RCレポートのバックナンバー2009 - カネカ

カネカグループ レスポンシブル・ケアレポート
2009
カネカグループの概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2
事業の概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3
ごあいさつ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5
目 次
基本方針とマネジメントシステム
企業理念とコーポレート・ガバナンス
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6
レスポンシブル・ケアの推進とマネジメント
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8
当社のレスポンシブル・ケアの重点目標と実績・評価
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 15
環境への取り組み
生産活動のマテリアルバランス
化学物質排出量の削減
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 19
地球温暖化防止と省エネルギー対策
大気汚染防止と水質汚濁防止
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 23
廃棄物の減量とリサイクルの推進
環境会計
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 21
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 24
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 25
環境効率指標
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 26
社会的取り組み
安全な製品および情報の提供
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 27
環境・安全・健康に配慮した製品・技術
地域・社会との共生
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 29
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 31
人材の育成・活用と働きやすい職場環境 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 34
人権尊重の取り組み
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 36
保安防災と労働安全衛生
グループ会社の取り組み
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 37
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 41
本報告書の対象組織 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 45
第三者検証(レスポンシブル・ケア検証) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 46
レスポンシブル・ケア
とは?
R
レスポンシブル・ケア
対象分野
対象期間
対象組織
(P45をご覧ください)
第三者検証
(P46をご覧ください)
1
レスポンシブル・ケアは「化学物質を製造し、または取り扱う事業者が、自己決定・自己責任の原則に基づき、化
学物質の開発から製造、流通、使用、最終消費を経て廃棄に至る全ライフサイクルにわたって安全、健康、環境を
確保することを経営方針において宣誓し、安全、健康、環境の対策を実行し、改善を図っていく自主管理活動」で
す。世界53カ国(2008年10月)の化学産業界がレスポンシブル・ケア活動を推進しています。
我が国では1995年に日本レスポンシブル・ケア協議会(JRCC)が設立され、当社は設立時から会員として活
動しています。2008年10月現在、JRCCの会員は100社となっています。
レスポンシブル・ケアのすべての項目(環境保全、保安防災、労働安全衛生、物流安全、化学品・製品安全、社会
とのコミュニケーション)について報告しています。また、社会的取り組みとして「人権尊重の取り組み」
「人材の
育成・活用と働きやすい職場環境」についても報告しています。
2008年4月1日∼2009年3月31日(2008年度)の取り組みとデータを報告しています(一部、2008年
(暦年)のデータについても報告しています)。また、2009年度の活動の一部を含んでいます。
株式会社カネカと、生産活動をしているすべてのグループ会社34社について、その取り組みを報告しています。
株式会社カネカを「当社」、製造に携わる国内のグループ会社を「国内グループ会社」、海外製造販売グループ
会社を「海外グル−プ会社」と表記しています。
本報告書の内容を客観的に評価する第三者検証として、2009年6月、
レスポンシブル・ケア検証センターによ
るレスポンシブル・ケア検証を受け、その結果を巻末に掲載しています。
参考ガイドライン
環境省の「環境報告ガイドライン(2007年版)」とGRIの「サステナビリティレポーティングガイドライン2006」
を参考にしました。
過去の発行実績と
今後の発行計画
当社は第1回のレスポンシブル・ケアレポートを1999年に発行し、以後毎年発行しています。また、本報告書
のほかにホームページにもレスポンシブル・ケア情報を掲載しています。
次回は、2010年6月の発行を予定しています。
カネカグル ープの 概 要
株式会社カネカの会社概要
会
社
事
名 株式会社カネカ
業
所 営業所 名古屋
工 場
英語会社名 KANEKA CORPORATION
本社所在地
大 阪 本 社 〒530-8288 大阪市北区中之島3-2-4
T e l . 06(6226)5050 Fax. 06(6226)5037
研
究
東 京 本 社 〒107-6025 東京都港区赤坂1-12-32
T e l . 03(5574)8000
Fax. 03(5574)8121
設
立 1949(昭和24)年9月1日
資
本
金 330億46百万円
(2009年3月31日現在)
高砂工業所(兵庫県)
大阪工場
滋賀工場
鹿島工場(茨城県)
所 先端材料開発研究所
フロンティアバイオ・メディカル研究所
生産技術研究所
太陽電池・薄膜研究所
成形プロセス開発センター
海 外 拠 点 アメリカ、ベルギー、シンガポール、
マレーシア、オーストラリア、中国など
関 係 会 社 子会社78社
(うち連結決算対象会社は
国内36社、海外15社)
■ 純利益
■ 売上高
単独
(百万円)
500,000
438,000
464,310
473,170
502,968
449,585
(百万円)
30,000
25,000
400,000
300,000
単独
連結
282,741
296,411
293,846
313,650
28,099
24,745 24,482
21,853
20,000
272,204
18,363
13,306
15,000
200,000
連結
18,817
15,161
10,000
100,000
5,000
△2,487 △1,850
0
2004
2005
2006
2007
2008(年度)
0
2004
2005
2006
2007
(年度)
2008
■ 従業員数
単独
連結
(人)
10,000
8,000
6,649
7,306
7,430
7,498
7,321
6,000
4,000
3,031
3,204
3,134
3,218
3,288
2,000
0
2004
2005
2006
2007
2008(年度)
■ 連結売上高の事業セグメント別内訳(2008年度)
■ 連結海外売上高に占める地域別の構成比(2008年度)
合成繊維、
その他
5.0%
エレクトロニクス
7.5%
ライフサイエンス
8.9%
食品
27.8%
化成品
20.5%
売上高
4,496
(億円)
機能性樹脂
14.9%
発泡樹脂製品
15.4%
その他
11.0%
欧州
31.2%
海外売上高
1,472
(億円)
アジア
36.8%
北米
21.0%
2
事業の概要
カネカグル ープの主な事業は、化成品、機能性樹脂、発泡樹脂製品、食品、医薬品、医療
機器、電子材料、合成繊維の製造・販売と多岐にわたっており、衣食住医にわたる幅広い分
野にスペシャリティの高い製品を提供しています。
当社グル ープ各事業の種類別セグメントは以下のようになります。当社は、得意技術が
活かせるエレクトロニクス、ヘルスケア、機能性樹脂を重点戦略領域として、経営資源を重
点投入し、収益力のある強靭な企業体質の構築を目指します。
化成品部門
苛性ソーダ
電力ケーブル防護管
カネビニール R
(塩化ビニル樹脂)
R
カネビニール ペース
ト
(塩ビペースト樹脂)
耐熱カネビニール R
(塩素化塩化ビニル樹脂)
塩ビコンパウンド
機能性樹脂
部門
カネエース R
(塩ビ強化用樹脂)
R
R
カネエース PA
カネエース FM
(塩ビ加工性改良用樹脂) (塩ビ強化用耐候性樹脂)
ゼムラック R
サイリル R
カネビラック R
(アクリルシリコン系ポリマー) (粘・接着剤ベースポリマー) (塩ビ系、アクリル系溶液型樹脂)
カネカMSポリマー R
ハイパーライト R
(変成シリコーンポリマー) (改質PET樹脂)
サンデュレン R
(耐候性MMA系フィルム)
発泡樹脂製品
部門
R
エペラン PP
エペラン R
カネパール R
(ビーズ法発泡ポリプロピレン)(ビーズ法発泡ポリエチレン) (発泡ポリスチレン樹脂)
R
ソーラーサーキット R
カネパールPLAフォーム R
カネライトフォーム R
カネライトフォーム スーパーE
(自然循環型ビーズ法発泡樹脂製品) (押出発泡ポリスチレンボード) (押出発泡ポリスチレンボード)(木造住宅工法)
食品部門
3
カネカマーガリン/カネカショートニング
(マーガリン/ショートニング)
パプレ R
(圧力晶析マーガリン)
ベルコ R
(チョコレート用油脂)
フレッシュホイップ・ミルレックス R
(クリーム類)
香辛料
カネカイースト
(パン酵母)
R
AMMPA KANEKA
(血圧降下剤カプトプリル中間体)
カネカグルタチオン
(グルタチオン)
ユビデカレノンカネカ R
(ユビデカレノンCoQ10)
ライフサイエンス
部門
R
KANEKA AL-1
(エナラプリル血圧降下剤中間体)
AZETIDON-KANEKATM
(カルバぺネム系・ぺネム系抗生物質中間体)
HPG-KANEKA R
(半合成ペニシリン中間体)
(血液浄化システム:医療機器)
①サルフラックス R
②リポソ−バー R
(膜型血漿分離器) (高脂血症治療用吸着器)
③セレソ−ブ R
(全身性エリテマトーデス治療用吸着器)
④リクセル R
(透析アミロイド症治療用血液浄化器)
血管内治療用カテーテル
カネカ・コエンザイムQ10
(機能性食品素材)
R
エレクトロニクス
部門
太陽光発電システム
(太陽電池)
アピカル R
(超耐熱性ポリイミドフィルム)
エルメック R
(光学用フィルム)
カネカフラックス R
(複合磁性材料)
合成繊維部門
カネカロン R
(アクリル系合成繊維)
プロテックス R
(難燃繊維)
ULTIMA(アルティマ)
(蛋白繊維)
4
ごあいさつ
当社は、「エレクトロニクス」「ヘルスケア」「機能性樹脂」
顕著になりました。こうした事実を踏まえコーポレートとし
を重点戦略領域と定め、経営資源を集中的に投入し新規事
ての支援活動は、通り一遍なものではなく、個々のグルー
業の創出と海外展開の強化により事業規模の拡大に取り組
プ会社の特徴をしっかり捉えたものに変革を図る必要があ
んでまいりました。しかし未曾有の世界経済のリセッション
ります。
により、昨年度の業績は大幅な後退を余儀なくされ、平成
20年度は31年ぶりの赤字決算となりました。当社は、
この
地球温暖化防止については、昨年国内排出量取引制度に
危機的な状況を一刻も早く打開するために、3つの変革、即
応募し、毎年CO2排出量削減の具体的な目標を掲げて組織
ち事業構造の変革、研究開発の変革、人材の変革に必死で
的な活動を行っております。省エネルギーの技術について
取り組んでおります。
も、国の長期構想に遜色のない計画の実現に向けて、改め
てモデル職場の選定を行い、新たな視点・新たな最新技術
全社的な変革に向けた取り組みの一環として生産技術
の適用によるテーマの発掘と地道な取り組みを組織に展
部門におきましては、従来分散しておりました生産活動に
開しております。こうした取り組みを国内グループ会社へ
伴うリスク管理機能を生産技術本部RC部に機能統合致し
も浸透させるべく、エコアクション21(EA-21)の計画的
ました。具体的には従来からありました労働安全衛生、環境
な取得を推進してきました。本年度早々には全社で認証を
保全、製品安全(品質保証)に加え、生産現場における危機
得る予定です。
管理、地球温暖化防止及び再資源化推進等の業務も全体管
理する組織改訂を行いました。
廃棄物の減少については、
これまでも重点課題の一つと
して継続的に取り組んできておりますが、4工場とも3年連
カネカグループの労働災害度数率は、一昨年、
(社)日本
続ゼロエミッションを達成しました。VOCやPRTRの排出
化学工業協会傘下における各社の平均値を下回りましたが、
削減についても毎年の計画届出量を超過達成致しました。
昨年は再び若干悪化しました。グループとしては安定した
これは環境保全への拘りが組織的に定着し、安定した実力
実力に到達していないことを改めて実感させられた次第で
がついてきたからと考えております。また、長年の懸案で
す。グループ各社の状況を見ると、労働災害を全く起こさ
ありましたPCB廃棄物の処理につきましては、本年3月よ
ない会社と、毎年の如く起こしている会社とに2極分化が
り当社グループで保管している廃棄物の本格的な処理が
開始されました。
こうした取り組みに加えて、カネカグループにおいて総
合的な環境安全衛生活動を定着させるべく、主要な規程類
の制定・改訂を進めてまいりました。この中では特に自然
災害やプロセス事故を想定し、万が一の危害想定への対応
策を立案し具体的な行動計画を策定しました。この取り組
みでは地域行政と一体になった訓練を継続することでグル
ープとしての危機管理能力を高めることもねらいにしてお
ります。この新しいシナリオに基づいて当社4工場は地域
行政と一体になった総合防災訓練を行っており、最悪の場
合のクライシスの想定におきましても、従業員の命を守る
ことを第一に訓練を継続しております。
この報告書は、カネカグループがこの1年間に取り組ん
できたレスポンシブル・ケア活動についてまとめたものです。
こうした取り組みについて一層のご理解を賜るとともに、
忌憚のないご意見をお寄せいただければ幸いでございます。
代表取締役社長
5
2009年6月
基本方針とマネジメントシステム
企業理念とコ ーポレート・ガバナンス
基
本
方
針
と
マ
ネ
ジ
メ
ン
ト
シ
ス
テ
ム
企業理念
人・社会・環境との調和のもとに、優れた技術で暮らしに役立つ 製品や
サ ービスを提供し、世界の人びとに貢献します。
企業活動 の 基本方針
1
顧客・マ ーケットのニ ーズに的確かつタイムリーに対応することにより、
有用な製品やサ ービスを提供し、社会に貢献するとともに企業価値の増大に結びつ ける。
2
国内外の法令を順守することはもとより、それぞれの国や地域の文化・慣習を理解して
地域に根ざした企業活動を行う。
3
4
5
6
7
環
境
へ
の
取
り
組
み
株主をはじめ、広く社会とのコミュニケ ーションを重視し、適切な情報開示を行う。
製品の安全性に十分配慮するとともに、環境問題へ の対処・取り組みを推進していく。
自由な競争にもとづき公正な営業活動を行う。
健全かつ 安全な職場環境のもと、従業員の人格や個性を尊重して、
企業人としての能力の開発と発揮を促進する。
不法・反社会的勢力の要求に対しては断固たる姿勢で対処する。
当社では、この企業活動の基本方針のもと、従業員一人ひとりが業務遂行にあたり守るべき基本的事項を示した
「倫理行動基準」を定めています。
社
会
的
取
り
組
み
コーポレート・ガバナンス
当社は「人・社会・環境との調和のもとに、優れた技術で暮らしに役立つ製品やサービスを提供し、世界の人びとに貢献します。」
という企業理念のもと、企業価値増大を徹底して図っていくための重要な機能がコーポレート・ガバナンスであると考えています。
●コーポレート・ガバナンスの体制
当社の経営に関わる重要事項に関しては、社長他によっ
を求めるとともに、
「会計監査人」より会計監査に関する説
て構成される「経営審議会」の審議を経て「取締役会」にお
明を受けるなど、相互に連携して監査を遂行しています。
いて執行を決議しています。
なお、当社の会計監査業務を遂行した公認会計士は、あ
当社は多角的な事業展開を基本戦略として、業種・業態
ずさ監査法人に所属しています。
に応じた事業展開を推進しており、組織形態としては事業
株
部制を採用しています。日常の業務執行に関しては、事業
主
総
会
部長に広い権限を与えていますが、複数の事業部を取締役
選任
取締役会
が管掌することで全体的整合を図るとともに、毎月「部門長
監査
監査役会
社 長
会」を開催し、各事業部門長から取締役・監査役に対し職務
の執行状況を直接報告させています。また、各部門の業務
グ
ル
ー
プ
会
社
の
取
り
組
み
選任
経営審議会
選任
連携
CSR委員会
連携
運営については、社長直属組織の「内部統制室」が独立的
監視活動を行っています。
当社は、監査役制度を採用しています。
「監査役会」は、
事業・生産・研究・
一般管理部門等
内部監査
内部統制室
会計監査
会計監査人
内部監査の状況について「内部統制室」に対して適宜報告
6
基本方針とマネジメントシステム
企業理念とコ ーポレート・ガバナンス
コンプライアンス
当社は取締役や従業員の業務遂行が法令・定款に適合するよう組織的に取り組むことが、経営の重要な課題であると考えて
います。
●体制
を作成して、カネカグループ会社に勤務するすべての人に
(1)企業の社会的責任への取り組みをさらに強化するため、
※1
配布しています。
を設置して、
レスポ
入社時や昇格時に行われる研修、各事業部やグループ会社
ンシブル・ケア活動の推進体制を再編するとともに、
コ
で行われる各種研修、海外赴任者への赴任前研修などにおい
ンプライアンスを含む当社のCSR活動を統括します。
て、コンプライアンスに関する説明・徹底を行っています。営
(2)企業倫理・法令順守に関しては、
CSR委員会傘下のコ
業幹部職に対しては、独占禁止法に関する研修を定期的に行
社長を委員長とするCSR委員会
ンプライアンス部会が、全社の計画の統括、進捗度の
っており、全員の出席と誓約書の提出を義務付けています。
把握、実際の順守状況の確認、適切な相談・通報窓口
の設営・維持等必要な活動の推進・監査を統括してい
ます。
(3)機能統括部門 ※2は、規程類をコンプライアンスの観点
から整備しつつ、個別研修の企画・実施、自己点検の促
進等具体的活動を企画・推進し、順守状況確認のため
の査察・監査を行っています。
(4)さらに、機能統括部門の枠を超える横断的課題に対し
ては、
CSR委員会傘下の地球環境部会・中央安全会議・
製品安全審査会、ならびに工場経営会議など、特定の
任務を持つ組織を設置し、計画の推進等を統括してい
ます。
(5)反社会的勢力との一切の関係を遮断し、不法・不当な
