世界に発信する日本伝統芸能の“現在” - 公益社団法人 日本芸能実演家

上海万博で実現!
東京では見られないジャンルを超えた夢の共演
「世界に発信する日本伝統芸能の“現在”
」
期間:2010 年 6 月 12 日~16 日
会場:上海国際博覧会
日本館イベントステージ
「世界に発信する日本伝統芸能の“現在”」
社団法人日本芸能実演家団体協議会
現代日本の文化芸術の形成と発展の歴史を振り返ると、古くは中国・朝鮮から、近代以降は欧
米諸国から、現代に至っては世界中の実演芸能との影響関係を無視できません。グローバル化が
進む現代社会のなかで、固有の文化を見つめなおし、多種多様な文化との相対関係を捉えなおす
ことこそ、他の文化への尊敬と理解を深め、多文化共存を実現させる要件と考えられます。
今回の上海万国博覧会の日本館に設置されたイベントスペースには、「日本のこころと技」「日
本の魅力と多様性」「日中交流と協働」の3つのテーマが掲げられています。日本の伝統芸能は、
これらの要素を最もよく示す存在です。中国起源の音楽・舞踊・楽器が、長い年月をかけて、日
本の風土と美意識の下で新たな芸能として生まれ変わり、熟成と変容を繰り返し、洗練され、発
達してきたものだからです。そして今なお、その進化は続き、新たな可能性が追求されています。
伝統と創造か混在する日本の伝統芸能の現在を、一流のアーティストたちによって、大いなる源
泉である中国の地で展示できることは、非常に意義深いことです。
社団法人日本芸能実演家団体協議会は、上海万国博覧会への参加を契機として、日中文化交流
の長い歴史に思いを馳せ、実演芸術家同士の交流と両国の絆をさらに深め、文化芸術を通した国
際社会への貢献のあり方について考察を進めて行きたいと願っています。
ご来場くださった皆様が、この公演を心から楽しみ、日本の伝統芸能をはじめとする文化芸術
に興味を抱いてくださることを期待しています。
公演スケジュール
6/12(土)
6/13(日)
6/14(月)
6/15(火)
6/16(水)
13:00-13:30
ライブ①
ライブ⑥
ライブ⑥
ライブ③(b)
ライブ⑥
14:00-14:30
ライブ②
ライブ④
ライブ③(a)
ライブ①
ライブ⑧
15:00-15:30
ライブ③(a)
ライブ③(b)
ライブ①
ライブ②
ライブ④
16:00-16:30
ライブ④
ライブ②
ライブ⑦
ライブ⑦
ライブ①
17:00-17:30
ライブ⑤
ライブ⑦
ライブ②
ライブ⑧
ライブ⑤
オープニング
19:00-20:30
スペシャル
コンサート2 コンサート3 コンサート4 コンサート5
※初日のみ
21:00 まで
コンサート1
※コンサートプログラムにご入場いただくためには、整理券(無料。イベントステージ
会場で事前配布)が必要です。
2
オープニングスペシャル
6 月 12 日(土)19:00-19:30
日中戯劇家の共演 二つの表現~狂言と京劇
出演:尚 長栄(京劇俳優、中国戯劇家協会主席)、野村 萬(能楽師、重要無形文化財保持者、日
本芸術院会員、日本芸能実演家団体協議会会長)
作詩:辻井 喬(作家、詩人、日本中国文化交流協会会長)
ユネスコの「世界文化遺産の傑作」に登録された能楽の世界には、儀式などの際に、時の文化
こ とほ
人たちが新たに書き下ろした詞章に能楽師が節を付けて演ずる「言祝ぎ」の習慣があった。伝統
芸能の現在をテーマにした今回の公演のオープニングにあたり、詩人・作家である辻井喬(日本中
国文化交流協会会長)が書き下ろしたテクストをもとに、両国を代表する二人の舞台人が、それぞ
れの表現スタイルで、日中文化交流の未来に向けて言祝ぎを行う。
尚 長栄(しょう・ちょうえい)
1940 年 7 月 15 日生まれ。京劇俳優、京劇の大家尚小雲氏の三子。中国戯劇『梅花大賞』
第一位獲得。重要無形文化財保持者。上海白玉蘭戯劇演技芸術主演賞、中国戯劇節優秀演
