27.00
23.00
23.00
22.00
-1.00
High
49.00
42.00
39.00
39.00
38.00
-1.00
Typical
48.00
41.00
38.00
38.00
37.00
-1.00
Low
45.00
39.00
36.00
36.00
35.00
-1.00
High
6.40
6.20
6.00
5.90
5.90
0.00
Typical
6.20
6.00
5.80
5.70
5.70
0.00
Low
5.70
5.50
5.30
5.10
5.10
0.00
High
7.40
7.20
6.70
6.50
6.50
0.00
Typical
7.30
7.10
6.60
6.40
6.40
0.00
Low
7.10
6.90
6.50
6.20
6.20
0.00
【液晶パネル】2 月 20 日液晶パネルメーカーオファー価格 vs2 月 5 日
WitsView、単位:米ドル
Application
LCD TV
Monitor
Notebook
Size
2 月 20 日
2月5日
変動額、変動幅
42"W
325
325
なし
-
37"W
245
245
なし
-
32"W
160
160
なし
-
26"W
130
130
なし
-
22"W
88
88
なし
-
19"
76
76
なし
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2009 年 2 月号
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【太陽電池】緑能、チェコ向け 420 万ユーロ相当薄膜太陽電池を受注
2009-2-20 中国電子部品産業協会
台湾の大手太陽電池メーカー、緑能科技(Green Energy)は、チェコのシステム業者か
ら 420 万ユーロ相当の薄膜太陽電池モジュールを受注したことを発表した。今年下期か
ら出荷を開始する。
緑能は台湾で初めて大型サイズ太陽電池モジュールを量産できる 8.5 世代薄膜太陽電池
生産ラインを導入したメーカーで、今年 3 月末までには量産を開始する予定。生産され
る製品のエネルギー転換比率は 7%以上で、初期年産能力は 30MW。受注状況を見ながら段
階的に年産能力を 50MW まで拡大する計画。
緑能は、チェコ政府が太陽電池産業を積極的に支援する政策を取っており、昨年から 20
年間の発電電力高値買い上げ制度(1 ワットアワー当たり 0.53 ユーロ)を実施している
ことに注目、東欧では最も有望な太陽電池市場になると分析している。
【太陽電池】北京市、平谷区に薄膜太陽電池基地建設 年産 150MW
2009-2-23 中国電子部品産業協会
中国北京市工業促進局は、同市平谷区政府(右地図)と共同で北京
市最大の太陽電池生産基地を建設することで合意、正式に契約を調
印した。総投資額は 9.5 億元、アモルファスシリコン薄膜太陽電池
生産ラインを 6 本建設する計画で、年産能力は人口 30 万都市の年
間消費電力に相当する 150MW。来年末に完成予定。
【太陽電池】京セラ、天津に新工場建設 天津での生産能力 4 倍に拡大
2009-2-23 中国電子部品産業協会
京セラは 20 日、中国天津の太陽電池セル生産工場敷地内に新たに工場を建設し、2011
年度の太陽電池セル生産量を 2008 年度の 2 倍以上の 650MW に拡大する計画を発表した。
新工場の建築面積は 2.88 万平米、4 月着工、来年春完成予定という。新工場が稼働すれ
ば、京セラの天津における太陽電池セル生産能力は従来比 4 倍の年間 240MW になる。京
セラは天津工場のほか、チェコ工場なども拡張することで生産能力倍増計画を達成する。
【PCB】稼働率低迷に喘ぐ大手 PCB メーカー、ホワイトボックス市場に参入
DIGITIMES 23-2-2009
欣興電子(Unimicron)
、華通(Compeq)
、耀華(Unitech)
、健鼎(Tripod)などの台湾の
大手携帯電話用プリント基板(PCB)メーカーは、11 月以降設備稼働率が 50%以下に低迷
