JPSP 67 (1994) Distinguishing optimism from neuroticism (and trait anxiety, selfself-mastery, and selfself-esteem):A reevaluation of the life orientation test Michael F. Scheier, Charles S. Carver, & Michael W. Bridges オプティミズムのベネフィット ・Aspinwall & Taylor(1992) オプティミスティックな人はペシミスティックな人よりも重要な生活変化によりよく適応する ・Litt, Tennen, Affleck, & Klock(1992) 人工授精に失敗したオプティミスティックな女性はペシミスティックな女性よりも失敗にうまく反応する ・Scheier et al.(1989) 冠状動脈バイパス手術を受けたオプティミスティックな男性はペシミスティックな男性よりも 術後の身体的回復が早く、6 ヵ月後の生活の質が高かった オプティミストとペシミストのコーピング傾向の違い ・Carver, Scheier, & Weintraub(1989) 架空のコーピング情況を与えられたときに、自発的に使用するコーピング反応の種類が異なる ・深刻な病気(Friedman et al., 1992)、特定の健康脅威についての関心(e.g., Carver et al., 1993; Stanton & Snider, 1993; Taylor et al., 1992)に対する対処が異なる →オプティミストはペシミストよりも問題焦点型コーピングストラテジーを用いる それが不可能なときにはより適応的な情動焦点型コーピングストラテジーを用いる ex)受容、ユーモアの使用、ポジティブリフレーミング ペシミストは明白な否定、ストレッサーが妨害している目標からの精神的行動的撤退を行う 自己制御との関係 オプティミズムは行動の自己制御モデルと一致する(e.g., Carver & Scheier, 1981, 1990a; Scheier & Carver, 1988) 行動の自己制御モデル 期待-価値理論の長い歴史にルーツを持つ 人々は成功の期待が十分に好ましいものである限り目標に到達するために災難を克服する努力をし続けると考えられる 疑いが大きすぎれば、目標を諦めてしまう これらの期待の違いは感情経験のバリエーションに匹敵する(詳細は Carver & Scheier, 1990b) 望ましい目標に対し十分近づいていれば感情はポジティブであり、障害があれば感情はネガティブである 行動と感情についてのこの視点は時間や状況を超えた期待の状況的変化という点と個人差という点で適用可能 オプティミスト 将来についてポジティブな期待を持つ人 ペシミスト 将来についてネガティブな期待を持つ人 批判と 批判と反論 第三変数の存在 ・Smith, Pope, Rhodewalt, & Poulton(1989)・・・ 特質不安 2 つの独立サンプル間でオプティミズムと特質不安の相関は比較的高かった 特質不安を統制するとオプティミズムと身体兆候との有意な負の関係、コーピングとの有意な相関はなくなる 素質的オプティミズムを取り除いても特質不安と身体兆候、コーピングとの関係は有意なまま ・Marshall & Lang(1990) セルフマスタリーについての証拠 本研究 1.さまざまな研究で調査されてきた結果変数の性質について 2.先の研究者たちは限界のある立場で結果変数を用いている 1 JPSP 67 (1994) 3.オプティミズムと比較する予測因の性質 4.LOT の識別妥当性 オプティミズムとペシミズムは独立構造であるというものへの反論 Study1 Study1:生活志向テスト 生活志向テストの テストの再評価 方法 被験者と手続き カーネギーメロン大とマイアミ大の 4309 名の大学生 女性 1846 名男性 2417 名 測定 <オプティミズム>LOT 5 ポイント評価尺度 得点は 0~32 点 α=.82 <神経症>Guilford-Zimmerman 気質尺度(GZTS; Guilford, Zimmerman, & Guilford, 1976)の情動安定性サブスケール 30 項目 3 ポイントの反応尺度 α=.85 <セルフマスタリー>Pearlin & Schooler(1978)のセルフマスタリー尺度(SMS) 7 項目 一般的に人生の結果について個人的マスタリーをどの程度感じているか α=.75 <自尊感情>Rosenberg(1965)の 10 項目自尊感情尺度(SES) 10 項目 5 ポイント評価尺度 α=.88 <特質不安>状態-特質不安尺度の特質版(STAI; Spielberger, Gorsuch, & Lushene, 1974) α=.89 <抑うつ>Beck 抑うつ尺度(BDI)短縮版 13 項目 α=.87 <身体兆候>Cohen-Hoberman 身体兆候尺度(CHIPS; Cohen & Hoberman, 1983) ここ 4 週間 5 ポイント評価尺度 <コーピング>COPE(Carver et al., 1989) 60 項目 4 ポイント評価尺度 結果 予測因間の相関 5 つの予測変数間の相関は全て有意 LOT と他の予測因との相関の大きさは中程度→LOT は他の予測因とあまり共通していない オプティミズムは結果の予測因か? 全ての予測因は抑うつと中程度の相関 全ての予測因は 2 つの兆候尺度と有意な相関 全ての予測因は積極的コーピング、プランニング、ポジティブな再解釈、成長、否定、精神的撤退、行動的撤退と有意な相関 ネガティブなコーピング傾向ではより高い オプティミズムは結果の独特な予測因か? 他変数を統制すると、オプティミズムと結果変数の関係は有意なままのもの、有意でなくなるもの、有意になるものあり →LOT によって測定される素質的オプティミズムは特質不安、自尊感情、セルフマスタリー、神経症とは異なるもの オプティミズムはこの項目セットの項目間の別の因子として現れるか、この因子は結果の予測因か? 