技賞、中国京劇節優秀演技賞、中国芸術節優秀演技賞、中国文化部の文華演技賞など多く
の賞を受賞。現代京劇界の敵役として最も名高い俳優であり、主演した伝統劇に『黒疾風』
『将相和』『牛皋招親』など。歴史劇に『曹操与楊修』『廉吏于成龍』など。現代劇に『延
安軍民』
『平江晨曦』など。現職は中国戯劇家協会主席、上海戯劇家協会主席、上海京劇院
技術指導、中国戯曲学院教授、上海戯劇学院教授。2009 年 4 月に日本中国文化交流協会の
招きにより、中国演劇家代表団団長として初来日。
野村 萬(のむら・まん)
日本を代表する狂言の第一人者として、1997 年重要無形文化財個人指定(人間国宝)の
名誉を受ける。本名、野村太良。故六世万蔵(人間国宝)の長男。1956 年にパリ国際演劇
祭に能楽団として参加したのを始めとし、狂言を海外に広く紹介しその普及に努めた。現
在も多くの舞台で活躍する傍ら、後進の育成に努め、
(社)日本芸能実演家団体協議会会長
として、広く芸能文化の振興発展に尽力している。主な叙勲・受賞歴として、紫綬褒章、
日本藝術院会員、文化功労者等多数。
辻井 喬 (つじい・たかし)
詩人・作家。1927 年東京生まれ。1955 年に最初の詩集を刊行、以来小説や随筆などを含
む数多くの作品を発表し、そのうちいくつかは中、韓、英、仏、独、伊、露、アラビアの
各国語に翻訳されている。日本芸術院会員、日本中国文化交流協会会長。
6 月 12 日(土)19:30-20:00
文化親善大使・デーモン閣下が語る日中文化交流の軌跡
出演:デーモン閣下(悪魔、アーティスト、文化親善大使)
デーモン閣下
悪魔。アーティスト。25 年前、現世に本格デビュー。
「表現者」
「作詞・作曲」
「演出」
「文筆」
「相撲評論」
「報道キャスター」
「舞台俳優」などで世に蔓延る。
伝統芸能と協演する舞台・CD を計百回以上発表。昨秋、解散している聖飢魔Ⅱ
が世界 22 カ国で大教典「AKUMA NATIVITY」を発布(本作品でも・琵琶・尺八・
雅楽・地唄三絃の音を挿入)今年は期間限定再集結による世界黒ミサ行脚を予
定。この 1 月に女心を歌う CD「GIRLS’ ROCK ’
’Best’
’」と大娯楽宴会 DVD「DEMON’
S ROCK EXPO.-THE LIVE!!-」を発表。
http://www.demon-kogure.jp/
http://avex.jp/demon/
3
コンサート
コンサート1.6 月 12 日(土)20:00-21:00
和の精神を映し出す~箏と三弦、尺八音楽の伝統~
出演:福田 栄香(歌・箏・三弦)
、三橋 貴風(尺八)、元永 拓(尺八)、大嶋 敦子(箏)
曲目:
《乱》(箏独奏)、
《竹籟五章》
(尺八独奏)、
《千鳥の曲》
(歌・箏二重奏)
《松竹梅》
(歌・三弦、箏、尺八)ほか
日本を代表する民族楽器である箏・尺八・三味線(ジャンルによっては「三弦」という)は、
それぞれ日本に伝わった時期は異なるが、いずれも中国大陸にルーツを持つ。各楽器の主なレパ
ートリーは独奏で、箏と三味線は弾き歌いを基本とする。それぞれに職業的専門家が創作・伝承を
担ったが、とくに 17 世紀以来、三種の楽器を組み合わせた合奏が愛好されるようになり、技巧性
に富んだ多種多様なアンサンブルが生まれた。味わいの異なる微妙な音色や余韻を活かした表現
技法に特色があり、三種の楽器の響きの重なり合いは独特な日本美の世界を生み出す。今回は、
伝統的な古典スタイルと現代の創作曲のなかから、ソロと多彩なアンサンブルの名曲を上演する。
福田 栄香(ふくだ・えいか)
地歌・箏曲家。幼少より、父福田種彦に師事、3歳にて初舞台。1993 年文化庁芸術祭賞受賞(史上最年少)
。1997
年文化庁芸術祭優秀賞受賞。2008 年文化庁文化交流使として活動。国内外公演他、TV・ラジオ出演、教授活動、
別ジャンルとのコラボレーション、国際交流、伝統音楽普及活動にも励む。
(社)日本三曲協会参与。三ッの音会