していることから、これまで消極的だったホワイトボックス携帯電話メーカーとの取引
50
2009 年 2 月号
を開始、大手ブランドメーカー向けオファー価格比 20%低い安値で積極的に獲得する戦
略に転じた。中国などのホワイトボックス携帯電話マーケットは金融危機以降も成長を
続けており、世界同時不況にあえぐ携帯電話用 PCB メーカーにとって得難いマーケット
となっている。
一方、これまでホワイトボックス携帯電話メーカー向け低価格 PCB を主力としてきた中
堅 PCB メーカーは、大手 PCB メーカーが低価格で大々的にホワイトボックス市場に攻勢
をかけてきたことにより以前にも増して厳しい経営を強いられている。ホワイトボック
ス携帯電話向け PCB を主力とする柏承(Plotech)は、今年 1 月の連結売上高がわずか 1
億 6 千万 NTD(461 万米ドル)に落ち込み、赤字に転落している。ホワイトボックス携帯
電話市場が大手 PCB メーカーに侵食される中、柏承(Plotech)はハイエンドのネットワ
ーキング PCB 市場を開拓することで赤字からの脱却を図ろうとしている。
【自動車】玉柴、ロシア企業向け 1000 万米ドル相当エンジン契約獲得
広西新聞網 2009 年 2 月 24 日
中国第 2 位の独立系ディーゼルエンジンメーカー、広西玉柴(Yuchai)は、ロシア企業
向け 1000 万米ドル相当ディーゼルエンジン契約を獲得した。玉柴は、バス、トラック、
農機、建機など各種ディーゼルエンジンを生産しており、アジア、欧州、アフリカなど
40 の国・地域に製品を輸出している。特に YC6M 大型ディーゼルエンジンは低温でも優
れた性能を発揮することから、ロシアなどの寒冷地域向けが好調で、ロシアには毎年
1000 台余りを輸出している。今回獲得したロシア企業向けディーゼルエンジン輸出契約
では、YC4108D を含む 13 機種を輸出することになっており、最終的には年間 4 万台を輸
出することで合意している。
400 号 2 月 27 日
【液晶パネル】中国の農村部家電普及策、予想超える液晶 TV 需要喚起
台湾経済日報 2009.02.24
今月から全国規模の実施となった中国大陸政府の景気刺激策の一環、農村部家電普及政
策により、26 インチ/32 インチ液晶テレビの出荷が好転しており、中国大陸地場ブラン
ドテレビメーカーの 26 インチ/32 インチ液晶パネル調達も旺盛になっている。中国大陸
の液晶パネル市場で 50%以上のシェアを持つ台湾の奇美(CMO)及び友達(AUO)がその
恩恵を最も受けており、低迷していた業績にも回復傾向が見られる。両社の稼働率は一
時は 50%前後まで低下していたが、稼働率アップにも大きく貢献しているという。また
バックライト、ガラス基板、偏光膜などの原材料ベンダーの稼働率にも回復傾向が見ら
れ、中国大陸の台湾液晶パネル産業支援策は予想以上の成果を出している。
これまで奇美及び友達の総出荷量全体に占める中国大陸テレビメーカー向け出荷比率は
最高でも 40%程度だったが、直近では同比率が奇美で 60%、友達で 50%に達しているとい
う。市場では品薄状態が 4-5 月まで続くと見られている。
51
2009 年 2 月号
ソニー中国は、中国大陸の液晶パネル需要は世界市場の状況と全く正反対の好況を博し
ている、旧正月(春節)以降に需要がこれ程盛り上がることは想定していなかったため、
原材料メーカーがラッシュオーダーに対応できない状況とコメント。また、液晶パネル
メーカーは、受注、原材料ベンダーあて原材料発注、原材料搬入、生産/出荷までに、少
なくても 2 ヶ月のサイクルがあることから、中国大陸の液晶テレビ産業で今後少なくと
も 2 ヶ月は液晶パネルの品薄状態が続くと見ている。
【携帯電話】華宝、LG 電子 Window Mobile スマートフォン ODM 受注
Commercial Times 24-2-2009
大手携帯電話 ODM メーカー、華宝(Compal Communications)は、韓国 LG 電子 Windows