要求に対しては全社一体となった毅然とした対応を徹
底します。また、社内に対応統括部署を設け、平素より
●相談窓口
情報の収集管理、警察などの外部機関や関連団体との
コンプライアンス相談窓口を社内および社外弁護士事務
連携に努め、反社会的勢力排除のための社内体制の整
所に設け、コンプライアンスに関するグループ内からの疑
備強化を推進します。
問に答えたり、問題が起きた場合には迅速に対応し早期解
(6)財務報告の信頼性を確保するために、財務報告に係る
内部統制の体制整備・充実を図るとともに、内部統制
室が必要な監視活動を行います。
※1:当社は2009年3月16日にCSR委員会を設置しました。
※2:機能統括部門とは、人事部、総務部、経理部等、当社およびグループ全体の
事業活動において特定の機能を統括する部門をいいます。
●周知徹底
「企業活動の基本方針」にコンプライアンス項目を掲げ
るとともに、各人が守るべき「倫理行動基準」を定めてイン
トラネット上に常時掲示し、周知徹底を図っています。また、
それら基本方針や基準を掲載し、業務上留意するべき事柄
を分かりやすく解説した「コンプライアンス・ガイドブック」
7
決ができるようにしています。
レスポンシブル ・ケアの 推進とマネジメント
基
本
方
針
と
マ
ネ
ジ
メ
ン
ト
シ
ス
テ
ム
当社は、レスポンシブル・ケア基本方針、安全に関する基本方針を定め、
「環境安全衛生管理規程」
「保安管理
規程」
「製品安全管理規程」
「品質保証規程」
「設備管理規程」
「物流管理規程」など、レスポンシブル・ケアに
係る規程類を制定し、PDCA(Plan−Do−Check−Act)でレスポンシブル・ケアを実施しています。
グル ープ経営
方針
当社は、
レスポンシブル・ケアに関する理念・戦略をグル
ープ会社と共有し、グループ全体の最適化が図れるように
グループ経営を重視し、種々対応してきました。2003年
規程類
度からは環境負荷の把握など、基礎的データの収集を始め
環
境
へ
の
取
り
組
み
ています。
2007年度からは国内のすべてのグループ会社で環境
手 順 書 、標 準 書
基 準 書 、要 領 等
マネジメントシステムの認証を取得する活動をはじめ、規模
の大きいグループ会社では「ISO14001」を、中小規模の
グループ会社では環境省が推奨する「エコアクション21」
の認証を取得する計画を立て、推進してきました(18ペー
ジをご参照ください)。
活 動 の モ ニ タリング は 安 全 査 察 で 行って い ま す が 、
2004年度から、従来の環境保全、労働安全に製品安全(品
継続的改善
質保証)とコンプライアンスの項目を加えた「総合査察」に
衣がえし、2005年度からは国内外のすべてのグループ会
社も安全査察の対象に加えました。
社
会
的
取
り
組
み
当社は「環境安全衛生管理規程」を2008年10月に改
Plan
訂し、
グループ会社への対応やグループ会社の責務を明記し、
規程の上からもグループが一体となって活動することを明
Act
確にしました。さらに、生産部門に関わる「危機管理マニュ
アル」を改訂し、
この適用範囲に含むグループ会社を拡大し
ました。
Do
以上の取り組みを通して、
グループ会社従業員の自立的
取り組みを促し、カネカグループの環境負荷の低減や労働
Check
災害の減少、自然災害や製品事故などへの危機対応力の向
上を図っています。
グ
ル
ー
プ
会
社
の
取
り
組
み
8
基本方針とマネジメントシステム
レスポンシブル ・ケアの 推進とマネジメント
レスポンシブル・ケア基本方針
企業理念に基づき、当社は、良き市民の一員として、企業
負荷の低減による環境保護、保安防災、労働安全衛生、製品
活動が地球環境と人々の生活環境に及ぼす影響に注目し、
安全、廃棄物の減量に努めることにより、社会の持続的発展
製品の開発から、原料の購入、製造、流通、使用、消費、廃棄
と豊かな社会の実現に貢献します。具体的には、以下の6項
に至る製品の全ライフサイクルにおいて、資源の保全、環境
目をレスポンシブル・ケアの基本方針とします。
1
自然の生態系の保護と
環境負荷の低減
企業活動が地球環境と生態系に及ぼす影響に注目して、製品の全ライフサイク
ルにおいて環境負荷の低減と省資源・省エネルギーに努めます。
2
安全な製品及び
情報の提供
当社は安全に流通し、安全に使用できる製品の提供に努めるとともに、製品に
関する正しい使い方や取扱方法など、適切な情報の提供に努めます。
3
環境・安全面に配慮した
製品・技術の開発
新製品の開発に当たっては、その全ライフサイクルにわたる「環境・安全」に可
能な限り配慮し、環境負荷の少ない製品・技術の開発に努めます。
4
廃棄物の減量と
プラスチックリサイクルの
推進
製造に関わる廃棄物を極力減量します。また当社製品に関連するプラスチック
廃棄物の適切な処理或いは再資源化については、関連業界と協力して、その技
術を積極的に開発するとともに、適切な処理及び再資源化に努めます。
5
保安防災と
労働安全衛生の向上
保安防災は地域社会の信頼の基礎であり、また労働安全衛生は化学会社が達
成しなければならない課題です。当社はこれらの絶えざる向上に努力します。
6
社会からの
信頼性の向上
経営者から社員の一人ひとりに至るまで、環境・安全に関する国内外の法・規制・
基準類を順守して行動します。また、
これらのレスポンシブル・ケアの取り組みを、
正しく社会に公表することにより、社会から正当な評価と信頼を得ることを期
待するものです。
レスポンシブル・ケア推進体制
9
当社は、
(社)日本化学工業協会が「日本レスポンシブル・
です。また「工場経営会議」は、製造事業場でのRC活動の
ケア協議会」を1995年に設立して以来の会員として、年々
受け皿として、より具体的にグループの課題を審議します。
レスポンシブル・ケア(RC)活動の強化を図ってきました。
決定した方針・施策は、生産技術本部所属のRC部および技
特に、P-D-C-A(計画・実行・点検・改善)のサイクルにより、
術部が、活動推進会議を通じてグループ全体に徹底させる
RCの6項目(「環境保全」
「保安防災」
「労働安全衛生」
「化
役割を担っています。活動推進会議として、
「レスポンシブル・
学品・製品安全」
「物流安全」
「社会とのコミュニケーション」)
ケア推進担当者会議」
「環境安全リーダー会議」
「関係会社
の質を確実に向上させていくことを重要視しています。
環境安全部署長会議」は、それぞれ当社の各部門、工場、
グ
そのため、図のようなRC推進体制を敷いて活動を行って
ループ会社を対象にしています。また、製品安全・品質保証
きました。
に特化した活動推進会議として「品質保証担当者会議」を
当社グループ全体の方針と施策を審議・決定し、活動を
設け、活動を補強しています。
点検する機関は、CSR委員長(社長)が直轄する「CSR委
なお当社は、
グループのRC活動をさらに強化するため、
員会」と、CSR委員会が統括している「コンプライアンス部
2009年3月に社長以下の全社体制を再整備し、新たな体
会」
「地球環境部会」
「中央安全会議」
「製品安全審査会」
制のもとで企業として責任ある活動を推進していきます。
レスポンシブル・ケア推進体制
経営層
方針・施策決定、
活動点検組織
活動部門
基
本
方
針
と
マ
ネ
ジ
メ
ン
ト
シ
ス
テ
ム
活動推進会議
生産技術本部
社 長
技術部
CSR委員会
RC部
コンプライアンス部会
地球環境部会
中央安全会議
製品安全審査会
レスポンシブル・ケア推進担当者会議
環境企画グループ
環境安全リーダー会議
環境安全グループ
関係会社環境安全部署長会議
製品安全・品質保証グループ
品質保証担当者会議
RC技術グループ
工場経営会議
製
造
事
業
場
高砂工業所
大阪工場
滋賀工場
鹿島工場
各場RC推進担当者
各場環境安全衛生部署
各場品質管理部署
環
境
へ
の
取
り
組
み
事業部門
各部門RC推進担当者
各部門品質担当者
グループ会社
各社環境安全担当部署
スタッフ部門
各部門RC推進担当者
監査・査察
当社では、RC内部監査、環境安全内部監査、ISO14001・
ISO9001・OSHMSなどの規格に基づく内部監査や総合
査察を継続して実施し、P-D-C-Aで自律的にRCを実行して
社
会
的
取
り
組
み
います。グループ会社においても総合査察、
グループ会社ト
ップによる安全内部監査や、規格を取得している会社では
2008年度総合査察
その規格に基づく内部監査を実施しています。
中央安全会議議長を委員長とする総合査察は、労働安全、環
レスポンシブル・ケア教育
境保全、製品安全(品質保証)、コンプライアンスについて経営
トップが対象組織の管理状況や成果について査察するものです。
当社では、計画的に全従業員に対し職場、階層、役職ごと
2008年度は、カネカ4工場と海外グループ会社8社8工場、国
にRC教育を実施しています。このほかに、関係会社環境安
内グループ会社15社17工場について、重大リスク低減のため
全部署長会議や関係会社製造リーダー会議を活用し、
グル
の取り組み状況を確認することに重点を置いて安全査察を実
ープ会社の環境安全責任者や製造リーダーへのRC教育の
施しました。査察により、
リスクアセスメントへの真摯な取り組み、
場としています。
工夫を凝らした安全活動の推進、同一事業部所管の工場間での
レスポンシブル・ケア教育
相互査察や地域住民とのリスクコミュニケーションの実施など
が確認できました。良い事例については、他の事業所に水平展
開し、
グループとしての経営基盤強化につなげています。
また、総合査察とは別に、
名称
実施部門
新入社員研修
各事業所環境安全衛生部署
入社3年目研修
各事業所環境安全衛生部署
配転者教育
配転者受入部署
一般従業員教育
所属部署
製品安全が強く求められる製
監督者環境安全基本コース
(新任職長・班長対象)
RC部環境安全グループ
造部署で、特定の項目に絞っ
環境安全マネジメント研修
(新任幹部職対象)
RC部環境安全グループ
た特定査察を実施しました。
グ
ル
ー
プ
会
社
の
取
り
組
み
ISO内部監査員教育
各事業所
内部監査員レベルアップ研修
RC部製品安全・品質保証グループ
10
基本方針とマネジメントシステム
レスポンシブル ・ケアの 推進とマネジメント
海外グル ープ会社のレスポンシブル・ケア取り組み状況
[カネカベルギー]
く教育訓練、カネカグループでの災害事例の共有化、総合
防災訓練等一貫した取り組みを継続し実施してきた結果、
2009年3月末に連続休業
無災害2,033日を達成しま
した。今後は、労働災害とと
もにプロセス事故の撲滅に
も注力して取り組んでいき
ます。
防災訓練
カネカベルギーは、欧州初の日系化学企業として1970
年に設立され、ベルギー連邦フランドル地域ウエステルロー
●物流安全
市で、
1974年からカネエース(MBS樹脂)の生産を開始し、
危険物の運搬についてはEUのADR(EU域内での危険
1985年にエペラン(発泡ポリオレフィン樹脂)、1997年に
物の道路運搬に関する規制)に基づき、計画、設計していま
MSポリマー(変成シリコーン樹脂)と着実に業容を拡大し、
す。特に、工場から出荷する危険物を取り扱う設備について
カネカのグローバルネットワークの一翼を担っています。
は、運送に関する安全監督者が、毎年第三者の検査を受け
EU域では、産業全般で環境と安全の両立が求められて
安全を確保しています。また、
トラックへの荷積みについて
います。レスポンシブル・ケアもより広範な取り組みへと着
は、スーパーバイザーとフォークリフトオペレーターに対し、
実に進化しており、企業にとって重要な活動となっています。
定期的に正しい作業方法について訓練を実施しています。
現在、
第6次環境行動計画(2002∼2012年)に基づき、
次々
に施行される先例のない先進的な環境・安全に関する厳し
●化学品・製品安全
い規制に確実に対応して、設備の取得・維持および生産活
REACH(欧州化学品規制)の予備登録が2008年11月
動に反映しています。
末に締め切られ、実際に規制が始まりました。カネカベルギ
●環境保全
ーはREACH対応協議会やフランダース化学工業会などの
EUの地球温暖化対策は2008年から5年間の第2フェー
ズが始まりました。カネカベルギーにおける2008年度の
CO2年平均排出枠36,665トンに対し、排出量約31,000ト
ンと約5,000トン削減できました。今後も、操業に応じたエ
ネルギー消費の最適化とともに、
コージェネレーション設備等、
団体、近在の化学会社との情報交換も行いながら、運用を
始めています。特にREACHは、化学物質のサプライチェー
ンにおいて物質とともに物質に関する安全情報を確実に伝
達する義務があり、すべての取扱物質について情報を入手、
伝達できる業務の仕組みも整えています。
設備の更新・改善等も継続して検討していきます。
●保安防災
ベルギー政府のRisk Control指令に基づき、
プロセスの
安全性審査の手法にHazop/Lopaを用い、着実に検討を進
めており、
これらに基づき計画したPLC計装設備(重要な監
視・保安計器を独立計装工事化して信頼性を高める)をエ
ペランおよびMSプラントに適用しました。次年度はMBS
プラントに適用し、全プラントで可燃物の貯蔵設備および製
造プロセスの保安監視システムの強化を図る計画です。
11
●社会とのコミュニケーション
地域の安全週間の講習会に講師を派遣するなど、地域社
会とのコミュニケーションに努めています。
日白協会(Belgium-Japan Association)が主催する、
ベルギーの若手エグゼクティブを日本に派遣し、日本文化
の体験、企業見学を通し、相互理解とさらなる交流を目的と
するYESプログラム(Young
Executive Stay Program)
に協力し、当社で派遣前の研
●労働安全衛生
修が実施されました。日白両
“安全第一はスローガンではなく、
リアリティである”の基
国の親善・関係強化の一助に
本精神で、各課による相互安全点検、従業員の計画に基づ
なれたことと思います。
YESプログラム派遣前研修
基
本
方
針
と
マ
ネ
ジ
メ
ン
ト
シ
ス
テ
ム
[カネカマレーシア]
の点検にRBI(Risk Based Inspection)法を導入して安
全維持管理の最適化を図っています。
カネカマレーシアはマレー半島東海岸、
クアンタン郊外に
あるゲベン工業団地に位置し、アジアにおけるカネカの中
環
境
へ
の
取
り
組
み
消火訓練
核生産拠点として1995年に設立されて以来、
カネエースB、
PA(MBS樹脂)、エペランPP&PE(ビーズ法発泡ポリオレ
フィン樹脂)、カネビニールペースト(塩ビペースト樹脂)の
生産を順次開始し、以後その業容を拡大してきました。地
域を代表する化学会社へと成長する歩みのなかで、近隣住
民や観光業などの他業種にも配慮した環境安全に関わる
法令順守の取り組みや、地域社会との共生を目指したレス
ポンシブル・ケア活動に取り組んでいます。
●製品安全
当社製品のMSDS(化学物質安全性データシート)の作
成はもとより、欧州向けに出荷される当社製品に関しては
RoHS(電気・電子機器に含
まれる危険物質を規定し、物
質の使用を禁止する旨の指
令)やREACH(欧州化学品
規制 )へ の対応もカネカ本
●環境保全
大気、水質、廃棄物、騒音などの厳しい環境基準に対して、
社や他の海外拠点と連携し
ながら実施しています。
社
会
的
取
り
組
み
製品に付けているRoHS適合マーク
常に各環境基準に適合できていることを内部モニタリング
で監視するとともに、第三者機関を通じて当社の排水が国
内水質基準(INWQS)を満たし、近隣の河川に悪影響を与
えていないことを確認しています。また昨年度までにカネ
カマレーシア内の3工場すべてでISO14001の認証を受
け、そ の取り組みのなかで2008年度は排水スラッジの
85%をリサイクルできました。
●社会とのコミュニケーション
近隣の企業、行政および地域社会とのパートナーシップ
を強化するため、ゲベン地区の近隣工場での緊急相互サポ
ート組織(GEMA : Gebeng Emergency Mutual Aid)
や 地 域 社 会 と の コ ミ ュ ニ ケ ー ション 組 織( G C A P
:Gebeng Community Advisory Panel)に参画してい
●労働安全衛生、保安防災
ます。
当社は安全に対して責任ある会社として、すべての従業
員が安全確保と健康維持できる労働環境を提供するため、
グ
ル
ー
プ
会
社
の
取
り
組
み
会社設立以来、
行政機関や専門家と緊密な連携を取りながら、
法令順守に努めています。また、産業医による定期的な健
康診断などによって従業員の健康維持に取り組んでいます。
保安防災に関しては、緊急時保安計画で災害対応チーム
(DCT)による緊急保安体制を定めています。メンバーは
外部の教育機関でトレーニングを積むとともに、社内でも
透析患者支援NGOへの透析装置寄贈
定期的な保安訓練を受け、災害発生に備えています。プロ
セス安全に関しては、高圧ガスを用いるすべての圧力容器
12
基本方針とマネジメントシステム
レスポンシブル ・ケアの 推進とマネジメント
海外グル ープ会社のレスポンシブル・ケア取り組み状況
[カネカテキサス]
自主防衛は社員のなかから専門教育・訓練を受けたERT
(Emergency Response Team)メンバーを選任し、
メ
ンバーは専門の訓練施設で
の消火訓練、救出訓練、救急
措置訓練等を行っています。
2008年は塩素漏洩時の処
置訓練を再度実施しました。
地 域 防 災 に つ い て は
塩素漏洩時の処置訓練
カネカテキサス(KTC)はヒューストン市郊外のベイポート
CIMA(工業地帯の会社で構成する相互防災組織)の一員と
工場地帯に位置し、1984年の工場操業開始以来、米国の法
して活動しています。2008年はハリケーンIKEの襲来でプ
令順守はもとより、地域と密着したレスポンシブル・ケア活動
ラントを全停止しましたが、入念な事前準備で、安全・環境上
を続けています。2008年は、CPVC(耐熱塩化ビニル樹脂)
の問題を起こすことなく、停止・再開できました。
とMSポリマー(変成シリコーン樹脂)のプラント建設と試運
転を連続して実施したため、建設・試運転における環境・安全
●製品安全
対応とともに、工場規模拡大に伴うレスポンシブル・ケア体制
専任担当者を置いてKTC全事業の製品のコンプライアン
の整備を図ることが、前年に引き続き大きな目標でした。
スを保証する活動を実施しています。2008年はEUの
REACH(欧州化学品規制)に対応して取扱原料の予備登録
を実施しました。
●環境保全
2008年は2つのプラント建設・立ち上げにおいて、大気・
排水・洪水対策等の環境基準をすべてクリアし、環境上のト
ラブルなく試運転と安定稼働を達成しました。
●社会とのコミュニケーション
地域の団体BACAP(Bay Area Citizen's Advisory
Panel)に対して、CPVCとMSの新プラントにおける環境・
安全への取り組みついてプレゼンテーションを行い、KTCへ
●安全衛生
の理解を深めてもらいました。
2008年は残念ながら年初に連続して
労働災害が発生したため、具体的な再発
また、従業員のボランティア組織KANEKA KARESを通
防止策実施とともに、従業員安全委員会
じて広くボランティア活動を奨励し、
各種団体や学校への寄付、
の発案によるKTC独自の安全喚起の活
公共施設の修理活動などを行いました。特に2008年はハ
動S.E.A.R.C.H.(Safe
リケーンIKEにより被災した人たちへ の支援活動として、
Employees
KNL(カネカニュートリエンツ)とともに近隣のラポルテ市
Are Really Changing Habits)を発足
させました。これらの効果により、6月以
降はゼロ災を継続しています。
安全喚起活動S.E.A.R.C.H.