3代家元。
三橋 貴風(みつはし・きふう)
尺八演奏家。1980 年「三橋貴風第1回尺八リサイタル」で文化庁芸術祭優秀賞受賞の後、芸術祭賞(1989 年)
、
芸術祭大賞(2009 年)を受賞。ソロCD「竹林奇譚」により芸術作品賞(1992 年)を受賞。また、芸術選奨文
部科学大臣賞(2010 年)を受賞。12 月にプラハ、ウィーン及びNYカーネギーホールで小澤征爾と共演の予定。
元永 拓(もとなが・ひろむ)
尺八演奏家。1974 年山口県出身。琴古流尺八を大橋伶晴氏、菅原久仁義氏に師事。上智大学外国語学部、 NHK
邦楽技能者育成会第 44 期卒業。NPO 法人日本音楽集団団員。
URL://web.me.com/motonaga_hiromu/
大嶋 敦子(おおしま・あつこ)
地歌・箏曲家。1993 年NHK邦楽技能者育成会卒業。2005 年より福田栄香に師事。
福田栄香
三橋貴風
元永拓
4
大嶋敦子
コンサート2.6 月 13 日(日) 19:00-20:30
未来への継承~伝統からユニバーサル・スタンダードへ
出演:一噌 幸弘(能管・篠笛・田楽笛・リコーダー・つの笛)、小山 豊(津軽三味線)、
茂戸藤 浩司(和太鼓)
曲目(予定)
:一噌幸弘作品より~《ズウター》
《ヤマカガシ》
《イトメ》
《ひうほったん》《ワニト
カゲ》
《おかゆ》
《総田楽の舞》のほか、
《海こえて》(作曲:茂戸藤浩司)
今回のステージのために特別に編成された和楽器トリオ。それぞれの領域で実力ナンバーワン
のアーティストたちが、超絶技巧を駆使し、迫力のあるサウンドを響かせる。未来へ向けて疾走
する日本の伝統音楽の現在を最も体感できるお勧めステージの一つ。
いろいろな笛を用いて多彩なパフォーマンスを魅せる一噌幸弘は、16 世紀以来、代々「能管(能
楽専用の笛)
」を専門とする家に生まれた。一本の竹に孔を開けただけのシンプルな楽器の可能性
を無限に引き出すアーティストである。小山豊が担当する津軽三味線は、日本列島の最北端、青
森県津軽地方で生まれ、発達した三味線音楽である。フレットのない 3 本の弦の上を左手がめま
ぐるしく動き、右手に持った撥が弦を打ち弾く。圧倒的なフィンガリングテクニックが魅力だ。
木の胴に革を張った打楽器である和太鼓。多種多様な形状・響きの楽器があり、日本国内だけで
なく世界じゅうに愛好家団体が存在する。バチで革を打つシンプルな動きの反復が、興奮を誘う。
伝統の世界では、これらの楽器がステージを共にすることはない。しかし、現代に生きる演奏家
たちは、伝統的な音楽の可能性を追求する過程で、斬新なテクニックを身につけては、らくらく
と既成のジャンルを超え、ロックやジャズとのセッションも難なくこなす。日本の伝統楽器であ
りながら、自由な即興性と、繊細でダイナミックな超絶技巧を駆使した彼らが生み出す音楽は、
いずれ世界標準となる可能性に満ちている。
一噌 幸弘 (いっそう・ゆきひろ)
能楽一噌流笛方。日本の最も古い舞台芸術である能楽の音楽を演奏する家に生まれる。笛を父に習い、9 歳の時
に初舞台。以来、能楽の一噌流の演奏家として能の舞台で活動をしながら、即興演奏家としても内外のジャズ、
クラシック他の様々なジャンルの音楽家、あるいはダンサーなどのアーティストと共演するなど、多彩な活動が
注目されている。
URL://www.tohyohyo.com/
茂戸藤 浩司(もとふじ・ひろし)
和太鼓アーティスト。27 才で「大江戸助六太鼓」師範となり独立後、
「六三四」
「打究人-Da.K.T.-」などの活動
を経て、現在はフリーのソロ奏者としてジャンルを超えた数多くのミュージシャンとの共演や、太鼓ロックバン
ド「刃-Yaiba-」の中心メンバーとしてアニメ「NARUTO」劇中音楽などで活動中。
URL:sound.jp/hiroshi_web/
小山 豊(おやま・ゆたか)
津軽三味線演奏家。幼少より津軽三味線小山流宗家(祖父)小山貢翁に師事。現在、次期小山流三代目として
