環境配慮製品(プロダクト・スチュワードシップ) IBM の環境配慮製品プログラム(プロダクト・スチュワードシップ・プログラム)は、製品についての当社の 環境マネジメントに対する先見的かつ戦略的なアプローチとして、1991 年に確立されました。 このプログラ ムの目的は、エネルギー効率を改善し、アップグレードとリユースによって製品寿命を延長することが可能 で、再生材料を含み環境に配慮した材料や仕上げ材を使用し、再資源化や安全な処分が可能な製品の 開発、製造、販売を行うことです。 システムズ・アプローチ IBM の環境配慮製品(プロダクト・スチュワードシップ)の目的と要件は、社内基準、製品仕様、その他 IBM の「統合製品開発(Integrated Product Development:IPD)」プロセスを通じて実現されています。 エネ ルギー効率や原材料の含有物、化学物質の排出テスト、リサイクル設計、使用済み製品の管理計画、包装 データといった製品の環境特性は、開発プロセスのさまざまなチェックポイントにおいて IBM の「製品環境プ ロファイル(Product Environmental Profile:PRP)」ツールを用いて文書化し、レビューを実施することになっ ています。 製品発表前には、IBM の「環境開示票(Product Content Declaration for Suppliers:PCDS)」の ようなコンプライアンス管理ツールなどを使用し、完全な製品環境プロファイルのために必要な評価を行い ます。 基本環境要求事項や製品含有物開示、コンプライアンス・アセスメント・プロトコルなど、IBM の設計・コン プライアンス管理は、IBM 製品の設計、調達、納品、サービスにたずさわるすべての組織の代表者から成る 総合チームが遂行しています。 このチームの活動は、IBM の「製品環境コンプライアンスのためのセンタ ー・オブ・エクセレンス(Center of Excellence for Product Environmental Compliance)」チームがコーディネ ートを行っています。 製品の設計 IBM の製品開発およびサプライ・チェーン組織は、EU の RoHS(Restriction on Hazardous Substances) 指令(2002/95/EC)による鉛規制から除外されているサーバー・アプリケーションの鉛(Pb)はんだの排除 に向けて、着実な取り組みを行っています。 鉛はんだはコンシューマー製品への応用よりもその排除のほ うが技術的にはるかに複雑であるため、規制から除外されてきました。 2009 年には、IBM System x® 、 iDataPlexTM dx360、BladeCenter®HS22 といった出荷数の多い各サーバーを対象として、鉛を使用しないカ ード・アセンブリーを導入しました。 また、HS22 はプレナーボードにハロゲンフリーのラミネート材を使用し ています。 IBM System i®、System p® 、System z®シリーズは、カスタムメモリ・デュアル・インライン・メモリ・モジュール の鉛フリー・アセンブリーを導入しました。 これ以外にも、RoHS 指令の除外項目の中で、2009 年に IBM 製品から、以下のものが完全に排除されま した。 光ファイバー通信システムに使用される RIG(希土類鉄ガーネット)ファラデー回転子の不純物とし ての鉛 C プレス・コンプライアント・ピン・コネクター・システムに用いられる鉛 1 マイクロプロセッサのピンとパッケージの結合に用いる、2 種類以上の成分を含有するはんだの鉛で、 鉛含有量(重量比)が 80 パーセント以上、85 パーセント未満のもの IBM は、鉛(Pb)フリーのアセンブリー・プロセスに適合できる可能性のある部品を評価し、分類するため に、工業規格 J-STD-075「組立工程に関する IC 以外の電子部品の分類」の策定と公開を主導しました。 また、データセンター・クラス・ケーブルに用いるポリ塩化ビニル(PVC)と臭素化難燃剤を代替し、あらゆる 機関の規格と米国電気規約(National Electrical Code)の要求事項に適合する新素材の開発と評価を推進 するため、IBM の技術者はサプライヤーと共にさまざまな協会にも参加しました。 2 IBM の環境配慮製品プログラム(プロダクト・スチュワードシップ・プログラム)には数多くの目標が掲げられて います 2009 年の目標と実績 粉体塗装 IBM はこの自主目標を達成し、2009 年 1 月 1 日現在、外観用金属表面塗装への粉 体塗装の使用は、IBM の技術仕様書 46G3772「取引先による IBM への納入品に関 する基本環境要求事項」における要求事項になっています。 