の啓蒙用ポスター
新プラントでは、法規および塩素工業会の指針などに則っ
のNeighborhood Centerに寄付をしました。
●テキサス・ケミカル・カウンセルからの表彰
てデザイン・建設を実施し、定められた設備稼働前安全チェ
法令順守および地域社会と密着したレスポンシブル・ケア
ックを行い、安全上のトラブルなく稼働させました。
活動の成果に対して、Caring for Texas Award(環境保
全・改善への顕著な功績)およびDistinguished Service
13
●保安・防災
Safety Award(労働安全
EPA(アメリカ合衆国環境保護庁)の要求するRMP(リ
成 績 改 善や 安 全 活 動に顕
スク管理計画)に則り、既設プラントは5年ごとに見直しを
著な功績)の2つの表彰を、
実施しています。2008年はEPA監査官によるランダム監
KNLとともに2008年も
査に合格しました。
継続して受賞しました。
基
本
方
針
と
マ
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ン
ト
シ
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テ
ム
[カネカニュートリエンツ]
携して入念に事前緊急対策を行い、通過後は従業員の入念
なプラント点検により、環境・安全面での問題を引き起こす
ことなく迅速に生産を再開できました。
●製品安全
KNLは医薬品GMP(製造管理および品質管理の基準)
であるICH-Q7Aに基づく品質保証体制により製品安全を
管理してきましたが、
2008年にダイエタリーサプリメント(栄
カネカニュートリエンツ(KNL)はヒューストン市郊外の
養 補 助 食 品 )の 製 造 、包 装 、表 示 お よび 保 管 の た め の
ベイポート工場地帯にあるカネカテキサス(KTC)の西側
cGMP(連邦規則FDA21CFR111)が新たに施行された
に隣接して建設され、2006年にコエンザイムQ10の醗酵
ことにより、同規則に適合する品質保証システムへと移行し
法による生産を開始、2008年度にはカネカQH(還元型コ
ました。当社の製品はGRAS(食品に使用しても安全である)
エンザイムQ10)の生産を実施し、
業容拡大を進めています。
の認証も受けており、米国大手顧客による品質保証査察に
KNLはKTCと協調して米国の法令順守ならびに地域と密
おいても高い評価を得てい
着したレスポンシブル・ケア活動を行っています。
ます。さらに食品安全システ
環
境
へ
の
取
り
組
み
ムを充実させるため2010
年度のISO22000認証を
●環境保全
2006年の稼働以来、培養工程で発生する排気ガスは再
目標にしてプロジェクトチー
ムを立ち上げました。
生蓄熱式焼却炉(RTO)によって燃
製品検査
焼処理し、精製工程からの排気ガス
に含まれる揮発性有機化合物(VOC)
社
会
的
取
り
組
み
●社会とのコミュニケーション
はフレアースタックによって燃焼処
K T Cと同じく当 社 で は 、従 業 員 の ボラン ティア 組 織
理することで、大気環境規制クリア
KANEKA KARESを通じて地域でのボランティア活動を
はもとより、工場周辺への臭気対策
奨励しており、各種団体や学校への寄付、公共施設の修理
にも万全を尽くしています。
活動などに貢献しています。2008年はハリケーンIKEに
再生蓄熱式焼却炉
●労働安全衛生、保安防災
より被災した人たちへの支援活動をKTCとともに展開し、
近隣のラポルテ市のNeighborhood Centerに寄付を行
いました。
KNLはOSHA(米国労働安全衛生法)に従い、PSM(プ
ロセス安全管理)規程に則って労働安全衛生管理ならびに
保安防災活動を展開し、設備やプロセスの変更時は、厳密
グ
ル
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社
の
取
り
組
み
な変更管理を適用してリスク分析(HAZOP)を実施してい
ます。不休業災害件数は2007年1月以降、協力業者を含
めてゼロを継続しています。2009年度はPSMの自己査
察年度にあたり、専門家による査察とさらなる改善を計画
ハリケーン被害者への寄付金贈呈式
しています。
自衛防災では、KTC同様に社員を選抜し、消火訓練、救急
●表彰
措置訓練、有害物質取扱い訓練等をNPO組織であるCIMA
テキサス・ケミカル・カウンセルからの Caring
(Channel Industries Mutual Aid)において毎年受け
ています。2008年のハリケーンIKE上陸では、KTCと連
for
Texas Award, および Distinguished Service Safety
Awardの2つの表彰をKTCとともに受賞しました。
14
基本方針とマネジメントシステム
当社 のレスポンシブル・ケアの 重点目標と実績・評価
項目
化学物質排出量の
削減
環
境
保
全
2008年度
目標
実績
VOC排出量を中間年度目標値以下の2000年度(基
準年)比47%削減の2,900トンにする。
VOC排出量は1,994トンで、目標を大幅に達成した。
ゼロエミッション(最終埋立処分率0.5%未満)を維持
する。研究開発段階からの廃棄物処理技術を検討する
仕組みづくりを構築する。
最終埋立処分率は0.1%で3年連続全4工場でゼロエミッ
ションを維持した。研究開発段階から廃棄物処理技術を
検討する仕組みを「RD管理規程」に具体的に盛り込んだ。
「廃棄物情報管理システム」を活用し、法令順守を継
続する。「現地調査」「格付評価」によるリスク低減活動
を行う。
「廃棄物情報管理システム」を活用し、法令順守の管理
を行った。計画通り「現地調査」
「格付評価」を実施した。
電子マニフェストの導入・運用を開始した(高砂工業所)。
廃棄物削減
エネルギー原単位指数を前年度比1%以上低減する。
エネルギー原単位指数は前年度比で3.9%増加した。
物流効率化を継続実施し、物流起因のエネルギー原
単位指数を前年度比1%低減する。
物流効率化を継続実施し、前年度比で物流起因のCO2排出量を
4,800トン削減し、エネルギー原単位指数を5.5%削減した。
全社で重大事故に関わるリスクの抽出作業を強化し、
事故・災害の未然防止対策を推進する。
社長指示のもと、カネカグループで重大事故・災害に関
わるリスクの抽出作業を強化するとともに、危機管理マ
ニュアルの改訂により、危機対応能力の向上を指向した。
労働安全
関係会社の内部監査(年1回以上)の定着、関係会社
環境安全部署長会議および製造リーダー会議の定着
を図る。
安全査察を通じた関係会社の内部監査状況の確認を行
うとともに、関係会社環境安全部署長会議および製造リ
ーダー会議を計画通りに実施した。
マネジメントシステム
OSHMS運用の定着化と内部監査者の継続的な育成
および監査能力の向上を図る。
OSHMS運用定着化に向け、内部監査者研修を開催(2回)
し、
100名を超える監査者を養成し、
各場にて任命・登録した。
労働衛生
臨床心理士による専門的ケアの定着化を図るとともに、
階層を考慮したメンタルヘルス研修を継続実施する。
臨床心理士によるカウンセリングを各場で開始するとと
もに、
メンタルヘルス研修を幹部職・一般職の700名強
を対象に実施した。
イエローカード、容器イエローカードの新規作成・改訂・
携行の徹底を継続実施する。移動タンクの法的対応検
査および自主点検を継続実施し、安全確保を徹底する。
イエローカードの改訂1件実施。携行徹底のため、当社
と輸送会社で運転手に対してチェックを実施した。移
動タンクの法的対応検査および自主点検を継続実施し、
安全確保を徹底した。
輸送時の緊急訓練、
緊急出動訓練を継続して実施する。
輸送会社と共同して、輸送時の緊急訓練と緊急出動訓
練を実施した。
品質保証
・変更管理のガイドラインを作成し、カネカグループ全
体への展開・定着を図る。
・トレンド管理、変更管理を軸として現場指導・支援を
強化する。
各工場における変更管理 の 運用実績を踏まえ、そ の
エッセンスをまとめ変更管理ガイドラインとして制定・
公 開し、カネカグル ープ全 体 へ 展 開を 図る体 制を 整
えた。
化学物質管理
・REACHの予備登録について、的確に対応する。
・国内外の化学物質管理(化審法、GHSなど)の動向
調査を行い、的確に対応する。
REACH予備登録を完了し、登録に向けた物質情報収集
等準備を開始し、また改正労働安全衛生法への法対応
を完了し、化審法、化管法の改正についての情報を社内
で共有化した。
製品安全
医療機器・機能性食品等ライフサイエンスに関わる製品・
技術について製品安全審査機能を一層強化する。
ライフサイエンス関連製品を中心に製品安全審査、事前
審査を実施した。製品安全管理規程を改訂した。
海外グループ会社でのレスポンシブル・ケア活動を
記載し、グローバルなグループのRCレポートを発行
する。このレポートには「人権尊重の取り組み」
「人材
の育成・活用と働きやすい職場環境」についても記載
し、6月末に発行し、当社のホームページに掲載する。
海外グループ会社でのレスポンシブル・ケア活動を記
載し、グローバル企業のRCレポートに近づけた。この
レポートには「人権尊重の取り組み」
「人材の育成・活
用と働きやすい職場環境 」についても記載し、6月末
に発行し、当社のホームページに掲載した。
当社全工場でサイトレポートを発行する。
当社全工場でサイトレポートを発行し、当社ホームペー
ジに掲載した。
監査・査察は継続実施する(カネカ4工場、国内グルー
プ会社15社(17工場)、海外グループ会社8社)。
総合査察をカネカ4工場、国内グループ会社15社(17
工場)、海外グループ会社8社を対象に実施した。さらに
医薬品分野の製造部署について、社外から専門家を招
聘して、品質に重点を置いた特定査察を実施した。
地球温暖化防止
保安防災
労
働
安
全
衛
生
物流安全
・
化
学
品
製
品
安
全
︵
品
質
保
証
︶
社会との
コミュニケーション
経営層による監査
15
基
本
方
針
と
マ
ネ
ジ
メ
ン
ト
シ
ス
テ
ム
評価:◎目標を大きく超えた ○目標を達成、ほぼ達成 △目標に及ばず ×目標にはるかに及ばず
評価
2009年度
目標
長期目標
掲載
ページ
2008年度排出量を維持する。
VOC排出量2010年度は48%削減し2,829トンにす
る(最終年度目標)。
19
ゼロエミッション(最終埋立処分率0.5%未満)を継続
維持する。
2010年度末に4工場とも最終埋立処分率を0.2%以
下にする。
「廃棄物情報管理システム」を活用し、法令順守を継続する。
「現地調査」「格付評価」によるリスク低減活動を継続して
行う。電子マニフェストの他事業所への導入を図る。
「廃棄物情報管理システム」のグループ会社への導入、
「電
子マニフェスト導入による法令順守」、
および「現地調査」、
「格付評価」によるリスク低減活動を継続して行う。
24
エネルギー原単位指数を前年度比1%以上低減する。
エネルギー原単位指数を年平均1%以上低減する。
物流起因のエネルギー原単位指数の年平均1%の低減に向け、 物流起因のエネルギー原単位指数の年平均1%の低減に向け、
効率的な取り組みを関連部署と連携して検討・推進する。
効率的な取り組みを関連部署と連携して検討・推進する。
爆発・火災および自然災害対策を進め、プロセス事故・
災害の減少につなげるとともに、事故発生時の対応力
の向上を図る。
リスクアセスメントの結果を活かし、地域との共生を視
野に入れた総合防災訓練を全工場で計画・実施する。
安全査察・フォロー査察を通じた関係会社の内部監査
状況の継続的確認と、関係会社環境安全部署長会議・
製造リーダー会議の定着を図る。
関係会社・協力会社の安全活動の強化を継続実施する。
重大な危険源に対するリスクアセスメントの徹底と安
全対策を計画的に実行する。
OSHMSを活用し、労働安全衛生の継続的改善を図る。
メンタルヘルス対策の積極的な推進と新型インフルエ
ンザへの対応を強化する。
心の健康度および作業環境を継続的に向上させる。
イエローカード、容器イエローカードの新規作成・改訂
と携行の徹底を継続実施する。移動タンクの法的対応
検査および自主点検を継続実施し、
安全確保を徹底する。
イエローカード、容器イエローカードの新規作成・改訂と
携行の徹底を継続実施する。移動タンクの法的対応検
査および自主点検を継続実施し、安全確保を徹底する。
輸送時の緊急訓練、緊急出動訓練を継続して実施する。
輸送時の緊急訓練、緊急出動訓練を継続して実施する。
変更 管理ガイドライン説明会を個別グループ会社単位
で開催するなどして浸透を図り、変更管理の強化を図る。
カネカグループの末端までリスクマネジメントを定着
させ、品質リスクの低減を図る。
・REACH登録業務を推進する。
・国内外の法改正情報収集と共有化により適切な対応を
行う。
化学物質管理の充実(新規規制に対応)を図る。
新製品、および既存製品の大幅な製法・用途変更につい
て製品安全審査をさらに強化する。
アドバイザリーボードの充実や、多面的審査の実施に
より製品安全審査会の機能の強化を図る。
社会的取り組みについての記載内容を充実・強化した
CSRレポートを発行し、当社ホームページに掲載する。
社会的取り組みについての公開度を上げ、企業の社会的
責任について説明責任を果たせる報告書を継続して発
行する。この報告書の当社のホームページへの掲載を
継続実施する。
21
22
環
境
へ
の
取
り
組
み
37
39
38
社
会
的
取
り
組
み
27
当社全工場でサイトレポートを発行し、当社ホームペー
ジに掲載する。
当社全工場でのサイトレポートの発行を継続実施する。
監査・査察は継続実施する(カネカ4工場、国内グループ
会社13社(15工場)、海外グループ会社2社)。
監査・査察を継続実施する。
グ
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会
社
の
取
り
組
み
−
10, 28
注:RCはレスポンシブル・ケアの略です。
16
環境 へ の 取り組み
生 産 活 動 の マテリアル バランス
エネルギ ー・資源の投入
主原材料 ※
水
エネルギ ー(原油換算)
1,160千トン/年
44.1万
/年
22.90百万m3/年
国内グループ会社
310千トン/年
6.7万
/年
3.97百万m3/年
海外グループ会社
234千トン/年
10.8万
/年
5.08百万m3/年
(株)カネカ
※ 主原材料:トン数で表わせる主原材料の量
国内グループ会社
高砂工業所
大阪工場
滋賀工場
海外グループ会社
25社
鹿島工場
9社
各種物質の排出・リサイクル・製品化
製品※
(株)カネカ
製品
1,493千トン/年
国内グループ会社
245千トン/年
海外グループ会社
204千トン/年
大気へ
(株)カネカ
CO 2
SO x
NO x
105.4万トン-CO2/年
64.3トン/年
国内グループ会社
12.9万トン-CO2/年
86.7トン/年
65.7トン/年
海外グループ会社
19.5万トン-CO2/年
2.3トン/年
157.5トン/年
ばいじん
(株)カネカ
69.0トン/年
国内グループ会社
2.9トン/年
110.8トン/年
海外グループ会社
53.5トン/年
(株)カネカ
COD
699.3トン/年
PRTR法対象物質
29.5トン/年
水域へ
SS
PRTR法対象物質
240.1トン/年
128.8トン/年
7.6トン/年
国内グループ会社
4.0トン/年
4.5トン/年
0.0トン/年
海外グループ会社
18.7トン/年
5.3トン/年
窒素
(株)カネカ
リン
135.7トン/年
3.2トン/年
国内グループ会社
0.8トン/年
0.1トン/年
海外グループ会社
0.1トン/年
0.0トン/年
廃棄物
(株)カネカ
17
※ 製品:
トン数で表わせる製品の量
最 終 埋 立 処 分量
外部再資源化量
外部減量化量
70トン/年
40,753トン/年
6,659トン/年
国内グループ会社
517トン/年
4,863トン/年
4,642トン/年
海外グループ会社
5,569トン/年
1,575トン/年
6,189トン/年
環境マネジメントシステム
環境に関する法令の順守状況
私たちの生活は自然環境に多大な負荷をかけ、
このまま
当社グループは環境に関わる法令や自治体などとの協定
では人類の生存そのものが脅かされる恐れがあります。経
について、その順守状況をISO14001内部監査、
レスポン
済活動の主要な部分を占める事業者は、規模や業種を問わ
シブル・ケア内部監査や総合査察等で定期的・継続的にチェ
ず、環境問題への積極的な取り組みが期待されています。
ックしています。2008年度に大気、排水、臭気、騒音などで
当社グループでは、すべての国内製造会社で環境マネジ
罰則や国・県・市町村からの注意や指導を受けたことはあり
メントシステムを構築し、環境問題の発生を予防し、万一、
ません。
発生したときは迅速に対処できるようにしています。規模
環境苦情は、樹脂粉末の飛散についての苦情が1件あり
の大きいグループ会社では「ISO14001」を、中小規模の
ました。乾燥ラインに樹脂が詰まる不具合により樹脂粉末
グループ会社では、環境省が推奨している「エコアクション
が飛散し、隣の工場のドラム缶にうっすらと付着しました。
21」の認証を取得してシステムを構築します。
「エコアク
連絡を受け、ただちに処置をし、樹脂の飛散を止めました。
ション21」認証取得活動は1996年度からはじめており、
再発防止策として、定時に樹脂詰まりの有無を確認するこ
2009年4月までに16社17工場で認証取得しました。
とにし、
さらに樹脂詰まり検出装置の強化を計画しています。
基
本
方
針
と
マ
ネ
ジ
メ
ン
ト
シ
ス
テ
ム
環
境
へ
の
取
り
組
み
当社およびグループ会社のISO14001認証取得状況
規格番号
登録年月
登録証番号
滋賀工場
事業所・グループ会社
JIS Q14001('04)
1998年 3月
JCQA-E-0015
大阪工場
JIS Q14001('04)
1999年 4月
JCQA-E-0053
鹿島工場
JIS Q14001('04)
1999年 4月
JCQA-E-0054
高砂工業所
JIS Q14001('04)
2000年 1月
JCQA-E-0105
栃木カネカ(株)
JIS Q14001('04)
2001年 4月
JCQA-E-0256
JIS Q14001('04)
2002年 1月
JCQA-E-0343
龍田化学(株)
JIS Q14001('04)
2004年 4月
JCQA-E-0553
昭和化成工業(株)
JIS Q14001('04)
2008年 1月
E0062
カネカベルギー(株)
ISO 14001('04)
1997年10月
97EMS002b
カネカマレーシア(株)
ISO 14001('04)
2007年 1月
K021300001
(株)大阪合成有機化学研究所
カネカペーストポリマー(株) ISO 14001('04)
2008年 2月 ER0570
ISO 14001('04)
2008年 2月 ER0571
カネカエペラン(株)
社
会
的
取
り
組
み
エコアクション21 認証取得状況
認証・登録日
認証・登録番号
九州カネライト(株)
グループ会社
2007年 6月15日
0001637
北海道カネパール(株)
2007年 9月 3日
0001805
(株)カネカメディックス
2007年 9月28日
0001893
北海道カネカ(株)
2007年10月 2日
0001905
宮城樹脂(株)
2008年 5月14日
0002472
コートー(株)
2008年 5月26日
0002501
紋別化成(株)
2008年 9月 8日
0002897
標津化成(株)
2008年11月11日
0003066
長島食品(株)
2008年11月18日
0003093
三和化成工業(株)
2009年 1月16日
0003247
ツカサ(株)
