2007年9月6日 その1 - 全国被害者支援ネットワーク

発行日:2007年9月6日
NO.15
発行人:渡辺 直
発行者:NPO 法人全国被害者支援ネットワーク事務局
ふくしま被害者支援センターが
ネットワークに加盟!!
7月13日(金)に設立総会を開催したふくしま被害者支援
センターからのネットワーク加盟申請があり、この度持ち回り
ビジョン・研修検討委員会
合同会議開催される
研修形態が大幅に変わる可能性が・・・
8月30日ネットワーク事務局のあるビルの一室で上記の
理事会において承認されました。福島被害者支援センターは、
会議が開催されました。この合同会議は今回が2回目です。
9月1日に加盟となり、ネットワークの45番目の仲間となりま
ネットワークの重要な課題を担うこれら二つの委員会が、相
した。全国の仲間共々手を携えて日本の犯罪被害者支援に
互にそれぞれの活動内容を十分に認識して活動することは、
邁進しましょう。
ネットワーク全体にとって大きな意味があるとの考えから開
福島の皆様、どうぞよろしくお願いいたします。
山上理事長テレビ取材を受ける
催されるようになりました。特に、内閣府検討会における中
間とりまとめの中には、ネットワークの役割が大きく、明快に
語られている事情から、ネットワークの将来像やマニュアル
作成、研修の有り様等を大所高所から考察する必要性があ
ります。
今回の議論では、「今後の全国研修を、3日型(一般型、
フォーラムを含む)と5日型(相談員等上級型)の2種とする
こと」「これまで地方で行ってきた春期研修を廃止し、ブロッ
ク別の研修にする」「まず、中級用のマニュアルを作成する」
等の意見が提起されました。これらはいずれ理事会におい
て議論されますが、結論が得られた際にはまたお知らせい
8月20日(月)午前10時、テレビ東京(東京12チャンネル)
たします。
の「都議会レポート」という番組にネットワーク山上理事長が
出演しました。この番組は都議会の様々な活動を取材して報
告するものですが、「犯罪被害者支援問題」が取り上げられ
たことから、山上理事長に取材申し入れがあったものです。
事前に、ネットワーク事務局のある東京外国語大学本郷サ
テライトにおいて、1時間ほどの取材がなされました。
ネットワークが設立後ほぼ10年を迎え、我が国の制度や支
援活動が先進国に少しずつ近づきつつある実情を語るととも
に、財政的な問題をどう解決していくかといった課題にも触れ
ています。
被害者等に関する標語募集!!
内閣府が「犯罪被害者等に関する標語」を募集しています。
応募期間は8月10日(金)∼9月7日(金)です。インターネ
ット、郵送、FAXどれでも可です。詳細は内閣府ホームペー
ジ《犯罪被害者等施策》をご覧ください。
最優秀作品は、12月1日に開催される「犯罪被害者週間
国民のつどい中央大会」において大臣表彰される他、犯罪
被害者週間のポスター等に使用されます。
全国の各支援センターから積極的に応募してみてはいか
がでしょうか。
島根犯罪被害者相談室
島根犯罪被疑者相談室では、早期援助団体の指定を受
けるためにその前段階として準備をしています。
加盟団体からいただきましたご案内をそのまま掲
載いたしました。
NPO法人設立の年内設立を目指して、月4回程度の検討
会を開いています。
メンバーは県職員、県警本部職員、臨床心理士、警備業協
(社)みやぎ被害者支援センター
会関係者、島根犯罪被害者相談室関係者等です。時に喧
喧諤々で検討を重ねています。
第三回北海道・東北ブロック直接的支援セミナー
を開催しました
同士として互いの理解が図られ、各関係機関の立場の違い
みやぎ被害者支援センターでは、北海道・東北ブロック内
と接点が見出せ、連携の原型ができてくるようです。
この検討会の中で、将来ともに被害者支援に当たるもの
の民間支援団体のご協力のもと、平成19年6月26日(火)か
こうして島根における被害者支援の将来像が見えてくる
ら同29日(金)までの4日間、当センター研修室を開催場所と
と、自ずとモチベーションが上がっていく思いがしまいます。
して、みだしセミナーを開催しました。
まだ踏み固めなければならいことはありますが、着々と準備
今回は、北海道・東北の各道県に加えて新潟県からのご参
加もあり、14名の方々が午前9時20分から午後4時30分ま