伝統文化(古典民謡)の普及に努めている。2001・02 年に津軽三味線コンクール全国大会にて優秀賞連続受賞。
03 年、インストゥルメンタルバンド Soothe を結成。数多くの海外公演。テレビ出演。周杰倫世界巡迴 2008 日本
演唱會@日本武道館ゲスト出演など、その活動の幅は広く多方面のジャンルにおいて活躍中。
URL:www.oyamayutaka.com/
一噌幸弘
茂戸藤浩司
小山豊
5
コンサート
コンサート3.6 月 14 日(月) 19:00-20:30
琉球舞踊~中国と日本の文化交流の基点
出演:照喜名 朝一(歌・三線)
、宮城 能鳳(舞踊)
、玉城 節子(舞踊)ほか、
沖縄県芸能関連協議会のメンバー
か
じ
ゃ でぃ ふう
かし かき
わかしゅうぜい
ぬ ぶ い くどぅち
しゅどぅん
ぬち
曲目:[舞踊]《かじやで風》
《綛掛》
《若 衆 麾 》《上り口説》
《諸 屯 》/[解説と実演]/[舞踊]
《貫
ばな
ゆ つ ぃ だき
たん ちゃめー
なかふう
くるしまくどぅち
花》
《四つ竹》
《谷茶前》/[独唱]《仲風》/[舞踊]《黒島口説》《パーランクー》
鮮やかな黄色や緋色の地に大胆な図柄を配した衣裳。美しく結い上げられた髪。簪や小道具。
舞踊家の動きを支える哀調を帯びた歌と三線の響き。すべてに独特な美意識が宿る。
日本有数のリゾート地として知られる沖縄は、古くから、日本と中国本土との文化交流の基点
として独特な文化を育んできた。琉球王国時代から芸術的な発展を遂げてきた琉球舞踊は、中国
さっぽうし
からの使者「冊封使」をもてなす「老人踊り」「若衆踊り」
「女踊り」
、薩摩の役人への「二才踊り」
など、
「もてなし」の心を表現するものだった。明治以後には庶民の心を描く「雑踊り」も誕生し、
多種多彩なレパートリーが行われる。静と動、抑制と躍動、緊張と弛緩、聖と俗など、対極的な
さん しん
要素が織り交ぜられる。伴奏の三線は、15 世紀から 16 世紀前半に中国よりもたらされたもの。
今や沖縄の生活になくてはならない楽器であり、日本の三味線のルーツである。現在の沖縄を代
表するアーティストたちが総力を挙げて、琉球舞踊の多彩さを披露。フィナーレは激しいリズム
のカチャーシーで幕を閉じる。亜熱帯気候特有の風土とその空気がステージにあふれる。
照喜名 朝一(てるきな・ちょういち)
沖縄の古典音楽の第一人者。1932 年、沖縄県知念村(現、南城市)生まれ。幼い頃から三線に親しみ 25 歳から
本格的に古典音楽を学ぶ。2000 年、重要無形文化財「琉球古典音楽」
(人間国宝)認定。確かなテクニックと豊か
な声量で知られ、創作活動にも意欲的に取り組むかたわら、国内外でさまざまなジャンルのミュージシャンとも
交流、演奏活動を展開。世界に琉球芸能を紹介している。沖縄県芸能関連協議会会長。
宮城 能鳳(みやぎ・のうほう)
沖縄の古典舞踊界を代表する舞踊家。1938 年、沖縄県佐敷(現、南城市)生まれ。15 歳より組踊、琉球舞踊を
本格的に学ぶ。1990 年、沖縄県立芸術大学教授。2006 年、重要無形文化財「組踊立方」
(人間国宝)認定。2009
年には重要無形文化財「琉球舞踊」
(39 名を総合認定)に認定される。数々の舞台で活躍すると共に、県立大学や
国立劇場で更新の育成に尽力している。沖縄県芸能関連協議会常務理事。
玉城 節子(たまぐすく・せつこ)
沖縄を代表する女性舞踊家。1941 年、沖縄県那覇市生まれ。5 歳より琉球舞踊を本格的に学ぶ。1963 年、琉球
舞踊大賞グランプリ受賞。2005 年より、沖縄伝統舞踊保存会会長。2009 年、重要無形文化財「琉球舞踊」
(39 名
を総合認定)として認定。同時に設立された琉球舞踊保存会の会長に就任。舞踊を中心とした国内・国外での種々
の文化的な活動や、後継者の育成に積極的に取り組んでいる。沖縄県芸能関連協議会副会長。
舞