Mobile 採用スマートフォンの ODM を受注したことを発表した。同受注により、LG 電子向
けは華宝にとって Hewlett-Packard (HP)、 Motorola、 Palm、Acer に次ぐ規模になると
いう。
その一方で、華宝がスマートフォン事業に過度に経営資源を集中したことから、従来主
力だった低価格携帯電話 ODM 事業の弱体化が進んでおり、LG 電子は一部ローコスト携帯
電話 ODM の華宝への発注をサスペンドしたとも伝えられている。
【デジカメ】亜洲光学、Flextronics のデジタルカメラ事業買収に意欲
DIGITIMES 24-2-2009
世界第 2 位の EMS メーカー、フレクトロニクス(Flextronics)は、デジタルカメラ事業
を売却する計画で、世界第 3 位のデジタルカメラ ODM メーカー、
亜洲光学(Asia Optical)などが買収に意欲を示していることが
明らかになった。
フレクトロニクスは 2006 年にイーストマンコダック(Eastman Kodak)からデジタルカ
メラ事業を取得、その後米国ブランドメーカー向けでは最大のシェアを獲得したが、世
界市場でマジョリティを持つ日系/韓国系ブランドメーカーからの受注が伸びないこと
から同事業から撤退することを決めた模様。一方、亜洲光学は、フレクトロニクスのデ
ジタルカメラ事業を買収することで、米イーストマンコダック向け ODM 獲得を狙うと見
られている。
亜洲光学:www.asia-optical.com/
【デジカメ】亜洲光学、今年は ODM 事業、プロジェクタ事業に資源集中
台湾経済日報 2009.02.25
亜洲光学(Asia Optical)は、円高で日系デジタルカメラブランドメーカーが海外での
ODM 生産を拡大していることから、業績改善のためにも今年は ODM 事業に経営資源を集
中することを明らかにした。
亜洲光学の昨年 10-12 月の連結売上高は 84.17 億 NTD、昨年 7-9 月比 15.83%減、粗利率
52
2009 年 2 月号
も過去 10 年間で最低の 9.37%に低下、税後利益は同 55.68%減の 2.51 億 NTD となってい
る。また、昨年通年の連結売上高は 320.21 億 NTD で前年比 4.35%減、税後利益は同 57.72%
減の 10.22 億 NTD にとどまった。
市場が注目しているフレクトロニクスのデジタルカメラ事業の買収については、純現金
資産は 60 億 NTD 余り、運転資金は 67 億 NTD、手元現金は 46 億 NTD、加えて未使用の銀
行借入限度枠 40 億 NTD があることから、買収資金は十分だが、まだ最終合意には至って
いないとしている。
また、金融危機以降、日系メーカーと提携し需要が伸びているホームシアター用プロジ
ェクタ事業に参入し、昨年 10-12 月の出荷台数は 5000 万台に達したことにも言及。今年
4 月からはポータブル小型プロジェクタの出荷も開始する予定だという。世界のポータ
ブル小型プロジェクタ需要は 2007 年の商品化以降急速に成長しており、2012 年には市
場規模は 3000 万台に達すると見られている。
【LED】晶元光電、バックライトラッシュオーダー増で 3 月稼働率 80%を確保
DIGITIMES 24-2-2009
台湾の大手 LED チップメーカー、晶元光電(Epistar)は、ラッシュオーダー急増により、
3 月出荷の受注がすでに 5 億 NTD(1441 万米ドル)に達しており、3 月の稼働率は 80%を確
保できる見通しを明らかにした。同社の 3 月出荷オーダーのうち 50%はテレビ及びノー
トパソコン用 LED バックライトが占めているという。
金融危機以降、需要急減とともに景気後退の長期化に対する警戒感が強まったため、メ
ーカーは過剰在庫を嫌って原材料・部品の調達をラッシュオーダーで発注するケースが
急増している。LED パッキングハウス、億光(Everlight)は、原材料・部品在庫を最小
限に抑えるため、クライアントからの受注がない限り、原材料・部品の発注は行わない