2009年 2月 2日
0003274
コスモ化成(株)
2009年 2月23日
0003340
2009年 3月31日
0003473
2009年 3月31日
0003575
(株)カネカフード
2009年 4月 2日
0003491
(株)カネカサンスパイス
滋賀工場
2009年 4月22日
0003556
(株)カネカサンスパイス
茨城工場
2009年 4月22日
0003566
(株)東京カネカフード
太陽油脂(株)
グ
ル
ー
プ
会
社
の
取
り
組
み
18
環境 へ の 取り組み
化学物質排出量 の 削減
VOC排出削減自主計画
2008年度は2000年度比で63%削減しました
揮発性有機化合物(VOC)※は光化学スモッグの原因と
VOC排出削減自主計画
なる浮遊粒子状物質や光化学オキシダントを生成すること
(t)
が知られており、快適な暮らしを確保するためにも工場な
6,000
どから排出されるVOCをできるだけ削減する必要がありま
5,000
す。当社は、所属している(社)日本化学工業協会と連携して、
5,436
4,496
3,690
4,000
3,312
2,912
3,000
2010年度を最終年度とするVOC排出量の自主的削減計
2,000
画を策定し、2006年度から取り組みを開始しました。
1,000
2,829
1,994
0
2 0 0 8 年 度は、基 準 年 度に対して 6 3 % 削 減( 排 出 量
2000 2004
基準年度
1,994トン)となり、48%削減する最終年度目標(2010
2005
2006
2007
2008
2010 (年度)
最終年度
目標
年度、排出量2,829トン)を大幅に上まわる削減ができまし
※揮発性有機化合物(VOC):大気中に排出され、
または飛散したときに気体である
た。計画達成の主な要因は、生産量の低下のほかに、高砂工
物質で、浮遊粒子状物質の生成や光化学オキシダントの原因になるとされている有
機化合物をVOCという。
業所における回収設備の強化や大阪工場における燃焼設備
の改善によるものです。2009年度は2008年度の排出量
のレベルを維持できるように努力をしていきます。
PRTR法対象物質
総排出量を2003年度比で93%削減しました
当社は化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)の対象
いては、1,589トンとなり、前年度より76トン増加しました。
物質について排出量の削減に取り組んでいます。2008年
国内グループ会社については、2008年度のPRTR法対象
度の総排出量は、前年度より59トン減少し77トンでした。
物質の総排出量は111トンで、前年度比18%削減できま
2003年度比では93%削減を達成しました。移動量につ
した。2009年度も継続して排出量の抑制に取り組みます。
当社のPRTR法対象化学物質の排出・移動量(2008年度)
政令
指定番号
排
出
量
の
多
い
10
物
質
(単位:kg)
排出量
化学物質の名称
大気への
排出
公共用水域
への排出
移動量
当該事業所における 当該事業所における
土壌への排出
埋立処分
合計
〈2007年度〉
合計
77
クロロエチレン
13,250
520
0
0
13,770
〈32,570〉
400
145
ジクロロメタン
12,410
0
0
0
12,410
〈23,461〉
805,590
177
スチレン
7,402
40
0
0
7,442
〈9,854〉
2,721
102
酢酸ビニル
7,300
0
0
0
7,300
〈7,900〉
50
116
1,
2-ジクロロエタン
5,000
0
0
0
5,000
〈7,100〉
0
320
メタクリル酸メチル
4,169
2
0
0
4,171
〈11,731〉
141
0
74
クロロエタン
4,100
0
0
0
4,100
〈9,100〉
268
1,
3-ブタジエン
3,900
2
0
0
3,902
〈7,002〉
0
172
N,N-ジメチルホルムアミド
3,200
550
0
0
3,750
〈10,450〉
370,000
254
ヒドロキノン
0
2,500
0
0
2,500
〈2,700〉
0
残り35物質の小計
8,222
4,003
0
0
12,225
〈14,013〉
409,865
全45物質※の合計
68,953
7,617
0
0
76,570
〈135,881〉 1,588,767
※PRTR法届出対象の354物質のうち、当社の届出対象物質数は45物質。
19
国内グループ会社のPRTR法対象化学物質の排出・移動量(2008年度)
排
出
量
の
多
い
10
物
質
(単位:kg)
排出量
政令
指定番号
化学物質の名称
大気への
排出
公共用水域
への排出
移動量
当該事業所における 当該事業所における
土壌への排出
埋立処分
合計
〈2007年度〉
合計
172
N,N-ジメチルホルムアミド
44,300
0
0
0
44,300
〈51,570〉
15,100
227
トルエン
39,207
0
0
0
39,207
〈51,020〉
230,000
63
キシレン
15,400
0
0
0
15,400
〈19,000〉
0
40
エチルベンゼン
3,900
0
0
0
3,900
〈6,000〉
0
145
ジクロロメタン
3,300
0
0
0
3,300
〈3,130〉
70,500
266
フェノール
2,600
0
0
0
2,600
〈1,150〉
2,500
242
ノニルフェノール
1,800
0
0
0
1,800
〈0〉
0
272
フタル酸ビス(2-エチルヘキシル)
266
0
0
0
266
〈352〉
783
クロロホルム
30
0
0
0
30
〈2,160〉
870
アジピン酸ビス(2-エチルヘキシル)
10
0
0
0
10
〈14〉
2
残り14物質の小計
1
0
0
0
1
〈976〉
16,184
全24物質※の合計
110,814
0
0
0
110,814
〈135,372〉
335,939
95
9
基
本
方
針
と
マ
ネ
ジ
メ
ン
ト
シ
ス
テ
ム
環
境
へ
の
取
り
組
み
※PRTR法届出対象の354物質のうち、国内グループ会社の届出対象物質数は24物質。
有害大気汚染物質
当社関連6物質を1999年度比で96%削減しました
当社では、1996年の大気汚染防止法(大防法)改正を
2008年度の6物質の排出量合計は1999年度比で96
受けて、1997年から当社に関係する6つの有害大気汚染
%削減、前年度比で51%の大幅削減となりました。削減の
物質(クロロエチレン、1,2−ジクロロエタン、
ジクロロメタ
主な要因は2008年度にクロロエチレンの削減に向けて高
ン、アクリロニトリル、1,3−ブタジエン、
クロロホルム)につ
砂工業所と鹿島工場に導入した排ガス燃焼設備の稼働によ
いて自主的に排出量削減計画を策定し、その達成に向けて
るものです。今後も継続して排出量の削減に取り組んでい
取り組んできました。
きます。
有害大気汚染6物質の排出量の推移
クロロエチレン排出量
高砂工業所
1,2-ジクロロエタン排出量
(t)
100
滋賀工場
社
会
的
取
り
組
み
鹿島工場
ジクロロメタン排出量
(t)
75
大阪工場
(t)
50
50
40
40
30
30
59.1
50
19.0
39.2
0.1
25
15.0
0.2
40.0
24.0
0
2004
2005
22.4
36.2
32.2
20
13.25
14.0
0.2
22.0
2006
13.0
0.2
19.0
2007
6.4
0.15
20
12.0
11.0
6.7
10
7.1
5.0
10
17.5
17.9
18.5
17.0
17.0
18.0
2008(年度)
アクリロニトリル排出量
0
2004
2005
2006
2007
2008(年度)
1,3-ブタジエン排出量
0
2005
2006
2007
2008(年度)
クロロホルム排出量
(t)
(t)
(t)
20
20
20
15
15
15
2004
11.3
0.4 11.0 0.3
0.5
0.9
0.5
6.7
22.0
グ
ル
ー
プ
会
社
の
取
り
組
み
11.0
10
10
5
2.6
2.9
5
2.9
7.5
3.9
10
7.0
5.0
3.9
5
2.9
0.83
0
2004
2005
2006
2007
2008(年度)
0
2004
2005
2006
2007
2008(年度)
0
2004
1.7
1.2
1.1
2005
2006
2007
1.3
2008(年度)
20
環境 へ の 取り組み
地球温暖化防止と省エネル ギ ー 対策
省エネルギーを中心とする地球温暖化防止対策
2008年度に入り、京都議定書で定められた第一約束期
間が始まりました。政府はこれまでの工場ごとではなく、オ
フィスなども含めた企業全体としての報告を求めるようエ
ネルギーの使用の合理化に関する法律(省エネ法)と、地球
温暖化対策の推進に関する法律(温対法)を2008年に改
正しました。
化学産業分野では、当社が所属する(社)日本化学工業協
会がエネルギー原単位※1を指標とし、自主行動計画を定め
ています。当社ではエネルギー原単位指数※2を年平均1%
省エネ活動キックオフ(大阪工場)
以上低減することを目標に定め、継続した取り組みを行っ
てきました。2008年度は、
これまでの努力を一層強化す
るため、体制を整え活発な議論を行いました。その中で、当
社のなかではエネルギー消費の大きい高砂工業所を対象に、
コンサルタントを起用して課題の発掘を行っています。
2008年度の当社のエネルギーの消費量は昨年に比べ
4.6万キロリットル(原油換算量)低下しました。一方、エネ
ルギー原単位指数は87.4となり、前年度に比べ3.9%の増
加、
5年度間平均でも改善がみられない結果となりました※3。
これは、2008年度の世界的な経済不況の波を受けて、生
産量の低下にともない効率が悪化したことが主な要因です。
省エネ活動(鹿島工場)
2009年度はエネルギー消費削減課題の発掘努力を全社
で強化するとともに、発掘した課題についての具体的な対
策を実行に移すことにより、エネルギーの効率的な使用を
二酸化炭素排出抑制
実現していきます。
当社の生産活動に伴うエネルギー使用により2008年度
※1:エネルギー原単位は、製造に用いたエネルギー(原油換算
)÷生産量(t)で計
算した値です。
※2:エネルギー原単位指数は、1990年度のエネルギー原単位を100として計算
した値です。
※3:今回計算に用いる係数の変更に伴い、エネルギーや二酸化炭素についての数
値を遡って見直しています。
国内グループ会社
海外グループ会社
当社4工場エネルギー原単位指数(右目盛)
(万 )
60
数※4は82.4で前年度に比べ10.0%増加し、エネルギー原
率向上対策を中心に、ボイラーの運転の改善などにより原
単位の削減に努めます。
また当社は、2008年10∼12月に行われた政府主導の
「排出量取引の国内統合市場の試行的実施」※5への一次募
100
100
49.0
50
年度比4.4%の減少となりました。一方CO 2排出原単位指
単位と同様悪化しました。2009年度はエネルギー消費効
エネルギー使用量(原油換算)
・エネルギー原単位指数
当社4工場
に排出した二酸化炭素(CO 2 )の量は105.4万トンで、前
48.6
48.7
48.4
95
44.1
40
集に参加を申請しました。地球温暖化問題が人類の大きな
90
関心事になるなかで、当社は温暖化ガス排出の低減に向け
85
た自主的な努力を続け、企業市民としての責任を果たして
80
いきます。
33.5
30
87.4
85.4
86.3
84.1
20
10
0
1990
(基準年度)
7.4 8.9
2004
7.6
9.7
2005
87.4
7.3
9.5
2006
12.7
7.6
2007
10.8
6.7
75
70
2008(年度)
※4:CO2排出原単位(CO2排出量(t)÷生産量(t))について基準年である1990
年度を100として計算した値です。
※5:京都議定書の第一約束期間を対象に、参加企業が自主的な目標を定め、排出量
の取引を含めてその達成に努力をする制度で、2008年6月の福田ビジョンの表明
以来政府が試行として実施することを検討してきました。
21
物流部門の省エネルギ ーの取り組み
エネルギー使用に伴うCO2排出量・CO2排出原単位指数
当社4工場
国内グループ会社
海外グループ会社
当社は従来からモーダルシフト、積載率の向上、車輌の大
当社4工場CO2排出(生産量)原単位指数(右目盛)
(万t-CO2)
140
100
120
100
型化など、物流面での効率化・環境負荷低減に取り組んで
100
110.1
110.0
114.8
110.2
105.4
86.5
80
82.4
80.4
60
77.0
74.9
75.4
40
14.4 14.1
20
0
1990
(基準年度)
2004
15.7 17.4
2005
14.9 16.7
2006
14.9
22.9
2007
12.9
19.5
基
本
方
針
と
マ
ネ
ジ
メ
ン
ト
シ
ス
テ
ム
95
きました。2007年度からは「改正省エネルギー法」が施
90
行され、
同法で定められた「エネルギー原単位年間1%低減」
85
80
を達成するために、さらに物流の効率化を関連部署と連携
75
して検討・推進しています。その結果、エネルギー原単位は
70
2007年度に対して5.5%低減しました。CO 2排出量は物
65
2008(年度)
流の効率化に加えて生産量の低減もあり、2007年度に対
して13.5%(4.8千トン)減り30.8千トンでした。
環
境
へ
の
取
り
組
み
物流によるCO2排出量・エネルギー原単位指数
カーボンフットプリント
CO2排出量
エネルギー原単位指数(右目盛)
経済産業省は、温暖化防止のための事業者、消費者が一
(千t)
体となった取り組みとして、カーボンフットプリント制度※の
105.0
50.0
市場導入試行事業を2009年度より実施する準備を進め
40.0
ています。地球全体の問題である温暖化に対処するために
30.0
は、購入する商品のCO 2 の排出量を、それを製造するとき
20.0
だけでなく、運送、使用、廃棄などを含めたライフサイクル
10.0
全体で、消費者自身が知ることが重要になってきました。こ
0.0
100.0
100.0
95.0
91.3
90.0
39.2
35.6
86.3
85.0
30.8
80.0
2006
2007
2008
(年度)
75.0
うした動きに対して、当社は低炭素社会の実現に向けた責
任ある活動をするために、業界団体と歩調を合わせ取り組
んでいます。
社
会
的
取
り
組
み
※カーボンフットプリント制度:商品・サービスの
ライフサイクル全体(原材料の調達から使用・廃棄・
リサイクルまで)で排出される温室効果ガスを
CO2量に換算して、商品およびサービスに表示す
る仕組み。
カーボンフットプリント統一マーク
大阪⇒東京間のモーダルシフトの例
〈モーダルシフト導入前〉
563km
大阪府摂津市
(カネカ大阪工場)
関東方面
ユーザー
グ
ル
ー
プ
会
社
の
取
り
組
み
〈モーダルシフト導入後〉
大阪府摂津市
(カネカ大阪工場)
10km
大阪貨物
(ターミナル)
600km
東京
(ターミナル)
30km
関東方面
ユーザー
モーダルシフトとは幹線貨物輸送をトラックから大量輸送機関である鉄道または海運へ転換し、
トラックとの複合一貫輸送を推
進し、輸送に使うエネルギーを節約すること。
22
環境 へ の 取り組み
大気汚染防止と水質汚濁防止
大気汚染防止と水質汚濁防止
当社4工場の2008年度の大気、水域への環境負荷は前
年度に比べて軽減しました。今後も環境負荷を増大させな
いように努め、
法規制値や、
自治体等との協定値を順守します。
一方、国内のグループ会社では、大気、水質ともに改善さ
れつつあります。環境マネジメントシステムの運用のなかで、
継続して環境負荷低減の取り組みを強化していきます。
当社4工場
SOx排出量
NOx排出量
(t)
(t)
1,200
125.7
120
114.7
117.7
108.6
80
903.8
783.1
2004
80
0.2
2005
3.4
0.2
2006
2.3
2008(年度)
2007
211.5
72.0
0
2004
151.0
79.0
2005
70.8 93.0
2006
77.1
65.7
2007
2008(年度)
24.51
22.94
20
20
15
10
10
5.4
5.0
4.0
2004
2005
2006
2007
2.9
2008(年度)
(t)
19.24
18.84
18.95
322.8
318.2
320.4
18.81
16.00
15
27.5 23.2
2.2
53.5
33.9
400
25
22.90
0
53.9
排水のCOD(化学的酸素要求量)
(百万m )
23.41
53.8
38.7
157.5
154.4
3
(百万m )
44.1
40
排水量
3
23.71
59.2
43.4
水使用量
25
699.3
600
64.3
300
0
120
725.0
52.3
40
0.3
813.6
86.7
65.5
59.1
160
900
96.5
海外グループ会社
ばいじん排出量
(t)
160
国内グループ会社
322.3
300
240.1
211.5
200
5
0
4.77 5.15
2004
5.34 5.15
2005
5.31 5.41
2006
5.46 5.92
2007
3.97
5.08
2008(年度)
5
0
120.9
4.74 4.27
4.29
1.76
2004
2005
4.82 4.19
2006
5.11 4.81
2007
3.97 4.16
2008(年度)
100
0
38.3
46.1
2004
2005
38.7
11.5
30.6
13.5
2007
2006
18.7
4.0
2008(年度)
注:CODを測定していない一部の国内グループ会社では、
BOD値をCOD値と見なしています。
排水中の窒素量
排水中のリン量
(t)
(t)
300
250
200
176.5
167.3
159.6
250
8
200
6
150
135.7
4
100
3.51
3.45
3.70
2.89
3.19
2
50
1.6 3.0
2004
23
(t)
10
3.5 0.0
2005
0.9 1.9
2006
1.0 0.2
2007
194.7
153.1
176.7
150
0
排水中のSS(浮遊物質)量
0.8 0.1
2008(年度)
0
2004
0.34 0.00
2005
0.31 0.00
2006
0.26 0.00
2007
0.14 0.00
2008(年度)
160.0
128.8
100
65.4
50
0.26 0.00
167.9
7.0
0
2004
32.3
13.1
2005
25.7
8.9
2006
9.0 14.4
2007
4.5 5.3
2008(年度)
廃棄物 の 減量とリサイクル の 推進
産廃の最終埋立処分量削減
廃棄物の適正処理
当社全工場で3年連続ゼロエミッションを達成しています
委託先を定期的に訪問し、確認しています
当社は、産業廃棄物の排出量の削減と、その再資源化を
当社は、委託した廃棄物が適正に処理されていることを
推進し、
最終埋立処分量を削減する取り組みを進めています。
確認するた めに、定期的に処理業者を訪問しています。
2008年度の廃棄物発生量は、前年度比11%を削減し、
2008年度は47社を訪問し、チェックリストに基づき調査
70千トンとなりました。また、最終埋立処分量は70トンに
を行いました。
「廃棄物情報管理システム」により廃棄物の
まで削減(1996年度比99.4%削減)でき、その結果3年
データ管理や収集運搬業者、処理業者のマニフェスト管理
連続でゼロエミッション(最終埋立処分量を廃棄物発生量の
を行い、法令を順守しています。また高砂工業所では、電子