踊:宮城りつ子(みやぎ・りつこ)
、具志なおみ(ぐし・なおみ)
、金城しの(きんじょう・しの)
、宮城茂
雄(みやぎ・しげお)
、金城真次(きんじょう・しんじ)
、石川詩子(いしかわ・うたこ) 、浜川真由美
(はまかわ・まゆみ)、永山玲緒奈(ながやま・れおな)
、松川好美(まつかわ・よしみ)
歌・三線:安慶名久美子(あげな・くみこ)
、箏・胡弓:大城貴幸(おおしろ・たかゆき)
■沖縄県芸能関連協議会(沖芸連)
2005 年創立。沖縄の実演家や舞台関係者による 34 団体(計約 14,000 人)が加盟、芸能の流派や会派をこえた
協力によって、沖縄の芸能や芸術文化の振興と発展に寄与している。琉球の伝統的な舞踊、音楽、演劇だけでな
く現代演劇、日本舞踊、バレエ等の団体も参加。歴代役員には、日本国指定重要無形文化財(人間国宝)が名を
連ねている。
6
コンサート4.6 月 15 日(火) 19:00-20:30
SPIRIT OF A TREE 木の声~箏と映像美術の世界
出演:西 陽子(歌・箏・十七絃)
美術:兼古 昭彦(映像美術)
、牛尾 卓巳(衣裳・舞台美術)
演出・プロデュース:相澤 万亀子
曲目(予定)
:
《鹿(のうた...》
(詩:藤井貞和)/作曲:高橋悠治)、
《青森蛙》
(詩:藤井貞和)
やつはしけんぎょう
/作曲:高橋悠治)
、
《みだれ》
(作曲:八橋 検 校 )、《サザンクロス》
(作曲:江戸信吾)、
《筝
と十七絃による即興演奏》
(即興演奏:西陽子)
日本の伝統楽器「箏」の起源は、古代中国に由来する。8世紀頃に日本に伝来した後、さまざ
まなシーンで用いられ、固有の音楽世界を築いてきた。17 世紀に至り、盲人音楽家の手によって、
繊細で微妙なニュアンスに富んだ箏の音楽が生まれた。現代箏曲の演奏家、西陽子は、伝統の延
長線上にありながら、さらなる可能性を求めて止まない。より自然に、よりアーティスティック
に。貪欲なまでに独自の表現世界を拓いて行く。最先端の箏の音楽世界の幕が、いま上がる。
コンサートによせて
西陽子
西 陽子は木の国に生まれ育ちました。
木は生活に密着した身近な存在でありながら、
とても神秘的で尊い存在でした。
筝の音は木の声です。
箏となった木は人とともに年齢を重ね、
西 陽子は木の中に眠っている声をたぐりよせようとします。
西 陽子(にし・ようこ)
箏曲家。和歌山県出身。沢井忠夫・一恵に師事。東京藝術大学音楽学部卒業。ソロコンサートによるアメリカ
ツアー(2008)、ハンガリー・ドイツツアー(2009)を行う。根源的な視点から筝を見つめ、復元楽器の演奏、即興
演奏、オーケストラとの共演、他分野の邦楽家・音楽家や美術家・作家・詩人とのコラボレーション、自作自演
等自由な発想と感性でさまざまな活動を展開している。これまでに2枚のソロアルバムをリリース。関西大学客
員教授。URL://www.nishi-yoko.com/
兼古 昭彦(かねこ・あきひこ)
映像美術。美術家・東京芸術大学大学院版画専攻修了。映像を取り入れたインスタレーション作品を制作し、
個展多数。コンテンポラリーダンス公演作品の映像制作を行い、国内外での公演に数多く参加している。
牛尾 卓巳(うしお・たくみ)
衣裳・舞台美術。染色作家。武蔵野美術大学大学院修了後、繊維素材を表現の媒体に平面、立体、インスタレ
ーション作品を国内外で発表。2006 年より西陽子公演の衣裳を制作。
相澤 万亀子(あいざわ・まきこ)
演出・プロデュース。共立女子大学卒業。映画監督で草月流家元の勅使河原宏のもとアートディレクターを勤
め、リレハンメル冬季オリンピック閉会式演出助手を務める。日本の伝統文化を主としたイベントアートプロデ
ューサーとして活躍。
西陽子
兼古昭彦
牛尾卓巳
7
相澤万亀子
ライブ プログラム
コンサート5.6 月 16 日(水) 19:00-20:30
永遠のドラマを語り継ぐ声の記憶
出演:国本 武春(浪曲)
曲目(予定)