方針を徹底しているという。
晶元光電の今年 1 月の売上高は昨年 12 月比 7.52%減、前年同月比 50.75%減の 4 億 2616
万 NTD に落ち込んでいる。
【LED】TCL、LED バックライトを独自開発 数少ない成長分野として期待
2009-2-25 中国 PCB 産業協会
大手 IT 市場調査機関 iSuppli は最近のレポートで、世界の半導体市場は今年 10%前後の
マイナス成長になるものの、LED 市場は 3%前後のプラス成長を確保するとの見通しを示
した。同レポートによると、昨年の LED 市場は 71 億米ドルで前年比 10%以上増となった
が、今年も LED 市場は液晶パネル用バックライト需要の拡大を梃子に 73 億米ドル規模に
成長する見通し。特に液晶パネル用バックライト向け LED 出荷額は昨年の 5100 万米ドル
の約 3 倍の 1.63 億米ドルに達すると予測している。また 2012 年には同市場は 14 億米ド
ルに達するとの中期見通しも示している。
中国大陸の大手テレビメーカーも、数少ない成長市場として LED バックライトを独自に
開発する動きを加速しており、大手の TCL は LED バックライトを液晶テレビ領域におけ
53
2009 年 2 月号
る核心競争力に位置づけている。同社は 2010 年広州アジア大会用ディスプレイとして
LED バックライト液晶パネルを投入する権益を確保しているという。
【PCB】台湾上場PCB設備メーカー2009 年 1 月売上高一覧
【PCB】金像/瀚宇、ノートパソコン用基板需要にようやく回復の兆し
2009-2-24 中国電子部品産業協会
ラッシュオーダー増とノートパソコンメーカー増産により、世界第 1 位、第 2 位のノー
トパソコン用基板メーカー、瀚宇(Hannstar)
、金像(Gold Circuit)は、受注がようや
く 1 ヶ月先まで入る状況になった、需要に回復の兆しが見え始めたことを明らかにした。
瀚宇、金像の昨年 11 月、12 月、今年 1 月の売上高は近年では最低水準に落ち込んでい
たが、昨年末からラッシュオーダーが増え始め、2 月以降はノートパソコンメーカーの
増産もあり、ようやく稼働率が回復してきた。
【CCL】台光/聯茂、来月の製品価格及び在庫水準引き上げを検討
DIGITIMES 24-2-2009
台湾の 2 大銅箔張り積層板(CCL)メーカー、台光電子材料(Elite Material:EMC)及び聯
茂(Iteq)は、銅やガラスファイバーなどの原材料価格が上昇していることを受けて、
来月の CCL 価格引き上げ、在庫水準の引き上げを検討し始めた。銅の国際価格は 2 月初
めに 1 トンあたり 3500 米ドルに上昇したのち、3100 米ドルに再度下落したものの、銅
関連製品の価格は全体的に上昇していることから、CCL の製造コストは上昇していると
している。そのため、製品需要は依然緩やかな回復にとどまっているものの、台光電子
材料(EMC)は暫定的に在庫水準を 14 日から 20 日に引き上げる計画、また聯茂(Iteq)
54
2009 年 2 月号
も在庫水準を 12 日以上に引き上げる計画という。一方、同業中堅の合正科技(Uniplus
Electronics)、台耀科技(台湾 Union Technology:TUC)は今後も在庫水準を合正は 2-3
週間、台耀は 20 日以下の現行水準を維持する計画という。
【受動部品】国巨、稼働率低下で日系顧客向け OEM サービスを再開
2009-2-25 中国 PCB 産業協会
世界的景気後退局面を受けて、台湾最大の受動部品メーカー、国巨(Yageo)は、2 つの
特別チームを設置し、日系顧客向け OEM サービスを再開した。国巨の今年 1 月の売上高
は 9.84 億 NTD で、前月比 10%減、前年同月比 50%減となっており、稼働率を引き上げる
ことが急務となっている。
【半導体】中芯国際上海、大唐/華大から社保カード IC チップ 4 万個受注
2009-02-25 DigiTimes