0.5%未満にすること)を全工場で達成しました。引き続き
マニフェストシステムを導入し運用を始めました。
基
本
方
針
と
マ
ネ
ジ
メ
ン
ト
シ
ス
テ
ム
ゼロエミッションの維持に向けて取り組みます。また、研究
開発段階から廃棄物処理技術を検討する仕組みを「RD管
理規程」に具体的に盛り込み、新たに発生する廃棄物の削
減に注力していきます。
リサイクルの推進
環
境
へ
の
取
り
組
み
社内外で処理技術の研究開発に取り組んでいます
国内グループ会社の最終埋立処分量の合計は、前年度比
76%削減の517トンでした。今後も環境マネジメントシス
テムを活用するなかで最終埋立処分量の低減を推進して
いきます。
当社は、循環型社会構築に向け、全社一丸となった活動
を展開しています。廃棄物の削減について積極的に取り組
むと同時に、プラスチック廃棄物のリサイクルを推進するた
めに、RC技術グループを設置しています。当グループでは、
研究開発段階から廃棄物の処理技術の検討を行い、お客様
最終埋立処分量
や当社の生産工程で発生するプラスチック廃棄物のリサイ
当社4工場
国内グループ会社
海外グループ会社
クルについて、処理技術の開発やその処理に適した設備の
(千t)
12
11.5
紹介を行っています。
10.9
10
9.1
8
4
2.2
2.0
1.1
1996
0.4
2004
0.3
2005
0.7
0.1 0.5
0.1
2007
2006
2008 (年度)
当社4工場の廃棄物とその処分方法の内訳(2008年度実績)
事業所内
廃棄物発生量・再資源化量
当社4工場の廃棄物発生量
当社4工場の再資源化量
国内グループ会社の再資源化量
(千t)
114
120
105
100
61
53
70
47
41
35
20
0
78
71
71
60
40
事業所外
減量化量
( 焼却 )
再資源化量
減量化量
22,081t
(31.7%)
40,753t
(58.6%)
6,659t
(9.6%)
135
140
80
社
会
的
取
り
組
み
5.6
3.3
2
0
6.2
5.7
6
4
1996
2004
5
2005
5
2006
5
2007
5
廃棄物
発生量
外部
委託量
69,562t
(100%)
47,482t
(68.3%)
内部
埋立量
最終埋立
処分量
0t
(0%)
70t
(0.1%)
グ
ル
ー
プ
会
社
の
取
り
組
み
2008(年度)
24
環境 へ の 取り組み
環境会計
当社は、環境保全コスト(投資額、費用額)および環境保全効果(物量単位)と環境保全対策に伴う経済効果(貨
幣単位)について、当社と国内グループ会社を合わせた連結ベースで集計しています。
2008年度の集計結果は以下に示す通りです。
2008年度 環境会計集計結果
集計方法 : 環境省「環境会計ガイドライン2005年版」他に基づき、一部当社独自の考え方を加えて集計
●環境保全コスト・・・・・・・・・・・・・・・・投資額と費用額について集計
●環境保全対策に伴う経済効果・・・
「みなし効果」や「偶発的効果」などは算定していません
環境保全コスト(貨幣単位)
単位:百万円
2007年度
分類
カネカ単独
主な取り組み内容
投資額
事業エリア内コスト
2008年度
カネカ単独
連結
費用額
投資額
投資額
費用額
1,395 4,957 1,498 5,470
① 公害防止コスト
大気、水質の公害防止対策
② 地球環境保全コスト
温暖化防止(省エネ)対策等
③ 資源循環コスト
廃棄物の処理、
リサイクル、減量化
連結
費用額
投資額
費用額
656 5,143
792 5,627
3,322
3,036
3,271
3,143
−
−
−
−
1,921
2,199
2,000
2,303
上・下流コスト
製品等のリサイクル・回収・処理
0
193
0
257
0
200
0
258
管理活動コスト
社員への環境教育、環境負荷の監視・測定等
0
399
0
418
0
363
0
398
研究開発コスト
環境保全に資する製品の研究・開発等
− 2,110
− 2,110
− 2,236
− 2,236
社会活動コスト
緑化、景観保護活動、環境情報公開等
0
59
0
68
0
58
0
66
環境損傷コスト
環境保全の賦課金(SOx賦課金)
0
9
0
39
0
8
0
37
合計
1,395 7,727 1,498 8,362
656 8,008
792 8,622
(注)集計範囲は、2007年度がカネカおよび国内グループ会社(26社)、2008年度はカネカおよび国内グループ会社(25社)を集計。
研究開発コスト投資額、地球環境保全コスト費用額は、集計対象に含めていません。
環境保全効果(物量単位)
分類
公害防止
地球環境
資源循環
内容
項目
単位
SOx
トン
65.5
64.3
△1
P.23
NOx
トン
725.0
699.3
△ 26
P.23
COD
トン
322.3
240.1
△ 82
P.23
PRTR排出量
トン
135.9
76.6
△ 59
P.19
CO2
万トン
110.2
105.4
△5
P.22
原油換算
万k
l
48.6
44.1
△5
P.21
最終埋立処分量削減
埋立量
トン
83
70
△ 13
P.24
外部リサイクル推進
再資源化量
トン
47,477
40,753
△ 6,724
P.24
大気・水質汚染物質の
排出量削減
温室効果ガス排出量削減
エネルギー使用量削減
2007年度
2008年度
差異
関連情報
(注)集計範囲は、
カネカのみ
●2008年度結果に対するコメント
●環境投資額の実績・推移
環境保全コスト(カネカ単独、費用額)は、前年度に比べ
2008年度の環境関連投資は、大気汚染防止設備の増
研究開発コストが約1.3億円の増加、有害物質の大気汚染
強などの大気関連が69%、次いで作業環境関連および水
防止の強化などにより、公害防止コストが約1.1億円増加
質関連の投資が各11%を占めました。
しました。環境保全コスト全体では、対前年比2.8億円の増
環境関連投資の2000年度以降の9年間の累積額は、約
加となりました。
81億円となりました。その内訳は大気関係(52%)が最も多
環境保全効果(物量単位)では、
PRTR排出量が対前年
く、次いで水質(21%)、廃棄物(10%)の順となっています。
度比で59トン減、最終埋立処分量もゼロエミッションの取
り組みにより、さらに減少しました。
環境保全対策に伴う経済効果(貨幣単位)
内容
カネカ単独
連結
2008年度
カネカ単独
連結
リサイクル等により得られた収入額
115
202
56
162
省資源・原単位向上による費用削減
553
722
515
709
12
67
29
53
347
427
60
156
リサイクル等に伴う廃棄物処理費用の削減
省エネルギー等による費用削減
合計
25
2007年度
単位:百万円
1,027 1,419
660 1,080
(注)集計範囲は、2007年度がカネカおよび国内グループ会社(26社)、
2008年度はカネカおよび国内グループ会社(25社)を集計。
2008年度 環境関連投資の内訳
産廃 1%
作業環境 11%
振動 0%
その他 2%
騒音 4%
水質 11%
粉じん 2%
臭気 0%
環境関連
投資
656
百万円
大気 69%
環境投資累計額
環境効率
(円/EIP)
(百万円)
8,145
8,000
6,094
50.7
50.2
52.0
2005
2006
2007
50
5,505
5,146
59.3
60
7,488
6,000
4,424
4,000
基
本
方
針
と
マ
ネ
ジ
メ
ン
ト
シ
ス
テ
ム
環 40
境
効
率 30
3,845
38.5
25.5
2,000
20
0
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008(年度)
10
0
2003
2004
2008 (年度)
※1 JEPIX(環境政策優先度指数日本版)
:日本の環境政策などが目標とする年間
排出量と実際の年間排出量との比率(目標までの距離)から、
環境負荷物質ごとに「エ
環境効率指標
環
境
へ
の
取
り
組
み
コファクター」という係数を算定し、エコファクターに種々の環境負荷を乗じて「環
境影響ポイント(EIP)」という単一指標に統合化する手法で、
「エコファクター」は
JEPIXプロジェクトが算出しています。(http://www.jepix.org/)
※2 環境効率:持続的成長を目指し、
「環境影響を最小化しつつ価値を最大化する」
カネカの環境効率
取り組みを測る物差しで、当社では 売上高(円)/環境負荷総量(EIP)で算出して
います。
当社は、生産活動に伴って発生する環境負荷をできるだ
け小さくする努力をし、その成果をJEPIX※1の手法で統合
した環境負荷総量(EIP:環境影響ポイント)で評価しています。
持続可能な社会の実現という観点からは、EIPを用いた環境
効率※2の評価も行っています。
2008年度は、有害大気汚染物質と海域への窒素の排出
量削減が寄与し、EIPを減少できました。世界的経済不況の
波を受けて売上高が減少したなかで、環境効率は改善でき
ました。
今後も、EIPへの影響が大きい環境負荷項目について重
点的に取り組み、環境効率を向上させていきます。
環境格付け
当社は2008年9月9日、日本政策投資銀行から環境に
配慮した企業に貸出金利を優遇する「環境格付け融資」を
受けました。この格付けで当社は「環境への配慮に関する
取り組みが特に先進的」という最高ランクでした。これに基
づき、25億円(期間は7年)の融資を受けました。
今回の格付けでは、
社
会
的
取
り
組
み
①VOC
(揮発性有機化合物)排出自主削減計画のもとで
化学物質排出量を大幅に削減し、全工場で2年連続廃
棄物ゼロエミッションを達成
②建築物の断熱材等に用いられる押出法ポリスチレンフ
カネカの環境影響ポイント(EIP)の内訳
温室効果ガス
NOx
海域等への窒素
オゾン層破壊物質
SPM10
海域等へのリン
有害大気汚染物質
河川へのBOD
埋立廃棄物
光化学オキシダント
海域等へのCOD
ォーム「カネライトフォーム」や塩ビ製「ケーブル防護管」
廃材のリサイクルに代表される使用済み製品の有効活
用への取り組み
③省エネ性向上や建築物の長寿命化に資する樹脂サッシ
(億EIP)
150
製品など環境配慮型製品を通じた民間部門のCO2削減
などが評価されました。
環
境 100
影
響
ポ
イ
ン
ト
50
100.87
当社はこの融資をアモル
73.36
57.97
59.04
グ
ル
ー
プ
会
社
の
取
り
組
み
ファスシリコンと薄膜結晶
60.35
45.87
シリコンを 積 層し、資 源 使
用量が少なく、太陽光エネ
ル ギ ー から電 気 へ の 変 換
0
2003
2004
2005
2006
2007
2008 (年度)
効 率 を 大 幅 に向 上 さ せ た
ハイブリッド型太陽電池の
研 究 開 発 費 用 等 に充 て て
います。
26
社会的取り組み
安全な製品および情報 の 提供
当社は、製品の安全性と品質を確保し、消費者・顧客の信頼と満足を獲得することを念頭において製品安全・
品質保証活動を推進しています。
製品安全活動
当社は開発から製造までの各段階で、製品やその原材料、
副生物、廃棄物に関わるリスクアセスメントを実施し、提供
する製品の安全性を確保しています。
2008年度は製品安全管理規程を改訂し、法令順守のさ
らなる徹底と製品安全に関わるスタッフ部門および製品安
全審査会の役割を明確にし、製品の安全性確保の徹底を図
りました。また、本規程の適用範囲をカネカグループ全体に
拡大して製品安全活動に取り組む体制を整えました。
やカネカベルギーが生産する製品に関して予備登録を完
了し、引き続き登録の準備を進めています。また、原料供
給メーカーが登録する物質に対しても登録に必要な情報
の交換を始めています。
国内では化審法、化管法の改正、アジアの国々でも化学物
質管理に関する法改正の動向が伝えられており、これらの情
報をカネカグループで共有化し、
適切な対応を行っていきます。
※1 GHS:化学品の分類および表示に関する世界調和システム(The Globally
Harmonized System of Classification Labelling of Chemicals)
2003年7月に出された国連勧告で、化学品の危険有害性を一定の基準に従って分
●製品安全審査会
類し、その結果を絵表示等を用いてラベルやMSDSに分かりやすく表示し、災害防
止および人の健康や環境の保護に役立てようとするもの。
当社は、
新製品や、
既存製品の用途変更などが生じた場合、
製品安全上、懸念すべき事項がないかいろいろな専門知識
を持つ社内メンバーにより多面的に審査を行います。そし
て、必要に応じて製品安全審査会を開催し、社外の専門家
※2 REACH規則:化学物質の登録・評価・認可・制限に関する規則(Registration,
Evaluation, Authorization and Restriction of Chemicals)
2007年6月1日施行の欧州の新たな化学物質規制制度で、既存・新規を問わず年
間1トン以上EU域内で製造、
またはEUに輸入される化学物質については登録が必
要となり、サプライチェーンを通じた安全性情報の共有化も求められる。
の見解を得るなど、高い視点で審査を行い安全性の確保を
図っています。人への健康被害につながる可能性がある医
品質保証活動と品質に関わるリスクマネジメント
療機器、機能性食品分野の新製品を中心に審査を行ってい
ますが、審査対象を当社が生産する全分野の製品にも拡大
しつつあります。また、審査での決定事項が確実に実施さ
れていることを定期的なヒアリングや査察などにより確認
●品質保証
当社は、顧客の品質要求に的確に応える製品を安定的に
供給するために、事業部門には、事業部門長を委員長とす
る「品質保証委員会」を、工場には、工場・事業場長を委員
しています。
長とする「品質管理委員会」を設置しています。
「品質保
証委員会」は事業部門全体の顧客満足度の向上など、品質
保証に関わる方針を決定し、
「品質管理委員会」は工場個
別の品質管理活動を組織的に進めるための審議を行い、
工場内への徹底を図っています。さらに全社品質保証担当
者会議を定期的に開催し、各事業部門、工場間の情報共有
化を図っています。
当社は、主な製品について、
製品安全審査会
品 質 マ ネジメントシステム の
●化学物質管理
国際規格であるISO9001や、
顧客に当社の製品を適切に取り扱っていただくため、
これに医療機器の追加要求事
MSDS(化学物質等安全データシート)や技術資料、カタ
項を加えたISO13485の認
ログなどによって製品の情報を提供しています。
証を取得しています。さらに、
カネカグループは、2006年12月1日に施行された改正
医 薬 品や 医 療 機 器 など、医 療
労働安全衛生法に基づき、扱う全製品についてラベルや
関 連 用 途 の 製 品につ い ては、
MSDSなどの対象物質拡大に関わる法的対応を完了しまし
各国の法規制や法改正に対し
※1
た。GHS
に適合する様式への切り替えも進めています。
欧州のREACH規則
27
※2
に対しては、欧州へ輸出する製品
て確実に対応できる体制を整
えています。
滋賀県食品自主衛生管理認証制度
(S-HACCP)認証書
当社およびグループ会社のISO9001認証取得状況
●監査・査察
食品関連製品については、食品衛生法をはじめとする関
連法令への適合に加え、ISO9001、AIBフードセーフティ
主な製品
登録機関・登録番号
高機能性樹脂事業部
事業部・グループ会社
モディファイヤー(カネエース)
アクリルフィルム(サンデュレン)
MSポリマー、サイリル
LRQA・927477
LRQA・4004220
LRQA・927505
電材事業部
アピカル、エルメック
LRQA・935762
発泡樹脂・製品事業部
エペラン、エペランPP
カネパール
JCQA・1292
JCQA・1407
カネライトスーパーE
JCQA・0673*
化成事業部
苛性ソーダ、塩酸、
次亜塩素酸ソーダ、塩素
塩化ビニルモノマー
塩化ビニル樹脂、耐熱塩化ビニル樹脂
JCQA・1263
食品事業部
(株)カネカフード
(株)東京カネカフード
長島食品(株)
マーガリン、
イースト
JQA・QMA10274
新規事業開発部
高耐熱・高耐光性透明樹脂
DNV・01635-2006AQ-KOB-RvA/JAB
ソーラーエネルギー事業部
カネカソーラーテック(株)
太陽電池
JQA・QMA13200
栃木カネカ(株)
マグネットローラー、
ビニルパイプ
LRQA・958035
昭和化成工業(株)
プラスチック・コンパウンド
ASR・Q0556
三和化成工業(株)
エペラン、エペランPP
JMA-QA・729
関東スチレン(株)
発泡スチレン製品
JACO・QC03J0233
北浦樹脂工業(株)
発泡スチレン製品
JACO・QC01J0021
龍田化学(株)
プラスチックフィルム、
プラスチックシート
BVQI・111289
北海道カネパール(株)
カネパール
LRQA・4002793
指導・監査システム ※3、HACCP ※4などの規格に基づいて
複数の外部機関による監査を定期的に受審しています。ま
た、製品事故発生防止の徹底を図るために、事業部による
内部監査や、中央安全会議議長を委員長とする総合査察を、
カネカグループ全体に対して実施しています。さらに、他
北海道カネカ(株)
九州カネライト(株)
社で新たな品質事故やコンプライアンス違反が発生した
場合には、カネカグループの実態を現場確認するなどして、
同種の事故や違反の未然防止を図っています。
総合査察
※3 AIBフードセーフティ指導・監査システム:AIB(American Institute of Baking:
(株)カネカサンスパイス
香辛料、加工食品
JQA・QMA11351
(株)大阪合成有機化学研究所
医薬品中間体、有機工業薬品
JCQA・0444
米国パン研究所)の「国際検査統合基準」に則った教育指導・監査システム。同基準
太陽油脂(株)
マーガリン、
ショートニング
JACO・QC08J0096
は、工場における食品安全衛生管理のために設定した基準で、敷地を含む工場すべ
カネカベルギー(株)
MBS、エペラン、
エペランPP、
MSポリマー
AIB VINCOTTE ・91
028c
カネカテキサス(株)
アピカル
MBS
ABS QE・ABS33959
BSI・FM72722
Control Point)。食品製造工程中の微生物学的、化学的、物理的な危害要因をあら
カネカマレーシア(株)
MBS
SIRIM QAS・AR2321
かじめ分析し、工程中の重要管理点に焦点を絞って必要な予防策を採用することで
カネカエペラン(株)
エペラン、エペランPP
SIRIM QAS・AR2598
カネカペーストポリマー(株)
塩ビペースト樹脂
SIRIM QAS・AR2609
蘇州愛培朗緩衝塑料有限公司
エペランPP
UL Inc.・A17676
KSSベトナム(株)
スパイス、ハーブ、乾燥野菜の加工
BSI・AR2609
ての作業環境、および原料受け入れから製品の出荷までのすべての工程に存在す
る危害要因を分析し徹底的に排除することを目的としている。
※4 HACCP:危害要因分析・重要管理点方式(Hazard
基
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Analysis
Critical
未然に食品危害を予防する技術的管理手法。
●変更管理
品質リスク低減の取り組みの1つとして、2007年度か
らバリデーション※5の考え方をベースとした変更管理 ※6 の
強化に着手し、一部の工場で仕組みの構築と運用を開始し
ましたが、2008年度は、運用実績を踏まえ、そのエッセン
スを変更管理ガイドラインとしてまとめあげ、カネカグルー
プ全体へ の展開を図る体制を整えることができました。
環
境
へ
の
取