再生プラスチッ ク IBM 製品に使用されるプラスチックのうち、再生プラスチックが占める割合は、再生 部分の重量比で 25%から 100%と幅があります。 2009 年に、IBM と仕入れ先が IBM と の法人契約によって IBM 製品のために調達したプラスチック樹脂の総重量のうち、再 生部分の含有量の割合が 25%から 100%の再生プラスチックが 22.4%ありました。 これ らのプラスチック樹脂の再生部分の重量のみを、IBM の契約を通じて購入されたプラ スチック(未使用および再生)の総重量と比較した場合、年間のプラスチック総調達量 のうち 5%を再生プラスチックにするという企業目標に対し、2009 年に IBM が調達した プラスチック総重量に占める再生プラスチックの割合は 13.2%でした。 IBM の使用済み製品管理プログラムにより、全世界で 41,374 トンの使用済み製品 埋め立て利用 や製品廃棄物を処理しました。 また、埋め立てもしくは単純焼却する製品廃棄物量 を全体処理用の 3%以下に抑えるという自主目標に対し、実績は 0.5%でした。 サーバー IBM System p: 2 つの新機種で、単位仕事量当たりの消費電力量を前機種比で 38%と 43%削減しました。 IBM System x: 4 つの新機種で、日本の省エネ法で規定されたエネルギー消費効 率を測定した場合に、前機種(2007 年)比で 23%、93%、95%、96%の改善を実現しまし た。 IBM System z: 2009 年には新機種の発表はありませんでした。 POS 端末 IBM SurePOS シリーズから新しい 2 種類の POS システムが発表されました。 製品のエネルギー効率 SurePOS 500-4852 は、複合理論性能(composite theoretical performance:CTP) 当たりの最大消費電力を 69%削減し、待機時消費電力を 80 ワットから 2 ワットに削 減しました。SurePOS 300-4810 は、複合理論性能(CTP)当たりの最大消費電力 は増加しましたが、待機時消費電力は 42 ワットから 2 ワットに削減されました。 POS システムは、待機モードが長時間におよぶ可能性があるため、待機時消費電 力の大幅な削減は、大きなエネルギー節約につながります。 SurePOS 300 は、 お客様がチェックアウト・システムを低電力モードに設定することのできるディープ スリープ技術を採用しており、システムの電源が完全にオフの状態とほとんど同じ 量のエネルギー節約を可能にしています。 これにより、店舗の電力使用量を最大 で 66%削減できる可能性があります。 ストレージ・ サブシステム IBM はストレージの新機種、IBM System Storage DS8700 を発表しました。この DS8700 は、従来モデルの DS8300 発表当時と比較して、ギガバイト当たりの消費電 力量が半減し、搭載する POWER6 プロセッサーの能力が POWER5 プロセッサーより も向上したことにより、システムの処理能力は 2 倍になりました。 2009 年にテープドライブの新製品を発表しましたが、前機種はありませんでした。 3 * : 製品エネルギー効率の目標値は、該当するすべてのモニターをエネルギースター基準に適 合させることです。 **: MTOPS(1 秒間当たりの 100 万理論演算回数)は、特定の公式に基づいて算出した装置の 性能を示す数値の単位。 注: IBM は、IBM ロゴのモニターはすでに販売していません。また、IBM System i 製品は、IBM System p 製品ラインの中に統合されました。 製品のエネルギー効率 製品のエネルギー効率は、長い間、IBM の環境・気候保護の目標の 1 つとされています。 これは、1991 年に IBM の環境配慮製品プログラムが確立した時から、当社の環境目標の 1 つに定められています。 省エネ製品に関する既存のプログラムと目標に加え、IBM は、IT 機器およびデータセンターのエネルギ ー効率を改善する自社のハードウェア、ソフトウェア、サービス事業を含む統合ソリューションや技術革新に 先駆的な取り組みと投資を行っています。 2009 年に発売したサーバーの新機種は、単位消費電力(1 キロワット時(kWh))当たりの演算性能を、前 機種比で 23%から 96%向上させました。 