世界第 3 位、中国大陸最大の半導体ファウンドリ、中芯国際(SMIC)は、大唐電信、中
国華大から社会保険 IC カードチップ 4 万個を受注、上海 Mega-Fab で生産することが明
らかになった。業界関係者によると、2008 年上期の中国大陸の社会保険カード市場規模
は 730 万枚、中国の国策もあって今後も確実に成長する市場といわれている。華虹 NEC
も社会保険カード用 IC チップの生産を開始しており、中芯国際との争奪戦が激化してい
る。なお、大唐電信は中芯国際の主要株主、中国華大は中国電子信息産業集団(CEC)と国
家開発投資公司(SDIC)が共同出資し設立された国有大型 IC 設計企業。
【半導体】台湾地区、インテルの 2008 年売上高の 26%を産出
DIGITIMES 24-2-2009
インテルの昨年の売上高は前年比横ばいだったものの、インテル台湾地区は前年比増と
なった数少ない地区で、その売上高は前年比 14.66%増の 99 億米ドルに達し、インテル
の総売上高に占める比率は 2007 年の 22.45%から 26.25%に拡大した。一方、香港を含む
中国地区の同売上高は前年比 6%減の 49 億米ドルとなり、インテルの総売上高に占める
比率も前年の 13.81%から 13.23%に低下した。
インテル 2006-2008 年売上高地域別内訳(単位:百万米ドル)
2008
2007
2006
2008 Y/Y
Share 2008
Share 2007
台湾
9868
8606
7200
14.66%
26.25%
22.45%
中国(香港含む)
4974
5295
4969
-6.06%
13.23%
13.81%
その他アジア太洋州
4202
5531
5308
-24.03%
11.18%
14.43%
アジア太洋州 合計
19044
19432
17477
-2.00%
50.67%
50.69%
米国
5462
6015
5486
-9.19%
14.53%
15.69%
その他米州
1981
1700
2026
16.53%
5.27%
4.43%
米州 合計
7443
7715
7512
-3.53%
19.80%
20.13%
55
2009 年 2 月号
欧州
7116
7262
6587
-2.01%
18.93%
18.94%
日本
3983
3925
3806
1.48%
10.60%
10.24%
売上高総計
37586
38334
35382
-1.95%
100.00%
100.00%
【半導体】台積電主席、半導体産業が 08 年水準回復は 2012 年と
DIGITIMES 24-2-2009
世界最大の半導体ファウンドリ、台積電(TSMC)主席のモリス・チャン氏は、世界の半
導体産業が 2008 年の水準まで回復するには 4 年を要し、2012 年になるとの中期見通し
を示した。同氏は、今年の半導体産業は前年比 30%前後のマイナス成長に陥るだろう、
その後も V 字型の回復は難しく、数年間は 4-5%の緩やかな成長が続くとして、世界の半
導体産業が 2008 年の水準を取り戻すには 2012 年まで待つ必要があると分析している。
同氏は、景気回復を占う上で最も重要な指標は米国の住宅価格であり、米国の住宅市場
が安定化することが消費者の購買意欲回復には不可欠、消費者の購買意欲が回復しない
限り、半導体産業の回復はないとしている。
【半導体】In-Stat、今年半導体市場 20%減、07 年水準回復は 12 年
DIGITIMES 24-2-2009
半導体市場リサーチ会社、In-Stat は、今年の世界半導体売上高は前年比 20%減の 1992
億米ドルとなり、同売上高が 2007 年レベルまで回復のは早くても 2012 年以降になると
の最新の市場見通しを発表した。
In-Stat は、半導体産業の底打ちは今年 4-6 月になるものの、その後の回復ペースは非
常に緩やかなものにとどまり、産業内で大規模な再編が起きると予測している。
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