:オリジナル作品から《元気を出して節》《アジアの祈り》《堪忍ブギ》《ザ・忠臣蔵
殿中刃傷~田村邸の別れ》
《シャイニングトゥモロー》《しけ込みのブルース》
《ハンバーガ
ーキッズ》《おいらとお前のバラード》《敬老ロックンロール》《加藤清正伝 二条城の会
見》
《旅ガラスのブルース》
《アパラチアン三味線》
《踊りゃんせ》
《巌流島うた絵巻》《ええ
じゃないか》
「歌や語りを聴かせるのが目的ではない。歌や語りを道具として物語や世界を表現するのが目
的だ。
」と国本武春は言う。三味線を手にドラマを語り、歌う芸能の本質は、アジア各地に息づく
話芸の伝統へつながる。
「浪曲」は、三味線を伴奏に歌と語りで演じる話芸で、江戸時代末期に生まれ、明治から昭和
のはじめにかけて全盛を誇った。演目の多くは、「忠臣蔵」や「宮本武蔵」など、義理と人情に生
きる人間を情感たっぷりに描いたドラマである。十人の語り手がいれば、十通りの表現がある。
完成されたストーリーに、語り手一人ひとりの個性を生かした節回し(歌う部分)とセリフ(コ
トバの部分)が観客の笑いと涙を誘う。標準的な上演スタイルでは、語り手は三味線弾きを従え、
紋付き羽織袴(はかま)姿で演じる。戦後、テレビや映画などのメディアの台頭とともに、市場規模
が小さくなり、現在では演奏者も激減している。国本武春は、そうした浪曲界の未来を拓く存在
として人気知名度ともダントツのエンタテイナーである。三味線にギターのフレーズを取り入れ
た独自の奏法を開発し、古典浪曲はもちろん、ロック、R&B、ブルーグラス等、さまざまな音楽
ジャンルを取り入れて、オリジナルの語りと曲を合体させた新作を数多く生み出しては、浪曲の
世界を拡げている。
国本 武春(くにもと・たけはる)
浪曲師、シンガーソングライター。浪曲師の両親のもとに生まれ、19 歳で三味線を学び、
20 歳で浪曲師となる。伝統的な古典浪曲はもとより、ロックやブルース、カントリーなど
を取り入れた独自の三味線音楽に歌と語りを乗せた独創的なスタイルを確立。浪曲のスピ
リットを自らの三味線に乗せ、うなり、そして歌い、語る。文化庁芸術祭新人賞、芸術選
奨新人賞など受賞。2004 年文化庁文化交流使。URL:takeharudo.music.coocan.jp/
ライブプログラム①
民衆の心を歌い上げる唄と三味線の技、二胡との競演
6 月 12 日(土)13:00-13:30
6 月 14 日(月)15:00-15:30
6 月 15 日(火)14:00-14:30
6 月 16 日(水)16:00-16:30
出演:小山 豊(津軽三味線)
、小山 五月(二胡)
、小山 みつな(唄)
、小山 浩秀(津軽三味線)
、
元永 拓(尺八)
曲目(予定)
:津軽三味線合奏~津軽じょんがら節(唄)
、津軽あいや節(唄)、二胡(ソロ)、二胡
&津軽三味線による名曲メドレー《塞馬》《蘇州夜曲》ほか、大合奏(セッション)
8
16 世半ばに中国から日本に伝わった三味線は、多種多様な音楽を生み出し、日本の伝統楽器と
して定着した。なかでも青森地方に伝わった津軽三味線は、力強いリズムと技巧的な即興演奏に
特徴がある。今回は特別に中国の伝統楽器である二胡との上海万博ならではの初コラボレーショ
ンも上演。青森県津軽地方の伝統的な民謡や中国の古典曲をはじめ POPS 曲、今回のステージ用
に作ったセッションの曲も披露。
小山 五月(おやま・さつき)
にえ
わん
二胡奏者である母の影響から北京市中央音楽学院に留学、聶老師に師事し二胡の基礎を学んだ後、王老師に師事。
様々なジャンルのアーティストとの共演やレコーディングなど、日本における中国楽器二胡の発展と可能性を追
求している。
URL:nico-oyama.com/
小山 みつな(おやま・みつな)
神奈川県出身。民謡を子守唄がわりに育ち、数々のコンクールで優勝。内閣総理大臣杯受賞。実力派若手民謡
歌手として NHK や様々なステージで活躍中!