を進め早期に被害者の方のお役に立てる日が来ることを望
んでいます。
で一日5時限の直接支援に関係する多岐にわたるカリキュラ
(社)被害者支援都民センター
ムを受講され、最終日には全員が三輪佳久当センター理事
長から修了証を受領されました。
講演会の開催
当セミナー第一回目からご協力いただいているNPO全国被
害者支援ネットワーク理事長の山上皓先生、同副理事長の
都民センターは、事業の一環として広報活動にも力を入
冨田信穗先生、犯罪被害者ご遺族でもある秋田看護福祉大
れているところですが、7月11日(水)に板橋警察署におい
学教授山内久子先生には、今回も遠路を厭わずおいで頂き、
て、署員と板橋被害者支援ネットワークの会員による会議
講師として貴重なお話をいただきました。
が開催されました。この会議に招待され、約1時間講演を行
また、宮城県の大学教授、弁護士、精神科医、宮城県警察
いました。内容は、被害者支援を巡る最近の動向、都民セ
犯罪被害者支援室担当官等多数の方々が講師を勤めて下さ
ンターの具体的活動、当センターが行ったアンケート調査結
いました。
果等でした。結果として、署員・ネットワーク会員から、
3日目からは奥田全国ネット事務局長補佐と当事業に助成
をいただいている日本財団の担当者の方も同席され激励を
いただきました。
厳しい日程ではありましたが、講師の先生方の熱心なご講
・ 都民センターの活動内容がよく理解できた。これまで以
上に協力したい。
・ 都民センター・警察署・ネットワークの連携がより高まっ
た。
義と、よりよい支援活動のためにとの受講生の真摯な取り組
などの声が聞かれ、大変有意義でした。また、ネットワーク
みで、以前にも増して充実したセミナーとなりました。
からご寄附を頂戴いたしました。今後とも、積極的にこのよ
うな講演活動も推進してまいりたいと思います。
(N)静岡犯罪被害者支援センター
ら申込を得るべく、6月初めからNHKをはじめ各報道機関
に働きかけるとともに、行政機関等への呼びかけを実施す
平成19年度
「静岡県被害者支援連絡協議会」の開催
○ 平成19年度の「静岡県被害者支援連絡協議会」が7月2
6日(木)静岡県庁別館10階会議室で開催されました。
本協議会は、県警察本部が主催し、毎年開催されており
るなど、積極的な広報活動を実施いたしました。
その結果、6月25日の申込締め切りまでに、県内各地
から37人の申込がありました。書類選考や申込辞退等が
あり、最終的には受講生として22人を決定しました。性別
では男性8人、女性14人で、年齢構成は30代3人、40代
ます。本年度から「犯罪被害者等基本法」を受け、会則の
6人、50代7人、60代6人となっております。
一部を変更し、これまで会長であった静岡県警察本部警務
○ 7月11日当センター研修室において開講式を実施いた
部長に替わり、静岡県警本部長が就任し、また、空席とな
しました。開講式には来賓として衆議院議員の上川陽子先
っていた副会長には、静岡県県民部長と静岡県警察本部
生を始め、静岡県県民部県民生活局県民生活室長、県警
警務部長がそれぞれ就任されました。構成員としては、静
犯罪被害者対策官等のご出席を得て、各人から犯罪被害
岡県県民生活室長や政令市となった静岡市と浜松市の主
者支援活動の必要性や重要性についての祝辞をいただき
管課長である市民生活課長が委員として参加することとな
ました。例年と違ったご来賓の出席もあり、良いスタートが
りました。
切れたと事務局員一同喜んでおります。
従来、窓口や専用電話を設置はしたものの、被害者支援
第1回講座は、開講式に引き続き、当センター副理事長
活動については十分な対応が認められなかった行政側か
の白井孝一弁護士が「手作り支援から制度化された支援」
ら、主管部門の長が構成員として参加したことは今後の活
と題し、2時間の講義をしていただきました。
動に、良い影響を与えているものと思っております。
○ 本年度の講座は、12月5日まで14回にわたって実施
○ 議事終了後、当センター副理事長の白井孝一弁護士が、
約100人の聴衆に対し「被害者支援とはどのようなことを
するのか」と題し1時間講演しました。白井弁護士は「犯罪
被害者等基本法」の制定の重要性や、犯罪被害者に法的
する予定です。講師の先生は、弁護士、臨床心理士、大学
