網走家畜衛生情報 - 小清水町

網走家畜衛生情報
平成25年度 第7号(9月発行)
北海道網走家畜保健衛生所
も く じ
平成25年度 予防事業について ・・・・・・・・ 1
豚コレラに関する特定家畜伝染病防疫指針が
改正されました ・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
ロシア近隣で アフリカ 豚コレラ継続発生中!・2
食用動物への医薬品使用制限が強化されます ・3
口蹄疫防疫演習を実施しました ・・・・・・・4
飼養衛生管理基準について
~定期報告と立入検査から~ ・・・・・・・・5
牛ウイルス性下痢・粘膜病を防ぎましょう! ・・6
市場上場牛のヨーネ病検査日程について ・・・・7
平成25年度 家畜保健衛生総合検討会のご案内 ・7
道内の監視伝染病の発生状況 ・・・・・・・・・・・・8
時間外の緊急連絡先 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・8
平成25年度 予防事業について
平成25年9月以降の家畜伝染病予防事業の実施について、次のとおり計画しています。関係機関
の皆さま、御協力をよろしくお願いします。
事業名
市町村名(地区)
実施時期
備 考
乳用牛の結核病・ブルセラ病・
ヨーネ病検査 並びに
肉用牛のヨーネ病検査
湧別町(芭露・計呂地)
9月(実施中)
北見市(留辺蘂・北見・常呂)
10~11月
併せて飼養衛生管理基準
の遵守状況の確認ための
立入検査を実施
飼養衛生管理基準の
遵守状況確認のための
立入検査
紋別市(上渚滑)・網走市・
興部町・大空町
11~12月
牛飼養農場対象
蜜蜂の腐蛆病検査
オホーツク管内全域
8~9月
(実施中)
23戸3,642群について検査
を終了し、全群陰性を確認
8月までに、次の検査を実施しました。御協力ありがとうございました。
事業名
乳用牛の結核病・ブルセラ病・
ヨーネ病検査
市町村名(地区)
検査戸数
検査頭(群)数
検査結果
小清水町
38戸
2,357頭
全頭陰性
湧別町(東)
56戸
3,563頭
全頭陰性
小清水町
23戸
722頭
全頭陰性
湧別町(東)
7戸
277頭
2頭患畜発生
美幌町
2戸
7頭
全頭陰性
佐呂間町
13戸
51頭
全頭陰性
雄武町
6戸
68頭
全頭陰性
肉用牛のヨーネ病検査
馬伝染性貧血の検査
-1-
豚コレラに関する特定家畜伝染病防疫指針が改正されました
豚コレラの防疫対策を実施する上で最も重要となる、「発生の予防」・「早期の発見・通報」・
「素早い初動対応」に関する項目を中心に、6月26日付けで防疫指針の全部改正が行われました。
★ 主な変更点 ★
 検査方法に遺伝子検査(PCR検査)を新たに追加。
 発生した場合は「移動制限区域」と「搬出制限区域」を設定。
「移動制限区域」:発生農場を中心とした半径3km以内の区域
「搬出制限区域」:発生農場を中心とした半径3~10kmの間の区域
 移動制限区域内の豚等飼養農場へは立入検査により、臨床検査や一定頭数についての
血液検査等を実施します。
詳しくは、農林水産省HPをご覧ください。
(http://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/katiku_yobo/k_bousi/index.html)
※「アフリカ豚コレラに関する特定家畜伝染病防疫指針」も改正されました。併せてご覧ください。
ロシア近隣でアフリカ豚コレラ継続発生中
☆ アフリカ豚コレラとは
○ ウイルス性の海外悪性伝染病 (日本での発生なし)
○ 豚、イノシシが感染・発病する
○ 高熱、皮膚の出血などを特徴とし、死亡率が高い
○ 症状だけでは豚コレラと区別できない
☆ 海外における発生状況 ☆