り
組
み
社
会
的
取
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み
*北海道カネカ(株)、九州カネライト(株)は、登録番号「0673」の認証範囲に含ま
れます。
ISO13485認証取得事業部・グループ会社
事業部・グループ会社
医療器事業部
(株)カネカメディックス
(神奈川事業所)
主な製品
登録機関・登録番号
リクセル、
リポソーバー、
カテーテル
TÜV・Q1N 08 09
24736 014
シラスコン、EDコイル、
カテーテル
TÜV・Q1N 08 09
24736 014
グ
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社
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取
り
組
み
2009年度は、本ガイドラインの説明会を個別グループ会
社単位で開催するなどして浸透を図り、変更管理の強化に
つなげます。
※5 バリデーション:製造所の構造設備ならびに手順、工程その他の製造管理およ
び品質管理の方法が期待される結果を与えることを検証し、
これを文書化すること。
※6 変更管理:変更に伴うリスクをあらかじめ予測して対策を講じ、
リスクがトラブ
ルとして表出することを防止する活動。
28
社会的取り組み
環境・安全・健康に配慮した 製品・技術
当社は企業理念に「人・社会・環境との調和のもとに、優れた技術で暮らしに役立つ製品やサービスを提供し、
世界の人びとに貢献します。」と定めています。
ここでは当社が開発し、世界の人びとに提供している「環境・安全・健康に配慮した製品・技術」のなかの、
いくつかを紹介します。
カネビニール(塩ビ樹脂)
地球環境に優しいプラスチックです
塩ビ樹脂の原料の約60%は塩(しお)で、石油資源に依存
する比率がほかのプラスチックより低く、安定性・耐久性に優
れ、製品として使用する場合の寿命が長く、またリサイクル
も容易な樹脂です。右の写真はリサイクル塩ビ樹脂で作った
組立レンガです。このような特徴をもつ塩ビ樹脂は地球環
境に優しい樹脂と言えます。建材、
日用品などに広く利用され、
グリーン製品などで塩ビ製品を使用する動きも復活してい
ます。2006年に環境省が庁舎の窓を複層ガラスの塩ビ樹
脂サッシにしたのも塩ビ樹脂の特徴を理解しての結果でした。
ハイパークロル
水道水の安全・安心に貢献しています
ハイパークロルは殺菌を目的とし、水道水に添加される
薬品(次亜塩素酸ナトリウム)です。厚生労働省ではより安心・
安全な水道水を目指しており、WHO(世界保健機構)の飲
料水水質ガイドラインに基づき、同薬品中の臭素酸・塩素酸
をさらに低減させる規格改定が2008年に行われました。
当社では製造方法や保管方法を改良することで同物質の
大幅低減に成功し、新規格に対応したハイパークロルの販
売を開始しました。現在多くの水道局に採用していただき、
より安全・安心な水道水の供給に一役買っています。
カネカ・ラブレ(植物由来乳酸菌)
爽快な生活のための植物由来の乳酸菌です
カネカ・ラブレは昔から日本人に食されてきた京漬物の「す
ぐき漬」から分離された植物由来の乳酸菌です。健康を維
持するためには、
良い腸内環境を維持することが重要であり、
そのためには腸内の善玉菌を増やし、悪玉菌を減らすこと
が必要です。生きている乳酸菌を食することにより、腸内の
善玉菌を簡単に増やすことができ、悪玉菌の増殖も抑制す
ることが一般的に知られています。カネカ・ラブレは、過酷
な環境下でも生存できる特徴をもち、特に腸内での生存力
に優れた、生きているラブレ菌を純白の粉末に仕上げた乳
酸菌です。
29
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薄膜系太陽電池
温暖化防止に貢献しています
薄膜系で世界最高水準の変換効率を持つ当社ハイブリッド型太陽電池は、従
来のアモルファス太陽電池に、薄膜微結晶を積層したものです。アモルファス
太陽電池の特徴である高い省資源性を維持しつつ単位面積当たりの出力を
30%以上向上した、従来以上に地球温暖化防止に役立つ製品となっています。
さらに当社はすべての太陽電池モジュールにおいて、
ヨーロッパで施行されて
いる、RoHS(電気・電子機器に含まれる特定有害物質の使用制限指令)および
REACH(欧州化学品規制)等の厳しい環境基準への適合ならびに安全性に関
する国際基準のクリアを達成することで、人にも環境にも優しい製品の実現を
目指します。
バイオポリエステル系生分解性ポリマー「PHBH」
環
境
へ
の
取
り
組
み
再生可能資源を原料とする生分解性ポリマーです
当社が開発しているバイオポリエステル系生分解性ポリマー、
カネカ「PHBH
(仮称)」は、石油由来ではなく、植物油脂などを原料として微生物により生産
されるポリマーです。生分解性に優れ、自然環境中では嫌気性、好気性、
コンポ
スト(堆肥化)のいずれの条件でも比較的短期間で分解されます。また、ポリエ
チレンやポリプロピレンに近い軟質の加工物性を示し、包装材料、農林水産用
資材、自動車部材、繊維、塗料、紙製品コーティング剤など、さまざまな用途への
展開が期待されています。
エペラン、エペランPP
軽量化、緩衝性、リサイクル性で省資源に貢献しています
社
会
的
取
り
組
み
当社のエペラン(ビーズ法発泡ポリエチレン)、エペランPP(ビーズ法発泡ポ
リプロピレン)は柔軟性・剛性・耐熱性に優れた特徴を活かし、精密機器・液晶ガ
ラスの通い箱容器に採用され、軽量化と省資源化に役立っています。また、エ
ペランPPは自動車のバンパーコア材、
トランク内のツールボックス、さらにシ
ート用芯材などに採用され、自動車の軽量化による温暖化ガスの排出削減に貢
献しています。さらに回収された使用済み製品は、粉砕・減容・再造粒の工程を
経てバージン原料に一部リサイクルされています。生産では発泡に炭化水素系
ガスを使用しない低環境負荷型の設備を増やし、環境に配慮しています。
カネパールソイルブロック
グ
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社
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取
り
組
み
発泡スチロールで足元を支えています
カネパールソイルブロックは、発泡性ポリスチレン樹脂のカネパールを大型
のブロック状に成形したもので、密度が土砂の約1/100でありながら、道路に
掛かる荷重に十分耐える強度を持つ土木資材です。その軽量性と強度特性から、
軟弱地盤道路の改良や急傾斜地の地滑り防止、落石によるトンネルの破損防止
に利用されているほか、駅ホームの埋め込み材や公園の築山形成や建築物の
かさ上げ、あるいは埋め戻し等、活用事例はさまざまです。安定した地盤を短
期間に作ることができる省力化資材として見えないところで活躍しています。
30
社会的取り組み
地域・社会との 共生
地域・社会との交流
●ものづくりフェア
当社の工業所・工場では、グラウンド、プールなどの厚生
施設を地域社会に開放しているほか、工場見学会、地域住
民も参加する夏祭りの開催、工場周辺の清掃などに継続的
に取り組んでいます。
摂津市のポリテクセンター関西で地元企業と学生による
「ものづくりフェア」が開催されました。ものづくり体験や
ゲームコーナーは、地域住民や子供たちにものづくりの楽
しさを伝えていました。当社が出展した太陽電池のおもち
ゃやシースルー太陽電池は地域住民の目を惹きつけ、興味
を持って見てもらえました。
琵琶湖清掃(滋賀工場)
夏祭り
(高砂工業所)
●摂津市民環境フェスティバル
大阪工場は摂津市が主催している「市民環境フェスティ
次世代への支援
バル」に毎回出展し、当社の環境保全活動などを紹介して
います。2008年度は「太陽光発電によるエコエネルギー」
●夢・化学21
や「発泡スチロールのリサイクル」について展示を行いま
(社)日本化学工業協会などが推進している「夢・化学21」
した。催しには小中学生を含む多くの市民が参加しました。
キャンペーンに協力し、2008年2月17日に近隣の小学3
年生84名を高砂工業所に招き、身近なところから化学の楽
しさを知ってもらおうと、消しゴムづくり、ケーキづくり、人
工イクラづくりなどを体験してもらいました。子供たちは「面
白かった」
「また来たい」と大変喜んでいました。
●「地域対話」
日本レスポンシブル・ケア協議会は、
地域住民や行政の方々
を交えて「地域対話」を開催しており、当社も積極的に参加
しています。2008年度は当社の工場のある兵庫地区、大
●TRYやる・ウィーク
阪地区、鹿島地区で開催されました。
「TRYやる・ウィーク」は、兵庫県が独自の取り組みとして
中学2年生を対象に1週間学校を離れての職場体験学習、
地域での交流活動、ボランティア体験活動に参加させるも
ので、当社は毎年協力しています。2008年11月10日∼
14日、近隣中学校の2年生10名を受け入れ、微生物培養
実験、消火訓練、集配・売店業務等、社会を知る勉強の1つ
兵庫地区地域対話
鹿島地区地域対話
31
大阪地区地域対話
として化学工場の仕事を体験してもらいました。
●高専生インターンシップ
●環境授業
2008年度も各工場で高等専門学校生のインターンシッ
高砂工業所では地域活動の一環として、地域の工業高等
プを実施しました。職場・寮での従業員との交流を通して、
学校の「環境授業」に協力しました。環境授業のねらいは企
働くことを身近に感じることができたようです。また、イン
業の環境への取り組みを学び、地域と地球の環境に役立つ
ターン生の学ぼうとする姿勢は従業員にも刺激となりました。
技術と知識を身に付けることです。環境に興味のある学生
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7名が「環境教育研究班」を結成し、高砂工業所の環境への
取り組みについて4日間、現場体験を行いました。
●環境出張授業
当社では省資源の薄膜シリコン太陽電池の製造・販売を
行っています。太陽光発電は発電時に温暖化ガスである二
酸化炭素を排出しないことから、地球温暖化対策の有効な
環
境
へ
の
取
り
組
み
技術の一つになっています。地元社会貢献の一環として、
このような太陽電池の特徴を伝え、環境意識の啓発を行う
●大津市「中学生チャレンジウィーク」
ことを目的に「地球温暖化と太陽光発電」をテーマとした
滋賀県が実施している職場体験学習「中学生チャレンジ
環境出張授業を、当社工場およびグループ会社所在地地域
ウィーク」に協力し、2名の中学2年生を滋賀工場に受け入
の小学校高学年を対象に行っています。2008年度は、兵
れました。3日間という短い期間でしたが、職業について考
庫県、大阪府、滋賀県、茨城県、栃木県、北海道の16校(生
える良いきっかけになったと思います。
徒数約1,400名)で実施しました。
授業では、温暖化の現状が分かる写真を使って理解を高
めたり、炭発電、風力、火力、および太陽電池の発電原理の
模型を使用して楽しく理解できるよう工夫しました。最後に
は、家庭でもたくさんの二酸化炭素を発生させていること、
児童自身も身近なことで二酸化炭素削減ができることを理
社
会
的
取
り
組
み
解してもらいました。先生方からも「環境学習のまとめにな
り、よく理解できた」と好評でした。
●高砂子ども教室
高砂市教育委員会が主催する「高砂子ども教室」は、化
学の不思議、素晴らしさを体験学習することにより、子供の
化学への興味、
知的好奇心を向上させることをねらいとして、
8月18日から3日間、高砂市内小学生20名を招き、カネカ
ロン紡糸実験や太陽電池実験を体験してもらいました。
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社
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り
組
み
32
社会的取り組み
地域・社会との 共生
表彰
●「平成20年度文部科学大臣科学技術賞」受賞
微生物酵素の持つ極めて優れた特徴の一つである立体
選択性を利用した、有用キラル化合物(医薬品原料・ビタミ
ン類等)の生産法に対して、京都大学大学院農学研究科清
水昌教授、片岡道彦准教授と第一ファインケミカル(株)と
の共同で、
平成20年度科学技術分野の文部科学大臣表彰(科
学技術賞開発部門)を受賞しました。
本件の方法を活用することにより、高温高圧を必要とし
ない水中における温和な条件で、種々の高品質なキラルア
ルコール化合物の生産が可能となります。さらに、経済的メ
リットのほか、省エネルギーと廃棄物低減により環境に対す
る負荷も少ないという特徴を有しています。
●「2008年日経優秀製品・サービス賞優秀賞
日経産業新聞賞」を受賞
当社が製造販売する業務用マーガリンの新製品コンセブ
ールが「2008年度日経優秀製品・サービス賞優秀賞日経
産業新聞賞」を受賞しました。コンセブールは当社が独自
に開発したバターの香りとコク味を大幅に付与した香味材
を使用したマーガリンです。コンセブールは香味材の添加
量をコントロールすることで、バターの自然な風味を得る
ことが可能となります。
●「第40回日本化学工業協会 技術総合賞」を受賞
「光学活性ピロリジノールの研究開発と工業化による事
業務用マーガリン、
コンセブール
業拡大」に対して、平成19年度(第40回)日化協技術賞(総
合賞)を受賞しました。医薬品中間体として多くの需要があ
る光学活性ピロリジノールについて、画期的な新技術を開
発し、事業を拡大したことが評価されました。
その他、工場、グループ会社等で多くの表彰を受賞しています
工場・
グループ会社
表彰名
表彰受彰者
環境保全功労者知事賞
清水修一
兵庫県知事
高圧ガス保安責任者会長表彰
山田久志
兵庫県高圧ガス保安協会会長
高砂市優良自衛消防隊員
永田宣弘
佐藤博
全日本交通安全協会長表彰
緒方博和
障害者雇用表彰
大阪工場
原和夫
大阪府雇用開発協会会長
高圧ガス優良事業所
大阪工場
高圧ガス保安協会会長
高圧ガス優良従事者
長石秀樹
大阪府高圧ガス安全協会会長
高圧ガス優良保安従事者
福留学
滋賀県高圧ガス保安協会会長
高圧ガス優良保安係員表彰
西尾秀明
茨城県高圧ガス保安協会会長
高圧ガス優良保安係員表彰
茂木茂
大高修二
茨城県KHK自家消費製造
事業所部会長
高砂工業所
大阪工場
滋賀工場
●「近畿化学協会第60回化学技術賞」を受賞
鹿島工場
「高耐熱耐光性新規ケイ素系熱硬化性樹脂の開発」に対
して近畿化学協会第60回化学技術賞を受賞しました。
当社独自のシリコン技術をベースとし、
イルミネーション
や携帯電話など身の周りのものや次世代照明として期待の
大きいLED(発光ダイオード)の高輝度化を支える材料とし
て開発・商品化に成功した点が評価されました。
33
表彰授与者
高砂市消防長
(財)日本交通安全協会会長
カネカ
ソーラーテック
(株)
平成20年度奨励賞
カネカ
ソーラー
テック(株)
厚生労働省兵庫労働局長
東京
カネカフード
(株)
埼玉県衛生協会長賞
金子孝治
埼玉県衛生協会会長
太陽油脂
(株)
表彰
太陽油脂
(株)
神奈川火災予防協会会長
人材 の 育成・活用と働きや すい 職場環境
基
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当社では、
「能力ある者には機会を与え、成果に対して報酬で応えていく」ことにより、個々人の成果志向の強
い行動を引き出すことを大切にしています。
なぜならば、人は最大の経営資源であり、人の成長がなければ会社の成長もありえないと考えるからです。
人事制度の概要
教育体系図
昇格審査・階層別
プログラム
当社の人事制度は、人事基準を「能力の高さ」と「役割
の大きさ」とし、
この2つの基準に基づいて人事処遇・賃金・
退職金等の諸制度を運用する「成果・能力主義」の人事制
幹
部
職
専門・実務能力開発
プログラム
新任上席幹部職研修 製
造
環境安全マネジメント研修 ・
エ
ン
新任幹部職研修
ジ
度を導入しています。
幹部職昇格審査
経営方針・部門方針・中期計画
主
任
新任主任研修
年度計画
目標管理制度
主任昇格審査
役割基準
能力基準
個人目標の
設定
事業場別研修
役割期待の明確化
(上司が設定)
発揮が必要な
能力の明確化
担
任
新任担当1級研修
担当1級昇格審査
事業場別研修
期間業績評価
能力評価
英語集中研修
職種別基礎研修
賞 与
昇格審査
能力給
設備技術者基礎教育
発明道場
営
業
・
ス
タ
ッ
フ
グローバル社員
登録制度
マイプラン
60
グローバル人材
幹部研修
マイプラン
50
グローバル人材
マネジメント研修
マイプラン
40
コミュニケーション
スキル研修
特許関連研修
実験計画法・分散分析入門
海外トレーニー
制度
技術振興
基金制度
資格取得
奨励制度
ビデオ
ライブラリー
通信教育
環
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取
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組
み
営業マンスクール
戦略企画スタッフ研修
経営戦略セミナー
関係会社関連研修
問題解決技法研修
プレゼンテーション研修
共
通 リスクアセスメント研修
新入社員オフ研修
役割業績給
個別専門コース
事業創造力強化研修
研
究
・
開
発
新入社員導入研修
初
任
研
修
木鶏塾
技術学校
グローバル人材 キャリア・ライフ開発 自己開発
育成プログラム 支援プログラム 支援プログラム
ISO内部監査員養成コース
人材育成
自律的なキャリア形成・人生設計支援の取り組み
人材育成
●キャリア・ライフ開発支援プログラムの実施
当社では、人を成長させるためには下図の3要素が必要
当社では、40歳代前半の従業員を対象とする「マイプラ
であり、これらがうまく組み合わさることにより、人の成長
ン40」と、50歳代前半の従業員を対象とする「マイプラン
が実現できると考えています。
50」の2つの研修プログラムを実施し、福利厚生制度の情
OJT
報提供や受講者の主体的なキャリア・ライフプランの設計
具体的には、各人の自律的な
支援を行っています。
能力開発をベースに、これを支
人の成長
援するための教育研修(共通研修・
専門実務研修 )、自己開発支援
OFF-JT
本プログラムの一環として、40歳代前半・50歳代前半
SD
などのさまざまな仕組みを設定
しています。
の全従業員に「リフレッシュ休暇制度」を設けています。
定年近接者には「マイプラン60」を実施し、退職金・年金
システム(資格取得奨励金制度・
通信教育・ビデオライブラリー)
社
会
的
取
り
組
み
・仕事を通じて行われる能力開発(OJT)
・集合研修など、仕事場を離れたとこ
ろで行われる能力開発(OFF-JT)
・自社の制度等を利用して自主的に
行う能力開発(SD:自己開発)
等の情報を提供するとともに、第二の人生に挑戦する動機
付けを行っています。2008年度は185名が受講しました。
●技術振興基金制度
●グローバル人材育成
当社では仕事の専門性を高めるために積極的に学習の
当社では、
グローバルな事業展開のいっそうの強化を目
場を求める従業員を支援しており、審査基準を満たした従
指しています。海外で戦えるグローバル人材の計画的な育
業員に海外留学や海外企業・研究機関の訪問などの機会
成と運営体制の強化を目的として、平成21年度から自ら
を与えるとともに、優れた研究成果に対する表彰を毎年実
手を挙げる者や推薦により登録する「グローバル社員登録
施しています。
制度」を導入し、306名の登録がありました。また将来の
2008年度は、本制度を利用して、研究員3名が北米の大
海外駐在要員の育成を目的として、自ら手を挙げる者に若
学に海外留学しました。また、製造メンバー6名が中国企業
いうちから海外勤務を経験する機会を提供する「海外トレ
を訪問しています。さらに、3件の優れた研究成果に対し表