教授等にお願いしております。
12月5日には、例年と同様に筆記試験が予定されてお
ります。
な権利が認められたことを強調するとともに、「基本法の中
身が形骸化しないよう、行政当局などへの働きかけをしっ
かりやっていきたい」と訴えました。
(社)やまがた被害者支援センター
平成19年度
犯罪被害者支援ボランティア養成講座の開講
最近の広報・啓発活動について
本年4月、社団法人に認定された当支援センターは、組
○ 平成14年から毎年継続実施している「犯罪被害者支援
織立ち上げが平成16年5月で歴史も浅く、県民への認知度
ボランティア養成講座」を本年度も静岡県の委託事業として7
がまだまだ不十分であり、また、被害者支援の重要性を訴
月11日から開講いたしました。
えることもセンターの大きな役目であるということで、広報・
前年度からボランティアとしての活動実態等について検討
啓発活動を強化しております。
し、全く活動歴のない人については、本年度の委嘱を見合わ
最近の活動例を紹介します。
せることを決定し実施いたしました。このため、相当数のボラ
<市町村担当者対象の講演会>
ンティアが名簿から削除されたことから、本年度は多くの方か
7月6日、当センターが所在する会館において山形県被
害者支援連絡協議会の定例総会が開催されました。総会後、
(N)ひょうご被害者支援センター
県内33市町村の被害者支援担当係官も加わって、東京・杉
並区役所被害者支援担当係長の藤本典子さんから「地方自
治体における被害者支援」について講演をいただきました。
6月30日(土)シンポジウム開催!!
市町村担当者のなかには被害者支援ということを初めて耳に
「被害者支援のこれから∼ニーズによりそう直接支援」を
する方もおり、講演後、次々とセンターに立ち寄って、「私の
テーマにシンポジウムを開催しました。弁護士・静岡犯罪被
町では何をしたらいいのか。」、「二次的被害とは具体的にど
害者支援センター副理事長の白井孝一先生を基調講演者
ういうことか。」などと質問があり、関心を高めていただくこと
にお迎えし、「手作り支援から制度化された支援へ」につい
ができました。
て貴重なご講演を賜りました。また、後半は「被害者支援の
<ラジオスポット放送による広報>
これから」を主題に白井先生、被害者遺族2名と県警対策
自家用車保有率の高い山形県は、どこに行くにも車利用、
室長を交えてパネルディスカッションを行いました。当日一
車に乗ればラジオを聞く、また、県内いたるところでラジオを
般市民の方々等、120名余の参加をいただきました。この
聞きながら農作業という光景が目に入ります。
シンポジウム開催につきましては新聞紙面、TVラジオにも
そのような背景もあってか、県内全域をエリアとするYBC・
取り上げられ、これからの民間支援団体や自冶体の役割に
山形放送のラジオは、「よく聴くラジオ局全国AM,FM上位
期待する声が相次ぎました。主催しました当センターといた
10局」の第1位という実績を持っております。
しましても直接支援に携わる者として、被害者の皆様のニ
当センターでは、8月から前出のYBCラジオ、及び山形地
ーズに沿った支援に向けて新たな手ごたえを感じるとともに、
域をエリアとするラジオモンスター(FM)に協力を呼びかけて
シンポジウムの目的を十分に果たすことができたと大いに
「ラジオスポット放送」を開始しました。それぞれ、「1日1回、1
喜んでおります。
回20秒」で、原稿は専門部会で練り上げ、アナウンスも専属
のアナウンサーと当センターの活動員も加わって作り上げま
した。
「犯罪被害者週間」等には特別の企画も放送する予定で、準
備を進めています。
<街頭広報活動>
8月4日、東北四大祭り・「花笠まつり」のプレイベント「花
笠サマーフェステバル・県観光物産市」が山形市の中心街
で盛大に開催されました。当センターでは、活動員 10 名が
腕章を着用し、県警察音楽隊の野外コンサートが行われて
いる傍らで、パンフレット等を配布しながら、被害者支援の重
◆ ◆ ◆ 事務連絡
要性を訴えました。
◆ ◆ ◆
全国被害者支援ネットワークのリーフ
レットに描かれているイラストは、事務
局員の同級生が、ボランティアで書いて
くれたものです。先日、支援セ
ンターより「イラストを使いた