以前は、アフリカ諸国、イタリア等以外では発生していませんでしたが、2007年からユーラシア大陸
の国々でも発生が認められています。
ロシアでは、2010年から継続的に発生
しており、今年の6月には新たにロシアの
隣国ベラルーシで発生がありました。
※右の発生状況地図は、農林水産省HP
でご確認いただけます。
-2-
☆ 我が国への侵入を防ぐために ☆
海外から本病が侵入する原因として、発生国を行き来する航空機や船舶から出た、ウイルスに汚
染された残飯などの豚へ給与が考えられます。多くの場合、加熱が不十分な冷蔵肉や加工肉等の
畜産物が感染の原因となります。
本病発生国からの肉製品等の持込みは、堅く禁じられていますので、これらの国々を訪れる場合
には、十分に御注意ください。
食用動物への医薬品使用制限が強化されます
食用動物への医薬品使用に関する農林水産省令が改正され、本年11月30日に施行されます。
施行後は、次の13成分を有効成分とする未承認医薬品、動物用医薬品及び人用医薬
品を食用動物に使用することは禁止されます(獣医師の「特例使用」も禁止)。
食用動物:食用に供する牛・馬・豚・肉用鶏・養殖水産動物、生産物を食用とする乳用牛・採卵鶏・
みつばちなど。
1.カルバドックス 2.クマホス 3.クロラムフェニコール 4.クロルプロマジン
5.ジエチルスチルベストロール 6.ジメトリダゾール 7.ニトロフラゾン
8.ニトロフラントイン 9.フラゾリドン 10.フラルタドン 11.マラカイトグリーン
12.メトロニダゾール 13.ロニダゾール
• 上記成分は遺伝毒性や発がん性等の懸念から、食品衛生法により「食品から検出されてはならな
い」とされており、食用動物用の医薬品として承認されていません。
• 改正省令施行後、上記成分を含有する医薬品を食用動物に使用した獣医師は、所有者や管理者
に対して、「出荷禁止指示書」により当該畜及びその生産物を無期限で食用出荷してはならない
旨を指示しなければなりません。
• 不明な点がありましたら、主査(薬事・安全)までお問い合わせください。
-3-
口蹄疫防疫演習を実施しました
8月8日、訓子府町 ホクレン畜産技術実証センターのご協力のもと、口蹄疫を疑う牛が発見さ
れたとの想定で、
① 通報から家保職員による農場への立入検査(写真撮影~送信)
② 発生に備えた防疫体制の整備(制限区域、消毒ポイントの設定など)
を主な内容とした、初動対応に関する口蹄疫防疫演習を実施しました。
朝、臨床獣医師からの通報を受け、演習を開始しました。家保から立入班3名、搬送班1名が
農場へ向かい、聞き取り調査、臨床検査、想定された病変部の写真撮影を行いました。撮影し
た画像はデジタルカメラごと、農場外で待機していた搬送班に渡し、農場の事務所から家保へ
電子メールで送信しました。
この日の気温は30度近くまで上昇し、防護服やマスク、ゴーグルを着用しての作業は困難を極
めました。作業従事者の安全を守るため、寒暑対策の必要性を感じました。
消毒後にデジカメを受け取る搬送班
舌の撮影を行う立入班
午後は家保研修室において、オホーツク総合振興局と訓子府町役場の担当職員を交え、防疫
体制の検証を行いました。
今回は事前に訓子府町の交通事情、防疫従事者の集合場所に適した施設などを現地に赴い
て確認し、制限区域や消毒ポイントを設定しました。また、定期報告の情報を基に殺処分に必要
な人数・資材などを算出しました。これらの資料を基に意見交換を行いました。
実際に口蹄疫を疑う事例があった場合、これらの作業を短時間でこなさなければならず、事前
準備の必要性を強く感じました。このような演習を継続し、危機管理体制を強化していきます。
事前に制限区域や
消毒ポイント等について検討
演習後に防疫体制の検証、
意見交換を実施