IBM は、引き続き、半導体やハードドライブ/ストレージ・システム、 ネットワーキング技術のイノベーションを活用して、サーバーやストレージ・システムの単位消費電力当たり の処理能力を向上させています。 製品のエネルギー効率に関する技術 エネルギー効率の良いサーバー: IBM は、4 種類のエンタープライズ・サーバー・システ ム ( IBM Power 750 Express 、 IBM Power 755 、 IBM System x3650 M2、IBM System x3550 M2)を、エネルギ ースター・プログラムのコンピューター・サーバーに関す る基準に適合させてきました。Power 750 Express と IBM Power 755 は、4 プロセッサー・システムとしては世界で IBM Power 755 初めてエネルギースターの基準に適合したモデルです。 これらのサーバーは、米環境保護庁の電力供給効率、待機電力制限や電力管理機能、データ報告 に関する要求事項を満たしています。 IBM は現在、他のエンタープライズ・サーバー・システムをエネ ルギースター基準に適合させるべく取り組んでいます。 IBM は、サーバー・システムの性能・省電力機能の向上と、待機時消費電力の削減を推進し続けてい ます。IBM System x iDataPlex dx360 M3 は、「SPEC:Standard Performance Evaluation Corporation」 によるベンチマークの SPECpower_ssj2008 で、全体スコアが初めて 3,000 を上回ったサーバー・シス テムです。このベンチマークを用いて測定すると、dx360 M3 は、システムに負荷がかかっていない(待 機)時の消費電力を最大負荷時に必要な電力の 21.2%にまで削減しており、装置に負荷がかかってい ないときにシステムをサポートするための電力と冷却の必要性を大幅に減少させることができます。 IBM System x と BladeCenter システムは、低消費電力メモリと低消費電力プロセッサーのオプション、 4 2.5 インチ・ドライブとソリッド・ステート・ドライブ、より小型で効率的な電力供給、革新的なキャリブレー テッド・ベクタード・クーリング(Calibrated Vectored CoolingTM)技術を提供しています。これらの機能は、 性能と単位消費電力当たりの処理量を向上させ、待機時消費電力を最大消費電力との比較で 78 パ ーセントまで削減し、負荷がかかっていない状態の消費電力を大きく低減させます。 プロセッサー・システム: IBM の POWER7 SystemsTM の特徴は、独自のインテリジェント・エネルギー(Intelligent Energy)技術です。 これは、単独のサーバーあるいは複数のサーバー全体で、お客様がシステムのさまざまなパートの電源を オン/オフにすることを可能にする、あるいはプロセッサー・クロックのスピードを熱条件やシステムの稼働 に応じてダイナミックに加速・減速させることを可能にするものです。 これにより、システムは、ポリシーに従 ってダイナミックにエネルギー使用量とパフォーマンスおよびシステム稼働のバランスを取り、IBM の前世代 システムとの比較で単位消費電力当たりの処理量を増大させることができます。 また、この POWER7 Systems は、単独のシステム上で 1,000 以上の仮想サーバー(「パーティション」)をサポートし、システムの 統合およびシステム稼働率の改善によってコストと電力消費量を削減します。 ストレージ・システム: IBM は、ソリッド・ステート・ドライブや 2.5 インチ・ドライブなど、システム・コントローラーやストレージ・デバイ スの技術開発を活用して、ストレージ・システムの性能/消費電力の機能を改善しています。 また、IBM は ストレージ仮想化技術をリードしています。 当社のお客様は、仮想化技術を利用して現行のストレージ・デ バイスへの投資を有効活用することができ、より小さいスペースに、より少ないエネルギーで、より多くのデ ータを記憶することが可能となります。 小売店舗システム: IBM は POS システムにディープ・スリープ技術を導入し、エネルギー使用量を削減しています。 これによ り、システムの待機中や利用していない状態での電力消費量を大幅に削減し、システムのエネルギー効率 を向上させることが可能となります。 