い。」という嬉しいお申し出があ
りました。無料で提供いたしま
すので、ご入用の支援センター
は、遠慮なく事務局までご連絡
ください。
犯罪被害者等支援を自分のこととして捉え、今までは蚊帳
事務局活動報告(2007年7月・8月)
の外に置かれていた被害者の人権が尊重される社会を目
指して皆様に教えていただきながら、これからも歩ませてい
1日 島根被害者相談室訪問(奥田)
3日 ファンドレイジング研修(渡辺)
4日 湘南学園見学対応(渡辺)
6日 第1回合同委員会(渡辺・奥田)
第5回研修検討委員会(奥田)
関東甲信越ブロック会議(渡辺)
9日∼ 直接支援セミナー
9日 フォーラム打ち合わせ(奥田)
10日 支援セミナー懇親会(山上・渡辺・奥田)
13日 近畿ブロック会議(渡辺)
17日 こうちNPO設立総会(山上)
18日 北海道・東北ブロック会議(奥田)
23日 内閣府訪問(渡辺・奥田)
27日
28日
九州・沖縄ブロック会議(渡辺)
1日 フォーラム打ち合わせ(奥田)
2日 ファンドレイジング研修(渡辺)
5日 東海・北陸ブロック会議(奥田)
6日 静岡支援センター訪問(奥田)
22日 第6回ビジョン検討委員会(渡辺・奥田)
28日 日本財団基盤整備監査(渡辺・高野)
30日 第6回研修検討委員会(渡辺・奥田)
第2回合同委員会(山上・渡辺・奥田)
ただきたいと思っております。
それにしましても、今回の研修で知り合えた皆様方の何と
素敵なこと!きっと日々の自己研鑽の賜物なのですね。日
本の社会、たくさんの希望がありますね。皆様方との出会い
に心から感謝いたしております。本当にありがとうございま
した。
○ 被害者支援に携わるようになり、他機関での研修を受
ける機会をもっており、その度に学ぶことが多いのですが、
今回は本当に良い学びの機会を与えていただきました。
大坂先生の「被害者の方を中心に」遠藤さんの「被害者の
立場で見る」等心に残った言葉がたくさんありますし、大場
事務局長さんの「誰のための支援」そして「自分がなぜこの
働きを始めたのか、振り返ること」等、もう一度心新たにさせ
ていただいた気がしています。今まで相談を受けてきたこと
で、今回の学びがより有意義だったと思っております。
講義に加え、各県の方々と知り合うことができたことも大き
な収穫です。4 日間とても居心地よく過ごさせていただきまし
たので、もうしばらくこちらで研修を続けさせていただきたい、
そんな思いがしております。なぜこんなに居心地が良いか
考えますと、開かれた部屋の間取りに加え、スタッフの方々
の雰囲気ではないかと思いました。「支援スタッフ16人、誰
と組んでも大丈夫です」と明言された遠藤さんのお言葉をか
みしめております。
○ 強烈な不安や恐怖、そして大切な人を失うことなどの被
害を受けた方の苦痛、悲しみ、嘆き、絶望はとても私自身の
中では及びもつかないことでしょう。その方により添うと考え
る自分は、傲慢この上ないのではないか、と不安になります。
しかし、各講義にてそれは 被害者の方に自分が対応しよう
としている からなのだと気づかされました。 常に学ぶこと
を心がけ、その一つ一つを大切にして支援ではなくパートナ
6月26日から29日まで宮城県で開かれた、第3回直接支
ーという立場 で関わっていくことが大切なのだと感じました。
援セミナーに参加した受講生から寄せられた感想文の一部を
一人ぼっちにしない、思いを絶やさずに周囲を見わたすこと
ご紹介します。
のできる自分を見失わず、行動することを厭わない自分で
ありたいものだと思います。冨田先生の「自分自身で選んだ
○ 私はこれまで数え切れない程、多くの方々と出会いその
道であり、どういうことが被害者の方のためになるのか、支
方々との関係性の中で学び支えられて生きてきました。決し
援活動となるのか、常にチェックしながら活動をしていかな
て一人ではありません。そのため、いつも「お互いさま」という
ければならない。」という言葉を大切にしていこうと思いま
気持ちがあります。犯罪被害者支援に際しでも、その根底に
す。
あるものは、人は支え合って生きているものだから、困ってい
る時大切な時は支えあうものだ、お互いさまだという私自身
の信条のようなものがあります。私自身いつ被害者になるか
わかりませんし、明日は我が身かもしれませんから。国民が