-4-
飼養衛生管理基準について
~定期報告と立入検査から~
平成23年に改正された飼養衛生管理基準に基づく定期報告(家畜の所有者による飼養頭羽数や
飼養衛生管理状況等の報告)の提出も、今年で3回目となりました。提出にあたり、市町村、関係機
関の皆様には周知、集約に御協力いただき、ありがとうございます。
昨年度の定期報告の内容と比較を行ったところ、西紋地区の
牛飼養農場において、飼養衛生管理基準の「記録の作成及び
保管(衛生管理区域の入場者等に関する記録を作成し、1年間
保存している)」について、「はい」と答えた割合が大幅にアップ
していることがわかりました。
西紋地区では、オホーツクはまなす農協が中心となり、入場者
記録用の様式、ファイルを作成し、各農場へ配布する等
の活動を行っており、このことが成果として実を結んでき
農場出入り記録簿
(西紋地区で作成・配布)
たものと思います。
また、家畜保健衛生所では家畜の飼養農場に対し、飼養衛生管理基準の遵守状況の確認のため
の立入検査を行っています。牛飼養農場に対しては、他の検査等に併せて実施し、平成24年度から
今年8月までに554戸に対し立入検査を行いました。
家保職員の確認では、石灰帯を含む車両消毒設備を準備
していた農場の割合は約74%、踏み込み消毒槽等の人の
消毒設備を準備していた農場の割合は約93%となりました。
飼養衛生管理基準が制定された、平成16年から18年に
行った同様の確認では、車両及び人用の消毒設備の設置
率がそれぞれ約14%、約77%であったことを考えると、
病原体を農場へ持ち込ませないための消毒実施
については、大幅に意識が向上したことが伺えます。
車両消毒設備例(石灰帯)
一方で、日本での口蹄疫発生の記憶も薄れ、危機意識がやや低下してきている感も否めません。
地域として飼養衛生管理を定着させるには、家畜の所有者自身の努力はもちろん、関係機関の日
頃からの指導と自らの実践が重要になってきます。今後とも御協力よろしくお願いします。
-5-
牛ウイルス性下痢・粘膜病を防ぎましょう!
○ 牛ウイルス性下痢・粘膜病(BVD-MD)とは?
牛ウイルス性下痢ウイルス(BVDウイルス)の感染によっておこる病気です。
管内では今年4戸7頭(平成25年8月26日現在)の発生がありました。
○ このような症状に覚えはありませんか?
・繁殖成績が良くない
・発育不良の牛がいる
・下痢や軟便、呼吸器症状がよく見られる
農場にウイルスが侵入している
かもしれません!
○ BVDウイルスに感染すると・・・
・下痢や肺炎をおこす。
・免疫が低下し、他の細菌やウイルスにかかりやすくなる。
・妊娠牛が感染すると、不受胎、流産、胎子の奇形・発育不良などの繁殖障害が発生。
また、母体内でウイルスに感染した胎子の一部は持続感染牛(PI牛※ )となる。
・PI牛が粘膜部にびらん・潰瘍などができる粘膜病を発症した場合、下痢・発熱・削痩などの症状
を示し、治ることなく死亡する。
※PI牛とは、
一生涯にわたり唾液・鼻汁・糞便・尿・乳汁などからBVDウイルスを排出し続ける牛 のことです。
○ 予防・対策
・PI牛に対しての治療法はありませんが、ワクチン接種による予防が可能です。
・感染源となるPI牛を早期に発見・淘汰することにより、感染拡大を防ぎましょう。
※上記症状に必ずBVDウイルスが関与しているというわけではありませんが、
異常があれば担当獣医師の診察を受けるようにしてください。
-6-
市場上場牛のヨーネ病検査日程について
◎ 検査対象牛の月齢をご確認ください。
ヨーネ病のスクリーニング検査は、6カ月齢以上が対象です。採血日にご注意ください。
スクリーニング検査陽性の場合は、糞便のリアルタイムPCR検査を行います。検査には時間がかか
りますので、十分にゆとりを持って受検してください。
