「振り子の塔」について知っていますか?

平成26年8月21日
大阪市立淀川中学校 校長 北田 松太郎
「振り子の塔」について知っていますか?
皆さんは本校運動場の東側にある「振り子の塔」のことを知っていますか?
29 年前の 1985 年8月 12 日、日本航空 123 便が群馬県御巣鷹山中で墜落して乗員・乗客 524 名
のうち 520 名が亡くなられました。
この飛行機には本校の生徒(当時3年生)だった井ノ上一浩君と田渕純子さんが乗っていて尊い
命が失われました。井ノ上君は本校野球部主将で将来は甲子園を目指していました。 田渕さんは
デザイナーを志す生徒でした。希望一杯の2人がこんな悲惨な事故に
遭遇され、29 年目経った今でも悲しみがこみ上げてきます。
事故から 10 年後、田渕さんのご両親は地球の自転を証明したフラ
ンスの科学者フーコーが実験で使った「フーコーの振り子」をやや小
さく再現した振り子の設備「振り子の塔」を寄贈してくださいました。
これは純子さんが宇宙や地球の動き等に大変興味を持っていたこと
から淀川中学校の生徒たちにも興味・関心をもってほしいという願い
からです。亡くなられた2人のことを思ってこの塔(中の振り子も)を
見てほしいと思います。
「フーコーの振り子」 について
フーコーは 19 世紀のフランスの科学者で地球の自転を実験によ
り説明しました。振り子を振らせると、振り子の振動する面はゆっ
くりと動いていきます。(実際は振動面は動いておらず、地球が図のよ
うに自転しているので、振り子を上からみると振動面が時計回りに回転し
ていくように見えるのです)
日本では 1時間に約9度回
振動面が時計回
転しますが、北極で実験する
りに回転していく
と1日に1回転します。
フーコーはフランスの
振動面
パンテオン寺院のドームで
長さ 67mの振り子で公開実
験をし、パリの万国博覧会で
地球の自転のようす
公開されました。日本では東
京の国立博物館の 21mのも
のが有名で、本校のものは
7.2mです。
回
覧
【外観:長い振り子が天井から
つるされているので塔は高い】
【塔の中:つるされた振り子
のおもりを振動させました】