因子分析 バリマックス回転 ①LOT&GZTS&STAI ②LOT&SES&SMS に対して ①13 因子②5 因子だが、LOT についての 2 因子が現れたのは共通 平均因子負荷は.69 ↓ 3 因子に固定して因子分析 ①オプティミズム因子 LOT8 項目+STAI9 項目+GZTS6 項目 STAI と GZTS の項目はオプティミスティックな思考を反映したもの LOT 項目の因子負荷は.51~.71、平均.61 分散の 23.1%を説明 情動不安定因子 GZTS16 項目+STAI4 項目 分散の 5.2%を説明 心配因子 GZTS8 項目+STAI7 項目 分散の 3.5%を説明 2 JPSP 67 (1994) ②自尊因子 SES9 項目+SMS1項目(最も低い負荷) 分散の 31.9%を説明 オプティミズム因子 LOT8 項目 因子負荷.49~.74、平均.60 分散の 8.1%を説明 セルフマスタリー因子 SMS6 項目+SES1 項目(2 番目に低い負荷) 分散の 6.2%を説明 ↓ これらのデータセットのオプティミズム因子が結果の予測に有意に貢献しているかを決定するため 各データセットについてのオプティミズム因子を反映する因子得点を生成 各データセットからの 3 つの因子得点セット間の相関は 0 ↓ 因子得点と結果変数との相関 ①オプティミズムは 18 個中 12 この結果と有意な相関 ②オプティミズムは 18 個中 17 個の結果と有意な相関 相関の大きさの比較 オプティミズムはより独特な予測変数 相関のパタンの比較 オプティミズムはセルフマスタリーや自尊よりもソーシャルサポートとより重要な相関を持つ オプティミズム因子は積極的コーピングの唯一の予測因 オプティミズム因子と LOT の相関は.89② 考察 オプティミズム-他変数の相関は中程度 →オプティミズムと他の予測因との共通変動量は中程度 部分相関は有意なまま LOT はかなり予測的妥当性を持つ LOT で測定されたオプティミズムは独立的な構造 Study2 Study2:改善のためのいくつかの 改善のためのいくつかの示唆 のためのいくつかの示唆- 示唆-改訂版生活志向テスト 改訂版生活志向テスト LOTのポジティブ worded 項目2つが不適切 “I always look on the bright side of things” “I’m a belieber in the idea that‘every cloud has a silver lining’ ” ←ポジティブな結果期待を反映していない ↓ 2 つを削除、1 つを追加、ネガティブ worded の 1 つを削除 方法 被験者と手続き カーネギーメロン大 2055 人大学生 改訂版LOTの尺度形式と実施教示 1.In uncertain times, I usually expect the best. 2.It’s easy for me to relax. (Filler item) 3.If something can go wrong for me, it will. (Revised) 4.I’m always optimistic about my future. 5.I enjoy my friends a lot. (Filler item) 6.It’s important for me to keep busy. (Filler item) 7.I hardly ever expect things to go my way. (Revised) 8.I don’t get upset too easily. (Filler item) 9.I rarely count on good things happening to me. (Revised) 10. Overall, I expect more good things to happen to me than bad. 5 ポイント評価尺度 3 JPSP 67 (1994) 実施した他の尺度 study1と同じ SMS、STAI、GZTS、SES(α=.75、.88、.86、.89) +Eysenck パーソナリティ質問紙の神経症尺度(EPQ; Eysenck, 1958; Goh,, D. King, & L. King, 1982) 10 項目 イエスノー反応 α=.86 結果 因子構造 <説明的因子分析> LOT-R バリマックス回転とオブリーク回転で同じ結果 2055 名 1因子 48.1%を説明 全尺度で ①LOT-R、STAI、SMS、SES、GZTS 387 名 ②LOT-R、STAI、SMS、SES、EPQ 933 名 ①LOT-R の 6 項目中 5 項目でオプティミズム因子(最低負荷.38) 残り 1 項目の負荷自身に-4.39、オプティミズムに.435 ②LOT-R の全 6 項目でオプティミズム因子(最低負荷.55) ↓ 5 因子に固定 ①LOT-R6 項目中 5 項目でオプティミズム因子(最低負荷.32) 残り 1 項目の負荷他に.330、オプティミズムに.327 ②LOT-R の全 6 項目でオプティミズム因子(最低負荷.42) <確認的因子分析>LISRELⅥ 1因子解 χ2(9,N=2055)=159.22、p=.001、Δ1=.95、Δ2=.95、RMR=.048 2 因子解 χ2(8,N=2055)=43.59、p=.001、Δ1=.99、Δ2=.99、RMR=..024 階層的 or nested テスト χ2(1,N=2055)=115.63、p<.001 →2 因子解のほうが適切 <共分散マトリクス> ポジティブフレーズ項目の共通 disturbance がネガティブフレーズ項目よりもかなり多い →1 因子解 ↑ 意味論上の複雑性の違いのため、ポジティブフレーズ項目への反応はネガティブフレーズ項目への反応よりも率直である ↓ ポジティブフレーズ項目間の相関エラーを修正して再評価 →同様の結果 内的整合性とテストリテスト信頼性 項目-尺度相関 .43~.63 →各項目は同じ背景構造を部分的に測定しているが、相関は大きすぎない 全体α=.78 テストリテスト信頼性 4 ヶ月(N=96)r=.68 12 ヶ月(N=96)r=.60 24 ヶ月(N=52)r=.56 28 ヶ月(N=21)r=.79 収束的拡散的妥当性 LOT-R と他の尺度との全ての相関(オリジナル LOT を除く)は中程度 男女差は無視可能 Norms 男性と女性の norms を調査するため、性別に平均と標準偏差を算出 →バックグラウンドの違うサンプルへの実施にも耐えられる 4 JPSP 67 (1994) 考察 略 5
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