◎ 検査手数料:平成25年4月1日より、変更されています。
ヨーネ病検査 : 特殊血清・遺伝子学的検査 1頭あたり 3,690円
◎ 受付日時の厳守にご協力ください。
検体は、各締切日の午後5時30分まで受け付けます。
それ以降の時間に搬入された場合は、次回締切日に受け付けとなりますので、ご注意ください。
≪ ヨーネ病検査申請受付締切日 ≫
平成25年 9月
4日(水)
10月 2日(水)
16日(水)
18日(水)
30日(水)
11月
13日(水)
27日(水)
12月
11日(水)
25日(水)
平成26年 1月
15日(水)
29日(水)
2月
13日(木)
26日(水)
3月
12日(水)
26日(水)
平成25年度 家畜保健衛生総合検討会のご案内
平成25年10月23、24日、札幌市において、平成25年度家畜保健衛生総合検討会が開催されます。
詳細についてのお問い合わせ及び申込みについては、当所までご連絡ください。関係機関の皆さまの
ご出席をお待ちしています。
講演会 (10 月23日):テーマ 『海外悪性伝染病の侵入に備える』
● 講演1「農場バイオセキュリティの強化と飼養衛生管理基準」 (宮崎大学 末吉益雄氏)
● 講演2「宮崎県における侵入防止対策の課題と現状」 (宮崎家保 西村拓也氏)
● 講演3「十勝管内における危機管理体制の構築」 (十勝家保 宮根和弘)
● 講演4「飼養衛生管理基準と農場コミュニケーション」 (静岡県東部家保 柴田正志氏)
第61回家畜保健衛生業績発表会(10月24日):
道内家保から19題の発表を予定しており、当所からは次について発表します。
● 飼養衛生管理基準の遵守状況の把握と改善に向けた取組み (予防課 羽生英樹)
● 牛ヨーネ病患畜の病性鑑定成績から見えた各種診断法の課題 (病性鑑定課 宮澤国男)
-7-
道内の監視伝染病の発生状況
病名
家畜の
種類
ヨーネ病
牛ウイルス性下痢・粘膜病
牛白血病
サルモネラ症
サルモネラ症
破傷風
破傷風
ネオスポラ症
牛伝染性鼻気管炎
牛丘疹性口炎
牛カンピロバクター症
トリパノソーマ病
気腫疽
馬鼻肺炎
豚丹毒
豚赤痢
豚繁殖・呼吸障害症候群
マレック病
伝染性ファブリキウス嚢病
バロア病
チョーク病
アカリンダニ症
牛
牛
牛
牛
豚
牛
馬
牛
牛
牛
牛
牛
牛
馬
豚
豚
豚
鶏
鶏
蜜蜂
蜜蜂
蜜蜂
全道計
平成24年
平成25年(※)
戸数
頭数
戸数
頭数
98
316
72
209
58
124
25
72
158
313
95
150
3
63
1
2
2
2
1
3
9
9
4
4
1
1
5
5
2
4
3
202
5
629
3
4
1
1
1
1
1
1
1
1
25
48
17
38
6
36
8
57
1
1
1
1
1
2
1
1
1
5
1
5
38
971
81
865
2
18
オホーツク管内計
平成24年
平成25年(※)
戸数
頭数
戸数
頭数
4
16
2
9
2
7
3
6
16
28
5
7
1
1
2
2
1
1
※平成25年7月末現在
時間外の緊急連絡先
所
長 加藤昌克 090-2074-8912
次
長
中川 浩 090-3468-3143
BSE検査室長 後藤 潤 090-9528-8987
指 導 課 長 千葉裕代 090-7053-7534
予 防 課 長 前田泰治 090-8706-1627
病性鑑定課長 山本慎二 090-8900-1226
網走家畜保健衛生所
〒090-0008
網走家畜保健衛生所 BSE検査室
北見市大正323-5
〒099-8503
紋別郡湧別町開盛849-1
電話 (0157) 36-0725
電話 (01586) 4-2448
FAX (0157) 36-5801
FAX (01586) 2-4885
-8-