ーニー制度」を実施しています。
彰を行いました。
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社
の
取
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組
み
34
社会的取り組み
人材 の 育成・活用と働きや すい 職場環境
仕事と家庭の両立のために
柔軟で自立的な働き方
育児や介護を支援する制度を整えています
フレックス勤務 17%
●育児
裁量労働制度 6%
当社では、法に定める育児支援制度に加えて、
「短時間
時差勤務 3%
勤務制度」
「フレックス勤務制度」
「超過労働をしない制度」
昼勤務 59%
勤務方式
比率
変形労働時間 0%
交替勤務 15%
を組み合わせて利用できる制度を導入しています。
2009年度からは、それまで「3才までの子を養育する
社員」を対象にしていた勤務時間短縮を「小学校3年生就
学後まで」に拡大し、さらに育児休業期間についても、
「子
が2才6カ月となるまで」と拡大しました。
また、積立特別有給休暇制度を最大5日間活用すること
により、
育児休業休職を取得しやすい仕組みを導入しました。
2008年度は、10名が短時間勤務制度を、12名(うち
男性1名)が育児休業制度を利用しており、従業員が仕事
と育児を両立できる環境づくりを今後も積極的に行ってい
きます。現在、
「くるみん認定マーク」を申請中です。
●障害者雇用
当社では、企業の果たすべき社会的責任として、法定雇
用率1.8%の達成はもちろんのこと、バリアフリーなど障
害者の意見・要望を反映した職場環境改善の実施などのソ
フトでの対応まで、障害者の働きやすい職場環境の整備に
取り組んでいます。
こうした取り組みの結果、2006年度以降法定雇用率
(1.8%)を達成しています。
今後も法定雇用率の維持向上に努めるとともに、5名以
①妻出産休暇
妻が出産するとき、14日以内に2日取得できます
②産前産後休暇
産前6週間(多胎妊娠は14週間、休日を含む)の期間を取
得できます。
③育児休業休職
④子の看護休暇
※産後8週間は就業できませんが、6週間経過後就業を希望し医師
が支障ないと認めたとき、就業できます(産前、産後とも無給)
2歳半未満の子どもを養育するとき、
所定の手続きを経て、
確定した期間について取得できます(無給)
小学校就業する前の自らの養育する子どもが負傷または
疾病により、その世話をしなければならないとき、所定の
手続きを経て、年間5日を限度として取得できます(有給)
上の障害者を雇用する事業所担当者に「障害者職業生活
相談員」の資格を取得させるなど、障害者の職業能力開発
と職業適応の向上を図っていきます。
障害者雇用率
(%)
2.00
1.77
1.80
1.83
1.89
1.81
法定雇用率
(1.8%)
1.59
1.60
1.50
1.40
∼
∼
●介護
2003
2004
2005
2006
2007
2008(年度)
当社の介護休業制度では、法定を超える「計1年間」の
休業を可能とするとともに、最長6カ月間「介護救済金」を
支給しています。また、介護休業を選択しない場合には、
フ
レックス勤務などの柔軟な勤務制度を利用することを可能
としています。
●再雇用制度
当社では、
「改正高年齢者雇用安定法」への対応と、能力
のあるコア人材確保の両立を図るため、2006年度より新
たに「シニア再雇用制度」
「シニア任用制度」を導入しまし
た。本制度によりベテラン社員の技術ノウハウの伝承を図
柔軟で自立的な働き方
る一方で、フルタイム勤務・短時間勤務が可能な仕組みを
導入することにより、個人の生活設計に合わせた多様な働
当社では従来、柔軟な勤務方式として「フレックスタイム」
き方を実現させていきます。
や「時差勤務制度」、
「変形労働時間制度」などを導入し、
2008年度は86名が定年退職し、そのうち72名をさま
利用促進してきましたが、働き方に関する意識を時間に縛
ざまな形で再雇用。これまで職場で培ってきた高い技術や
られない発想へと転換させ、より主体的・創造的な能力発
専門性を引き続き発揮しています。
揮ができることを目的として「裁量労働制度」を導入して
35
2006年度
2007年度
2008年度
から1年が経ち、2009年3月31日時点で233名が本制
退職者
60名
88名
86名
度を利用しています。
再雇用者
53名
74名
72名
●労使関係
基
本
方
針
と
マ
ネ
ジ
メ
ン
ト
シ
ス
テ
ム
セクシャルハラスメント、パワーハラスメント対策等
「労使は人の成長を通じ共同して社業の発展と組合員の
豊かでみのりある人生の実現を図るとともに社会の進歩と
発展に貢献します」という、人間尊重の考え方をベースに
した「労使共同目標」を定め、より良い会社を目指して労使
が話し合える場として「経営懇談会」
「中央労使協議会」
「代
表者会議」
「支部労使協議会」
「職場労使懇談会」など、
日々
セクシャルハラスメント、パワーハラスメントのない職場
環境を維持するため、
「就業規則」や「コンプライアンス・
ガイドブック」などで周知徹底を図るとともに、事業所ごと
に相談窓口の設置や担当者へWebでの投書システムを導
入し、発生の予防や早期対応に努めています。
活発な議論・意見交換を行っています。
環
境
へ
の
取
り
組
み
人権尊重 の 取り組み
コンプライアンス・ガイドブック
基本姿勢
当社は人間尊重の立場に立って、個人の多様な価値観を
個人情報保護
認め、人格と個性を尊重し、法令順守はもとより差別的扱
いは行いません。また、児童労働、強制労働を認めません。
当社では、
これまでも顧客や従業員の個人情報の管理や
私たちは、一人ひとりの人権を尊重し、性別、年齢、国籍、
取り扱いに十分留意してきましたが、2006年度には具体
人種、民族、信条、宗教、社会的身分、障害等による差別的
的事例を図解で解説した「情報セキュリティ・ガイドブック」
言動および暴力行為、セクシャルハラスメント、パワーハラ
を作成してカネカグループの社員に配布しました。
スメント、いじめ等の人格を無視する行為を行いません。
あわせて、新入社員研修・昇格時研修で実施している情
社
会
的
取
り
組
み
報セキュリティ教育を、キャリア採用者についても実施する
人権教育
等、個人情報保護および情報セキュリティのレベルアップを
目指す取り組みを継続的に進めています。
当社では、
「人権尊重」を会社・社員が守るべき最も基本
的な事項と位置付け、
「企業活動の基本方針」
「倫理行動
基準」
「社員就業規則」
「コンプライアンス・ガイドブック」
等にその旨を定め、入社時や昇格時等の研修を通じてその
グ
ル
ー
プ
会
社
の
取
り
組
み
主旨の周知徹底を図っています。
●管理者教育
幹部職昇格時の研修に専門家を招いて人権教育を行う
とともに、ロールプレイなどによってカウンセリングマイン
ドを習得させるなど、マネジャーに昇格したことを意識さ
せたカリキュラムを設定しています。
そのほかにも、地域行政等が主催する外部の人権研修会
や協議会などに従業員を派遣しています。
情報セキュリティ・ガイドブック
36
社会的取り組み
保安防災と労働安全衛生
安全に関する基本方針
携帯電話を用いて動画でリアルタイムに本社に送信するシ
ステムの構築に取り組んでいます。
◇安全の確保は、経営の基盤をなすものであり、あら
ゆる事業活動の基本である。
●保安防災関連設備の充実
◇安全の確保は、地域社会や世界の信頼の基礎である。
大阪工場では、気象庁からの地震速報を工場内に自動放
◇安全の確保は、
「すべての事故は防止できる」との
送する地震速報システム、夜間休日に緊急事態が発生した
信念に基づくものである。
◇安全の確保のためには、職務に応じてすべての社員
に果たすべき責任がある。
◇安全は、絶えず守り続けなければならない。
場合にインターネット回線と電話回線とを使用し、ワンタッ
チ操作により関係者に短時間で連絡する緊急情報伝達シス
テムを設置しました。滋賀工場では、災害時の情報管理強
化として、防災無線のアンテナ設置場所の見直しを行い、工
場全域で通信機能の確保や、携帯電話を使った緊急情報伝
保安防災への取り組み
達システム(緊急呼び出し)の導入を図りました。鹿島工場
では、緊急地震速報システムを導入し、震度2以上の地震が
●プロセス事故ゼロを目指して
予測される場合に、構内一斉放送にて到達時間(秒)と予想
当社は「安全操業・安定操業が製造メーカーの基本」と
震度を自動発報する設備を導入しました。今後とも各事業
位置付けて、従来より“プロセス事故ゼロ”を目指し取り組
場において、保安防災関連設備の充実を図っていきます。
んでいます。しかしながら、2008年度は2件(高砂工業所
1件、鹿島工場1件)の火災事故が発生しました。いずれも
人への被害はなく、設備被害も軽微な内容で、周辺地域へ
の被害はありませんでした。これらの事故については、迅速
に再発防止対策を行うとともに、類似事故の防止に向けた
水平展開を図っています。
カネカグループでは、2006年度に発生した高砂工業所
の爆発・火災事故を契機として、爆発・火災等の重大事故・
災害につながる恐れのある事項について、
リスクアセスメ
ントを継続して実施しています。製造・研究で取り扱ってい
る化学物質による事故防止のため、
「爆発・火災リスクアセ
スメント」に取り組み、可燃性ガス・樹脂等を取扱・製造して
いる施設に着火の原因となる静電気の蓄積を抑制する機
器を設置するなど、
各種の改善に積極的に取り組んでいます。
また、他社の事故事例等から得られた教訓についても水平
展開し、事故・災害の未然防止に努めています。
緊急情報伝達システム(滋賀工場)
●防災訓練の実施
2008年度は、下表のように当社の全工場で総合防災訓
練を実施しました。また、関係会社においても防災訓練や
消火器の取り扱い訓練等を継続して実施しています。
総合防災訓練(2008年度)
事業所 実施年月日 参加者数
緊急かつ速やかに取るべき危機対応策を整備し、企業の社
大阪
工場
「 震度5強の地震発生、指定可燃物に着火し
2009年 約500 火災発生、落下物による被災者発生」を想定し、
防衛隊による消火活動・被災者の救出、社内
名
3月10日
外関係部署へ の連絡等の訓練を摂津市消防
署の参加を得て実施した。
滋賀
工場
「 震度6弱の地震発生。有機溶剤タンク配管
に亀裂が入り有機溶剤が漏洩、処置中に着火
2009年 約190
し延焼」を想定し、通報、消火、被災者救助、関
名
3月17日
係機関への対応、防衛隊による防御や関係会
社を含んだ避難訓練を実施した。
会的責任および継続性を全うすることを目的に、危機管理
マニュアルを制定し、
イントラネット上で開示しています。
危機管理マニュアルでは、有事が発生した当該部門と本
社のおのおのが、初期通報網の整備および責任と権限の明
確化、初動体制の必要項目等と平常時からの準備の項目、
行政・マスコミ・近隣住民・取引先等の外部対応などについ
て規定しています。
現在、
発災現場の状況をより正確に社内で共有化するため、
37
内容
「山崎断層で震度6強の地震発生」、さらに陸
上の部では「重油タンクの漏洩火災」、海上の
高砂 2008年 約450 部では「重油が海上に流出、作業船火災」を想
定し、高砂・加古川消防本部、兵庫県警、陸上
工業所 10月21日
名
自衛隊、姫路海上保安部および近隣企業10
社の参加で開催した(兵庫県石油コンビナー
ト総合防災訓練との合同開催)。
●危機管理体制の強化
当社および当社グループでは、有事が発生した際に備え、
防災無線機(滋賀工場)
「地震発生により、
VCM球形タンクの配管フ
レキが破損し、
VCM漏洩、火災発生」を想定し、
鹿島 2008年 約240
共同防災隊と合同訓練で通報および初動体制
工場 11月26日
名
∼防御活動∼誘導・救護・避難訓練、関係機関
および本社へ の通報等の総合防災訓練を実
施した。
総合防災訓練(高砂工業所)
総合防災訓練(大阪工場)
総合防災訓練(鹿島工場)
消防本部 救助工作車・救急車到着
消火栓標的放水訓練
総務本部訓練の様子
高所放水車による放水(陸上の部)
標的放水訓練
高所放水車を含む放水訓練
基
本
方
針
と
マ
ネ
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メ
ン
ト
シ
ス
テ
ム
タンク放水訓練
環
境
へ
の
取
り
組
み
物流安全
●輸送協力会社安全教育
輸送途上で、事故が発生すると影響の大きい高圧ガス保
安法、毒物および劇物取締法、消防法などに該当する製品
訓練講評
消防艇の消火活動(海上の部)
の輸送を行う輸送会社に対して、予防保全や事故発生時の
迅速な対応ができるよう、年間計画に基づき乗務員安全教
育を実施しています。
●地域防災活動
また、安全輸送のための作業手順やセキュリティ保護の
工場が立地する、高砂市、摂津市、大津市、神栖市の消防
順守について確認を行っています。
本部、消防団、企業など消防各団体と連携し、さまざまな訓
練を実施しています。例年、出初め式、消火栓操法競技会に
社
会
的
取
り
組
み
●イエローカード
化学物質を輸送する車輌に、事故が発生した場合の措置
も積極的に参加しています。
や通報内容を記載したイエローカードを常備させています。
輸送会社と当社で携行状況をチェックしています。
●輸送途上災害の想定緊急措置訓練
万一、輸送途上災害が発生した場合に、迅速かつ適切な
滋賀工場 出初式
措置を行うためには、知識だけではなく的確に行動できる
ことが必要です。当社では、防災機材を常時保管して災害
に備えるとともに、輸送会社と合同で想定緊急措置訓練を
定期的に行い、
実践的な対応力の向上に努めています。また、
グ
ル
ー
プ
会
社
の
取
り
組
み
輸送途上災害の相互支援体制として兵庫県高圧ガス地域
防災協議会があり、高砂工業所は協議会が行う緊急出動訓
鹿島工場 出初式
鹿島工場 隣接企業との共同防災訓練
高砂工業所 消火栓操法競技会
大阪工場 摂津市消防訓練大会
練に参加しています。
想定緊急措置訓練(除害装置準備作業)
38
社会的取り組み
保安防災と労働安全衛生
労働安全衛生の取り組み
●ゼロ災を目指して
●総合査察
カネカグループの労働安全衛生レベルの向上を図るため、
ゼロ災行動指針
国内外のすべてのグループ会社に対し、隔年ごとに総合査
君も私もかけがえのない人
誰一人ケガ人を出さないようにしよう
[ ゼロ災 の 決意 ]
察を実施しています。2008年度の重点査察事項は、重大
事故・災害の撲滅に向けたリスクマネジメント/アセスメン
安 全はみんなで築くもの
一人ひとりが安 全を考える時 間を持とう
[ 安全へ の参加 ]
トの定着、
コンプライアンス、3S徹底の3点とし、カネカ4工
安 全に妙 手は無い
基本に立ち返り地 道に努 力しよう
[ 安 全 は基 本 から ]
8事業所の査察を実施しました。各社ともに重点査察事項
場に加え、
グループ会社の国内15社17事業所と海外8社
に対して真剣な取り組みが行われていました。
危 険を予 知しよう
潜 在 的 危 険を撲 滅しよう
[ 安全 の 先 取り]
当社従業員 休業・不休業災害発生件数
不休業災害
災 害はすき間で起こる
漏れや、すき間が無いかを常に考えよう
[ 9 9 % は0 % ]
休業災害
(人)
15
10
当社は、
「労働災害ゼロ」を目指して、各事業場において
4
5
4
4
3
1
2000
2001
1
職場の特性に応じたさまざまな労働安全衛生活動を推進し
0
1999
3
2
1
2
2002
2003
0
2004
2
2
2
1
1
1
0
2005 2006 2007 2008 (年)
てきました。しかしながら、2008年は、当社社員の休業災
害が1件、不休業災害が2件、協力会社従業員の休業災害が
当社の協力会社従業員 休業・不休業災害発生件数
2件、不休業災害が1件の計6件発生しました。これらの「事
故の型」は、挟まれ・巻き込まれ、切傷、転落などさまざまで
不休業災害
休業災害
(人)
15
すが、おのおのの災害に対する再発防止および類似災害防
止対策を徹底して行いました。また、
“先取り安全“を意図
したリスクアセスメントの組織的な取り組みを強化して、今
10
6
2
後とも「労働災害ゼロ」の達成を目指し取り組んでいきます。
1
0
5
4
5
1999
1
2
1
2
2
2
0
0
2000
2001
2002
2003
2004
2005
1
2006
2
1
1
0
2007 2008 (年)
●労働安全衛生マネジメントシステムの充実
当社は、2006年度より労働安全衛生マネジメントシス
当社およびグループ会社従業員 休業度数率※1と災害強度率※2
テム(OSHMS)による労働安全衛生活動を開始し、2007
年度には、全工場で中央労働災害防止協会のJISHA方式
適格OSHMS認定を取得しました。2008年度は、この
OSHMSの運用を強化するため、
システム監査者の増員養
成と力量アップに注力するとともに、
協力会社に対して、
指導・
当社
国内外グループ会社
2007年 2008年 2007年 2008年 2007年 2008年
度数率
0.68
0.58
0.91
0.20
0.55
0.86
強度率
0.27
0.02
0.03
0.01
0.42
0.03
協力会社従業員 休業度数率※1と災害強度率※2
カネカグループ全体
当社
国内外グループ会社
助言と工場長安全巡視での指摘などによりリスクアセスメ
暦年
ントへの支援等を行いました。今後ともOSHMSの柱であ
度数率
0.17
0.89
0.00
0.47
0.78
2.12
強度率
0.00
0.03
0.00
0.03
0.00
0.03
るリスクアセスメントの取り組みおよびシステム監査機能
2007年 2008年 2007年 2008年 2007年 2008年
※1:度数率:死傷者数÷延べ労働時間数×100万
※2:強度率:労働損失日数÷延べ労働時間数×1,000
の強化等を図っていきます。
OSHMS認定取得状況
39
カネカグループ全体
暦年
事業場名
所在地
認定年月日
認定番号
高砂工業所
兵庫県
2008年 3月10日
08-28-13
大阪工場
大阪府
2007年 8月21日
07-27-10
滋賀工場
滋賀県
2008年 1月15日
08-25-6
鹿島工場
茨城県
2007年12月21日
07-8-10
●リスクアセスメントへの取り組み
●“危険感受性の向上”を目指す体感学習
大阪工場では、厚生労働省の「機械の包括的な安全基準
大阪工場では、体感学習室に粉じん爆発実験や静電気体
に関する指針」に沿った設備の安全化を推進しています。
感、コンベア挟まれ等の疑似体感設備を増設し、また指導
JISの要求事項を確認するなどして実務担当者の理解を深
員を養成し、
体感学習の充実を図りました。滋賀工場では、
日々
め、設備の安全化に取り組んでいます。
の安全を確保するために、感受性向上を目的とした体感学
滋賀工場では、
「挟まれ・巻き込まれ」、
「有機溶剤取扱業
習をそれぞれの職場に即した体感機を使用して実施してい
務」に重点を置き、潜在的危険(リスク)の継続抽出と本質
ます。一方で、個人の行動特性に焦点を当て、
「感受性」を
安全化を中心としたリスク低減を図るため、おのおのの課
高めてリスクテーキングな行動を抑制することができ、そ
題に対してワーキンググループを立ち上げています。
れを習慣づける取り組みとして安全性向上分析手法(TPI-
基
本
方
針
と
マ
ネ
ジ
メ
ン
ト
シ
ス
テ
ム
SWD)を使用しています。
環
境
へ
の
取
り
組
み
●(株)大阪合成有機化学研究所の安全衛生活動
カネカ国内グループ会社の(株)大阪合成有機化学研究
●メンタルヘルス
所は、多種の化学物質と溶剤を使用して医薬品・中間体・化
当社では、メンタル面での従業員の生命・健康・生活を守
成品を少量多品種製造しています。過去に薬害(労働災害)
・
るため「セルフケア(従業員によるストレスの気づき)」や「ラ
倉庫火災を経験し、より一層の環境安全衛生活動に従業員