URL:mitsuna-oyama.tripod.com/
小山 浩秀(おやま・ひろひで)
こうりゅう
民謡歌手さいとう武若の長男。幼少の頃より民謡(唄)を習い、11 歳より津軽三味線小山流大総師範小山貢 竜
りゅうひろ
の門下生 竜 浩に師事。2003 年師範となる。
URL:f1.aaa.livedoor.jp/~hirohide/
※小山 豊(コンサート2出演)元 永拓(コンサート1出演)
小山五月
小山みつな
小山浩秀
ライブプログラム②
コンサート1「和の精神を映し出す~箏と三弦、尺八音楽の伝統~」ハイライトバージョン
6 月 12 日(土)14:00-14:30
6 月 13 日(日)16:00-16:30
6 月 14 日(月)17:00-17:30
6 月 15 日(火)15:00-15:30
出演:福田 栄香(歌・箏・三弦)
、三橋 貴風(尺八)、大嶋 敦子(箏)
*6/12 は本永拓(尺八)も共演
ライブプログラム③
精緻を極めた江戸の囃子~(a)MATSURI (b)KABUKI
(a)MATSURI
6 月 12 日(土)15:00-15:30
6 月 14 日(月)14:00-14:30
(b)KABUKI
6 月 13 日(日)15:00-15:30
6 月 15 日(火)13:00-13:30
出演: 望月 太喜之丞(邦楽囃子)
、竹井 誠(能管・篠笛)
盧 慶順(邦楽囃子)
、島村 聖歌(邦楽囃子)
、星 英顕(邦楽囃子)
9
ライブ プログラム
「囃子」は打楽器と笛で演奏される伝統的な音楽のこと。伝統演劇である能や歌舞伎を彩り、
地域の祭を盛り上げる音楽として親しまれてきた。今回は望月太喜之丞率いるグループの演奏で
2つのプログラムを披露する。両プログラムの最後は、現代における囃子の発展形として「颯踏」
(長澤勝俊作曲)を演奏。2 人の打楽器奏者と 1 人の管楽器奏者による現代の囃子には古典とは
異なる技巧が求められる。
(a)日本各地に夏の始まりを告げる祭りの音楽のなかでも、現代の東京が「江戸」と呼ばれてい
た時代の名残をとどめる音楽を組曲にして演奏。大胴・締太鼓・桶胴・大拍子・鉦・篠笛の軽や
かな響きが、浮き立つような気分を表現する。
や たい
かまくら
かん だ ま る
はや
さが
は
に んば
しちょうめ
や たい
さっとう
曲目:
《祭囃子組曲》 [屋台、鎌倉、神田丸、早、下り羽、仁羽、四丁目、屋台]、《颯踏》
(作曲:
長澤勝俊)
(b)「歌舞伎」では囃子は特別な存在である。俳優の演技を助けたり、その場の情景を描写した
りするかたわら、舞台の進行を司る重厚な儀式の音楽もある。これらを組曲として演奏する。使
用楽器は、締太鼓・大鼓・小鼓・桶胴・鉦・篠笛・能管ほか。
いちばん だ い こ
ちゃく と う
かたしゃぎ り
みだれ な が じ
さ ん ば そう
だいしょうこ
い わ と
曲目:
《歌舞伎組曲》
[一番太鼓・着 到・片車切・ 乱 長地・三番叟・大小鼓・タマ・アバレ・岩戸・
しゃぎ り
はや そ う ば ん
きん じ
し
と
さ
さっとう
車切・早双盤・金獅子・飛び去り]
、
《颯踏》(作曲:長澤勝俊)
望月 太喜之丞(もちづき・たきのじょう)
邦楽打楽器演奏家。小鼓、締太鼓等、日本の伝統的打楽器の演奏を得意とする。歌舞伎音楽など古典のみなら
ず、現代音楽、ジャズ、ロックなどジャンルを超えた演奏にも意欲的に取り組み、現代に生きる音楽家としての
活動を展開。文化交流使節として海外での演奏経験も多く、後進の育成にも情熱をかたむけている。NPO 法人「日
本音楽集団」
(1964 年成立。新しい日本音楽の在り方を求めて結成された演奏集団)理事。
URL:www.bekkoame.ne.jp/~takinojo/
竹井 誠(たけい・まこと)
1956 年東京出身。埼玉大学在学中より日本音楽集団尺八奏者。1980 年代後半より邦楽囃子笛方としても活動。
数少ない笛・尺八兼任奏者として様々なミュージシャンのサポートを務め、海外公演も多数。スタジオミュージ
シャンとして演歌・CM・劇中音楽等レコーディング多数。NPO 法人「日本音楽集団」団員。東京芸術大学非常勤
講師。URL:www.takeimakoto.com/
島村 聖香(しまむら・せいか)
邦楽囃子(古典、現代)演奏家。広島県出身。邦楽囃子を望月太喜之丞に師事。東京芸術大学音楽学部邦楽科
卒業、大学院修了。NPO 法人日本音楽集団団員。
盧 慶順(ろ・きょんすい)
邦楽囃子(古典、現代)演奏家。東京芸術大学音楽研究科博士課程修了。芸邦会会員。NPO 法人日本音楽集団
団員。
星 英顕(ほし・ひであき)
邦楽囃子(古典、現代)演奏家。東京芸大音楽学部邦楽科大学院修了。邦楽打楽器を望月太喜之丞、長唄・三
味線を吉住小与ひで(よしずみ・こよひで)に学ぶ。
望月太喜之丞
竹井誠