製品のリユースと再資源化 使用済み製品管理(Product End-of-Life Management: PELM)活動の一環として、IBM は 1989 年に欧州 で製品回収プログラムを開始し、以後対象地域を全世界に広げて、規模と内容を充実させています。 IBM のグローバル・アセット・リカバリー・サービスは、IBM が事業を展開している国のお客様に、以下のよ うなアセット・リカバリー・ソリューションを提供しています。 データ・セキュリティ管理およびディスクのデータ消去支援サービス 世界規模の中古製品再販売ネットワーク 最高水準の IT 機器の再製品化と再資源化 包装や輸送などロジスティクスに関するオプショナル・サービス また、IBM は多くの国や米国の各州で、当社の自主的なイニシアチブや当社が参加しているプログラムを 通じて、一般家庭のお客様に使用済みコンピューター機器の管理に関するソリューションを提供しています。 また日本 IBM も 1993 年に製品回収プログラムを開始し、お客様の使用済み製品を買い取り・資源を有効利 用するサービス「アセット・リカバリー・ソリューション」を展開しています。 5 2009 年に、IBM は PELM 活動を通じて全世界でおよそ 4 万 1,400 トンの使用済み製品と製品廃棄物を 処理しました。 これは、IBM が 2009 年に製造・販売した IT 製品の推定量 6 万 7,000 トンのうち 61.5%に相 当します。 使用済み製品管理(PELM) 目標: IBM の PELM 活動により、埋め立てもしくは単純焼却で処理される製品廃棄物量が全体処理量の 3%未満になるよう、使用済み製品を再利用または再資源化すること。 実績: 2009 年に IBM の PELM 活動によって、埋め立てや単純焼却処理に回されたものはわずか 0.5% でした。 また、IBM の PELM 活動は、全体処理量のうち 95.8%を再利用または再資源化しました。 IBM が回収・リサイクルした製品廃棄物の総量を「年次コーポレート環境・レポート」の中で最初 に報告したのは 1995 年ですが、それ以来、IBM は 2009 年末までに全世界で 77 万 553 トン以 上の使用済み製品と製品廃棄物の回収・再生を実施しました。 IBM 全体の使用済み製品の管理 (2009 年:重量%) 日本 IBM の使用済み製品の管理 (2009 年:重量%) 製品の包装 IBM は 1980 年代後半から、製品包装の環境特性に焦点を当てたプログラムを実施してきました。 このプ ログラムのもとで、IBM のパッケージング・エンジニアは、仕入先と協力し、再生含有物や再利用可能物質 の使用、リユースを推進する努力を続け、非有害物質・インクの特定や、お客様に配送される製品の保護機 能を損なうことなく包装を最小化するなど、有害物質と包装廃棄物を最小限におさえるためのソリューション を開発しています。 IBM の 包 装 に 関 す る 環 境 要 件 は 、 1990 年 に 初 め て 公 表 さ れ た 「 環 境 配 慮 包 装 ガ イ ド ラ イ ン (Environmental Packaging Guidelines)」の中に記載されています。 このガイドラインはその後、必要に応じ て改訂されています。 IBM の「包装ガイドライン」の主要要素は、さまざまな技術仕様書や調達文書の中に も盛り込まれ、IBM だけでなく、サプライ・チェーンやその他のビジネス・パートナーにも適用範囲が拡大して います。 これらの文書は 6 http://www.ibm.com/procurement/proweb.nsf/ContentDocsByTitle/United+States~Information+for+suppl iers に掲載されています。 2009 年に、パッケージング・エンジニアリング・チームは、全世界で 60 件のプロジェクトを実施し、包装材 の使用量を 1,346 トン削減しました。 これらのプロジェクトによる年間の経費節減は 930 万ドルにのぼりまし た。 2009 年に行われたプロジェクトの一部を以下にご紹介します。 新しい成形緩衝材の設計: IBM は、大容量 2U ラック・マウント・サーバー(型番 3650)のために、発 泡ポリプロピレン(EPP)を用いた成形緩衝材を開発 しました。 発泡ポリプロピレン(EPP)素材を使うことで、 発泡ポリエチレン素材の使用時と比較して、ユニット 当たりの包装の全体質量が 0.890 キログラム削減さ れました。 