インケア(管理監督者による職場環境の改善)」が重要と認
一丸となって取り組んでいます。リスクアセスメント活動は、
識し、教育研修やカウンセリングを中心に取り組んでいます。
予測されるトラブルを未然に防止するために研究技術部と
2008年度は、
セルフケアの視点から従業員一人ひとりが、
工場が連携して検討を重ね、その結果、新品種の製造前教
メンタルヘルスに対する基礎知識とストレスコントロール
育をルール化して、指図記録書に反映させています。ハード
を身につける研修を8回開催し、約290名が受講しました。
面では、据付型酸素濃度計、工場排水PH計およびガス濃度
ラインケアではメンタルヘルス不調に陥ったときの対応研
計を設置し、作業環境対策を行いました。ソフト面では、体
修を15回開催し、約440名が参加しました。その他、新任
感学習や設備を大切にする教育と、カネカの技術部指導を
幹部職や主任への昇格時にも研修を実施しました。
社
会
的
取
り
組
み
受講するなどして、安定生産に努めています。52回に及ぶ
SSKP(職務・組織活性化)活動によってボトムアップの改
善活動が増えており、労働災害ゼロの継続に努めています。
グ
ル
ー
プ
会
社
の
取
り
組
み
幹部職に対するメンタルヘルス研修
安全ミーティング
40
グル ープ会社 の 取り組み
[宮城樹脂株式会社]
[北浦樹脂工業株式会社]
主な生産品目 : 発泡スチレン成型品
所
在
地 : 宮城県大崎市鹿島台広長字前林12番27
主な生産品目 : 発泡スチレン成型品
所
在
地 : 埼玉県深谷市本田1513番地
茨城工場
本社・埼玉工場
宮城樹脂(株)は日本三景の1つ松島に隣接した大崎市
鹿島台に立地し、1988年に創業しました。周辺には、塩釜・
石巻・気仙沼といった日本でも有数の漁港があり、三陸沿岸
で水揚げされる鮮魚および加工用の魚箱を主に製造してい
ます。
当社の製品は食品容器であり、顧客の要求品質は年々高
まっています。
「品質は工程で作り込む」ことを基本とし、食
の安全の視点から各工程の作業標準の改訂・検査基準の見
直しを図り、
苦情・クレームゼロを目標に改善を進めています。
環境保全面においては、2008年5月にエコアクション
21の認証を取得して、環境への取り組みを重要課題と認識
し、省エネ・製品不良の削減・リサイクルの推進を積極的に
進め、
環境に配慮した事業活動の取り組みを展開しています。
労働安全面においては、安全衛生委員会を中心にゼロ災
を目標に活動を進め、
リスクアセスメント、安全パトロール、
KYT(危険予知訓練)およびHH(ヒヤリハット)活動に重点
的に取り組んでいます。また、健康講話を産業医および市の
保健課に依頼し、従業員の健康増進と健康管理に役立てて
います。地元消防署の協力を得て救急救命講習を毎年実施
し、従業員のほとんどが修了証を取得しています。以上の活
動の成果として2009年2月に無事故・無災害日数1,000
日を達成しました。
北浦樹脂工業(株)は、埼玉県深谷市(埼玉工場)と茨城
県行方市(茨城工場)の2拠点で発泡スチレン成型品の製
造を行っています。当社は、1963年創業し、2001年にカ
ネカ100%出資の子会社として、再スタートしました。埼玉
工場では、魚箱や野菜箱の型物と建築、鋳造、盛土用のブロ
ック製品を生産し、茨城工場では、魚箱や野菜箱の型物を主
に生産しています。
品質管理面では、埼玉工場で予備発泡成形のレベルアッ
プと金型整備を進め、苦情・クレームの40%低減を実現しま
した。また問題の多かった鋳造用ブロックについても2008
年度でカネカ技術サービスの指導のもと生産条件の管理範
囲を明確にし、
日報も改善して、大幅に安定化できました。
環境面では、2008年4月からエコアクション21の認証
取得の準備をスタートし、埼玉工場で認証・登録できました。
CO2排出量は対前年に対し10%強の削減を達成しました。
水については循環率の向上、廃棄物については分別の徹底
によるサイクル率向上により再資源化を推進し、
ゴミの削減
に取り組んでいます。
労働安全衛生面については、全員参加の5S(整理・整頓・
清掃・清潔・躾)活動、朝礼時における安全唱和、安全パトロ
ールの実施と是正対応、防災訓練の実施、従業員の教育・リ
スクアセスメント等の取り組みを通じて茨城工場で無災害
日数8年を継続中です。
救急救命講習
放水訓練
保安防災面においては、消防署と協同で行う消防訓練で、実
際に119番通報する通報訓練、実践さながらの放水訓練・消
41
防災訓練
KYT活動
火器訓練等を実施しています。大崎地区で行われる消火技術
今後は、無事故無災害を継続し、食品容器成形工場として
大会では毎回代表に選出され、常に優秀な成績を収めています。
食の安全HACCP(鉄粉・毛髪・虫・カビ・油汚れ等の混入防
これからも、安全・衛生の確保を最優先として職場環境の
止)対応の衛生面でのレベル向上とリスクアセスメントに重
整備に努め、無事故・無災害職場の継続を推進します。
点的に取り組んでいきます。
[太陽油脂株式会社]
基
本
方
針
と
マ
ネ
ジ
メ
ン
ト
シ
ス
テ
ム
[東洋スチロール株式会社]
主な生産品目 : マーガリン、ショートニング、フィリング、家庭用・業務用石けん、
シャンプー・リンス、ハミガキ、基礎化粧品
所
在
地 : 横浜市神奈川区守屋町2-7
主な生産品目 : 発泡スチロール成型品
所
在
地 : 三重県四日市市南小松町2681番地
太陽油脂(株)は「誠実をモットーに、常に技術の開発向上に
東洋スチロール(株)は1958年1月、東京都板橋区でろ
努め、優れた製品の提供を通じ、進んで健康な社会づくりに貢
うそくを入れる木箱の生産からスタートし、1960年3月に
献する」を企業理念とし、一貫して天然の油脂を主原料に、食
三重県四日市に生産拠点を移し、生産品目が発泡スチロー
用 加 工 油 脂 ならびに石け ん 製 品を 製 造・販 売しています。
ル樹脂成型品に代わりました。その後、カネカグループに加
1919年東京搾油株式会社として発足した当初から、ヤシ油(コ
わりました。
プラ)の搾油・精製を行ってきた歴史を持ち、南方系の植物油
労働安全衛生に関しては、
「安全は存在せず、常にあるの
脂(ヤシ油、パーム油、パーム核油等)を中心に各種植物油脂
は危険」と認知し、危険要因の排除と事故の継続的な防御
をベースとした製品をお客様に提供してきました。
を目標に活動を進めています。具体的には、熱中症、火災、
食用加工油脂の事業分野では、業務用(各種食品会社向け
酸欠、挟まれ・巻き込まれ等について、
リスクアセスメントに
原料)分野に特化し、お得意様のニーズに的確、かつ速やかに
よるハード・ソフト面の不具合改善や毎月の労働安全衛生
適応・提供するとともに、
「食の安全・安心」についてもHACCP、
会議・安全パトロールの実施および、工場火災を想定した避
ISO9001等の各種システムを導入・定着化させ、そのレベル
難・消火訓練(年1回)により安全意識高揚に努めています。
環
境
へ
の
取
り
組
み
アップに注力しています。
家庭品分野においては「人と環境に優しい石けん」にこだわ
社
会
的
取
り
組
み
り、合成界面活性剤や合成添加物を一切含まない昔ながらの
石けん成分を原料とした化粧石けん・シャンプー・ハミガキ製品、
さらには基礎化粧品等の製品を製造・販売しています。その生
産・品質保証にあたっては、委託先を含め、薬事法に則った体
避難・消火訓練
エコアクション21掲示
制づくりを行っています。あわせて、石けん製品の特徴や環境
への負荷、人への影響についての勉強会や講習会を通して、自
然環境の保護に貢献するよう努力しています。
また、環境への取り組みについては、エコアクション21
の認証取得を目指して活動を展開しています。
品質面では、異物混入対策に重点的に取り組んでいます。
情報を従業員に周知し、事故の未然防止や再発防止への意
識を高め、対応策の実行をさらに強化していきます。
学校での手作り石けん教室
グ
ル
ー
プ
会
社
の
取
り
組
み
防災訓練
環境保全については、エコアクション21の認証を取得し、省エネを
はじめとするCO2削減、廃棄物削減などの活動を推進しています。
また、労働安全衛生についても、安全衛生委員会を中心にリ
スクアセスメントによる不安全箇所や作業の改善を進め、安全
な職場づくりに取り組むとともに、毎年実施している「防災訓練」
を通じて防災意識の向上を図っています。
42
グル ープ会社 の 取り組み
[九州カネライト株式会社]
[株式会社ハネパック]
主な生産品目 : 押出法ポリスチレンフォーム
所
在
地 : 福岡県筑後市大字上北島1005番地
主な生産品目 : 発泡スチレン成型品
所
在
地 : 佐賀県神埼市千代田町詫田1524番地
九州カネライト(株)は福岡県南部に1997年、
(株)カネ
(株)ハネパックは発泡スチレン成型品販売会社の(株)
カのカネライトフォーム(押出法ポリスチレンフォーム)の
羽根の九州地区の生産拠点として、1991年に鹿児島県志
九州・山口地区の生産拠点として操業を開始しました。翌
布 志 市 で ( 株 ) ハ ネ パック東 洋として スタートしました 。
年にはJIS認定を取得し、2000年にはISO9001を認証
1995年に本社を現在の佐賀県神埼市に移し、社名を(株)
取得しました。当社で生産している「カネライトスーパーE」
ハネパックと改め、2006年には長崎工場が操業を開始し、
は、カネカが世界に先駆けて開発した発泡剤のノンフロン、
現在、佐賀、鹿児島を含めた3工場体制で運営しています。
脱ハロゲン化技術を活かした製品です。発泡剤のノンフロ
製品の用途としては、軽量で断熱性、加工性に優れた特性
ン技術については、2003年に日本化学会化学技術賞、経
を活かして、魚箱・農産箱等に使用されています。
済産業大臣賞および環境大臣賞を受賞しています。
安全面では、
「ゼロ災達成」を全社目標に掲げ、取り組み
品質・生産管理面においては、生産性の安定化を重点課題
を実施しています。具体的な安全衛生活動としては、
リスク
として取り組み、金型、押出機のスクリュー等の更新を実施
アセスメント、KYT(危険予知訓練)、HH(ヒヤリハット)抽
するなど、収率および生産性の向上と品質の安定を目指し
出などを中心に、安全衛生委員会、安全パトロール等を定
ています。2008年度も苦情・クレームゼロを達成しました。
期的に実施しています。
労働安全衛生面においては、環境安全衛生委員会、エコ
アクション21委員会、安全協力会等の定期開催およびリス
クアセスメント活動、HH(ヒヤリハット)活動、安全パトロー
ル活動を軸とし、
「かけがえのない命!」を合言葉に取り組
んでいます。2007年度の労働災害を教訓として安全活動
を強力に推進し、
ミニ災害も含め完全無災害を達成しました。
始業前安全唱和
消火器操作訓練
環境面では、エコアクション21の認証取得を目指して活
動を進めています。特に、
コストダウンの一環としても取り
組んでいる原単位改善活動は、エコアクションの目標の1つ
である「二酸化炭素排出量の削減」にもつながる重要な取
り組みと位置づけ、全社一丸となって推進しています。
防災訓練
エコアクション21掲示
品質面では、
日に日に高まる顧客の品質要求に応えるため、
環境面においては、2007年にカネカのグループ会社第
販社との連携強化、品質管理委員会の定期開催、見える管
1号として、エコアクション21を認証取得しました。2007
理の徹底等を進め、全員参加で品質向上を目指し、今後も、
∼2008年の2年間でCO2排出量、水の使用量ともに原単
「安全・環境・品質」を中心に
位で大幅な削減を実現しました。また、産業廃棄物では分
活動を推進していきます。
別の徹底等によりゼロエミッションを達成しました。昼休み
時の消灯、空調機器の適正な温度管理等、地道な活動にも
取り組んでいます。
見える管理(掲示板)
43
[コスモ化成株式会社]
基
本
方
針
と
マ
ネ
ジ
メ
ン
ト
シ
ス
テ
ム
[長島食品株式会社]
主な生産品目 : 水産物・農産物および加工食品用EPS容器
所
在
地 : 三重県北牟婁郡紀北町海山区船津2635番地
主な生産品目 : 冷凍パイ生地、冷凍クッキー
所
在
地 : 三重県桑名市長島町押付543番地
コスモ化成(株)は、三重県南部“黒潮洗う熊野灘”を臨み、
長島食品(株)は三重県桑名市北部、木曽川・長良川の両
“年間降雨量5,000ミリ”という世界有数の雨水量を誇る
河口に挟まれた三角州に立地し、カネカグループが製菓・製
大台ヶ原を背にし、世界遺産となった“熊野古道に隣すると
パン・加工食品メーカーに供給する冷凍パイ生地・冷凍クッ
ころ”に位置しています。
キー生地を生産しています。
水産物・農産物および加工食品用EPS容器を販売する(株)
設立は1968年で、1993年にカネカグループに加わり、
羽根の製造部門として、1986年に設立し操業を開始しまし
2008年に40周年を迎えました。
た。
『品質、衛生と安全の確保を基本に置き、他社に負けな
製品安全・品質保証に関しては、2004年に(株)カネカ
い競争力のある製品作り』をモットーに操業しています。
食品事業部とともにISO9001の認証を取得しました。また、
労働安全衛生については、
リスクアセスメント・危険予知の面
同年からAIB(米国製パン研究所)の食品安全監査を毎年
から春・秋の「防火・防災訓練」および隔月に行う「工場安全パ
受審し、食品メーカーとして顧客・市場から「食の安心・安全」
トロール」により、創業以来無事故・無災害を継続しています。
の信頼を得られる製品づくりを進めています。
環
境
へ
の
取
り
組
み
環境保全については、2008年11月にエコアクション21の
認証を取得しました。環境計画として、2008年4月から産業
廃棄物の食品リサイクル化(家畜飼料)を、2009年4月から
廃プラスチックのリサイクル化(燃料補助剤)を開始しました。
社
会
的
取
り
組
み
労働安全衛生については、労働無災害を6年間継続中で、
防災訓練
周辺の清掃
環境保全については、エコアクション21の認証・登録を
2008年に取得し、その活動のなかでCO 2 の削減・上水お
毎月開催の「食品安全委員会」と、5S(整理・整頓・清掃・清
潔・躾)活動を中心とした「安全パトロール」で労働安全衛
生と環境の改善活動を推進しています。
よび地下水 の 有効利用・廃
棄物の削減とリサイクル の
促進を行い、全社員『EA21
宣言カード』を常時携帯し当
事者意識を持って取り組ん
エコアクション21スローガン
でいます。
食品安全委員会
環境計画進捗表示
常に全員で《元気で明るい温かみのある安全な職場づく
2008年、桑名消防署の協力を得て実施した「防災・避
り》に取り組み、販売会社の(株)羽根(三重営業所)の販売
難訓練」を今後も継続し、従
方針と戦略を十分に理解し、また昨今の客先でのHACCP
業員 の防災意識を高め、安
に基づく衛生管理手法の導入等を想定し、自信の持てる品
全で働きやすい職場環境を
質と衛生・安全の確保を基本に置いたうえで、各種生産管
基盤とした安心・安全な製品
理指数の数値にこだわったコストダウンも行い、競争力を
づくりに努めていきます。
強化します。同時に労働安全衛生、環境保全にも配慮し、
グ
ル
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プ
会
社
の
取
り
組
み
防災・避難訓練
“バランスの取れた工場経営”を図っていきます。
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本 報告書 の 対 象 組 織( 株 式会社カネカと生産活動をしているすべ て のグル ープ会社3 4社 )
株式会社カネカ
大阪本社/東京本社/名古屋営業所
●高砂工業所
苛性ソーダ、塩化ビニルモノマー、
塩化ビニル樹脂、発泡スチレン樹脂、
MBS樹脂、変成シリコーンポリマー、
アクリル系合成繊維、医薬バルク・中間体、
機能性食品素材、パン酵母、マーガリン、
ショートニングの製造
●大阪工場
押出発泡スチレンボード、
ビーズ法発泡ポリオレフィン、
軟質塩ビコンパウンド、
成型用PET樹脂、
医療機器(血漿、血液浄化装置)、
耐熱塩化ビニル樹脂の製造
●滋賀工場
超耐熱ポリイミドフィルム、
光学用フィルムの製造
国内グループ会社(25社)
●昭和化成工業(株)
(埼玉県羽生市)
●(株)カネカフード
(神戸市西区)
塩ビ・ポリオレフィンコンパウンドの製造販売
油脂加工製品の製造
●龍田化学(株)
(東京都台東区)
●太陽油脂(株)
(横浜市神奈川区)
塩ビ・ポリプロピレン樹脂の成型加工販売
油脂加工製品の製造販売
●北海道カネパール(株)
(北海道恵庭市)
●長島食品(株)
(三重県桑名市)
樹脂製品の製造販売
食品・冷凍パン生地の製造
●標津化成(株)
(北海道標津郡)
●(株)カネカサンスパイス(大阪市淀川区)
樹脂製品の製造
香辛料の製造販売
●紋別化成(株)
(北海道紋別市)
●栃木カネカ
(株)
(栃木県真岡市)
樹脂製品の製造
樹脂製品・電子材料の製造
●コートー(株)
(北海道茅部郡)
●(株)カネカメディックス(大阪市北区)
樹脂製品の製造
医療機器の製造販売
●ツカサ(株)
(青森県上北郡)
●カネカソーラーテック
(株)
(兵庫県豊岡市)
樹脂製品の製造
太陽電池の製造
●宮城樹脂(株)
(宮城県大崎市)
●三和化成工業(株)
(栃木県真岡市)
樹脂製品の製造
発泡樹脂製品の製造
●北浦樹脂工業(株)
(埼玉県深谷市)
●(株)大阪合成有機化学研究所(兵庫県西宮市)
樹脂製品の製造
医薬品原料・中間体・食品添加物などの製造販売
●関東スチレン(株)
(栃木県小山市)
樹脂製品の製造販売
●鹿島工場
塩化ビニル樹脂、発泡スチレン樹脂、
押出発泡スチレンボード、
ビーズ法発泡ポリオレフィン、
両末端反応性ポリイソブチレンオリゴマーの製造
●東洋スチロール(株)
(三重県四日市市)
樹脂製品の製造
●コスモ化成(株)
(三重県北牟婁郡)
樹脂製品の製造
●(株)ハネパック
(佐賀県神埼市)
樹脂製品の製造
●九州カネライト
(株)
(福岡県筑後市)
樹脂製品の製造
●北海道カネカ
(株)
(北海道恵庭市)
樹脂製品の製造
●(株)東京カネカフード
(埼玉県入間郡)
油脂加工製品の製造
海外グループ会社(9社)
●カネカベルギーN.V.
●カネカマレーシアSdn.
Bhd.
機能性樹脂、発泡樹脂製品、
機能性樹脂の製造販売
変成シリコーンポリマーの製造販売、
●カネカエペランSdn.
Bhd(
. マレーシア)
太陽電池の組立販売
発泡樹脂製品の製造販売
●カネカテキサスCo
rp.
●カネカペーストポリマーSdn.
Bhd.
( マレーシア)
機能性樹脂、電子材料、塩ビ系特殊樹脂、
塩ビ系特殊樹脂の製造販売
変成シリコーンポリマーの製造販売
●蘇州愛培朗緩衝塑料有限公司(中国)
●カネカニュートリエンツL.
P.
( 米国)
発泡樹脂製品の製造販売
機能性食品素材の製造販売
●青島海華繊維有限公司(中国)
●カネカシンガポールCo(
.Pte)
Ltd.
塩ビ繊維、蛋白繊維の製造販売
医薬品中間体の製造販売
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第三者検証(レスポンシブル・ケア検 証 )
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ホームページ http://www.kaneka.co.jp/
大阪本社
〒530-8288 大阪市北区中之島3-2-4
Tel. 06(6226)5050 Fax. 06(6226)5037
東京本社
〒107-6025 東京都港区赤坂1-12-32
Tel. 03(5574)8000 Fax. 03(5574)8121
本「レスポンシブル・ケアレポート 2009」に関するお問い合わせ先
生産技術本部 RC部 Tel. 06(6226)5065 Fax. 06(6226)5194
環境にやさしい植物性大豆油インキを
使用しています。
2009.06 / 2000