島村聖香
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盧慶順
星英顕
ライブプログラム④
コンサート4「琉球舞踊~中国と日本の文化交流の基点」ハイライトバージョン
6 月 12 日(土)16:00-16:30
6 月 13 日(日)14:00-14:30
6 月 16 日(水)15:00-15:30
出演:[舞踊]玉城 節子、宮城 りつ子、具志 なおみ、金城 しの、宮城 茂雄、金城 真次、石川
詩子、浜川 真由美、永山 玲緒奈、松川 好美、[箏]安慶名 久美子、[歌・三線・胡弓]大
城 貴幸(沖縄県芸能関連協議会)
曲目:
《かぎやで風》
《綛掛》
《パーランクー》ほか
※公演日によって内容に変更があります
ライブプログラム⑤
コンサート5「未来への継承~伝統からユニバーサル・スタンダードへ」ハイライトバージョン
6 月 12 日(土)17:00-17:30
6 月 16 日(水)17:00-17:30
出演:一噌 幸弘(能管・篠笛・田楽笛・リコーダー・つの笛)、小山 豊(津軽三味線)、
茂戸藤 浩司(和太鼓)
ライブプログラム⑥
コンサート4「SPIRIT OF A TREE 木の声~箏と映像美術の世界」ハイライトバージョン
6 月 13 日(日)13:00-13:30
6 月 14 日(月)13:00-13:30
6 月 16 日(水)13:00-13:30
出演:西 陽子(歌・箏・十七絃)
美術:兼古 昭彦(映像美術)
、牛尾 卓巳(衣装・舞台美術)
演出プロデュース:相澤 万亀子
ライブプログラム⑦
万博スペシャル①~ドラマ語りが出会った現代の和太鼓テクニック
6 月 13 日(日)17:00-17:30
6 月 14 日(月)16:00-16:30
6 月 15 日(火)16:00-16:30
出演:国本 武春(浪曲)
、茂戸藤 浩司(和太鼓)
曲目:国本武春オリジナル作品から~《アジアの祈り》
《ええじゃないか》
《踊りゃんせ》
《アパラ
チアン三味線》
《堪忍ブギ》ほか
コンサート5とコンサート2の出演者による競演。国本武春オリジナル作品を中心に、武春が
唸り、和太鼓のテクニックがはじける。上海を舞台に初めて実現した三味線ロックと現代和太鼓
との競演。豊かな声量とテンポ感が極上のノリを生み出す。
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ライブプログラム⑧
万博スペシャル②~現代の囃子~能楽×歌舞伎の競演
6 月 15 日(火)17:00-17:30
6 月 16 日(水)14:00-14:30
出演:一噌 幸弘(能管)
、望月 太喜之丞(邦楽囃子)
曲目(予定):
《道成寺組曲》
《獅子》ほか
強烈な響きの能管と打楽器とがステージ上で熾烈な戦いを繰り広げる。気合と気迫に満ちあふ
れた声の絶叫が空気振動となって身体にぶつかる。
コンサート2とライブプログラム②の出演者による競演。「一調一管(いっちょういっかん)」
と呼ばれる演奏スタイルは、高度な演奏力を持つアーティストにのみ許される、一種の「一騎打
ち」である。もともと歌舞伎囃子に用いられる楽器(3種の打楽器と能管)は、能楽のそれを踏
襲したもので、能楽と共通する曲目も少なくない。しかし、それぞれは完全に専業化していて、
同じ舞台に立つことはない。ジャンルを超えて創造的な活動を展開している一噌幸弘だからこそ、
実現できたステージである。息が音楽の流れをコントロールし、音と音の間にある沈黙の時間が
極度の緊張感を高める。一瞬が永遠に通じるという時間の感覚を体験できるに違いない。
■映像企画
◇日本の伝統芸能紹介映像または終了したコンサート映像を上映
社団法人日本芸能実演家団体協議会(芸団協)とは
俳優、歌手、演奏家、舞踊家、演芸家、演出家、舞台監督などの実演家等の団体が結集し、運営する
公益法人です。芸術文化の発展に寄与することを目的に 1965 年に設立され、現在 71 団体が正会員(傘
下の実演家等は約9万人)
。「芸能が豊かな社会をつくる」を理念として、実演家の著作隣接権に
関わる業務を行う「実演家著作隣接権センター」の運営、芸能文化の拠点「芸能花伝舎」の運営、
芸能に関するさまざまな調査研究、政策提言など実演芸術の振興のための事業を行っています。
会長は野村萬(狂言師・人間国宝、文化功労者、日本芸術院会員)。
社団法人 日本芸能実演家団体協議会 芸能文化振興部 上海万博事務局
〒160-8374 東京都新宿区西新宿6-12-30 芸能花伝舎 2F
Tel:03-5909-3060 Fax:03-5909-3061 E-mail: [email protected]
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