これにより、年間に使用する包装材の推 定総重量は 178 トン減少し、年間の原材料コストと輸 送コストはそれぞれ 320 万ドルと 40 万 4,000 ドル節 新しい成形緩衝材(写真右)は、密度 が薄く小さい為 35%の節約になる 約されました。 大手小売企業のお客様との包装再利用・廃棄物削減プログラム: 2009 年の第 4 四半期に、IBM は 大手小売企業のお客様とともにクローズド・ループ式のリターナブル包装プログラムを実行しました。 これにより、IBM とお客様は包装材を複数回再利用し、新たな包装材の使用量を削減することがで きました。 さらにいくつかの包装については、サイズを小さくし、輸送トラックのパレットに積載できる 製品個数を増加させるための設計変更が行われました。2009 年 12 月現在の実績は以下のとおりで す。 -紙材および木材の使用量を 10 トン削減 -330 パレットの使用を削減 -1 四半期当たり推定トラック 6 台分の返品と、それに関連する燃料使用および車両の排気ガス を回避 -特定機種(型番 4800)のトラック 1 台当たりの輸送量(ユニット数)が 300 から 360 に増加 -特定機種(型番 4820)のトラック 1 台当たりの輸送量(ユニット数)が 720 から 960 に増加 100%リサイクルのネスタブル・タイプ熱成形緩衝材: IBM は当社のサーバーと小売店舗システムの さまざまな製品を対象に、100%リサイクルのネスタブル・タイプ熱成形緩衝材を開発しました。 これ により、製品が国内に輸送されるときには、40 フィート・トラックでの輸送可能量が最大で 10 倍になり ます。 さらに、この緩衝材の原材料である 100%リサイクルのポリエチレン素材は再利用が可能です。 これらの緩衝材を活用し、IBM は 2009 年に推定 91 トンのポリエチレン・プラスチックを再利用し、原 材料および輸送コストを合計でおよそ 190 万ドル節約しました。 7 仕入先との協力 2009 年に、IBM のパッケージング・チームは仕入れ先とともに 22 件の包装設計プロジェクトを実施しまし た。 これらのパッケージング・ソリューションにより、搬入部品の包装材料を 175 トン削減し、原材料コストと 輸送コストを合計 140 万ドル節約しました。 2009 年の事例: 仕入先との協力により、IBM は、1 カートン当たり 5 カードしか入らなかったサーバーマ ザーボードの包装を、1 カートン当たり 21 カード入るものに再設計し、それによって原材料の年間使用量を 90.87 トン削減し、主として輸送と保管の面で 96 万 5,200 ドルの経費節約を達成しました。 仕入先が IBM との協力によって行った改良を他のお客様のための包装設計にも応用すれば、環境面で のメリットや経費節約はさらに広範囲におよぶ可能性があります。 包装材に関する自主的な環境目標 IBM の包装材に関する自主的な環境目標とは、当社が紙材/木材ベースの包装を直接入手する場合 は、可能な限り、持続可能な方法で管理された森林より産出された材料を調達している仕入先から購入す るということです。 IBM が初めてこの目標を設定した 2002 年当時、持続可能な方法で管理された森林から調達された包装 材に関しては、当社のニーズを満たすほど十分な量を入手できませんでした。 しかし、何年間もこの目標 に取り組んできた結果、2009 年には、IBM の紙材/木材の包装材購入契約のおよそ 99%が、持続可能な 方法で管理された森林の資源から購入されました。 製品の安全性 IBM の製品安全要求事項は、製品の設計、開発、製造、テスト工程の様々なステップに含まれており、ま た、 IBM のハードウェアとソリューションのサプライ・チェーンにまで及びます。 IBM では製品安全審査委 員会(Product Safety Review Boards: PSRB)という社内制度を設け、製品およびプロジェクトのマネジャーに 対し、該当する基準の遵守や各国の法律への準拠を支援するとともに、必要に応じて第三者機関からの認 証取得もサポートしています。 また、継続的な改善活動のためのプログラムには、社内および第三者機関による製品安全性評価と、適 合性の評価プログラムの両方が盛り込まれています。 これらの評価結果は、製品評価、計画のサイクルに 定期的にフィードバックされています。 製品の安全性に関わる事故が発生したときに、それを効果的に把 握し管理する事故管理ツールが、このプロセスを補強しています。 8
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